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技術 排水の処理方法

出願人 株式会社日本触媒
発明者 塩田祐介三宅純一
出願日 2000年1月7日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2000-005992
公開日 2000年9月19日 (19年6ヶ月経過) 公開番号 2000-254644
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離 酸化・還元による水処理
主要キーワード 液面状態 アンモニア含有液 圧力コントローラー 造水技術 被酸化物 産業プラント バブリング処理 供給液量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年9月19日)のものです。
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図面 (6)

課題

排水を酸化処理した後、逆浸透膜によって有機物等の被酸化物含有処理水と被酸化物をほとんど含まない処理水とに分離することを可能にする排水の処理方法を提供すること。

解決手段

本発明の排水の処理方法とは、排水を酸化処理および/または分解処理に付する酸化処理工程と、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて被酸化物を含有する非透過液と被酸化物をほとんど含有しない透過液とに分離することを特徴とする排水の処理方法。

概要

背景

従来より排水を処理する一手段として、酸化処理により排水中の有機物窒素化合物などを酸化・分解する方法が実施されているが、難分解性有機物や窒素化合物は十分に酸化・分解処理することができなかった。例えば湿式酸化処理を用いた場合、湿式酸化処理した排水を、逆浸透膜を用いて濃縮し、この濃縮液を再度湿式酸化処理することによって浄化作用の向上を図る方法が提案されている。この様な方法として例えば特開平1−262993号には、反応塔でのNOx−N生成の抑制を目的として排水を湿式酸化処理し、処理後の排水中の酸成分を逆浸透膜を用いて濃縮し、この濃縮液(非透過液)を更に酸化工程に付すべく排水に混合して、排水のpHが7となる様に調整する方法が提案されている。しかしながら酸成分を濃縮するこの方法で用いられている逆浸透膜では、pH1〜3の酸成分は逆浸透膜で濃縮することができるものの、酢酸はほとんど逆浸透膜を透過してしまう。このため透過液には酢酸等の被酸化物が含まれており、排水は十分に浄化されていなかった。

また「触媒を用いた湿式酸化方法による排水再生利用技術開発」(造水技術,Vol.16,No.3、P13−24(1990))には、排水を湿式酸化処理して得られた処理水を、ポリエーテル系、ポリビニルアルコール系の逆浸透膜を用いて処理する方法が記載されているが、ポリエチレンオキサイド系やポリエチレンイミン系等を含むポリエチレン系、酢酸セルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリエーテル系などの逆浸透膜は、分子量が100以上の酸成分に対しては高い分離性能排除率)を呈すものの、分子量100未満の酸成分に対する排除率は低く、分子量が小さい酢酸等の有機酸を十分に捕捉することができない。そのため、透過液を更にメタン醗酵などの浄化工程に付して酢酸等を処理する必要があった。

概要

排水を酸化処理した後、逆浸透膜によって有機物等の被酸化物含有処理水と被酸化物をほとんど含まない処理水とに分離することを可能にする排水の処理方法を提供すること。

本発明の排水の処理方法とは、排水を酸化処理および/または分解処理に付する酸化処理工程と、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて被酸化物を含有する非透過液と被酸化物をほとんど含有しない透過液とに分離することを特徴とする排水の処理方法。

目的

本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、排水を酸化処理工程に付し、酸化および/または分解して得られた処理液を、逆浸透膜によって有機物等の被酸化物含有処理液と被酸化物をほとんど含まない処理液とに分離することを可能にする排水の処理方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物含有排水を、酸化処理工程に付して排水を処理する方法において、該酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて非透過液透過液に分離することを特徴とする排水の処理方法

請求項2

前記非透過液の全部または一部を前記排水と共に酸化処理工程に付す請求項1に記載の方法。

請求項3

前記非透過液の全部または一部を有機酸および/またはアンモニア回収工程に付す請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記逆浸透膜で処理される処理液のpHを4以上とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。

請求項5

前記逆浸透膜がポリアミド複合膜である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

請求項6

前記酸化処理工程を加熱、加圧下で行う湿式酸化処理である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。

請求項7

前記非透過液が有機酸および/またはアンモニア含有液である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。

請求項8

前記酸化処理工程を経て得られた処理液の一部および/または前記透過液の一部または全部を、前記排水と共に酸化処理工程に付す請求項1〜7のいずれかに記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、排水を浄化処理する方法に関するものである。詳細には炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物が含まれている排水を、酸化処理工程と逆浸透膜処理工程を組合せて効率よく処理する方法に関するものである。

背景技術

0002

従来より排水を処理する一手段として、酸化処理により排水中の有機物や窒素化合物などを酸化・分解する方法が実施されているが、難分解性有機物や窒素化合物は十分に酸化・分解処理することができなかった。例えば湿式酸化処理を用いた場合、湿式酸化処理した排水を、逆浸透膜を用いて濃縮し、この濃縮液を再度湿式酸化処理することによって浄化作用の向上を図る方法が提案されている。この様な方法として例えば特開平1−262993号には、反応塔でのNOx−N生成の抑制を目的として排水を湿式酸化処理し、処理後の排水中の酸成分を逆浸透膜を用いて濃縮し、この濃縮液(非透過液)を更に酸化工程に付すべく排水に混合して、排水のpHが7となる様に調整する方法が提案されている。しかしながら酸成分を濃縮するこの方法で用いられている逆浸透膜では、pH1〜3の酸成分は逆浸透膜で濃縮することができるものの、酢酸はほとんど逆浸透膜を透過してしまう。このため透過液には酢酸等の被酸化物が含まれており、排水は十分に浄化されていなかった。

