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技術 誘導加熱用分割コイル及び誘導加熱用分割コイルを利用したホットランナー型射出成形機の金型

出願人 株式会社十王
発明者 柴田逸雄水島貴関口良一宗像保
出願日 1999年2月10日 (21年10ヶ月経過) 出願番号 1999-032103
公開日 2000年8月22日 (20年4ヶ月経過) 公開番号 2000-231983
状態 特許登録済
技術分野 誘導加熱一般 チル鋳造・ダイキャスト
主要キーワード 各保持体 多重巻き 侵食作用 分割形 加熱制御装置 二重巻き 分割コイル 分割端
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

誘導加熱コイルワンタッチで分割することができ、金型からのマニホールド着脱及びマニホールドからの誘導加熱コイルの着脱を容易にする誘導加熱用分割コイルを提供する。

解決手段

開放端を有する第1の導体と、複数の前記第1の導体を保持すして第1の導体列を形成する第1の保持体と、隣り合う前記第1の導体の一方の接触部と他方の接触部とを接続する第2の導体と、この第2の導体を複数個保持して第2の導体列を形成するとともに、前記第1の保持体に着脱自在に取り付けられる第2の保持体とを有し、前記第1の保持体に前記第2の保持体を取り付けたときに前記第1の導体列と前記第2の導体列とでコイル体が形成されることを特徴とする。

概要

背景

ホットランナー射出成形法は、ランナースプルーを排出することなく製品射出成形が可能であるので、ランナー・ゲート方式の射出成形に比してその利益が極めて大きい。図10は、誘導加熱を利用した装置の一例にかかり、樹脂などの射出成形に用いられるホットランナー型射出成形機金型部分の断面図である。金型は、ノズル42やマニホールド45が取り付けられる固定側金型板46と、製品形状に応じた形状のキャビティ49aが形成された可動側金型板49とを有する。固定側金型板46の後方にはバックプレート48が取り付けられ、このバックプレート48と固定側金型板46との間の空間部47にマニホールド45が配置される。マニホールド45は、ボルト44aによってバックプレート48に着脱自在に取り付けられるマニホールド固定部材44によって、バックプレート48に固定される。マニホールド45の外周面には誘導加熱用コイル1′が複数箇所巻回されている。

コイル1′は、バックプレート48の内部を通るリード線12に接続され、このリード線12は図示しない電圧供給源に接続される。コイル1′には、この電圧供給源により、リード線12を介して所定の電圧印加される。コイル1′に所定電圧が印加されると、導電体で形成されたマニホールド45が誘導加熱され、マニホールド45の内部に形成されたランナー45a及びスプルー45bの溶融材料を加熱又は保温する。このようなホットランナー射出成形は、溶融温度が200℃〜300℃と比較的低温で、熱伝導率も低い樹脂などの射出成形に適している。したがって、樹脂の射出成形においてはホットランナー射出成形法が広く利用されている。ところで、コンピュータオーディオビデオ機器などの急速な発達に伴い、CD,MO,DVDなどの記録媒体需要が急速に高まっている。このような薄肉成形品を射出成形するに当たっては、キャビティが形成された金型の表面を溶融材料を射出する直前に所定の温度(好ましくは溶融材料とほぼ等しい温度)まで急速に加熱し、射出完了後に急速に冷却することが製品の品質上好ましい。このような課題を解決するために、射出成形前に可動側金型板と固定側金型板との間に渦巻き状の誘導加熱コイルを挿入し、キャビティの表面近くに前記誘導加熱コイルを位置決めし、この誘導加熱コイルに電圧を印加してキャビティを予加熱した後、誘導加熱コイルを金型から遠ざけて型締めを行い射出成形を行うものや、キャビティの周囲に電熱ヒータ埋設し、射出成形の際に前記電熱ヒータに電流を流して加熱し、射出成形完了後に前記電流を止めるものなど、種々の方法が提案されている。

しかしながら、前者の方法では誘導加熱によって金型を加熱しても射出成形を開始するまでに金型の温度が低下してしまうことから、射出成形時に金型を前記所定の温度に維持することが困難である。また後者の方法では、電熱ヒータに電流を流してから金型が加熱されるまでに時間がかかりサイクルタイムが長くなるうえ、金型の各部位によって温度ムラが生じる。したがって、これら従来の方法によっても、金型を急加熱、急冷却して高品質の薄肉製品を得るという要求を十分に満たすことはできなかった。一方、ホットランナー射出成形は、融点が約400℃〜約700℃と高温で、かつ熱伝導率も高い金属材料、例えば、マグネシウム(融点約650℃)、アルミニウム(同660℃)、亜鉛(同約420℃)においても、理論上その適用が可能である。

