図面 (/)

技術 差動歯車機構

出願人 イートンコーポレーション
発明者 デイビットポールゴドルー
出願日 2000年2月18日 (20年9ヶ月経過) 出願番号 2000-041842
公開日 2000年9月5日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-240760
状態 特許登録済
技術分野 減速機2
主要キーワード 波形スプリング 回転制限機構 軸受セット ピッチ平面 構造改 ピッチ面 環状駆動 連結解除位置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年9月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

入力信号応答して作動する差動装置ロック機構を提供すること。

解決手段

手動モードと自動モードで作動可能な差動装置ロック機構であって、該機構は、歯車ケース(11)とサイド歯車(23)を含む差動歯車装置を備えている。サイド歯車(23)のフランジ部には歯車歯が形成されており、隣接するロック部材の歯車歯と連結される。ロック部材と一体の内側作動板と、歯車ケース(11)の外側に配置された外側作動板と、カムボール(73)とからボールランプアクチュエータを構成する。入力信号があると、ボールランプアクチュエータに隣接して配置した電磁コイルアセンブリが作動して、外側作動板の回転を遅らせることにより内側作動板を軸方向に移動させて、サイド歯車(23)の歯車歯とロック部材の歯車歯を連結させる。

概要

背景

本発明に関連する差動装置は、歯車室区画する歯車ケースを有しており、この歯車室内には、少なくとも一つの入力ピニオン歯車と、一対の出力サイド歯車を含む差動歯車セットが配設されている。一般的に、クラッチパックは、少なくとも一方のサイド歯車と隣接する歯車ケース面との間に配設されており、歯車ケースと一方のサイド歯車との間の相対回転を制限するように作動する。この形式の差動装置では、種々の手法でクラッチパックを係合させることができる。

一つの手法として、「差動ロック」式の差動装置が、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第Re28、004号に開示されている。この特許は参考として本説明に含まれる。この特許のクラッチパックは普通に連結解除されるが、車輪の一つが空転し始めると、速度感機構により速度差感知し、ランプ機構を介してクラッチパックを固くロックする。その後、差動装置の両出力軸は同じ速度で回転する。

また、本発明の譲受人に譲渡され、本説明に参考として含まれる米国特許第5、019、021号には、他の手法が示されている。この「差動制限装置」では、外部からの電気入力信号応答してクラッチパック上の負荷を変化させて、即ち、クラッチパック内のスリップ量を変化させて、一方のサイド歯車から他方のサイド歯車に伝達されるトルク量を変化させる。当業者には周知のように、一般的に、差動制限装置では、車両が最適なトラクション状態にない場合には常に、両サイド歯車間には、一定の「スリップ」量、即ち、速度差が存在する。

本発明に関連する差動制限装置や差動ロック装置の性能は十分であるが、特定の車両に適用する場合にある種の設計上の不利が存在する。つまり、少なくとも一つのクラッチパック或は一般的に二つのクラッチパックを必要とするため、特に、連続するスリップ状態での温度上昇に耐えられるように、個々のクラッチディスク材として、より高性能摩擦材を必要とする場合、差動装置の総コストが増加してしまう。

さらに、既存のオープン式差動装置(open differential)にかえてトラクション修正式差動装置(traction modifying differential)を車両に適用する場合、周囲の構造を改造することなく、オープン式差動装置のスペース内にトラクション修正式差動装置を装着しなければならない。この場合、既存の差動装置のケース内に、一つあるいは二つのクラッチパックを追加する場合、ピニオン歯車やサイド歯車を改造したり、或いはこれらの歯車のサイズを小さくする必要があるため、実行可能性が低くなる。

