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技術 コーティング工具用固体潤滑膜及びその製造法

出願人 株式会社不二越
発明者 安岡学
出願日 1999年11月25日 (20年5ヶ月経過) 出願番号 1999-334812
公開日 2000年8月29日 (19年8ヶ月経過) 公開番号 2000-233324
状態 特許登録済
技術分野 バイト、中ぐり工具、ホルダ及びタレット 金属の他の加工と複合作業 物理蒸着
主要キーワード 水蒸気処理装置 上層コーティング 下地コーティング コーティングドリル 実効バイアス 高周波交流電流 コーティング工具 直流印加
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この項目の情報は公開日時点(2000年8月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

工具鋼高速度工具鋼超硬合金等を母材とする工具上にTiN,TiCN,TiAlN,A2O3 等の硬質物質コーティングしたコーティング工具上に、工具の潤滑特性を改善することを目的とした潤滑膜成膜したコーティング工具用固体潤滑膜及びその製造法を提供。

構成

コーティング工具上に、Si,Zr,Ni,Fe,Co及びCrのうちの一種または二種以上の金属 Mに対して主として酸素が主成分となる酸化物( MOx : 0.2 ≦ x< 2)を、成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 2.0 (μm)であり、 150°C 〜 450°C に加熱され、イオンプレーティングを含む物理蒸着法により形成され、成膜バイアスは -15 V 〜 -1000 Vの直流印加方式、もしくは-15 V 〜 -1000 V相当の実効バイアスが得られる高周波交流電流印加方式によって成膜。

概要

背景

従来、イオンプレーティングを含む物理蒸着法コーティング工具製造法として一般化しており、その主たる目的は TiN,TiCN,TiAlN,A2O3,CrNを含む硬質物質コーティングした硬質被覆膜成膜することであった。一方工具潤滑特性を改善することでは、例えば9-192908号公報に記載するような2硫化モリブデン及びフッ素樹脂を主成分とする固体潤滑剤グラファイトが知られており、これらは粉体塗布又はやきつき法によって回転部品塑性加工で用いられてきた。

概要

工具鋼高速度工具鋼超硬合金等を母材とする工具上にTiN,TiCN,TiAlN,A2O3 等の硬質物質をコーティングしたコーティング工具上に、工具の潤滑特性を改善することを目的とした潤滑膜を成膜したコーティング工具用固体潤滑膜及びその製造法を提供。

コーティング工具上に、Si,Zr,Ni,Fe,Co及びCrのうちの一種または二種以上の金属 Mに対して主として酸素が主成分となる酸化物( MOx : 0.2 ≦ x< 2)を、成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 2.0 (μm)であり、 150°C 〜 450°C に加熱され、イオンプレーティングを含む物理蒸着法により形成され、成膜バイアスは -15 V 〜 -1000 Vの直流印加方式、もしくは-15 V 〜 -1000 V相当の実効バイアスが得られる高周波交流電流印加方式によって成膜。

目的

近年コーティング工具の広がりは、機械加工分野の加工能率の向上や加工コストの低減という効果をもたらしてきた。これはコーティングされる物質硬質であり耐摩耗性を向上させた結果の他、これらの物質が摩擦抵抗を低減させる作用があり、この特性が強く作用していることは否めないことである。一方グラファイトや2硫化モリブデン及びフッ素樹脂を主成分とする固体潤滑剤は、工具に塗布して使用しても、短時間で除去され、長時間の切削に耐える使用法としては、その都度塗布を行う作業が必要であった。本発明の課題は、ドリルエンドミル又はタップを含む工具に使用される工具鋼、高速度工具鋼、超硬合金、サ−メット又はセラミックを母材とする工具上にTiN,TiCN,TiAlN,A2O3のうちの1もしくはこれらの組合せを含む硬質物質をコーティングしたコーティング工具上に、工具の潤滑特性を改善することを目的とした、潤滑膜を形成するコーティング工具用固体潤滑剤の製造法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

