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技術 半導体基板の表面における金属汚染を低減する方法及び化学溶液

出願人 アイメックテキサスインスツルメンツインコーポレイテッド
発明者 ポウル・メルテンスリー・ローウェンスタインギィ・ヴェレーク
出願日 2000年1月11日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-002644
公開日 2000年10月13日 (19年5ヶ月経過) 公開番号 2000-286222
状態 特許登録済
技術分野 洗浄性組成物 洗浄、機械加工 半導体の洗浄、乾燥
主要キーワード コスト有効度 底側部分 ルシャトリエの原理 高速回転装置 吸着平衡定数 加水分解定数 化学クリーニング 化学薬品溶液
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年10月13日)のものです。
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図面 (6)

課題

半導体クリーニング方法において、化学的純度を大きく向上させることを必要とすることなく、基板からの金属除去性能を向上させる方法を提供する。

解決手段

5以上のpH値を有し、半導体基板の表面を酸化させることができ、少なくとも約6%が溶液中で解離及びイオン化する物質を含有する溶液を用いて、基板を湿式クリーニング及び/又はすすぎ処理し、物質の解離及びイオン化によって溶液中に少なくとも1種の化学種の所定量のイオンを生じさせ、そのイオンによって酸化された基板表面に結合する金属イオンの量を実質的に減少させる、半導体基板の表面における金属汚染を低減する方法。

概要

背景

半導体基板表面における金属汚染の問題は、半導体基板プロセスにおける1つの課題である。半導体デバイスは、半導体基板の表面に吸着されるごく微量の金属に対して非常に敏感である。これらの金属種は、電気的性能を低下させるということが知られている。特に、周期表IIA族金属はゲート酸化物層に非常に有害であるということが見出されている。金属汚染を低いレベルへ低減することを重要とする要求が存在している。

半導体シリコンウェーハデバイス処理において、今日においても標準的なRCAクリーニングシーケンスは、1970年代に開発された。濃厚なNH3及びH2O2とH2Oとを、1:1:5の割合で混ぜた混合物を使用するSC1(又はStandard Clean 1)プロセスは、主として粒状物質を除去するために用いられている。HCl、H2O2及びH2Oの混合物を用いるSC2(又はStandard Clean 2)プロセスは、シリコン表面から金属汚染物質を除去するために用いられている。これらのSC1及びSC2クリーニング工程は、どのような順序で行われても、その後、ウェーハから酸性又は苛性化学種を除去すること、及びウェーハ表面に近い部分の溶液中に残存する金属汚染物質を、ウェーハの近くから除去することを目的として、脱イオン(DI)水中でのすすぎ工程が行われている。

今日のクリーニング及びすすぎ技術によれば、脱イオンすすぎ水供給の純度コストをあまり増大させることなく、金属汚染を低いレベルへ低下させることに成功していないということが見出されている。クリーニングプロセスの最終的すすぎは、超純水(UPW、ultra pure water)を用いる場合であっても、金属汚染に寄与しており、従って、改善する必要がある。マイクロエレクトロニクス産業は、そのコストを低減することも必要としている。クリーニングにおいては、このことは、粒状物質及び金属についての性能の両者について良好な単一の化学的クリーニングを含む簡略化されたクリーニング配合(recipe)を導入することを通じて行うことができる。アンモニア過酸化物水混合物APM、ammonia-peroxide-water)は、今日において、粒状物質については良好な性能を有するが、金属汚染に関するその性能には一層の向上が必要とされている。

濃厚化した化学種NH3、H2O2及びH2Oを1:1:30の割合で混合した希釈化したSC1化学種の場合には、濃厚化した化学種、NH3、H2O2及びH2Oを1:1:5の割合で混合したSC1溶液の場合よりも、カルシウム汚染及びその他の金属による汚染がより深刻であるということが、Hall及びその共同研究者によって示された(Hallら、IEST 1998 Proceedings, the ICCCS 14th Int. Symp. On Contamination Control, April 26-May 1, 1998)。Ca及びその他の金属イオンの低下した吸着についてのHallらの説明は、それらがアミン錯体(M(NH3)n+)[式中、nは一般に1〜6である。]を形成するというものである。

出願人は、シリコンウェーハの周囲にはH+が常に存在しているので、金属はシリコン基板には付着しないということを既に提唱している(EP−96309145.9参照)。その出願内容を引用することによって、本願明細書に包含する。これは、実際には、再汚染の問題点について考えられる解決策であるが、すべての状況に対して適用し得るものではない。特に、APM若しくはSC1処理の間、又はすすぎの間、常にウェーハの環境を酸性に保つことは不可能である。SC1プロセス又はそれに類似するプロセスを終了すると、ウェーハは、種々のレベルのアルカリ溶液の中を通過した後、すすぎを行う場合であっても、中性状態の部分を通過した後に、酸性すすぎ条件へ到達する。

文献米国特許第5,290,367号は、半導体処理に用いるために、錯化剤として1種又はそれ以上のリン酸基又はその塩、及びポリリン酸又はその塩を有する化合物を含有する表面クリーニング溶液を開示している。錯化剤は金属に結合するため、半導体基板表面への金属の吸着が低減する。

文献米国特許第5,466,389号は、半導体IC処理に用いるアルカリ性クリーニング溶液を開示している。この発明は、半導体処理に用いるクリーニング溶液中に、不安定な化合物、例えばH2O2が存在することを防止することを目的としている。この発明は、更に、そのようなクリーニング溶液を用いて、ウェーハに必要以上の粗さを生じさせることなく、半導体ウェーハのクリーニングを達成することを目的としている。