概要

入力信号に応答して作動する差動装置ロック機構を提供すること。

手動モードと自動モードで作動可能な差動装置ロック機構であって、該機構は、歯車ケース(11)とサイド歯車(23)を含む差動歯車装置を備えている。サイド歯車(23)のフランジ部には歯車歯が形成されており、隣接するロック部材の歯車歯と連結される。ロック部材と一体の内側作動板と、歯車ケース(11)の外側に配置された外側作動板と、カムボール(73)とからボールランプアクチュエータを構成する。入力信号があると、ボールランプアクチュエータに隣接して配置した電磁コイルアセンブリが作動して、外側作動板の回転を遅らせることにより内側作動板を軸方向に移動させて、サイド歯車(23)の歯車歯とロック部材の歯車歯を連結させる。

目的

本発明の目的は、低コスト摩擦ディスク用のスペースを必要としない差動装置ロック機構を提供することにある。

また、本発明の他の目的は、外部の電気入力信号に応答して、素早く連結或いは連結解除される差動装置ロック機構を提供することにある。

さらに、本発明の他の目的は、上記目的を達成すると共に、最低限の構造改造を必要とするコンパクト作動機構を備えた差動装置ロック機構を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

回転軸(A)を限定し、歯車室(13)を区画する歯車ケース(11)と;前記歯車室(13)内に配置され、少なくとも一つの入力歯車(17)と第一出力歯車(23)及び第二出歯車(25)を含む差動歯車手段と;前記歯車ケース(11)に対する前記第一出力歯車(23)の回転を制限して、前記歯車ケース(11)と共転するように作動可能な手段と;前記回転制限手段の作動手段であって、該作動手段はカムランプ式アクチュエータを構成する第一作動板(57)及び第二作動板(59)を有しており、第一作動板(57)及び第二作動板(59)が非作動状態から作動状態へ相対的に回転することにより、前記回転制限手段を連結状態に移動させる作動手段と;前記非作動状態において前記歯車ケース(11)と共転するように配置された前記第二作動板(59)と;前記第二作動板(59)に隣接して配置され、電気入力信号(81)に応答して前記第二作動板(59)と摩擦係合して、前記両作動板(57,59)を相対的に回転させることにより、作動位置へ移動させるように作動可能な摩擦手段(83)を有する電磁アクチュエータ(75)と;を備えた差動歯車機構であって、(a)前記回転制限手段は、前記第一作動板(57)に隣接して配置され、前記歯車ケース(11)に対して非回転関係に装着されると共に前記歯車ケースに対して軸方向に移動可能なロック部材(47)を有しており、(b)被ロック部材(43)が前記第一出力歯車(23)と共転するように装着されており、また、(c)前記ロック部材(47)と前記被ロック部材(43)には、前記作動板(57、59)が前記作動状態に回転された場合、共同して互いに非回転関係にロックする手段(45、49)が形成されており、前記作動状態において、前記第一出力歯車(23)が前記歯車ケース(11)にロックされる、ことを特徴とする差動歯車機構。

請求項2

前記第一作動板(57)は前記歯車ケース(11)の内側に配置されており、前記第二作動板(59)は前記歯車ケース(11)の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の差動歯車機構。

請求項3

前記歯車ケース(11)は、前記歯車ケース(11)に対して、前記第二作動板(59)の軸方向の移動を制限するが、前記第二作動板(59)の回転方向の移動は制限しないように作動可能な手段(61、63)を有することを特徴とする請求項2に記載の差動歯車機構。

請求項4

前記歯車ケース(11)は、複数の開口(69)が形成された端部壁(71)を有しており、各開口(69)は、非作動状態において、前記第一作動板(57)に形成された第一ランプ面(65)及び第二作動板(59)に形成された第二ランプ面(67)と共に周方向整列されていることを特徴とする請求孔2に記載の差動歯車機構。

請求項5

前記作動手段は、さらに、前記第一ランプ面(65)及び前記第二ランプ面(67)に係合するカムボール(73)を有しており、該カムボール(73)は前記歯車ケース(11)の前記端部壁(71)に形成された前記開口(69)に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の差動歯車機構。