ドリルエンドミル及びタップを含む工具に使用される工具鋼高速度工具鋼超硬合金、サ−メット又はセラミック母材とした工具上に TiN,TiCN,TiAlN,A2O3のうちの1もしくはこれらの組合せを含む硬質物質コーティングしたコーティング工具上に、以下の条件を満たす潤滑膜を形成することを特徴とするコーティング工具用固体潤滑膜製造法、(a).Si,Zr,Ni,Fe,Co及びCrのうちの一種または二種以上の金属 Mに対して主として酸素が主成分となる酸化物( MOx : 0.2 ≦ x<2 )としてコーティング工具上に成膜し、(b).成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 2.0 (μm)であり、そして、(c).これらの酸化物の膜は、 150°C 〜 450°C に加熱され、物理蒸着法特にイオンプレーティングにより形成され、成膜バイアスは -15 V 〜 -1000 Vの直流印加方式、もしくは-15 V 〜 -1000 V相当の実効バイアスが得られる高周波交流電流印加方式、によって成膜する。

請求項2

請求項1記載の製造法において、Ni及びCrの酸化物は、湿式メッキ法により酸化もしくは水蒸気処理により成膜が形成され、このときの成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 3.0 (μm)であることを特徴とするコーティング工具用固体潤滑膜の製造法。

請求項3

前記酸化物の膜は、Aスケルロックウエル硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を 100倍の倍率で観察した結果が、前記圧痕の外周1mm以上の範囲で膜と工具母材との間で剥離が認められない、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコーティング工具用固体潤滑膜の製造法。

請求項4

ドリル、エンドミル及びタップを含む工具に使用される工具鋼、高速度工具鋼、超硬合金、サ−メット又はセラミックを母材とした工具上に TiN,TiCN,TiAlN,A2O3のうちの1もしくはこれらの組合せを含む硬質物質をコーティングしたコーティング工具上に、以下の条件を満たす潤滑膜を形成することを特徴とするコーティング工具用固体潤滑膜、(a).Si,Zr,Ni,Fe,Co及びCrのうちの一種または二種以上の金属 Mに対して主として酸素が主成分となる酸化物( MOx : 0.2 ≦ x<2 )として成膜し、(b).成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 2.0 (μm)であり、(c).これらの酸化物の膜は、 150°C 〜 450°C に加熱され、物理蒸着法特にイオンプレーティングにより形成され、成膜バイアスは -15 V 〜 -1000 Vの直流印加方式、もしくは-15 V 〜 -1000 V相当の実効バイアスが得られる高周波交流電流印加方式、によって成膜する。

請求項5

請求項4記載のコーティング工具用固体潤滑膜において、Ni及びCrの酸化物は、湿式メッキ法により酸化もしくは水蒸気処理により成膜が形成され、このときの成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 3.0 (μm)であることを特徴とするコーティング工具用固体潤滑膜。

請求項6

前記酸化物の膜は、Aスケ−ルロックウエル硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を 100倍の倍率で観察した結果が、前記圧痕の外周1mm以上の範囲で膜と工具母材との間で剥離が認められない、ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載のコーティング工具用固体潤滑膜。

技術分野

0001

本発明はドリルエンドミル又はタップを含む工具に使用される工具鋼高速度工具鋼超硬合金、サ−メット又はセラミック母材とする工具上に TiN,TiCN,TiAlN,A2O3のうちの1もしくはこれらの組合せを含む硬質物質コーティングしたコーティング工具上に、工具の潤滑特性を改善することを目的とした、潤滑膜を形成する、コーティング工具用固体潤滑膜製造法に関する。

背景技術

0002

従来、イオンプレーティングを含む物理蒸着法はコーティング工具の製造法として一般化しており、その主たる目的は TiN,TiCN,TiAlN,A2O3,CrNを含む硬質物質をコーティングした硬質被覆膜成膜することであった。一方工具の潤滑特性を改善することでは、例えば9-192908号公報に記載するような2硫化モリブデン及びフッ素樹脂を主成分とする固体潤滑剤グラファイトが知られており、これらは粉体塗布又はやきつき法によって回転部品塑性加工で用いられてきた。

