図面 (/)

技術 エレクトロスプレー質量分析方法及びその装置

出願人 科学技術振興事業団
発明者 山口健太郎
出願日 1999年3月30日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1999-087356
公開日 2000年10月13日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2000-285847
状態 特許登録済
技術分野 その他の電気的手段による材料の調査、分析 計測用電子管
主要キーワード 検知強度 中性化学種 同軸形状 イオン強度比 イオン化機構 高速粒子 セクター型 イオン化用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年10月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

不安定な有機金属錯体及び高分子有機化合物分子イオン及びフラグメントイオンの質量を的確に分析することができるエレクトロスプレーイオン化質量分析法及びその装置を提供する。

解決手段

エレクトロスプレーイオン化質量分析法において、スプレー細管より導出される溶媒を含む被験試料気化用不活性ガスAで冷却し、さらに脱溶媒チャンバー7またはイオン源ブロック8を液体窒素で冷却しながらイオン化を行い、前記被験試料の質量を分析する。

概要

背景

従来、このような分野の技術文献としては、以下に示すようなものがあった。

(1)F.Bitsch,C.O.D.‐Buchecker,A.‐K.Khemiss,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Am.Chem.Soc.1991,113,4023−4025.
(2)D.‐C.Buchecker,E.Leize,J.‐F.Nierengarten,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1994,2257−2258.
(3)D.Whang,K.‐M.Park,J.Heo,P.Ashton,K.Kim,J.Am.Chem.Soc.1998,120,4899−4900.
液体導入エレクトロスプレーイオン化ESI)装置はタンパク質生体高分子及び有機金属錯体等の分子構造解析する上で発展してきた。

有機金属化合物には、例えば、自己集合による遷移金属を用いた高度に秩序付けられた超分子などがあり、注目されてきた〔(1)F.Bitsch,C.O.D.‐Buchecker,A.‐K.Khemiss,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Am.Chem.Soc.1991,113,4023−4025. (2)D.‐C.Buchecker,E.Leize,J.‐F.Nierengarten,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1994,2257−2258. (3)D.Whang,K.‐M.Park,J.Heo,P.Ashton,K.Kim,J.Am.Chem.Soc.1998,120,4899−4900. (4)M.Fujita,K.Ogura,Coord.Chem.Rev;1996,148,249−264.参照〕。

こうした化合物の特徴、及び詳細な分子構造分析は、主にX線結晶学やNMR核磁気共鳴分光学によって行われていた。

概要

不安定な有機金属錯体及び高分子有機化合物分子イオン及びフラグメントイオンの質量を的確に分析することができるエレクトロスプレーイオン化質量分析法及びその装置を提供する。

エレクトロスプレーイオン化質量分析法において、スプレー細管より導出される溶媒を含む被験試料気化用不活性ガスAで冷却し、さらに脱溶媒チャンバー7またはイオン源ブロック8を液体窒素で冷却しながらイオン化を行い、前記被験試料の質量を分析する。

目的

本発明は、上記状況に鑑みて、不安定な有機金属錯体の特徴を的確に分析することができるエレクトロスプレーイオン化質量分析方法及びその装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

エレクトロスプレー質量分析方法において、被験試料溶液気化ガス及び脱溶媒チャンバーまたはイオン源を冷却しながらイオン化を行い、被験試料の質量を分析することを特徴とするエレクトロスプレー質量分析方法。

請求項2

請求項1記載のエレクトロスプレー質量分析方法において、前記気化ガスおよびイオン源は液体窒素温度から室温の範囲の低温領域にあることを特徴とするエレクトロスプレー質量分析方法。

請求項3

請求項1記載のエレクトロスプレー質量分析方法において、前記被験試料は有機化合物であることを特徴とするエレクトロスプレー質量分析方法。

請求項4

請求項1記載のエレクトロスプレー質量分析方法において、前記気化ガスはネプライザーガス又は乾燥ガスであることを特徴とするエレクトロスプレー質量分析方法。

請求項5

請求項4記載のエレクトロスプレー質量分析法において、前記気化ガスは窒素ガス等の不活性ガスであることを特徴とするエレクトロスプレーイオン化質量分析方法。

請求項6

請求項1記載のエレクトロスプレーイオン化質量分析方法において、前記溶媒は水乃至無極性有機溶媒であり、分子構造を分析することを特徴とするエレクトロスプレー質量分析方法。