しかしながら、
(1)溶融したマグネシウムなどの金属材料を、鉄などの金属で形成されたマニホールドに流すと、異種金属間侵食作用いわゆる溶損が発生するため、マニホールドを定期的に点検したり交換したりする必要がある。ところが、マニホールドの周囲に誘導加熱用のコイルが巻きつけられていると、マニホールドを金型から取り外すことが困難であるうえ、交換の際のコイル体の着脱に手間がかかる。
(2)誘導加熱コイルはマニホールドに密着させて巻きつけているが、マニホールドに溶融金属を流す場合はマニホールドが600℃を超える高温になるため、誘導加熱コイルが熱破損しやすい。これら(1)、(2)の問題は、主として製品の生産性及び製造コストに関わるものである(なお、これらの問題は、溶融金属を射出成形する場合に特に重要であるが、樹脂射出においても生じる問題である)。
(3)溶融材料と金型(通常200℃程度)との温度差が大きく、キャビティ内に射出された溶融材料が急速に熱を奪われて固化してしまう。そのため、溶融材料がキャビティの隅々まで行き渡らず、鋳込み不良を生じやすい。
(4)キャビティ内の各部において溶融材料が固化するタイミングが異なるため、製品の内部に残留応力が生じやすく、そり不良が発生しやすい。
(5)マニホールドに導体巻き付けて誘導加熱コイルを形成しているが、コイル体を形成することのできる部位が限定されるため、マニホールド内の溶融材料に温度むらが生じ、キャビティ内に射出された溶融材料の各部位ごと冷却速度に影響を与え、そり不良を生じさせる原因になる。

これら(3)、(4)、(5)の問題は、主として製品の品質に関わるものである。

概要

誘導加熱コイルをワンタッチで分割することができ、金型からのマニホールドの着脱及びマニホールドからの誘導加熱コイルの着脱を容易にする誘導加熱用分割コイルを提供する。

開放端を有する第1の導体と、複数の前記第1の導体を保持すして第1の導体列を形成する第1の保持体と、隣り合う前記第1の導体の一方の接触部と他方の接触部とを接続する第2の導体と、この第2の導体を複数個保持して第2の導体列を形成するとともに、前記第1の保持体に着脱自在に取り付けられる第2の保持体とを有し、前記第1の保持体に前記第2の保持体を取り付けたときに前記第1の導体列と前記第2の導体列とでコイル体が形成されることを特徴とする。

目的

この発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、キャビティの急加熱、急冷却を行うことができるようにした誘導加熱コイルを提供することを第1の目的とする。また、誘導加熱コイルをワンタッチで分割することができ、金型からのマニホールドの着脱及びマニホールドからの誘導加熱コイルの着脱を容易にする誘導加熱用分割コイルを提供することを第2の目的とする。また、鋳込み不良やそりなどの不良が発生する要因を可能な限り減少させて安定した製品を得ることができるようにし、樹脂だけでなく金属についてもホットランナー型射出成形機による射出成形を可能にする金型を提供することを第3の目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

開放端を有する第1の導体と、複数の前記第1の導体を保持し、前記複数の第1の導体で第1の導体列を形成する第1の保持体と、この第1の保持体に保持された前記第1の導体同士直接接触しないようする導通防止手段と、各前記第1の導体の両端に形成された接触部と、隣り合う前記第1の導体の一方の接触部と他方の接触部とを接続する第2の導体と、この第2の導体を複数個保持して第2の導体列を形成するとともに、前記第1の保持体に着脱自在に取り付けられる第2の保持体と、この第2の保持体に保持された前記第2の導体同士が直接接触しないようする導通防止手段とを有し、前記第1の保持体に前記第2の保持体を取り付けたときに前記第1の導体列と前記第2の導体列とでコイル体が形成されること、を特徴とする誘導加熱用分割コイル

請求項2

第1の導体列を前記第1の保持体の外側に向けて複数段形成し、各段ごとの前記第1の導体列に対応する第2の導体列を前記第2の保持体に複数段形成し、前記第1の保持体に前記第2の保持体を取り付けたときに前記第1の導体列と前記第2の導体列とで複数個のコイル体が形成されるようにしたこと、を特徴とする請求項1に記載の誘導加熱用分割コイル。

請求項3

前記第1の保持体又は第2の保持体を前記コイル体の軸線に沿った方向に複数に分割し、かつ、分割された第1の保持体又は前記第2の保持体に応じて第1の導体又は第2の導体を分割し、各第1の導体又は第2の導体を分割した分割端部にそれぞれ接触部を形成したこと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘導加熱用分割コイル。

請求項4

前記第1の保持体は誘導加熱用分割コイルが取り付けられる被取付部材の一方に取り付けられ、前記第2の保持体は前記被取付部材の前記一方に着脱自在な他方に取り付けられること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の誘導加熱用分割コイル。

請求項5

前記コイル体と前記コイル体に電圧印加する電圧供給源とを接続するリード線の端部を、前記第1の導体と前記第2の保持体又は前記第2の導体と前記第1の保持体の間で挟持させたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の誘導加熱用分割コイル。