発明が解決しようとする課題

0003

近年コーティング工具の広がりは、機械加工分野の加工能率の向上や加工コストの低減という効果をもたらしてきた。これはコーティングされる物質硬質であり耐摩耗性を向上させた結果の他、これらの物質が摩擦抵抗を低減させる作用があり、この特性が強く作用していることは否めないことである。一方グラファイトや2硫化モリブデン及びフッ素樹脂を主成分とする固体潤滑剤は、工具に塗布して使用しても、短時間で除去され、長時間の切削に耐える使用法としては、その都度塗布を行う作業が必要であった。本発明の課題は、ドリル、エンドミル又はタップを含む工具に使用される工具鋼、高速度工具鋼、超硬合金、サ−メット又はセラミックを母材とする工具上にTiN,TiCN,TiAlN,A2O3のうちの1もしくはこれらの組合せを含む硬質物質をコーティングしたコーティング工具上に、工具の潤滑特性を改善することを目的とした、潤滑膜を形成するコーティング工具用固体潤滑剤の製造法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0004

このため本発明は、ドリル、エンドミル又はタップを含む工具に使用される工具鋼、高速度工具鋼、超硬合金、サ−メット又はセラミックを母材とする工具上に TiN,TiCN,TiAlN,A2O3のうちの1もしくはこれらの組合せを含む硬質物質をコーティングしたコーティング工具上に、(a).Si,Zr,Ni,Fe,Co及びCrのうちの一種または二種以上の金属 Mに対して主として酸素が主成分となる酸化物( MOx : 0.2 ≦ x< 2 )として、(b).成膜する厚さ t は、 0.01≦ t < 2.0 (μm)であり、(c).これらの酸化物の膜は、 150°C 〜 450°C に加熱され、イオンプレーティングを含む物理蒸着法により形成され、成膜バイアスは -15 V 〜 -1000 Vの直流印加方式、もしくは-15 V 〜 -1000 V相当の実効バイアスが得られる高周波交流電流印加方式によって成膜することを特徴とするコーティング工具用固体潤滑膜及びその製造法を提供することによって上述した従来技術の課題を解決した。好ましくは、前記 (b).成膜する厚さ t は、 0.05≦ t < 1.8 (μm)である。

0005

かかる構成のコーティング工具用固体潤滑膜及びその製造法により、金属酸化物を成膜することにより、従来の工具鋼、高速度工具鋼等を使用した工具又はコーティング工具の寿命をさらに伸ばすことが可能になった。かかる金属酸化物の成膜作用は、グラファイトや2硫化モリブデン及びフッ素樹脂を主成分とする固体潤滑剤を塗布した場合に比較すれば、摩擦係数は小さく、工具の潤滑特性を改善する効果は大きいと考えられえる。一方摩擦係数が小さ過ぎると切削工具の場合には刃先先端の損傷を誘発させるので摩擦係数が小さいほど最良とはいえない。また、一般にはコーティング工具の場合には無処理の切削工具と比較すると、摩擦係数を低減する効果はあるが、刃先先端の溶着性を改善するためには酸化物を形成することが妥当である。しかしながら酸化物の多くは絶縁体を形成するので一般には化学蒸着法を用いているが、工具の潤滑特性を改善する場合には厚めに形成されるので、切削工具の刃先としては不向きである。また、従来の化学蒸着法を用いた場合、高温処理のためコーティング工具の再処理が難しく、密着性も強固となり初期硬質膜ごと除去されたり、潤滑膜が全体として除去されてしまうので、潤滑を目的とした膜の場合はその調整が重要となる。

