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技術 高周波高圧電源

出願人 株式会社ハイデン研究所
発明者 松永浩一
出願日 1999年3月23日 (22年2ヶ月経過) 出願番号 1999-077245
公開日 2000年10月6日 (20年8ヶ月経過) 公開番号 2000-278962
状態 特許登録済
技術分野 CVD インバータ装置
主要キーワード 次側ケーブル パルス頻度 線間浮遊容量 ストリーマ状 高周波スイッチング回路 高周波電圧波形 線間耐圧 溶接器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

急峻で立ち上がり立ち下がりが速く、パルス幅の狭い高電圧の信号を作ることが可能で、常圧中においても、プラズマ放電を容易に実現できる高周波高圧電源を提供する。

解決手段

4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続したHブリッジスイッチング回路1と、これを5つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるスイッチング制御回路2、その出力電圧を昇圧する高圧トランス3とからなる。この高圧トランスは、一次コイル二次コイルとが、コアを中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状に巻かれ、二次コイルは、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイルとの間隔を段階的に大きくしてある。

概要

背景

特開平9−172787号公報には、次のような構成にすることにより、正負パルス高電圧立ち上がり立ち下がり特性を良くした正負パルス式高電圧電源が開示されている。

すなわち、正電圧発生部+Eとアースとの間に、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2と第3のスイッチング素子SW3とを直列接続し、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2との接続点負荷Rに接続し、負電圧発生部−Eと負荷Rとの間に第4のスイッチング素子SW4を接続する。第1のスイッチング素子をオンにして負荷に正電圧印加した後、第2のスイッチング素子をオンにして、第3のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD3を介してアースに至る回路によって、負荷の正の電荷分をディスチャージする。次に、第4のスイッチング素子をオンにして負荷に負電圧を印加した後、第3のスイッチング素子をオンにして、第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD2を介して負荷に至る回路によって、負荷の負の電荷分をディスチャージする。

この従来技術によると、正負のパルス高電圧の電圧値を正負それぞれ可変できるため、除電器電源としてはイオンバランス調整できるという利点があるが、スイッチング素子に供給する電源として正負それぞれの電源(正電圧発生部+E及び負電圧発生部−E)を必要とする問題がある。

従来、図13に示すように、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したHブリッジスイッチング回路を用いた場合には、一般に次の表2に示す、、、の4つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させていた。

概要

急峻で立ち上がり/立ち下がりが速く、パルス幅の狭い高電圧の信号を作ることが可能で、常圧中においても、プラズマ放電を容易に実現できる高周波高圧電源を提供する。

4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続したHブリッジスイッチング回路1と、これを5つのON/OFFの組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるスイッチング制御回路2、その出力電圧を昇圧する高圧トランス3とからなる。この高圧トランスは、一次コイル二次コイルとが、コアを中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状に巻かれ、二次コイルは、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイルとの間隔を段階的に大きくしてある。

目的

本発明は、上述したような技術背景に鑑み、急峻で立ち上がり/立ち下がりが速く、パルス幅の狭い高電圧の信号を作ることが可能で、常圧中においても、プラズマ放電を容易に実現できる高周波高圧電源を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
5件

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請求項1

第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子ダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続し、直流電圧印加されるHブリッジスイッチング回路と、前記4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4とダイオードD2、D3を次の表1に示す、、、、の5つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるスイッチング制御回路と、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1、SW2の接続点と第3と第4の半導体スイッチング素子SW3、SW4の接続点との間の出力電圧を昇圧する高圧トランスとからなり、この高圧トランスは、一次コイル二次コイルとが、コアを中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状に巻かれ、二次コイルは、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイルとの間隔を段階的に大きくしたことを特徴とする高周波高圧電源

請求項

ID=000003HE=030 WI=074 LX=0230 LY=1400

請求項2

第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くなるように、スイッチング制御回路は、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のゲートゲートパルスを供給することを特徴とする請求項1記載の高周波高圧電源。