請求項6

定形状のキャビティが形成された可動側金型板と、溶融材料流通するランナーが形成されたマニホールドと、このマニホールドを介して供給された前記溶融材料を前記キャビティに射出するノズルとを備える固定側金型板と、この固定側金型板に着脱自在に取り付けられ、前記マニホールドを前記固定側金型板の所定部位位置決めして固定するマニホールド取付部材とからなるホットランナー型射出成形機金型において、前記固定側金型板側に保持された複数の導体と、この導体の各々に対応して前記マニホールド取付部材側に保持された複数の導体と、各導体の端部に形成された接触部とを有し、前記接触部は前記マニホールド取付部材を前記固定側金型板に取り付けたときに両導体を接続してコイル体を形成すること、を特徴とする誘導加熱用分割コイルを利用したホットランナー型射出成形機の金型。

請求項7

分割可能な前記コイル体を前記マニホールドと前記ノズルとの接合部に設けたことを特徴とする請求項6に記載の誘導加熱用分割コイルを利用したホットランナー型射出成形機の金型。

請求項8

所定形状のキャビティが形成された可動側金型板と、溶融材料が流通するランナーが形成されたマニホールドと、このマニホールドを介して供給された前記溶融材料を前記キャビティに射出するノズルとを備える固定側金型板とからなるホットランナー型射出成形機の金型において、前記可動側金型板のキャビティの周囲に保持された複数の導体と、この導体の各々に対応して前記固定側金型板に保持された複数の導体と、各導体の端部に形成された接触部とを有し、前記接触部は型締めのときに両導体を接続してコイル体を形成すること、を特徴とする誘導加熱用分割コイルを利用したホットランナー型射出成形機の金型。

請求項9

請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の誘導加熱用分割コイルを利用したホットランナー型射出成形機の金型において、前記誘導加熱用分割コイルを請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の誘導加熱用分割コイルとしたこと、を特徴とする誘導加熱用分割コイルを利用したホットランナー型射出成形機の金型。

技術分野

0001

本発明は、第1に、導電性材料で作られた部材を誘導加熱するための誘導加熱用分割コイル体に関し、特に、コイル体巻線を横切る方向にコイル体を分割することのできる誘導加熱用分割コイルに関する。また、本発明は、第2に、誘導加熱用分割コイルを利用して溶融金属のような高温溶融材料にもホットランナー射出成形を適用できるようにしたホットランナー型射出成形機金型に関する。

背景技術

0002

ホットランナー射出成形法は、ランナースプルーを排出することなく製品の射出成形が可能であるので、ランナー・ゲート方式の射出成形に比してその利益が極めて大きい。図10は、誘導加熱を利用した装置の一例にかかり、樹脂などの射出成形に用いられるホットランナー型射出成形機の金型部分の断面図である。金型は、ノズル42やマニホールド45が取り付けられる固定側金型板46と、製品形状に応じた形状のキャビティ49aが形成された可動側金型板49とを有する。固定側金型板46の後方にはバックプレート48が取り付けられ、このバックプレート48と固定側金型板46との間の空間部47にマニホールド45が配置される。マニホールド45は、ボルト44aによってバックプレート48に着脱自在に取り付けられるマニホールド固定部材44によって、バックプレート48に固定される。マニホールド45の外周面には誘導加熱用コイル1′が複数箇所巻回されている。

0003

コイル1′は、バックプレート48の内部を通るリード線12に接続され、このリード線12は図示しない電圧供給源に接続される。コイル1′には、この電圧供給源により、リード線12を介して所定の電圧印加される。コイル1′に所定電圧が印加されると、導電体で形成されたマニホールド45が誘導加熱され、マニホールド45の内部に形成されたランナー45a及びスプルー45bの溶融材料を加熱又は保温する。このようなホットランナー射出成形は、溶融温度が200℃〜300℃と比較的低温で、熱伝導率も低い樹脂などの射出成形に適している。したがって、樹脂の射出成形においてはホットランナー射出成形法が広く利用されている。ところで、コンピュータオーディオビデオ機器などの急速な発達に伴い、CD,MO,DVDなどの記録媒体需要が急速に高まっている。このような薄肉成形品を射出成形するに当たっては、キャビティが形成された金型の表面を溶融材料を射出する直前に所定の温度(好ましくは溶融材料とほぼ等しい温度)まで急速に加熱し、射出完了後に急速に冷却することが製品の品質上好ましい。このような課題を解決するために、射出成形前に可動側金型板と固定側金型板との間に渦巻き状の誘導加熱コイルを挿入し、キャビティの表面近くに前記誘導加熱コイルを位置決めし、この誘導加熱コイルに電圧を印加してキャビティを予加熱した後、誘導加熱コイルを金型から遠ざけて型締めを行い射出成形を行うものや、キャビティの周囲に電熱ヒータ埋設し、射出成形の際に前記電熱ヒータに電流を流して加熱し、射出成形完了後に前記電流を止めるものなど、種々の方法が提案されている。