0006

本発明は、請求項1、4において、物理蒸着法特にイオンプレーティングを用いて工具の潤滑特性を改善する目的の酸化物を成膜する製造法を限定した。ここで各種の数値限定理由を説明する。イオンプレーティングを含む物理蒸着法の処理温度は、 150°C 未満となると表面の膜とコーティング工具との密着性が下がり、また、 450°C 以上の場合には膜が脆くなるので、前記処理温度は、 150°C 〜 450°C に限定した。成膜バイアス電圧は、-15 V 未満の場合、酸素との反応が不十分で成膜できなくなるり、 -1000 V 以上の場合には、ボンバード効果により酸素との反応が過剰にまるかもしくは成膜できなくなるので、成膜バイアス電圧をそれぞれ -15 V 〜 -1000 Vの直流印加方式、もしくは-15 V 〜 -1000V相当の実効バイアスに限定した。そして、物理蒸着法で成膜する厚さ t は、0.01μm以下では効果がないし、 2.0μm以上では剥離のおそれがあるので、厚さ t を0.01≦ t < 2.0 (μm)と限定した。また、請求項2、5において物理蒸着法以外に、同様の潤滑特性を改善する性能を有する水蒸気処理法で、酸化物を成膜する製造法を限定した。本発明の水蒸気処理法で成膜する厚さ t は、0.01μm以下では効果がないし、 3.0μm以上では剥離のおそれがあるので、厚さ t を0.01≦ t < 3.0 (μm)と限定した。いずれの膜もコーティング工具との密着が比較的に強固である必要があるが、これらの製造法による膜は図1(b) で示すように、図1(a) で示す従来の通常の被覆膜に比べて高い密着性が得られる。図1は酸化物の膜を、Aスケルロックウエル硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕を 100倍の倍率で観察した結果を示す。請求項3、6において、共通となる密着性の基準を限定した。これらの膜の応用は下地となるコーティング工具のコーティング膜硬度より同等乃至低いものを用いると効果的である。図2は本発明の潤滑膜の作用を図解する潤滑膜表面断面の拡大説明図であり、図示のように、かかる潤滑膜の作用はコーティング工具のコーティング膜の欠陥面粗度の影響により高い密着性によって、残留する酸化物による作用であることを示す。

0007

〔実施例1〕各2本の、SKH51高速度鋼製無処理φ6ドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル(DIN338)に、それぞれイオンプレティングにより NiO X、 ZrO Xを被覆し、以下の切削条件切削試験を行った。
切削条件 DRY
切削速度 : 20.7 m/min
送り: 0.12 mm/rev
被削材
材種: SNC836 280HB
厚さ : 20mm through
イオンプレ−ティング装置を、2 ×10-5 Torr 以上に排気した上、加熱を 300°C まで行い、ボンバード処理を10分間(バイアスは-200 V)行った後、蒸発源にはNiを配置して溶解した上、4 ×10-4 Torr の酸素導入処理を実施して NiO Xを成膜するコーティング処理を20分行った。この後、同様の条件で蒸発源にはZrを配置して溶解し ZrO Xをを成膜した。これら各2本の、SKH51 無処理φ6ドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル、これらドリルにそれぞれ NiO X、 ZrO Xをイオンプレ−ティングによりを被覆したドリル、の切削試験を行い評価を実施した結果を図3に示す。図3でみてわかるように、 NiO X , ZrO Xを被覆したドリルは被覆しないドリルに比べて約25%工具の性能の向上が見られた。

0008

〔実施例2〕各2本の、超硬合金製無処理φ6ドリル、超硬合金φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリルに、それぞれイオンプレ−ティングにより AlO X , FeO Xを被覆し、以下の切削条件で切削試験を行った。
切削条件 DRY P30
切削速度 : 30.0 m/min
送り: 0.12 mm/rev
被削材
材種: S 50 C 180HB
厚さ : 18mm through
イオンプレ−ティング装置を、2 ×10-5 Torr 以上に排気した上、加熱を 300°C まで行い、ボンバード処理を10分間(バイアスは-750 V)行った後、蒸発源にはFeを配置して溶解した上、5 ×10-4 Torr の酸素導入処理を実施して FeO Xを成膜するコーティング処理を15分行った。この後、各2本の、超硬合金製無処理φ6ドリル、超硬合金φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリルに、それぞれ同様の条件で蒸発源にはNiを配置して溶解しイオンプレ−ティングにより NiO Xをを成膜した。これら各2本の無処理φ6ドリル、コーティングを被覆したコーティングドリル、これらドリルにそれぞれ FeO X , NiO Xをイオンプレ−ティングによりを被覆したドリル、の切削試験を行い評価を実施した結果を図4に示す。図4でみてわかるように、 FeO X ,NiO X を被覆したドリルは被覆しないドリルに比べて約20%工具の性能の向上が見られた。