0003

また「触媒を用いた湿式酸化方法による排水再生利用技術開発」(造水技術,Vol.16,No.3、P13−24(1990))には、排水を湿式酸化処理して得られた処理水を、ポリエーテル系、ポリビニルアルコール系の逆浸透膜を用いて処理する方法が記載されているが、ポリエチレンオキサイド系やポリエチレンイミン系等を含むポリエチレン系、酢酸セルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリエーテル系などの逆浸透膜は、分子量が100以上の酸成分に対しては高い分離性能排除率)を呈すものの、分子量100未満の酸成分に対する排除率は低く、分子量が小さい酢酸等の有機酸を十分に捕捉することができない。そのため、透過液を更にメタン醗酵などの浄化工程に付して酢酸等を処理する必要があった。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、排水を酸化処理工程に付し、酸化および/または分解して得られた処理液を、逆浸透膜によって有機物等の被酸化物含有処理液と被酸化物をほとんど含まない処理液とに分離することを可能にする排水の処理方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決し得た本発明の排水の処理方法とは、炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物含有排水を、酸化および/または分解する酸化処理工程に付して処理する方法において、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて逆浸透膜非透過液と逆浸透膜透過液とに分離することに要旨を有する。

0006

この際、該非透過液の全部または一部を前記排水と共に酸化処理工程に付してもよく、あるいは該非透過液の全部または一部を有機酸および/またはアンモニア回収工程に付してもよい。この時、逆浸透膜で処理される処理液のpHを4以上とすることが推奨される。

0007

本発明では逆浸透膜としてポリアミド複合膜を用いることが推奨される。

0008

また本発明では、酸化処理工程として湿式酸化処理を採用することが好ましく、該湿式酸化処理を加熱,加圧下で行うことが望ましい。

0009

本発明の方法によって得られる非透過液には有機酸,アンモニアのうち1種以上が含まれており、また該非透過液に含まれているこれらの有効成分は回収工程に付すことができる。

0010

更に酸化処理工程を経て得られた処理液の一部および/または透過液の一部または全部を、前記排水と共に酸化処理工程に付すことも有効である。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明者らは排水を浄化する方法について種々検討を重ねた結果、酸化処理工程後の処理液中に含まれる有機酸(酢酸等)やアンモニア等の被酸化物は、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理すれば、非透過液に濃縮して含ませることができ、また透過液は被酸化物をほとんど含まない高度に浄化された処理水となることを見出した。

0012

即ち本発明の処理方法では、排水、特に炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物を含有する排水を、酸化処理および/または分解処理(以下、「酸化・分解処理」と略記する。)に付する酸化処理工程と、酸化処理工程を経て得られた処理液を、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理し、非透過液中に有機酸および/またはアンモニアを濃縮するところに一つの特徴を有している。

0013

本発明で処理される排水の種類は特に限定されず、例えば化学プラント電子部品製造設備食品加工設備金属加工設備,金属めっき設備,印刷製版設備,写真設備等の各種産業プラントからの排水や、更に火力発電原子力発電などの発電設備などからの排水でもよく、要するに炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物が含まれている排水であれば全て包含される。具体的にはEOG製造設備,メタノールエタノール高級アルコールなどのアルコール製造設備からの排水、特にアクリル酸アクリル酸エステルメタクリル酸メタクリル酸エステルなどの脂肪族カルボン酸やそのエステル,或いはテレフタル酸,テレフタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸もしくは芳香族カルボン酸エステルの製造プロセスから排出される有機物含有排水が例示される。またアミンイミン,アンモニア,ヒドラジン等の窒素化合物を含有している排水でもよい。また下水し尿などの生活排水であってもよい。或いはダイオキシン類フロン類フタル酸ジエチルヘキシルノニルフェノールなどの有機ハロゲン化合物環境ホルモン化合物等の有害物質を含有している排水でも良い。

0014

また本発明で採用される酸化処理工程としては、例えば湿式酸化処理,超臨界酸化処理,オゾン酸化処理過酸化水素を用いた酸化処理,過塩素酸塩などを用いた酸化処理,亜硝酸を用いた酸化処理,紫外光を用いた酸化処理,電解を用いた酸化処理など、更には生物処理燃焼処理なども含まれるが、特に湿式酸化処理を用いることが推奨される。

0015

以下、図1処理装置を用いて排水を処理する方法について説明する。図1は酸化処理工程の一つとして湿式酸化処理を採用した場合の処理装置の一実施態様を示す概略図であるが、本発明で用いられる装置はこれに限定する趣旨では決してない。

0016

水供給源から供給される炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物を含有する排水は、排水供給ライン6を通して排水タンク18に供給される。また後述する非透過液は濃縮液返還ライン19を通して該排水タンク18に供給される場合があるが、非透過液は任意の位置で排水に供給して混合してもよく、また排水タンク18を設けなくてもよい。

0017

尚、酸化処理工程に付す排水は、予め逆浸透膜を用いて排水中に含まれる炭素数2以上の有機化合物および/または窒素化合物を非透過液に濃縮して含ませてもよく、この際、後述する湿式酸化処理後に用いられる高脱塩率を有する逆浸透膜を用いることができる。

0018

排水は排水タンク18から排水供給ポンプ5から加熱器3に送られる。この際の空間速度は特に限定されず、反応塔の処理能力によって適宜決定すればよいが、通常は、反応塔あたりの空間速度で0.1hr-1〜10hr-1,より好ましくは0.2hr-1〜5hr-1,更に好ましくは0.3hr-1〜3hr-1となるように調整することが推奨される。空間速度が0.1hr-1未満の場合、排水の処理量が低下して、過大な設備が必要となり、逆に10hr-1を超える場合には、反応塔内での排水の酸化・分解処理が不十分になる。

0019

本発明で用いることができる湿式酸化処理は酸素含有ガスの存在下、もしくは不存在下のいずれの条件でも行うことが出来るが、排水中の酸素濃度を高めると反応塔内での排水中の被酸化物の酸化・分解効率を向上させることができるので、排水に酸素含有ガス混入させることが望ましい。

0020

酸素含有ガスの存在下に処理を行う場合には、酸素含有ガスを酸素含有ガス供給ライン10から導入し、コンプレッサー9で昇圧した後、排水が加熱器3に供給される前に排水に混入することが望ましい。