0004

しかしながら、前者の方法では誘導加熱によって金型を加熱しても射出成形を開始するまでに金型の温度が低下してしまうことから、射出成形時に金型を前記所定の温度に維持することが困難である。また後者の方法では、電熱ヒータに電流を流してから金型が加熱されるまでに時間がかかりサイクルタイムが長くなるうえ、金型の各部位によって温度ムラが生じる。したがって、これら従来の方法によっても、金型を急加熱、急冷却して高品質の薄肉製品を得るという要求を十分に満たすことはできなかった。一方、ホットランナー射出成形は、融点が約400℃〜約700℃と高温で、かつ熱伝導率も高い金属材料、例えば、マグネシウム(融点約650℃)、アルミニウム(同660℃)、亜鉛(同約420℃)においても、理論上その適用が可能である。

0005

しかしながら、
(1)溶融したマグネシウムなどの金属材料を、鉄などの金属で形成されたマニホールドに流すと、異種金属間侵食作用いわゆる溶損が発生するため、マニホールドを定期的に点検したり交換したりする必要がある。ところが、マニホールドの周囲に誘導加熱用のコイルが巻きつけられていると、マニホールドを金型から取り外すことが困難であるうえ、交換の際のコイル体の着脱に手間がかかる。
(2)誘導加熱コイルはマニホールドに密着させて巻きつけているが、マニホールドに溶融金属を流す場合はマニホールドが600℃を超える高温になるため、誘導加熱コイルが熱破損しやすい。これら(1)、(2)の問題は、主として製品の生産性及び製造コストに関わるものである(なお、これらの問題は、溶融金属を射出成形する場合に特に重要であるが、樹脂射出においても生じる問題である)。
(3)溶融材料と金型(通常200℃程度)との温度差が大きく、キャビティ内に射出された溶融材料が急速に熱を奪われて固化してしまう。そのため、溶融材料がキャビティの隅々まで行き渡らず、鋳込み不良を生じやすい。
(4)キャビティ内の各部において溶融材料が固化するタイミングが異なるため、製品の内部に残留応力が生じやすく、そり不良が発生しやすい。
(5)マニホールドに導体巻き付けて誘導加熱コイルを形成しているが、コイル体を形成することのできる部位が限定されるため、マニホールド内の溶融材料に温度むらが生じ、キャビティ内に射出された溶融材料の各部位ごと冷却速度に影響を与え、そり不良を生じさせる原因になる。

0006

これら(3)、(4)、(5)の問題は、主として製品の品質に関わるものである。

発明が解決しようとする課題

0007

この発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、キャビティの急加熱、急冷却を行うことができるようにした誘導加熱コイルを提供することを第1の目的とする。また、誘導加熱コイルをワンタッチで分割することができ、金型からのマニホールドの着脱及びマニホールドからの誘導加熱コイルの着脱を容易にする誘導加熱用分割コイルを提供することを第2の目的とする。また、鋳込み不良やそりなどの不良が発生する要因を可能な限り減少させて安定した製品を得ることができるようにし、樹脂だけでなく金属についてもホットランナー型射出成形機による射出成形を可能にする金型を提供することを第3の目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記第1の目的を達成するためには、誘導加熱コイルを分割形とし、分割した誘導加熱コイルを可動側金型板と固定側金型板に設け、型締め時にキャビティの周囲にコイル体が形成されるようにすればよい。本発明の誘導加熱用分割コイルは、開放端を有する第1の導体と、複数の前記第1の導体を保持し、前記複数の第1の導体で第1の導体列を形成する第1の保持体と、この第1の保持体に保持された前記第1の導体同士直接接触しないようする導通防止手段と、各前記第1の導体の両端に形成された接触部と、隣り合う前記第1の導体の一方の接触部と他方の接触部とを接続する第2の導体と、この第2の導体を複数個保持して第2の導体列を形成するとともに、前記第1の保持体に着脱自在に取り付けられる第2の保持体と、この第2の保持体に保持された前記第2の導体同士が直接接触しないようする導通防止手段とを有し、前記第1の保持体に前記第2の保持体を取り付けたときに前記第1の導体列と前記第2の導体列とでコイル体が形成されることを特徴とする。

0009

この構成によれば、コイル体は、第1の保持体に保持された第1の導体列と第2の保持体に保持された第2の導体列とを接触させることにより構成されるので、コイル体を簡単に分割することが可能になる。また、コネクタ等の複雑な接続手段を用いていないので、摩耗や破損などによる故障が生じにくく、繰り返しの分割,組立に対して信頼性の高い誘導加熱用分割コイルを得ることができる。また、本発明の誘導加熱用分割コイルは、保持体に導体を保持させる構成であるので、マニホールドなどの被取付部材の表面からコイル体を離間して形成することができ、コイル体の熱破損等を防止してコイル体の寿命を長く保つことができる。また、請求項2に記載の発明のように、第1の導体列を前記第1の保持体の外側に向けて複数段形成し、各段ごとの前記第1の導体列に対応する第2の導体列を前記第2の保持体に複数段形成し、前記第1の保持体に前記第2の保持体を取り付けたときに前記第1の導体列と前記第2の導体列とで複数個のコイル体が形成されるように構成してもよい。

