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技術 ガラス製品のプレス成形方法及び装置

出願人 HOYA株式会社
発明者 村上明下川隆洋齋藤淳
出願日 1999年12月1日 (21年1ヶ月経過) 出願番号 1999-341791
公開日 2000年8月29日 (20年4ヶ月経過) 公開番号 2000-233934
状態 拒絶査定
技術分野 ガラスの成形
主要キーワード パイプ口 ヒーター部材 プレス精度 熱吸収部材 実施位置 延び広がり 耐熱性固体 ヒーター装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

ダイレクトプレス方式ガラス製品成形において、プレス後ガラス表面に発生するヒケを効果的に抑え、削り代の少ないガラス半製品を成形する。

解決手段

本発明は、溶融したガラスを上記下型の成形面上に供給する工程と、上記下型の成形面上に供給したガラスの内部と外周部との温度を近づけるよう上記ガラスの温度を制御する工程と、上記温度制御されたガラスの粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、上記上型及び下型の成形面によって上記ガラスをプレスする工程とを備えて構成される。ガラスをプレスする前にガラスの内部と外周部における温度を近づけると共に、比較的高い粘度によってガラスをプレスすることで、ガラスをプレスした後のガラスの熱収縮量を小さくすることができると共に、ガラスの内部と外周部の熱収縮量の差を小さくすることができる。これによってガラス表面のヒケの発生が低減される。

概要

背景

光学レンズその他のガラス最終製品研削研磨前の状態である、ガラス半製品(以下、これをレンズブランクスという)を成形する方法として、生産性に優れたダイレクトプレス方式が広く採用されている。ダイレクトプレス方式では、炉内でガラス原料溶融し、その適量をシャーその他の切断装置によって切断して、下型上に供給する。下型上に供給された溶融ガラスは、その表面張力によって略おはじき形状のガラスゴブとなる。下型上のガラスゴブはターンテーブルその他の搬送装置によって、上型の設置位置に移送され、ここで上型及び下型によってプレスされ、その空間形状に沿ったレンズブランクスが成形される。成形されたレンズブランクスは、後にその表面を研削・研磨され、眼鏡レンズカメラレンズ光学ピックアップレンズ等の最終的なガラス製品となる。

一方で、近年、上記研削の工程で発生する研削屑による環境への悪影響が指摘されている。そのため、上記レンズブランクスの製造の段階で、研削屑を少量にできる削り代の少ないレンズブランクスの成形が強く望まれている。

しかしながら、従来のダイレクトプレス方式を用いたレンズブランクスの成形においては、ガラスの削り代を必要以上に少なくすることができないという問題がある。すなわち、ダイレクトプレス方式では、溶融ガラスをプレスした後に、ガラスの収縮によって、その表面にいわゆるヒケ分布する。溶融ガラスのプレスにおいては、溶融ガラスを下型に供給した後プレスされるまでの間、その外周部は外気によって冷却されていくので、内部に比して温度降下が著しい。外周部の温度が一定以下になるとガラスの流動性が低下するため、溶融ガラス内部の温度が十分に降下する前、すなわちガラス粘度が103ポアズ程度と低い状態で、プレスを行う必要が生じる。その結果、プレス後におけるガラス内部の熱収縮が大きくなると共に、外周部との温度差によって、表面にヒケが発生する。ヒケの発生は、型の成形面に対する再現性を悪くし、他の方式の成形方法に比べて削り代を多く取る必要を生じさせる。特に、プレス後のガラス表面に発生したヒケが全体に均一に分布せずに、一部に集中する場合は、より多くの削り代を考慮しなければならない。

上記ヒケの発生を抑えるものとして、従来、いくつかの提案がなされている(特開平第10−101347号公報、特開平第6−32624号公報、特開平第6−72725号公報、特開平第6−157051号公報、特開昭第63−162539号公報)。しかしながら、これらは、何れも上記ヒケの原因となる溶融ガラス内部と外周部との温度差を効果的に低減する技術を開示しない。

概要

ダイレクトプレス方式のガラス製品の成形において、プレス後のガラス表面に発生するヒケを効果的に抑え、削り代の少ないガラス半製品を成形する。

本発明は、溶融したガラスを上記下型の成形面上に供給する工程と、上記下型の成形面上に供給したガラスの内部と外周部との温度を近づけるよう上記ガラスの温度を制御する工程と、上記温度制御されたガラスの粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、上記上型及び下型の成形面によって上記ガラスをプレスする工程とを備えて構成される。ガラスをプレスする前にガラスの内部と外周部における温度を近づけると共に、比較的高い粘度によってガラスをプレスすることで、ガラスをプレスした後のガラスの熱収縮量を小さくすることができると共に、ガラスの内部と外周部の熱収縮量の差を小さくすることができる。これによってガラス表面のヒケの発生が低減される。

目的

従って本発明の目的は、いわゆるダイレクトプレス方式のガラス製品の成形において、溶融ガラス内部と外周部との温度差を効果的に低減し、これによってプレス後のガラス表面に発生するヒケを効果的に抑え、削り代の少ないガラス半製品を成形する方法及び装置を提供することにある。

