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技術 ループ型ネットワーク通信システム

出願人 日本無線株式会社上田日本無線株式会社
発明者 植村朗滝沢靖碇栄治芝田宏靖清水健博小川一柳澤秀昭
出願日 1999年3月25日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 1999-082315
公開日 2000年10月6日 (18年11ヶ月経過) 公開番号 2000-278301
状態 特許登録済
技術分野 広域データ交換 小規模ネットワーク1:ループ方式 小規模ネットワーク(3)ループ,バス以外
主要キーワード 逆ループ 河口堰 プログラマブルコントロ CCTV 内部リレー ループフレーム 各通信ユニット PLCユニット
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この項目の情報は公開日時点(2000年10月6日)のものです。
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図面 (12)

課題

データを有するフレームループ化LAN内伝送路転送させる際に、伝送路におけるフレームの輻輳衝突の可能性を低減する。

解決手段

複数のノードN1、N2、N3、N4が、伝送路16によりループ状に接続され、かつデータを有するフレームが双方向に転送されるループ型ネットワーク通信ステムにおいて、送信元ノード、例えば送信元ノードN1は、該送信元ノードN1自身が作成したフレームが、前記各ノードN2、N3、N4において再送信されて、送信元ノードN1自身まで戻ってきたとき、該送信元ノードN1において、前記フレームを再送信しないようにしている。これにより、伝送路16内を転送されるフレームが自動的に整理され、伝送路におけるフレームの輻輳や衝突の可能性が低減する。

概要

背景

例えば、工場生産ラインにおける工作機械自動制御や複数のゲートを有するダムステムにおける自動制御などにおいては、複数のプログラマブルコントローラ(以下PLCという。)と、これら複数のPLCを集中管理するコンピュータ装置ローカルエリアネットワーク(以下LANという。)を介して接続され、前記各PLCにより前記工作機械や前記ダムシステムを構成するゲート等の制御対象物に対して自動制御を行うような構成とされた制御系リアルタイムシステムが採用されている。

このような制御対象物を制御する制御系リアルタイムシステムにおいて、LANには、以下に説明するような様々なことが要求されている。

第1に、緊急度に応じたデータ伝送ができること。第2に、通信品質の向上が容易であること。第3に、伝送路二重化等による信頼性の向上が容易であること。第4に、障害に対する診断自動回復が容易であることなどである。

その一方、LANには、上記のような制御対象物を制御するための制御データの伝送サービスだけでなく、ノード装置(単に、ノードともいう。)間で通話を行うための音声伝送サービス、制御対象物の状態画像リアルタイムに表示するための動画伝送サービス、LANの状況を監視するためのネットワーク監視サービスなど、様々な、いわゆるマルチメディアサービスも要求されている。

従来、このような制御系リアルタイムシステムのLANでは、OSI参照モデルにおけるデータリンク層の技術として、CSMA/CD方式(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)、トークンバス方式、トークン・リング方式などが用いられている。

また、前記OSI参照モデル中のネットワーク層トランスポート層に位置する技術として、ハンドシェイクをするいわゆるコネクション型通信に係わるTCP(Transmission Control Protocol )/IP(Internet Protocol )や、ハンドシェイクをしないいわゆるコネクションレス型の通信に係るUDP(User Data-gram Protocol )/IPなどのプロトコルが用いられている。

なお、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)などの超高速伝送路を用いた基幹系ネットワーク技術があるが、ネットワークに接続される機器が限定され、その情報がLAN内クローズされる制御系リアルタイムシステムのLANに、これら基幹系ネットワーク技術を利用することは、ハードウェアおよびソフトウェアが高価となることから、ごく希である。

これら従来技術では、OSIの参照モデルの位置づけからしても、様々なマルチメディアサービスのサービスデータ毎の緊急性、および信頼性の設定や輻輳の制御は、データリンク層より上位層のプロトコルでサポートするのが一般的である。

例えば、マルチメディアサービス毎にネットワーク層、トランスポート層のプロトコルを使い分けて、データの紛失許すが緊急性を優先させる場合にはUDP/IPを採用し、データの緊急性よりも信頼性を重視する場合にはTCP/IPを採用するというようにして、データの緊急性、信頼性をサービス毎差別化する。なお、IPデータグラムヘッダには優先度が付加されており、データグラムの紛失や輻輳を制御できるが、一般的には、ルーター上での取り扱い方法を示したものである。

しかしながら、TCP/IPやUDP/IPの性質上、緊急性、信頼性の両方を高くすることは容易ではない。例えば、動画伝送サービスにUDP/ IPを採用するのであれば、緊急性はTCP/IPよりはるかによく、動画もより一層鮮明に再現できるかもしれない。ただし、輻輳の制御を行わなければ、その他のサービスデータのレスポンスを悪化させる可能性がある。また、制御データなど重要なデータにTCP/IPを採用するのであれば、ほとんど確実にデータは相手に送られるであろうが、フロー制御送受信端末間送信速度送受信処理能力の差を調整したり、ネットワークのスループットを保持するために、ネットワークがデータ転送フェイズまで関与して、ユーザのデータ流量フロー)を制御するパケット交換の機能)などによるデータ遅延が発生する可能性がある。

また、伝送路の二重化による信頼性向上策物理層に近いデータリンク層でサポートすると、ネットワークに接続するノードの増加に伴い、ハードウェアコストが増加し高価となる。従って、ハードウェアコストを軽減するために、伝送路の二重化による信頼性向上策をトランスポート層よりも上位のプロトコル(ソフトウェア)で実現する場合が多い。しかしながら、トランスポート層より上位のプロトコルで信頼性向上策を実現すると、二重化のためのプロトコルが複雑化し(例えば、TCP/IPやUDP/IPにおける通信ソケット個数が2倍となりソケットの管理が複雑化するなど)、ソフトウェア開発コストが大きくなる。

