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技術 起毛両面丸編地

出願人 ミツカワ株式会社東レ株式会社
発明者 光川幹雄松本茂登山田政人丹羽氏輝大内弥尾崎完司
出願日 1999年3月9日 (21年11ヶ月経過) 出願番号 1999-061410
公開日 2000年9月19日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 2000-256945
状態 特許登録済
技術分野 編地
主要キーワード 判定数値 発明図 起毛素材 ポリエステル編地 凹凸外観 断面モデル 引きつれ シリンダー側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年9月19日)のものです。
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図面 (16)

課題

軽量嵩高性を損なうことなく抗毛羽抜け性、抗ピリング性に優れ、衣料用および裏地などの資材用に適した起毛両面丸編地低コストで提供する。

解決手段

起毛用糸押さえ糸地組織糸または起毛用糸、押さえ糸から構成されるリバーシブル両面丸編地からなり、片面を形成する起毛用糸によるニット編目の内側に押さえ糸ニット編目を相似形状の二重ニット編目に形成させ、該起毛用糸が他面を形成するニット編目へタック編目にて接結され、かつ、起毛用糸によるニット編目形成面の少なくとも一面が起毛されていることを特徴とする起毛両面丸編地。

概要

背景

従来から起毛丸編地は、片面起毛丸編地と両面起毛丸編地の2素材があり、いずれもその保温性の高さから向けの衣料用素材資材用素材として多く使用されている。たとえば中厚地の起毛丸編地は、婦人、紳士、子供服用アウター用素材などとして、また、スポーツ用素材としてウオームアップスーツ、スェットスーツ、トレーナー用素材などとして、あるいは防寒作業服裏地用素材などとして多く使用されている。

一方、薄地の起毛丸編地は肌着ポロシャツ用素材等として、あるいはコートの裏地用素材等として多く使用されている。

これらの起毛素材を得るために、一般的には丸編地を染色した後、起毛工程とシャーリング工程を通す。

起毛工程は、直線状または状の針で生地表面を構成している繊維を切断させながら毛羽として引き出すものであり、針金起毛機あざみ起毛機の両者がある。起毛回数は生地種、素材などにより一定していないが、片面を起毛するのに7〜10回行い、その後、シャーリング工程を通す。

シャーリング工程は、螺旋刃を持ったローラにより、起毛した生地の毛羽長さを一様に切り揃え外観をよくするために行う工程であり、通常5〜6回繰り返して毛羽長さを整える。

起毛品はこのような工程を何度も通すことから生地コストが非常に高くなるという問題点を持っている。

また、起毛工程は、前述したように針で生地表面を構成している繊維を切断させながら毛羽として引き出すものであることから、織物に比べ組織拘束力の弱い編地の場合、着用による毛羽の脱落にともないムラ状外観の発生、および、シャーリング工程を通し毛羽長さをある程度一定に揃えるものの、着用とともに毛羽長さが不揃いとなることからピリングが発生し、品位を低下させるという基本的な問題点を持っている。

このようなことから、低コストで品位・物性的にも安定した起毛丸編地がいまだ提案されていないのが実状である。

概要

軽量嵩高性を損なうことなく抗毛羽抜け性、抗ピリング性に優れ、衣料用および裏地などの資材用に適した起毛両面丸編地を低コストで提供する。

起毛用糸押さえ糸地組織糸または起毛用糸、押さえ糸から構成されるリバーシブル両面丸編地からなり、片面を形成する起毛用糸によるニット編目の内側に押さえ糸ニット編目を相似形状の二重ニット編目に形成させ、該起毛用糸が他面を形成するニット編目へタック編目にて接結され、かつ、起毛用糸によるニット編目形成面の少なくとも一面が起毛されていることを特徴とする起毛両面丸編地。

目的

本発明の課題は、かかる従来の起毛丸編地の問題点を解決し、起毛品としての軽量嵩高性と保温性を保持しながら、品位・物性的にも優れ、かつ、効率的に低コストで製造可能な衣料・資材用の起毛両面丸編地を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

