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技術 チルド鋳鉄製中空カム軸およびその鋳造方法

出願人 真殿統株式会社リケンキャステック
発明者 真殿統
出願日 1999年3月18日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1999-073845
公開日 2000年9月26日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2000-266165
状態 特許登録済
技術分野 弁装置又は配列 歯車・カム チル鋳造・ダイキャスト
主要キーワード 熱硬化性レジン 管状芯 穿孔ドリル チルド鋳鉄 中空芯 機械仕上げ 状中子 材質改善
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年9月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

耐摩耗性切削性、そして強靱性を合わせもつチルド鋳鉄中空カム軸とその製造方法を提供する。

解決手段

チルド鋳鉄製中空カム軸を鋳造する場合、中空中子および発燃中子を用いてカム部の外周を高硬度白銑組織中空孔内壁を軟らかな黒鉛組織二重層構造にする。

概要

背景

カム軸自動車用部品の中でも特に重要な部品である。そのために素材として各種の材料が使用され、製造方法も多種多様である。現在その中で最も広く使われている素材は鋳鉄であって、チルド鋳造法を用いることによって、カム部を白銑化してチルド鋳鉄製カム軸(以下チルドカム軸ともいう) を製造する。このようなチルドカム軸が広く用いられている最大の理由は、チルド鋳鉄がカムに要求される2種類の耐摩耗性、すなわち耐スカッフィング性耐ピッチング性とにおいて極めて優れた特性をもつからである。

しかしこのようなチルドカム軸について、最近エンジン高速化に伴い、いくつかの新しい要求が加わり、その1つが軽量化であった。軽量化はエンジンの燃料消費率下げるために、自動車の全部品に課せられた共通の課題であるが、カム軸は高速回転するために特に軽量化の要求が大きい。

カム軸を軽量化するには中空にすればよく、初期の段階では、ガンドリルによる機械穿孔が行われた。しかしドリルによる孔明けはチルドカム軸では困難であった。その理由は、チル層の形成が往々にして中心部にまで及ぶために、中心部が高硬度となって、穿孔ドリルを損傷するからである。また中空孔小径円孔に限られ、大径や異径孔の加工は不可能であった。

一方、カム軸を中空にするには鋳造法によって鋳抜き孔とすることも考えられる。鋳抜き孔にすれば、孔径を大きくでき、さらに異径孔も可能という利点があり、従来から中子を用いた鋳放し中空カム軸が実際に製造されてきた。

しかし、周知のように、従来の鋳造による中空カム軸の製造には、中子造りが困難という問題があった。一般に自動車用カム軸は軸径30mm以下、軸長300 mm以上の細長い形状をしている。中空カム軸用の中子はそれ以上に極細長くなければならない。そのために強く、折れ難い中子として石英管、特殊耐熱ガラス製チューブ、あるいはレジン量を増しシェル中子などが開発された。しかしそれらの高強度中子は当然の結果として、鋳出しの崩壊性が悪く、細くて深い中空孔から中子砂を完全に除去することが非常に困難であった。

一方、前述の耐摩耗性を確保するにはカム部の硬度(以下、カム硬度という)を高める必要があるが、カム硬度をより高めるためには次のような問題が見られる。

一般にチルド鋳鉄製カム軸には、気筒数の2倍または4倍という多数のカム部が隣接して並んでいるばかりでなく、その方向が位相により順次変化している。したがって、鋳造に際して全てのカム部の鋳放し硬度を高レベルにチルすることは技術的に困難である。カムノーズには通常HRC50 以上という高い硬度が指定され、最近では高速運転による異常摩耗を減らす目的で一層高い硬度が求められている。さらにこのような高硬度の要求が従来型のようにカムノーズだけの半周チル型から、サークルまで硬くした全周チル型に移ったことが問題を一層難しくしている。

単に、チルした際のカム硬度(チル硬度ともいう) を高めるだけであれば、鋳鉄にCr、Mo、Ni、Teなどを添加して合金鋳鉄にすれば、比較的簡単に高硬度が得られることは良く知られた事柄である。しかしカム軸では合金添加が別の障害を生じるために、添加量に制限がある。

