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技術 液晶用チルト配向膜の製造方法及び該製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を使用した液晶セル

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 玉置敬川西祐司秋山陽久市村國宏
出願日 1997年9月16日 (23年3ヶ月経過) 出願番号 2000-047131
公開日 2000年10月13日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-284288
状態 特許登録済
技術分野 液晶3(基板、絶縁膜及び配向部材) 液晶3-2(配向部材)
主要キーワード 縞状模様 面外配向 光照射状態 表示動作モード 光照射法 アゾピリジン 斜め照射 樹脂膜表面
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課題

製造の際に偏光素子の使用を必要とせず、生産性に富み、しかも任意のチルト角に設定できる液晶用チルト配向膜の製造方法及び該製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を使用した液晶セルを提供する。

解決手段

異性化反応構成単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から直接照射することにより液晶用チルト配向膜を製造する。また、得られた液晶用チルト配向膜を形成させた基板と、これと同一あるいは異なってもよい液晶用配向膜を形成させた基板とを対向配置し、これらの基板の間液晶を狭持させて液晶セルを構成する。

概要

背景

液晶光学的に異方性を示すので、その複屈性二色性、さらには旋光性を用いることによって表示あるいは記録などの素子、さらには偏光光干渉などの光学特性に基づくさまざまな光学素子利用可能である。また、透明電極を設けた2枚の基板の間に液晶を挟持させて、多数の画素からなる液晶セルを構成し、その液晶層電圧印加することによって、液晶配向スイッチングに基づく液晶表示装置が実現される。このような液晶表示装置の光学特性を最適とするためには、液晶を均一方向に配列、配向させることが不可欠であり、このために、基板表面を化学的あるいは物理的に処理する方法が知られている(J.Cognard, Mol.Cryst.Liq.Cryst., Spplement 1, p1(1982))。

たとえば、基板表面に平行、かつ、一方向に均一に配向した液晶のホモジニアス配向を得るために、ポリイミドなどの高分子樹脂膜で基板表面を被覆し、これを一方向に布などで擦るラビング処理する方法が知られている。この方法は、液晶セルを構築するうえで不可欠な液晶用配向膜の製造に広く用いられている。

液晶の配向には、基板表面に対して垂直な面内に含まれる方向(極角方向)での配向である面外配向と、基板表面に平行な面内での方向(方位方向)での配向である面内配向とがあり、さらには、両者を兼ね備えた配向、すなわち、一定の緯度経度の方向への配向がある。液晶分子の配向方向と基板表面のなす角度はプレチルト角と呼ばれているが、面外配向と面内配向を兼ね備えた配向の制御はプレチルト角の制御と同じ意味を持つ。動作モードがツイテッドネマチック(TN)であれ、スーパーツイステッドネマチック(STN)であれ、高画質の液晶表示装置を製造するためには、このプレチルト角を制御して、電圧印加オフの状態において液晶セル内の液晶配向方向と基板表面とがなす角を0度あるいは90度以外の傾き角(本明細書中では、これをチルト角と称し、また、チルト角を有する液晶用配向膜を液晶用チルト配向膜と称する。)に設定する必要がある。さまざまな動作モードに応じて最適チルト角が存在するとされている。したがって、任意のチルト角を発生する液晶用チルト配向膜が求められている。

従来、上記のラビング法は一定の向きにラビング処理を施すことによって、方向が一定に定まったチルト角を与えることから工業的に用いられている。ラビング法以外にチルト角を発生する方法として、斜方蒸着法(特開昭56−66826号公報)、基板表面に高分子単分子膜を設けるラングミュアブロジェット法(特開昭62−195622号公報)が提案されている。