請求項6

前記ロック部材(47)は前記第一作動板(57)と一体に形成されており、また、前記歯車ケース(11)には内側スプライン(53)が形成されると共に、前記第一作動板(57)には前記内側スプライン(53)と係合する外側スプライン(51)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の差動歯車機構。

請求項7

前記被ロック部材(43)は前記第一出力歯車(23)と一体に形成されており、また、前記ロック部材(47)と前記被ロック部材(43)は、互いに対面するように配置された環状部材であることを特徴とする請求項6に記載の差動歯車機構。

請求項8

前記ロック手段は、環状に配列された第一歯(45)を形成した前記被ロック部材(43)と環状に配列された第二歯(49)を形成した前記ロック部材(47)から構成されており、これらの歯(45、49)は、前記作動板(57、59)が前記非作動状態にある場合は噛み合わないように、また、前記作動板(57,59)が前記作動状態にある場合は噛み合い連結されるように配設されていることを特徴とする請求項7に記載の差動歯車機構。

請求項9

前記第一歯(45)及び前記第二歯(49)は、前記回転軸(A)とほぼ直交する方向のピッチ面に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の差動歯車機構。

請求項10

前記電磁アクチュエータ(75)は、ほぼ環状の電磁コイル(79)を有しており、該電磁コイルは、前記第二作動板(59)と軸方向に間隔を有して対面するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の差動歯車機構。

請求項11

前記第二作動板(59)と前記電磁コイル(79)との間の軸方向の隙間には環状駆動板(85)が配設されており、また、前記第二作動板(59)と前記環状駆動板(85)を連結可能な手段(87)を有し、該手段(87)は、前記第二作動板(59)及び前記環状駆動板(85)を一体に回転させるが、前記駆動板(85)を前記軸方向の隙間内で自由に移動させて、前記電磁コイル(79)の摩擦面(83)と係合させることを特徴とする請求項10に記載の差動歯車機構。

技術分野

0001

本発明は、差動装置、特に、差動歯車装置電気入力信号応答してロックされる形式の差動装置に関する。

背景技術

0002

本発明に関連する差動装置は、歯車室区画する歯車ケースを有しており、この歯車室内には、少なくとも一つの入力ピニオン歯車と、一対の出力サイド歯車を含む差動歯車セットが配設されている。一般的に、クラッチパックは、少なくとも一方のサイド歯車と隣接する歯車ケース面との間に配設されており、歯車ケースと一方のサイド歯車との間の相対回転を制限するように作動する。この形式の差動装置では、種々の手法でクラッチパックを係合させることができる。

0003

一つの手法として、「差動ロック」式の差動装置が、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第Re28、004号に開示されている。この特許は参考として本説明に含まれる。この特許のクラッチパックは普通に連結解除されるが、車輪の一つが空転し始めると、速度感機構により速度差感知し、ランプ機構を介してクラッチパックを固くロックする。その後、差動装置の両出力軸は同じ速度で回転する。

0004

また、本発明の譲受人に譲渡され、本説明に参考として含まれる米国特許第5、019、021号には、他の手法が示されている。この「差動制限装置」では、外部からの電気入力信号に応答してクラッチパック上の負荷を変化させて、即ち、クラッチパック内のスリップ量を変化させて、一方のサイド歯車から他方のサイド歯車に伝達されるトルク量を変化させる。当業者には周知のように、一般的に、差動制限装置では、車両が最適なトラクション状態にない場合には常に、両サイド歯車間には、一定の「スリップ」量、即ち、速度差が存在する。

0005

本発明に関連する差動制限装置や差動ロック装置の性能は十分であるが、特定の車両に適用する場合にある種の設計上の不利が存在する。つまり、少なくとも一つのクラッチパック或は一般的に二つのクラッチパックを必要とするため、特に、連続するスリップ状態での温度上昇に耐えられるように、個々のクラッチディスク材として、より高性能摩擦材を必要とする場合、差動装置の総コストが増加してしまう。

