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課題
解決手段
概要
背景
クロメート処理は、金属板の塗装前処理や一次防錆処理として広く利用されているが、クロメート皮膜の耐食性はクロム付着量に大体比例するので、クロメート処理はクロメート皮膜のクロム付着量で管理している。しかし、連続塗装ラインや連続めっきラインのような連続ラインでは、クロメート処理条件を一定に保つことが難しく、クロメート皮膜のクロム付着量が変動してしまうので、連続ラインではクロメート皮膜のクロム付着量を連続的に管理することが行われている。
この方法の一つとして、クロメート処理金属板の色彩を色差計で測定し、その色彩と予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とから、クロム付着量を管理する方法が提案されている(特開昭62—135707号公報)。この方法はクロメート皮膜がクロム付着量の多少により淡黄色から黄褐色の色彩を呈するので、その色彩値を測定すれば、耐食性を左右するクロム含有量が判断できるとの考えに基づくもので、クロメート皮膜は乾燥状態のものを対象にしていた。
しかしこの方法では、クロメート皮膜が着色透明で、クロメート皮膜の色彩測定は下地金属板の色彩の影響があらわれるので、クロメート皮膜単独の色彩測定は困難である。そこで、クロメート皮膜形成前と形成後の金属板の色彩を色差計で測定して、両色彩の色差を予め作成しておいたクロメート皮膜形成前後の金属板色彩の色差とクロム付着量の相関関係(検量線)に当てはめることにより、クロム付着量を算出し、その算出による信号で処理液吐出量、コーティングロールの圧下量や回転数などの制御アクチュエータを自動的に調整する方法が提案されている(特開昭63—128199)。この方法でもクロメート皮膜は乾燥状態のものである。
しかしながら、これらの方法は、クロメート処理がクロメート処理槽で金属板とクロメート処理液とを反応させて、過剰の処理液を絞りロールで除去する反応型クロメート処理で有れば、クロム付着量を正確に管理できるが、水溶性もしくは水分散性樹脂を含有させた塗布型クロメート処理液をロールコーターで金属板に目的の塗布量を塗布して、絞りロールで除去することなく加熱処理を施し、乾燥固化させる塗布型クロメート処理に適用すると、クロム付着量が、クロメート皮膜を薬液で溶解して、クロムを原子吸光法で分析する方法や乾燥状態のクロメート皮膜を直接蛍光X線で分析する方法などの分析値と一致もしくは比例しない場合があった。塗布型クロメート処理では、塗布後に乾燥固化させるのに80〜200℃の加熱処理を施すため、加熱温度や加熱時間により6価クロムと下地金属板との反応量が異なってしまい、反応生成物の量や下地金属板の粗度等が変動し、クロメート皮膜のクロム付着量が同一でも、同一色彩にならない。
そこで、本発明者らは、クロメート皮膜形成前後の金属板色彩を色差計で個々に測定して、両色彩の色差と予め作成しておいたクロメート皮膜形成前後の金属板色彩の色差とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を測定する方法において、塗布型クロメート処理液によるクロメート皮膜のクロム付着量を測定する際、クロメート皮膜形成後の金属板の色彩はクロメート皮膜がウエット状態にあるときに測定する方法を提案した(特開平11—43779)。クロメート皮膜が乾燥状態にある金属板ではなく、ウエット状態にあるときの色彩を測定して、加熱処理や下地金属板のエッチングがクロム付着量の測定に影響を与えないようにしたのである。
しかしながら、このような方法でクロム付着量を測定する場合、色差計の種類によって測定精度に違いが生じる。また、連続ラインで色差計により測定したクロム付着量を、オフラインの原子吸光法や蛍光X線法で測定したクロム付着量と比較した場合、値に違いが生じる。
概要
クロメート皮膜がウエット状態であるクロメート処理金属板の色彩を色差計で測定して、その色彩と予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を測定する方法において、クロム付着量を正確に測定することのできる方法を提供する。