0010

本発明の誘導加熱用分割コイルは、保持体に導体を保持させている構成なので、導体列を複数層形成することが可能である。したがって、固定側金型板とバックプレートの間の空間のような限られた領域内に多重巻きのコイル体を設けることができ、融点の高いマグネシウムなどの金属材料を小型の誘導加熱用コイルで効率よく加熱することが可能になる。さらに、請求項3に記載の発明のように、前記第1の保持体又は第2の保持体を前記コイル体軸線に沿った方向に複数に分割し、かつ、分割された第1の保持体又は前記第2の保持体に応じて第1の導体又は第2の導体を分割し、各第1の導体又は第2の導体を分割した分割端部にそれぞれ接触部を形成してもよい。このように構成すれば、コイル体をコイル体軸線に沿った任意の部分で複数に分割することが可能になる。分割された各部分はそれぞれ保持体に保持されるので、各保持体又は各保持体を取り付けている部材を取り外すことにより、コイル体を分割することができる。

0011

また、このように構成することによって、従来では誘導加熱コイルを設けることが困難であった部位にも容易に誘導加熱コイルを設けることができるようになる。例えば、請求項6に記載の発明のように、ノズルとマニホールドとの接合部の周囲に、誘導加熱コイルを設けることができるようになる。また、請求項4に記載の発明のように、前記第1の保持体は誘導加熱用分割コイルが取り付けられる被取付部材の一方に取り付けられ、前記第2の保持体は前記被取付部材の前記一方に着脱自在な他方に取り付けられるように構成してもよい。このようにすれば、例えば、請求項5に記載の発明のように、第1の保持体を固定側金型板(被取付部材の一方)に取り付け、第2の保持体をバックプレートのようなマニホールド取付部材(同他方)に取り付けることによって、マニホールド取付部材を固定側金型板から取り外すという単一の動作でコイル体を分割することができる。逆に、マニホールド取付部材を固定側金型板に取り付けるという単一の動作でコイル体を組み立てることができる。

0012

上記した分割コイルにおいては、前記コイル体と前記コイル体に電圧を印加する電圧供給源とを接続するリード線の端部を、前記第1の導体と前記第2の保持体又は前記第2の導体と前記第1の保持体とで挟持させるとよい。このようにすれば、第1の保持体と第2の保持体とを分離するだけでその間に挟持されているリード線も簡単に誘導加熱用分割コイルから取り外すことができる。請求項7に記載の発明は、所定形状のキャビティが形成された可動側金型板と、溶融材料が流通するランナーが形成されたマニホールドと、このマニホールドを介して供給された前記溶融材料を前記キャビティに射出するノズルとを備える固定側金型板とからなるホットランナー型射出成形機の金型において、前記可動側金型板のキャビティの周囲に複数の導体を保持させ、この導体の各々に対応して前記固定側金型板に複数の導体を保持させ、各導体の端部には接触部を形成し、型締めによって可動側金型板の前記導体と固定側金型板の前記導体とを前記接触部で接続させ、前記キャビティの周囲にコイル体を形成するように構成すればよい。

0013

この構成によれば、可動側金型板側の導体と固定側金型板側の導体とは接触部を互いに接触させることによってコイル体を形成する。固定側金型板と可動側金型板とを型締めすることで、両導体の接触部が接触してキャビティ周りにコイル体を形成する。これにより、誘導加熱によって射出成形時のキャビティの温度を高くすることができるので、金型と溶融材料の温度差が縮小され、射出中の材料が急冷することによる鋳込み不良やそりを防止することができる。また、この構成によって射出前の金型の急加熱及び射出直後の金型の急冷却が可能になり、高品質な薄肉製品を得ることができる。また、誘導加熱用分割コイルを採用することによって請求項6に記載の発明のように、マニホールドとノズルの接合部にも誘導加熱コイルを設けることが極めて容易になる。これにより、マニホールドからノズルに連通するランナー内の溶融材料の温度を一様にすることができ、射出される溶融材料の温度ムラを解消してそりなどの不良の発生を未然に防止することができる。