概要

データを有するフレームループ化LAN内の伝送路を転送させる際に、伝送路におけるフレームの輻輳や衝突の可能性を低減する。

複数のノードN1、N2、N3、N4が、伝送路16によりループ状に接続され、かつデータを有するフレームが双方向に転送されるループ型ネットワーク通信システムにおいて、送信元ノード、例えば送信元ノードN1は、該送信元ノードN1自身が作成したフレームが、前記各ノードN2、N3、N4において再送信されて、送信元ノードN1自身まで戻ってきたとき、該送信元ノードN1において、前記フレームを再送信しないようにしている。これにより、伝送路16内を転送されるフレームが自動的に整理され、伝送路におけるフレームの輻輳や衝突の可能性が低減する。

目的

この発明はこのような種々の課題を考慮してなされたものであり、データの輻輳制御を効率的に行い伝送路上での衝突の発生を少なくすることを可能とするループ型ネットワーク通信システムを提供することを目的とする。

また、この発明は、データ伝送の緊急度や信頼度の設定をデータの属性に応じて簡単なプロトコルで実現することを可能とするループ型ネットワーク通信システムを提供することを目的とする。

さらに、この発明は、データを2重ループ化した場合においても、データの輻輳制御を効率的に行い伝送路上での衝突の発生を少なくすることを可能とし、あるいはデータ伝送の緊急度や信頼度の設定をデータの属性に応じて簡単なプロトコルで実現することを可能とするループ型ネットワーク通信システムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

複数のノード伝送路によりループ状に接続され、かつデータを有するフレームが一方向に転送されるループ型ネットワーク通信ステムにおいて、データを有するフレームを作成する送信元ノードと、該送信元ノードから送信されてきたフレームを再送信する各ノードとを備え、前記送信元ノードは、該送信元ノード自身が作成したフレームが、前記各ノードにおいて再送信されて、前記送信元ノード自身まで戻ってきたとき、該送信元ノードにおいて、前記フレームを再送信しないようにする機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項2

請求項1記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、前記各ノードのうちの送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報を前記フレームのヘッダ部に付加し、前記各ノードは、前方ノードから受信したフレームおよび当該ノードで生成して送信するフレームを前記緊急度情報に基づき緊急度の高い順に並び替え後方ノードに送信する機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項3

請求項1記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、前記各ノードのうちの送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報とデータを複数のフレームに分割したことを示す分割情報とを前記フレームのヘッダ部に付加し、前記送信元ノードは、前記緊急度の度合いの高いデータを送信する場合にはデータを分割しないで送信し、前記緊急度の度合いの低いデータを送信する場合にはデータを分割して送信する機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項4

請求項3記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、分割しないで送信したフレームが一定期間経過しても、前記送信元ノード自身に戻らない場合には、該送信元ノードから同一データを有するフレームを再送信する機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項5

複数のノードが伝送路によりループ状に接続され、かつ前記伝送路が2重ループ化され、データを有するフレームを作成する送信元ノードから順方向と逆方向の両方向の伝送路に同一のデータを有するフレームが略同時に送信されるループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードから送信されてきたフレームを再送信する各ノードを備え、前記送信元ノードは、該送信元ノード自身が作成したフレームが、前記各ノードにおいて再送信され、前記送信元ノードまで戻ってきたとき、該送信元ノードにおいて、前記フレームを再送信しないようにする機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項6

請求項5記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、前記各ノードのうち送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報をフレームのヘッダ部に付加し、前記各ノードは、前方ノードから受信したフレームおよび当該ノードで生成して送信するフレームを前記緊急度情報に基づき緊急度の高い順に並び替えて後方ノードに送信する機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項7

請求項5記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、前記各ノードのうち送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報と、データを複数のフレームに分割したことを示す分割情報とをフレームヘッダに付加し、前記送信元ノードは、前記緊急度の度合いの高いデータを送信する場合にはデータを分割しないで送信し、前記緊急度の度合いの低いデータを送信する場合にはデータを分割して送信する機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項8

請求項7記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、分割しないで送信したフレームが一定期間経過しても、前記送信元ノード自身に戻らない場合には、該送信元ノードから同一データを有するフレームを再送信する機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項9

請求項5〜8のいずれか1項に記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードは、新規に作成したフレームがより新しいフレームであることを示すフレーム生成順番号を該フレームのヘッダ情報に付加する機能を有し、前記送信元ノードで新たにフレームを作成して送信する場合に、これまでに送信した最後のフレーム生成順番号を更新した最新のフレーム生成順番号を付与したフレームを前記順ループおよび前記逆ループの両方向に送信し、前記送信先ノードでは、前記順ループと前記逆ループの両方向からフレームを受信し、受信したフレームの生成順番号にフレームのデータ内容を参照するとき、両方向から転送される同一生成順番号を有するフレームのうち、先に受信したフレームのデータ内容のみを参照することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載のループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記フレームのヘッダ部には、フレームが生存していることを示すフレーム生存カウンタが設けられ、フレームの生成元である前記送信元ノードでは、前記フレーム生存カウンタに、前記ループを構成する全ノード数を超える数の所望の計数値プリセットし、前記各ノードは、フレームを受信したとき、該フレームのフレーム生存カウンタにプリセットされている前記計数値を1だけ減算し、あるノードにおいて、フレーム生存カウンタの計数値がゼロ値となったとき、該あるノードは、前記フレーム生存カウンタの計数値がゼロ値となったフレームを再送信しないようにする機能を有することを特徴とするループ型ネットワーク通信システム。

技術分野

0001

この発明は、主に、プログラマブルコントローラコンピュータ装置がLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続された制御系リアルタイムシステムに使用するループ型ネットワーク通信ステムに関し、特に、ダムあるいは河口堰等におけるゲート水門)の開閉制御等に適用して好適なループ型ネットワーク通信システムに関する。

背景技術

0002

例えば、工場生産ラインにおける工作機械自動制御や複数のゲートを有するダムシステムにおける自動制御などにおいては、複数のプログラマブルコントローラ(以下PLCという。)と、これら複数のPLCを集中管理するコンピュータ装置がローカルエリアネットワーク(以下LANという。)を介して接続され、前記各PLCにより前記工作機械や前記ダムシステムを構成するゲート等の制御対象物に対して自動制御を行うような構成とされた制御系リアルタイムシステムが採用されている。