起毛用糸押さえ糸地組織糸または起毛用糸、押さえ糸から構成されるリバーシブル両面丸編地からなり、片面を形成する起毛用糸によるニット編目の内側に押さえ糸ニット編目を相似形状の二重ニット編目に形成させ、該起毛用糸が他面を形成するニット編目へタック編目にて接結され、かつ、起毛用糸によるニット編目形成面の少なくとも一面が起毛されていることを特徴とする起毛両面丸編地。

請求項2

起毛用糸によるニット編目形成面が起毛され、他面が地組織糸によりニットタックウエルトの少なくとも2種の編目形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の起毛両面丸編地。

技術分野

0001

本発明は、起毛両面丸編地に関するものである。さらに詳しくは、両面丸編地でありながら易起毛性に優れ、かつ、起毛毛羽が抜けにくく、抗ピリング性等の物性にも優れた起毛両面丸編地に関するものである。

背景技術

0002

従来から起毛丸編地は、片面起毛丸編地と両面起毛丸編地の2素材があり、いずれもその保温性の高さから向けの衣料用素材資材用素材として多く使用されている。たとえば中厚地の起毛丸編地は、婦人、紳士、子供服用アウター用素材などとして、また、スポーツ用素材としてウオームアップスーツ、スェットスーツ、トレーナー用素材などとして、あるいは防寒作業服裏地用素材などとして多く使用されている。

0003

一方、薄地の起毛丸編地は肌着ポロシャツ用素材等として、あるいはコートの裏地用素材等として多く使用されている。

0004

これらの起毛素材を得るために、一般的には丸編地を染色した後、起毛工程とシャーリング工程を通す。

0005

起毛工程は、直線状または状の針で生地表面を構成している繊維を切断させながら毛羽として引き出すものであり、針金起毛機あざみ起毛機の両者がある。起毛回数は生地種、素材などにより一定していないが、片面を起毛するのに7〜10回行い、その後、シャーリング工程を通す。

0006

シャーリング工程は、螺旋刃を持ったローラにより、起毛した生地の毛羽長さを一様に切り揃え外観をよくするために行う工程であり、通常5〜6回繰り返して毛羽長さを整える。

0007

起毛品はこのような工程を何度も通すことから生地コストが非常に高くなるという問題点を持っている。

0008

また、起毛工程は、前述したように針で生地表面を構成している繊維を切断させながら毛羽として引き出すものであることから、織物に比べ組織拘束力の弱い編地の場合、着用による毛羽の脱落にともないムラ状外観の発生、および、シャーリング工程を通し毛羽長さをある程度一定に揃えるものの、着用とともに毛羽長さが不揃いとなることからピリングが発生し、品位を低下させるという基本的な問題点を持っている。

0009

このようなことから、低コストで品位・物性的にも安定した起毛丸編地がいまだ提案されていないのが実状である。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の課題は、かかる従来の起毛丸編地の問題点を解決し、起毛品としての軽量嵩高性と保温性を保持しながら、品位・物性的にも優れ、かつ、効率的に低コストで製造可能な衣料・資材用の起毛両面丸編地を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するために、本発明の起毛両面丸編地は、起毛用糸押さえ糸地組織糸または起毛用糸、押さえ糸から構成されるリバーシブル両面丸編地からなり、片面を形成する起毛用糸によるニット編目の内側に押さえ糸ニット編目を相似形状の二重ニット編目に形成させ、該起毛用糸が他面を形成するニット編目へタック編目にて接結され、かつ、起毛用糸によるニット編目形成面の少なくとも一面が起毛されていることを特徴とするものからなる。

0012

また、本発明の起毛両面丸編地においては、起毛用糸によるニット編目形成面が起毛され、他面が地組織糸によりニットタックウエルトの少なくとも2種の編目形状に形成されていることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の起毛両面丸編地について、図面を用い従来の起毛丸編地と比較しながら詳細に説明する。なお図中、符号a〜fは編地片面(ダイヤル針面)1コースを形成させるに必要な編目、g〜lは編地他面(シリンダー針面)1コースを形成させるに必要な編目、イ〜ハは編地構成糸、D1〜D6は編成に必要なダイヤル編針、C1〜C6は編成に必要なシリンダー側編針、〜は編地表裏1コースを形成させるに必要な編機給糸番号を示す。