概要

耐摩耗性、切削性、そして強靱性を合わせもつチルド鋳鉄製中空カム軸とその製造方法を提供する。

チルド鋳鉄製中空カム軸を鋳造する場合、中空中子および発燃中子を用いてカム部の外周を高硬度の白銑組織、中空孔の内壁を軟らかな黒鉛組織二重層構造にする。

目的

よって、本発明の課題は、これらの複数の課題を同時に解決する新しい組織構造のチルドカム軸とその鋳造方法とを提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

中空カム軸において、カム面が高硬度白銑組織、そして中心孔内壁が軟らかな黒鉛組織から成る二重層構造を備えたことを特徴とするチルド鋳鉄製中空カム軸。

請求項2

中空カム軸において、カム面が高硬度の白銑組織、そして中心孔の内壁が軟らかな黒鉛組織から成る二重層構造を備え、さらに軸端が該黒鉛組織よりも軟らかく切削性の優れたマトリックスを有することを特徴とするチルド鋳鉄製中空カム軸。

請求項3

請求項1または2記載のチルド鋳鉄製中空カム軸を鋳造する方法であって、主型と、ならびに該主型にそれぞれ装着された冷金と、ムライト系人工砂熱硬化性レジンにより粘結した管状芯中子と、さらに軸端に発燃性中子とを備えた鋳型素材鋳鉄鋳込むことを特徴とするチルド鋳鉄製中空カム軸の鋳造方法

技術分野

0001

本発明は、自動車エンジン用チルド鋳鉄中空カム軸およびその鋳造方法に関する。

背景技術

0002

カム軸自動車用部品の中でも特に重要な部品である。そのために素材として各種の材料が使用され、製造方法も多種多様である。現在その中で最も広く使われている素材は鋳鉄であって、チルド鋳造法を用いることによって、カム部を白銑化してチルド鋳鉄製カム軸(以下チルドカム軸ともいう) を製造する。このようなチルドカム軸が広く用いられている最大の理由は、チルド鋳鉄がカムに要求される2種類の耐摩耗性、すなわち耐スカッフィング性耐ピッチング性とにおいて極めて優れた特性をもつからである。

0003

しかしこのようなチルドカム軸について、最近エンジン高速化に伴い、いくつかの新しい要求が加わり、その1つが軽量化であった。軽量化はエンジンの燃料消費率下げるために、自動車の全部品に課せられた共通の課題であるが、カム軸は高速回転するために特に軽量化の要求が大きい。

0004

カム軸を軽量化するには中空にすればよく、初期の段階では、ガンドリルによる機械穿孔が行われた。しかしドリルによる孔明けはチルドカム軸では困難であった。その理由は、チル層の形成が往々にして中心部にまで及ぶために、中心部が高硬度となって、穿孔ドリルを損傷するからである。また中空孔小径円孔に限られ、大径や異径孔の加工は不可能であった。

0005

一方、カム軸を中空にするには鋳造法によって鋳抜き孔とすることも考えられる。鋳抜き孔にすれば、孔径を大きくでき、さらに異径孔も可能という利点があり、従来から中子を用いた鋳放し中空カム軸が実際に製造されてきた。

0006

しかし、周知のように、従来の鋳造による中空カム軸の製造には、中子造りが困難という問題があった。一般に自動車用カム軸は軸径30mm以下、軸長300 mm以上の細長い形状をしている。中空カム軸用の中子はそれ以上に極細長くなければならない。そのために強く、折れ難い中子として石英管、特殊耐熱ガラス製チューブ、あるいはレジン量を増しシェル中子などが開発された。しかしそれらの高強度中子は当然の結果として、鋳出しの崩壊性が悪く、細くて深い中空孔から中子砂を完全に除去することが非常に困難であった。

0007

一方、前述の耐摩耗性を確保するにはカム部の硬度(以下、カム硬度という)を高める必要があるが、カム硬度をより高めるためには次のような問題が見られる。

0008

一般にチルド鋳鉄製カム軸には、気筒数の2倍または4倍という多数のカム部が隣接して並んでいるばかりでなく、その方向が位相により順次変化している。したがって、鋳造に際して全てのカム部の鋳放し硬度を高レベルにチルすることは技術的に困難である。カムノーズには通常HRC50 以上という高い硬度が指定され、最近では高速運転による異常摩耗を減らす目的で一層高い硬度が求められている。さらにこのような高硬度の要求が従来型のようにカムノーズだけの半周チル型から、サークルまで硬くした全周チル型に移ったことが問題を一層難しくしている。