液晶配向を制御する他の方法として、基板表面の光化学反応を利用する液晶配向制御法が知られている。この方法は、基板表面に光の作用で異性化反応を起こす分子を含む分子層あるいは高分子層を設け、その層に直線偏光の光を照射させることにより配向制御を行うものである(市、表面、32,671(1994)参照)。上記の分子層あるいは高分子層に直線偏光の光を照射することによって、その分子構造あるいは分子配向の変化が喚起されて液晶の配向が変化し、かつ、直線偏光の偏光軸によって規定される方向に液晶を配向させることができ、容易にホモジニアス配向制御が実現される(kawanishiら、Polym.Mater.Sci.Eng., 66, p263(1992))。また、ポリイミドに二色性色素溶解分散して形成される皮膜に直線偏光の光を照射して、液晶用配向膜とする方法も提案されている(Gibbonら、Nature, 351, p49(1991))。しかし、これらではチルト角は制御されていない。

一方、光二量化反応を起す桂皮酸誘導体(M.Schadtら、Jpn.J.Appl.Phys.,74,p2071(1992))やクマリン誘導体(M.Schadtら、Nature,381,p212(1996))を側鎖に有する高分子膜に直線偏光の光を照射することからなる液晶配向処理法法が提案されている。今一つの方法はポリイミド膜に直線紫外線を照射して液晶用配向膜とするものである(Hasegawaら、J.Photopolym.Sci.Technol., 2, p241(1995))。あるいは、高分子膜表面にエキシマレーザーを照射して周期的な縞状模様を表面に形成させる方法も報告されている(特開平2−196219号公報など)。

これらの光照射法はホモジニアス配向を与えることが良く知られているが、チルト角を与える方法として、桂皮酸誘導体を側鎖に持つ高分子膜に直線偏光を斜めから照射する(Y.limura, T.Satoh and S.Kobayashi:J.Photopolym.Sci.Technol., 8, p257(1995))、クマリン誘導体を側鎖に有する高分子膜に斜めから直線偏光を照射する(M.Schadtら、Nature, 381,212(1996))、ポリイミド膜に斜めから偏光レーザー光を照射する(M.Hasegawaら、J.Photopolym.Sci.Technol.,2,p241(1995))ことが知られている。これらはいずれも直線偏光の光を用い、これを基板に対して斜め方向から照射するものである。

ところで、ラビング処理は比較的容易にチルト角を発生しつつホモジニアス配向を与えるが、その配向方向は一方向に限定されるため、微細、かつ、多軸配向状態を与えることは困難、もしくは不可能である。このため、とくに液晶表示装置における視野角依存性を改善する一方法として提案されている配向分割法(特開昭62−159119号公報、特開昭63−106624号公報)では、一画素を複数に分割して各領域毎に異なるプレチルト角や液晶配向の方向を設定するが、これをラビング処理法で行うことは困難であり、生産性欠ける。また、他の物理的方法も以下のように生産性に著しく欠ける。すなわち、斜方蒸着法では真空系を必要とするし、多軸配向は不可能である。ラングミュア・ブロジェット法では水面展開膜引き上げることが不可欠であり、同様に多軸配向はできない。

これに対して、光の作用によって液晶配向を制御する方法は、基板の大面積一括して露光することによって液晶配向状態を与えるうえに、フォトリソグラフィーの技術を転用することによって多分割画素を与えることから、原理的に優れた方法である。しかしながら、この方法を液晶用配向膜に応用する上で、以下のような問題点が存在していた。すなわち、偏光を用いるためには一般的に偏光素子を必要とするので有効な光量が低減するために生産性が低下すること、90度から0度までの広範囲にわたるプレチルト角を任意に設定できないこと、などである。

概要

製造の際に偏光素子の使用を必要とせず、生産性に富み、しかも任意のチルト角に設定できる液晶用チルト配向膜の製造方法及び該製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を使用した液晶セルを提供する。

異性化反応構成単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から直接照射することにより液晶用チルト配向膜を製造する。また、得られた液晶用チルト配向膜を形成させた基板と、これと同一あるいは異なってもよい液晶用配向膜を形成させた基板とを対向配置し、これらの基板の間に液晶を狭持させて液晶セルを構成する。