0014

図1〜6は、本発明における起毛前・後のコース方向編地断面モデル図の例であり、図11〜13はその各々に対応する編方図を示すものである。また図7〜10は、従来の丸編地における起毛前・後のコース方向編地断面モデル図の例であり、図14〜15はその各々に対応する編方図を示すものである。まず、従来からの代表的な起毛丸編地であるシンカーパイル起毛丸編地と通常の起毛両面丸編地の例について説明する。

0015

図7はシンカーパイル起毛丸編地の起毛前のコース方向編地断面モデル図を、図8はその起毛後のコース方向編地断面モデル図を示し、図14図7を形成させるための編方図のそれぞれの例である。これは特殊シングル丸編機よりなる編地に属し、ベースになる地組織糸イと起毛用糸でもあるパイル糸ハよりなり、地組織糸イをa〜fまでニットさせた平編にし、同時にパイル糸ハを添え糸編しながら裏側にできるシンカーループg〜lを特別なシンカー装置により長く引き出して図7のような片面パイル状に編成する。

0016

図14における給糸口は特殊給糸口であり、地組織糸イと起毛用糸でもあるパイル糸ハの2種類の糸が同時に給糸される。また給糸口ものみの1給糸で編成され基本的な1コースを形成させる。

0017

図7のパイル状の編地片面を起毛工程とシャーリング工程を通すことにより図8のような片面起毛シングル丸編地となる。

0018

この片面起毛シングル丸編地は、地組織糸イにパイル糸ハを添え糸編みしながら裏側にできた長いシンカーループg〜lを起毛させるものであるが、形態安定性に乏しいシングル丸編地であること、また起毛用糸でもあるパイル糸ハに対し地組織糸イの拘束力が弱いため、安定した起毛加工が困難であり、起毛しない他面にも引きつれ現象などで品位が低下する。一方、地組織糸イの拘束力の弱さから着用中における毛羽の脱落、ピリングの発生等と品位・物性とも非常に不安定なものである。

0019

起毛工程における起毛回数も7回以上、シャーリング工程におけるシャーリング回数も5回以上必要であり、コストも高いものとなる。さらに、近年は同一ベース生地の両面を起毛したものも多く生産されているが、物性のさらなる低下とコストが著しく増大する。

0020

次に通常の起毛両面丸編地の例について説明する。図9は両面丸編地フライス組織の起毛前のコース方向編地断面モデル図を、図10はその起毛後のコース方向編地断面モデル図を示し、図15図9を形成させるための編方図のそれぞれの例である。これは通常に用いられる丸編機編組織であり、ベースになる地組織糸イのみからなり、地組織糸イをa〜fまでとg〜kまでを交互にニット編目で連結させ編成する。

0021

図15における給糸口は通常の給糸口であり、地組織糸イに対する給糸口ものみの1給糸で編成され基本的な1コースを形成させる。

0022

図9のa〜fの一面、またはg〜kの一面を起毛工程とシャーリング工程を通すことにより図10のような片面起毛両面丸編地となる。この片面起毛両面丸編地は、地組織糸イのみを起毛させるもであるが、専用の起毛用糸がないこと、および押さえ糸がないことなどから、起毛がしにくく、起毛しない他面にも引きつれ現象を発生させ品位が低下する。また起毛後の毛羽の不安定さから着用中における毛羽の脱落、ピリングの発生などと品位・物性とも劣るものである。

0023

起毛工程における起毛回数も7回以上、シャーリング工程におけるシャーリング回数も5回以上必要であり、コストも高いものとなる。さらに、同一ベース生地の両面を起毛したものも多く生産されているが、前述の片面起毛シングル丸編地以上に物性のさらなる低下とコストが著しく増大する。

0024

次に、本発明についての例である図1〜6および図11〜13について説明する。図1図2および図11は本発明の片面起毛両面丸編地における基本編形態を示し、図1は起毛前の編地断面モデル図を、図2は起毛後の編地断面モデル図を、図11図1の編方図を示すものである。