また、本発明の別の目的は、特にガラス表面の一部に集中するヒケの発生を抑えることができるガラスの成形方法及び装置を提供することにある。

更に、本発明の別の目的は、ダイレクトプレス方式による生産性を低下させることなく、上記ヒケの発生を低減することができるガラスの成形方法及び装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

上型及び下型を備えた型を使用したガラス製品プレス成形方法において、溶融したガラスを上記下型の成形面上に供給する工程と、上記下型の成形面上に供給したガラスの内部と外周部との温度を近づけるよう上記ガラスの温度を制御する工程と、上記温度制御されたガラスの粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、上記上型及び下型の成形面によって上記ガラスをプレスする工程と、を備えたことを特徴とするガラス製品のプレス成形方法。

請求項2

上記ガラスをプレスする工程を、上記温度制御されたガラスの粘度が104.5〜105.5ポアズの範囲にあるときに実施することを特徴とする請求項1記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項3

上記温度を制御する工程は、上記ガラスの内部の温度を低下させ、上記ガラスの外周部の温度を上昇させることによって、上記ガラスの内部と外周部との温度を近づけることを特徴とする請求項1又は2記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項4

上記ガラスの内部と外周部との温度を近づける工程は、該ガラスの外周部の温度が該ガラスの内部の温度未満である範囲で実施されることを特徴とする請求項3記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項5

上記温度を制御する工程は、上記ガラスをその上型側から冷却する工程と、上記冷却の後に、上記ガラスをその上型側から加熱する工程とを含むことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項6

上記冷却する工程は、上記ガラスの上型側表面に、熱を吸収する熱吸収部材を所定時間接触させる工程を含むことを特徴とする請求項5記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項7

上記熱吸収部材を所定時間接触させる工程は、所定の圧力をもって上記ガラスの上型側表面に上記熱吸収部材を押し付けることを特徴とする請求項6記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項8

上記熱吸収部材を所定時間接触させる工程の前に、上記熱吸収部材を上記ガラスの周辺から離れた位置における雰囲気温度に維持することを特徴とする請求項6又は7記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項9

上記加熱する工程は、上記ガラスの上型側表面に、熱源を所定時間近接させる工程を含むことを特徴とする請求項5、6、7又は8記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項10

上記ガラスをプレスする工程の後に、上記ガラスの内部の温度が、その転移点に対し+−50℃の範囲にあるときに、上記ガラスを上記型から取り出す工程を更に含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項11

下型を順次上記各工程の実施位置移送して、上記各工程を実施することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項12

下型を順次上記各工程の実施位置に移送して、上記各工程を実施することを繰り返して、ガラス製品を連続的にプレス成形することを特徴とする請求項11記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項13

ターンテーブルの円周上に設置した複数の下型を、上記ターンテーブルの回転によって順次上記各工程の実施位置に移送して、上記各工程を実施することを特徴とする請求項11又は12記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項14

上記ガラス製品が光学レンズ用材料であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のガラス製品のプレス成形方法。

請求項15

請求項10記載のガラス製品のプレス成形方法を用いて成形したガラスの表面を研削及び研磨して、最終的なガラス製品を製造するガラス製品の製造方法。

請求項16

ガラス製品のプレス成形装置において、ガラス製品の成形面を有する上型及び下型を備えた型と、溶融したガラスを上記下型の成形面上に供給する供給手段と、上記下型の成形面上におけるガラスの内部と外周部との温度を近づけるよう上記ガラスの温度を制御する温度制御手段と、上記上型及び下型の成形面を接近させて、上記ガラスをプレスする型駆動手段とを備え、上記温度制御手段により温度制御されたガラスの粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲にあるときに、上記型駆動手段を動作させて上記ガラスをプレスすることを特徴とするガラス製品のプレス成形装置。

請求項17

上記温度制御手段は、上記ガラスをその上型側から冷却する冷却手段と、上記冷却の後に、上記ガラスをその上型側から加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする請求項16記載のガラス製品のプレス成形装置。

請求項18

上記下型の成形面上に供給されたガラスを、上記冷却手段、上記加熱手段、上記型駆動手段の設置位置に順次移送させる下型の搬送手段を更に備えたことを特徴とする請求項17記載のガラス製品のプレス成形装置。

技術分野

0001

本発明は、光学レンズブランク等の成形に好適なガラス製品プレス成形方法及び装置に関し、特に、溶融したガラスを型上に供給しプレスする、いわゆるダイレクトプレス方式成形方法及び装置に関するものである。

背景技術

0002

光学レンズその他のガラス最終製品研削研磨前の状態である、ガラス半製品(以下、これをレンズブランクスという)を成形する方法として、生産性に優れたダイレクトプレス方式が広く採用されている。ダイレクトプレス方式では、炉内でガラス原料を溶融し、その適量をシャーその他の切断装置によって切断して、下型上に供給する。下型上に供給された溶融ガラスは、その表面張力によって略おはじき形状のガラスゴブとなる。下型上のガラスゴブはターンテーブルその他の搬送装置によって、上型の設置位置に移送され、ここで上型及び下型によってプレスされ、その空間形状に沿ったレンズブランクスが成形される。成形されたレンズブランクスは、後にその表面を研削・研磨され、眼鏡レンズカメラレンズ光学ピックアップレンズ等の最終的なガラス製品となる。