化合物N(CH3)4OHは、SC1溶液においてNH4OHの代替物となり得る化合物として知られている。N(CH3)4OH(TMAHとも称する)は、水性環境において強く解離する。半導体基板表面への金属不純物の付着を低減するための方法を開示するその他の従来技術に関する特許文献としては、欧州特許第649168号及び同第528053号がある。これらの特許に開示されているような溶液は、限られた数の金属イオンのみの汚染レベルを低下させることに成功している。欧州特許第528053号に開示されているようにクリーニング溶液へリン酸を添加すると、基体上に望ましくない有機物残留物を導入する可能性が生じ、リン元素によって半導体基板への意図しないドーピングがおこる可能性がある。欧州特許第649168号は、更に、約5以下のpHを有する酸溶液に限定されている。

概要

半導体のクリーニング方法において、化学的純度を大きく向上させることを必要とすることなく、基板からの金属除去性能を向上させる方法を提供する。

5以上のpH値を有し、半導体基板の表面を酸化させることができ、少なくとも約6%が溶液中で解離及びイオン化する物質を含有する溶液を用いて、基板を湿式クリーニング及び/又はすすぎ処理し、物質の解離及びイオン化によって溶液中に少なくとも1種の化学種の所定量のイオンを生じさせ、そのイオンによって酸化された基板表面に結合する金属イオンの量を実質的に減少させる、半導体基板の表面における金属汚染を低減する方法。

目的

「金属除去性能を向上させる」とは、半導体基板の表面における金属汚染物質の表面濃度を低下させること、即ち、半導体基板の表面から金属汚染物質を除去すること及び/又は化学溶液中に存在する金属汚染物質の表面への吸着を防止することであり、本出願の目的であると理解されたい。

従って、本発明は、コスト効果に優れた1段階化学クリーニングを可能とすることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

半導体基板の表面を酸化させることができる溶液中において基板湿式クリーニング及び/又はすすぎプロセスに付して、半導体基板の表面における金属汚染を低減する方法であって、溶液は5以上のpH値を有しており、並びに、少なくとも約6%が溶液中で解離及びイオン化する物質を含んでおり、物質の解離及びイオン化によって溶液中に少なくとも1種の化学種の所定量のイオンを生じさせ、そのイオン種の少なくとも1種は、その化学種のイオンが酸化された表面に結合することにより、酸化された表面に結合する金属イオンの量を実質的に減少させることを特徴とする方法。

請求項2

溶液が、約pH8〜約pH10の範囲内のpH値に溶液のpHを制御又は低下させるのに有効な量のpH低下化学成分及びノニオン界面活性剤組合せを含まず、溶液は5.5以上のpH値、好ましくは6以上のpH値を有する請求項1記載の方法。

請求項3

溶液中において物質の50%以上が解離してイオンを生じることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項4

物質が約10-5モルリットル以上の濃度にて存在することを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項5

0℃〜50℃の範囲の温度にて処理を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項6

60℃以上の温度にて処理を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項7

室温にて処理を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項8

周囲温度にて処理を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項9

溶液がアンモニアを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項10

溶液が更に過酸化水素及び水を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。

請求項11

溶液が、アンモニア、過酸化水素及び水をおよそ1:1:5の比率で含むことを特徴とする請求項10記載の方法。

請求項12

溶液が、アンモニア、過酸化水素並びにイソプロパノール及び/又はエタノールを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項13

−基板表面を化学的に酸化させることができる物質を含む溶液を調製する工程、及び、その後に−酸化された表面に結合する金属イオンを物質が実質的に減少させるような処理条件を維持しながら、溶液中に基板を浸漬させる工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項14

−基板表面に化学的酸化物が生成するように処理条件を維持しながら、酸化剤及び塩基物質を含有する水溶液に基板表面をさらす工程、及び−酸化された表面に結合することができる物質を溶液に添加する工程を含んでなり、一方で、酸化された表面に結合する金属イオンの量を物質が実質的に減少させるような処理条件を維持することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項15

イオンが複数のNH4+イオン及び/又はその誘導体及び/又はそれらの化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項16

物質は、塩化アンモニウムなどの塩化物又は硝酸アンモニウムなどの硝酸塩であることを特徴とする請求項15記載の方法。

請求項17

溶液は約7又はそれ以上のpH値を有することを特徴とする請求項16記載の方法。

請求項18

本質的に水、酸化剤、塩基物質及びアンモニウムの塩を含んでなる半導体デバイス処理に用いる化学薬品溶液

請求項19

塩は、NH4F、NH4Cl、NH4Br、NH4I、NH4NO3、(NH4)2SO4の群のいずれか1種のものであることを特徴とする請求項18記載の化学薬品溶液。

請求項20

本質的にエタノール及び/又はイソプロパノール、酸化剤、塩基物質及びアンモニウムの塩を含んでなる、半導体デバイス処理に用いる化学薬品溶液。

請求項21

塩は、NH4F、NH4Cl、NH4Br、NH4I、NH4NO3、(NH4)2SO4の群のいずれか1種のものであることを特徴とする請求項20記載の化学薬品溶液。

請求項22

水又はエタノール及び/若しくはイソプロパノール、酸化剤、塩基物質及びアンモニウムの塩を含んでなり、アンモニウムの塩の量は基板上の金属汚染物質の存在量を減らすような量である化学薬品溶液の、半導体基板のクリーニング及び/又はすすぎへの使用。

請求項23

半導体デバイス処理のクリーニング及び/又はすすぎ工程において使用するための、水又はエタノール及び/若しくはイソプロパノール及び酸化剤を含んでなる化学薬品溶液を製造する方法であって、少なくとも1の半導体基板を当該溶液中でクリーニングする間に、当該溶液中で酸物質及び塩基物質を混合する工程を含むことを特徴とする方法。