0006

さらに、既存のオープン式差動装置(open differential)にかえてトラクション修正式差動装置(traction modifying differential)を車両に適用する場合、周囲の構造を改造することなく、オープン式差動装置のスペース内にトラクション修正式差動装置を装着しなければならない。この場合、既存の差動装置のケース内に、一つあるいは二つのクラッチパックを追加する場合、ピニオン歯車やサイド歯車を改造したり、或いはこれらの歯車のサイズを小さくする必要があるため、実行可能性が低くなる。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、低コスト摩擦ディスク用のスペースを必要としない差動装置ロック機構を提供することにある。

0008

また、本発明の他の目的は、外部の電気入力信号に応答して、素早く連結或いは連結解除される差動装置ロック機構を提供することにある。

0009

さらに、本発明の他の目的は、上記目的を達成すると共に、最低限の構造改造を必要とするコンパクト作動機構を備えた差動装置ロック機構を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上述した本発明の目的は、回転軸を限定し、歯車室を区画する歯車ケースを備えた差動歯車機構を提供することにより達成される。差動歯車機構は歯車室内に配設されており、少なくとも一つの入力歯車と第一及び第二出力歯車を有している。差動歯車機構は、歯車ケースと共転する第一出力歯車の回転を制限する手段を有している。差動歯車機構は、回転制限手段の作動手段を備えており、該作動手段は、カムランプ式アクチュエータを構成する第一及び第二作動板を有している。第一及び第二作動板が非作動状態から作動状態に相対的に回転することにより、回転制限手段を係合状態に移動させる。非作動状態において、第二作動板は歯車ケースと一緒に回転するように配設されている。第二作動板に隣接して電磁アクチュエータが配設されており、該電磁アクチュエータは、電気入力信号に応答して第二作動板と摩擦係合する作動位置に移動する摩擦手段を有しており、第一及び第二作動板を作動状態へ相対的に回転させる。

0011

改良された差動歯車機構は、第一作動板に隣接して配設されたロック部材を構成する回転制限手段を特徴としており、ロック部材は、歯車ケースに対して非回転可能に固定され、軸方向に移動可能である。被ロック部材は第一出力歯車と共転するように固定されている。ロック部材及び被ロック部材は、第一及び第二作動板が作動状態に回転されると、両部材の相対回転を互いにロックして、第一出力歯車を歯車ケースに対してロックする。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明を限定するものではないが、図面を参照すると、図1には、本発明の差動装置ロック機構の軸方向断面が示されている。図1に示す形式の差動装置の構造及び作用は、上述した特許を参照することによりさらに良く理解できるであろう。

0013

図1には、歯車室13を区画する歯車ケース11を有する差動歯車機構(差動装置ロック機構)が示されている。一般的に、差動装置には、歯車ケース11のフランジ15にボルト16などの適宜の手段により取り付けられた入力リング歯車14を介してトルクが入力される。

0014

歯車室13内には、ピニオンシャフト19に回転可能に装着された一対の入力ピニオン歯車17を含む差動歯車セットが配設されている。一般的に、ピニオンシャフト19は、固定ピン(図示しない)などの適宜の手段を介して歯車ケース11に固定されている。ピニオン歯車17は、差動歯車セットの入力歯車を構成しており、一対のサイド歯車23及び25と噛み合っている。サイド歯車23及び25には、直線状の内側スプライン27及び29が形成されており、一対の出力軸(図示しない)の外側スプラインスプライン結合されている。歯車ケース11は、一対の軸受セット35及び37に装着される環状のハブ部31、33を有しており、差動歯車機構は一対の軸受セットを介して外側の差動装置ハウジング(H)に対して回転支持されている。図1に示す歯車ケース11は、二部材から構成されているが、これは本発明の本質的な特徴を示すものではないことに注意すべきである。

0015

当業者には周知であるように、車両の直進中には、左右のサイド歯車23及び25間に差動作用は起こらないため、ピニオン歯車17はピニオンシャフト19に関して回転しない。歯車ケース11、ピニオン歯車17、両サイド歯車23及び25は、一体のユニットとして回転軸Aに関して回転する。

