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技術 内燃機関の制御装置

出願人 いすゞ自動車株式会社
発明者 菊地武
出願日 1999年3月5日 (21年9ヶ月経過) 出願番号 1999-058705
公開日 2000年9月19日 (20年3ヶ月経過) 公開番号 2000-257497
状態 未査定
技術分野 内燃機関の複合的制御 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 作動故障 無頓着 整備者 リセットコード 算定値 間欠作動 修理費 運転距離
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

排気ガス浄化装置を有するエンジンに、異常検出手段を備えて、異常個所推定し、運転者に警告を発するだけでなく、警告に対処しない運転者に対して、異常対処を自動的に行なって、エンジンを安全な状態下で運転し、エンジンを保護すると共に、排気ガス浄化装置の触媒劣化から守ることで、排気ガスの悪化を防ぐことができる内燃機関制御装置を提供する。

解決手段

排気通路2に、排気ガス浄化用触媒装置3と排気ブレーキ6,7を備えた内燃機関Eの制御装置1であって、排気ガス温度異常検出手段20と、触媒内排気ガス温度異常検出手段30とを備えた異常検出手段10と、燃料噴射抑制運転モードで該内燃機関Eを運転する噴射抑制運転手段43と備えた異常対処手段40とを含んで形成される。

概要

背景

ガソリンエンジンディーゼルエンジンを使用した自動車用内燃機関においては、エンジン部品制御用センサー等の故障により、さまざまな異常状態が発生する。

この異常状態を例示すると、次のようなものがある。
〔ガソリンエンジンの異常状態〕ガソリンエンジンでは、O2センサー吸入空気量検出手段(エアフローセンサーや吸気負圧センサー等)の異常やEGRバルブ作動故障等があると、排気ガス温度が正常運転時より大きく変化する。

つまり、酸素濃度を実際より高く検出していたり、空気量を実際よりも多く検出していたりすると、噴射量を増加する方向へ制御され、燃料が濃い状態即ちリッチ状態燃焼になり排気ガス温度が低下する。この場合に燃費の悪化や三元触媒反応低下によるHC、COの排出量の増加や、触媒でHC、COが再燃焼することによる触媒温度の上昇とこの温度上昇による溶損の恐れが生じる。

逆に酸素濃度を実際より低く検出していたり、実際の空気量よりも少なく検出している場合には、噴射量を減少させる方向に制御され、燃料が薄い状態即ちリーン状態の燃焼になって排気ガス温度は上昇する。この場合には、場合によってはノッキングが生じ、これをノックセンサーが検知して点火タイミング遅延するので出力が落ちてしまい、また、3元触媒における酸素濃度が過剰になりNOxの浄化効率が低下する。

また、EGRバルブが開放状態のままになると、EGRガスが過剰になり、酸素不足となり、燃料が低減されエンジンがストールする。また、排気ガス温度はCO2 とH2Oの吸熱反応で低下する。そして、酸素不足による出力の低下や、HCやCOの増加、場合によっては黒煙の排出が生じる。

逆にEGRバルブが閉鎖状態のままになると、新気が増加し、酸素の増加による燃料増加で燃費が悪化すると共に、シリンダ内の温度が上昇するためNOxが増加し、排気ガス温度が上昇する。
〔ディーゼルエンジンの異常状態〕また、ディーゼルエンジンでは、噴射時期噴射圧力の異常や、EGRバルブの作動故障等があると、排気ガス温度が正常運転時より大きく変化する。

燃料の噴射時期の遅れが小さい間は排気ガス温度が上昇し、NOxが減少して黒煙が増加し、出力が低下し燃費が悪化する。この噴射時期の遅れが大きくなると、着火困難となり失火して白煙を発生し排気ガス温度が低下し、この場合には、未燃燃料が触媒で再燃焼するため触媒温度の上昇と溶損の恐れが生じる。

逆に、噴射時期の進みが小さい間は排気温度が低くなりNOxが増加し出力も増加するが、噴射時期の進みが大きくなると、ノッキングが発生してシリンダ内圧が異常に上昇するので、ドライバビリティーが悪化し、更にはエンジンの破損の恐れが生じる。

そして、噴射圧力が低下すると噴霧微粒化が妨げられ、しかも噴射期間が延びるため、排気ガス温度が上昇して黒煙が増加する。そして、この黒煙により触媒の目詰まりの発生や再燃焼による触媒温度上昇で触媒が劣化する。

逆に、噴射圧力が上昇すると、噴霧の粒化の促進と噴射期間の短縮により、燃焼時間が短くなり燃焼音の増大とNOxの増加と排気温度の低下をもたらす。

そして、EGRバルブが開放状態のままになると、EGRガスが過剰になり、燃料リッチの状態で燃焼するので排気ガス温度が上昇し、黒煙が増加する。また、場合によっては、着火不能になり、未燃分が多量に排出され、触媒に吸着されたこの未燃分の急激な燃焼により、触媒が溶損する危険性が生じる。

逆にEGRバルブが閉鎖状態のままになると、新気が増加しリーンな状態で燃焼するので排気ガス温度が低下し、また、燃料が短期間で一気に燃焼するため黒煙が減少するが、NOxが増加する。

過給機付きエンジンの異常状態〕更に、過給機付きエンジンの場合に、ブースト漏れ等が発生し過給圧が上がらない時には、ガソリンエンジンではブーストリミット噴射量が設定されているために、噴射量が制限されて出力が明らかに低下する。また、ディーゼルエンジンでは、ブーストリミット噴射量が設定されていなければ、黒煙が多量に排出され出力も低下する。

また、ウェストゲート付きやエアレイシオ(A/R)が可変ターボにおいてブーストセンサーの故障やダイヤフラムリンク等の固着によって設定過給圧以上の過給圧が加わった場合にはサージ領域で運転されるので、ターボ自体の破損やエンジンの損傷の恐れが生じる。また、新気が増加する分黒煙が改善され出力も増加するが、場合によっては噴霧が悪化しHCの増加を招く。