請求項24

半導体デバイス処理のクリーニング工程において使用するための、水又はエタノール及び/若しくはイソプロパノール及び酸化剤を含んでなる化学薬品溶液を製造する方法であって、半導体基板を溶液にさらす前に、当該溶液中で酸物質及び塩基物質を混合する工程を含んでなることを特徴とする方法。

請求項25

酸物質はHCl又はHBr又はHNO3であり、塩基物質はNH3であることを特徴とする請求項24記載の方法。

請求項26

半導体基板は、単一のタンク、タンク又は湿式ベンチにおいて同時に処理されるウェーハのバッチの1つであることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項27

半導体基板は、単一のウェーハクリーニングツールにおける単一のウェーハであることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項28

クリーニングプロセスが、半導体基板の片側表面又は両側表面をクリーニング及び/又はエッチングする工程を含んでなることを特徴とする請求項1記載の方法。

技術分野

背景技術

0001

本発明は、湿式クリーニング処理に付される半導体基板の表面における金属汚染を低減する方法に関する。

0002

半導体基板表面における金属汚染の問題は、半導体基板プロセスにおける1つの課題である。半導体デバイスは、半導体基板の表面に吸着されるごく微量の金属に対して非常に敏感である。これらの金属種は、電気的性能を低下させるということが知られている。特に、周期表IIA族金属はゲート酸化物層に非常に有害であるということが見出されている。金属汚染を低いレベルへ低減することを重要とする要求が存在している。

0003

半導体シリコンウェーハデバイス処理において、今日においても標準的なRCAクリーニングシーケンスは、1970年代に開発された。濃厚なNH3及びH2O2とH2Oとを、1:1:5の割合で混ぜた混合物を使用するSC1(又はStandard Clean 1)プロセスは、主として粒状物質を除去するために用いられている。HCl、H2O2及びH2Oの混合物を用いるSC2(又はStandard Clean 2)プロセスは、シリコン表面から金属汚染物質を除去するために用いられている。これらのSC1及びSC2クリーニング工程は、どのような順序で行われても、その後、ウェーハから酸性又は苛性化学種を除去すること、及びウェーハ表面に近い部分の溶液中に残存する金属汚染物質を、ウェーハの近くから除去することを目的として、脱イオン(DI)水中でのすすぎ工程が行われている。

0004

今日のクリーニング及びすすぎ技術によれば、脱イオンすすぎ水供給の純度コストをあまり増大させることなく、金属汚染を低いレベルへ低下させることに成功していないということが見出されている。クリーニングプロセスの最終的すすぎは、超純水(UPW、ultra pure water)を用いる場合であっても、金属汚染に寄与しており、従って、改善する必要がある。マイクロエレクトロニクス産業は、そのコストを低減することも必要としている。クリーニングにおいては、このことは、粒状物質及び金属についての性能の両者について良好な単一の化学的クリーニングを含む簡略化されたクリーニング配合(recipe)を導入することを通じて行うことができる。アンモニア過酸化物水混合物APM、ammonia-peroxide-water)は、今日において、粒状物質については良好な性能を有するが、金属汚染に関するその性能には一層の向上が必要とされている。

0005

濃厚化した化学種NH3、H2O2及びH2Oを1:1:30の割合で混合した希釈化したSC1化学種の場合には、濃厚化した化学種、NH3、H2O2及びH2Oを1:1:5の割合で混合したSC1溶液の場合よりも、カルシウム汚染及びその他の金属による汚染がより深刻であるということが、Hall及びその共同研究者によって示された(Hallら、IEST 1998 Proceedings, the ICCCS 14th Int. Symp. On Contamination Control, April 26-May 1, 1998)。Ca及びその他の金属イオンの低下した吸着についてのHallらの説明は、それらがアミン錯体(M(NH3)n+)[式中、nは一般に1〜6である。]を形成するというものである。

0006

出願人は、シリコンウェーハの周囲にはH+が常に存在しているので、金属はシリコン基板には付着しないということを既に提唱している(EP−96309145.9参照)。その出願内容を引用することによって、本願明細書に包含する。これは、実際には、再汚染の問題点について考えられる解決策であるが、すべての状況に対して適用し得るものではない。特に、APM若しくはSC1処理の間、又はすすぎの間、常にウェーハの環境を酸性に保つことは不可能である。SC1プロセス又はそれに類似するプロセスを終了すると、ウェーハは、種々のレベルのアルカリ溶液の中を通過した後、すすぎを行う場合であっても、中性状態の部分を通過した後に、酸性すすぎ条件へ到達する。

0007

文献米国特許第5,290,367号は、半導体処理に用いるために、錯化剤として1種又はそれ以上のリン酸基又はその塩、及びポリリン酸又はその塩を有する化合物を含有する表面クリーニング溶液を開示している。錯化剤は金属に結合するため、半導体基板表面への金属の吸着が低減する。

0008

文献米国特許第5,466,389号は、半導体IC処理に用いるアルカリ性クリーニング溶液を開示している。この発明は、半導体処理に用いるクリーニング溶液中に、不安定な化合物、例えばH2O2が存在することを防止することを目的としている。この発明は、更に、そのようなクリーニング溶液を用いて、ウェーハに必要以上の粗さを生じさせることなく、半導体ウェーハのクリーニングを達成することを目的としている。