0003

このような制御対象物を制御する制御系リアルタイムシステムにおいて、LANには、以下に説明するような様々なことが要求されている。

0004

第1に、緊急度に応じたデータ伝送ができること。第2に、通信品質の向上が容易であること。第3に、伝送路二重化等による信頼性の向上が容易であること。第4に、障害に対する診断自動回復が容易であることなどである。

0005

その一方、LANには、上記のような制御対象物を制御するための制御データの伝送サービスだけでなく、ノード装置(単に、ノードともいう。)間で通話を行うための音声伝送サービス、制御対象物の状態画像リアルタイムに表示するための動画伝送サービス、LANの状況を監視するためのネットワーク監視サービスなど、様々な、いわゆるマルチメディアサービスも要求されている。

0006

従来、このような制御系リアルタイムシステムのLANでは、OSI参照モデルにおけるデータリンク層の技術として、CSMA/CD方式(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)、トークンバス方式、トークン・リング方式などが用いられている。

0007

また、前記OSI参照モデル中のネットワーク層トランスポート層に位置する技術として、ハンドシェイクをするいわゆるコネクション型の通信に係わるTCP(Transmission Control Protocol )/IP(Internet Protocol )や、ハンドシェイクをしないいわゆるコネクションレス型の通信に係るUDP(User Data-gram Protocol )/IPなどのプロトコルが用いられている。

0008

なお、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)などの超高速伝送路を用いた基幹系ネットワーク技術があるが、ネットワークに接続される機器が限定され、その情報がLAN内クローズされる制御系リアルタイムシステムのLANに、これら基幹系ネットワーク技術を利用することは、ハードウェアおよびソフトウェアが高価となることから、ごく希である。

0009

これら従来技術では、OSIの参照モデルの位置づけからしても、様々なマルチメディアサービスのサービスデータ毎の緊急性、および信頼性の設定や輻輳の制御は、データリンク層より上位層のプロトコルでサポートするのが一般的である。

0010

例えば、マルチメディアサービス毎にネットワーク層、トランスポート層のプロトコルを使い分けて、データの紛失許すが緊急性を優先させる場合にはUDP/IPを採用し、データの緊急性よりも信頼性を重視する場合にはTCP/IPを採用するというようにして、データの緊急性、信頼性をサービス毎差別化する。なお、IPデータグラムヘッダには優先度が付加されており、データグラムの紛失や輻輳を制御できるが、一般的には、ルーター上での取り扱い方法を示したものである。

0011

しかしながら、TCP/IPやUDP/IPの性質上、緊急性、信頼性の両方を高くすることは容易ではない。例えば、動画伝送サービスにUDP/ IPを採用するのであれば、緊急性はTCP/IPよりはるかによく、動画もより一層鮮明に再現できるかもしれない。ただし、輻輳の制御を行わなければ、その他のサービスデータのレスポンスを悪化させる可能性がある。また、制御データなど重要なデータにTCP/IPを採用するのであれば、ほとんど確実にデータは相手に送られるであろうが、フロー制御送受信端末間送信速度送受信処理能力の差を調整したり、ネットワークのスループットを保持するために、ネットワークがデータ転送フェイズまで関与して、ユーザのデータ流量フロー)を制御するパケット交換の機能)などによるデータ遅延が発生する可能性がある。

0012

また、伝送路の二重化による信頼性向上策物理層に近いデータリンク層でサポートすると、ネットワークに接続するノードの増加に伴い、ハードウェアコストが増加し高価となる。従って、ハードウェアコストを軽減するために、伝送路の二重化による信頼性向上策をトランスポート層よりも上位のプロトコル(ソフトウェア)で実現する場合が多い。しかしながら、トランスポート層より上位のプロトコルで信頼性向上策を実現すると、二重化のためのプロトコルが複雑化し(例えば、TCP/IPやUDP/IPにおける通信ソケット個数が2倍となりソケットの管理が複雑化するなど)、ソフトウェア開発コストが大きくなる。

発明が解決しようとする課題

0013

この発明はこのような種々の課題を考慮してなされたものであり、データの輻輳制御を効率的に行い伝送路上での衝突の発生を少なくすることを可能とするループ型ネットワーク通信システムを提供することを目的とする。

0014

また、この発明は、データ伝送の緊急度や信頼度の設定をデータの属性に応じて簡単なプロトコルで実現することを可能とするループ型ネットワーク通信システムを提供することを目的とする。

0015

さらに、この発明は、データを2重ループ化した場合においても、データの輻輳制御を効率的に行い伝送路上での衝突の発生を少なくすることを可能とし、あるいはデータ伝送の緊急度や信頼度の設定をデータの属性に応じて簡単なプロトコルで実現することを可能とするループ型ネットワーク通信システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

この発明に係るループ型ネットワーク通信システムは、複数のノードが伝送路によりループ状に接続され、かつデータを有するフレームが一方向に転送されるループ型ネットワーク通信システムにおいて、データを有するフレームを作成する送信元ノードと、該送信元ノードから送信されてきたフレームを再送信する各ノードとを備え、前記送信元ノードは、該送信元ノード自身が作成したフレームが、前記各ノードにおいて再送信されて、前記送信元ノード自身まで戻ってきたとき、該送信元ノードにおいて、前記フレームを再送信しないようにする機能を有することを特徴とする(請求項1記載の発明)。

0017

この発明によれば、送信元ノードは、送信元ノードが作成して送信したフレームが戻ってきたときに、伝送路上に再送信しないようにしている。この簡単なプロトコルにより伝送路におけるフレームの輻輳や衝突の可能性を少なくすることができる。

0018

この場合、前記送信元ノードは、前記各ノードのうちの送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報を前記フレームのヘッダ部に付加し、前記各ノードは、前方ノードから受信したフレームおよび当該ノードで生成して送信するフレームを前記緊急度情報に基づき緊急度の高い順に並び替え後方ノードに送信する機能を有するようにすることにより、たとえば、緊急度の高い情報、すなわち緊急度の高いデータを含むフレームをより短い時間で送信先ノードに送信することができる(請求項2記載の発明)。