〔触媒〕一方、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンにおいては、これらのエンジンから排出される排気ガス浄化するために、触媒を用いており、この触媒を触媒活性温度域に保ちながら、排気ガス中のNOx成分や未燃HC成分、CO成分等をN2 やCO2 やH2Oに変化させて排気ガスを浄化している。この触媒は、高温に曝されると、触媒が過熱し、触媒機能が劣化し、排気ガスを浄化することができなくなるという性質を有している。

一方、インジェクタの異常噴射や失火している気筒がある場合等では、排気ガス中の未燃分が大量に含まれることになり、この未燃HCが触媒によって異常燃焼するので、触媒の温度が、排気ガス温度より大幅に温度上昇することになる。この触媒の温度が大幅に上昇した状態は、最も触媒がダメージを受け易い状態であり、この状態が長く続くと、触媒が劣化してしまう。

〔異常事態への対処〕これらの異常事態に対して、従来の技術のエンジンにおいては、排気ガス温度が異常に上昇したことを排気温度センサーで検知した場合は、運転者または整備者に対して警告灯点灯して異常を知らせて注意喚起し、修理を促している。

概要

排気ガス浄化装置を有するエンジンに、異常検出手段を備えて、異常個所推定し、運転者に警告を発するだけでなく、警告に対処しない運転者に対して、異常対処を自動的に行なって、エンジンを安全な状態下で運転し、エンジンを保護すると共に、排気ガス浄化装置の触媒を劣化から守ることで、排気ガスの悪化を防ぐことができる内燃機関の制御装置を提供する。

排気通路2に、排気ガス浄化用触媒装置3と排気ブレーキ6,7を備えた内燃機関Eの制御装置1であって、排気ガス温度異常検出手段20と、触媒内排気ガス温度異常検出手段30とを備えた異常検出手段10と、燃料噴射抑制運転モードで該内燃機関Eを運転する噴射量抑制運転手段43と備えた異常対処手段40とを含んで形成される。

目的

本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、排気ガス浄化装置を有する内燃機関の制御装置に、異常検出手段を備えて、異常個所を推定し、運転者に警告を発するだけでなく、警告に対処しない運転者に対して、異常対処を自動的に行なって、エンジンを安全な状態下で運転し、エンジンを保護すると共に、運転者の修理を促す運転状態を発生させて早期に修理に赴かせることができ、これらにより、排気ガス浄化装置の触媒を劣化から守り、排気ガスの悪化を防ぐことができる内燃機関の制御装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
7件

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請求項1

内燃機関排気通路に、排気ガス浄化用触媒装置排気ブレーキと前記エンジンの異常を検出する異常検出手段と、該異常検出手段が異常を検出した時に、この異常に対処する異常対処手段とを備えた内燃機関の制御装置であって、前記異常検出手段が、正常な運転状態における排気ガス温度であるモデル排気ガス温度を内燃機関の運転状態から算定し、該モデル排気ガス温度と実測排気ガス温度との温度偏差を求め、該温度偏差と所定の第1のしきい値とを比較して、排気ガス温度の異常状態を検出する排気ガス温度異常検出手段と、前記実測排気ガス温度と前記触媒装置の実測触媒内排気ガス温度との温度差を求め、該温度差と所定の第2のしきい値と比較して、触媒内排気ガス温度の異常状態を検出する触媒内排気ガス温度異常検出手段とを備えて形成されると共に、前記異常対処手段が、噴射抑制運転手段を備えて形成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項2

前記異常対処手段が噴射量を抑制した後、所定の許容走行距離走行又は所定の許容時間を経過しても、有効な前記異常状態の回復処置がなされていないことを検知した場合に、該内燃機関の運転者に対して、検出された前記異常状態の回復処置を行うことを促す体感信号となる運転状態を発生させる修理督促手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。

請求項3

前記修理督促手段は、排気ブレーキを所定の時間をおいて間欠作動させる排気ブレーキ間欠運転手段であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。

請求項4

前記異常検出手段は、異常個所推定する異常個所推定手段を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。

請求項5

前記異常個所推定手段は、前記排気ガス温度偏差から判定される排気ガス温度異常状態に関する異常個所を推定する第1異常個所推定手段と、実測排気ガス温度と実測触媒内排気ガス温度の温度差から判定される触媒内排気ガス温度異常状態に関する第2異常個所推定手段とを含む請求項4記載の内燃機関の制御装置。

請求項6

前記内燃機関がディーゼルエンジンであって、前記排気ガス温度異常状態に関係する第1異常個所推定手段は、EGR弁ブースト圧燃料噴射時期がそれぞれ異常であるか否かを推定する手段を含むことを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。

請求項7

前記触媒内排気ガス温度異常状態に関係する第2異常個所推定手段は、排気ガス中の未燃HC量の異常か正常かを判定することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、触媒を利用した排気ガス浄化装置を使用している自動車用内燃機関制御装置に関するものである。

0002

より詳細には、内燃機関が異常状態になった時に、これを検出し、触媒が高温状態になることを防止でき、運転者に早期に修理を促し、触媒及び内燃機関を効果的に保護できる内燃機関の制御装置に関するものである。

背景技術

0003

ガソリンエンジンディーゼルエンジンを使用した自動車用の内燃機関においては、エンジン部品制御用センサー等の故障により、さまざまな異常状態が発生する。

0004

この異常状態を例示すると、次のようなものがある。
〔ガソリンエンジンの異常状態〕ガソリンエンジンでは、O2センサー吸入空気量検出手段(エアフローセンサーや吸気負圧センサー等)の異常やEGRバルブ作動故障等があると、排気ガス温度が正常運転時より大きく変化する。

0005

つまり、酸素濃度を実際より高く検出していたり、空気量を実際よりも多く検出していたりすると、噴射量を増加する方向へ制御され、燃料が濃い状態即ちリッチ状態燃焼になり排気ガス温度が低下する。この場合に燃費の悪化や三元触媒反応低下によるHC、COの排出量の増加や、触媒でHC、COが再燃焼することによる触媒温度の上昇とこの温度上昇による溶損の恐れが生じる。