0025

即ち、図1において地組織糸イ、起毛用糸ハを拘束するための押さえ糸ロ、起毛用糸ハの3種類の構成糸からなり、地組織糸イはニット編目によりa、b、c、d、e、fで片面の1コースを形成する。押さえ糸ロはニット編目によりg、h、i、j、kで他面の1コースを形成する。起毛用糸ハは押さえ糸ロのニット編目g、h、i、j、kの各々の外側に相似形状にニットされ二重ニット編目に形成されると同時に、この起毛用糸ハは地組織糸イによるニット編目a、b、c、d、e、fへタック編目にて各々接結されてリバーシブル編地構造となる。これに対応する編方図である図11において、押さえ糸ロによる片面1コースを形成させる給糸口と、起毛用糸ハによる起毛用編目を形成させる給糸口、および、地組織糸イによる他面1コースを形成させる給糸口の計3給糸口によって編成される。

0026

このとき編機のカム形状を、給糸口におけるシリンダー針C1〜C5を完全なニットクリア位置をとらせないで上下させるカムの特殊形状と糸を針配列の定位置へ安定して供給する特殊給糸口形状とすることで本発明のポイントである図1における起毛用糸ハによるニット編目の内側に押さえ糸ロによるニット編目を相似形状の二重ニット編目g〜kとして安定して容易に形成させることができる。図2は、図1の起毛用糸編目g〜kの面を起毛した編地断面モデル図を示すものであるが、起毛工程を通すことにより、起毛機の直線状または鈎状の針で生地片面を構成している起毛用糸編目g〜kの糸の繊維を切断させながら引き出し毛羽を形成する。同時に起毛用糸ハを引き出す力により、図1の地組織糸イで構成されるa〜f面と押さえ糸ロで構成されるg〜k面のコース間隔とウエル間隔の各々が絞られ縮小される。この結果、起毛用糸ハは地組織糸イと押さえ糸ロの双方により強く固定され安定することになる。

0027

このことにより、起毛工程の安定した通過性と起毛回数の少数化、シャーリング工程の安定した通過性とシャーリング回数の少数化により低コスト化が達成できる。また起毛毛羽が動き難いために、毛羽の脱落が少なく、ピリングの発生も抑えることができ、着用における品位面でも優れたものとなる。

0028

着用においては、ウエアの裏側に起毛面、表側に地組織糸イで形成される非起毛面を、あるいはこの逆にするなど、何等限定されるものではない。

0029

また図3図4図12は本発明の片面起毛両面丸編地における別の実施態様を示す編地断面モデル図と編方図の例であり、非起毛面が凹凸外観変化、起毛面がストライプ調外観起毛となる例である。図3は起毛前の編地断面モデル図を、図4は起毛後の編地断面モデル図を、図12図3の編方図を示すものである。

0030

即ち、図3において地組織糸イ、起毛用糸ハを拘束するための押さえ糸ロ、起毛用糸ハの3種類の構成糸からなり、地組織糸イはa、c、eのニット編目とb、d、fのタック編目の1編目交互に配置され片面の1コースを形成する。押さえ糸ロはニット編目によりg、h、i、j、kで他面の1コースを形成する。起毛用糸ハは押さえ糸ロのニット編目g、i、kの1編目交互各々の外側に相似形状にニットされ二重ニット編目に形成されると同時に、この起毛用糸ハは地組織糸イによるニット編目a、c、eへタック編目にて1編目交互各々に接結されてリバーシブル編地構造となる。

0031

これに対応する編方図である図12において、押さえ糸ロによる片面1コースを形成させる給糸口と、起毛用糸ハによる起毛用編目を形成させる給糸口、および、地組織糸イによる他面1コースを形成させる給糸口、の計4給糸口によって編成される。