0009

単に、チルした際のカム硬度(チル硬度ともいう) を高めるだけであれば、鋳鉄にCr、Mo、Ni、Teなどを添加して合金鋳鉄にすれば、比較的簡単に高硬度が得られることは良く知られた事柄である。しかしカム軸では合金添加が別の障害を生じるために、添加量に制限がある。

発明が解決しようとする課題

0010

カム軸で高い硬度を必要とするのは本来カム部のみで、そのほかのジャーナル部および両軸端部は機械仕上げのために、逆にできるだけ軟らかな黒鉛組織にする必要がある。つまり一本のカム軸において、隣接するカム部とジャーナル部とを極端に異なる硬軟の材料に作り分けしなければならない。しかし、従来の鋳造法では、合金添加によりカム部のチル硬度を高めようとすると、ジャーナル部、端部も一緒に硬くなり切削性の悪化が避け難かった。したがって、いたずらに硬度を高くすることだけを狙って合金添加をすることには限度があった。とくに軸端部については、ドリル加工都合上ジャーナル部以上に切削性をよくする必要から、合金によって軸端部まで硬くなる従来の技術には、常に悩まされていた。

0011

ここで、本発明がチルドカム軸について解決しようとする課題は、いずれも従来の技術では解決が困難であったものであるが、これらの課題をまとめてみると次の如くである。

0012

(1) 軽量化、(2)カム部の硬度をさらに高めて、耐摩耗性を向上させること、(3)ジャーナル部の切削性を改善すること、(4)軸端部の切削性を改善して、ドリル加工を容易にすること、(5)カム軸全体の機械的強度を高めること。

0013

よって、本発明の課題は、これらの複数の課題を同時に解決する新しい組織構造のチルドカム軸とその鋳造方法とを提供することである。

課題を解決するための手段

0014

ここに、本発明者は、チルドカム軸に中心孔を鋳放しで明けることにより、それが単なる軽量化だけでなく、その素材であるチルド鋳鉄の材質改善に効果的であり、それによって広範にわたる上述の課題が同時に解決されることを知り、本発明を完成した。

0015

よって、本発明は次の通りである。
(1)中空カム軸において、カム面が高硬度の白銑組織、そして中心孔の内壁が軟らかな黒鉛組織から成る二重層構造を備えたことを特徴とするチルド鋳鉄製中空カム軸。

0016

(2)中空カム軸において、カム面が高硬度の白銑組織、そして中心孔の内壁が軟らかな黒鉛組織から成る二重層構造を備え、さらに軸端が該黒鉛組織よりも軟らかく切削性の優れたマトリックスを有することを特徴とするチルド鋳鉄製中空カム軸。

0017

(3) 上記(1) または(2) 記載のチルド鋳鉄製中空カム軸を鋳造する方法であって、主型と、ならびに該主型にそれぞれ装着された冷金と、ムライト系人工砂熱硬化性レジンにより粘結した管状芯中子と、さらに軸端に発燃性中子とを備えた鋳型に素材鋳鉄を鋳込むことを特徴とするチルド鋳鉄製中空カム軸の鋳造方法。

発明を実施するための最良の形態

0018

次に、本発明の実施の形態についてその作用効果とともに説明する。本発明にしたがって中空カム軸を鋳造する場合、芯中子による孔明けを、軽量化のためだけに役立てるのではなく、この中子により、カム部のチル硬度を高めながら、一方ジャーナル部と軸端部の硬度を逆に低くして切削性を改善する。さらに衝撃に対して不安のある白銑組織だけのカム軸に比べてより強靱なカム軸を造るのである。

0019

芯中子の形状、寸法はカム軸の設計によって変わる。たとえばカム部の幅が広ければ、カム部の外形に倣った突起をもつ中子を作れば大きく軽量化できる。しかしカム部の幅が狭い場合には、全長にわたってほぼ等径の丸棒中子になる。いずれにしても芯中子は、長さに対して径の細いものになるから、折損しないように十分な強度が必要である。