色彩測定の際、クロメート処理金属板からの正反射光を受光でき、受光部が積分球である色差計を用いることを特徴としている。色差計とクロメート処理金属板との距離は、色差計の受光窓の直径以下が望ましい。また、色差計の一部に距離計を付け、色彩測定と合わせて色差計とクロメート処理金属板との距離を測定し、色差計とクロメート処理金属板の距離の変化による色彩値の変化を補正すれば、クロム付着量の測定精度は向上する。色差計の受光窓にUVフィルターで蓋をする方が好ましい。
目的
本発明は、色差計で塗布型クロメート処理金属板のクロム付着量を正確に測定することのできる方法を提供するものである。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
クロメート皮膜がウエット状態であるクロメート処理金属板の色彩を色差計で測定して、その色彩と予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を測定する方法において、クロメート処理金属板からの正反射光を受光できる色差計を用いることを特徴とする塗布型クロメート処理皮膜のクロム付着量測定方法。
請求項2
請求項1記載の色差計の受光部が積分球であることを特徴とする塗布型クロメート処理皮膜のクロム付着量測定方法。
請求項3
請求項1又は2記載の色差計とクロメート処理金属板との距離を、色差計の受光窓の直径以下とすることを特徴とする塗布型クロメート処理皮膜のクロム付着量測定方法。
請求項4
請求項1又は2記載の方法において、距離計を付けて、色差計とクロメート処理金属板との距離を測定し、色差計とクロメート処理金属板の距離の変化によるクロメート処理金属板の色彩値の変動を補正して、クロメート皮膜のクロム付着量を測定することを特徴とする塗布型クロメート処理皮膜のクロム付着量測定方法。
請求項5
請求項1又は2記載の色差計の受光窓にUVフィルターで蓋をすることを特徴とする塗布型クロメート処理皮膜のクロム付着量測定方法。
技術分野
0001
本発明は、塗布型クロメート処理皮膜のクロム付着量を正確に測定する方法に関する。
背景技術
0002
クロメート処理は、金属板の塗装前処理や一次防錆処理として広く利用されているが、クロメート皮膜の耐食性はクロム付着量に大体比例するので、クロメート処理はクロメート皮膜のクロム付着量で管理している。しかし、連続塗装ラインや連続めっきラインのような連続ラインでは、クロメート処理条件を一定に保つことが難しく、クロメート皮膜のクロム付着量が変動してしまうので、連続ラインではクロメート皮膜のクロム付着量を連続的に管理することが行われている。
0003
この方法の一つとして、クロメート処理金属板の色彩を色差計で測定し、その色彩と予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とから、クロム付着量を管理する方法が提案されている(特開昭62—135707号公報)。この方法はクロメート皮膜がクロム付着量の多少により淡黄色から黄褐色の色彩を呈するので、その色彩値を測定すれば、耐食性を左右するクロム含有量が判断できるとの考えに基づくもので、クロメート皮膜は乾燥状態のものを対象にしていた。
0004
しかしこの方法では、クロメート皮膜が着色透明で、クロメート皮膜の色彩測定は下地金属板の色彩の影響があらわれるので、クロメート皮膜単独の色彩測定は困難である。そこで、クロメート皮膜形成前と形成後の金属板の色彩を色差計で測定して、両色彩の色差を予め作成しておいたクロメート皮膜形成前後の金属板色彩の色差とクロム付着量の相関関係(検量線)に当てはめることにより、クロム付着量を算出し、その算出による信号で処理液吐出量、コーティングロールの圧下量や回転数などの制御アクチュエータを自動的に調整する方法が提案されている(特開昭63—128199)。この方法でもクロメート皮膜は乾燥状態のものである。
0005