目的

本発明は、製造の際に偏光素子の使用を必要とせず、生産性に富み、しかも任意のチルト角に設定できる液晶用チルト配向膜の製造方法及び該製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を使用した液晶セルを提供することをその課題とする。

効果

実績

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請求項1

光異性化反応構成単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から直接照射することを特徴とする液晶用チルト配向膜の製造方法。

請求項2

光異性化反応構成単位を含み、かつ、液晶垂直配向を起こす樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から直接照射することを特徴とする液晶用チルト配向膜の製造方法。

請求項3

光異性化反応構成単位が、N=N結合及びC=C結合から選ばれた少なくとも一つの二重結合を有し光幾何異性化反応を示すものであり、かつ、液晶垂直配向を起こすものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶用チルト配向膜の製造方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれかの製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を形成させた基板と、これと同一あるいは異なってもよい液晶用配向膜を形成させた基板とを対向配置し、これらの基板の間に液晶を狭持してなる液晶セル

技術分野

重量平均分子量1.7×105のポリ(1−(2−メタクロイルオキシエチルアゾベンゼン)を同様にラジカル重合によって合成した。熱分析の結果、このホモポリマーガラス転移温度は88度であった。このホモポリマーをトルエンに溶解し、その溶液ガラス板の上にスピン塗布して薄膜を形成した。この薄膜がネマチック液晶(NPC−02)に対して垂直配向性を示すことを確認した。次に、この薄膜を100度まで加熱した後に室温に戻した後、超高圧水銀灯から取り出した。そして、この薄膜に、波長436nmの光を、単位面積当たり照射エネルギー量0.3J/cm2で、膜面に対して垂直方向から20度をなす角度で照射して、本発明による液晶用配向膜付き基板を得た。このようにして得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いてネマチック液晶セルを作成し、クリスタルローテーション法によってチルト角を求めた。その結果、チルト角は83.4度であった。

背景技術

0001

本発明は液晶用チルト配向膜の製造方法及び該製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を使用した液晶セルに関するものである。

0002

液晶光学的に異方性を示すので、その複屈性二色性、さらには旋光性を用いることによって表示あるいは記録などの素子、さらには偏光光干渉などの光学特性に基づくさまざまな光学素子利用可能である。また、透明電極を設けた2枚の基板の間に液晶を挟持させて、多数の画素からなる液晶セルを構成し、その液晶層電圧印加することによって、液晶配向スイッチングに基づく液晶表示装置が実現される。このような液晶表示装置の光学特性を最適とするためには、液晶を均一方向に配列、配向させることが不可欠であり、このために、基板表面を化学的あるいは物理的に処理する方法が知られている(J.Cognard, Mol.Cryst.Liq.Cryst., Spplement 1, p1(1982))。

0003

たとえば、基板表面に平行、かつ、一方向に均一に配向した液晶のホモジニアス配向を得るために、ポリイミドなどの高分子樹脂膜で基板表面を被覆し、これを一方向に布などで擦るラビング処理する方法が知られている。この方法は、液晶セルを構築するうえで不可欠な液晶用配向膜の製造に広く用いられている。

0004

液晶の配向には、基板表面に対して垂直な面内に含まれる方向(極角方向)での配向である面外配向と、基板表面に平行な面内での方向(方位方向)での配向である面内配向とがあり、さらには、両者を兼ね備えた配向、すなわち、一定の緯度経度の方向への配向がある。液晶分子の配向方向と基板表面のなす角度はプレチルト角と呼ばれているが、面外配向と面内配向を兼ね備えた配向の制御はプレチルト角の制御と同じ意味を持つ。動作モードがツイテッドネマチック(TN)であれ、スーパーツイステッドネマチック(STN)であれ、高画質の液晶表示装置を製造するためには、このプレチルト角を制御して、電圧印加オフの状態において液晶セル内の液晶配向方向と基板表面とがなす角を0度あるいは90度以外の傾き角(本明細書中では、これをチルト角と称し、また、チルト角を有する液晶用配向膜を液晶用チルト配向膜と称する。)に設定する必要がある。さまざまな動作モードに応じて最適チルト角が存在するとされている。したがって、任意のチルト角を発生する液晶用チルト配向膜が求められている。