0003

一方で、近年、上記研削の工程で発生する研削屑による環境への悪影響が指摘されている。そのため、上記レンズブランクスの製造の段階で、研削屑を少量にできる削り代の少ないレンズブランクスの成形が強く望まれている。

0004

しかしながら、従来のダイレクトプレス方式を用いたレンズブランクスの成形においては、ガラスの削り代を必要以上に少なくすることができないという問題がある。すなわち、ダイレクトプレス方式では、溶融ガラスをプレスした後に、ガラスの収縮によって、その表面にいわゆるヒケ分布する。溶融ガラスのプレスにおいては、溶融ガラスを下型に供給した後プレスされるまでの間、その外周部は外気によって冷却されていくので、内部に比して温度降下が著しい。外周部の温度が一定以下になるとガラスの流動性が低下するため、溶融ガラス内部の温度が十分に降下する前、すなわちガラス粘度が103ポアズ程度と低い状態で、プレスを行う必要が生じる。その結果、プレス後におけるガラス内部の熱収縮が大きくなると共に、外周部との温度差によって、表面にヒケが発生する。ヒケの発生は、型の成形面に対する再現性を悪くし、他の方式の成形方法に比べて削り代を多く取る必要を生じさせる。特に、プレス後のガラス表面に発生したヒケが全体に均一に分布せずに、一部に集中する場合は、より多くの削り代を考慮しなければならない。

0005

上記ヒケの発生を抑えるものとして、従来、いくつかの提案がなされている(特開平第10−101347号公報、特開平第6−32624号公報、特開平第6−72725号公報、特開平第6−157051号公報、特開昭第63−162539号公報)。しかしながら、これらは、何れも上記ヒケの原因となる溶融ガラス内部と外周部との温度差を効果的に低減する技術を開示しない。

発明が解決しようとする課題

0006

従って本発明の目的は、いわゆるダイレクトプレス方式のガラス製品の成形において、溶融ガラス内部と外周部との温度差を効果的に低減し、これによってプレス後のガラス表面に発生するヒケを効果的に抑え、削り代の少ないガラス半製品を成形する方法及び装置を提供することにある。

0007

また、本発明の別の目的は、特にガラス表面の一部に集中するヒケの発生を抑えることができるガラスの成形方法及び装置を提供することにある。

0008

更に、本発明の別の目的は、ダイレクトプレス方式による生産性を低下させることなく、上記ヒケの発生を低減することができるガラスの成形方法及び装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するため本発明は、上型及び下型を備えた型を使用したガラス製品のプレス成形方法において、少なくとも以下の工程を含む。すなわち、本発明は、溶融したガラスを上記下型の成形面上に供給する工程と、上記下型の成形面上に供給したガラスの内部と外周部との温度を近づけるよう上記ガラスの温度を制御する工程と、上記温度制御されたガラスの粘度が103.5〜106.5ポアズ(dPa・S)の範囲(好ましくは、104〜106ポアズ未満の範囲、より好ましくは104.5〜105.5ポアズの範囲)にあるときに、上記上型及び下型の成形面によって上記ガラスをプレスする工程とを備えて構成される。ガラスをプレスする前にガラスの内部と外周部における温度を近づけると共に、比較的高い粘度によってガラスをプレスすることで、ガラスをプレスした後のガラスの熱収縮量を小さくすることができると共に、ガラスの内部と外周部の熱収縮量の差を小さくすることができる。これによってガラス表面のヒケの発生が低減される。

0010

一方で、上記成形方法に成形型の形状、及び面精度を溶融ガラス転写する精密プレス成形プレス精度を持たせる場合、リヒートプレスの工程に要する時間を長くして、更にガラス内部の温度を下げ、ガラスの内部の温度が外周部の温度より高い分布状態にし、ガラスの粘性が107〜109ポアズにあるときにプレス成形する必要がある。こうすればプレス品形状精度は更に向上し、少なくとも曲率半径Rを出すための球面研削は必要なくなる。

0011

しかしながら、それでは生産性が著しく低下し、本発明の目的の一つである、ダイレクトプレス方式による生産性を低下させることなく、という課題を解決しないものとなる。従って、本発明においては溶融ガラスゴブの内部と外周部の温度分布逆転させることなく、温度差を縮める程度に留めておく方が好ましい。

0012

従って本発明においては、上記プレス成形方法において成形されたガラスの表面を研削及び研磨することによって、最終的なガラス製品が得られる。ガラスの内部と外周部との温度差は、100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下にするのがよい。

0013

本発明において、ガラスのプレス前の上記温度制御は、ガラスに対し直接的に作用させるもの、例えば冷却部材を溶融ガラスに接触させるものであっても、間接的に作用させるもの、例えば熱源近接させるものであっても良い。

0014

好ましくは、上記温度を制御する工程は、上記ガラスの内部の温度を低下させ、上記ガラスの外周部の温度を上昇させることによって、上記ガラスの内部と外周部との温度差を近づけるものである。

0015

また、上記温度を制御する工程の一態様として、上記ガラスをその上型側から冷却する工程と、上記冷却の後に、上記ガラスをその上型側から加熱する工程とを含むことができる。