0016

本発明の差動装置ロック機構は、種々のモードで作動できることを理解すべきである。差動装置は、ドライバーロックモード手動的に選択することにより手動的に操作可能であり、車両が動き始めると、差動装置は直ちにロックモードで作動される。また、差動装置ロック機構は、自動モードでも操作でき、例えば、車両のマイクロプロセッサ車輪スリップなどの作動状態を感知して、適宜の電気入力信号を差動装置ロック機構へ伝達し、サイド歯車23を歯車ケース11に対してロックして、さらなる差動作用を防止する。

0017

差動装置ロック機構の自動作動モードの場合には、車両の旋回、タイヤサイズの違いなどのある特定の作動状態では、サイド歯車23と25の間に所定量の差動作用が生じることを理解すべきである。しかしながら、本発明の一つの重要な特徴によれば、図1に示す差動装置ロック機構は、クラッチパックや差動作用を単に遅らせたり制限する他の機構を含んでいない。

0018

図2を参照すると、本発明の差動装置ロック機構は、歯車ケース11内に配設された回転制限機構39を有している(図5も参照)。また、差動装置ロック機構は、一部が歯車ケース11の内部に、他の一部が歯車ケース11の外側に配設された作動機構41を備えている。

0019

さらに図2を参照すると、回転制限機構39は、歯車ケース11の径方向内側で放射方向外側に延びる「被ロック部材」を構成する環状フランジ部43を備えたサイド歯車23を有している。好適には、被ロック部材43は、部品数を減らし、製造コストを低減するように、サイド歯車23と一体に形成されているが、被ロック部材43がサイド歯車23と一緒に回転するようにサイド歯車に固定されていることが重要である。フランジ部43の「外側」表面、即ち、図2の左側には、歯車歯45が環状に配列されている。歯車歯の形状や形式は本発明の本質的な特徴ではないが、好適には本発明の範囲に含まれるべきものであることを理解すべきである。歯車歯45に直に隣接して対面するように環状のロック部材47が配設されており、該環状のロック部材47には、歯車歯45と噛み合い連結される環状に配列された歯車歯49が形成されている。図2には、歯車歯45と歯車歯49が噛み合っていない状態が示されている。本発明の本質的な特徴ではないが、好適には、歯車歯45及び49の列は、回転軸Aにほぼ垂直なピッチ平面画定している。しかしながら、歯車歯45及び49のフランクは、図5に示すように、数度の角度でわずかに傾斜して配置されることが有利であり、このようにすることにより、トルクを反転させることなく容易に歯車歯の連結を解除することができることに注意すべきである。

0020

ロック部材47には、一組の外側スプライン51が形成されており、歯車ケース11の左側の内径に形成された一組の内側スプライン53とスプライン係合される。ロック部材47は歯車ケース11に対して固定されるが、図2に示す位置から歯車歯45と49が噛み合い連結される位置まで軸方向に移動可能である。歯車歯45と49が連結される位置が回転制限機構39の連結位置である。ロック部材47と歯車ケース11の隣接面との間には、一組の波形スプリングが配設されており、ロック部材47を図2に示す連結解除位置に向けて付勢している。

0021

さらに図2を参照すると、二つのサブアセンブリ、即ち、ボールランプアクチュエータと電磁アクチュエータから構成される作動機構41が示されている。ボール−ランプアクチュエータは、本発明の特徴の一つである環状の内側作動板57を備えており、該内側作動板は環状のロック部材47と一体に成形されている。また、ボール−ランプアクチュエータは環状の外側作動板59を備えている(図3も参照)。この外側作動板59は、スナップリング61とスラスト軸受63を介して歯車ケース11に対して軸方向に保持されている。