0005

従来、上記のラビング法は一定の向きにラビング処理を施すことによって、方向が一定に定まったチルト角を与えることから工業的に用いられている。ラビング法以外にチルト角を発生する方法として、斜方蒸着法(特開昭56−66826号公報)、基板表面に高分子単分子膜を設けるラングミュアブロジェット法(特開昭62−195622号公報)が提案されている。

0006

液晶配向を制御する他の方法として、基板表面の光化学反応を利用する液晶配向制御法が知られている。この方法は、基板表面に光の作用で異性化反応を起こす分子を含む分子層あるいは高分子層を設け、その層に直線偏光の光を照射させることにより配向制御を行うものである(市、表面、32,671(1994)参照)。上記の分子層あるいは高分子層に直線偏光の光を照射することによって、その分子構造あるいは分子配向の変化が喚起されて液晶の配向が変化し、かつ、直線偏光の偏光軸によって規定される方向に液晶を配向させることができ、容易にホモジニアス配向制御が実現される(kawanishiら、Polym.Mater.Sci.Eng., 66, p263(1992))。また、ポリイミドに二色性色素溶解分散して形成される皮膜に直線偏光の光を照射して、液晶用配向膜とする方法も提案されている(Gibbonら、Nature, 351, p49(1991))。しかし、これらではチルト角は制御されていない。

0007

一方、光二量化反応を起す桂皮酸誘導体(M.Schadtら、Jpn.J.Appl.Phys.,74,p2071(1992))やクマリン誘導体(M.Schadtら、Nature,381,p212(1996))を側鎖に有する高分子膜に直線偏光の光を照射することからなる液晶配向処理法法が提案されている。今一つの方法はポリイミド膜に直線紫外線を照射して液晶用配向膜とするものである(Hasegawaら、J.Photopolym.Sci.Technol., 2, p241(1995))。あるいは、高分子膜表面にエキシマレーザーを照射して周期的な縞状模様を表面に形成させる方法も報告されている(特開平2−196219号公報など)。

0008

これらの光照射法はホモジニアス配向を与えることが良く知られているが、チルト角を与える方法として、桂皮酸誘導体を側鎖に持つ高分子膜に直線偏光を斜めから照射する(Y.limura, T.Satoh and S.Kobayashi:J.Photopolym.Sci.Technol., 8, p257(1995))、クマリン誘導体を側鎖に有する高分子膜に斜めから直線偏光を照射する(M.Schadtら、Nature, 381,212(1996))、ポリイミド膜に斜めから偏光レーザー光を照射する(M.Hasegawaら、J.Photopolym.Sci.Technol.,2,p241(1995))ことが知られている。これらはいずれも直線偏光の光を用い、これを基板に対して斜め方向から照射するものである。

0009

ところで、ラビング処理は比較的容易にチルト角を発生しつつホモジニアス配向を与えるが、その配向方向は一方向に限定されるため、微細、かつ、多軸配向状態を与えることは困難、もしくは不可能である。このため、とくに液晶表示装置における視野角依存性を改善する一方法として提案されている配向分割法(特開昭62−159119号公報、特開昭63−106624号公報)では、一画素を複数に分割して各領域毎に異なるプレチルト角や液晶配向の方向を設定するが、これをラビング処理法で行うことは困難であり、生産性欠ける。また、他の物理的方法も以下のように生産性に著しく欠ける。すなわち、斜方蒸着法では真空系を必要とするし、多軸配向は不可能である。ラングミュア・ブロジェット法では水面展開膜引き上げることが不可欠であり、同様に多軸配向はできない。