0019

また、請求項1記載の発明において、前記送信元ノードは、前記各ノードのうちの送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報とデータを複数のフレームに分割したことを示す分割情報とを前記フレームのヘッダ部に付加し、前記送信元ノードは、前記緊急度の度合いの高いデータを送信する場合にはデータを分割しないで送信し、前記緊急度の度合いの低いデータを送信する場合にはデータを分割して送信する機能を有するようにすることにより、例えば、新たに生成された緊急度の高いデータを有するフレームを、その前に生成されていた緊急度の低いデータを有するフレームよりもより短い時間で送信先ノードに送信することができる可能性が得られる(請求項3記載の発明)。

0020

この場合において、前記送信元ノードは、分割しないで送信したフレームが一定期間経過しても、前記送信元ノード自身に戻らない場合には、該送信元ノードから同一データを有するフレームを再送信する機能を有するようにすることにより、緊急度の高いデータを確実に、換言すれば高信頼度で送信することができる(請求項4記載の発明)。

0021

また、この発明に係るループ型ネットワーク通信システムは、複数のノードが伝送路によりループ状に接続され、かつ前記伝送路が2重ループ化され、データを有するフレームを作成する送信元ノードから順方向と逆方向の両方向の伝送路に同一のデータを有するフレームが略同時に送信されるループ型ネットワーク通信システムにおいて、前記送信元ノードから送信されてきたフレームを再送信する各ノードを備え、前記送信元ノードは、該送信元ノード自身が作成したフレームが、前記各ノードにおいて再送信され、前記送信元ノードまで戻ってきたとき、該送信元ノードにおいて、前記フレームを再送信しないようにする機能を有することを特徴とする(請求項5記載の発明)。

0022

この発明によれば、送信元ノードは、送信元ノードが作成して送信したフレームが戻ってきたときに、伝送路上に再送信しないようにしている。この簡単なプロトコルにより、伝送路の信頼度の高い、いわゆる2重化ループ型ネットワーク通信システムにおいても、伝送路におけるフレームの輻輳や衝突の可能性を少なくすることができる。

0023

この場合においても、前記送信元ノードは、前記各ノードのうち送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報をフレームのヘッダ部に付加し、前記各ノードは、前方ノードから受信したフレームおよび当該ノードで生成して送信するフレームを前記緊急度情報に基づき緊急度の高い順に並び替えて後方ノードに送信する機能を有するようにすることにより、たとえば、緊急度の高い情報、すなわち緊急度の高いデータを含むフレームをより短い時間で送信先ノードに送信することができる(請求項6記載の発明)。

0024

また、請求項5記載の発明において、前記送信元ノードは、前記各ノードのうち送信先ノードにデータを緊急に到達させたい度合いを示す緊急度情報と、データを複数のフレームに分割したことを示す分割情報とをフレームヘッダに付加し、前記送信元ノードは、前記緊急度の度合いの高いデータを送信する場合にはデータを分割しないで送信し、前記緊急度の度合いの低いデータを送信する場合にはデータを分割して送信する機能を有するようにすることにより、例えば、新たに生成された緊急度の高いデータを有するフレームを、その前に生成されていた緊急度の低いデータを有するフレームよりもより短い時間で送信先ノードに送信することができる可能性が得られる(請求項7記載の発明)。

0025

この場合においても、前記送信元ノードは、分割しないで送信したフレームが一定期間経過しても、前記送信元ノード自身に戻らない場合には、該送信元ノードから同一データを有するフレームを再送信する機能を有するようにすることにより、緊急度の高いデータを確実に、換言すれば高信頼度で送信することができる(請求項8記載の発明)。

0026

請求項5〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記送信元ノードは、新規に作成したフレームがより新しいフレームであることを示すフレーム生成順番号を該フレームのヘッダ情報に付加する機能を有し、前記送信元ノードで新たにフレームを作成して送信する場合に、これまでに送信した最後のフレーム生成順番号を更新した最新のフレーム生成順番号を付与したフレームを前記順ループおよび前記逆ループの両方向に送信し、前記送信先ノードでは、前記順ループと前記逆ループの両方向からフレームを受信し、受信したフレームの生成順番号にフレームのデータ内容を参照するとき、両方向から転送される同一生成順番号を有するフレームのうち、先に受信したフレームのデータ内容のみを参照する構成とすることにより、2重化ループ型ネットワーク通信システムにおける伝送路上の輻輳や衝突を少なくすることができる(請求項9記載の発明)。

0027

さらに、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記フレームのヘッダ部には、フレームが生存していることを示すフレーム生存カウンタが設けられ、フレームの生成元である前記送信元ノードでは、前記フレーム生存カウンタに、前記ループを構成する全ノード数を超える数の所望の計数値プリセットし、前記各ノードは、フレームを受信したとき、該フレームのフレーム生存カウンタにプリセットされている前記計数値を1だけ減算し、あるノードにおいて、フレーム生存カウンタの計数値がゼロ値となったとき、該あるノードは、前記フレーム生存カウンタの計数値がゼロ値となったフレームを再送信しないようにする機能を有する構成とすることにより、たとえ、送信元ノードが該送信元ノードから送信したデータを有するフレームを棄却等することができなかった場合においても、他のノードにより不要となったデータを確実に棄却することができる(請求項10記載の発明)。

発明を実施するための最良の形態

0028

以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。

0029

図1は、この発明の一実施の形態に係る2重化ループ型ネットワーク通信システムが適用された制御系リアルタイムシステム10を示している。

0030

この制御系リアルタイムシステム10は、基本的には、データを有するフレームを作成する4つのノードN1、N2、N3、N4と、隣り合うノード間を接続するループ状の順ループ12と逆ループ14からなる伝送路16を備えている。この実施の形態において、順ループ12内には、時計方向にフレームが転送され、逆ループ14内には反時計方向にフレームが転送される。