0006

逆に酸素濃度を実際より低く検出していたり、実際の空気量よりも少なく検出している場合には、噴射量を減少させる方向に制御され、燃料が薄い状態即ちリーン状態の燃焼になって排気ガス温度は上昇する。この場合には、場合によってはノッキングが生じ、これをノックセンサーが検知して点火タイミング遅延するので出力が落ちてしまい、また、3元触媒における酸素濃度が過剰になりNOxの浄化効率が低下する。

0007

また、EGRバルブが開放状態のままになると、EGRガスが過剰になり、酸素不足となり、燃料が低減されエンジンがストールする。また、排気ガス温度はCO2 とH2Oの吸熱反応で低下する。そして、酸素不足による出力の低下や、HCやCOの増加、場合によっては黒煙の排出が生じる。

0008

逆にEGRバルブが閉鎖状態のままになると、新気が増加し、酸素の増加による燃料増加で燃費が悪化すると共に、シリンダ内の温度が上昇するためNOxが増加し、排気ガス温度が上昇する。
〔ディーゼルエンジンの異常状態〕また、ディーゼルエンジンでは、噴射時期噴射圧力の異常や、EGRバルブの作動故障等があると、排気ガス温度が正常運転時より大きく変化する。

0009

燃料の噴射時期の遅れが小さい間は排気ガス温度が上昇し、NOxが減少して黒煙が増加し、出力が低下し燃費が悪化する。この噴射時期の遅れが大きくなると、着火困難となり失火して白煙を発生し排気ガス温度が低下し、この場合には、未燃燃料が触媒で再燃焼するため触媒温度の上昇と溶損の恐れが生じる。

0010

逆に、噴射時期の進みが小さい間は排気温度が低くなりNOxが増加し出力も増加するが、噴射時期の進みが大きくなると、ノッキングが発生してシリンダ内圧が異常に上昇するので、ドライバビリティーが悪化し、更にはエンジンの破損の恐れが生じる。

0011

そして、噴射圧力が低下すると噴霧微粒化が妨げられ、しかも噴射期間が延びるため、排気ガス温度が上昇して黒煙が増加する。そして、この黒煙により触媒の目詰まりの発生や再燃焼による触媒温度上昇で触媒が劣化する。

0012

逆に、噴射圧力が上昇すると、噴霧の粒化の促進と噴射期間の短縮により、燃焼時間が短くなり燃焼音の増大とNOxの増加と排気温度の低下をもたらす。

0013

そして、EGRバルブが開放状態のままになると、EGRガスが過剰になり、燃料リッチの状態で燃焼するので排気ガス温度が上昇し、黒煙が増加する。また、場合によっては、着火不能になり、未燃分が多量に排出され、触媒に吸着されたこの未燃分の急激な燃焼により、触媒が溶損する危険性が生じる。

0014

逆にEGRバルブが閉鎖状態のままになると、新気が増加しリーンな状態で燃焼するので排気ガス温度が低下し、また、燃料が短期間で一気に燃焼するため黒煙が減少するが、NOxが増加する。

0015

過給機付きエンジンの異常状態〕更に、過給機付きエンジンの場合に、ブースト漏れ等が発生し過給圧が上がらない時には、ガソリンエンジンではブーストリミット噴射量が設定されているために、噴射量が制限されて出力が明らかに低下する。また、ディーゼルエンジンでは、ブーストリミット噴射量が設定されていなければ、黒煙が多量に排出され出力も低下する。

0016

また、ウェストゲート付きやエアレイシオ(A/R)が可変ターボにおいてブーストセンサーの故障やダイヤフラムリンク等の固着によって設定過給圧以上の過給圧が加わった場合にはサージ領域で運転されるので、ターボ自体の破損やエンジンの損傷の恐れが生じる。また、新気が増加する分黒煙が改善され出力も増加するが、場合によっては噴霧が悪化しHCの増加を招く。

0017

〔触媒〕一方、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンにおいては、これらのエンジンから排出される排気ガス浄化するために、触媒を用いており、この触媒を触媒活性温度域に保ちながら、排気ガス中のNOx成分や未燃HC成分、CO成分等をN2 やCO2 やH2Oに変化させて排気ガスを浄化している。この触媒は、高温に曝されると、触媒が過熱し、触媒機能が劣化し、排気ガスを浄化することができなくなるという性質を有している。

0018

一方、インジェクタの異常噴射や失火している気筒がある場合等では、排気ガス中の未燃分が大量に含まれることになり、この未燃HCが触媒によって異常燃焼するので、触媒の温度が、排気ガス温度より大幅に温度上昇することになる。この触媒の温度が大幅に上昇した状態は、最も触媒がダメージを受け易い状態であり、この状態が長く続くと、触媒が劣化してしまう。

0019

〔異常事態への対処〕これらの異常事態に対して、従来の技術のエンジンにおいては、排気ガス温度が異常に上昇したことを排気温度センサーで検知した場合は、運転者または整備者に対して警告灯点灯して異常を知らせて注意喚起し、修理を促している。

発明が解決しようとする課題

0020

しかしながら、この従来技術の内燃機関の制御装置においては、警告を発するだけで、この警告を受けた運転者が、異常を認識した後で、この警告に対しどう対応するかは運転者自身に任されている。

0021

特に自動車の場合は、運転者には多様な人がおり、すぐエンジン即ち自動車の運転をやめて修理を依頼する運転者もいれば、全くこの警告に無頓着で、そのまま運転を継続する者もいる。

0022

そのため、警告を受けても修理に赴かない運転者の場合には、エンジンが異常を抱えた状態で運転されるため、この故障部分、即、異常の直接の原因部分の故障が拡大するだけでなく、この故障から更に派生的な故障が生じ、大きなエンジントラブル発展するという問題がある。

0023

更に、これらの異常時には、適正な排気ガス温度が保たれず、触媒内排気ガス温度が異常に上昇したりするので、排気ガスの浄化が適正に行なわれず、不十分な状態で走行するので、公害を発生し、また、触媒が劣化するという問題がある。