技術分野

0001

本発明は、立ち上がり立ち下がりの急峻な高周波インパルス)の高電圧を出力することができる高周波高圧電源に関し、常圧プラズマ表面改質電源プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)用電源、イオンプレーティング用電源、エッチング用電源スパッタリング用電源、バッテリ充電器、高周波コロナ処理器、オゾン発生器除電又は帯電用電源、モー夕用インバータ電源紫外線ランプ光源用電源、溶接器用電源等に広範に利用できるものである。

背景技術

0002

特開平9−172787号公報には、次のような構成にすることにより、正負パルス高電圧の立ち上がり・立ち下がり特性を良くした正負パルス式高電圧電源が開示されている。

0003

すなわち、正電圧発生部+Eとアースとの間に、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2と第3のスイッチング素子SW3とを直列接続し、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2との接続点負荷Rに接続し、負電圧発生部−Eと負荷Rとの間に第4のスイッチング素子SW4を接続する。第1のスイッチング素子をオンにして負荷に正電圧印加した後、第2のスイッチング素子をオンにして、第3のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD3を介してアースに至る回路によって、負荷の正の電荷分をディスチャージする。次に、第4のスイッチング素子をオンにして負荷に負電圧を印加した後、第3のスイッチング素子をオンにして、第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD2を介して負荷に至る回路によって、負荷の負の電荷分をディスチャージする。

0004

この従来技術によると、正負のパルス高電圧の電圧値を正負それぞれ可変できるため、除電器用電源としてはイオンバランス調整できるという利点があるが、スイッチング素子に供給する電源として正負それぞれの電源(正電圧発生部+E及び負電圧発生部−E)を必要とする問題がある。

0005

従来、図13に示すように、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したHブリッジスイッチング回路を用いた場合には、一般に次の表2に示す、、、の4つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させていた。

0006

0007

図13において、まず4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4は全てOFFとなっている(負荷の両端はOFF状態)。次に、半導体スイッチング素子SW1、SW3のゲートに信号が同時に入力すると、I1の方向に電流が流れ、負荷を充電する。この後、SW1、SW3のゲート信号がOFFになるが、負荷側に充電した電荷分はチャージされたままである。今度は、半導体スイッチング素子SW2、SW4のゲートに信号が同時に入力すると、I2の方向に電流が流れ、負荷をディスチャージする。この後、SW2、SW4のゲート信号がOFFになるが、負荷側に充電した電荷分はチャージされたままである。

0008

従って、図14タイミングチャートに示すように、SW1、SW2、SW3、SW4に対するゲート信号が終わっても、出力パルスが直ぐに立ち下がらず、負荷の浮遊容量やリーケージインダクタンス分の影響を受け、軽負荷時及びC負荷のときは同図(A)のように次のパルスの立ち上がりまで延びた波形、L負荷のときは同図(B)のように各パルスの前後が歪んだ波形になってしまう。

0009

ところで、常圧中でプラズマを発生させるには、できるだけ急峻な立ち上がりを持つ、高電圧のインパルス信号が必要となる。

0010

従来、高電圧のインパルス信号を得る方法としては、ギャップ電極方式によるパルス電源を使っているが、この場合パルス頻度は10〜1000pps(周波数10Hz〜1KHz)であり、高速パルスを実現することはできない。常圧中でプラズマを最適に発生させるためには、誘電体間放電する放電状態が、ストリーマ放電アーク放電にならないよう工夫しなければならない。

0011

従来の高周波高電圧発生器は、波形がサイン波であり、信号が連続した波形のものを使用して行っている。スパッタリング、CVD、真空蒸着等、大半が真空中で低圧にした状態にして、サイン波の連続信号電極間に印加して使用しているが、この場合低圧にしているため、電極間に存在するイオン電子等の障害物が無いため、サイン波の連続信号で放電させても、プラズマが発生する。

0012

また、大気中で使用している従来のコロナ処理器は、やはり高周波高電圧の信号で行っているが、大気中で誘電体を通じて電極間に高電圧を印加した場合、放電状態がプラズマ放電とはならず、ストリーマ状コロナ放電となってしまう。