0031

各ノードN1、N2、N3、N4は、それぞれデータを有するフレームを作成し、作成したフレームを順ループ12および逆ループ14を利用して順方向および逆方向の伝送路に略同時に送信する送信元ノードとして機能するとともに、各ノード(例えば、ノードN1)は、基本的には、前方ノード(この場合、ノードN4)から転送されてきたフレームを後方ノード(この場合、ノードN2)に再送信する機能を有する。また、各送信元ノードは、該送信元ノード自身が作成したフレームが、残りの各ノードにおいて再送信されて、該送信元ノード自身まで戻ってきたとき、該送信元ノードにおいて、前記フレームを再送信しないようにする機能を有する。

0032

図2にも示すように、ノードN1は、制御ユニットとしてのPLCユニットプログラマブルコントロールユニット:Programmable control unit )20Aにより構成され、このPLCユニット20Aは、マザーボード22に着脱可能に装着され、かつ、それぞれがバス34により相互に接続されるCPU(中央処理装置)ユニット(制御ユニット)24、電源ユニット26、I/Oユニット(入出力ユニット)28および通信ユニット40aから構成されている。

0033

ここで、CPUユニット24、電源ユニット26、I/Oユニット28は、便宜上、PLC部30aという。したがって、ノードN1を構成するPLCユニット20Aは、PLC部30aと通信ユニット40aとから構成されることになる。

0034

I/Oユニット28には、図示していない工作機械やダムの水門等を制御するシリンダモータ等のアクチュエータや、CCTV(ClosedCircuit Television )カメラ等の各種制御機器36が取り付けられる。

0035

他のノードN2、N4を構成するPLCユニット20BとPLCユニット20Cも、PLCユニット20Aと同様の構成のPLC部30b、30cと、通信ユニット40b、40dとから構成されている。

0036

ノードN3は、図1に示すように、コンピュータ装置46に通信ユニット40cが装着された構成の操作卓44の構成とされている。このコンピュータ装置46には、その本体部にCPU、ROM、RAM、および各種インタフェース等が組み込まれるとともに、この本体部に図示していない電話機テレビジョンモニタディスプレーキーボードスピーカ等が接続された構成とされている。

0037

このコンピュータ装置46では、ネットワークに接続された各PLC部30a、30b、30cの動作状況が伝送路16を通じてリアルタイムに認識でき、また、各PLC部30a、30b、30cに対して、伝送路16を通じて制御指示を行うことができるようになっている。

0038

図3は、通信ユニット40aのハードウェアの構成を示している。他の通信ユニット40b、40c、40dの構成も同様である。

0039

通信ユニット40aは、バス50を有し、このバス50に、コンピュータの機能を有し通信ユニット40a全体を制御する通信制御部52と、2重化ループ型ネットワーク上にフレームを送受信するためのLSI(大規模集積回路)で構成される順ループフレーム送受信部54と逆ループフレーム送受信部56が接続されている。

0040

バス50には、また、電話インタフェース47を介して電話機48が接続され、各ノードN1〜N4間での打ち合わせ等の通話が可能となっている。

0041

また、バス50に接続されフラシメモリ(ROM)により構成されるプログラムコード部58には、通信制御部52のプログラムが格納されている。

0042

さらに、バス50に接続されフラッシュメモリ(ROM)により構成されるフレーム引き渡しテーブル59は、順ループフレーム送受信部54と逆ループフレーム送受信部56を通じて受信したフレームを、OSI参照モデルの上位層プロトコルに引き渡すかどうかを判断するために使用するテーブルであり、そのノードで参照するフレームの送信元ノード番号SNO、データ識別子DIDなどが登録される。なお、テーブル内容の登録は、各ノードの図示していない所定のスイッチの操作、または上位層プロトコルからのダウンロードにより行われる。

0043

バス50に接続されるRAMにより構成される順ループ送信バッファ60と逆ループ送信バッファ62は、前方ノードから受信したフレームおよび、そのノードで新たに生成して送信するフレームを一時的に記録するバッファである。このバッファは、待ち行列構造であり、フレームに付加された後述する緊急度URGの高い順に並べられる。

0044

バス50と通信制御部52に接続されるウォッチドッグタイマ機構を採用する通信制御異常検出部64は、通信制御部52の動作異常を検出し、動作異常を検出したとき、ブザー66を鳴らしたりランプ68を点滅させて、警報を発生する。

0045

順ループフレーム送受信部54と順ループ12との間に接続される順ループバイパス切り替え部70と、逆ループフレーム送受信部56と逆ループ14との間に接続される逆ループバイパス切り替え部74は、例えば、図4に、順ループバイパス切り替え部70の詳細を示すように、リレースイッチ71と72とから構成され、正常な場合(通常の場合)には、フレームは、前方ノードから順ループ12、リレースイッチ71の共通接点71a、固定接点71bを通じて順ループフレーム送受信部54に入力され、さらにこの順ループフレーム送受信部54からリレースイッチ72の共通接点72a、固定接点72b、および順ループ12を介して後方ノードへ伝送される。

0046

しかし、通信制御異常検出部64で通信制御部52の異常を検出した場合や、そのノードが動作停止状態になったことが通信制御異常検出部64により検出した場合には、逆ループバイパス切り替え部74を構成するリレースイッチ71、72の共通接点71a、72aが、通信制御異常検出部64からの制御信号によりそれぞれ固定接点71c、72c側に切り替えられ、順ループフレーム送受信部54を介さずに、換言すれば、バイパスして前方ノードから共通接点71a、固定接点71cの順で直接、後方ノードにフレームが送られる。

0047

逆ループバイパス切り替え部74も順ループバイパス切り替え部70と同様の構成であり、通信制御異常検出部64により内部リレー切り替え制御される。

0048

図5は、データ(データ部ともいう。)DTを有するフレーム90の構成例を示している。このフレーム90は、図3に示した通信ユニット40a(通信ユニット40b、40c、40dも同様)における通信プロトコル実装手段を構成する。