発明が解決しようとする課題

0009

化合物N(CH3)4OHは、SC1溶液においてNH4OHの代替物となり得る化合物として知られている。N(CH3)4OH(TMAHとも称する)は、水性環境において強く解離する。半導体基板表面への金属不純物の付着を低減するための方法を開示するその他の従来技術に関する特許文献としては、欧州特許第649168号及び同第528053号がある。これらの特許に開示されているような溶液は、限られた数の金属イオンのみの汚染レベルを低下させることに成功している。欧州特許第528053号に開示されているようにクリーニング溶液へリン酸を添加すると、基体上に望ましくない有機物残留物を導入する可能性が生じ、リン元素によって半導体基板への意図しないドーピングがおこる可能性がある。欧州特許第649168号は、更に、約5以下のpHを有する酸溶液に限定されている。

0010

本発明は、半導体のクリーニング方法において、化学的純度を大きく向上させることを必要とすることなく、基板からの金属除去性能を向上させる方法を含むものである。

0011

「金属除去性能を向上させる」とは、半導体基板の表面における金属汚染物質の表面濃度を低下させること、即ち、半導体基板の表面から金属汚染物質を除去すること及び/又は化学溶液中に存在する金属汚染物質の表面への吸着を防止することであり、本出願の目的であると理解されたい。

課題を解決するための手段

0012

従って、本発明は、コスト効果に優れた1段階化学クリーニングを可能とすることを目的とする。

0013

本発明は、半導体基板の表面における金属汚染を低減するための方法であって、基板表面を酸化することができる溶液であって、酸化した表面に結合する金属イオンの量を実質的に低下させる物質を含有する溶液の中に、基板を浸漬させて湿式クリーニング処理する方法に関する。

0014

本発明の第1の要旨は、半導体基板の表面における金属汚染を低減するための方法を開示する。本発明の方法によれば、基板表面を酸化することができる溶液であって、その溶液中で強くイオン化する物質を含有することによって当該溶液中に少なくとも1種の化学種のイオンを所定量で生じさせる溶液に、基板を浸漬させて湿式クリーニング及び/又はすすぎ処理を行う。少なくとも1種のイオン種は、この化学種のイオンが酸化された表面に強く結合するような寸法及び形状を有し、及び酸化された表面へ結合する金属イオンの量を実質的に低下させるのに十分な量のイオンである。

0015

物質は、当該溶液中において強くイオン化され、それによって当該溶液中に少なくとも1種の化学種が所定量で生じる。従って、その物質は、解離し、おそらく加水分解されてイオンを生じると考えられる。そのイオンの大部分は、酸化された表面に結合する金属イオンの量を低下させることに有利な影響力を有する、NH4+イオン及び/若しくはその誘導体、並びに/又はそれらの化合物であることが好ましい。強くイオン化するという用語は、物質の分子の少なくとも約6%がイオンに解離することを意味する。強くイオン化するという用語によれば、物質の分子の約7〜8%、又は9−10−15−20−30−40−50−60−70−80−90−100%がイオンに解離することであると理解することもできる。強くイオン化することに関するこれらの数は、室温条件において得られるものであり、この発明をより高い温度又はより低い温度条件にて実施する場合には、それに対応する数値が適する。本発明は、室温よりも低い温度(例えば、0℃以上の温度)又は室温よりも高い温度(例えば、50℃若しくは60℃若しくは80℃若しくは100℃又はそれ以上の温度)においても実施することができる。この溶液は、約5、又は約5.5若しくは6若しくは6.5若しくは7又はそれ以上のpH値であることが好ましい。この溶液は、溶液のpHを約pH8から約pH10のpH範囲内に低下又は制御する、有効量のpH低下化学成分及びノニオン界面活性剤組合せは含まないことが好ましい。溶液中における後者の組合せでの化学種成分の組合せによれば、基体表面に吸着する界面活性剤競争機構がもたらされる可能性がある。欧州特許第5466389号及び同第0678571号の教示は、後者の組合せの作用を説明するために、引用することによって本明細書に含めることとする。

0016

本発明の好ましい態様において、化学種のイオンは、基板表面における金属イオンの濃度が1012若しくは1011原子/cm2以下、又は1010原子/cm2に低下するような量で存在する。

0017

少なくとも1種のイオン種は、酸化された表面に結合する金属イオンの量を実質的に低下させるようなイオンの量となるように、酸化された表面に結合するイオンである。従って、この化学種のイオンは、酸化された表面にイオン(本明細書においては、カチオン又は穏やかな(benign)カチオンとも称する。)が強く結合し、及び酸化されたウェーハ表面に結合する金属イオンを除去することができるような寸法及び形状を有するものである。金属イオンの吸着を抑制することができるカチオンの特性は、本発明の一部でもある。あらゆる環境において、酸性、アルカリ性又は中性溶液であっても、ウェーハ表面への金属イオンの吸着は、クリーニング溶液へカチオンを添加することによって低減される。酸性溶液中において、H+は金属吸着を減らすのに十分であるとも考えられるが、例えばNH4+又は他のカチオンなどの本発明のカチオンを添加することによって、金属の吸着を著しく抑制することができる。

0018

そのような物質は、約10-5モルリットル又は10-4モル/リットル又は10-2モル/リットル以上の濃度にて存在させることができる。

0019

そのような溶液は、アンモニアを含むことが好ましい。そのような溶液は、更に、アンモニア、過酸化水素及び水を約1:1:5の比率で含有することができる。これを適用する場合には、上記の比率において用いる「過酸化水素」は、H2O中におけるH2O2の約28%溶液であると理解されるべきである。同様に、上記の比率において用いる「アンモニア」は、H2O中におけるアンモニアの約30%溶液であると理解されるべきである。