0009

〔実施例3〕各2本の、SKH51高速度鋼製無処理φ6ドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル及びSKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリルにそれぞれ水蒸気処理法により NiO Xを被覆し以下の切削条件で切削試験を行った。
切削条件 DRY P30
切削速度 : 25.5 m/min
送り: 0.12 mm/rev
被削材
材種: S 50 C 180HB
厚さ : 18mm through
ここでは、水蒸気処理装置を、Niストライクを実施した後、550 °C による水蒸気処理を30分間実施して NiO Xを成膜した。これら各2本の、無処理φ6ドリル、それぞれ TiCN,TiAlN コーティングを被覆したコーティングドリルにそれぞれ NiO Xを水蒸気処理で被覆したドリル、の切削試験を行い評価を実施した結果を図5に示す。図5でみてわかるように、NiO X を水蒸気処理で被覆したドリルは被覆しない TiCN,TiAlN コーティングドリルに比べて約12%工具の性能の向上が見られた。

0010

〔実施例4〕表1はそれぞれφ6高速度鋼製ドリルに表1にそれぞれ示す成分の下地コーティングを、2.7 μm〜3.2 μm被覆して、その上に表1にそれぞれ示す成分及び膜厚上層コーティング膜を被覆した各資料ドリルについて、Aスケ−ルロックウエル硬度計を用いて酸化物膜を押圧した場合に生ずる圧痕を 100倍の倍率で観察した、ロックウエル圧痕による酸化物膜の判定結果を表1にそれぞれ圧痕判定として示す。そして各資料ドリルについて、以下の切削条件で切削試験を行った結果を、表1にそれぞれ効果として示す。
切削条件 DRY P30
切削速度 : 25.5 m/min
送り: 0.12 mm/rev
被削材
材種: S 50 C 180HB
厚さ : 18mm through
表1で、効果○は、上層コーティング膜を被覆しない資料ドリルに対し、10%以上の貫通穴数を得る効果が得られたものを示し、×は10%未満の貫通穴数しか得られないものを示す。図6は判定AとBの判定基準を示す。

0011

発明の効果

0012

以上説明したように、本発明は工具鋼、高速度工具鋼、超硬合金、サ−メット又はセラミックを母材とする工具上に硬質物質をコーティングしたコーティング工具上に、潤滑膜を成膜するとき、酸化物を用いたこと、酸化物が化学量論理的なものではなくむしろ不十分な未反応部分を有することによって潤滑作用をもたらすものであること、また、低温による処理であることに特徴があり、この作用により潤滑膜の成膜のない高速度工具鋼等を母材とする工具、コーティング工具に比べて、性能を約12%〜 25 %改善する効果を奏する。従って、工具鋼、高速度工具鋼、超硬合金、サ−メット又はセラミックを母材上で、本発明による直接潤滑膜を形成しても効果を奏する場合があることが示唆される。また、本発明では物理蒸着法、又は好ましくは水蒸気処理法、により工業的手法を用いる点で広い分野で使用でき、工具性能を改善する効果が大きい。

図面の簡単な説明

0013

図1(a) 従来の通常の被覆膜と、(b) 本発明品の酸化物の膜を、それぞれAスケ−ルロックウエル硬度計を用いて押圧した場合に生ずる圧痕の状態を 100倍の倍率で観察した結果を示す説明図。
図2本発明の潤滑膜の作用を図解する潤滑膜表面断面の拡大説明図。
図3実施例1の、各2本の、SKH51 無処理φ6ドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル、これらドリルにそれぞれ NiO X , ZrO Xをイオンプレ−ティングによりを被覆したドリル、の切削試験を実施した結果を示すグラフ
図4実施例2の、各2本の、超硬合金製無処理φ6ドリル、超硬合金φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリルに、それぞれイオンプレ−ティングにより AlO X , NiO Xを被覆し、切削試験を行った結果を示すグラフ。
図5実施例3の、各2本の、SKH51高速度鋼製無処理φ6ドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル、SKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリル及びSKH51 φ6ドリルに TiAlNコーティングを被覆したコーティングドリルにそれぞれ水蒸気処理法により NiO Xを被覆し、切削試験を行った結果を示すグラフ。
図6ロックウエル圧痕による酸化物膜の判定結果である、判定AとBの判定基準を示す説明図。

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