0016

この場合において、上記冷却する工程は、上記ガラスの上型側表面に、熱を吸収する熱吸収部材を所定時間接触させる、より好ましくは熱吸収部材を所定の圧力をもって押し付ける工程を含むことができる。熱吸収部材は、ガラスに対する接触の前に、上記ガラスの周辺から離れた位置における雰囲気温度に維持することが好ましい。

0017

また、上記加熱する工程は、上記ガラスの上型側表面に、熱源を所定時間近接させる工程を含むことができる。

0018

本発明はまた、上記ガラスをプレスする工程の後に、上記ガラスの内部の温度が、その転移点に対し+−50℃の範囲にあるとき、好ましくは転移点に対し+−10℃の範囲にあるときに、上記ガラスを上記型から取り出す工程を更に含むことができる。

0019

本発明の好ましい態様においては、下型を、順次上記各工程の実施位置に移送して、上記各工程を実施する。また、より好ましい態様においては、この一連の工程を繰り返して、ガラス製品を連続的にプレス成形する

0020

本発明の更に好ましい態様としては、上記複数の下型をターンテーブル上に設置し、前記ターンテーブルの回転によって複数の下型を順次上記各工程の実施位置に移送する。

0021

また、好ましくは、本発明により成形されるガラス製品が光学レンズ用材料である。

0022

本発明はまた、ガラス製品のプレス成形装置に関する。本発明に係るプレス成形装置は、ガラス製品の成形面を有する上型及び下型を備えた型と、溶融したガラスを上記下型の成形面上に供給する供給手段と、上記下型の成形面上におけるガラスの内部と外周部との温度を近づけるよう上記ガラスの温度を制御する温度制御手段と、上記上型及び下型の成形面を接近させて、上記ガラスをプレスする型駆動手段とを備え、上記温度制御手段により温度制御されたガラスの粘度が103.5〜106.5ポアズの範囲(好ましくは、104〜106ポアズ未満の範囲、より好ましくは104.5〜105.5ポアズの範囲)にあるときに、上記型駆動手段を動作させて上記ガラスをプレスすることを特徴とする。また、このときのプレス圧は、2.942〜7.845MPa、好ましくは、4.903〜6.865MPaである。

0023

ここで、上記温度制御手段は、上記ガラスをその上型側から冷却する冷却手段と、上記冷却の後に、上記ガラスをその上型側から加熱する加熱手段とを備えることが好ましい。

0024

また、上記プレス成形装置は、上記下型の成形面上に供給されたガラスを、上記冷却手段、上記加熱手段、上記型駆動手段の設置位置に順次移送させる下型の搬送手段、例えばターンテーブルを更に備えることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下、本発明の一実施形態を図面に沿って説明する。以下に示す実施形態では、16個の下型を円周上に配置したターンテーブルをその搬送手段として備えたプレス成形装置によって、光学レンズブランクを成形するプレス成形方法に沿って本発明を説明する。なお、ガラスの温度を説明するに際し、以下では、下型の成形面に接触するガラスの領域及びその近傍を、ガラスの下部と言い、下型の成形面に接触しない、すなわち外気に晒された領域及びその近傍を、ガラスの上部と言う。

0026

図1は、ターンテーブルを中心に、本発明に係るプレス成形方法における各工程の実施位置を示した図である。図で明らかなように、ターンテーブル10の円周上には、16個の下型11が配置されている。図示しない駆動装置によって、ターンテーブル10はステップ回転され、順次下型を各工程の実施位置A〜Pに搬送する。すなわち、ターンテーブル10は、それが停止された状態から16分の1回転駆動され、各下型11を次の工程の実施位置へ移動して停止される。各工程の実施時間を考慮した所定時間の間、下型11は実施位置で停止され、該所定時間が経過した後に次の工程位置へ移動される。一つの実施例において、ターンテーブル10が停止されてから次に停止されるまでの時間、すなわち1ピッチに要する時間は、2〜6秒である。

0027

本実施形態に係るプレス成形方法は、溶融ガラスを供給する工程(以下、ガラス供給工程という)、プレス前のガラスの温度を制御する工程、ガラスをプレスする工程(以下、ガラスプレス工程という)及びガラスを型から取り出す工程(以下、ガラス取出し工程という)の各工程を備える。更に、上記プレス前のガラスの温度を制御する工程は、ガラスを冷却するためのプレス工程(以下、冷却プレス工程という)と、3回に渡るガラスを再加熱する工程(以下、リヒート工程という)によって構成される。図2(A)〜(D)及び図3(A)〜(D)には、上記各工程においてガラスを成形する様子が概略的に示されている。上記各図の下には、それぞれの工程の実施位置を示す記号A〜P及び工程の名称が示されており、これは図1に示されたものと対応している。

0028

上記ガラス供給工程は、図1における位置Aにおいて実施される。位置Aの上方には、ガラスの溶融炉及び該溶融炉から流下される溶融ガラスを切断するシャーが設置される。目的の光学レンズに適したガラス原料を溶融炉内に供給し、炉内で加熱して1000〜1100℃程度の溶融ガラスを得る。実施例では、ガラス転移点Tgが615℃、軟化点Tsが650℃であるSiO2-TiO2系のガラスを使用した。図2(A)に示すように、白金パイプ12から上記溶融ガラスを、上記位置Aにある下型11上に向けて流下させる。流下速度を考慮して、所定時間間隔で溶融ガラスをシャー13により切断し、適当量の溶融ガラスを下型の成形面11a上に供給する。成形面11a上の溶融ガラスは表面張カで丸みを帯ぴ、ガラスゴブと呼ばれるおはじき状になる。