0024

従って、このエンジンの異常時の対策は、排気ガスの浄化の面のみならず、エンジンの保護の面からも重要なことであり、いかにして、運転者に異常のランクや重大性を認識させて、更なるトラブルが発生する前に修理に赴かせるかが大きな問題となっている。

0025

本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、排気ガス浄化装置を有する内燃機関の制御装置に、異常検出手段を備えて、異常個所推定し、運転者に警告を発するだけでなく、警告に対処しない運転者に対して、異常対処を自動的に行なって、エンジンを安全な状態下で運転し、エンジンを保護すると共に、運転者の修理を促す運転状態を発生させて早期に修理に赴かせることができ、これらにより、排気ガス浄化装置の触媒を劣化から守り、排気ガスの悪化を防ぐことができる内燃機関の制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0026

以上のような目的を達成するための内燃機関の制御装置は、以下のように構成される。
1)内燃機関の排気通路に、排気ガス浄化用触媒装置排気ブレーキと前記エンジンの異常を検出する異常検出手段と、該異常検出手段が異常を検出した時に、この異常に対処する異常対処手段とを備えた内燃機関の制御装置であって、前記異常検出手段が、正常な運転状態における排気ガス温度であるモデル排気ガス温度を内燃機関の運転状態から算定し、該モデル排気ガス温度と実測排気ガス温度との温度偏差を求め、該温度偏差と所定の第1のしきい値とを比較して、排気ガス温度の異常状態を検出する排気ガス温度異常検出手段と、前記実測排気ガス温度と前記触媒装置の実測触媒内排気ガス温度との温度差を求め、該温度差と所定の第2のしきい値と比較して、触媒内排気ガス温度の異常状態を検出する触媒内排気ガス温度異常検出手段とを備えて形成されると共に、前記異常対処手段が、噴射量抑制運転手段を備えて形成されていることを特徴とする。

0027

2)前記異常対処手段が噴射量を抑制した後、所定の許容走行距離を走行又は所定の許容時間を経過しても、有効な前記異常状態の回復処置がなされていないことを検知した場合に、該内燃機関の運転者に対して、検出された前記異常状態の回復処置を行うことを促す体感信号となる運転状態を発生させる修理督促手段を更に備えたことを特徴とする。

0028

3)前記修理督促手段は、排気ブレーキを所定の時間をおいて間欠作動させる排気ブレーキ間欠運転手段であることを特徴とする。
4)前記異常検出手段は、異常個所を推定する異常個所推定手段を含むことを特徴とする。
5)前記異常個所推定手段は、前記排気ガス温度偏差から判定される排気ガス温度異常状態に関する異常個所を推定する第1異常個所推定手段と、実測排気ガス温度と実測触媒内排気ガス温度の温度差から判定される触媒内排気ガス温度異常状態に関する第2異常個所推定手段とを含むことを特徴とする。

0029

6)前記内燃機関がディーゼルエンジンである場合には、前記排気ガス温度異常状態に関係する第1異常個所推定手段は、EGR弁ブースト圧、燃料の噴射時期がそれぞれ異常であるか否かを推定する手段を含むことを特徴とする。
7)前記触媒内排気ガス温度異常状態に関係する第2異常個所推定手段は、排気ガス中の未燃HC量の異常か正常かを判定することを特徴とする。

0030

つまり、内燃機関の排気通路に排気ガス浄化装置を備えた内燃機関において、エンジンの運転条件から排気ガス温度を推定し、実測排気ガス温度との偏差と、前記実測排気ガス温度と触媒層内実測温度との温度差を求め、それぞれと所定のしきい値とを比較して、エンジンの異常を検出する。

0031

このエンジンの異常検出の原理は、次にようなものである。燃料噴射量はエンジン回転数アクセル開度によってほぼ決定されるため、排気ガス温度は外気条件の他に何らかの異常が発生しなければ、運転条件によってほぼ一定となるので、排気温度マップからの排気ガス温度の算定値実測値との比較により、エンジンの異常の発生を検知できる。

0032

また、未燃HCが多量に含まれていると、これらの未燃HCが触媒に触れて燃焼し、触媒層温度が上昇するので、排気ガス温度の実測値と触媒層温度の実測値との温度差と所定の温度差との比較により、エンジンの異常の発生を検知できる。

0033

そして、この偏差や温度差と各しきい値との比較から、異常状態を検知したら、運転者に対して、異常状態の発生を表示灯の点灯や点滅、あるいは電子音音声メッセージ等の警報を発して知らせると共に、更に細かく異常個所を推定し、この異常個所を表示灯の表示や音声メッセージで知らせると共に、自動的に燃料の噴射量を抑制して、エンジン及び触媒を保護する噴射量抑制運転に移行し、エンジンや触媒を保護する。

0034

この噴射量抑制運転は、自動的に、エンジンの燃料噴射量を減少させたり、あるいは吸気絞りや噴射時期を変化させたりするエンジン運転操作を行なうもので、排気ガス温度を低下させて、排気ガス温度が更に上昇して、触媒装置の触媒が高温により劣化するのを防止する。いわば、応急処理をするものである。

0035

また、更に、運転者が、所定の許容走行距離または許容時間を超えても、エンジン停止や修理をしない時には、排気ブレーキを間欠的に作動させる修理督促手段により早期修理を促す信号を発し、運転者を修理に赴かせることにより、排気ガス浄化装置の触媒の劣化を防止し、更には、トラブル車の運転による交通事故を防止する。

0036

この修理督促手段とは、自動車の運転自体は可能であるが、運転中に運転者に不快感や不安感を与えて修理を督促するものであり、異常状態の回復処置を行なうことを促す体感信号を与える方法としては、排気ブレーキの間欠運転以外に、駐車ブレーキを一定時間解除できなくする方法や所定の時間間隔ブザーや音声メッセージを繰返し流す等の方法や、エンジンの掛かり具合を意図的に悪くする方法などが考えられる。

