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技術 メタル基体触媒からの白金族元素の回収法

出願人 DOWAホールディングス株式会社TANAKAホールディングス株式会社小坂製錬株式会社株式会社日本ピージーエム
発明者 山田耕司荻野正彦小山寛
出願日 1999年2月26日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1999-049789
公開日 2000年9月12日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2000-248322
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(II) 触媒 触媒 金属の製造または精製
主要キーワード 選別機械 細通路 未溶解残渣 分級選別 粉砕機械 溶融酸化物 溶湯層 物理的選別
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年9月12日)のものです。
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図面 (2)

課題

解決手段

金属基体の表面に形成された触媒担持層に白金族元素を担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法において,該メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で酸化処理することにより,該基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯層とに分離することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法

概要

背景

排ガス浄化用触媒機器として,コージライトアルミナ等のセラミック系担持体を使用したセラミツク基体系のものから,耐熱性圧力損失が少ないという利点を生かした,金属基体の表面に触媒担持層を設けたメタル基体系のものが開発され,これが実用に供されるようになってきた。

その代表的なものは,Fe−Cr−Al系鉄合金箔の表面に触媒担持用のアルミナ層を形成し,このアルミナ層に白金族元素含浸担持させたものであり,形状としては通常はハニカム構造筒体成形されている。すなわち,波板状にした該箔を巻取ることにより,ハニカム状細通路が筒の長手方向に多数形成された筒体として製作され,この筒体を容器内に装填して排ガス浄化用コンバータが構成される。

この排ガス浄化用コンバータは使命を終えると廃棄処分されるのが通常であるが,触媒成分である白金族元素はその資源面からも回収されることが望ましい。含有している代表的な白金族元素にはPt(白金),Pd(パラジウム),Rh(ロジウム)等がある。その回収技術としては,メタル基体系のものからの回収法として,特開平1−111452号公報に記載のように,アルカリ溶液でメタル基体からアルミナ層を分離させたあと,強酸でアルミナ層中の貴金属を溶解させる方法や,特開平8−34619号公報のように,強酸中で触媒層を溶解して溶解液未溶解残渣から貴金属を分離する方法が知れている。これらはいわゆる湿式法である。別法として,特開平6−205993号公報のように,該ハニカム状の筒体を機械的に粉砕し,粉砕物分級選別磁力選別比重選別などで白金族元素が担持された部分を他から選別し,その部分についてさらに回収処理を行う方法もある。

また,本願と同一出願人らに係る特開平4−317423号公報には,セラミツク基体系の廃触媒からの白金族元素の回収法として,該セラミツク基体の廃触媒と銅(さらには酸化銅)をフラックス還元剤と共に還元溶融して白金族元素を吸収した金属銅酸化物から分離し,次にこの金属銅を酸化して酸化銅と金属銅に分離することにより白金族元素を濃縮する方法が記載されている。

概要

Fe−Cr合金を基体とした排ガス浄化用メタル基体触媒から白金族元素を乾式処理で高収率で回収する。

金属基体の表面に形成された触媒担持層に白金族元素を担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法において,該メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で酸化処理することにより,該基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯層とに分離することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

目的

したがって,本発明はメタル基体の廃触媒から経済的かつ高収率で白金族元素を回収する方法を確立することを課題としたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
10件
牽制数
4件

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請求項1

金属基体の表面に形成された触媒担持層白金族元素担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法において,該メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で酸化処理することにより,該基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯層とに分離することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法

請求項2

酸化処理は酸素ガスまたは酸素含有ガスの導入により行う請求項1に記載のメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

請求項3

酸化処理は1150〜1600℃の温度に維持しながら行う請求項1または2に記載のメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

請求項4

金属基体の表面に形成された触媒担持層に白金族元素を担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法において,該メタル基体触媒を,金属銅および酸化銅主体銅酸化物と共に炉内で酸化処理することにより,該基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯層とに分離することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