0049

このフレーム90は、通信の基本単位としてHDLC(High Level Data LinkControl Procedure)のフレームを採用している。フレーム90は、フレーム90の開始と終了を示すフラグシーケンス部F(例えば、01111110bの1バイト)と、12バイトのヘッダ情報を有するヘッダ部HDと、緊急度の比較的に高い制御データや緊急度の比較的に低い音声データあるいは映像データ等のデータを有するデータ部DTと、CRC方式による誤り訂正ビットを有する2バイトのフラグ検査シーケンスFCSとを備えている。なお、データ部DTに生成されるデータは、上位層プロトコルが送信要求したデータである。

0050

図6はフレーム90内のヘッダ部HDの詳細な構成を示している。ヘッダ部HDの先頭には、そのフレーム90を受理して処理する送信先ノード番号RNOが付加される。なお、ノード番号(この実施の形態ではN1、N2、N3、N4)はネットワークを形成する各ノードに唯一の番号を割り当てる。

0051

送信先受信先)ノード番号RNOとしては、1バイトで00〜1Fh(hは2進化10進で表した16進表示の意)までの32個分を割り当てている。ただし、複数ノードでフレーム90を受理する場合には、グローバル番号FFh(グローバル番号は、すべてのビットを1とした番号を用いるのが通例である。)を用いる。

0052

送信先ノード番号RNOの次に付加される送信元ノード番号SNOは、上位層プロトコルからのデータ送信要求により、フレーム90を生成して送信するノードの番号である。図1例では、ノードN1、N2、N3、N4に係る4種類の番号があれば十分であるが、このシステムでは、1バイトで00〜1Fhまでの32個分を有する。

0053

送信元ノード番号SNOの次に付加される緊急度情報URGは、送信元ノードから送信先ノードにデータを緊急に(できるだけ早く)到達させたい度合いを示すものであり、00〜0Fhまでの16ランクの緊急度を準備している。

0054

この実施の形態では、00hが最も緊急度が高い。例えば、水門等の制御対象をリアルタイムに制御する最も緊急度の高いデータを制御データに対して緊急度00hを割り当て、次に、電話等による音声データに対して緊急度01hを割り当て、さらに、各ノードN1〜N4の動作状態通信状態等のステータス情報に対して緊急度02hを割り当て、CCTV等により得られた画像データに対して最も緊急度の低い緊急度03hを割り当てるようにしている。

0055

緊急度情報URGの次に付加される分割情報DIVには、そのフレーム90が分割を許可されたフレーム90であるかどうか、分割されたフレーム90の最終のものであるかどうか、および、元のデータ(分割前のデータ)の何処に位置しているかの2バイトの情報が付けられる。フレーム90の分割は、フレーム90の紛失が許されるデータに対してのみ行う。フレーム90の紛失が許されるデータに関してはフレーム90の長さに制限を設け、制限値以上のデータを送信する場合にはフレーム90の分割を行う。なお、緊急度URGとフレーム90を分割するかどうかの有無は、本プロトコルの上位層プロトコルがデータ送信要求時などに指定する。

0056

この実施の形態において、緊急度00hの緊急度情報URGの高い制御データは、送信先ノードに早急に到達させたいし、データの紛失もなくしたいので分割しない。これに対して、緊急度01hより低い音声データやステータスデータや画像データは、データの紛失が許される場合が多い。従って、このような緊急度の低い音声データや動画データは、フレーム90の分割を行うようにしている。フレーム90を分割することで、フレーム90間に最新に生成された制御情報等、緊急度の高い制御データを有するフレーム90を挿入して送信することができる。

0057

分割情報DIVの後ろに付加される1バイトのデータ識別子情報(データ識別子ともいう。)DIDは、制御データとして00〜0Fh、画像データとして10h、音声データとして20h、ステータス情報としてFFhをそれぞれ識別子として割り当てている。このデータ識別子DIDは、そのフレームに格納されたデータの種類を識別するために設けるものであり、上位層プロトコルで定義される。

0058

データ識別子DIDの後ろには、フレーム生成元ノードで、各ノード毎に連続して、換言すればアップカウントで付与される4バイトのフレーム識別番号情報(単に、フレーム識別番号ともいう。)FNOが接続される。フレーム識別番号FNOの値は、00000000〜FFFFFFFFhの値をとる。フレーム識別番号FNOは、フレームの最新性を識別するための番号であり、送信元ノードでフレーム90を生成し送信する度に送信元ノード毎に番号を1つ加算して送信する。

0059

フレーム識別番号情報FNOの後ろには、フレーム90が生存しているかどうか、換言すれば、このフレーム90を後方ノードに送信すべきかどうかを判断するための1バイトのフレーム生存カウンタ情報FLCが付加されている。この実施の形態において、初期値は7Fhにプリセットされている。プリセットされる所望の計数値は、ループを構成する全ノード数を超える数であればよく(例えば、図1例では、全ノード数4を超える7個等とすれば、FLC=06h)、各ノードは、フレーム90を受信したとき、該フレーム90の生存カウンタ情報FLCにプリセットされている計数値を1だけ減算し(いわゆるプリセットダウンカウントし)、あるノードにおいて、フレーム生存カウンタ情報FLCの計数値がゼロ値00hとなったとき、該あるノードは、フレーム生存カウンタ情報FLCの計数値がゼロ値となったフレーム90を再送信しないで削除するようにしている。

0060

このように、フレーム生存カウンタ情報FLCは、ネットワークの障害を考慮して設けられたカウンタである。例えば、通常の場合、送信元ノードでフレーム90を生成して送信を行い、フレーム90がネットワークを一周して送信元ノードに戻るとそのフレーム90を削除(廃棄)する。しかしながら、現実問題として、送信元ノードにフレーム90が戻る前に送信元ノードに何らかの障害が発生し、フレーム90の廃棄が不可能になる可能性がないとはいえない。このような状態になると、フレーム90は永遠にネツトワークを巡回することになるので、伝送路16内フレームが輻輳し、結果としてネットワークにおけるフレーム90の実質的な転送速度が低下する。この不具合を回避するために、フレーム90を生成して送信するときに、フレーム生存カウンタ値としてネットワークを形成するノード個数よりも大きな値を付加し、他ノードでフレーム90を受信したときに、カウンタ値を1減算し、カウンタ値がゼロになったノードで、そのフレーム90を削除(廃棄)するようにしている。