請求項7

エレクトロスプレー質量分析装置において、(a)冷却されたイオン源及び脱溶媒チャンバーと、(b)キャピラリー同軸形状をなし冷却ガスを通すシース管と、(c)前記溶媒を用いてイオン化を行い、被験試料の質量を分析する質量分析計とを備え、(d)エレクトロスプレーイオン源において脱溶媒チャンバーまたはイオン源ブロックを直接液窒素を吹きつけることにより冷却し、用いることを特徴とするエレクトロスプレー質量分析装置。

請求項8

請求項7記載のエレクトロスプレー質量分析装置において、前記冷却ガスは、不活性ガスの冷却装置を介して前記シース管に導入されることを特徴とするエレクトロスプレー質量分析装置。

技術分野

0001

本発明は、エレクトロスプレー質量分析方法及びその装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、このような分野の技術文献としては、以下に示すようなものがあった。

0003

(1)F.Bitsch,C.O.D.‐Buchecker,A.‐K.Khemiss,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Am.Chem.Soc.1991,113,4023−4025.
(2)D.‐C.Buchecker,E.Leize,J.‐F.Nierengarten,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1994,2257−2258.
(3)D.Whang,K.‐M.Park,J.Heo,P.Ashton,K.Kim,J.Am.Chem.Soc.1998,120,4899−4900.
液体導入エレクトロスプレーイオン化ESI)装置はタンパク質生体高分子及び有機金属錯体等の分子構造解析する上で発展してきた。

0004

有機金属化合物には、例えば、自己集合による遷移金属を用いた高度に秩序付けられた超分子などがあり、注目されてきた〔(1)F.Bitsch,C.O.D.‐Buchecker,A.‐K.Khemiss,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Am.Chem.Soc.1991,113,4023−4025. (2)D.‐C.Buchecker,E.Leize,J.‐F.Nierengarten,J.‐P.Sauvage,A.V.Dorsselaer,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1994,2257−2258. (3)D.Whang,K.‐M.Park,J.Heo,P.Ashton,K.Kim,J.Am.Chem.Soc.1998,120,4899−4900. (4)M.Fujita,K.Ogura,Coord.Chem.Rev;1996,148,249−264.参照〕。

0005

こうした化合物の特徴、及び詳細な分子構造分析は、主にX線結晶学やNMR核磁気共鳴分光学によって行われていた。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、精密な構造解析を行うのに十分な純度を持つ単結晶を得ることは、概して困難である。例えば、分子溶解状態において超磁性金属又は急速な相互変換を含む場合、NMR分光学は溶解状態における性質特徴づけるのに有益ではない。質量分析法は、溶液状態でこの種の金属錯体を分析するもう一つの有効な方法であるが、有力な分析結果として報告されているものは数少ない〔上記先行文献(1)〜(3)参照〕。これらの金属錯体は、イオン化の衝撃(impact)や熱に対して通常不安定であり、マイルドイオン化法である高速粒子衝突FAB)やエレクトロスプレーによるイオン化(ESI)においても同じことが言える。

0007

本発明は、上記状況に鑑みて、不安定な有機金属錯体の特徴を的確に分析することができるエレクトロスプレーイオン化質量分析方法及びその装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕エレクトロスプレー質量分析方法において、被験試料溶液気化ガス及び脱溶媒チャンバーまたはイオン源を冷却しながらイオン化を行い、被験試料の質量を分析するようにしたものである。