0032

起毛工程を通すことにより、図4に示すように起毛用糸ハによる編目g、i、kが起毛されストライプ調外観起毛となる。また、起毛用糸ハによるニット編目列を1編目飛ばし、2編目飛ばし、3編目飛ばし、あるいはコース別に起毛用糸を適宜配置させることにより、幅の変化したストライプ調外観起毛、あるいは格子調外観起毛など幅広い外観を持った起毛が可能である。

0033

一方、地組織糸イで形成される非起毛面は、地組織糸イによりニット、タック、ウエルトの少なくとも2種を適宜組み合わせた編目形状に編成することにより、編地表面変化もプレーン調から鹿の子調、ツイル調、ストライプ調、ヘリンボーン調、バスケット調など多彩に取れ、幅広い組織変化が可能である。

0034

図5図6および図13は本発明の両面起毛丸編地における基本編形態を示し、図5は起毛前の編地断面モデル図を、図6は起毛後の編地断面モデル図を、図13図5の編方図を示すものである。

0035

即ち、図5において起毛用糸ハ1、ハ2を拘束するための押さえ糸ロ1とロ2、起毛用糸ハ1とハ2の4種類の構成糸からなり、地組織糸は使用しない。押さえ糸ロ2はニット編目によりa、b、c、d、e、fで片面の1コースを形成する。押さえ糸ロ1は同様にニット編目によりg、h、i、j、kで他面の1コースを形成する。起毛用糸ハ1は押さえ糸ロ1のニット編目g、h、i、j、kの各々の外側に相似形状にニットされ二重ニット編目に形成されると同時に、この起毛用糸ハ1は押さえ糸ロ2によるニット編目a、b、c、d、e、fへタック編目にて各々接結される。また、起毛用糸ハ2は押さえ糸ロ2のニット編目a、b、c、d、e、fの各々の外側に相似形状にニットされ二重ニット編目に形成されると同時に、この起毛用糸ハ2は押さえ糸ロ1によるニット編目g、h、i、j、kへタック編目にて各々接結され、片面起毛用糸ハ1、他面起毛用糸ハ2による編目で形成されたリバーシブル編地構造となる。

0036

これに対応する編方図である図13において、押さえ糸ロ1による片面1コースを形成させる給糸口と、起毛用糸ハ1による起毛用編目を形成させる給糸口、および、押さえ糸ロ2による他面1コースを形成させる給糸口、起毛用糸ハ2による起毛用編目を形成させる給糸口の計4給糸口によって編成される。

0037

このとき編機のカム形状を、給糸口におけるシリンダー針C1〜C5と給糸口におけるダイヤル針D1〜D6を完全なニットクリア位置をとらせないで上下・前後させる特殊形状と糸を針配列の定位置へ安定して供給する特殊給糸口形状とすることで本発明のポイントである図5における起毛用糸ハ1およびハ2によるニット編目の内側に押さえ糸ロ1およびロ2によるニット編目を相似形状の二重ニット編目g〜kおよびa〜fとして安定して容易に形成させることができる。

0038

図6には図5の起毛用糸編目g〜kとa〜fの両面を起毛した編地断面モデル図を示し、起毛工程を両面通すことにより、起毛用糸編目g〜kとa〜fの糸の繊維を切断させながら引き出し毛羽を形成する。同時に起毛用糸ハ1、ハ2を引き出す力により、図5の押さえ糸ロ2で構成されるa〜f面と押さえ糸ロ1で構成されるg〜k面のコース間隔とウエル間隔の各々が絞られ縮小される。この結果、起毛用糸ハ1とハ2は押さえ糸ロ1とロ2の双方により強く固定され安定することになる。

0039

また両面起毛のため嵩高性と保温性が高く、毛羽の脱落が少なく、ピリングの発生も抑えることができ、秋冬向け素材として最適なものとなる。

0040

本発明において、起毛用糸、押さえ糸、地組織糸の素材種も限定されることはなく、合成繊維マルチフィラメント糸や仮撚加工糸および紡績糸天然繊維使いの紡績糸や合成繊維との混紡糸など適宜使用でき、各々を100%使いもしくは他の糸と交編してもよい。