0021

本発明で用いることの出来る酸素含有ガスとしては、酸素分子および/またはオゾンを含有するガスであれば特に限定されず、純酸素酸素富化ガス,空気等でもよく、あるいは過酸化水素水や他のプラントで生じた酸素含有ガスを利用してもよい。これらの中でも空気を用いることが経済的観点から推奨される。

0022

酸素含有ガスを供給する場合の供給量は特に限定されず、排水中の被酸化物を酸化・分解処理する能力を高めるのに有効な量を供給すればよい。酸素含有ガスの供給量は例えば、酸素含有ガス流量調節弁11を設けることによって供給量を適宜調節することが出来る。酸素含有ガスの供給量として好ましくは、排水中の被酸化物の理論酸素要求量の0.5〜5.0倍、より好ましくは0.7倍〜3.0倍の酸素量であることが推奨される。酸素含有ガスの供給量が0.5倍未満の場合は、被酸化物が十分に酸化・分解処理されずに湿式酸化処理を経て得られた処理液中に比較的多く残留し、逆浸透膜処理工程における逆浸透膜の負担が増大する。また5.0倍を超えて酸素を供給しても酸化・分解処理能力飽和する。

0023

尚、本発明において「理論酸素要求量」とは、排水中の被酸化物を窒素二酸化炭素,水,灰分にまで酸化および/または分解するのに必要な酸素量のことである。

0024

排水中の被酸化物の理論酸素要求量は、多くの場合、化学的酸素要求量COD(Cr))によっても求めることができる。

0025

次に加熱器3に送られた排水は予備加熱された後、反応塔1に供給される。反応塔内での排水の温度は他の条件にも影響されるが、370℃を超える温度に加熱されると、排水を液相状態に保持するのに高い圧力を加えなければならず、そのために設備の大型化,ランニングコストの上昇をもたらすので、加熱温度は好ましくは270℃以下,より好ましくは230℃以下,更に好ましくは170℃以下とすることが望ましい。一方、排水の温度が80℃未満では排水中の被酸化物の酸化・分解処理を効率的に行うことが困難になるので、好ましくは100℃以上,より好ましくは110℃以上に加熱することが望ましい。

0026

尚、排水を加熱する時期は特に限定されず、上述した通り予め加熱した排水を反応塔内に供給してもよいし、或いは、排水を反応塔内に供給した後に加熱してもよく、また蒸気などの熱源を排水に供給してもよい。

0027

尚、本発明で用いられる湿式酸化法において、反応塔の数,種類,形状等は特に限定されず、通常の湿式酸化処理に用いられる反応塔を単数又は複数組合せて用いることができ、例えば単管式の反応塔や多管式の反応塔などを用いることが出来る。また複数の反応塔を設置する場合、目的に応じて反応塔を直列または並列にするなど任意の配置とすることができる。

0028

排水の反応塔への供給方法としては、気液上向並流気液下向並流気液向流など種々の形態を用いることができ、またこれらの供給方法を2以上組合せても良い。

0029

反応塔内での処理に固体触媒を用いると、排水中に含まれる有機化合物や窒素化合物の酸化・分解処理効率を向上することができると共に、固体触媒を用いない場合に比べて、反応塔内の処理温度下げることができるので望ましい。本発明で用いることができる固体触媒は特に限定されないが、例えばマンガンコバルトニッケル,銅,セリウム,銀,白金パラジウムロジウム,金,イリジウムルテニウムの群から選ばれる少なくとも1種を含有する固体触媒が推奨される。これらの元素含有量は特に限定されないが、固体触媒中に好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは0.05〜10質量%の割合で含有されていることが望ましい。また固体触媒には、上記元素に加え、チタンジルコニウムアルミニウムケイ素,鉄,活性炭から選ばれる少なくとも1種以上を含有させることが望ましい。

0030

上記固体触媒の形状は特に限定されず、例えばペレット状,球状,粒状,リング状あるいはハニカム状等、任意の形状で用いることができる。

0031

湿式酸化処理を用いた場合、上記固体触媒を数種類用いてもよく、また複数の反応塔を用いる場合には、固体触媒を用いた反応塔と、固体触媒を用いない反応塔を組合せることもでき、固体触媒の使用方法は特に限定されるものではない。

0032

また、反応塔内にはこれらの固体触媒以外にも、気液の攪拌接触効率の向上,気液の偏流低減等を目的として、種々の充填物内作物などを組み込んでもよい。

0033

一方、排水を高温にしすぎると反応塔内で排水がガス状態となるため、触媒表面に有機物,無機物などが付着し、触媒の活性劣化することがある。従って高温下でも排水が液相を保持できるように反応塔内に圧力を加えることが推奨される。また湿式酸化処理装置排ガス出口側に圧力調整弁を設け、反応塔内で排水が液相を保持できるように処理温度に応じて圧力を適宜調節することが望ましい。例えば処理温度が80℃以上,95℃未満の場合には、大気圧下においても排水は液相状態であり、経済性の観点から大気圧下でもよいが、処理効率を向上させるためには加圧することが好ましい。また処理温度が95℃以上の場合、大気圧下では排水が気化することが多いため、処理温度が95℃以上,170℃未満の場合、0.2〜1MPa(Gauge)程度の圧力、処理温度が170℃以上,230℃未満の場合、1〜5MPa(Gauge)程度の圧力、また処理温度が230℃以上の場合、5MPa(Gauge)超の圧力を加え、排水が液相を保持できる様に圧力を制御することが望ましい。

0034

排水中の被酸化物は反応塔内で酸化・分解処理されるが、本発明において「酸化・分解処理」とは、酢酸を二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化炭素とメタンにする脱炭酸分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭素にする加水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素ガスと水にする酸化分解処理、ジメチルスルホキシドを二酸化炭素,水,硫酸イオンなどの灰分にする酸化及び酸化分解処理、ジメチルスルホキシドをジメチルスルホンメタンスルホン酸にする酸化処理などが例示され、即ち易分解性の被酸化物を窒素ガス,二酸化炭素,水,灰分などにまで分解する処理や、難分解性の有機化合物や窒素化合物を低分子量化する分解処理,若しくは酸化する酸化処理など種々の酸化および/または分解を含む意味である。