0013

常圧中で、何故プラズマが発生できるかと言うと、急峻な立ち上がりを持つ高電圧のインパルス信号で大気中に強い電界を発生させ、その直後に急激に信号を切り電界を一旦休止させ、次に供給する信号は、連続的に供給せず間隔をあけて供給するようにすると、大気中でストリーマ、アーク放電にはならず、プラズマ状態となる。

0014

このような理由から、電子回路を使って高速のインパルス信号を作れば、プラズマを発生させることが可能である。

0015

一方、コロナ処理器は、大気中において電極間に誘電体(一般的にはシリコンゴム)を挟んで高周波高電圧を印加し、電極−誘電体間に挟んだ樹脂材料フィルム、不織布)表面をストリーマ放電させ、表面の濡れ性改善を図っている。

0016

この方法の場合は、印加する高周波電圧波形がサイン波のため、周波数を下げると信号の立ち上がり波形が緩やかになり、放電する際の電界強度が弱くなる。また、周波数を高くすると、放電の電界強度が高くなりすぎてストリーマ放電が強くなりすぎ、バラバラの放電となり、素材ピンホールが発生し、最適な処理が得られない。

0017

サイン波において高周波50KHz以上の高電圧を連続的に誘電体に印加すると、ストリーマ放電がアーク放電に近づき、放電がばらついてしまう。一方、周波数を下げると、放電の電界強度が低くなり処理が弱くなる。

0018

サイン波の場合、このような欠点があるため、インパルス電源は、出力波形を立ち上がりの速い信号にし、繰り返しの周波数を連続的に可変させるような方法をとると、印加するパルス信号の立ち上がりが速いため、単位面積当たりの電界強度が高くなり、放電のプラズマ密度が強く発生する。

0019

しかし、このパルス信号を連続的に印加するとアーク放電となってしまうため、周波数を可変してアーク放電にならないように調整することにより、負荷に合ったプラズマを発生させることができる。

0020

特に、発泡体や不織布等の濡れ性改善を行うには、放電をストリーマ放電にすると、ピンホールが発生し、最適な処理ができないため放電をプラズマ状態にしなければならない。

0021

結論的に言うと、最適なコロナ処理をする場合、印加するパルス信号の立ち上がり/立ち下がり時間をできる限り速くし、単位面積当たりの電界強度を強く発生させ、ストリーマ、又はアーク放電にならないよう間欠的に周波数を調整することにより、大気中においてプラズマによるグロー放電を発生することができる。

発明が解決しようとする課題

0022

本発明は、上述したような技術背景に鑑み、急峻で立ち上がり/立ち下がりが速く、パルス幅の狭い高電圧の信号を作ることが可能で、常圧中においても、プラズマ放電を容易に実現できる高周波高圧電源を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0023

本発明は、高周波スイッチング回路として、4個の半導体スイッチング素子をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードをそれぞれ並列接続したHブリッジスイッチング回路(インバータ)を用い、その4個の半導体スイッチング素子を一定の順序スイッチングさせて、急峻な正負対称パルス信号波形を出力させる。これを、急峻な立ち上がり/立ち下がり特性を減衰させない高圧トランスにて昇圧することで、常圧中でプラズマ放電させることが可能な高周波の高電圧を安定して得られるようにしたものである。

0024

すなわち、本発明の高周波高圧電源は、図1に示すように、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続し、直流電圧を印加されるHブリッジスイッチング回路と、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4とダイオードD2、D3を次の表3に示す、、、、の5つのON/OFFの組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるスイッチング制御回路と、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1、SW2の接続点と第3と第4の半導体スイッチング素子SW3、SW4の接続点との間の出力電圧を昇圧する高圧トランスとからなる。そして、この高圧トランスは、一次コイル二次コイルとが、コアを中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状に巻かれ、二次コイルは、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイルとの間隔を段階的に大きくしたものである。

0025

0026

半導体スイッチング素子の動作の安定性と安全性を確保するため、図3(半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のゲートにそれぞれ供給されるゲート信号と、負荷へ出力される出力信号のタイミングチャート)に示すように、第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くするのが好ましい。