0029

もっとも、シャーを用いずに下型上にガラスゴブを供給する方法を採用しても良い。すなわち、下型を溶融ガラスが供給されるパイプ口に接近するよう上昇させ、下型の成形面上に一定量のガラスが供給された時点で下型を下降していく。下型側に供給された溶融ガラスは、その自重及び下型の下降によって下方に引っ張られ、供給側から分離される。下型上の溶融ガラスは、表面張力によって丸みを帯び、ガラスゴブとなる。シャーを用いずに溶融ガラスを下型上に供給するこの方法では、シャーマークと呼ばれるシャーによる切断痕がガラスゴブの表面に残らず、後述する取り代を少なくする上での利点となる。

0030

なお、ガラスを下型上に供給する前の位置(図1における位置P)で、ガラスゴブの下型に対する離型性を良好にするために、下型に向けて六方晶BN(窒化ボロン)等からなる粉末耐熱性固体潤滑剤粉末気体と共に噴霧し、その成形面上に付着させる。

0031

この時、ガラスゴブの外径を規定する同型に、図5に示すように、内側部分を一部面取りした形状の胴型を使用することが好ましい。本発明の成形方法は、従来のダイレクトプレスより高度な形状精度が要求されるため、下型が傾くことによりガラスゴブ上面の中心と、下面の中心がずれてしまう軸倒れ等が起こらないよう、通常ダイレクトプレスで使用される場合よりも、胴型および下型の隙間を狭くしてある。このため、溶融ガラスゴブを下型に受けるため、同型に対し下型をせり上げていくときに、胴型の内側面に付着した六方晶BNをこそぎ落としてしまい、その際下型の成形面に溜まった六方晶BNがガラスゴブ下面の表面欠陥、いわゆるブツとなり、削り代を大きくしてしまう原因となる。

0032

そこで、図5(a)のように、胴型17の上部内側面面取り部17aを付け、内径を2段階にし、六方晶BN塗布時には同図(b)に示すように下型成形面11aをこの面取り部17aに合わせた位置で六方晶BNを塗布する。これにより、胴型の下部内側面17bには六方晶BNが付着しないため、下型が六方晶BNをこそぎ落とす心配が無くなる。

0033

また、位置Aにおいて下型の温度が、所定温度に維持されるよう、ターンテーブルの略全域で加熱し続ける。ガラス供給時における下型の温度制御は、ガラスゴブの下部側の温度が低いために早い段階で硬化し、その流動性が失われるのを防止し、また、ガラスゴブの下部側の温度が高いために溶融したガラスが下型に融着するのを防止するという目的から重要である。後に説明するが、下型の成形面上に溶融ガラスを供給すると、ガラスの下部側と下型の成形面との間における熱交換によって、ガラス下部側の温度が急激に冷却される。上記2つの相反する問題を回避するために、下型の成形面に供給したガラスゴブの下部側の温度を、ガラスの転移点Tgよりも僅かに低い程度、すなわちガラスの転移点Tg℃〜Tg−50℃、好ましくはTg℃〜Tg−30℃、より好ましくはTg〜Tg−10℃に維持する。実施例では、下型の温度がガラス転移点Tg−10℃程度となるよう加熱し、溶融ガラス供給後の下型の温度と、溶融ガラスの下部側の温度とが転移点Tgよりも僅かに低い程度で均衡するようにした。

0034

次に、図1及び図2に示される工程において、位置Aでガラスゴブを供給された下型11は、ターンテーブル10の2つのステップで、冷却プレス工程の実施位置Cへ搬送される。位置Cには、冷却プレス工程を実施するために、冷却用プレス装置が設置されている。冷却用プレス装置は、図2(C)で示すように、ガラスゴブに対する平滑な接触面14aを備える金属材からなるプレス部材14を、図示しない昇降装置によって上下動させるものである。ターンテーブルが回転され、ガラスゴブを搭載した下型が位置Cに来ると、昇降装置が駆動され、プレス部材14が下降される。プレス部材14の下降によって、その接触面14aは、ガラスゴブの上部を押し付けて僅かに変形させ、これによってガラスゴブの上部とプレス部材の接触面14aの面接触が達成される。ガラスゴブへ接触する前のプレス部材14及びその接触面14aは常温であり、所定時間両者の接触を維持することによって、ガラスゴブの熱、特にその上部側の熱は、プレス部材14側へ移動する。その結果、ガラスゴブ、特にその上部側の温度は急下降する。実施例では、上記プレス部材として、鉄(熱伝導度:46.51〜58.14W/m・K)を用いたが、ステンレス(熱伝導度:11.63〜17.44W/m・K)その他の金属材を用いても良い。熱伝導度の比較的低い部材を用いた場合、その冷却効果は小さくなるが、温度コントロールが容易になるという利点がある。冷却プレス工程実施後のガラスの温度状態を最適化するために、プレス部材として使用する金属、ガラスとプレス部材との接触面積、ガラスに対する接触時間及びプレスのストロークを適宜選択する。なお、プレス部材14をガラスゴブへ一定圧力をもって接触させた場合、その副次的な効果として、ガラスゴブの下型と接触する面に生じるシワが低減される。このシワは、通常ゴブラインと呼ばれるものであるが、このゴブラインはガラスゴブ下面の表面欠陥となり、削り代を増大させる原因となるものである。