0014

なお、請求項8に記載するように、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の誘導加熱用分割コイルを、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の誘導加熱用分割コイルとするとよい。このようにして、本発明は上記第1乃至第3の目的を同時に達成することが可能になった。なお、請求項6乃至請求項9のホットランナー型射出成形機の金型は、溶融金属のホットランナ射出成形に適することはもちろんであるが、樹脂の射出成形にも適用することができることは本技術分野の当業者にとって明らかである。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明の好適な実施形態を、図面にしたがって詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかり誘導加熱用分割コイルの正面図、図2図1の誘導加熱用分割コイルのX−X方向断面図、図3は第2の保持体における第2の導体の配置を説明する平面図である。誘導加熱用分割コイル1(以下、分割コイル1と記載)は、断面略四角形状のマニホールド45が挿通するマニホールド挿通部2cが形成された第1の保持体2と、この第1の保持体2の軸線方向(図1において紙面に直交する方向)に沿って均等間隔に配置された複数本(この実施形態では5本)の第1の導体41 〜45 と、第1の保持体2の一側(図1の右側)に着脱自在に取り付けられる第2の保持体7と、第1の導体41 〜45 と同間隔で第2の保持体7に配置された第2の導体61 〜65 とから概略構成される。

0016

第1の保持体2は、例えば窒化アルミセラミックなどの非導通性耐熱性に優れる材料で形成された一対のブロック2a,2bを、マニホールド挿通部2cの両側に対向配置して構成される。ブロック2a,2bは、それぞれボルト3によって固定側金型板46に取り付けられる。ブロック2a,2bの向かい合う側壁には、マニホールド45と干渉しない位置に導体保持部5が突出形成されている。この導体保持部5には、第1の導体41 〜45 が挿通できる複数(この実施形態では5つ)の穴5aが一側から他側に向けて均等間隔で平行に貫通形成されている。また、第2の保持体7が取り付けられるブロック2a,2bの一側面には、第1の導体41 〜45 の端部を保持する複数の溝2dが平行に刻設される。この溝2dは、溝2dに嵌め込まれた第1の導体41 〜45 の端部が、第1の保持体2の一側面から僅かに突出するように、第1の導体41 〜45 の肉厚よりも僅かに浅く形成される。第1の保持体2の一側面から僅かに突出する第1の導体41 〜45 の一部が、第2の保持体7を第1の保持体2に取り付けたときに第2の導体61 〜65 と接触する接触部4a,4bを形成する。

0017

第1の導体41 〜45 は、導電性に優れ、少なくとも誘導加熱用分割コイルによる加熱温度より高い融点を有する鉄や銅、銀などの金属材料で形成される。また、第1の導体41 〜45 は、接触部4a,4bが第2の導体61 〜65 にばねの作用によって押し付けられるように、ある程度の弾性を有するようにある程度の肉厚又は幅を有して形成される。このような第1の導体41 〜45 は、マニホールド45の外周面を取り囲むように、両端が開放した断面コの字状に形成される。第1の導体41 〜45 は、導体保持部5の穴5aを挿通させ各ブロック2a,2bの一側面で直角に折り曲げられ、溝2dに嵌め込まれる。この実施形態では、穴5a及び溝2dが、第1の導体41 〜45 同士が直接接触しないようする導通防止手段を構成する。第1の導体41 〜45 の両端はボルト3によって各ブロック2a,2bの一側面に固定された非導電性押え板11によって押さえられる。以上の手順によって、第1の導体41 〜45 は第1の保持体2に固定され、第1の導体列4を形成する。

0018

第2の保持体7は、例えば窒化アルミやセラミックなどの非導電性、耐熱性、断熱性に優れる材料で形成され、ボルト8によってバックプレート48に取り付けられる。マニホールド45,第1の保持体2及び第1の導体41 〜45 と干渉しない第2の保持体7の他側の途中部位には凸部9が形成される。また、第2の保持体7の他側には、第2の導体61 〜65 を嵌め込んで保持する複数の溝9aが、凸部9を貫通して形成される。この溝9aは、第1の導体41 〜45 の間隔と同一間隔で平行に形成される。なお、溝9aは分割コイル1に電圧を印加するためのリード線12との接続を考慮して、第2の導体61 〜65 の本数よりも一つ多く(つまりこの実施形態では6つ)形成するのが望ましい。第2の導体61 〜65 を凸部9を挿通して溝9aに嵌め込み、その両端を第2の保持体7の両側の切り欠き部10まで折り込むことによって、第2の導体61〜65 が第2の保持体7に保持され、第2の導体列6を形成する。この実施形態では、溝9aが、第2の導体61 〜65 同士の接触を阻止する導通防止手段を構成する。