0027

先ず、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4によるHブリッジスイッチング回路の動作を図2等価回路を参照して説明すると、SW1がOFFになってからSW1がONになると、I1の方向に電流が流れ、負荷3が正に充電される。次に、SW1がOFFになってからSW2がONになると、SW2とD3を通ってI2の方向に電流が流れるので、負荷(この場合、高圧トランス)3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0028

この後、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I3の方向に電流が流れ、負荷3が負に充電される。次に、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I4の方向に電流が流れ、負荷(高圧トランス)3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0029

本発明では、急峻な立ち上がり/立ち下がりのパルス状の高周波高電圧を得るという観点から、高圧トランスのコイルの巻き方についても工夫をして、次のように耐圧を維持しつつリーケージ化を防止している。

0030

一般的に、トランスの一次側に入力した信号を、出力側損失なく伝達させるためには、一次コイルと二次コイルを密着して巻けば結合度が良くなり、結合度が1に近づく。

0031

しかし、高圧トランスの場合、耐圧の面から一次と二次間を密着して巻くことができない。そこで、一次と二次間を離して巻くと、一次コイルに入力した電圧によってコア(鉄心)に磁束が生じ、二次コイルに伝達しようとするが、コイル間は離れているため、磁束が二次コイルに伝わらず、リケージフラックスが生じてしまうため、結合度が悪くなる。従って、高圧トランスの場合には、耐圧、線間浮遊容量等から、多少リーケージ化してもやむを得ないところがある。

0032

従来の一般的な高圧トランスの場合、図10に示すように、コア(鉄心)11を中心とした同じボビン12に、一次コイル13と二次コイル14とを離して巻いており、一次と二次間の耐圧と浮遊容量は十分に確保されるものの、リーケージ化してしまうため、一次側の信号波形と同じ波形が二次側で得られなくなる。

0033

そこで、本発明では、図9に示すように、一次コイル21と二次コイル22とを、コア20を中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状に巻き、二次コイル22は、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイルとの間隔を段階的に大きくしている。

0034

このようにすると、一次と二次間の耐圧と浮遊容量を十分に考慮しながら、リーケージ化も防止できる。

発明を実施するための最良の形態

0035

次に、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。

0036

先ず、本発明において使用するHブリッジスイッチング回路(インバータ)について説明する。図1に示すように、このHブリッジスイッチング回路1は、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続する(MOS−FET等の2個入り半導体モジュールをHブリッジとする)とともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したものである。このHブリッジスイッチング回路1の電源として単一の直流電源Eを使用する。

0037

そして、このHブリッジスイッチング回路1を、スイッチング制御回路2により、上記表3に示す、、、、の5つのON/OFFの組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させる。図3は、このようなスイッチング動作によって、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1・SW2の中点と、第3と第4の半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点との間から出力される正負交互のパルスのタイミングチャートである。

0038

図2は、Hブリッジスイッチング回路1の等価回路を示す。図3に示すように、第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くする。

0039

図2において、まず、SW1がOFFになってからSW1がONになると、I1の方向に電流が流れ、負荷3が正に充電される。次に、SW1がOFFになってからSW2がONになると、SW2とD3を通ってI2の方向に電流が流れるので、負荷である高圧トランス3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0040

この後、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I3の方向に電流が流れ、負荷3が負に充電される。次に、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I4の方向に電流が流れ、負荷である高圧トランス3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0041

このような動作を表3に従って説明すると、次のとおりである。では、SW2とSW3はゲート信号を入力されてONとなり、負荷3の両端はショートされた状態となる。

0042

では、SW2のゲート信号がONされ、少し遅れてSW1にゲート信号が入力されてこれがONになると、SW3はOFFのままであるため、SW1から負荷3を通ってI1方向に電流が流れ、負荷3を正に充電する。

0043

では、SW1へのゲート信号入力が終わってこれがOFFとなってから、SW2へ再びゲート信号が入力されてこれが再びONになるので、負荷3に充電された電荷分は、SW2とD3を通ってディスチャージする。その結果、と同じ状態に戻ることになる。