しかしながら、これらの方法は、クロメート処理がクロメート処理槽で金属板とクロメート処理液とを反応させて、過剰の処理液を絞りロールで除去する反応型クロメート処理で有れば、クロム付着量を正確に管理できるが、水溶性もしくは水分散性樹脂を含有させた塗布型クロメート処理液をロールコーターで金属板に目的の塗布量を塗布して、絞りロールで除去することなく加熱処理を施し、乾燥固化させる塗布型クロメート処理に適用すると、クロム付着量が、クロメート皮膜を薬液で溶解して、クロムを原子吸光法で分析する方法や乾燥状態のクロメート皮膜を直接蛍光X線で分析する方法などの分析値と一致もしくは比例しない場合があった。塗布型クロメート処理では、塗布後に乾燥固化させるのに80〜200℃の加熱処理を施すため、加熱温度や加熱時間により6価クロムと下地金属板との反応量が異なってしまい、反応生成物の量や下地金属板の粗度等が変動し、クロメート皮膜のクロム付着量が同一でも、同一色彩にならない。
0006
そこで、本発明者らは、クロメート皮膜形成前後の金属板色彩を色差計で個々に測定して、両色彩の色差と予め作成しておいたクロメート皮膜形成前後の金属板色彩の色差とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を測定する方法において、塗布型クロメート処理液によるクロメート皮膜のクロム付着量を測定する際、クロメート皮膜形成後の金属板の色彩はクロメート皮膜がウエット状態にあるときに測定する方法を提案した(特開平11—43779)。クロメート皮膜が乾燥状態にある金属板ではなく、ウエット状態にあるときの色彩を測定して、加熱処理や下地金属板のエッチングがクロム付着量の測定に影響を与えないようにしたのである。
0007
しかしながら、このような方法でクロム付着量を測定する場合、色差計の種類によって測定精度に違いが生じる。また、連続ラインで色差計により測定したクロム付着量を、オフラインの原子吸光法や蛍光X線法で測定したクロム付着量と比較した場合、値に違いが生じる。
発明が解決しようとする課題
0008
本発明は、色差計で塗布型クロメート処理金属板のクロム付着量を正確に測定することのできる方法を提供するものである。
課題を解決するための手段
0009
本発明の第1発明はクロメート皮膜がウエット状態であるクロメート処理金属板の色彩を色差計で測定して、その色彩と予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を測定する方法において、クロメート処理金属板からの正反射光を受光できる色差計を用いることを特徴としている。また、第2発明は第1発明記載の色差計の受光部が積分球であることを特徴としている。第3発明は第1又は第2発明記載の色差計とクロメート処理金属板との距離を、色差計の受光窓の直径以下とすることを特徴としている。第4発明は第1又は第2発明記載の方法において、距離計を付けて、色彩測定と合わせて色差計とクロメート処理金属板との距離を測定し、色差計とクロメート処理金属板の距離の変化によるクロメート処理金属板の色彩値の変化を補正してクロム付着量を求めることを特徴としている。第5発明は第1又は第2発明記載の色差計の受光窓にUVフィルターで蓋をすることを特徴としている。
0010
本発明者らは、クロメート皮膜がウエット状態のクロメート皮膜形成後のクロメート処理金属板の色彩を色差計で測定して、クロメート皮膜のクロム付着量を求める方法において、色差計の構造が測定精度に与える影響について原因を追求した。その結果、金属板で反射する光は拡散反射光よりも正反射光が強いため、色の情報量を多く捕らえるには正反射光を取り込める色差計のほうが適していることがわかった。
0011
例えば、亜鉛めっき鋼板に塗布型クロメート処理を施し、ウエット状態のクロメート皮膜形成後のクロメート処理金属板の色彩を色差計で測定する場合、ウエット状態のクロメート皮膜が着色透明であるため、金属板からの反射光は正反射光が強くなる。光はクロメート皮膜通過時と金属板到達時に吸収されるので、反射してくる光をできるだけ多く受光できれば正確な色彩が得られる。クロメート処理金属板の色彩を測定する場合には、正反射光を取り込める色差計の方が、拡散反射光のみ捕らえる色差計よりも精度良く色彩測定できる。また、同様の点から、正反射光だけでなく拡散反射光も取り込めれば、更に精度が向上する。受光部が積分球になっていれば、拡散反射した様々な方向の光も、多重反射した後に取り込むことができる。クロメート処理金属板の色彩を測定する場合には、受光部が積分球になっている色差計の方が適している。