0037

そして、更に、運転者が、エンジン停止や修理をしない時には、間欠的に排気ブレーキを作動させて、運転者に体感として異常発生を連続的に知らせる事により早期修理を促す。その結果として、運転者を早期に修理に赴かせることにより、排気ガス浄化装置の触媒の劣化を防止し、更には、トラブル車の運転による交通事故を防止する。

発明を実施するための最良の形態

0038

以下、図面を用いて、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施の形態を説明する。
〔構成〕図1に示すように、本発明に係る実施の形態の内燃機関の制御装置1は、エンジンの排気通路2に排気ガス浄化用の触媒装置3が配設され、更に、この触媒装置3の上流側に、排気ガス温度を検出する排気ガス温度センサー4、下流側に触媒層温度検出する触媒内排気ガス温度センサー5がそれぞれ配置され、更に、この触媒装置3の前後に排気ブレーキシャッター6と7が配設される。

0039

そして、エンジンコントロールユニット(ECU)と呼ばれるコントローラ8が、エンジンの運転状態を検出するための回転数センサーアクセルセンサー冷却水温センサー等から回転数Ne,負荷Acc,冷却水温Tw等を入力して、エンジンの運転全般を制御すると共に、排気ブレーキシャッター6、7の制御等を行うように構成される。

0040

〔制御装置1〕更に、この内燃機関の制御装置1は、図2に示すように、エンジンの異常を検出するための異常検出手段10と、この異常検出手段10が異常を検出した時に、この異常に対処する異常対処手段40と修理督促手段50を備えて形成される。この制御装置1の演算部分や信号に出入力部分は、一般的には、コントローラ8に組み入れられ、通常のエンジンの運転制御並列してエンジンの監視および制御を行なう。

0041

〔異常検出手段10〕この異常検出手段10は、排気ガス温度に関係する排気ガス温度偏差検出手段21、排気ガス温度判定手段22、第1異常個所推定手段23とからなる排気ガス温度異常検出手段20と、触媒内排気ガス温度に関係する排気ガス/触媒内排気ガス温度差検出手段31、触媒内排気ガス温度判定手段32、第2異常個所推定手段33とからなる触媒内排気ガス温度異常検出手段30を備えて形成される。

0042

〔排気ガス温度異常検出手段20〕先ず、排気ガス温度異常検出手段20について説明すると、排気ガス温度偏差検出手段21は、内燃機関(E)の運転状態を示すエンジンの回転数Neとエンジン負荷に対応するアクセル開度Accとから、予め入力された算定用のマップ等により算定された、正常な運転状態における排気ガス温度であるモデル排気ガス温度Tmcを算定し、排気ガス温度センサー4で測定した実測排気ガス温度Treとの差の絶対値である温度偏差(|Tmc−Tre|)を求める。

0043

より具体的には図3のアクセル開度Acc,回転数Ne,燃料の噴射量Qの関係を示すレバスケジュール図4に示す回転数Ne,燃料の噴射量Q,基準の排気ガス温度Tbの関係を示す排気温度マップから基準排気ガス温度Tbを算出し、この基準排気ガス温度Tbを外気温度Taや冷却水温Twによる補正量Tα、Tβで補正してモデル排気ガス温度Tmcを求める。

0044

この補正は、外気温度Taは、年間を通じて50℃〜60℃の変化が予想されるため、吸気温度の変化による補正量Tαを計算し、また、冷却水温Twで暖機状態か否かを判定し、エンジンの運転状態によって異なってくる噴射時期や点火時期の差によって排気ガス温度の補正量Tβを算出して、基準排気ガス温度Tbの算定値の補正を行なってモデル排気ガス温度Tmcを求める。なお、このモデル排気ガス温度Tmcと基準排気ガス温度Tbとの温度偏差ΔTは実質的には高々30℃程度である。

0045

そして、排気ガス温度判定手段22において、モデル排気ガス温度Tmcと実測排気ガス温度Treとの差の絶対値である排気ガス温度偏差(|Tmc−Tre|)が、例えば、所定のしきい値Tg0以上であれば、排気ガス温度異常状態と判定する。

0046

このしきい値Tg0はエンジンの種類によって異なるが、通常は40℃〜200℃の間である。そして、この排気ガス温度異常状態が発生した場合に、第1異常個所推定手段23で以下のような異常個所推定を行なう。

0047

ガソリンエンジンにおいて燃料が薄い状態、つまりリーンになっていると推定し、O2センサーやエアフローセンサーの異常やEGRバルブが作動しない等の異常であると判定し、EGRマークを点灯し、運転者に異常を知らせる。また、ディーゼルエンジンの場合には、燃料の噴射時期の過剰な遅れや噴射期間の過剰な延長(噴射圧力の低下)、EGRバルブの開きぱなし等による過剰なEGRと判定し、EGRマークを点灯し、運転者に異常を知らせる。

0048

また、ターボ付きエンジンの場合には、ブーストマップとブースト圧Pbが対応しているか否かを検出し、対応していなければ、ターボ不良と判断し、TURBOマークを点灯し、対応している場合には、タイミンチエックマークを点灯し、運転者に異常を知らせる。

0049

〔触媒内排気ガス温度異常検出手段30〕次に、触媒内排気ガス温度異常検出手段30について説明すると、排気ガス/触媒内排気ガス温度差検出手段31は、排気ガス温度センサー4で測定した実測排気ガス温度Treと触媒内排気ガス温度センサー5で測定した実測触媒内排気ガス温度Tcとの温度差(Tc−Tre)を算出する。

0050

そして、触媒内排気ガス温度判定手段32において、この温度差(Tc−Tre)と所定のしきい値ΔTc0と比較し、温度差(Tc−Tre)が例えば40℃(しきい値ΔTc0)以上であれば、第2異常状態と判定する。

0051

この触媒内排気ガス温度異常状態が発生した場合には、第2異常個所推定手段33により、排気ガス中に燃料の未燃分が大量に含まれていると推定し、インジェクタの異常噴射や失火している気筒がある等の、最も触媒がダメージを受け易い異常が発生していると判定する。
〔異常対処手段40〕そして、これらの異常に対処するために、警報発生手段41、噴射量抑制運転手段42と、エンジン停止後排気ブレーキ作動手段46を備えた異常対処手段40が設けられる。