0035

尚、湿式酸化処理を経て得られた処理液中には、被酸化物のうち難分解性の有機化合物が低分子化されて残存していることが多く、低分子化された有機化合物としては低分子量の有機酸、特に酢酸が残留していることが多い。また排水中の被酸化物として窒素化合物が多い場合、湿式酸化処理を経て得られた処理液中にはアンモニアが残留していることが多く、特に固体触媒を用いずに湿式酸化処理を行うと、湿式酸化処理後の処理液中にアンモニアを多量に残存させることができる。

0036

反応塔で酸化・分解処理された排水は、処理液ライン12から取り出され、必要に応じて冷却器4で適度に冷却された後、気液分離器13によって気体液体に分離される。その際、液面コントローラーLCを用いて液面状態を検出し、液面制御弁15によって気液分離器内の液面が一定となるように制御することが望ましい。或いは酸化・分解処理された排水を冷却せずに、または図3に示す様に冷却器34である程度冷却した後に、圧力制御弁44を介して排出し、その後で、気液分離器43によって気体と液体に分離しても良い。

0037

ここで、気液分離器内の温度は、特に限定されないが、反応塔で酸化・分解処理された排水中には二酸化炭素が含有されているため、例えば気液分離器内の温度を高くして排水中の二酸化炭素を放出させたり、あるいは気液分離器で分離した後の液体を空気等のガスでバブリング処理して液体中の二酸化炭素を放出することが望ましい。

0038

気液分離器13で分離して得られた液体(処理液)は、次に高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理することにより被酸化物を含む非透過液と被酸化物をほとんど含まない透過液とに分離される。逆浸透膜に供給される処理液の温度は、逆浸透膜の耐久性を維持するために40℃以下であることが好ましい。処理液の温度制御には、処理液を気液分離器13に付す前に冷却器4を設けて冷却してもよく、あるいは気液分離後熱交換器(図示しない)や冷却器(図示しない)を設けて処理液を冷却してもよい。

0039

尚、本発明で用いられる湿式酸化処理を行うに当たり、加熱器及び冷却器には熱交換器を用いることもでき、これらを適宜組合せて使用することができる。

0040

また逆浸透膜に供される処理液はMF膜UF膜などの各種ろ過設備を使用し、予め固液分離処理を行ってから逆浸透膜で処理しても良い。

0041

本発明に係る排水の処理方法は、この様な湿式酸化処理や他の酸化処理を経て得られた処理液を高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理すると、処理液中に含まれる有機酸(酢酸など)および/または窒素化合物(アンモニアなど)等を非透過液中に捕捉,濃縮することができる。

0042

酸化処理工程を経て得られた処理液中に含まれる被酸化物は主として有機酸および/またはアンモニアであることが望ましく、好ましくはこれらが30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上の割合で処理液に含有されていることが望ましい。

0043

尚、処理液中に含まれる被酸化物量は、例えばTOD,ThOD,COD(Cr),COD(Mn),TOCBOD全窒素,あるいは特定成分測定値から算出することができる。

0044

本発明において「高脱塩率を有する逆浸透膜」とは、圧力1.47MPa(Gauge),pH6.5,温度25℃の条件下で0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)が98.0%以上,より好ましくは99.0%以上,更に好ましくは99.5%以上を示す逆浸透膜であって、且つ分子量100未満の有機酸、例えば酢酸に対して高い分離性能(排除率60%以上,好ましくは70%以上,更に好ましくは80%以上)を有する逆浸透膜を意味し、この様な逆浸透膜としては、例えば架橋ポリアミド系や芳香族ポリアミド系などを含むポリアミド系,脂肪族アミン縮合物系,複素ポリマー系の逆浸透膜が例示され、特に架橋ポリアミド系や芳香族ポリアミド系などのポリアミド系逆浸透膜は有機酸および/またはアンモニアに対する分離性が高いので推奨される。

0045

尚、酢酸セルロース系,ポリエチレン系,ポリビニルアルコール系,ポリエーテル系などの逆浸透膜の様に分子量100未満の有機酸、例えば酢酸に対して分離性能(排除率60%未満)が低い逆浸透膜は、高脱塩率を有していても好ましくない。

0046

逆浸透膜の膜形態としては、非対称膜,複合膜などの各種膜形態を用いることができるが、これらのうち特に複合膜が推奨され、本発明では逆浸透膜としてポリアミド系複合膜を用いることが推奨される。

0047

本発明で用いられる逆浸透膜の膜モジュールは特に限定されず、例えば平膜モジュール中空糸型モジュールスパイラル型モジュール円筒型モジュール,プリーツ型モジュールなどのいずれであってもよく、特にモジュールの膜面積が大きく、装置のコンパクト化に好適であるスパイラル型モジュールが望ましい。

0048

尚、逆浸透膜に供される処理液量は特に限定されず、湿式酸化処理を経て得られた処理液の全量または一部を逆浸透膜に付すことができる。

0049

酸化処理工程を経て得られた処理液を逆浸透膜によって非透過液と透過液とに分離(処理)する際に、処理液中に含まれる有機酸および/またはアンモニアが夫々有機酸塩アンモニウム塩であれば、逆浸透膜での分離性能が高まり、非透過液中に有機酸塩,アンモニウム塩等の被酸化物をより多く含有させることができ、また透過液は被酸化物をほとんど含んでおらず、高度に浄化されている。

0050

有機酸を塩にする方法としては、アルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンを添加することが望ましい。

0051

添加されたアルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンは、処理液中に含まれる有機酸とイオン結合して有機酸塩を形成し、分子サイズが大きくなるので逆浸透膜のこれら被酸化物に対する分離性能(排除率)が向上する。また有機酸はアルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンの添加によって負の電荷を有する様になり、負の電荷を有する逆浸透膜と静電反撥を起こし、逆浸透膜の分離性能が向上する。