0012
正反射光を取り込む方式には代表的にD-8法(測定サンプル表面の垂線と受光素子のなす角度が8°)がある。この方法では、測定サンプル表面の垂線から8°傾いた反射光が正反射光として受光素子に取り込まれる。このとき図1に示すように、サンプルが受光窓に接していれば正反射光は充分に取り込まれるが、図2に示すように、サンプルが測定窓から離れれば、正反射光の一部が取り込まれなくなる。サンプルが受光窓から離れても正反射光を十分に取り込むには受光窓が大きければよいが、ただ単に受光窓を大きくしても、外部から入射する余分な光が多くなり色彩測定は不正確になる。また、受光窓の大きさは色差計毎に規定されており、単純に変えることはできない。正反射光を十分に取り込む手段としては、サンプルと受光窓の距離を受光窓の大きさによって規定しなければならない。
0013
サンプルと受光窓を接触して測定した時の色彩値(L1*、a1*、b1*)から、サンプルと受光窓を離して測定した時の色彩値(L2*、a2*、b2*)を引いた色差をΔE*とした場合、図3に示す様に、サンプルと受光窓の距離が受光窓の直径を越えると、ΔE*の変化量は急激に多くなる。正反射光を十分に取り込んで正確な色彩を得るためには、サンプルと受光窓の距離は受光窓の直径以下とすることが望ましい。ただし(ΔE*=√((L1*- L2*)2+(a1*- a2*)2+(b1*- b2*)2))
0014
図2に示す様に、色差計とサンプルの間に隙間があると、正反射光(加えて拡散反射光も)が受光部の外部ににげる。従って、隙間の距離が変化すれば受光できる反射光量も変わるため、色彩も変動する。色差計の一部に高さ計を付けて、色彩測定と合わせて色差計とサンプルとの距離を測定すれば、隙間の距離の変動による色彩の変化を補正でき、正確なクロム付着量を得ることができる。また、色差計の受光窓にUVフィルターで蓋をすると、可視光を取り込みながら受光部に入るゴミ、ホコリ等を防止できるため、受光部の汚れによる色彩の変動を防止できる。
0015
[実施例1]板厚0.2mmのSUS301ステンレス鋼帯から幅方向220mm、長さ300mmの試験片を20枚採取して、アルカリ脱脂[サーフクリーナー1089N-1、日本ペイント(株)製]を施し、水洗した後、りん酸塩処理[ZS-9100、日本ペイント(株)製]をし、水洗、乾燥した。次に、塗布型クロメート処理液[PM-284、日本パーカライジング(株)製]をバーコーターで各試験片に塗布した。そして、直ちに色差計1[分光測色計CM-525i、ミノルタ(株)製]で、各試験片の色彩を20mm離れた位置から非接触で測定した。色差計1の測定方式はD-8法で、受光部は積分球である。受光窓の直径は30mmである。色彩測定した各試験片は炉温160℃の遠赤外線オーブンで1分間加熱して乾燥し、蛍光X線分析装置[RIX3000、(株)リガク製]でクロム付着量を測定した。色彩測定値を用いて、予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を換算した。試作した20枚のサンプルについて、蛍光X線分析装置で求めたクロム付着量から色差計で求めたクロム付着量を引いた値をΔCrとし、クロム付着量の測定精度を評価した。
0017
[実施例2]色差計1の替わりに色差計2[分光測色計CM-2002、ミノルタ(株)製]を用い、色差計と試験片の距離を8mmとすること以外は実施例1と同様の測定を行った。色差計2の測定方式はD-8法で、受光部は積分球である。受光窓の直径は11mmである。
0018
[実施例3]色差計1の替わりに色差計3[色彩色差計CR-310、ミノルタ(株)製]を用い、色差計と試験片の距離を35mmとすること以外は実施例1と同様の測定を行った。色差計3の測定方式はD-0法(正反射光を取り込める)で、受光部は円柱型である。受光窓の直径は50mmである。
0019
[実施例4]色差計1の受光窓にUVフィルターをかぶせる以外は、実施例1と同様の測定を行った。