請求項5

銅酸化物は,有価金属分を含有する請求項4に記載のメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

請求項6

金属基体の表面に形成された触媒担持層に白金族元素を担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法において,該メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で酸化処理することにより,該基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯層とに分離すること,そして,該分離された酸化物溶融層を炉内で溶融還元して金属銅主体のメタル分スラグ分を生成させ,該スラグ分を分離して得たメタル分を次回以降の酸化処理用金属銅の全部または一部に使用することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

請求項7

酸化物溶融層の溶融還元は電気炉炭素質還元剤を用いて実施する請求項6に記載のメタル基体触媒からの白金族元素の回収法。

技術分野

0001

本発明は,金属基体の表面に形成された触媒担持層白金族元素担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法に関する。

背景技術

0002

排ガス浄化用触媒機器として,コージライトアルミナ等のセラミック系担持体を使用したセラミツク基体系のものから,耐熱性圧力損失が少ないという利点を生かした,金属基体の表面に触媒担持層を設けたメタル基体系のものが開発され,これが実用に供されるようになってきた。

0003

その代表的なものは,Fe−Cr−Al系鉄合金箔の表面に触媒担持用のアルミナ層を形成し,このアルミナ層に白金族元素を含浸担持させたものであり,形状としては通常はハニカム構造筒体成形されている。すなわち,波板状にした該箔を巻取ることにより,ハニカム状細通路が筒の長手方向に多数形成された筒体として製作され,この筒体を容器内に装填して排ガス浄化用コンバータが構成される。

0004

この排ガス浄化用コンバータは使命を終えると廃棄処分されるのが通常であるが,触媒成分である白金族元素はその資源面からも回収されることが望ましい。含有している代表的な白金族元素にはPt(白金),Pd(パラジウム),Rh(ロジウム)等がある。その回収技術としては,メタル基体系のものからの回収法として,特開平1−111452号公報に記載のように,アルカリ溶液でメタル基体からアルミナ層を分離させたあと,強酸でアルミナ層中の貴金属を溶解させる方法や,特開平8−34619号公報のように,強酸中で触媒層を溶解して溶解液未溶解残渣から貴金属を分離する方法が知れている。これらはいわゆる湿式法である。別法として,特開平6−205993号公報のように,該ハニカム状の筒体を機械的に粉砕し,粉砕物分級選別磁力選別比重選別などで白金族元素が担持された部分を他から選別し,その部分についてさらに回収処理を行う方法もある。

0005

また,本願と同一出願人らに係る特開平4−317423号公報には,セラミツク基体系の廃触媒からの白金族元素の回収法として,該セラミツク基体の廃触媒と銅(さらには酸化銅)をフラックス還元剤と共に還元溶融して白金族元素を吸収した金属銅酸化物から分離し,次にこの金属銅を酸化して酸化銅と金属銅に分離することにより白金族元素を濃縮する方法が記載されている。

発明が解決しようとする課題

0006

メタル基体系の廃触媒から酸やアルカリを用いて湿式法で白金族元素を回収する方法では,白金族元素の溶解に時間がかかる割りには回収率が一般に低く(例えばRhで80%程度),また酸やアルカリを多量に使用するのでその排水処理設備が必要となり,コストも高いものとなる。また破砕して物理分別を行う方法では大型の粉砕機械選別機械を要し且つ物理的選別では十分な歩留りを得るには限界がある。

0007

これに対し,特開平4−317423号公報の銅を用いた還元溶融法は前記の方法にない利点があるが,この公報に記載された方法はセラミツク基体の廃触媒を対象としたものであり,基体セラミツクをガラス状の溶融酸化物としてメタル分から分離する乾式処理を行うものである。しかし,この方法でメタル基体の廃触媒を融解処理しようとすると,電気炉内は還元雰囲気であるから基体の金属成分は溶融酸化物層には移行せずに銅との合金を形成してしまう恐れがあり,このため,該方法はメタル基体の廃触媒の処理には適さない。