0009

〔2〕上記〔1〕記載のエレクトロスプレー質量分析方法において、前記気化ガスおよびイオン源は液体窒素温度から室温の範囲の低温領域にあるようにしたものである。

0010

〔3〕上記〔1〕記載のエレクトロスプレー質量分析方法において、前記被験試料は有機化合物である。

0011

〔4〕上記〔1〕記載のエレクトロスプレー質量分析方法において、前記気化ガスはネプライザーガス又は乾燥ガスである。

0012

〔5〕上記〔4〕記載のエレクトロスプレー質量分析法において、前記気化ガスは窒素ガス等の不活性ガスである。

0013

〔6〕上記〔1〕記載のエレクトロスプレーイオン化質量分析方法において、前記溶媒は水乃至無極性有機溶媒(H2 O,CH3 CN,CHCl3 等)であり、分子構造を分析するようにしたものである。

0014

〔7〕エレクトロスプレー質量分析装置において、冷却されたイオン源及び脱溶媒チャンバーと、キャピラリー同軸形状をなし冷却ガスを通すシース管と、前記溶媒を用いてイオン化を行い、被験試料の質量を分析する質量分析計とを備え、エレクトロスプレーイオン源において脱溶媒チャンバーまたはイオン源ブロックを直接液窒素を吹きつけることにより冷却し、用いるようにしたものである。

0015

〔8〕上記〔7〕記載のエレクトロスプレー質量分析装置において、前記冷却ガスは、不活性ガスの冷却装置を介して前記シース管に導入されるようにしたものである。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0017

本発明では、不安定及び/又はイオンを含む有機金属錯体の分子イオン検出のために、低温スプレーや液体導入及びエレクトロスプレー、又はイオンスプレー(IS)による低温度下でのイオン化手法を実用化した。

0018

図1は本発明の実施例を示す低温エレクトロスプレープローブの模式図、図2はエレクトロスプレーによるイオン化の様子を表す模式図である。

0019

これらの図において、1は低温エレクトロスプレーイオン化プローブ本体、2シース管、3はスプレーイオン化用キャピラリー(試料溶液導入細管)、4は帯電液滴、5は質量分析計に連結されるイオン引出電極、6は気化(乾燥)ガス(N2 )の冷却装置、7は脱溶媒チャンバー、8はイオン源ブロック、9は液体窒素吹きつけノズル、10は液体窒素である。

0020

そこで、気化ガス冷却装置6により、N2ガスは略−100℃に冷却され、被験試料溶液は略−20℃でスプレーされる。図2において、Aは低温N2 ガス、Bは被験試料溶液である。

0021

図2に示すように、キャピラリー3の温度やスプレー自体の温度を低温に保つために、気化(窒素)ガス冷却装置6を介して窒素等の気化ガス(ネプライザーガス又は乾燥ガス)をエレクトロスプレーに導く。イオン化の間、脱溶媒チャンバー7、及びイオン源ブロック8は液体窒素吹きつけノズル9より液体窒素を導入することにより、15°C程度以下に制御される。ESIソースに取り付けられた、セクター型質量分析計を、これらの実験に使用した。

0022

陽イオンモードにあるこの低温ESI−MSを、陽イオンモードで用いて自己集合金属錯体の質量分析を行った。その典型例としては、図3(a)に示す“分子スケア”〔(A)M.Fujita,J.Yazaki,K.Ogura,K.J.Am.Chem.Soc.1990,112,5645−5647. (B)M.Fujita,O.Sasaki,T.Mitushashi,T.Fujita,K.Yamaguchi,K.Ogura,J.Chem.Soc.,Chem Commun,1996,1535−1536参照〕、図3(b)に示す“アダマンタノイド・ケージ”〔M.Fujita,D.Oguro,M.Miyazawa,H.Oka,K.Yamaguchi,K.Ogura,Nature,1995,378,469−471.参照〕が挙げられる。

0023

これらの分析を通して、以下に示すような最適な分析条件が得られた。つまり、(1)イオンソース:−20°C以下のシース外装)ガス(N2 )と、15°Cの非溶媒和プレートを選択した;(2)溶媒:CH3 CNが分子にとって最もよい;(3)対イオン(Counterion)検知強度は、NO3 - <BF4 - <PF6- の順に増加した。分子中に含まれる最も適切な中心遷移金属の種類についても検討した。この結果、Pt(II)錯体は、この分析において優れた感度を示した。典型的な分析結果を、ケース2の図4に示した。重ねて荷電された多価分子イオン(+3〜+10)が、多くの溶媒分子(21個まで)(CH3 CN)とともにはっきり観察された。興味深いことには、CH3 CN分子の数は、イオン電荷度数に従って増加している。この現象は、図3(a)及び図3(c)の化合物においても観測された。