0022

内側作動板57には複数のランプ面65が、また、外側作動板59には複数のランプ面67が形成されている。この実施の形態では、3個のランプ面65と3個のランプ面67があり、図2に示す連結解除位置、即ち、中立位置では、各ランプ面65は、いずれか一つのランプ面67と周方向整列されている。さらに、各ランプ面65及び67の最深部は、歯車ケース11の端部壁71に形成されたほぼ円筒状の開口69と周方向に整列されている。各開口69内には、隣接するランプ面65及び67と係合するカムボール73が配設されている。本発明はカムボールに限定されるものではなく、種々の他形式のカム−ランプ配列を用いることができることを理解すべきである。好適には、前述した米国特許第5,019,021号に開示されているように、開口69はカムボール73よりもやや大きく形成されている。このように、作動板57及び59、ランプ面65及び67、開口69及びカムボール73によりボール−ランプアクチュエータが構成されており、外側作動板59の回転を遅らせるように軸方向に比較的低いトルクを伝達して、ロック部材47を連結位置へ移動させる。

0023

作動機構41は、ボール−ランプアクチュエータを作動させるために、外側作動板59に所定の遅延トルクを発生させる電磁コイルアセンブリ75を備えている。コイルアセンブリ75はほぼ環状で、回転軸Aに関して同心に形成され、ハウジングHに固着されている。コイルアセンブリ75は、電磁コイル79を収容した環状のコイルハウジング77を有しており、1対のリード線81を介して電気入力信号を受信している。ここでは、非常にコンパクトであり、簡単に組付けることができるほぼ環状のコイルアセンブリ75が示されている。好適には、コイルアセンブリ75は、1998年1月2日に、David P.Godlew及びDavid M.Prestonの名前で出願された「差動歯車機構及びそのボールランプアクチュエーション」と題する米国特許出願第09/002、526号の開示内容にしたがって製造される。この特許出願は本発明の譲受人に譲渡されたものであり、参考として本説明に含まれる。

0024

図2において、コイル79の右側には、熱分解炭素(pyrolytic carbon)摩擦材などの適宜の摩擦材層具備したステンレススチールスペーサ83が配設されている。熱分解炭素摩擦材は、本発明の譲受人に譲渡され、参考として本説明に含まれる米国特許第4,700,823号の開示内容にしたがって製造される。スペーサ83は非磁性材から構成する必要があるため、コイル79の回りの磁束線はスペーサ83を通過しないが、環状の駆動板85を通過する。そのため、コイル79が励磁されると、磁束線が駆動板85を通過して、駆動板85を引き付けて、スペーサ83の摩擦材と摩擦係合させる。図3に示されると共に、前述した米国特許出願第09/002、526号に詳細に開示されているように、駆動板85及び外側作動板59は、複数の駆動ピン87を介して相互に結合されている。駆動ピン87は、駆動板85及び外側作動板59に形成された円形に配列された開口にプレス装着されているため、駆動板85及び外側作動板59は円周方向には実質的に移動しない。

0025

作用
リード線81に入力信号がなく、コイル79が励磁されていない場合は、駆動板85はコイルアセンブリ75から離脱しており、ボール−ランプアクチュエータは、図2に示すように、中央位置即ち中立位置に留まっており、歯車歯45及び49の連結は解除された状態のままである。この連結解除状態においては、差動装置はオープン式差動装置のように作動され、各駆動軸は単独で自由に回転することができる。

0026

従来技術で述べたように、本発明は手動モード及び自動モードのいずれでも作動させることができる。まず、手動モードについて考察すると、ドライバーは車両が停止している状態で「ロック」モードを選択すると、車両は移動していないのでロックアップは起こらない。しかしながら、コイル79は励磁され、駆動板85を引き寄せる。車両が動き始めると、サイド歯車23と歯車ケース11との間には如何なる差動作用も起こらないので、差動装置全体は一つのユニットとして回転を継続する。しかしながら、本発明の一つの重要な特徴によれば、差動装置がハウジングHに関して回転し始めるや否や、実質的なスリップ速度が形成される前に、ボール−ランプアクチュエータが作動して、ロック部材47は軸方向に移動され歯車歯45及び49が噛み合い連結される。ロック部材47は歯車ケース11にスプライン結合され、非ロック部材43はサイド歯車23と一体であるため、歯車歯45及び49が噛み合い連結されると、サイド歯車23は歯車ケース11に対して回転しないように固定され、その後、差動装置は、差動装置全体が一つのユニットとして回転するロックモードで作動される。