0035

なお、上記冷却プレス工程において、後述するプレス工程で用いる上型の成形面と類似する形状の成形面を持ったプレス部材を用いることにより、溶融ガラスの予備プレスを兼ねることもできる。予備プレスを、後の本プレス工程に先立って実施することによって、本プレス時における成形型に対するガラスの再現性が一層良好となる。

0036

上記冷却プレス工程を経たガラスゴブは、次にリヒート工程に搬送される。本実施形態においてリヒート工程は、図1における位置D、E及びFにおいて、3回断続的に実施される。リヒート工程は、先の冷却プレス工程で一旦冷却されたガラスゴブを再加熱する工程である。リヒート工程を実施するために、位置D、E及びFには、ヒーター装置が設置されている。ヒーター装置は、図2(D)に示すようなヒーター部材15を、図示しない昇降装置によって上下動させるものである。ヒーター部材15の先端は、その下降位置において、ガラスゴブの上半部を覆う。ヒーター部材15の先端の内周壁には、熱源としてのコイルが備えられており、該コイルを800〜1200℃程度に加熱した際の輻射熱によって、ガラスゴブをその上部より加熱する。

0037

上記冷却プレス工程及び3回に渡るリヒート工程は、続くガラスプレス工程においてガラスゴブをプレスする際及びプレス後の、ガラスゴブの温度状態、すなわちその粘度を最適化するために行うものである。すなわち、ガラスゴブがそのプレス前に上記工程を経ることによって、その内部の温度と外周部の温度との差が徐々に接近する方向に制御される。ガラスゴブの温度制御の詳細については後述する。なお、ターンテーブルを用いた上記実施形態においては、上記冷却プレス工程及び各リヒート工程の各実施時間は、ターンテーブルの停止時間によって規定される。すなわち、上記各工程においてプレス部材14又はヒーター部材15を下降し、ガラスゴブを冷却又は加熱し、更にプレス部材14又はヒーター部材15を上方に待避させる各動作を、一定のステップ回転を繰り返すターンテーブルの停止時間内に行う必要がある。一つの実施例では、プレス部材14による冷却及び各ヒーター部材15による加熱時間を、それぞれ1〜3秒とした。

0038

上記冷却プレス工程及びリヒート工程によって温度制御されたガラスゴブは、次に位置Gに移送され、ここでプレスされる(ガラスプレス工程の実施)。図3(A)に示すように、ガラスプレス工程は、下面にガラスの成形面を有する上型16を用いる。位置Gに移送されたガラスゴブに対し、図示しない昇降装置によって上型16をプレスする。該プレスによって、ガラスゴブは、下型11と上型16の成形面によって形成されるキャビティ内に延び広がり、所望の光学レンズブランクス形状が得られる。レンズブランクスの外周は、下型11を相対的に移動可能に支持する円筒状の胴型17によって規定される。なお、上型は、プレス時におけるガラスの融着を避けると共に、プレス後におけるガラスの温度を制御する目的から、所定の温度にされている。上記目的を達成するためプレス前の上型の温度を、ガラスの転移点Tg−50〜Tg−150℃、好ましくはTg−70〜Tg−120℃の範囲に維持することが好ましい。

0039

本発明において、上記ガラスプレス工程を実施するタイミングが重要である。上記冷却プレス工程及びリヒート工程によって温度制御されたガラスゴブの内部における粘度が、103.5〜106.5ポアズの範囲(好ましくは、104〜106ポアズ未満の範囲、より好ましくは104.5〜105.5ポアズの範囲)にあるときに、上記ガラスプレス工程を実施する。実施例では、105ポアズのときにプレスを実施した。また、プレス時のガラスの温度は、ガラス転移点Tg〜Tg+50℃が好ましい。実施例ではTg+10℃であった。これは、従来のダイレクトプレス方式において用いられるプレスの際の粘度102〜103ポアズに比して極めて高いものである。高い粘度においてプレスを行う理由は、プレス後のガラスの熱収縮量を抑え、ガラス表面のヒケを減少させるためである。ターンテーブルによるガラスゴブの移動速度を基準に考えた場合、ガラスプレス工程の実施位置を変える(例えば、位置H又はIとする)ことによって、適正なプレスタイミングを設定することが可能である。上記ガラスプレス工程では、高い粘度のガラスゴブをキャビティ内で完全に圧延するために、一般的なダイレクトプレス方式におけるプレス圧の約6倍のプレス圧を用いる。プレス圧は2.942〜7.845MPa、好ましくは、4.903〜6.865MPaでプレスする。実施例においては、このプレス圧を6.472MPaとした。