0052

尚、図1ではアルカリ供給ライン8を設けて排水に添加しているが、アルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンの添加位置は特に限定されず、酸化処理工程後の処理液にアルカリ金属イオンおよび/またはアンモニウムイオンを添加してもよく、逆浸透膜に供される処理液に添加されていればよい。この際、処理液中に含まれる有機酸全量に対してアルカリ金属イオン及び/またはアンモニウムイオンの含有量が50モル%以上となる様に添加すると、逆浸透膜の分離性能を更に高めることができるので望ましい。

0053

またアンモニアを塩にする方法としては、有機酸および/または無機酸を添加することが好ましいが、有機酸は排水の浄化性を低下させるため、硫酸などの無機酸を添加することが望ましい。

0054

添加された有機酸および/または無機酸は、処理液中に含まれるアンモニアとイオン結合してアンモニウム塩を形成し、分子サイズが大きくなるので逆浸透膜のこれら被酸化物に対する分離性能が向上する。

0055

尚、有機酸および/または無機酸の添加位置は有機酸を塩にする場合と同様、特に限定されない。この際、処理液中に含まれるアルカリ成分全量に対して有機酸および/または無機酸を50モル%以上の含有量となる様に添加すると逆浸透膜の分離性能を更に高めることができる。

0056

また窒素化合物の酸化処理工程中に有機物が含まれていると、酸化・分解処理によって炭酸塩が生成し、アンモニアをアンモニウム塩にすることができる。

0057

尚、逆浸透膜で処理する際の処理液のpHが4以上であれば、逆浸透膜の分離性能が更に向上し、被酸化物に対する逆浸透膜の排除率が上がり、得られた透過液の浄化性を飛躍的に向上させることができる。

0058

処理液中の有機酸含有率が高い場合は、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以上、更に好ましくはpH6以上となる様に調整することが望ましい。pHが9を超えると逆浸透膜の分離性能が低下することが多いため、処理液のpH上限はpH9とすることが好ましく、より好ましくはpH8、更に好ましくはpH7.5である。

0059

また処理液中のアンモニア含有率が高い場合は、好ましくはpH4以上、より好ましくはpH5以上、更に好ましくはpH6以上となる様に調整することが望ましいが、pHを高くし過ぎると逆浸透膜の分離性能が低下するので、好ましくはpH9以下、より好ましくはpH8以下にすることが推奨される。

0060

本発明の排水の処理方法によって有機酸(並びに/或いは有機酸塩)および/またはアンモニア(並びに/或いはアンモニウム塩)は非透過液中に捕捉されている。この非透過液の一部または全部を、直接的に、または間接的に排水の酸化処理工程の任意の位置に戻してもよい。例えば酸化処理工程に付す前の排水に直接戻したり、あるいは任意の位置から排水に供給して酸化処理工程に付してもよい。

0061

尚、非透過液を酸化処理工程に循環させて再度酸化・分解処理すると、循環させた被酸化物をほぼ完全に酸化・分解処理することができるので望ましい。この際、非透過液の一部または全部をメタン醗酵等の生物処理に付して処理してもよく、あるいは燃焼処理や化学的処理などの他の排水処理を実施する等、用途や目的に合わせて自由に組合せることができる。この様な処理に付される非透過液量は、逆浸透膜を使用しない場合と比較して被酸化物が濃縮されており、より高効率でしかも低コストで処理することができる。

0062

また非透過液の一部または全部を、有機酸や有機酸塩および/またはアンモニアやアンモニウム塩など、非透過液中に含まれる有効成分の回収工程に付しても良い。このときの回収方法としては特に限定されず、例えば直接蒸留によって回収する方法や、有機溶媒を用いて有機酸を抽出し、その後抽出液を蒸留によって脱水脱溶媒して有機酸を回収する方法など公知の回収方法を用いることが出来る。

0063

本発明に係る排水の処理方法を用いて排水を処理した場合、逆浸透膜によって被酸化物を含む非透過液と被酸化物をほとんど含まない透過液とに分離することができる。また該透過液には被酸化物がほとんど含まれておらず、高度に処理された浄化水であるので、生物処理等の従来行われていた酢酸処理工程を行うことなく、工業用水生活用水として再利用することができる。また該透過液に更に高度浄化処理を施して得られた処理水は、純水として利用することもできる。

0064

更に本発明に係る方法では、酸化処理工程を経て得られた処理液の一部および/または逆浸透膜透過液の一部または全部を、酸化処理工程に付す前の排水に直接戻したり、あるいは排水供給ラインの任意の位置から排水に供給して酸化処理工程に付してもよい。例えば酸化処理工程を経て得られた処理液および/または透過液を排水の希釈水として用いると、排水のTOD濃度やCOD濃度を低下させることができる。あるいは透過液を排水の塩濃度希釈用水として用いることができる。

0065

以下、実施例によって本発明を更に詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。

0066

実施例1
図1および図2に示す装置を使用し、酸化処理工程には湿式酸化処理を採用して下記の条件下で500時間処理を行った。湿式酸化処理には直径26mm,長さ3000mmの円筒状の反応塔1を用い、内部には固体触媒としてチタニアと白金を主成分とし、白金含有量が0.1質量%の触媒を0.8リットル充填した。処理に供した排水は、脂肪族カルボン酸および脂肪族カルボン酸エステル製造プロセスから排出された排水で、アルコール,アルデヒドカルボン酸など炭素数2以上の有機化合物を多く含有していた。また排水のCOD(Cr)は35g/リットル,pHは2.8であった。尚、排水にはアルカリ金属イオン,アンモニウムイオン,無機塩は含有していなかった。