0008

したがって,本発明はメタル基体の廃触媒から経済的かつ高収率で白金族元素を回収する方法を確立することを課題としたものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明によれば,金属基体の表面に形成された触媒担持層に白金族元素を担持させてなるメタル基体触媒から白金族元素を回収する方法において,該メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で酸化処理することにより,該基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯層とに分離することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法を提供する。そのさい,該メタル基体触媒を,金属銅および酸化銅主体銅酸化物と共に炉内で酸化処理することもできる。この場合には,銅酸化物中に同伴する有価金属分も併せて回収することができる。

0010

また,本発明は,前記の酸化処理して得られた酸化物溶融層を別の炉内で溶融還元して金属銅主体のメタル分と,該基体金属成分の酸化物を含むスラグ分を生成させ,該スラグ分を分離して得たメタル分を次回以降の酸化処理用金属銅の全部または一部に使用することを特徴とするメタル基体触媒からの白金族元素の回収法を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明は,メタル基体触媒を対象としてその中に含有されている白金族元素を乾式法で回収するものである。メタル基体触媒は,基体メタルとしてFe−Cr−Al合金等が普通に使用されており,この合金箔の表面に緻密で高融点酸化アルミ酸化クロム酸化物層からなる触媒担持層が形成され,これに白金族元素が担持されている。したがって,基体は鉄をベースとするメタルの状態であり,その外層酸化物被膜を有するという二重構造を有している。

0012

このようなメタル基体触媒を融解処理しようとする場合には,表面の酸化被膜融解するためにメタルの融解温度よりもかなり高温に加熱する必要がある。また還元雰囲気下で融解する場合には,内部のメタルは他のメタル分と合金を形成して白金族元素の分離が困難となる。この点で,例えば特開平4−317423号公報に提案されたセラミツク基体触媒から白金族元素を乾式法で回収する方法とは別の課題を有する。

0013

本発明者らは,メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で酸化処理すると,まず金属銅の酸化で生成した溶融酸化銅がメタル基体表面の酸化物被膜を浸食溶融し,その後に露出した内部のメタル分も酸化物となって酸化物溶融層に移行し,このため,FeやCrが殆んど残存しない金属銅からなるメタル溶湯層が得られ且つこのメタル溶湯層に白金族元素が濃縮されてくることを知見した。

0014

このメタル基体触媒と金属銅との溶融酸化処理を行うには,金属銅とメタル基体触媒を装入した炉内に酸化剤として酸素ガスまたは酸素含有ガスを導入して行うのが最も効率がよい。この場合,溶融した金属銅が存在する状態でメタル基体触媒を投入し,酸素吹付けて酸化処理するのが実操業上有利である。この酸化処理は材料温度が1150〜1600℃の温度範囲に維持されるように行うのがよい。また,この金属銅とメタル基体触媒の溶融酸化処理において,酸化銅を主体とする銅酸化物を炉内に装入することもでき,この場合,別の工程で発生した有価金属分を含有する銅酸化物を装入すると,この銅酸化物中の有価金属分も併せて回収することができる。

0015

図面を参照しながら,以下に本発明の好ましい態様を説明する。図1は,ランスを備えた回転炉を使用して前記の酸化処理を実施する例を図解的に示したものである。酸化炉1に溶銅を装入し,次いでメタル基体触媒を投入する。両者の装入比は,メタル基体触媒の装入重量が金属銅の1/5以下,好ましくは1/20以下となるようにするのが好ましい。

0016

メタル基体触媒は,いわゆるハニカム構造体のまま,または破砕したり切断して炉内に投入すればよい。もっとも,触媒機能を有しない付属部品が連結している場合には,それらを外した方が効率的である。また,最も普通には溶銅を装入してからメタル基体触媒は投入するのがよいが,支障がない限り,その逆でも,または両者を同時に装入しても構わない。加熱手段をもつ酸化炉を用いれば,金属銅を炉内で溶融し,その炉内で酸化処理してもよい。