0044

では、SW3がOFFとなり、少し遅れてSW4にゲート信号が入力されてこれがONになると、SW2はONのままであるため、SW4から負荷3を通ってI3方向に電流が流れ、負荷3を負に充電する。

0045

では、SW4へのゲート信号入力が終わってこれがOFFとなってから、SW3へ再びゲート信号が入力されてこれが再びONになるので、負荷3に充電された電荷分は、SW3とD2を通ってディスチャージする。その結果、と同じ状態に戻ることになる。

0046

このようにSW1とSW2との組、SW3とSW4の組がそれぞれ同時にONにならないように、デットタイムを与えて順番にスイッチングすることにより、入力信号(ゲート信号)に比例した波形の出力信号が得られる。その場合、負荷側の浮遊容量及びリーケージインダクタンスは、上記のようなスイッチング動作によってリセットされるので、歪みの無い出力波形が得られる。

0047

上記のようなスイッチング動作をするHブリッジスイッチング回路1の出力は、図1において、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1・SW2の中点を一方の極、第3と第4の半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点を他方の極として取り出され、直流分を除去するカップリングコンデンサCを介して負荷である高圧トランス3の一次側に印加される。

0048

スイッチング制御回路2は、Hブリッジスイッチング回路1の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4を上記のようなタイミングでON/OFFさせるゲート信号を出力する。

0049

本発明では、Hブリッジスイッチング回路(インバータ)1で得られた信号を高圧トランス(昇圧トランス)3の一次側に、直流分除去用のカップリングコンデンサCを通して入力するので、パルス幅の狭い立ち上がり/立ち下がりの非常に速い急峻な高電圧パルス信号が得られる。

0050

なお、図12に示すように、Hブリッジスイッチング回路(インバータ)1から正の出力パルスと負の出力パルスとを別々に取り出して、それぞれの高圧トランス3p・3mにて別々に昇圧して電極4・5に印加してもよい。

0051

本発明は、上記のようなタイミングでON/OFFするHブリッジスイッチング回路1を用いたことが第1の特徴で、プラズマ発生用電源として使用する場合、常圧でプラズマを安定して発生させることができるが、さらにプラズマ発生の安定性及び効率性を高めるためには、電極構造や高圧トランス等を次のようにするのが好ましい。

0052

〔電極構造〕常圧でプラズマを発生させるためには、図4に示すように両極の電極4・5の構造が平面電極のものが好適であり、それに使う誘電体6は、比誘電率が10以上のものを使用し、両極の電極4・5の上下にそれぞれ誘電体を挟んだ構造のものがよい。誘電体6の厚さは0.5〜1mmが良く、薄すぎると絶縁破壊を起こしやすく、厚すぎると印加電圧を高くする必要があり、効率が悪くなってしまう。

0053

図4の平面電極の欠点は、絶縁体処理対象物7が誘電体間を通過する時、印加した高電圧によって静電気が発生し、絶縁体に帯電が生じ、プラズマ照射した結果、絶縁体に処理ムラが発生する現象が生ずる場合が有る。

0054

この欠点に対処するために、処理対象物7がシート状で薄い場合、図5のように電極構造をロール状にし、シート状物テンションをかけることにより誘電体6の上面に接触した状態でプラズマ照射できるため、処理ムラは発生しなくなる。

0055

また、平面電極の欠点は、プラズマ放電によって金属電極が加熱され、その輻射熱によって誘電体に熱が伝わり、誘電体が変形したりして絶縁破壊を生じてしまうため、電極(金属)を水冷によって冷却する必要が有る。このようにすると電極構造が複雑になり、高コスト化してしまう。

0056

ロール電極の場合、ロールに誘電体を巻いた物を2本用意してロールを回転させるようにすると、プラズマ放電は、誘電体が回転しているため常に一個所の誘電体部を通してしか放電しないため、ロール電極の温度上昇が平面電極に比べ著しく低くなり、冷却する必要は無くなる。