0040

プレス後のガラスは、位置H〜位置Mまで搬送され、位置Mにおいて取り出される。位置H〜位置M間を搬送される間に、ガラスは徐々に雰囲気温度によって自然冷却されていき、その体積が僅かに収縮する。ダイレクトプレス方式において、このガラスゴブのプレス後の熱収縮の過程において、ヒケの問題が発生する。本発明においては、ガラスプレス前のガラスゴブの適正な温度制御によって、ガラス内部の温度と外周部の温度の差が近づく方向に制御される。その結果、プレス時及びそれ以降におけるガラス内部と外周部の温度差が小さいものとなり、上記ヒケの発生が低減される。但し、前述したようにガラス内部より外周部の温度の方が高くなるまでリヒートしてしまうと、ダイレクトプレスとしての生産性を損なうことになるので、ガラス外周部の温度が内部の温度未満の時にプレスする。好ましくはガラス内部と外周部の温度差は、100℃以下、好ましくは50℃以下にするのが良い。なお、位置H〜位置Mの各位置で、下型11は、胴型17に対し徐々に迫り上げられ、図3(C)で示すように、位置Mではガラスの外周面が胴型17よりも上方に位置している。そして、図3(D)で示すように、図示しないピックアップ装置によって、ガラスは真空吸着され、上記ガラスの内部の温度が、その転移点に対し±50℃、好ましくは±30℃、より好ましくは±10℃の範囲にあるときに、型より取り出される。

0041

以上により本発明に係る成形方法によって、光学レンズブランクが成形される。成形された光学レンズブランクは、後にその表面を研削・研磨され光学レンズとなる。本発明の成形方法を用いて成形されたレンズブランクスは、表面のヒケが少なく、そのため削り代を小さくすることができる。本実施例で得られた光学レンズブランクを評価した結果は、下記の通りであったので、従来方式に比べ削り代を50%削減できた。

0042

(1)片面取代 0.3〜0.35mm
(2)中心肉厚公差0.1mm
(3)外径寸法 0.1mm
(4)偏肉(片肉) 150μm以下
(5)曲率半径精度 80μm
(6)プレス品下面のブツ200μm以下

0043

ここで、片面取代はプレス品の上面若しくは下面のみを研削するときの研削代、中心肉厚公差とは中心肉厚の設定値実測値との差、偏肉とは同一円周上における最大肉厚最小肉厚の差、曲率半径精度とは曲率半径の設定値と実測値との差、プレス品下面のブツとは、前述したBN等の異物である。

0044

本実施例においては複数の下型をターンテーブル上に設置したが、ターンテーブルでなく、例えばベルトコンベアのような直線的なものであっても、前記複数の下型を順次各工程に移送できる搬送手段であればよく、前記複数の下型を一連の工程において、繰り返し使用できるシステムであればよい。

0045

次に、上記各工程における、溶融ガラスの温度状態について説明する。図4はガラスゴブが下型上に供給されてから、レンズブランクスとして取り出されるまでのガラスの内部及び外周部の温度状態の概念図を示している。図では、本発明に係るガラス成形方法におけるガラスの上部、内部及び下部の温度変化の状態を実線で示すと共に、冷却プレス工程及びリヒート工程を有していない従来のダイレクトプレス方式におけるガラスの上部、内部及び下部の温度変化の状態を破線で示している。

0046

本発明におけるガラスの温度変化の説明に先立って、従来の方法におけるガラスの温度変化について概略説明する。ガラス供給工程において、溶融ガラスが下型の成形面上に供給されると、ガラス転移点Tg−10℃程度に維持された下型と溶融ガラスの下部との間の熱交換により、ガラスの下部の温度は急激に下降し、ガラス転移点Tgよりも低い温度で均衡する。一方、供給されたガラスの上部及び内部の温度は、ガラス周辺の雰囲気温度によって冷却され、徐々に下降していく。このとき、ガラスの内部の温度変化に比べて、ガラスの上部における温度変化の割合は大きくなる。この結果、ガラスのプレス工程が開始されるまでに、ガラス内部の温度とガラス上部の温度との差が徐々に大きくなっていく。ガラスのプレス工程において、ガラス転移点Tg−100℃程度に維持された上型が、ガラスゴブの上部及び内部の温度を冷却する。このとき、ガラスの上部は、上型に直接接触し、その温度は急激に冷却されてガラスの転移点Tg以下となる。一方で、ガラスの内部の温度は、ガラスの外周部が先に低温となってその粘度が上がることから、内部の熱が外に逃げにくくなり、急激に冷却されることはない。この結果、ガラスプレス後のガラスの内部と、ガラスの上部及び下部との温度差が大きいものとなり、また、プレス時のガラスの粘度が低いことからプレス後の熱収縮が大きいものとなり、ガラス表面にヒケが発生する。

0047

次に、グラフ上の実線に沿って、本発明におけるガラスの温度変化について説明する。ガラス供給工程において、溶融ガラスが下型の成形面上に供給されると、下型と溶融ガラスの下部との間の熱交換により、ガラスの下部の温度は急激に下降し、ガラス転移点Tgよりも低い温度(Tg〜Tg−50℃)で均衡する。一方、供給されたガラスの上部及び内部の温度は、ガラス周辺の雰囲気温度によって冷却され、徐々に下降していく。このとき、ガラスの内部の温度変化に比べて、ガラスの上部における温度変化の割合は大きくなる。ここまでのガラスの各部における温度変化は、上記従来の場合と同じである。