0017

酸化処理は,酸素ガスまたは酸素含有ガス(以下酸素ガスと言う)をランス2から溶銅に吹付ける方法が簡便である。溶銅に酸素ガスを吹付けると酸化銅が生成するが,この反応は急激な発熱反応であるから,常温のメタル基体触媒を投入した場合でも,これを炉内温度にまで昇温するための十分な熱の供給が可能である。この酸化雰囲気下において,生成した酸化銅の融液はメタル基体表面の触媒担持層(アルミナ層)と反応してこれを融解し,酸化銅とアルミナの融液が形成し,当初はこの融液中に白金族元素も同伴すると考えられる。さらに反応が進むと,メタル基体中のFeやCrも酸化され,これらメタルの酸化物をも含有した溶融酸化物層が形成される。

0018

この溶融酸化物層は溶銅とは比重差を有するので溶銅の上に層状に存在するようになるが,メタル基体触媒の全てが融解し且つ溶銅が残存する状態では,金属銅のメタル溶湯とその上の溶融酸化物層との二層構造が炉内に形成される。そして,この二層構造が形成される間に更には形成された後に,溶融酸化物層内に当初同伴した白金族元素はメタル溶湯中に移行し,メタル溶湯は白金族元素を含有した金属銅から実質的に構成され,この中にはメタル基体の構成成分であるFe,Cr,Al等は殆んど同伴することはない。たとえFeやCrがメタルとして溶解しても,かような酸化雰囲気下では直ちに酸化されるものと考えられる。この二層構造が形成されたあと,炉内から両者を分離して取り出せば,図1に示すように,白金族元素を含む金属銅からなるメタル溶湯と,酸化銅,酸化アルミ,酸化クロム,酸化鉄等を含む溶融酸化物が得られる。

0019

この酸化処理の操業は,酸化されない金属銅が残存するように終了することが必要である。そうしないと白金族元素の回収が困難になる。そして,メタル基体触媒の融解とその成分や反応物拡散混合を良好に行わせるに,十分な金属銅の存在下で且つ1150〜1600℃の温度が維持されるように酸素含有ガスの吹錬を行うことが必要である。

0020

具体的には,金属銅の量が重量比でメタル基体触媒の5倍以上であることが望ましく,この量比において,十分な反応熱を確保し且つメタル基体触媒成分の抽出をほぼ完全に行える量の酸化銅を生成させることが出来ると同時に白金族元素を溶存させるに十分な金属銅を残存させることができる。また,この量比において酸化銅の反応熱でメタル基体触媒を完全に融解させることができる。

0021

酸化処理を行う温度(炉内装入物の温度)については,1150℃より低いとメタル基体触媒の融解が十分に行えないばかりか,基体メタル中のFeやCrを酸化物として溶融酸化物層に取り込むことが困難となる。しかし,1600℃より高温にすると,炉内耐火物の損傷を招くようになるので好ましくない。この意味で,ランスからの酸素吹錬はハードブローではなく,ソフトブローで溶銅を酸化して1150℃〜1600℃に維持されるようにするのがよい。

0022

このようにして,メタル基体触媒を金属銅と共に炉内で高温で酸化処理すると,基体の金属成分の酸化物を含む酸化物溶融層と,白金族元素を含む金属銅溶湯(メタル溶湯)層を得ることができ,このメタル溶湯を酸化物溶融層から分離することにより,白金族元素が濃縮した金属銅を回収することができる。この分離は,酸化炉1として図示のように回転炉を使用する場合には,傾動して上層の溶融酸化物層を取鍋排滓し,次いで,メタル溶湯を別の容器に出湯すればよい。なお,このようにしてメタル基体触媒を金属銅と共に炉内で高温で酸化処理するさいに,別の工程(または別バッチの酸化処理)で発生した有価金属分(例えば白金族元素)を含有する酸化銅主体の銅酸化物も併せて炉内に装入すると,この銅酸化物中の有価金属分(白金族元素)もメタル溶湯中に移行し,これらも併せて回収できる。