発明が解決しようとする課題

0010

これに対して、光の作用によって液晶配向を制御する方法は、基板の大面積一括して露光することによって液晶配向状態を与えるうえに、フォトリソグラフィーの技術を転用することによって多分割画素を与えることから、原理的に優れた方法である。しかしながら、この方法を液晶用配向膜に応用する上で、以下のような問題点が存在していた。すなわち、偏光を用いるためには一般的に偏光素子を必要とするので有効な光量が低減するために生産性が低下すること、90度から0度までの広範囲にわたるプレチルト角を任意に設定できないこと、などである。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、製造の際に偏光素子の使用を必要とせず、生産性に富み、しかも任意のチルト角に設定できる液晶用チルト配向膜の製造方法及び該製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を使用した液晶セルを提供することをその課題とする。

0012

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、光異性化反応性の分子に非偏光の光を照射させた場合、非偏光の光の入射方向に対して垂直方向に遷移モーメントを有する分子が選択的に光を吸収して異性化し、その結果、入射方向に一致する方向に遷移モーメントを持つ分子が優先的に生成するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。

発明を実施するための最良の形態

0013

即ち、本発明によれば、光異性化反応構成単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から照射することを特徴とする液晶用チルト配向膜の製造方法が提供される。また、本発明によれば、光異性化反応構成単位を含み、かつ、液晶垂直配向を起こす樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から照射することを特徴とする液晶用チルト配向膜の製造方法が提供される。さらに、本発明によれば上記のいずれかの製造方法により得られた液晶用チルト配向膜を形成させた基板と、これと同一あるいは異なってもよい液晶用配向膜を形成させた基板とを対向配置し、これらの基板の間に液晶を狭持してなる液晶セルが提供される。

0014

以下本発明について詳細に説明する。本発明の液晶用チルト配向膜は、光異性化反応構成単位を含む樹脂膜に、非偏光の光を斜め方向から照射して形成させてなるものである。本発明において用いる樹脂膜は、光異性化反応構成単位を含むものであるが、この光異性化反応構成単位としては、N=N結合及びC=C結合から選ばれた少なくとも一つの二重結合を有し、光照射によって光幾何異性化反応を起こすものが好適に用いられる。N=N結合を有する光異性化反応構成単位としては、アゾベンゼン、アゾピリジン、アゾナフタレンなどが例示される。C=C結合を有する光異性化反応構成単位としては、スチルベンスチルバゾール、スチルバゾリウム、カルコン桂皮酸シンナミリデン酢酸などが例示される。

0015

光異性化反応構成単位を含む樹脂としては、ビニル重合体、開還重合体縮合重合体付加重合体のいずれでもよい。チルト角は高分子の主鎖構造のみならず、側鎖構造によって顕著な影響を受ける。また、大きなチルト角を発生させるためには、とくに光照射前の樹脂膜が液晶垂直配向を起こすものであることが好ましい。液晶垂直配向を起こすものであるためには、光異性化反応構成単位に好適な置換基を導入することが適しており、そのための置換基としては、炭素数が1から8までの直鎖アルキル基、炭素数が1から8までの直鎖アルケニル基、炭素数が1から8までの直鎖アルコキシ基、炭素数が1から8までの直鎖アルケニルオキシ基シクロヘキシル基シクロヘキセニル基フルオロ基トリフルオロメチル基トリフルオロメトキシ基などが挙げられる。

0016

上記の樹脂からなる膜を設けるために必要な本発明に用いられる基板としては、これらの樹脂が塗布されるものであればよく、透明、不透明を問わないが、液晶セルを構成する2枚の基板のうちの少なくとも一方は透明であることが必要である。透明な基板としては、シリカガラス硬質ガラス石英、各種プラスチックなどのシートあるいはそれらの表面に、酸化珪素酸化スズ酸化インジウム酸化アルミニウム酸化チタン酸化クロム酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化珪素炭化珪素などを被覆したものが用いられる。不透明な基板としては、金属あるいはガラスプラスチックシートなどの表面に金属層金属酸化物層を付着させたものが用いられる。