0048

本発明において、冷却プレス工程が実施されると、ガラスゴブの上部及び内部の温度は冷却される。特に、プレス部材と直接接触するガラスゴブの上部の温度降下は、その内部の温度降下に比べて急激なものとなる。次に、3回に渡る断続的なリヒート工程によって、ガラスゴブ、特にその上部の温度が上昇され又は一定以下(Tg以下)にならないように維持される。一方で、ガラス内部の温度は、上記リヒート工程による加熱の影響を受け難くなっており、冷却プレス工程において与えられた温度勾配で下降していく。これは、冷却プレス工程によって、ガラス上部の粘度が引き上げられたことによるガラス上部の熱伝導率の低下に起因するものと思われる。その結果、ガラス上部の温度とガラス内部の温度は徐々に近づいていき、ガラスプレス工程において接近したものととなる。なお、ガラス下部の温度は、ガラス内部との温度差及び上記リヒート工程における加熱によってガラス転移点Tgに向けて引き上げられる。

0049

ガラスのプレス工程で、従来同様、上型がガラスゴブの上部及び内部の温度を冷却する。このとき、ガラスの上部は、Tg−50〜Tg−150℃に維持された上型に直接接触し、その温度は急激に冷却されてガラスの転移点Tg以下となる。ガラスの内部の温度は、ガラスの外周部が先に低温となってその粘度が上がることから、内部の熱が外に逃げにくくなり、急激に冷却されることはないが、プレス時におけるその温度が、従来の場合に比して低いので、プレス後のガラス上部との温度差は、比較的小さいものとなる。また、ガラス下部の温度もリヒート工程によってTg近傍に上昇されているので、ガラス下部と内部との温度差も比較的小さいものとなる。本発明においては、ガラス内部と上部の温度差が50〜100℃と小さいことから、ガラス内部の粘度が103.5〜106.5ポアズと高くなっても、ガラス上部の粘度がその流動性を失うほどに高くなり過ぎることはないので、好適な粘度でのプレスが可能となる。この結果、ガラス表面のヒケが抑えられると共に、ヒケの不均一な分布が回避される。なお、上記冷却プレス工程及びリヒート工程を経たガラスゴブ内部の粘度は、これらの工程を経ない場合に比べて短い時間で好適な粘度、すなわち103.5〜106.5ポアズに達する。その結果、レンズブランクスの生産性が向上する。図1における位置H〜位置Lにおける自然冷却の工程を経て、ガラスの上部、内部及び下部の温度がガラス転移点Tgに接近したところで、型から取り出す。理想的には、ガラスの各部の温度が、ガラスの転移点Tgに対し+−10℃の範囲にあるときに、型から取り出す。なお、図4においては、ガラスプレス時におけるガラス下部の温度が転移点Tg以下であるが、これが転移点Tgを超えるものであっても良い。

0050

以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明は上記実施形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基いてその変更、改良等が可能であることは明らかである。上記実施形態においては、下型の成形面上に供給したガラスの内部と外周部との温度を近づけるようガラスの温度を制御するために、冷却プレス工程及び3回の断続的なリヒート工程を実施するものを示した。しかしながら、他の態様によって上記ガラスの温度制御を達成することが可能であろう。また、上記冷却プレス工程においては、プレス部材をガラスゴブ上に接触させることによってその冷却を行ったが、ガラスゴブ上部の雰囲気温度を下げることによってこの目的を達成しても良い。また、リヒート工程において、加熱部材をガラスゴブに直接接触させるようにしても良い。実施形態で示したリヒート工程は、3回に渡る断続的なものであったが、本発明においてこの回数は限定されないし、また連続的なものであっても良い。

0051

本発明に係るガラス製品のプレス成形方法は、実施形態で示したような光学レンズブランクの製造に限らず、広くガラス製品一般に適用可能なものであるが、ガラスの中央及び周辺部において肉厚の異なる光学レンズや、比較的肉厚の厚いガラス製品に適用して好適なるものである。

発明の効果

0052

以上の如く本発明によれば、いわゆるダイレクトプレス方式のプレス成形方法において、レンズブランクス表面に分布するヒケを低減し、またヒケが一部に集中することを防止することができる。その結果、研削工程で除去される削り代を少なくすることができ、研削屑の少ないレンズブランクスを提供することができる。

0053

また、本発明によって、従来より短い時間で、ガラスの粘度を、プレスする際の好適な粘度にすることができるようになり、これによってレンズブランクスの生産性が向上される。

図面の簡単な説明

0054

図1本発明に係るプレス成形方法における各工程の実施位置をターンテーブルを中心に示した図である。
図2本発明における各工程においてガラスを成形する様子を示す概略図である。
図3本発明における各工程においてガラスを成形する様子を示す概略図である。
図4ガラスゴブが下型上に供給されてからレンズブランクスとして取出されるまでのガラスの内部及び外周部の温度状態の概念図である。
図5ブツを回避するために本発明で用いられる下型及び胴型の断面図である。

--

0055

10ターンテーブル
11下型
11a成形面
12白金製パイプ
13シャー
14プレス部材
14a 接触面
15ヒーター部材
16上型
17胴型
17a面取り部
A〜P 各工程の実施位置

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