0024

この先例を見ないこれらの現象から、低温スプレーの重要な役割を見い出した。

0025

高度に帯電した細管よりスプレーされた溶媒と混合された被験分子の液滴は分極しやすく、対イオンは容易に引き抜かれる。その原因は溶媒和にある。現在提唱されているESIイオン化機構においては、溶媒の蒸発が必須であるため、スプレーは加熱されていなければならない。しかしながら本発明に係る低温エレクトロスプレーイオン化機構ではイオン化に密接にかかわる溶媒の除去を極力抑える必要がある。また、極性溶媒の高い誘電率が低温において観測されることも大きな要因である。

0026

この理論は、陽イオン検出ESIにおけるNaCl,KI及びCsIを用いた、簡単な実験によって証明される。図5には、CH3 CN中に溶解したCslの場合の、[Cs]+ 対[Cs+CH3 CN]+ のイオン強度比温度依存性を示す。

0027

300°Cにおいて観察された[Cs]+ の強度は、[Cs+CH3 CN]+の強度よりも高いが、15°Cにおいては[Cs+CH3 CN]+ が優位を占める。

0028

これらの結果は、低温度において観察された溶媒和の重要性を明らかにしている。本発明者等はこの“溶媒和による対イオン引き抜き”(SACP)(soluvation assisted counterion Pluking)というモデルを、ここでは、イオン性被験試料に適用した。図3に示した化合物(a),(b)において溶媒が付加した多価イオンは、温度上昇につれて消滅する。ゆえに、本発明に係る低温エレクトロスプレーは、SACP機構に従い、対応する数量の溶媒付加を伴う多価イオンを生成することが結論される。

0029

要するに、本発明は、冷却したエレクトロスプレーによるイオン化装置の性能を向上させ、これを不安定な自己集合金属錯体の分子量測定による構造の解析に応用したものである。

0030

溶媒付加を伴う多価分子イオンを明確に検出したことより、本発明が、この種の有機金属化合物の分析に効果的であることが分かった。

0031

SACP理論は、本発明に係る低温エレクトロスプレーイオン化における溶媒付加を伴う多価分子イオンの生成機構を説明することができる理論とし、提案された。

0032

ここで、有機金属化合物群において、本発明による精密な分子構造解析が達成された。

0033

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。

発明の効果

0034

以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。

0035

(1)本発明の低温エレクトロスプレーイオン化装置により、不安定な有機金属錯体及び高分子有機化合物の分子イオン及びフラグメントイオンの質量を的確に分析することができる。

0036

(2)イオン化メカニズムは冷却による誘電率低下に伴う溶媒和を要因とするものであり、多数の溶媒付加分子イオンが観測される。

0037

(3)溶媒及び被験試料を修飾することにより、中性化学種にまで拡大できる可能性がある。

図面の簡単な説明

0038

図1本発明の実施例を示す低温エレクトロスプレープローブの模式図である。
図2本発明の実施例を示す低温エレクトロスプレーによるイオン化の様子を表す模式図である。
図3本発明の実施例として低温エレクトロスプレー質量分析法を適用した自己集合有機金属錯体の化学構造図である。
図4本発明の典型的な分析結果(化合物b)を示すスペクトル図である。
図5本発明の実施例のCH3 CNに溶解したCsIの場合の、[Cs]+ 対[Cs+CH3 CN]+イオン強度比の温度依存性を示す図である。

--

0039

1低温エレクトロスプレーイオン化プローブ本体
2シース管
3スプレーイオン化用キャピラリー(試料溶液導入細管)
4帯電液滴
5イオン引出電極
6気化(乾燥)ガス冷却装置
7脱溶媒チャンバー
8イオン源ブロック
9液体窒素吹きつけノズル
10 液体窒素

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