0017

本発明の液晶用チルト配向膜は、上記樹脂膜に光照射を施して形成されたものであるが、ここで、光異性化反応性単位を持つ樹脂膜に対する光照射について説明する。上記樹脂の溶液を基板上に回転塗布流延塗布、スクリーン印刷などの塗布法によって薄膜とする。樹脂膜の膜厚は5nmから1000nmの範囲、より好ましくは10nmから500nmの範囲である。液晶の配向は樹脂膜の表面層における光異性化残基の配向によって主として規制されるので、上記範囲より膜厚が大きくても液晶チルト配向を制御するためには意味がない。

0018

液晶の均一チルト配向を得るために、光異性化能を有し、かつ、垂直配向を示す樹脂膜に非偏光の光を膜面に対して斜め方向から照射する。光源としては、超高圧水銀灯、キセノン灯蛍光灯、水銀・キセノン灯などを用いることができる。光源からの光を、樹脂膜に、樹脂膜表面に対する垂線からある角度をなす方向から入射させる。垂線と入射方向のなす角度は5度から60度、より好ましくは10度から45度である。単位面積当たりの照射エネルギー量は樹脂の特性、照射波長などに大きく依存するが、10mJ/cm2から10J/cm2程度、より好ましくは50mJ/cm2から2J/cm2の範囲である。

0019

このようにして発生するチルト角は室温では安定であるが、さらに加熱状態あるいは光照射状態においてもチルト角に変化が生じないようにするためには、熱硬化剤光硬化剤を併用すればよい。たとえば、アジド基を2つ有する光架橋剤を樹脂に溶解し、436nmの光を斜め照射した後に光架橋のための紫外線で垂直方向から照射することによって架橋構造を形成する。これによってチルト角の安定化を実現することができる。

発明の効果

0020

本発明によれば、上記の液晶用チルト配向膜を有する基板を用いて液晶セルを構成することができる。この場合、基板としてはITOなどの透明電極を設けた基板を用い、その基板表面に上記樹脂の膜を形成した後、上記の光照射処理を施す。以下、この液晶用チルト配向膜付き基板を用いて公知の方法により液晶セルを作成することができる。液晶セルの表示動作モードはTNでもよいし、STNでもよい。大きなチルト角を有する液晶用チルト配向膜を形成した基板は、垂直配向(vertically aligned)型の液晶セルを作成するために好適に用いることができる。

0021

本発明の液晶用チルト配向膜の製造方法は、通常の光源からの光によって液晶用チルト配向膜を調製するものであるため、製造に偏光素子を必要とせず、光量を減じることなく露光操作が可能であり、生産性に富んでいる。また、本発明により得られる液晶用チルト配向膜は、樹脂構造の選択によって任意のチルト角を設定でき、これを利用した液晶セルは多様な液晶表示装置に用いることができる。

0022

次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。

0023

実施例1
1−ヒドロキシ−4′−フルオロアゾベンゼンと炭酸エチレンから得られた1−(2−ヒドロキシエチル)−4′−フルオロアゾベンゼンを、メタクリル酸クロリドによってトリエチルアミンの存在下でエステル化し、1−(2−メタクロイルオキシエチル)−4′−フルオロアゾベンゼンを得た。このモノマーテトラヒドロフラン中でアゾビスイソブチロニトリル重合開始剤として重合させ、重量平均分子量1.1×105のポリ(1−(2−メタクロイルオキシエチル)−4−フルオロアゾベンゼン)を得た。熱分析の結果、このホモポリマーのガラス転移温度は98度であった。次に、このホモポリマーをトルエンに溶解し、その溶液をガラス板の上にスピン塗布して薄膜を形成した。この薄膜がネマチック液晶(NPC−02)に対して垂直配向性を示すことを確認した。次に、この薄膜を100度まで加熱した後に室温に戻した後、超高圧水銀灯から取り出した。そして、この薄膜に、波長436nmの光を、単位面積当たりの照射エネルギー量5J/cm2で、膜面に対して垂直方向から20度をなす角度で照射して、本 発明による液晶用配向膜付き基板を得た。上記のようにして得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いてネマチック液晶セルを作成した。また、上記において、単位面積当たりの照射エネルギー量を変えて、同様にしてネマチック液晶セルを作成した。上記で作成した各ネマチック液晶セルについて、クリスタルローテーション法によってチルト角を求めた。その結果、照射エネルギー量がそれぞれ5J/cm2、10J/cm2、20J/cm2のときに、チルト角はそれぞれ80度、75 度、70度であった。また、上記において、入射角度を変えて、同様にして液晶用配向膜付き基板を得てこれらを用いてネマチック液晶セルを作成し、チルト角を求めた。その結果、入射角度を膜面に対して垂直方向から35度、45度をなす角度にそれぞれ変えたときには、単位面積当たりの照射エネルギー量10J/cm2でチルト角はそれぞれ60度、57度であった。