0052

この警報発生手段41は、それぞれ異常と推定及び判定した部分を表示灯を点灯や点滅させて視覚的に警報発したり、電子音や音声メッセージ等の聴覚的な警報を発生させる。

0053

また、排気ガス温度異常検出手段20で異常と判定された場合に、噴射量抑制運転手段42で、自動的に、エンジンの燃料噴射量を減少させて、あるいは吸気絞りや噴射時期を変化させるエンジン運転操作を行ない、排気ガス温度を低下させることにより、排気ガス温度が更に上昇して、触媒装置3の触媒が高温により劣化するのを防止するように構成される。いわば、応急処理に対応するものである。

0054

そして、この噴射量抑制運転中は、表示灯の点灯等により運転者にこの噴射量抑制運転をしていることを知らせる。また、この噴射量抑制運転中は、力不足感じるため、運転者は修理の必要性を強く意識することになる。

0055

また、触媒内排気ガス温度異常検出手段30によって異常状態を検出した場合には、噴射量抑制運転手段42で、自動的に、噴射量抑制運転モードのエンジン運転操作を行ない排気ガス温度を低下させると共に、最も触媒がダメージを受け易いエンジンの状態にあるので、運転者にエンジンを止めるよう指示を出し、指示通りに止まった場合には触媒装置3前後の排気ブレーキシャッター6,7を全閉にし、触媒装置3への酸素供給ストップし未燃HCの急激な酸化反応を抑制する。

0056

そして、エンジン停止後も酸素供給が絶たれない場合に生じる触媒装置3における未燃HCの燃え続けと、これによって起こる触媒の過熱と劣化の進行を防止し、この触媒の過熱による火災の危険等を回避する。
〔修理督促手段50〕そして、これらの異常対処にも係わらず、運転が続行された時には、修理督促手段50が作動する。この修理督促手段50の具体的な手段としては、排気ブレーキ間欠運転手段51がある。

0057

この排気ブレーキ間欠運転手段51は、エンジンが異常状態であるのにかかわらず、運転者が車両を停止しない場合、即ち、異常の警報を発生した後、所定時間の間に異常の修理がなされず運転が継続されていることを検知した場合には、所定の時間をあけて間欠的に排気ブレーキを作動し、ECUからの信号を電磁弁EV送り、排気ブレーキシャッター6、または7を閉じる。これにより、運転者に非常に不快あるいは不安な状態を味合わせて、修理を急がざるをえない心境にする。即ち、エンジン自体の異常を誇張するような方法をとることで、停止させる方向に持って行く手段である。
〔作動:フロー〕次に、この実施の形態の内燃機関の制御装置の作動について図5のフローチャートを参照して説明する。

0058

先ず、エンジンが作動され、このフローが開始されると、ステップS10で各種センサーで検出及び計測された回転数Ne,アクセル開度Acc,外気温度Ta,冷却水温Tw等の諸データを入力する。

0059

エンジンの運転状態が、定常運転であるか否かを、回転数Neの変化量ΔNeが所定の変化しきい値Ne0以下でかつ、アクセル開度Accの変化量よりΔAccが所定の変化しきい値Acc0 以下であるか否かで判定し、定常運転でない(NO)と判定された時には、リターンに行き、再度このフローに戻って、最初のステップS10の諸データの入力から繰り返す。
〔排気ガス温度異常検出〕そして、定常運転(YES)と判定されたときには、排気ガス温度異常検出手段20によりステップS20の排気ガス温度異常検出を行う。

0060

このステップS20においては、図6に詳細なフローを示すように、先ず、排気ガス温度偏差検出手段21によって、基準排気ガス温度Tbを算出し、更に、補正して算出排気ガス温度Tmcを算出し、実測排気ガス温度との差の絶対値である偏差(|Tmc−Tre|)を検出する。

0061

そして、ステップS21において、排気ガス温度判定手段22によって、排気ガス温度偏差(|Tmc−Tre|)が、所定のしきい値Tg0以上か否かを判定し、以下即ち否(NO)であれば、排気ガス温度は正常と判定し、ステップS30へ行く。

0062

以上(YES)であれば、排気ガス温度異常状態と判定し、ステップS23において、第1異常個所推定手段23により、次のような第1異常個所推定とその表示を行なう。つまり、ステップS23aにおいて、EGRバルブの作動状態チェックし、アクセル開度Accの変化によるEGRバルブのリフト量の指令値LEGR に実際のリフト量Legr が追従しているか否かを検出し、追従していなければ、EGRバルブ不良と判断し、ステップS23bでEGRマークを点灯する。

0063

また、ターボ付きディーゼルエンジンの場合には、更に、ステップS23cにおいて、ブーストマップの値Pb0とブースト圧Pbが対応しているか否かを検出し、対応している場合(YES)には、ステップS23dでタイミングチエックマークを点灯し、対応していなければ(NO)、ターボ不良と判断し、ステップS23eでTURBOマークを点灯する。
〔排気ガス温度異常状態対処〕このステップS20においては、排気ガス温度異常状態と判断された時には、ステップS40Aの排気ガス温度異常状態対処に行く。

0064

このステップS40Aにおいては。ステップS41Aで、警報発生手段41により警告灯WLを点灯する等の第1警報を発生し、ステップS42Aで、噴射量抑制運転手段42による噴射量抑制運転に入る。この噴射量抑制運転では、この運転状態に入ったことを知らせるランプIMを点灯させながら、噴射量の減少や噴射タイミングリタード(遅れ) させたり、吸気絞りを行なう噴射量制御マップLMに従って噴射量抑制運転モードでエンジンの運転を開始する。

0065

また同時に、ステップS43Aの走行距離チェックを行う。つまり、ステップS43Aaで警告後の走行距離DISをチェックするために走行量カウントを開始し、ステップS43Abで走行距離の判定を行う。具体的には、例えば、最寄り整備工場までに必要とされるだろう所定の許容走行距離DIS0 、一例をあげれば、200kmを超えるか否かで判定する。