0020

その溶液は、アンモニア、過酸化水素並びにイソプロパノール及び/又はエタノールの混合物を含んでいてもよい。

0021

本発明の第1の要旨についての1つの態様では、本発明の方法は、
−半導体基板の表面を化学的に酸化することができる物質を含む溶液を調製する工程、及び、その後
−酸化された表面に結合する金属イオンを物質が実質的に減少するような処理条件を維持しながら、その溶液中に基板を浸漬させる工程を含むことができる。

0022

本発明の方法は、更に、
−基板表面を、当該表面に化学的酸化物が生成するように処理条件を維持しながら、酸化剤及び塩基物質を含有する水溶液さらす工程、及び
−酸化された表面に結合することができる物質を溶液に添加する工程を含んでなり、一方で、酸化された表面に結合する金属イオンの量を物質が実質的に減少させるような処理条件を維持することを含んでなる。

0023

上記溶液は、約7のpH値、7.5のpH値若しくは8若しくは9又はそれ以上のpH値(例えば、10のpH値)を有することが好ましい。

0024

本発明の第2の要旨によれば、半導体デバイス処理に用いる化学薬品溶液であって、本質的に、水、酸化剤、塩基物質及びアンモニウム塩からなる溶液が開示される。

0025

本発明の第3の要旨としては、半導体基板のクリーニング及び/又はすすぎに用いるための、水、酸化剤、塩基物質及びアンモニウムの塩を含んでなる化学薬品溶液であって、溶液中のアンモニウム塩の量が基板上に存在する金属汚染物質を減少させるような量である溶液を開示する。

0026

本発明の各要旨において、半導体基板は、単一のタンク、タンク又は湿式ベンチにおいて同時に処理されるバッチのウェーハの1つであってもよいし、単一のウェーハクリーニングツール内で処理される1つのウェーハであってもよい。

0027

本発明の特定の態様の詳細な説明
シリコン表面から金属汚染物質を除去するための酸性処理メカニズムは、まだ十分に解明されているとは言えない。

0028

溶液中における吸着種の濃度とウェーハ表面において得られる金属濃度とを関連づけるわかりやすいモデルについての研究はまだ十分になされていない。溶液中の物質が最終的にシリコン表面に付着することは知られているが、溶液濃度と表面濃度との関係については知られていない。

0029

熱力学的には、SiよりもSiO2の方が、Si−H2O系におけるSiの安定な形態であるということが教示されている。薄い表面層の酸化物への熱力学的に好ましい変化は、動力学的に制限される。SiO2とH2Oとが共存する場合には、ほぼ必ずSi−OH基が生成すると考えることができる。ウェーハクリーニングによってもたらされる、親水性シリコンウェーハ表面におけるSi−OH基の酸−塩基挙動は重要である。酸化された表面の挙動はシリカゲルの場合の挙動と似ており、そのSi−OH基は弱酸性イオン交換体として作用する。水中において、表面のSi−OH基(SiOH)は、以下の式(1)に示すように解離することができる。同様に、以下の式(2)に示すように、金属カチオン表面基のSiO-及びSiOMに付着することもできるし、それらの表面基から解離することもできる。

0030

標準的な平衡式を適用することによって、濃度の間の関係が得られる:

0031

酸が多くの金属種の溶解性を向上させるということは化学的に知られており、従って、シリコン表面におけるそれらの作用はあまり問題とはされなかった。しかしながら、シリコン表面はシリカゲル表面と非常によく似た作用をするということが知られている。シリカゲルは、ゆるやかに形成された二酸化ケイ素マトリックスによって形成されている。その表面は種々の配列のヒドロキシル基を有しており、その部位が金属イオンが結合するイオン交換サイトとして機能する。

0032

式(1)、(2)及び(3)は、水溶液中の金属カチオンと、親水性表面に吸着された金属カチオンとの間の平衡を理解するためのよい出発点を提供しているが、これらの式ではまだ十分とは言えない。これらの式によれば、化学的酸化物によって被覆されている親水性シリコン表面に付着した金属を除去するH+の能力について説明することができる。ルシャトリエの原理(Le Chatelier's Principle)によれば、式(1)の右辺に存在する種(即ち、H+)を添加することによって、反応は左辺の方へ進められる。従って、酸性媒体中で操作するSC2によって、金属を除去する結果がもたらされる。

0033

RCAシーケンス脱イオン水におけるすすぎ工程を有しているため、これらの式は今日のクリーニング技術における1つの問題点を呈している。すすぎ工程の間、脱イオン水は中性であるためにpHは7に近くなり、そして、すすぎ液の中に酸又はCO2が溶解していない場合には、7のpH値を有することになる。水中にCO2が溶解すると、pH値は約5.6になる。pH値が上昇するにつれて、又はウェーハ周囲における水のH+含量が減少するにつれて、溶液中の金属が、高純度の脱イオン水中では比較的低濃度であっても、ウェーハ表面に再吸着されやすくなるような環境にウェーハは置かれることになる。

0034

本発明は、コスト有効度に優れる、1段階の化学的クリーニング及び/又はすすぎ処理を可能にする方法及びそのための溶液を目的とする。本発明は、以下に説明する実験モデル解析によって裏付けられている。これらの実験は、本発明の出願時点において最良の形態で行ったものである。本発明は、広い範囲の溶液について、酸化されたウェーハ表面におけるイオン性の金属吸着についてのワーキングモードを規定することができる。これは、表面サイトをH+イオン及びNH4+イオンのような穏やかなカチオンと結合させることによって、きわめて低い金属汚染レベルを得ることができるということを示している。穏やかなカチオンは、酸化された表面にこの化学種(本発明のカチオン、the cation)が強く結合するような寸法及び形状を有している。本発明によって導き出されたモデルは、UPW純度の原因ともなり、良好な最終的すすぎを達成するために必要とされる、酸スパイキング(acid spiking)のレベルでのエンジニアリングをも可能にする。