0041

特に、押さえ糸に合成繊維仮撚加工糸を使用することにより、そのストレッチ特性から起毛用糸をより強く拘束させ安定した起毛加工性、および毛羽脱落とピリング発生を抑えることができる点で好ましい。特にストレッチを要求される用途の場合は、芯にポリウレタン弾性糸に通常の合成繊維フィラメント糸カバーリングした糸を押さえ糸に使用することで達成でき好ましい。

0042

また、起毛用糸に単繊維繊度の細い繊維からなる合成繊維のマルチフィラメント糸や仮撚加工糸、または紡績糸を使用することにより、より起毛加工がし易く、かつ肌触りの点からも好ましい。

0043

また、本発明では起毛用糸、押さえ糸、地組織糸の太さも特に限定されず、編機のゲージによって異なるものの、20ゲージの両面丸編機の場合、一本の糸として30デニールから500デニール程度まで使用できる。特に地組織糸に太い糸と細い糸を組み合わせることにより、編地の表面変化がより大きく広がることになる点で好ましい。

0044

後加工でポイントとなる起毛加工工程とシャーリング加工工程は、従来品の加工工程と同じ工程でよく特に限定されない。本発明は前述した生地構造から起毛品としての嵩高性を損なうことなく、起毛加工回数とシャーリング加工回数が従来品に比べ1/2以下程度と合理化でき効率的に低コストで高品位・高物性のものが製造できる。

0045

また、染色段階での付帯後加工として、吸汗加工、吸湿加工撥水加工防汚加工抗菌加工消臭加工防臭加工難燃加工防風加工、近赤外線吸収加工など用途と要求特性に応じて適宜付与することが好ましい。

0046

本発明の起毛両面丸編地は、適宜選択することにより、シャツ地用途である薄地分野から防寒着用途の中厚地分野までの生地展開が可能であり、次のように幅広い分野に展開可能である。例えば、衣料用としては婦人・紳士・子供向けアウターウエア類のシャツパンツワンピース、スーツ、ジャケット、コートなど、スポーツウエア類のトレーニングウエア、ウォームアップスーツ、スェットスーツ、トレーナー、競技シャツ・パンツ、テニスシャツ、ゴルフシャツサイクルシャツ、アウトドア向けシャツ、ブルゾン、ジャケット、パーカーなど、ユニフォーム類のワーキングユニフォーム、オフィスユニフォーム、防寒着など、インナーウエア類の肌着などに好ましく使用できる。

0047

また衣料用資材類としては裏地などに好ましく使用できる。その他、帽子靴材手袋シーツなどにも使用可能である。

0048

以下、本発明を実施例を用いて説明するが、実施例における各評価は次のとおり行うものとする。

0049

(1)嵩高度:次式により得られるものとする。
嵩高度(cm3 /g)=t/w×1000
ここで、t:編地の厚さ(mm)、w:編地の重さ(g/m2 )を意味し、数値が大きい程、嵩高性がありボリューム感富むことを示す。本発明において、従来品並から以上を合格とする。

0050

(2)ピリング:JIS L 1076「織物および編物のピリング試験方法」A法(ICI試験機法、5時間)により得られるものとする。
判定数値(級)とピリング発生程度は次の判定に基づく。
5級:ピリングの発生がほとんどないもの
4級:ピリングの発生が少々あるもの
3級:ピリングの発生があるもの
2級:ピリングの発生が多いもの
1級:ピリングの発生が著しく多いもの
本発明において、3級以上を合格とする。

0051

(3)着用評価結果は、パーカーを試作し、15名による1ヶ月間の着用後、起毛面の毛羽抜け程度とピリング発生程度を次のように視覚判定した。
<毛羽抜け程度>
○:毛羽抜けがほとんど見られないもの
△:毛羽抜けがあるもの
×:毛羽抜けが著しいもの
<ピリング発生程度>
○:ピリングの発生がほとんどないもの
△:ピリングの発生があるもの
×:ピリングの発生が著しく多いもの