0067

(酸化処理工程)排水供給ライン6を通して供給された上記排水と、後述する非透過液とを排水タンク18で混合し、排水供給ポンプ5を用いて2.4リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で200℃に加熱した排水を反応塔1の底から供給した。また空気を酸素含有ガス供給ライン10から供給し、コンプレッサー9で昇圧した後、O2/COD(Cr)(供給ガス中の酸素量/排水の化学的酸素要求量)=1.1となる様に、酸素含有ガス流量調節弁11で流量を制御して加熱器3の手前で該排水に混入した。反応塔1では、気液上向並流で処理を行った。反応塔1では、電気ヒーター2を用いて排水を200℃に保温し、酸化・分解処理を実施し、得られた処理液は、処理液ライン12を経て気液分離器13に送り気液分離した。気液分離器13では液面コントローラーLCで液面を検出し、一定の液面を保持する様に液面制御弁15から液体を排出した。また圧力制御弁14は圧力コントローラーPCで圧力を検出し、2.45MPa(Gauge)の圧力を保持する様に制御した。湿式酸化処理を経て得られた処理液のCOD(Cr)は2.6g/リットル,pH3.0であり、全TOC成分中の92%が酢酸であった。

0068

(逆浸透膜処理工程)この処理液を、更に図2した様な逆浸透膜処理装置20に4.9MPa(Gauge)の圧力を保持する様に供給し、非透過液量が逆浸透膜で処理される処理液量の約1/5となる様に制御した。尚、逆浸透膜としては、ポリアミド系複合膜(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)99.5%)を使用した。逆浸透膜で処理して得られた透過液のCOD(Cr)は、1.1g/リットルであり、また非透過液のCOD(Cr)は、8.4g/リットルであった。そして該非透過液の95%を、濃縮液返還ライン19から排水タンク18に供給した。また湿式酸化処理を経て得られた処理液に、水酸化ナトリウムを添加して処理液のpHを変えた処理液を逆浸透膜処理工程に付し、得られた透過液のCOD(Cr)濃度を調べた。結果を図5に示す。

0069

比較例1
(逆浸透膜処理工程)実施例1で得られた湿式酸化処理後の処理液(COD(Cr)2.6g/リットル)を逆浸透膜処理に付した。尚、逆浸透膜として酢酸セルロース系膜(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)95%)を使用した以外は実施例1と同じ方法で逆浸透膜処理工程を行った。この逆浸透膜では有機物をほとんど分離することができず、得られた透過液のCOD(Cr)は2.3g/リットルであり、十分な分離結果を得ることができなかった。

0070

実施例2
(酸化処理工程)水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ライン8から供給した以外は、実施例1と同じ方法で湿式酸化処理をおこなった。尚、水酸化ナトリウム水溶液の供給量は、湿式酸化処理後の処理液のpHが約6となる様に制御した。得られた処理液のCOD(Cr)は3.0g/リットルであり、全TOC成分中の93%が酢酸であった。またNaは、酢酸に対して約1.5モル倍含有されていた。

0071

(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を実施例1と同じ逆浸透膜処理工程に付した。得られた透過液のCOD(Cr)は0.1g/リットル未満であり、非透過液のCOD(Cr)は15g/リットルであった。そしてこの非透過液の95%を、濃縮液返還ライン19から排水に混合した。

0072

比較例2
(逆浸透膜処理工程)実施例2で得られた処理液(COD(Cr)3.0g/リットル)を、逆浸透膜としてポリビニルアルコール系膜(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)93%)を使用し、逆浸透膜での処理圧力を1.96MPa(Gauge)とした以外は、実施例1と同じ逆浸透膜工程に付した。得られた透過液のCOD(Cr)は2.6g/リットルであり、この逆浸透膜では有機物をほとんど排除することができなかった。

0073

実施例3
実施例1と同じ反応塔を用いて500時間湿式酸化処理した。反応塔1の内部に固体触媒としてチタニアと白金を主成分とし、白金の含有量が0.5質量%の触媒を0.8リットル充填した。また処理に供した排水は、発電設備から排出された排水で、硫安ナトリウムイオン炭酸イオンを含有する排水であった。排水中のアンモニア濃度は2.2g/リットル、pHは7.8であった。また排水の蒸発固形物量は15g/リットルであった。

0074

(酸化処理工程)この排水と後述する非透過液とを排水タンク18で混合し、排水供給ポンプ5で0.8リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で160℃に加熱し、反応塔1の底から供給した。また空気を酸素含有ガス供給ライン10から導入し、コンプレッサー9で昇圧した後、O2/COD=2.0となる様に加熱器3の手前で排水に供給した。反応塔1では、電気ヒーター2を用いて排水の温度を160℃に保温し、酸化・分解処理した後、冷却器4で30℃まで冷却し、気液分離器13に送り気液分離した。この際、圧力コントローラ(PC)で圧力を検出し、0.9MPa(Gauge)の圧力を保持するように実施例1と同様に制御した。得られた処理液のアンモニア濃度は0.53g/リットル,pHは7.1であった。

0075

(逆浸透膜処理工程)この処理液を逆浸透膜処理装置20に4.9MPa(Gauge)の圧力を保持する様に供給した。非透過液量が逆浸透膜に付される処理液量の約1/3となる様に制御した。尚、逆浸透膜には本発明に係るポリアミド系複合膜(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)99.5%)を用いた。得られた透過液のアンモニア濃度は0.01g/リットル未満であり、また非透過液のアンモニア濃度は1.6g/リットルであった。該非透過液の80%を濃縮液返還ライン19から排水に混合した。

0076

実施例4
図3図4に示す装置を使用し、湿式酸化処理を下記の条件下で500時間で行った。反応塔31には、直径26mm、長さ3000mmの円筒形のものを用い、内部には固体触媒として活性炭と白金を主成分とし、白金含有量が0.2質量%の触媒を1.3リットル充填した。処理に供した排水は、エチルアルコールプロピルアルコールなどのアルコール類を多量に含有する溶剤系排水を用いた。該排水のCOD(Cr)は30g/リットル,pHは7.1であった。尚、排水にはアルカリ金属イオン,アンモニウムイオン,無機塩は含まれていなかった。