0035

1種のカチオンの、他のカチオンの吸着を抑制できるという特性は、本発明の一部でもある。あらゆる環境において、酸性、アルカリ性または中性溶液であろうと、ウェーハ表面への金属イオンの付着は、クリーニング溶液へカチオンを添加することによって低減される。酸性溶液においては、金属の吸着を低減させるためには、H+で十分かもしれないが、NH4+イオン又はその他のカチオンを添加すると、金属の吸着を著しく抑制することができ、更にH+を使用することができない場合であっても、使用することができるのである。

0036

本発明の第1の要旨において、半導体基板の表面における金属汚染を低減させるための方法が示唆されている。この方法では、半導体基板の表面を酸化させることができ、溶液中に強くイオン化する物質を含有することによって、溶液中の少なくとも1種の化学種についての所定量のイオンを生成させる溶液中に、基板を浸漬させて湿式クリーニング処理を行う。そのようなイオン種の少なくとも1種のものは、この種のイオンが酸化された表面に結合し、そのイオンの量は酸化された表面に結合する金属イオンの量を低減させるのに十分な数であるような寸法及び形状を有している。好ましくは、その種のイオンの量は、そのような表面上における金属イオンの濃度が1010原子/cm2以下へ低下するような濃度である。

0037

そのような化学種のイオン(カチオン)は、例えば、塩化物又は窒化物の塩として添加することができる。従って、NH4Cl及びNH4NO3は、金属吸着を抑制するためにクリーニング溶液へ添加することが考えられる物質(添加物質)である。Cl-及びNO3-は、一般に、水溶液中で金属イオンと不溶性の組合せを形成することはない。NH4Cl、NH4NO3及び関連する化合物は、NH3をHCl、HNO3などを用いて中和することにより生成するということに注目されたい:

0038

これは、容易に入手することができ、高純度の電子グレードのNH3及びHCl及びHNO3によってそのような化合物を生成させるのに好ましい方法でもある。

0039

ウェーハ表面に残存するNH4Cl及びNH4NO3は、無害であるか、又はその後の熱処理の間に昇華するかのいずれかである。

0040

本発明の第1の要旨の態様において、Siウェーハを用いた実験を開示することによって、最良の実施形態について説明している。本発明の別の要旨の教示は、これらの種々の実験から、この技術分野における専門家であれば導き出すことができるであろう。

0041

直径150mmのSi(100)ウェーハを調製し、標準的IMEC−CLEAN(登録商標)プロセスに適用する。このIMEC−CLEAN(登録商標)プロセスは、H2SO4/O3中での処理、及び希HF中での処理、そして最後に希HCl/O3すすぎにより順次処理し、そしてMarangoni乾燥を行い、ウェーハ表面を親水性の状態にすることからなる。

0042

より詳細には、3つの実験について説明する。第1の実験は、中性水溶液から金属イオン吸着を防止するNH4+イオンの役割について説明する。第2の実験は、APM溶液からの金属イオンの低金属吸着について説明するものであり、これはNH4+イオンの存在下における競争的吸着という表現解釈される。第3の実験は、NH4+イオン濃度の増大の効果を示すものである。ウェーハ表面における金属吸着を減少させる化学種のイオン(NH4+カチオン)は、NH4Cl塩として添加される物質に由来するものでもある。

0043

金属イオンの調製した溶液にウェーハをさらす制御的汚染技術(controlled contamination technique)は、一般的な実験である。カルシウムは、固体のCa(NO3)2・4H2O(Merck、Suprapur(登録商標)級、最大50ppmのバリウム及びストロンチウム、その他の金属についてはそれ以下)から生じる。処理溶液にさらした後、ウェーハを高速ウェーハ回転装置上で30秒間回転させて、ウェーハ表面から溶液を迅速に除去し、ウェーハを乾燥させる。他のすすぎ操作又は乾燥操作は行わない。この操作は図1に示している。最初に、気相分解小滴捕集装置(VDP/DC)を用いて金属を予備濃縮し、次いで、ヒートランプを用いて小滴を乾燥させて、Atomika Model XSA 8010スペクトロメーターを備えた全反射蛍光X線分析装置(TXRF、total x-ray fluorescence)によって汚染表面濃度を測定する。

0044

第1の実験について以下説明する。

0045

金属イオンの調製した溶液にウェーハをさらす制御的汚染技術は、当業者にとって一般的なものであり、既に説明している。

0046

第1の実験においてCa2+吸着に対するNH4+の影響を、実験用ソフトウェアパッケージ(ECHIP)を用いて形成させた正方形状の(2次元的な)構成を用いて調べた。11の異なる検討条件があり、それに3つのチェックポイントを加えた(トライアル(trials)101−103)。各構成点について3〜4回の実験を行い、2回は各チェックポイントについて行った。実験を行うのに要する時間を短縮するために、実験操作を次々に行った。Merck社からのNH4Cl(Suprapur(登録商標)級:最大で0.5ppmのカルシウム、5ppmのバリウム及びカリウム、その他の金属についてはそれ以下)を種々の濃度にて、種々の条件で処理溶液へ添加する。

0047

実験の評価は以下のように行った。湿った化学的酸化物上への金属イオン吸着をH+が抑制することを知って、アンモニウムの酸性度を考慮する。塩基(アンモニア)の共役酸アンモニウムイオン(NH4+)である。アンモニアは弱い塩基であり、以下の式のように反応する:

0048

対応する平衡式は次のようになる:

0049

NH4Clなどの塩は、次式のように弱酸として作用する:

0050

加水分解定数Khは次のようにして得られる:

0051

KhとKbとは、次のような関係にある:

0052

塩化アンモニウムを水に溶解させると、ごく少量のアンモニウムが解離して、図2に示すように、[H3O+]はわずかに上昇する。10-2モル/リットルの物質濃度(この実験においては最も高い濃度)にてNH4Clを添加すると、[H+]は依然として、吸着された金属イオンの表面濃度に対しては最小の影響を示すものとして知られる2×10-6モル/リットルである。

0053

第2の実験を以下に説明する。

0054

SC1及び酸溶液からのCa2+吸着を測定するため、意図的に汚染させたSC1溶液からの化学的酸化物へのCa2+吸着を、pH値が3、4.5及び5.7の硝酸溶液からのCa2+吸着と比較した。半導体級純度の化学薬品を用いて、NH3:H2O2:H2Oの1:1:5の割合のSC1溶液を調製した。酸条件下での試験において、HNO3を使用した。溶液は室温にて調製した。ここで、比例記号「:」の式中で用いている「H2O2」とは、H2O中約28%のH2O2の溶液であると理解されたい。ここで、比例記号「::」の式中で用いている「NH3」とは、H2O中約30%のアンモニアの溶液であると理解されたい。

0055

SC1溶液からのカルシウム吸着は、この第2の実験によって測定される(図3参照)。その溶液からのカルシウム汚染は、中性溶液と比較して、大きく低下していることが観察された。

0056

pH10のSC1溶液についてのカルシウム汚染は、実際には、pH3の酸性溶液におけるカルシウム汚染に匹敵している。図3を解釈すると、プロット底側部分が高い表面濃度であり、プロットの左側部分が高い溶液濃度であることに注意すべきである。酸性条件は、競争的吸着の修正したラングミュア理論(Langmuir theory)に従って予測される挙動を示している。結果を、溶液濃度の逆数(1/[Ca2+])に対する表面濃度の逆数(1/σCa又は1/{Ca})としてプロットしている。吸着は、以下の挙動:

0057

上述したように、カルシウム汚染及びその他の金属による汚染は、化学薬品NH3、H2O2及びH2Oを1:1:5の割合で混合する標準的SC1溶液の場合よりも、化学薬品NH3、H2O2及びH2Oを1:1:30の割合で混合する希釈SC1化学薬品溶液の場合の方がより大きいということが、Hall及びその共同研究者によって示されている(Hallら、IEST 1998 Proceedings, the ICCCS 14th Int. Symp. On Contamination Control, April 26-May 1, 1998)。カルシウム及びその他の金属イオンの吸着の低下についてのHallの説明は、それらのイオンはアミン錯体(M(NH3)n+)[式中、nは一般に1〜6である。]を形成するということである。しかしながら、Cu2+はアミン錯体を形成するが、Ca2+及びその他の多くの金属イオンはアミン錯体を形成しないということが知られている。従って、SC1において金属吸着が減少することについてのHallらによるこの解釈は妥当であるとは言えない。

0058

半導体基板の表面と溶質との間の相互作用のより広い観点から説明される。特に、H+は、>SiO-基に結合する場合に、特定の位置を占めることはない。式(13)の反応:

0059

従って、1種の金属イオンによって、表面から他の種類の金属イオンが除かれる可能性があり、H+についても同様である。ここで重要な特徴は、M1及びM2は金属イオンであり、更に言えばカチオン、即ち正電荷を帯びたイオンであるということである。それらは、カチオンとして、>SiO-基に結合することができるのである。

0060

ウェーハを含む系にカチオンM2+を添加することによって、表面からM1を排除することができる。このことは、半導体デバイスの製造プロセスにおいて1種の生産性阻害するもの(yield killer)を他のものに置き換えようとする場合に、あまり訴求力のあるものではない。実際には、電気的品質低下を生じることに関して、異なる金属イオンは異なる性向を有している。更に、関係するカチオンの大部分のものは金属に由来するところ、そうでないものも存在する。そのようなカチオンの好適な例には、アンモニウムイオン(NH4+)及びその誘導体(RnNH4-n+)[式中、Rは一般に有機基、例えばCH3であり、n=0〜4である。]がある。当然のことながら、RmR'nNH4-m-n+のように混合した有機基を用いることもできる。SC1において、活性な化学種はNH4+であって、NH3ではない。pH3では、10-3モル/リットルのカチオン、即ちH+が存在している。pH10では、10-4モル/リットルのNH4+が存在しており、従ってNH4+による金属汚染抑制作用を利用することができ、このカチオンが溶液に影響を及ぼす。

0061

本発明によれば、広範な種々の溶液について、酸化されたウェーハ表面におけるイオン性の金属の吸着に関するモデルが示唆される。表面サイトにH+及びNH4+などの穏やかなカチオンを結合させることによって、非常に低い金属汚染レベルを達成することができるということが本発明によって示されるのである。このモデルによって、UPW純度にも関与する、良好な最終的すすぎを達成するために必要とされる、酸スパイキングのレベルのエンジニアリングが可能となる。溶液中におけるNH4+濃度を上昇させることによって、APMからのイオン性の金属汚染が大きく低下される。

0062

第3の実験について、以下、説明する。

0063

1:1:5のNH3:H2O2:H2OAPM(アンモニア−過酸化物−水混合物)における金属吸着の挙動について調べる。図4に示すようなAPMにおけるCa汚染について検討する。APMからのカルシウム汚染の程度は、pH3の酸性溶液からの汚染に匹敵する。APM中のある種のイオン(例えば、アルミニウム及び鉄)による汚染は存在するが、厳しい金属汚染は一般的な問題ではない。1つの示唆された理由は、NH3が溶液中の金属イオンと錯体を形成するということである。この説明は、強いアミン錯体を形成する銅などの金属については当てはまるが、そのような錯体を形成しないカルシウムなどの金属については適用することができない。図4は、APMからのCa吸着は、酸性溶液からの吸着の場合と同様の挙動をするということを示しており、即ち、その[H+]への依存性は、(3)と同様の式によって説明される。APMにおいて、カチオンNH4+は、酸溶液中におけるH+と同様の挙動を示すのである。