0020

中子の強度を増すだけであれば、造型に当たってレジン配合量を多くすればよいから難しくない。しかし実際にはレジン量を増すと崩壊性が悪くなるから、鋳出しの際に中子砂の除去が難しくなる。特に中空孔は狭く、しかも深いから、中子の崩壊性が悪いと完全に除去することができなくなる。周知のようにカム軸の中空孔に、たとえ1粒でも砂粒子残留すれば、エンジンの稼働中にそれが排出されて大事故につながる恐れがある。したがって中子砂の除去は常に完全でなければならない。そのためには中子は崩壊性のよいことが絶対条件である。

0021

本発明において用いる中子はムライト系人工砂熱硬化性フェノールレジンとを用いて造るのが好ましい。このときの人工砂は粒形が完全な丸形をしているため、少ないレジン量で強い中子が得られる特長がある。熱硬化性レジンの配合量は中子の形状、寸法を考慮して適宜決定すればよい。したがって、このような好適態様によれば抗折力が強くて崩壊性がよいという相反する条件を満たす中子を造ることができる。さらにこの砂は熱膨張係数天然けい砂に比較して非常に低いから、成型および鋳込時の曲りが小さい長所ももっている。

0022

本発明の芯中子を入れて鋳造した中空カム軸は軽量化のほかに、材質的に優れた特性をもっている。その1つはカムのチル硬度が増すことである。そのような傾向は、中子容積分だけ溶湯量が減って冷金のチル効果が増したためと考えられる。硬度の上昇は2〜5%であり、それほど大きくない。しかし耐摩耗性を改善する効果は決して少なくない。

0023

材質に対する中子の影響としてより顕著なのが、鋳鉄に対する黒鉛化促進の効果である。すなわち芯中子を鋳ぐるんだチルドカム軸の中空孔の内壁には、黒鉛組織がよく発達する。この黒鉛組織は鋳込の際溶湯によって過熱された中子が、凝固過程において溶湯の過冷を抑止して黒鉛組織の発達を促したものと考えられる。同様な効果は中子の熱容量が小さいほど著しいはずであるが、実際に中実中子よりも中空中子の方が、明らかによく黒鉛組織を発達させることが分かった。よって本発明の芯中子は中空にして、強度が許す限り薄肉の管状中子にする。

0024

カム軸鋳造に用いる溶湯は、元来チルし易い組成の合金鋳鉄であるから、チルしては困るジャーナル部まで硬くなり易い。特にカム部とジャーナル部の境界ではチル組織が混じって切削性が悪くなる。もちろんカム軸用鋳鉄の溶湯は炉前で楔形テストなどにより、チル深さを測定して適正に管理される。それでも実際にはカム部の硬度や、ジャーナル部の切削性にばらつきが生じるのが避けられなかった。したがって、本発明にあっては管状芯中子によってチル硬度とジャーナル部の切削性という両者の相反する性質を調節することができるのは画期的利点である。

0025

チルドカム軸においてカム部の外周、つまりカム面が完全な白銑組織、カム軸の中心部が黒鉛組織の二重層構造は、カム軸の強度を高める上でも望ましい。白銑組織は高硬度ではあるが、伸びがなく衝撃に弱い欠点をもつのに対し、この短所を補う意味で中心部を黒鉛組織にした二重層構造を備えた本発明のカム軸は、機械的強度の面からも優れている。

0026

図1は、中子なしの場合の従来のチルドカム軸の横断面である。図1の場合、カム部の外周はチルされて白銑組織(1) になっているが、中心部は白銑組織と黒鉛組織が混在する組織(2) になっている。

0027

図2は、本発明にかかる中空のチルドカム軸の横断面図である。本発明により芯中子を鋳ぐるんだ場合には、図2に示すようにカム部の外周は同じく白銑組織(3) になっているが、中空孔(4) の内壁部は芯中子の影響で黒鉛が多く晶出して黒鉛組織(5) になっている。