0027

本発明が自動モードで作動される場合、車輪の空転或は他の車両パラメータが感知されるまで、差動装置は図2に示すような非連結状態で作動される。車両のマイクロプロセッサから所定の信号がリード線81に送信されるとコイル79が励磁される。コイル79が励磁されるや否や、ボール−ランプアクチュエータが作動して、歯車歯45及び49が連結される。自動モードでは、作動が開始される時にロック部材47と被ロック部材43は相対的に回転している。しかしながら、歯車歯45及び49の損傷を防止するために、所定の作動状態が感知されたら直ちに連結させる方が好ましい。本発明の利点の一つは、特に、自動モードで作動されている場合に、機構は素早く反応できることである。つまり、本発明の機構は、「連結」が指令されると200ミリセコンド以内に連結状態を達成し、また、「連結解除」が指令されると150ミリセコンド以内に連結解除状態を達成できることである。

0028

さらに、本発明は、歯車歯を保護するために、車両のマイクロプロセッサからのブレーキ信号に応答して素早く連結解除させることができるため、差動機構が車両のABSステムアンチロックブレーキシステム)の作動を妨げることはない。差動装置が連結解除されると、各車輪には個々にブレーキが作用する。

0029

以上、明細書において本発明を詳細に説明してきたが、明細書を読んで理解することにより、本発明を変更したり修正することは当業者であれば明らかであり、そのような変更や修正は、請求の範囲内にある限り本発明に含まれるものである。

図面の簡単な説明

0030

図1図1は、本発明の差動装置ロック機構の非ロック状態を示す軸方向断面図である。
図2図2は、本発明の差動装置ロック機構の非ロック状態を示す図1部分拡大図である。
図3図3は、本発明の特徴とする外側作動板を図1右方から見た平面図である。
図4図4は、本発明の差動装置ロック機構のロック状態を示す図2と同様の部分拡大図である。
図5図5は、歯車ケースを取り除くと共に一部を切り欠いた本発明の差動装置ロック機構の斜視図である。

--

0031

11歯車ケース
13歯車室
17入力歯車
23 第一出力歯車(サイド歯車)
25 第二出力歯車(サイド歯車)
39回転制限機構
41作動機構
43被ロック部材
45、49歯車歯
47ロック部材
57 内側作動板
59 外側作動板
65、67ランプ面
69 開口
71端部壁
73カムボール
75電磁コイルアセンブリ
79電磁コイル
81リード線
83スペーサ(摩擦手段)
85駆動板
87 駆動ピン

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社デンソーの「 駆動装置及び弁装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】減速機構の出力の取出しに係る部品の加工精度や組付精度の影響を受け難い構成であり、減速機構から出力される回転力の安定化や静粛性の向上を図ることのできる構造を有した駆動装置及び弁装置を提供する。【... 詳細

  • 株式会社デンソーの「 バルブタイミング調整装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】バルブタイミング調整装置の製造に要するコストが増大することを抑制する。【解決手段】バルブタイミング調整装置100、100aは、駆動軸210から動力が伝達されるスプロケット部11、11aとスプロ... 詳細

  • NTN株式会社の「 電動アクチュエータ」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】サイクロイド減速機の効率低下を防止する。【解決手段】電動アクチュエータ1は、サイクロイド減速機からなる差動装置5と、差動装置5を駆動する電動モータ4とを備える。差動装置5は、互いに噛み合う内歯... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