0057

従って、薄物のシート状物をプラズマ処理するには、ロール電極が好適である。誘電体の材質は、シリコンゴム、セラミック石英等が良い。

0058

両電極の間隔は、1〜50mmであることが望ましい。1mm未満では処理する物の厚みが薄い物しか通せなくなり、継ぎ目が通過する際に電極に当たり、使用できなくなる欠点がある。また、50mmを越えると印加電圧が高くなり、電源が大きくなりプラズマがストリーマ状になる。しかし、50mm以上の高ギャップに対してストリーマ状にならなくするためには、立ち上がり/立ち下がりがより急峻で、パルス幅がより高い高電圧のパルス信号の周波数を10KHz以下に下げて使用し、エアー又はガスの力よって放電面照射することにより高ギャップ中においてもプラズマ放電が可能となる。

0059

不活性ガスの効果〕図6のように、電極ステーション周辺ケーシング8で囲い、その一部に入口9と出口10を形成し、シート状物を入口9から入れて処理ロールである両電極間を通しながら、出口10から引き出すような構造にし、ケーシング8の内部に不活性ガスを入れ、電極部にガスをかけるようにすると、プラズマをより細かい状態で発生させることができる。

0060

不活性ガスとしては、ヘリウムアルゴン窒素が良い。また、不活性ガスを入れ、処理した時の利点は、ガスの効果によって印加する電圧が大気中の印加電圧に比べ低くなる。これは、ガスの力によって、放電開始電圧が低くなるため、不必要に高い電圧を印加する必要が無くなる。

0061

また、大気中で放電させるとオゾンが発生するため、内部の金属類がすぐに酸化する欠点があるので、必ずオゾン排気を行っているが、ガスを入れることによりオゾンは発生しなくなるので、オゾンの問題は無くなる。

0062

〔一次側ケーブルの工夫〕Hブリッジスイッチング回路(インバータ)1で得られたパルス信号を損失無く高圧トランス3の一次側まで伝達させるためには、図7のように、Hブリッジスイッチング回路1の出力端から高圧トランス3までのケーブルインダクタンスや浮遊容量に影響されないように考慮する必要がある。図8図7の等価回路である。

0063

そのための手段として高圧トランス3の一次側ケーブルは、リッツ線の太い物を使用し、できる限り短く配線し、高周波信号がケーブルの表皮効果近接効果によって影響のないよう考慮する必要がある。また、浮遊容量に対しては、2本の線を離して配線する。

0064

〔昇圧トランスの工夫〕一般に、昇圧トランスを巻く方法は、一次側と二次側を密着して巻くことが一番良いが、高周波高圧トランスの場合、線間静電容量によって高周波電流漏洩し、コイルを焼いてしまう。また、線間耐圧が低くなりリークすることになる。従って、高周波高圧トランスの場合、一次と二次間は、一般的には密着して巻かずに離し、リーケージ化させている。リーケージ化するとトランスの結合度が悪くなり、コアが発熱することと、信号波形がなまってしまい(減衰)、二次側で一次波形と同じ波形が得られない。

0065

そのために、図9に示すように、一次コイル21のボビン21aと二次コイル22のボビン22aとを、コア20を中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状とし、二次コイル22は、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイル21との間隔を段階的に大きくする。一次コイル21は、二次コイル22の外周の全体にかかるように巻く。このようにすると、結合度が良くなりリーケージ化しないので一次信号を効率よく、二次側に伝えることができる。

0066

また、一次/二次間の巻線比は、入力がパルス波形のため、パルス信号が一次巻線に入力した場合、立ち上がり信号でパルスエネルギーを蓄えておき、立ち下がった時、トランスのエネルギーにより、逆起電力が発生するため、入力したパルス電圧の数十倍の電圧が発生し、一次電圧が高く得られるため昇圧する巻線比を大きく取る必要がなくなる。二次コイルを多く巻くと、二次側の浮遊容量、インダクタンスが増し、折角昇圧したパルス信号波形がなまってしまうため、二次コイルは、できるだけ少なく巻き上げる必要がある。従って、出力を15KVに昇圧する場合の巻線比は、1:10〜20で良い。