0023

得られた溶湯はこれを鋳造して鋳塊とし,白金族元素採取用の粗原料に供することができる。他方,溶融酸化物層は多量の酸化銅を含むうえ,さらに白金族元素も多少は混在するので,そのまま廃棄処分するのは望ましくない。本発明者らは,この溶融酸化物を溶融還元すると,FeやCrの酸化物はそれほど還元されないで酸化銅だけを優先的に還元でき,且つ該溶融酸化物中に混在した白金族元素も還元された金属銅中に入ってくることを知見した。

0024

この溶融還元は電気炉を用いて行うことができる。すなわち,図1に示すように,酸化炉1から排滓された溶融酸化物を溶融状態のまま,或いはいったん冷却して固形物としてストックしたものを集積して,電気炉3に装入し,フラックスと炭素質還元剤を加えて溶融還元する。フラックスとしては,珪石石灰石灰石螢石などを必要に応じて使用し,炭素質還元剤としてはコークスを使用するのがよい。

0025

この電気炉3における溶融還元により,該酸化物中の酸化銅は金属銅に還元されて炉の底部に溶銅として溜まり,該酸化物中に混在した白金族元素はこの溶銅湯溜り中に同伴するようになる。該酸化物中の酸化銅が殆んど還元される迄,この還元処理を行っても,該酸化物中に混在した酸化鉄や酸化クロムは殆んど還元されないでスラグ中に残存する。

0026

したがって,この電気炉3での溶融還元によって,殆んどの酸化銅を金属銅として回収することができ,これを先の酸化炉1での金属銅の原料として再利用することができる。この場合,電気炉3で得られた溶湯をそのまま酸化炉1に装填すれば大幅な熱経済になる。他方,電気炉3から排滓されたスラグは,もはや白金族元素を含有せず,また他の有用成分は殆んど含有しないので経済価値は低いものとなり,廃棄処分に回すこともできる。

0027

一方,酸化炉1で得られたメタル溶湯の鋳造品から白金族元素をさらに濃縮する方法として,再び溶融酸化処理を採用するのが好都合である。この場合,同じ酸化炉1を使用することもできるが,別に設置した酸化炉を使用してもよい。これにより,炉内では白金族元素を殆んど含まない酸化銅と,白金族元素が濃縮された金属銅が溶融状態で相分離した状態で得られるので,これを出湯分離することにより,白金族元素が濃縮された金属銅を得ることができる。また,酸化銅は前記の電気炉3への装入原料に使用することにより,金属銅に還元することができる。

0028

なお,酸化炉1で得られたメタル溶湯を鋳造することなく,溶湯のまま別の酸化炉に装入し,ここで,酸素ガスで酸化処理して,酸化銅(スラグ)と白金族元素が濃縮されたメタル溶湯とすることもできる。前述のように,鋳造品にした場合には溶解処理を必要とするが,その溶解炉で酸化処理を行うことも可能である。この場合,酸化剤としては酸素ガスの他に,他の酸化剤,例えば硝酸ナトリウム硝酸カリウム酸化第二銅などを適宜用いることもできる。また,このような固形の酸化剤は,溶解炉での使用に限られず,前述の酸化炉1での酸化処理でも使用することができる。

0029

このように二次処理およびその後の処理も乾式法を採用して金属銅中に白金族元素を濃縮させることができる点で,操業的にも設備的にも本発明法は非常に効率がよく,しかもメタル基体触媒からの白金族元素の回収率も100%近い良好な成績を得ることができる。