0066

この距離以内(YES)であれば、ステップS44Aで修理の有無を判定する。この判定は、エンジン故障個所を修理したことを示すリセットコードがコントローラECUに入力されたか否かで判定する。

0067

そして、修理された場合(YES)には、ステップS46Aに行き、ステップS46Aでは、第1警報のランプLIMを消灯し、噴射量抑制運転を解除し、噴射量制御マップLMから通常の噴射量マップに戻し、リターンする。

0068

修理されていない時(NO)は、ステップS43Abに行き、修理されずに許容走行距離DIS0 を超えたとき(NO)には、ステップS50の修理督促運転に行く。

0069

〔修理督促運転〕このステップS50で修理督促運転を行うが、ステップS51で、コントローラ(ECU)からの制御信号を電磁弁に送り排気ブレーキシャッター6、または7を間欠的に作動させる排気ブレーキ間欠運転を開始する。この排気ブレーキの作動により、運転者に非常に不快かつ不安な状態を味合わせて、修理を急がざるをえない心境にする。

0070

そして、ステップS52で修理の有無を判定しながら、運転を管理し、修理しない場合に、ステップS51に戻り排気ブレーキ間欠運転を継続し、修理した場合には、ステップS53で排気ブレーキ間欠運転を解除し、リターンする。

0071

〔触媒内排気ガス温度異常検出〕次に、ステップS20において、排気ガス温度偏差(|Tmc−Tre|)が所定のしきい値Tg0より小さい場合には、排気ガス温度異常状態では無いと判定し、ステップS30に行き、触媒内排気ガス温度異常検出手段30により触媒内排気ガス温度が異常であるか正常であるかを検出する。

0072

このステップS30においては、先ず、ステップS31で排気ガス/触媒内排気ガス温度差検出手段31により、実測排気ガス温度Treと実測触媒内排気ガス温度Tcとの排気ガス/触媒内排気ガス温度差(Tc−Tre)を検出する。

0073

そして、ステップS32では、触媒内排気ガス温度判定手段32により、この排気ガス/触媒内排気ガス温度差(Tc−Tre)と所定のしきい値ΔTc0と比較し、この排気ガス/触媒内排気ガス温度差(Tc−Tre)が所定のしきい値ΔTc0以下であれば、異常無しとしてリターンする。

0074

また、この排気ガス/触媒内排気ガス温度差(Tc−Tre)が所定のしきい値ΔTc0以上であれば、触媒内排気ガス温度異常状態と判定し、ステップS33において、第2異常個所推定手段33により、この触媒内排気ガス温度異常状態が発生した個所の推定を行なう。

0075

この第2異常個所推定では、排気ガス中の未燃分が大量に含まれていると推定し、インジェクタの異常噴射や失火している気筒がある等の、最も触媒がダメージを受け易い異常が発生していると判定し、ステップS33aで、警告灯のインジェクタマークを点滅させて注意を促す。
〔触媒内排気ガス温度異常状態対処〕そして、ステップS40Bにおいて、触媒内排気ガス温度異常対処手段40により、触媒内排気ガス温度異常状態に対処する。

0076

先ず、ステップS41Bにおいて、第2警報手段により、エンジン(車両)を停止するように緊急警告灯(STOP!)を点灯し、ステップS42Bにより、噴射量抑制運転手段42により、噴射量抑制運転モードに入ったことを知らせるランプLIMを点灯させながら、噴射量制御マップLMにて噴射量抑制運転を開始する。

0077

また、ステップS43Bで噴射量抑制運転開始後のエンジン運転時間をチェックする。即ち、ステップS43Baでエンジン運転時間のカウントを開始し、ステップS43Bbでエンジン運転時間TIMEが、所定の許容時間TIME0 (例えば10分)を超えたか否かを判定する。

0078

所定の許容時間内であれば(YES)、ステップS43Cでエンジンが停止されたか否かを判定する。この判定は、エンジンの始動キーの位置から判定できるが、その他の方法でもよい。そして、エンジンが停止されていない時(NO)は、ステップS43Bに戻り、エンジン運転時間をチェックする。

0079

そして、エンジンが停止された時(YES)には、ステップS47Bに行き、エンジン停止後排気ブレーキ作動手段46により、排気ブレーキを作動させる。このステップS47Bでは、触媒装置3前後の排気ブレーキシャッター6,7を閉鎖し、触媒への酸素供給を停止させる。これにより、触媒前後にある排気ブレーキシャッター6、7を全閉状態とすることから、酸素の供給がストップされ未燃(残留)HCの急激な酸化反応を防止し触媒を劣化から守ることができる。

0080

このエンジン停止に伴い、ステップS48Bで修理の有無を判定する。この判定は、エンジン故障個所を修理したことを示すリセットコードがコントローラECUに入力されたか否かで判定する。

0081

そして、修理された場合(YES)には、ステップS49Bに行き、ステップS49Bでは、第2警報の緊急警告灯(STOP!)ランプと噴射量抑制運転のランプLIMを消灯し、噴射量抑制運転を解除し、噴射量制御マップLMから通常の噴射量マップに戻し、リターンする。

0082

修理されていない時(NO)は、ステップS43Bbに行き、修理されずに許容時間TIME0 を超えたとき(NO)には、ステップS50の修理督促運転に行く。
〔修理督促運転〕このステップS50で、上記と同様に修理督促運転を行い、排気ブレーキ間欠運転により、運転者に非常に不快かつ不安な状態を味合わせて、修理を急がざるをえない心境にする。

0083

そして、上記同様に、ステップS52で修理の有無を判定しながら、運転を管理し、修理しない場合に、ステップS51に戻り排気ブレーキ間欠運転を継続し、修理した場合には、ステップS53で排気ブレーキ間欠運転を解除し、リターンする。

0084

〔効果〕本装置は以上のように構成され、また、以上のようなフローに従って運転され、上記したような検出・比較・判定・制御を行なうことにより、異常の発生源と考えられる個所の推定及び表示、自動的に噴射量抑制運転に入り、また、運転者の対応によって最適と判断される対処をいち早く行なうことができる。従って、以上のエンジンの制御装置1によれば、次のような効果を奏することができる。