0024

実施例2
実施例1において、波長365nmの光を単位面積当たりの照射エネルギー量0.3J/cm2、膜面に垂直な方向から20度をなす入射角度で照射した以外は同様にして得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いて、同様にネマチック液晶セルを作成し、チルト角を測定したところ、7度であった。

0025

実施例3
1−ヒドロキシ−4′−シクロヘキシルアゾベンゼンと炭酸エチレンから得られた1−(2−ヒドロキシエチル)−4′−シクロヘキシルアゾベンゼンを、メタクリル酸クロリドによってトリエチルアミンの存在下でエステル化し、1−(2−メタクロイルオキシエチル)−4′−シクロヘキシルアゾベンゼンを得た。このモノマーをテトラヒドロフラン中でアゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として重合させ、重量平均分子量3.1×105のポリ(1−(2−メタクロイルオキシエチル)−4′−シクロヘキシルアゾベンゼン)を得た。熱分析の結果、このホモポリマーのガラス転移温度は49度であった。このホモポリマーをトルエンに溶解し、その溶液をガラス板の上にスピン塗布して薄膜を形成した。この薄膜がネマチック液晶(NPC−02)に対して垂直配向性を示すことを確認した。次に、この薄膜を100度まで加熱した後に室温に戻した後、超高圧水銀灯から取り出した。そしてこの薄膜に、波長436nmの光を、単位面積当たりの照射エネルギー10J/cm2で、膜面に対して垂直方向から20度をなす 角度で照射して、本発明による液晶用配向膜付き基板を得た。上記のようにして得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いてネマチック液晶セルを作成した。このネマチック液晶セルについて、クリスタルローテーション法によってチルト角を求めた。その結果、チルト角は72度であった。また、上記において、入射角度を35度に変えて、同様にして液晶用配向膜付き基板を得てこれらを用いてネマチック液晶セルを作成し、チルト角を求めた。その結果、チルト角は67度であった。

0026

実施例4
実施例3において、波長365nmの光を単位面積当たりの照射エネルギー量0.5J/cm2、膜面に垂直な方向から20度をなす入射角度で照射した以外は同様にして得た2枚の液晶用配向膜付き基板を用いて、同様にネマチック液晶セルを作成し、チルト角を測定したところ、1.1度であった。

0027

実施例5

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    【課題・解決手段】ラビング時に膜の剥がれや傷が発生しにくく、かつ電圧保持率が高く、高温高湿条件下のエージング耐性が良好なことに加えて、シール剤との密着性に優れた液晶配向膜、この液晶配向膜を得ることがで... 詳細

  • JNC株式会社の「 液晶組成物および液晶表示素子」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】 課題は、重合体の作用によって液晶分子の垂直配向が達成可能な液晶組成物、この組成物を含有する液晶表示素子を提供することである。【解決手段】 手段は、成分Aとして正に大きな誘電率異方性を有す... 詳細

  • DIC株式会社の「 液晶表示素子」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】 本発明が解決しようとする課題は、高エネルギー光線の照射による液晶層の劣化を抑制または防止するものである。【解決手段】 本願発明の第一は、第一の基板および第二の基板が対向して設けられる一対... 詳細

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