0064

Ca(NO3)2及びNH4Clを含有する溶液からの表面汚染について調べることによって、NH4+の役割を確認する。図5は、[NH4+]が増大すると、金属表面吸着は実際に著しく低下するということを示している。従って、APM及び希釈APMプロセスは、競争的吸着の原理に従い、NH4+を添加することによってイオン性の金属吸着に関して改善することができる。

0065

1種のカチオンが他種のカチオンの吸着性を抑制する能力を有するという性質は、本発明の一部である。あらゆる環境において、酸性、アルカリ性又は中性溶液であろうと、クリーニング溶液へカチオンを添加することによって、ウェーハ表面への金属イオン吸着は低減されることになる。酸性溶液において、H+は金属吸着を低減させるには十分であるかもしれないが、NH4+又は他のカチオンを添加することによれば金属吸着を著しく抑制することができるのである。

0066

SC1のようなアルカリ性溶液においても、NH4+を添加することによって金属吸着を抑制することができる。このことはNH3を更に添加することと同等のことではない。NH3を更に添加すると、NH4+の量は、反応:

0067

そのような場合に、カチオンの量はほぼ[NH3]1/2に応じて上昇する。NH4+を添加することには、対イオン、例えばCl-を添加することも必然的に伴なう。電荷を中性に保つためには、次の式を満足する必要がある:

0068

希釈SC1化学薬品溶液を適用することによって達成することができる、より低い化学薬品消費は、金属汚染をより悪化させる可能性があることと釣り合いをとる必要がある。NH4Clを添加することによって浴のNH4+含量を増加させることもできるが、このことはNH3とほぼ同量のNH4Clを添加する必要があり、従ってケミカルゲイン(chemical gains)は主としてH2O2のより低い使用に制限されるということを意味する。このことを表2に示す。

0069

最後に、アンモニウムイオンNH4+は、湿った化学的酸化物へのCa2+の吸着を妨げるということを示す。NH4+の吸着について表す平衡定数KNH4はおよそ103リットル/モルないし5000リットル/モルのオーダーであって、H+の吸着平衡定数と同等か又はそれより大きく、シリコン表面から金属を除去すること、及び表面に金属を近づけないことに関して、H+と比較してNH4+は同等か又はそれ以上であることを意味する。室温でのSC1溶液(1:1:5のNH3:H2O2:H2O)において、Siの湿った化学的酸化物への比較的低いCa2+吸着は、吸着サイトについてのSC1溶液中に多く存在するNH4+との競争によって説明することができる。このモデルは、SC1溶液中の他のものによって観察されていた金属汚染挙動の説明にも役立つ。更に、NH4+の役割を理解することによって、SC1プロセスの全体としての可能性及び低下した化学薬品消費と共に、大きく向上した希釈SC1プロセスの配合を形成することができる。

0070

本出願人の考えに即して、pH中性の溶液、例えばすすぎ液中において、超純水にNH4Cl又はその他の適当な化学薬品を添加すると、金属吸着は大幅に低減されることになる。すすぎ溶液へ添加した化学薬品は、酸又は塩基をすすいで除くような従来の処理と同様にして調整することができる。

0071

上述の処理は、主として水性系についての説明であるが、酸-塩基挙動は非水性系、例えばエタノール系においても裏付けられる。その結果、非水性系の環境においても同様の処理を適用することができる。更に、H+及びカチオンはいずれも、ルイス酸として知られるより大きな分類に含まれるものであって、それらは式(5)と同様の挙動を示し、従って、これらの物質も本発明の範囲内の要素であると考えられる。更に、非シリコン半導体、並びに他の材料も式(5)の基本的原理に従うため、これらも本発明の範囲に含まれる。本発明の範囲及び精神は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるものであり、当業者によって想到され得る本発明について他の態様も本発明の範囲に含まれる。

0072

図1における、種々のpHについてのCa吸着曲線−濃度の逆数についての切片及び傾き
ID=000008HE=035 WI=098 LX=0560 LY=0550

図面の簡単な説明

0073

SC1と、混合物が[NH3]:[H2O2]:[H2O]について種々の比率を有する種々の混合物との化学的比較 (NH4Clは、希釈SC1配合において低[NH4+]を補うためにNH4Clを添加することを意味する。 [全N]は、Nのすべてのソース([NH4Cl]0及び[NH3]0)を表す。 濃度は、モル/リットルである。)

0074

図1図1は、高速回転装置上で行うシリコンウェーハの表面処理の模式図を示している。
図2図2は、室温にて、水に添加するNH4Clに対する[H+]の依存性を示している。
図3図3は、VPD−DCによる濃縮の後でTXRFによって測定したSC1溶液中における化学的酸化物Si表面へのCa2+の吸着を示している。{Ca2+}は表面濃度(原子/cm2)であり、[Ca2+]は溶液濃度(モル/リットル)である。
図4図4は、AP溶液においてpH値が3、4.5、5.7及び10.6の場合の1/[Ca2+]に対する1/σCa依存性を示している。
図5図5は、[NH4+]及び1/[Ca2+]の関数としての1/σCaの輪郭線等高線)をプロットしたものを示している。輪郭線の間隔は、APM溶液中で0.1×10-10cm2である。

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