0020
[実施例5]板厚0.2mmのSUS301ステンレス鋼帯に連続ラインでアルカリ脱脂を施し、水洗した後、りん酸塩処理を施し、ケミコーターにて連続的に塗布型クロメート処理[処理液:PM-284、日本パーカライジング(株)製]を施した。ケミコーターのアプリケータロールからでてきた直後の塗布型クロメート処理されたステンレス鋼帯表面を、ステンレス鋼帯表面から20mm離して色差計1で非接触で測定した。塗布型クロメート処理されたステンレス鋼帯は炉温160℃の熱風乾燥炉で連続的に1分間加熱した。乾燥後のステンレス鋼帯から色彩測定した部分を切り出し、蛍光X線分析装置でクロム付着量を測定した。
0021
色彩測定値を用いて、予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を換算した。切り出した20枚のサンプルについて、蛍光X線分析装置で求めたクロム付着量から色差計で求めたクロム付着量を引いた値をΔCrとした。
0022
[実施例6]色差計1の側部に距離計[超音波変位計]を取り付け、ステンレス鋼帯の振動による色差計との距離の変化を連続的に測定し、色差計とサンプルとの距離の変動による色彩の変化を補正してクロム付着量を求めた。それ以外は実施例5と同様に測定を行った。
0023
[比較例1]色差計1の替わりに色差計4[色彩色差計CR-331、ミノルタ(株)製]を用いること以外は実施例1と同様の測定を行った。色差計4の測定方式は45-0法(正反射光を取り込まない)で、受光部は円柱型である。受光窓の直径は30mmである。
0024
[比較例2]色差計1と試験片の距離を40mmで色彩測定する以外は、実施例1と同様の測定を行った。
0025
[比較例3]色差計3と試験片の距離を65mmで色彩測定する以外は、実施例3と同様の測定を行った。
0026
[比較例4]色差計1とステンレス鋼帯の距離を40mmで色彩測定する以外は、実施例5と同様の測定を行った。
0027
[比較例5]色差計1の替わりに色差計3を用い、色差計3とステンレス鋼帯の距離を65mmで色彩測定する以外は、実施例5と同様の測定を行った。色差計によるクロム付着量の測定条件および結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明法(実施例1〜6)によれば、蛍光X線分析装置で求めたクロム付着量と色差計で求めたクロム付着量の違いは6mg/m2以下であり、色差計によりクロム付着量を精度良く測定できることがわかった。正反射光を受光できる色差計を用い、受光部を積分球にし、さらに色差計とサンプルの距離を受光窓の直径以下とすることで、クロム付着量の測定精度が向上する。また、連続ラインでの鋼板の振動による色彩の変動を、距離計を用いて補正することでクロム付着量の測定精度を改善できる。本発明は、連続ラインで塗布型クロメート処理を施す場合に、クロム付着量を連続的に管理するセンサーとして充分に使用できる。
0028
0029
以上に説明したように、クロメート皮膜がウエット状態であるクロメート処理金属板の色彩を色差計で測定して、その色彩と予め作成しておいたクロメート処理金属板の色彩とクロム付着量との相関関係とからクロメート皮膜のクロム付着量を測定する方法において、クロメート処理金属板からの正反射光を受光でき、受光部が積分球である色差計を用い、クロメート処理金属板と色差計の距離を受光窓の直径以下とすることで、クロム付着量の測定精度が向上する。さらに連続ラインでの鋼板の振動による色彩の変動を、距離計を用いて補正することでクロム付着量の測定精度を改善できる。
発明の効果
0030
図1色差計とクロメート処理金属板を接触させて測定したときの正反射光の光路を示す断面図
図2色差計とクロメート処理金属板の間に隙間をあけて測定したときの正反射光の光路を示す断面図
図3色差計とクロメート処理金属板の間の距離と色差ΔE*の関係
図面の簡単な説明
0031
1受光部、 2光源、 3受光素子、 4正反射光、5クロメート処理金属板、 6受光窓、 7色差計とクロメート処理金属板の距離
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