0019

第2の導体61 〜65 は、導通性に優れ、少なくとも誘導加熱用分割コイルによる加熱温度より高い融点を有する鉄や銅、銀などの金属材料で形成される。第2の導体61 〜65 の各々は、隣り合う第1の導体(41 と42 ,42 と43 ,43 と44 ,44 と45)の間を斜めに横断し、第1の導体(例えば41 )の一方の接触部4aと、これに隣り合う第1の導体(例えば42 )の他方の接触部4bとを接続する。この実施形態では、第1の保持体2に面する第2の導体61 〜65 の表面が、第1の導体41 〜45 の接触部4a,4bと接触する接触部である。第1の保持体2に第2の保持体7を取り付けると、第1の導体列4と第2の導体列6とがマニホールド45の周りにコイル体を形成する。なお、第1の導体列4の第1の導体41 〜45 と第2の導体列6の第2の導体61 〜65 とを簡単かつ正確に組み合わせらるためには、バックプレート48が固定側金型板46に対して常に正確に位置決めされることが好ましい。そのため、この実施形態では、バックプレート48の所定位置に複数本のピン(図示せず)を立設し、このピンが嵌入されるピン穴(図示せず)を固定側金型板46に設けている。もちろん、バックプレート48を固定側金型板46に対して常に正確に位置決めすることができるのであれば、位置決め手段は上記ピンとピン穴に限らず、キーとキー溝など他の手段であってもよい。

0020

図示しない電圧供給源と前記コイル体を接続するためのリード線12は、第2の導体61 ,65 に溶接等により接続するものとしてもよいし、第2の導体61,65 をそのままリード線12の端部で形成してもよい。この実施形態では、図示するように、リード線12の端部を、第1の導体41 ,45 と第2の保持体7又は第2の導体61 ,65 と第1の保持体2とで挟持するようにしている。上記のように構成された分割コイル1は、例えば図4に示すように配置することができる。この配置例では、マニホールド45の端部に1個、スプルー45bとノズル20との間に2個の分割コイル1が配置される。次に、上記構成の分割コイル1の作用を説明する。リード線12,12を介して所定の電圧を分割コイル1に印加すると、電流が第1の導体列4と第2の導体列6とで構成されるコイル体を流れ、マニホールド4を誘導加熱する。したがって、マニホールド45のランナー45a内の材料が所定の温度に加熱又は保温される。

0021

マニホールド45を交換等するためにバックプレート48を固定側金型板46から取り外すと、バックプレート48に取り付けられた第2の保持体7が第1の保持体2から離れ、分割コイル1が2つに分割される。マニホールド45と第2の保持体7及び第2の導体列6とは別体であるので、バックプレート48から第2の保持体7及び第2の導体列6を取り外したりリード線12の接続を断つことなく、マニホールド45をバックプレート48から取り外すことができる。この実施形態のように、リード線12の端部を第1の導体41 ,45 と第2の保持体7又は第2の導体61 ,65 と第1の保持体2とで挟持するようにしておけば、第1の保持体2と第2の保持体7とを分離させるだけでリード線12が分割コイル1から外れるので、第1の保持体2や第2の保持体7をより簡単に固定側金型板46又はバックプレート48から取り外すことができるようになる。

0022

新しいマニホールド45をバックプレート48に取り付け、このバックプレート48を固定側金型板46に取り付ける。前記したようにバックプレート48は前記した位置決め手段により固定側金型板46に位置決めして取り付けられるので、第1の保持体2に対して第2の保持体7を常に正確に取り付けることができる。また、第1の導体41 〜45 はある程度の弾性を有するので、その接触部4a,4bがばねの作用により第2の導体61 〜65 に押し付けられて確実な接触状態を形成する。これにより、第1の導体列4と第2の導体列6とでコイル体が形成される。次に、本発明の他の実施形態を図5にしたがって説明する。この実施形態において先の実施形態と異なるところは、マニホールド45の周りにコイル体が二重に設けられる点である。即ち、第1の保持体22には内側の第1の導体列23と外側の第1の導体列24とが保持され、第2の保持体27には一段目の第2の導体列26と二段目の第2の導体列28が保持されている。そして、内側の第1の導体列23と一段目の第2の導体列26とが内側のコイル体を形成し、外側の第1の導体列24と二段目の第2の導体列28とが外側のコイル体を形成する。

0023

具体的には、固定側金型板46にボルト20によって取り付けられる第1の保持体22には、第1の保持体22を構成するブロック22a,22bの対向する壁面に、複数個の穴25,30が段違いに形成される。第1の導体241 〜245 は穴30に挿入されて外側の第1の導体列24を形成する。内側の第1の導体231 〜234 の各々は、穴25に挿入されて内側の第1の導体列23を形成する。この実施形態では、穴25,30が各導体231 〜234 ,241 〜245の導通を防止する導通防止手段である。両導体231 〜234 ,241 〜245の両端はそれぞれマニホールド挿通部22aの内側及び第1の保持体22の外側に折り曲げられて接触部23a,23b,24a,24bを形成し、かつ、これによって両導体231 〜234 ,241 〜245 が第1の保持体22に固定される。

0024

第2の保持体27には、保持部29,29aによって各々が接触しないように第2の導体列26,28が保持される。この実施形態では、前記した保持部29,29aが導通防止手段を構成する。第2の導体列26,28は、第1の導体列23,24と接触できるように2段に設けられる。2段目の第2の導体列28を構成する第2の導体281 〜285 は、1段目の第2の導体列26を構成する第2の導体261 〜264 よりも長く形成され、その両端が1段目の第2の導体261 〜264 の両側に張り出している。上記の構成により、第1の保持体22に第2の保持体27を取り付けると、外側の第1の導体列24と二段目の第2の導体列28とがコイル体を形成し、内側の第1の導体列23と一段目の第2の導体列26とがコイル体を形成する。