0085

〔排気ガス温度異常状態〕ガソリンエンジンの場合において、O2センサーやエアフロの異常やEGRバルブの不作動等によって燃料が薄い、つまりリーンになっている場合や、ディーゼルエンジンにおいて、過剰な噴射時期の遅れや噴射期間の延長(噴射圧力の低下)、過剰なEGR(開きぱなし等)、過給機付きの場合のブースト漏れ等の場合には、実測排気ガス温度が所期のモデル排気ガス温度と大きく異なってくるので、この排気ガス温度の異常状態を、排気温度マップ等によるモデル排気ガス温度の算定値と実測値との比較により検出することができる。

0086

そして、排気ガス温度異常状態にあることを検出した場合には、このとき異常と考えられる個所を運転者に知らせ、触媒の劣化が開始する温度に達しないように噴射量や噴射時期を制御した噴射量抑制運転を自動的におこなう。それと共に、噴射量抑制運転中であることを示すサインを出し、このサインと、噴射量を絞っていることに起因するエンジンの力不足とにより運転者に早く修理する必要性を体感させることができるので、修理を確実に行なうことができ、エンジンと触媒を守る結果につながる。

0087

更に、排気ガス温度異常状態を警告したにもかかわらず、所定の運転距離以上を移動しても、運転者が車両を修理しない場合には、一定時間をあけて間欠的に排気ブレーキを作動し、運転者に対してエンジン自体の異常を体感させる方法、即ち修理督促運転により、修理する心境にすることができる。
〔触媒内排気ガス温度異常状態〕

0088

インジェクタの異常噴射や失火している気筒があって、排気ガス中の未燃分が大量に含まれて、もっとも触媒がダメージを受け易い状態では、触媒内排気ガス温度が所期の値と異なってくるので、触媒の上流の排気ガス温度の実測値と触媒層の実測値との比較により、この触媒内排気ガス温度異常状態を検出し、この触媒内排気ガス温度異常状態にあると判断した時には、運転者にエンジンを止めるよう指示を出し、指示通りに止まった場合には触媒前後の排気ブレーキを全閉にして、触媒への酸素供給をストップし未燃HCの急激な酸化反応を抑制することができるので、触媒の燃焼、過熱、劣化の進行を防止できる。

0089

そして、この触媒内排気ガス温度異常状態であるのにかかわらず、運転者が車両を停止しない場合には、一定時間をあけて間欠的に排気ブレーキを動かし、運転者に対して修理督促運転により、エンジン自体の異常を誇張するような方法をとることで、エンジンを停止させ、修理する方向に持って行くことができる。

発明の効果

0090

以上の説明のように、本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、以下のような効果を奏することができる。

0091

エンジンの排気ガス温度が正常な排気ガス温度から大きく離れた場合や排気ガス温度よりも大幅に触媒層温度が上昇した時に、警報を発すると共に、自動的に噴射量抑制運転を行なうので、エンジンの異常燃焼を防止して、異常高温やサルフェートの生成や、触媒内排気ガス温度の上昇等を防止できるので、触媒の劣化を防止して触媒の寿命延ばすことができる。そして、触媒の劣化を防止できるので、排気ガスの浄化の能力の低下を防止でき、また、燃費の悪化を防げることができる。 その結果、エンジン自体をいたわることになり、排出ガスの低減に大きく貢献できる。

0092

そして、異常警告灯だけでは何ら気にかけない運転者に対しては、間欠的な排気ブレーキの使用により、エンジンにダメージを与えることなく、修理督促運転により運転者に異常状態を体感させることができるので、致命的なダメージをエンジンまたは触媒に与える前に、修理できる方向へ持って行くことができる。

0093

従って、運転者が故障している車両を運転しなくなるので、これらに起因する事故を防止でき、ユーザーおよび歩行者の安全を確保できる。その上、大きなトラブル発生前に修理できるので、修理費が安くて済む。

0094

つまり、排気ガス浄化装置を有するエンジンにおいて、異常個所を推定し、運転者に警告を発するだけでなく、警告に対処しない運転者に対して、異常対処を自動的に行なって、エンジンを安全な状態下で運転しエンジンを保護すると共に、修理督促運転により運転者の修理を促す運転状態を発生させて早期に修理に赴かせることができ、これらにより、排気ガス浄化装置の触媒を劣化から守り、排気ガスの悪化を防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0095

図1本発明に係る内燃機関の構成図である。
図2本発明に係る内燃機関の制御装置の構成図である。
図3エンジンの回転数と燃料噴射量とアクセル開度の関係を示すレバースケジュールの図である。
図4エンジンの回転数と燃料噴射量と排気温度の関係を示す排気温度マップの図である。
図5本発明に係る制御装置のフローを示す図である
図6図5の排気ガス温度異常検出の部分のフローを示す図である。
図7図5の触媒内排気ガス温度異常検出の部分のフローを示す図である。
図8図5の排気ガス温度異常状態対処の部分のフローを示す図である。
図9図5の触媒内排気ガス温度異常状態対処のフローを示す図である。
図10図5の修理督促運転のフローを示す図である。

--

0096

1内燃機関の制御装置
Eエンジン
2排気通路
3触媒装置
4排気ガス温度センサー4
5触媒内排気ガス温度センサー
6,7排気ブレーキシャッター
8コントローラ(ECU)
10異常検出手段
20排気ガス温度異常検出手段
21 排気ガス温度偏差検出手段
22 排気ガス温度判定手段
23 第1異常個所推定手段
30 触媒内排気ガス温度異常検出手段
31排気ガス/触媒内排気ガス温度差検出手段
32 触媒内排気ガス温度判定手段
33 第2異常個所推定手段
40 異常対処手段
41警報発生手段
42噴射量抑制運転手段
46エンジン停止後排気ブレーキ作動手段
50修理督促手段
51 排気ブレーキ間欠運転手段

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