0052

(4)起毛回数:起毛面の片面のみの起毛回数を示す。

0053

(5)シャーリング回数:起毛面の片面のみのシャーリング回数を示す。いずれも回数の少ない方が良い。

0054

(6)総合評価:次のように表示した。
○:起毛品として優れている
×:起毛品として劣っている

0055

[実施例1]20Gの両面丸編機にて、地組織糸イとしてポリエステル100デニール48フィラメントの仮撚加工糸を、押さえ糸ロとしてポリエステル75デニール36フィラメントの仮撚加工糸を、起毛用糸ハとしてポリエステル75デニール72フィラメントの仮撚加工糸を用い、図11の編方図の給糸口、、各々に給糸し、図1の編地断面モデル図で表される目付170g/m2 の片面フラットタイプの編地を編成した。

0056

この生機を通常のポリエステル編地染色加工法に従い、リラックス精錬、染色を行った後、従来品と同様の起毛工程とシャーリング工程、および最終の仕上げセット工程を通し目付187g/m2 の図2の編地断面モデル図に示す片面起毛編地を得た。

0057

得られた編地は厚さ1.65mm、嵩高度は8.82cm3 /gであった。また、ピリングICI法3−4級、着用1ヶ月後の起毛面毛羽抜け程度、およびピリング発生程度もほとんど無く良好なものであった。

0058

起毛工程における起毛回数4回、シャーリング工程におけるシャーリング回数2回と通常起毛品の1/2以下であり、物性、品位、工程回数削減による低コスト化を含め、起毛品として優れているものであった。詳細結果を表1に示す。

0059

[実施例2]実施例1と同じ丸編機を用い、地組織糸イとしてポリエステル150デニール48フィラメントの仮撚加工糸を、押さえ糸ロとしてポリエステル75デニール36フィラメントの仮撚加工糸を、起毛用糸ハとしてポリエステル100デニール96フィラメントの仮撚加工糸を用い、図12の編方図の給糸口、、、各々に給糸し、図3の編地断面モデル図で表される目付272g/m2 の片面鹿の子タイプの編地を編成した。

0060

この生機を実施例1と同様の染色加工法、および起毛工程、シャーリング工程、最終の仕上げセット工程を通し目付292g/m2 の図4の編地断面モデル図に示す起毛面ストライプ調の片面起毛編地を得た。

0061

得られた編地は厚さ2.32mm、嵩高度は7.95cm3 /gであった。また、ピリングICI法3−4級、着用1ヶ月後の起毛面毛羽抜け程度、およびピリング発生程度もほとんど無く良好なものであった。

0062

起毛工程における起毛回数4回、シャーリング工程におけるシャーリング回数2回と通常起毛品の1/2以下であり、物性、品位、工程回数削減による低コスト化を含め、実施例1と同様に起毛品として優れているものであった。詳細結果を表1に併せて示す。

0063

[実施例3]実施例1と同じ丸編機を用い、押さえ糸ロ1としてポリエステル75デニール36フィラメントの仮撚加工糸を、押さえ糸ロ2として同一のポリエステル75デニール36フィラメントの仮撚加工糸を、起毛用糸ハ1としてポリエステル50%/ウール混紡糸1/48を、起毛用糸ハ2として同一のポリエステル50%/ウール混紡糸1/48を用い、図13の編方図の給糸口、、、各々に給糸し、図5の編地断面モデル図で表される目付250g/m2 の両面フラットタイプの編地を編成した。

0064

この生機を通常のポリエステル/ウール混編地と同様の染色加工法、および編地両面に対する起毛工程、シャーリング工程、最終の仕上げセット工程を通し目付284g/m2 の図6の編地断面モデル図に示す両面起毛編地を得た。

0065

得られた編地は厚さ2.42mm、嵩高度は8.52cm3 /gであった。また、ピリングICI法は両面共3−4級、着用1ヶ月後の起毛面毛羽抜け程度、およびピリング発生程度も両面共ほとんど無く良好なものであった。

0066

起毛工程における片面起毛回数3回、シャーリング工程における片面シャーリング回数2回と通常起毛品の1/2以下であり、物性、品位、工程回数削減による低コスト化を含め、実施例1と同様に起毛品として優れているものであった。詳細結果を表1に併せて示す。