0061

フレーム生存カウンタ情報FLCの後ろには、1バイトのデータ長情報LENが付加される。データ長情報LENは、数値00〜7Fhで、0〜128バイトのデータ長、すなわちデータサイズを表す。

0062

次に、この実施の形態の動作について説明する。なお、以下の説明では、2重化を考慮した実施の形態について説明するが、例えば、信頼度がそれほど要求されない等、2重化ループ型ネットワーク通信システムが必要でない場合には、コストの低減が可能な逆ループ14のみあるいは順ループ12のみの図7に示すような単ループ型ネットワーク通信システムが適用された制御系リアルタイムシステム100を採用すればよい。

0063

そして、実際上、2重化ループにおいても、いずれかのループが切断する等、フレーム90を一方のループでしか転送できない状態が発生する場合があり、このような場合には、残りのいずれかのループで動作を継続することができる。

0064

図8は、この実施の形態における各通信ユニット40a、40b、40c、40dの受信処理を示すフローチャートである。制御主体は、各通信ユニット40a、40b、40c、40dの通信制御部52である。

0065

テップS1において、順ループ12の前方ノードからフレーム90が送信されると、順ループフレーム送受信部54でフレーム90が受信される。また、逆ループ14の前方ノードからフレーム90が送信されると、逆ループフレーム送受信部56でフレーム90を受信する。順ループフレーム送受信部54および(または)逆ループフレーム送受信部56で受信したフレーム90は、通信制御部52に引き渡される。

0066

ステップS2において、通信制御部52では、自ノードで送信したフレーム90であるかどうかを送信元ノード番号SNOにより判定する。もし、自ノードで送信したフレーム90であるならばステップS3において廃棄(削除)する。

0067

次に、ステップS2の判定が否定的である場合には、通信制御部52では、ステップS4において、フレーム生存カウンタ情報FLCを値1だけ減算する。

0068

次いで、ステップS5において、減算した後のフレーム生存カウンタ情報FLCのカウント値(計数値)が値0であるならばステップS6でフレーム90を廃棄する。

0069

計数値が値0でなかった場合、ステップS7において、通信制御部52では、受信したフレーム90を上位層プロトコルに引き渡すかどうかを、フレーム引き渡しテーブル59、および当該フレーム90のフレーム識別番号FNOを参照して判断する。

0070

すなわち、当該フレーム90が、フレーム引き渡しテーブル59に登録されたフレーム90であり、なおかつ、当該フレーム90のフレーム識別番号FNOが、これまでに当該フレーム90の送信元ノードが送信したフレーム90のフレーム識別番号FNOよりも新しい値を示している場合には、ステップS8において、当該フレーム90に含まれるデータDTを上位層プロトコルを介してPLC部30a、30b、30cおよびコンピュータ装置46に引き渡す。

0071

この場合、上位層プロトコルは、通信ユニット40a、40b、40d、40cと対応するPLC部30a、30b、30cおよびコンピュータ装置46との間のインタフェースを制御したり、通信ユニット40a、40b、40c、40dで受信したフレーム90内のデータを対応するPLC部30a、30b、30cおよびコンピュータ装置46で取り扱えるデータ形式に変換したりする。さらに、上位層プロトコルは、音声処理に関して、フレームの分割およびフレームの合成処理等の通信シーケンスの制御を行う。

0072

なお、ステップS8において、通信制御部52は、分割情報DIVを参照して、当該フレーム90が分割されたフレーム90であった場合には、データを組み立て直してから引き渡す。

0073

なお、フレーム識別番号FNOでフレーム90の最新性を判断する場合に、通信制御部52では、送信元ノード毎の最新のフレーム識別番号FNOを記録しておく必要がある。ただし、順ループ12、逆ループ14別々に送信元ノードのフレーム識別番号FNOを記録しておくのではなく、順ループ12、逆ループ14両方を合わせた送信元ノードのフレーム識別番号FNOを記録しておくことにより、順ループ12、逆ループ14中、何れか先に受信したフレーム90のみを上位層プロトコルに引き渡すことができる。

0074

次に、ステップS9において、通信制御部52では、上位層プロトコルに引き渡したかどうかにかかわらず、順ループ12で受信したフレーム90であるならば、順ループ送信バッファ60に当該フレーム90を記録し、逆ループ14で受信したフレーム90であるならば、逆ループ送信バッファ62に当該フレーム90を記録する。

0075

このとき、順ループ送信バッファ60、逆ループ送信バッファ62には、緊急度URGの高い順にフレーム90を記録する。順ループ送信バッファ60、逆ループ送信バッファ62に一時記録されたフレーム90は、次に説明する送信処理で、後方ノードに送信される。以上がフレーム受信における処理の説明である。

0076

次に、上位層プロトコルからデータ送信の要求があった場合の通信制御部52の処理について図9のフローチャートを参照して説明する。

0077

ステップS11において、上位層プロトコルからのデータ送信要求があった場合に、通信制御部52では、前記上位層プロトコルからデータ送信の要求を受けると、データ識別子DIDとデータ長LENを参照し、分割可能なデータであって、かつそのデータがフレーム最大長128バイトを超えるデータである場合には、ステップS12において、128バイトを上限としてフレーム90を複数に分割する。

0078

そしてステップ13において分割した各フレーム90にフレーム識別番号FNOを付加するが、その番号は、各フレーム90毎に値を1つ加算する。

0079

つまり、フレーム90を新たに生成して送信するたびに、値を1つ加算したフレーム識別番号FNOを付与する。

0080

次に、ステップS15において、通信制御部52では、生成したフレーム90を、順ループ送信バッファ60と逆ループ送信バッファ62に記録する。この場合、同一のデータを有し、同一番号のフレーム識別番号FNOを有するフレーム90が、順ループ送信バッファ60と逆ループ送信バッファ62に記録される。なお、記録する際に、順ループ送信バッファ60と逆ループ送信バッファ62には、それぞれ緊急度URGの高い順にフレームが記録される。このようにすることにより、仮に前方ノードから、緊急度URGの低いフレーム90を受信したとしても、自ノードで緊急度URGの高いデータの送信が発生したならば、緊急度URGの高いフレーム90を優先して送信することが可能となる。以上が上位層プロトコルからデータ送信の要求があった場合の実施例である。