0077

(酸化処理工程)排水供給ライン36から送られてくる上記排水と、後述する非透過液とを排水タンク48で混合した。該排水を排水供給ポンプ35で1.3リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器33で120℃に加熱し、反応塔31の上部から供給した。またアルカリ供給ライン38から水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ポンプ37を用いて排水に混合した。尚、水酸化ナトリウムの供給量は、湿式酸化処理後の処理液のpHが約6.5となるように制御した。また空気を酸素含有ガス供給ライン40から供給し、コンプレッサー39で昇圧した後、O2/COD(Cr)=0.7となる様に酸素含有ガス流量調節弁41で流量を制御して加熱器33の手前で該排水に供給した。反応塔31では、気液下向並流で処理を行った。また反応塔31では、電気ヒーター32を用いて排水の温度を120℃に保って酸化・分解処理を実施した。処理後の排水は、処理液ライン42を経て、冷却器34で80℃まで冷却し、圧力制御弁44から放圧排出した。排出された気液は、気液分離器43に送り気液分離した。圧力制御弁44は圧力コントローラーPCで圧力を検出し、0.9MPa(Gauge)の圧力を保持する様に制御した。得られた処理液のCOD(Cr)は9.1g/リットルであり、全TOC成分中の95%が酢酸であった。

0078

(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を逆浸透膜処理工程50に、2.9MPa(Gauge)の圧力を保持する様に供給した。また非透過液量が供給される処理液量の約1/3となる様に処理した。尚、逆浸透膜としてポリアミド系複合膜(0.15%NaCl水溶液に対して脱塩率(排除率)99.7%)を使用した。得られた透過液は、COD(Cr)0.1g/リットル未満であり、また非透過液は、COD(Cr)28g/リットルであった。この非透過液全量を、濃縮液返還ライン49を通して排水タンク48に供給し、排水と混合した。

0079

実施例5
下記の条件以外は、実施例1と同様の方法で湿式酸化処理を行った。反応塔1の内部には触媒を充填せず空とした。排水には、種々の有機物を含有する下水処理汚泥水を用いた。排水のCOD(Cr)は9.7g/リットル、pHは2.8であった。

0080

(酸化処理工程)該排水と後述する非透過液とを排水タンク18で混合し、排水供給ポンプ5で1.6リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で230℃に加熱し、反応塔1の底部から供給した。尚、湿式酸化処理後の処理液のpHが約6.5となるようにアルカリ供給ライン8から水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ポンプ7を用いて排水に供給した。また空気はO2/COD(Cr)=1.5の割合となる様に実施例1と同様にして供給した。反応塔1では、電気ヒーター2を用いて排水を230℃に保温しながら酸化・分解処理を実施した。得られた処理液は処理液ライン12を経て冷却器4で30℃まで冷却した後、気液分離器13に送り気液分離を行った。この際、圧力が4.9MPa(Gauge)を保持する様に制御した。得られた処理液のCOD(Cr)は3.3g/リットルであり、全TOC成分中の89%が酢酸であった。また、アンモニア濃度は0.14g/リットルであった。

0081

(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を濾過精度1μmのフィルターを用いて濾過した後、逆浸透膜処理装置20に2.9MPa(Gauge)の圧力を保持する様に供給し、非透過液量が逆浸透膜に付される処理液量の約1/3となる様に制御した。尚、逆浸透膜としてはポリアミド系複合膜(脱塩率(排除率)99.5%)を使用した。得られた透過液のCOD(Cr)は0.1g/リットル未満,アンモニア濃度は0.01g/リットル未満であった。また非透過液のCOD(Cr)は9.8g/リットル,アンモニア濃度は0.39g/リットルであった。そしてこの非透過液の70%を、濃縮液返還ライン19を通して排水タンク18に供給し、排水と混合した。

0082

実施例6
下記条件以外は実施例4と同じ湿式酸化処理を行った。反応塔31の内部には固体触媒として、活性炭とルテニウム及びパラジウムを主成分とし、ルテニウムの含有量が0.4質量%,パラジウムの含有量が0.1質量%の触媒を1.3リットル充填した。また排水としては長鎖アルコールや溶剤を含有し、COD(Cr)76g/リットル,pH8.5の排水を用いた。

0083

(酸化処理工程)該排水と後述する非透過液の全量および湿式酸化処理液の一部とを排水タンク48で混合し、排水のCOD(Cr)が35g/リットルになるように制御した。この排水を排水供給ポンプ35を用いて0.65リットル/hの流量で昇圧フィードした後、加熱器33で140℃に加熱し、反応塔31の上部から供給し、処理圧力0.9MPa(Gauge)となるように制御した。また空気を酸素含有ガス供給ライン40から供給し、コンプレッサー39で昇圧した後、O2/COD(Cr)=0.82の割合となるように酸素ガス流量調節弁41で流量を制御して加熱器33の手前で該排水に供給した。反応塔31では気液下向並流で処理を行った。反応塔31では電気ヒーター32を用いて排水の温度を140℃に保温し、酸化・分解処理を行った。得られた処理液のCOD(Cr)は6.5g/リットル、pHは2.8であり、全TOC成分中の80%以上がコハク酸や酢酸、プロピオン酸などの有機酸であった。またこの有機酸中の50%が酢酸であった。

0084

(逆浸透膜処理工程)得られた湿式酸化処理後の処理液の25%を濃縮液返還ライン49から排水タンク48に返送し、残りを逆浸透膜処理工程に1.5MPa(Gauge)の圧力を保持するように供給し、非透過液量が供給量の約1/2となるように処理を行った。この際、湿式酸化処理後の処理液には予め空気バブリング処理を施して液中の二酸化炭素を放出し、更にアンモニア水溶液を添加して処理液のpHが約6となるように制御した。尚、逆浸透膜として、ポリアミド系複合膜(脱塩率(排除率)99.5%)を使用した。得られた透過液のCOD(Cr)は0.1g/リットル未満、アンモニア濃度は0.1g/リットル未満であり、また非透過液のCOD(Cr)は13g/リットルであった。そしてこの非透過液の全量を濃縮液返還ライン49から排水タンク48に返送した。