0067

[比較例1]24Gのシンカーパイル丸編機にて、地組織糸イとしてポリエステル150デニール48フィラメントの仮撚加工糸を、起毛用糸ハとしてポリエステル50%/ウール混紡糸1/48を用い、図14の編方図の給糸口に各々給糸し、図7の編地断面モデル図で表される目付235g/m2 の片面パイル編地を編成した。

0068

この生機を通常のポリエステル/ウール混編地の染色加工法、および起毛工程とシャーリング工程、最終の仕上げセット工程を通し目付280g/m2 の図8の編地断面モデル図に示す片面起毛編地を得た。

0069

得られた編地は厚さ2.00mm、嵩高度は7.17cm3 /gであった。物性、品位的には、ピリングICI法1−2級、また着用1ヶ月後の起毛面毛羽抜け程度とピリング発生程度は著しいものであった。

0070

起毛工程における起毛回数8回、シャーリング工程におけるシャーリング回数5回と通常起毛品並であり、物性、品位、工程回数的にも起毛品として劣っているものであった。詳細結果を表1に併せて示す。

0071

[比較例2]実施例1と同一の丸編機を用い、地組織糸イとしてポリエステル150デニール144フィラメントの仮撚加工糸を用い、図15の編方図の給糸口に給糸し、図9の編地断面モデル図で表される目付185g/m2 のフライス組織の編地を編成した。

0072

この生機を実施例1と同様の染色加工法、および起毛工程、シャーリング工程、最終の仕上げセット工程を通し目付210g/m2 の図10の編地断面モデル図に示す片面起毛編地を得た。

0073

得られた編地は厚さ1.47mm、嵩高度は7.00cm3 /gであった。物性、品位的には、ピリングICI法1−2級、また着用1ヶ月後の起毛面毛羽抜け程度が多く、ピリング発生程度も著しいものであった。

0074

起毛工程における起毛回数9回、シャーリング工程におけるシャーリング回数6回と通常起毛品並であり、物性、品位、工程回数的にも起毛品として劣っているものであった。詳細結果を表1に併せて示す。

0075

発明の効果

0076

本発明の起毛両面丸編地は、従来の起毛丸編地に比べ、同等以上の嵩高性を持ちながら抗毛羽抜け性、抗ピリング性に優れ、かつ起毛工程回数とシャーリング工程を削減できることから、品位と物性を満足しながら低コストで製造可能である。

図面の簡単な説明

0077

図1本発明の片面起毛用両面丸編地の起毛前の一例を示す編地断面モデル図である。
図2発明図1の片面起毛用両面丸編地の起毛後の一例を示す編地断面モデル図である。
図3本発明のその他の片面起毛用両面丸編地の起毛前の一例を示す編地断面モデル図である。
図4本発明図3の片面起毛用両面丸編地の起毛後の一例を示す編地断面モデル図である。
図5本発明の両面起毛用両面丸編地の起毛前の一例を示す編地断面モデル図である。
図6本発明図5の両面起毛用両面丸編地の起毛後の一例を示す編地断面モデル図である。
図7従来品である片面起毛用シンカーパイル丸編地の起毛前の一例を示す編地断面モデル図である。
図8従来品図7の片面起毛用シンカーパイル丸編地の起毛後の一例を示す編地断面モデル図である。
図9従来品であるその他の片面起毛用両面丸編地の起毛前の一例を示す編地断面モデル図である。
図10従来品図9の片面起毛用両面丸編地の起毛後の一例を示す編地断面モデル図である。
図11図1の編地の編方図である。
図12図3の編地の編方図である。
図13図5の編地の編方図である。
図14図7の編地の編方図である。
図15図9の編地の編方図である。

--

0078

a〜f編地片面ダイヤル編針側の編目
g〜l 編地片面シリンダー編針側の編目
D1〜D6 ダイヤル側編針
C1〜C6シリンダー側編針
〜編機の給糸口NO
イ地組織糸
ロ、ロ1、ロ2押さえ糸
ハ、ハ1、ハ2起毛用糸

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