0081

次に、各ノードの送信処理について図10のフローチャートを参照して説明する。

0082

ステップS16において、通信制御部52は、順ループ送信バッファ60にフレーム90が存在すると判断したとき、ステップS17において、優先度URGの高い順にフレーム90を取り出して順ループフレーム送受信部54にフレーム90を引き渡す(フレーム90を書き込む)。

0083

次いで、ステップS18において、順ループフレーム送受信部54は、順ループバイパス切り替え部70を介して順ループ12の後方ノードにフレーム90を送信する。

0084

また、通信制御部52は、ステップS19において、逆ループ送信バッファ62にフレーム90が存在すると判断したとき、ステップS20において、優先度URGの高い順にフレーム90を取り出して逆ループフレーム送受信部56にフレーム90を引き渡す(フレーム90を書き込む)。

0085

次いで、ステップS21において、逆ループフレーム送受信部56は、逆ループバイパス切り替え部74を介して逆ループ14の後方ノードにフレーム90を送信する。

0086

次に、フレーム90の再送信処理について図11のフローチャートを参照して説明する。ステップS22において、通信制御部52は、フレーム90の紛失により、自ノードで送信したフレームが一定時間経過しても戻らない場合(但し、順ループ12、逆ループ14どちらかでフレーム90が戻ればネットワークを一周したことになる。)、そのフレーム90を、ステップS23におけるデータ分割の許可されていないフレームであるかどうかを条件として、ステップ24でフレーム90を再送信する。

0087

紛失していないとき、およびデータの分割を許可するフレーム90であるとき、ステップS25で再送信は行わないでステップS11の処理にもどる。

0088

データ分割を許可するフレーム90の場合にはデータを再送信しないのは、単純な再送信手順を提供するためである。なお、通常の場合、上位層プロトコルにより、現在、再送信を行おうとしているデータ識別子DIDのデータ送信を要求された場合には、制御系リアルタイムシステムにおける制御データは、古いデータは破棄し、最新のデータの内容をリアルタイムに(即座に)送信しなければならないという理由でこの時点で再送信を打ち切る

0089

以上のように上述の実施の形態によれば、データDTを有するフレーム90にヘッダ部HDを設け、該ヘッダ部HDに緊急度URGやデータの種別を表すデータ識別子DIDあるいはフレーム生存カウンタ等を付加できるようにしている。このため、データDTの内容に応じて緊急度や信頼度等をフレーム90の属性として与えることが可能となり、このフレーム90を各ノードN1、N2、N3、N4で参照することにより、ループ型ネットワーク通信システムにおいてフレームの輻輳や衝突の少ない最適なデータ伝送を行うことができる可能性が得られる。

0090

なお、この発明は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

発明の効果

0091

以上説明したように、この発明によれば、送信元ノードは、該送信元ノードが作成して送信したフレームが戻ってきたときに、伝送路上に再送信しないという簡単なプロトコルを採用している。このプロトコルの採用により、伝送路内を転送されるフレームが自動的に整理され、該伝送路におけるフレームの輻輳や衝突の可能性を少なくすることができるという効果が達成される。

0092

また、この発明によれば、マルチメディアサービス毎に緊急性、信頼性を設定することが可能であり、そのシステムの運用上、送信元ノードから送信先ノードに緊急に、かつ、確実に到達させたい重要なデータを送信する場合には、緊急度を高くしてフレームの分割を行わないで送信するようにすることにより、緊急性と信頼性の両方を高くすることができる。なお、データを2重ループ化することによりより一層信頼性を向上させることができる。

0093

さらに、本プロトコルのほとんどの部分をソフトウェアで実現する場合においては、通信プロトコルが単純化されており、ソフトウェア開発コストを低減できるという効果が達成される。

図面の簡単な説明

0094

図1この実施の形態に係る2重化ループ型ネットワーク通信システムが適用された制御系リアルタイムシステムの構成を示すブロック図である。
図2図1例中、PLCに係るノードの構成例を示すブロック図である。
図3図1例中、通信ユニットの構成を示すブロック図である。
図4図3例中、順ループバイパス切り替え部の構成を示すブロック図である。
図5ループを転送するフレームの構造を示す説明図である。
図6フレーム中、ヘッダ部分の構造を示す説明図である。
図72重化ループされていないループ型ネットワーク通信システムが適用された制御系リアルタイムシステムの構成を示すブロック図である。
図8図1例のフレーム受信時における動作説明に供されるフローチャートである。
図9図1例のフレーム送信時における動作説明に供されるフローチャート(1/3)である。
図10図1例のフレーム送信時における動作説明に供されるフローチャート(2/3)である。
図11図1例のフレーム送信時における動作説明に供されるフローチャート(3/3)である。

--

0095

10…リアルタイムシステム12…順ループ
14…逆ループ16…伝送路
20A〜20C…PLCユニット22…マザーボード
24…CPUユニット26…電源ユニット
28…I/Oユニット30a〜30c…PLC部
34、50…バス40a〜40d…通信ユニット
46…コンピュータ装置52…通信制御部
54…順ループフレーム送受信部 56…逆ループフレーム送受信部
58…プログラムコード部 59…フレーム引き渡しテーブル
60…順ループ送信バッファ62…逆ループ送信バッファ
64…通信制御異常検出部 66…ブザー
68…ランプ70…順ループバイパス切り替え部
71、72…リレースイッチ 74…逆ループバイパス切り替え部
90…フレーム N1、N2、N3、N4…ノード
DT…データ(データ部) F…フラグシーケンス部
FCS…フラグ検査シーケンス部
HD…ヘッダ部

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