0030

〔実施例1〕図1に示したようにランスを備えた酸化炉1に1350℃の溶銅1000Kgを装入し,メタル基体触媒50Kgを投入した。炉に投入したメタル基体触媒は通常の自動車排ガス浄化用コンバータから取り外された使用済ハニカム構造体であり,Fe−Cr合金箔(金属基体)の表面に形成されたアルミナ層(触媒担持層)に白金族元素が担持されたものである。メタル基体触媒中の白金族元素の含有量は,白金(Pt)を平均約800ppm,パラジウム(Pd)を平均約100ppm,ロジウム(Rh)を平均約300ppm含有している。

0031

溶銅にメタル基体触媒投入後,ランスから酸素富化ガス装入物表面上に吹付け,装入物温度を1300〜1350℃に維持し,メタル基体触媒が完全に溶解し且つ金属銅が2割程度にまで減少した時点で吹錬を終了した。吹錬中は酸化銅の生成により良好な流動状態が生じていたが,吹錬終了後は下方にメタル分が上方に酸化物層が二相に分離した。炉を傾斜させて上層の溶融酸化物層を取鍋に排出し,炉内にメタル分だけを残した。これにより,溶融酸化物970Kgと,メタル溶湯201Kgを得た。両者からサンプリングし,白金族元素元素の含有量を調べたところ表1のものであった。表1は装入物と処理物の材料収支も併せて示した。

0032

0033

表1の結果に見られるように,メタル基体触媒に含有されていた白金族元素はメタル溶湯中にPtは97.5%が移行し,PdとRhは100%移行したことがわかる。また,メタル溶湯の銅品位が99.9%であることから,このメタル溶湯中にはメタル基体触媒の基体メタルのFeとCr,さらにはアルミナは全く移行しなかったことが明らかである。すなわち,メタル基体触媒のFeとCrは全て溶融酸化物中に酸化物として移行し,メタル溶湯とから分離されている。したがって,メタル基体触媒から白金族元素が非常に高収率で且つFeやCrで汚染されない金属銅中に濃縮されたことがわかる。

0034

〔実施例2〕実施例1で得られた溶融酸化物を,図1に示すように,電気炉3で溶融還元した。フラックスとしては珪石と石灰を使用し,還元剤としてコークスを使用して温度1400℃で該溶融酸化物を還元処理した。得られた還元銅をスラグと分離し,溶銅のまま酸化炉1に装入し,さらにメタル基体触媒を装入して,実施例1と同様に酸化処理した。得られたメタル溶湯と溶融酸化物をサンプリングし,その物質移動と収支を実施例1と同様に調べ,その結果を表2に示した。

0035

0036

表2の結果から,酸化炉で生じた溶融酸化物中に移行した酸化銅の再利用により,白金族元素が効率よくメタル溶湯中に移行したことがわかる。また,該溶融酸化物中に微量に同伴した白金族元素もメタル溶湯中に回収できるので,白金族元素の回収率はさらに向上することがわかる。また,電気炉で得られた還元銅の銅品位が99%であることから,酸化炉の溶融酸化物中に移行したメタル基体触媒中のFeやCrは電気炉でも還元されることなく電気炉スラグに濃縮されたことがわかる。したがって,メタル基体触媒中のFeやCr(さらにはアルミナ)は,循環系内の白金族元素の挙動とは別の系統となり,メタル溶湯中に混入することが回避できるので,白金族元素は高い収率で且つ高品位の金属銅中に濃縮されることがわかる。

発明の効果

0037

以上説明したように,本発明によれば,メタル基体触媒から白金族元素が乾式処理で高い収率で操業性よく回収できる。とくに,本発明法はメタル基体触媒中のCrやFeさらにはアルミナ成分を乾式で分離できる点で操業性がよく,経済的有利にメタル基体触媒から白金族元素を回収することができる。

図面の簡単な説明

0038

図1本発明を実施する工程例を示す図である。

--

0039

1酸化炉
2ランス
3 電気炉

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