0067

〔出力波形・振動現象〕パルス信号を高圧トランスの一次側に入力して、二次側で昇圧した高電圧パルス信号は誘電体を挟んで両極の誘電体に印加するが、誘電体の静電容量、トランスのインダクタンスにより図11のような振動を伴った波形になる。

0068

この振動波形はプラズマ放電に影響し、負荷の処理に悪影響を与えるためシャープな振動を伴わない信号が望ましい。この振動波形を取り除くためには、Hブリッジスイッチング回路1の正負のパルス幅を調整し、振動を伴わない波形に補正することにより、シャープな出力信号にすることができる。このようにすることにより、負荷条件にあったプラズマを発生させることができる。

0069

しかし、この場合の欠点は、負荷条件に合わせ、波形を補正しなければならない。そのためには、負荷側の放電電流電力が変化した場合に出力波形が振動を伴った波形になるので、出力電流又は出力電力の一部をフィードバックして、正又は負のパルス幅を制御することにより、常にシャープな出力信号が得られる。

発明の効果

0070

本発明によれば次のような効果がある。
(1)4個の半導体スイッチング素子をHブリッジ構成とし、各半導体スイッチング素子にダイオードを並列接続したHブリッジ型のスイッチング回路(インバータ)を用いるので、供給した電源電圧に相当した正と負のパルス出力を得ることができる。

0071

(2)スイッチング回路(インバータ)がHブリッジ型で、単純であるのに加え、その電源は片電源で済み、ローコスト化できる。

0072

(3)高圧トランスのリーケージフラックス及び浮遊容量を強制的にリセットできるので、これらの影響による波形歪みを解消できる。

0073

(4)Hブリッジスイッチング回路のパルス出力を昇圧する高圧トランスは、一次コイルと二次コイルとを、コアを中心として前者を外、後者を内にして互いに間隔をおいて二重円筒状に巻き、二次コイルは、複数の相に分けしかも巻始めの相から巻終わりの相に向かって巻数を段階的に少なくして、一次コイルとの間隔を段階的に大きくしたので、耐圧を維持しつつリーケージ化を防止でき、高圧トランスにおける波形歪みを抑えることができる。

0074

(5)以上の結果として、急峻で立ち上がり/立ち下がりが速く、パルス幅の狭い高電圧の信号を作ることが可能で、常圧中においても、プラズマ放電を容易に実現できる。

図面の簡単な説明

0075

図1本発明による高周波高圧電源の回路構成図である。
図2図1中のHブリッジスイッチング回路(インバータ)の等価回路図である。
図3同上の動作を示すタイミングチャートである。
図4本発明をプラズマ発生用電源に適用する場合に、それにより高周波高電圧を印加される平面電極を示す概要図である。
図5ロール電極の場合の概要図である。
図6ハウジング内においてロール電極に不活性ガスをかける場合の概要図である。
図7Hブリッジスイッチング回路と高圧トランス間の浮遊容量及びインダクタンスを電気回路として示す図である。
図8同上の等価回路である。
図9本発明における高圧トランスの構成図で、(A)は縦断面、(B)は横断面である。
図10従来の一般的な高周波高圧トランスの構成図である。
図11高圧トランスからの高電圧パルスを誘電体に印加すると、誘電体の静電容量、トランスのインダクタンスにより振動を伴った波形になることを示す図である。
図12Hブリッジスイッチング回路(インバータ)から正の出力パルスと負の出力パルスとを別々に取り出して、それぞれの高圧トランスにて別々に昇圧する変形例の回路構成図である。
図13従来のHブリッジスイッチング回路の構成及び電流の流れを示す図である。
図14同上の動作を示すタイミングチャートである。

--

0076

SW1、SW2、SW3、SW4半導体スイッチング素子
D1、D2、D3、D4ダイオード
E直流電源
1 Hブリッジスイッチング回路
2スイッチング制御回路
3高圧トランス
20コア
21一次コイル
21aボビン
22二次コイル
22a ボビン

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