0085

実施例7
(酸化処理工程)実施例1と同じ排水を用いて湿式酸化処理を行った。尚、非透過液を排水タンク18に供給しなかった以外は実施例1と同じで湿式酸化処理を行った。得られた処理液のCOD(Cr)は2.9g/リットル、pHは3.0であり、全TOC成分中の90%が酢酸であった。

0086

(逆浸透膜処理工程(1回目))得られた処理液に後述する2回目の逆浸透膜処理工程によって得られた非透過液を混合し、実施例1と同じ逆浸透膜処理工程付した。尚、処理液は4.9MPa(Gauge)の圧力を保持するように供給し、実施例1と同じ逆浸透膜を用いて、非透過液量が逆浸透膜に付す処理液量の約1/5となるように制御した。この逆浸透膜処理工程(1回目)によって得られた透過液のCOD(Cr)は1.2g/リットルであり、非透過液のCOD(Cr)は9.6g/リットルであった。

0087

(逆浸透膜処理工程(2回目))1回目と同様の逆浸透膜処理工程に、1回目の逆浸透膜処理工程で得られた透過液を供給し、逆浸透膜で処理をした。この際、得られる非透過液量(2回目)が供給される液量の約1/3となるように制御した。そして、この2回目の非透過液を湿式酸化処理を経て得られた処理液に供給した。尚、2回目の逆浸透膜非透過液のCOD(Cr)は2.9g/リットル、逆浸透膜透過液のCOD(Cr)は0.5g/リットルだった。

0088

(酢酸回収工程)1回目の非透過液を酢酸回収工程に付した。尚、酢酸回収工程には溶媒抽出法および蒸留法を用いた。溶媒抽出法では容量1リットルの分液ロートを用い、抽剤酢酸エチルを使用して3回抽出を行った。得られた3回の抽剤相を混合し、蒸留装置にて蒸留処理して酢酸を回収した。回収工程に付した処理液中の酢酸の85%を回収することができた。

0089

比較例3
(酢酸回収工程)実施例7で得られた処理液を、逆浸透膜処理工程に付すことなく実施例7と同じの酢酸回収工程に付した。酢酸回収工程に付した処理液中の酢酸の78%を回収した。

0090

実施例8
(酸化処理工程)水酸化ナトリウム水溶液をアルカリ供給ライン8から供給した以外は、実施例7と同じ湿式酸化処理を行った。尚、水酸化ナトリウム水溶液の供給量は、湿式酸化処理の処理後の液pHが約6となるように制御した。得られた処理液のCOD(Cr)は3.3g/リットルであり、全TOC成分の92%が酢酸であった。またナトリウムイオンは、酢酸に対して約1.5モル倍含有されていた。

0091

(逆浸透膜処理工程)得られた処理液を実施例1と同様の逆浸透膜処理工程に付した。尚、4.9MPa(Gauge)の圧力を保持するように供給し、非透過液量が供給液量の約1/5となるように制御した。得られた透過液のCOD(Cr)は0.1g/リットル未満であり、非透過液のCOD(Cr)は16.5g/リットルであった。

0092

(酢酸回収工程)この非透過液を実施例7と同じ酢酸回収工程をに付して酢酸を回収した。酢酸回収工程に付した処理液中の酢酸の97%を回収することができた。

0093

比較例4
(酢酸回収工程)実施例8の湿式酸化処理で得られた処理液を酢酸回収工程に付し、直接酢酸を溶媒抽出した。酢酸回収工程に付した処理液中の酢酸の81%を回収することができた。

0094

実施例9
(酸化処理工程)非透過液を排水タンク18に供給しなかった以外は実施例3と同じ装置,排水を使用し、同様の条件で湿式酸化処理を行った。得られた処理液のアンモニア濃度は0.59g/リットル,pHは7.2だった。

0095

(逆浸透膜処理工程)実施例3と同様の逆浸透膜処理工程に付した結果、得られた透過液のアンモニア濃度は0.01g/リットル未満であり、非透過液のアンモニア濃度は1.8g/リットルであった。

0096

(アンモニア回収工程)得られた非透過液を蒸留法を用いたアンモニア回収工程に付してアンモニアを回収した。アンモニア回収工程に付した処理液中のアンモニアの95%を回収することができた。

0097

比較例5
(アンモニア回収工程)実施例9の湿式酸化処理で得られた処理液を実施例9と同様のアンモニア回収工程を用いてアンモニアを回収した。アンモニア回収工程に付した処理液中のアンモニアの83%を回収することができた。

発明の効果

0098

排水を酸化処理工程に付し、得られた処理液中に含まれる有機酸(酢酸等)やアンモニア等の被酸化物は、高脱塩率を有する逆浸透膜を用いて処理することにより、非透過液に濃縮して含ませることができ、また透過液として被酸化物をほとんど含まない高度に浄化された処理水を得ることができた。また、逆浸透膜で処理する際の処理液のpHを4以上にすると、逆浸透膜の分離性能を著しく向上させることができた。

図面の簡単な説明

0099

図1本発明に係る湿式酸化処理の処理装置の実施態様の一つである。
図2本発明に係る排水の処理方法の概略の一つである。
図3本発明に係る湿式酸化処理の処理装置の実施態様の一つである。
図4本発明に係る排水の処理方法の概略の一つである。
図5実施例1で得られた透過液のCOD(Cr)濃度の変化を示す図である。

--

0100

1,31反応塔
2,32電気ヒーター
3,33加熱器
4,34冷却器
5,35 排水供給ポンプ
6,36 排水供給ライン
7,37アルカリ供給ポンプ
8,38 アルカリ供給ライン
9,39コンプレッサー
10,40酸素含有ガス供給ライン
11,41酸素含有ガス流量調節弁
12,42処理液ライン
13,43気液分離器
14,44圧力制御弁
15液面制御弁
16,46ガス排出ライン
17,47処理液排出ライン
18,48排水タンク
19,49濃縮液返還ライン
20,50逆浸透膜処理装置
LC 液面コントローラー
PC 圧力コントローラー

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