0028

カム軸においてジャーナル部以上に良好な切削性を求められているのが両端部である。ジャーナル部の仕上げ旋盤加工によるのに対し、両端部の仕上げにはミリング、ドリル加工が加わる。特にドリル加工は硬い材質が障害になる。したがって軸端部にはドリル加工が容易なように、ジャーナル部よりも切削性がさらによい材質が求められている。そのためには端部の冷却をできるだけ緩やかにして、凝固過程における黒鉛の晶出を促進するばかりでなく、マトリックスの固相変態を進めることが有効である。その結果マトリックスが硬いパーライトから、軟らかいフェライトに変化すれば切削性が大きく改善される。

0029

したがって、本発明では、鋳造に際して端部に発燃中子またはパットを置き徐冷させる方法をとった。発燃中子はレジン砂に市販の発燃剤、例えばAl金属粉末とFe2O3粉末を混合して成型したものであるが、このような中子は注湯と同時に発熱し端部の冷却を遅らせる。それによって端部の黒鉛組織が発達し、マトリックスがフェライト化される。

0030

図3は本発明による鋳造法において用いる中空芯中子、つまり管状芯中子を装着したカム軸鋳型の縦断面の部分図である。図中、符号(6) はカム部、(7) はジャーナル部、(8) は冷金、(9) は中空芯中子、(10)は軸端部のスリーブ状の発燃中子である。

0031

本発明によれば中子として中空芯中子を用いることで、黒鉛組織を十分に発達させることができる。また、端部に発燃中子を設けることでこの部位の黒鉛化がさらに促進されるとともに、ジャーナル部に比較して一層フェライト化が進んだ軟らかなマトリックスが得られる。

0032

本発明のチルドカム軸に用いられる鋳鉄の基本組成慣用のもので、特に限られた組成ではない。しかし、チルドカム軸に対する多様な注文に対応する必要から、使用鋳鉄の組成は決して一様ではない。とくにチル硬度を高めるために加えられる合金成分は重要で、いずれも比較的少量の1%以下のCr、Ni、Moなどが単独または複数添加される。また極めて微量でも白銑化傾向の著しいTeも有効に使用される。これらの合金成分はいずれも周知のものであるが、従来の技術ではカム部以外のジャーナル部、軸端部も一緒に硬くする恐れがあるために、合金の添加に大きな制約があった。それに対し、本発明ではその制約を緩めることができるようになったのが特長である。

0033

本例では図3に示す鋳型を用いて全周チル型のチルド鋳鉄製カム軸を試作したが、そのときのカム軸の寸法、鋳型および中子の仕様、鋳鉄の化学組成は下記のとおりであった。

0034

カム軸の寸法:軸長400mm、軸外径30mm、孔内径最小10mm、カム幅10mm、カム数16個
中子の仕様:
組成:ムライト系人工砂シェル造型レジン量 2.6%
寸法:長さ400 mm、外径10〜14mm、内径5mm
発燃中子:Al金属粉末+Fe2O3粉末
主型:けい砂シェル鋳型
鋳鉄の化学組成(重量%) :TC:3.30、Si:2.14、Mn:0.57、P:0.03、S:0.02、Ni:0.47、Cr:0.39、Mo:0.31
得られた鋳造素材歪み除去硬度調整のため550 ℃で焼きなましを行った。熱処理後のチル硬度はHRC 50〜55、ジャーナル部はHRB98〜102 、軸端部はHRB85〜90の硬度であった。

0035

組織的にはカム部は白銑組織、ジャーナル部に相当する中空孔の内壁は黒鉛組織であった。そして軸端部はさらにフェライト化の進んだマトリックスを呈していた。

発明の効果

0036

以上説明してきたように、本発明によれば、中空カム軸において軽量化、高硬度化を同時に実現できるのであって、その実際上の価値は大きい。

図面の簡単な説明

0037

図1従来技術における中空孔なしの全周チル型のチルドカム軸のカム部の横断面である。
図2本発明にかかる中空孔をもつ全周チル型のチルドカム軸のカム部の横断面である。
図3本発明において用いる中空カム軸鋳型の縦断面を示す。

--

0038

1:白銑組織、 2:斑銑組織
3:カム部外周の白銑組織、4:中空孔
5:内壁の黒鉛組織、 6:カム部
7:ジャーナル部、 8:冷金
9:中空芯中子、 10:軸端加熱用発燃中子

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