0025

このようにして、一組のコイル体保持体22,27に二つのコイル体を形成することが可能になる。二つのコイル体には別々にリード線(図示せず)を接続してそれぞれに所定の電圧を印加するものとしてもよいし、二つのコイル体を接続して内側のコイル体から外側のコイル体に(或いは外側のコイル体から内側のコイル体に)電流が流れるようにしてもよい。この実施形態においても、リード線12の端部を、第1の導体231 〜234及び241 〜245 (二重巻きの一体コイルの場合は第1の導体231 〜234又は241 〜245 のいずれか一方)と第2の保持体27又は第2の導体261〜264 及び281 〜285 (二重巻きの一体コイルの場合は第2の導体261〜264 又は281 〜285 のいずれか一方)と第1の保持体22とで挟持するようにしておけば、第1の保持体22と第2の保持体27とを分離させるだけでリード線12が分割コイル1から外れるので、第1の保持体22や第2の保持体27をより簡単に固定側金型板46又はバックプレート48から取り外すことができるようになる。

0026

次に、本発明のさらに他の実施形態を図6にしたがって説明する。図6では図1と同一の部材及び同一の部位には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。この実施形態では、分割コイル1をさらに多くの部分に分割することができるように、第1の導体41 〜45 を導体列4の軸線方向(紙面に直交する方向)に沿って中央で分割し、図面下側の導体(符号D41 〜45 で表す)及び上側の導体(符号U41 〜45 で表す)に分けている。第1の導体41 〜45 を分割した部分には、各導体D41 〜45 ,U41 〜45 の端部を折り曲げて接触部4c,4dを形成する。これにより、ブロック2a,2bをそれぞれ固定側金型板46から取り外すことにより、第1の導体列4を二つに分割することが可能になる。なお、同様の手段により第2の保持体7及び第2の導体列6も二つに分割することができ、きわめて簡単に3分割又は4分割することのできる分割コイル1を得ることができる。

0027

この実施形態のような多分割の誘導加熱用分割コイルを利用することにより、今まで設けることが困難であった被加熱部材所定部位にも誘導加熱コイルを簡単に設けることができるようになる。図7はこの実施形態の分割コイルをマニホールド45とノズル42の間に設けたホットランナー型射出成形機の金型の断面図、図8図7のY−Y方向矢視図である。図示するように、分割コイル1の第1の保持体4及び第1の導体41 〜45 を分割可能とすることにより、従来まで設けることが困難であったマニホールド45とノズル42の基部42aとの間に誘導加熱コイル1を簡単に設けることができるようになった。すなわち、基部42aに、分割された第1の導体D41 〜45 ,U41 〜45 に応じて貫通穴43を複数個形成し、この貫通穴43に、基部42aの両側から分割した第1の導体D41 〜45 及びU41 〜45 を差し込み、貫通穴43の内部の中央で接触部4c,4dを接触させる。

0028

マニホールド45を取り外す際には、先に説明したとおりにバックプレート48を固定側金型板46から取り外すだけでよく、さらにノズル42を取り外す際には、ボルト3,3を緩めてブロック2a,2bを固定側金型板46から取り外せばよい。次に、誘導加熱用分割コイルをキャビティ49aの周囲に適用した実施形態を、図9にしたがって説明する。キャビティ49aは可動側金型板49に取り付けられる鉄などの金属で形成されたコア50に形成される。このコア50の周りにはセラミックなどの誘電体で形成された第1の保持体32が設けられる。この第1の保持体32の外周面には複数の溝32aが平行に形成され、この溝32aに第1の導体341 〜345 が嵌め込まれる。各溝32aには、第1の導体341 〜345 の各々が可動側金型板48に接触しないように、適当な導通防止手段を施す。各第1の導体341 〜345 の両端は図示するように第1の保持体32の端面に沿って折り曲げられ接触部34aが形成される。第1の導体341 〜345 はこの折り曲げによって第1の保持体32に固定される。このようにして複数個の第1の導体341 〜345 から第1の導体列34が形成される。

0029

ノズル42の先端は固定側金型板46に取り付けられる鉄などの金属で形成されたコア51によって支持される。このコア51の周囲には、セラミックなどの誘電体で形成された第2の保持体37が設けられる。この第2の保持体37においても第1の保持体32と同様に複数の溝37aが平行に形成され、この溝37aに第2の導体361 〜365 が嵌め込まれる。各溝37aについても、第2の導体361 〜365 の各々が固定側金型板46に接触しないように、適当な導通防止手段を施す。第2の導体361 〜365 と第1の導体341 〜345 との配置関係は先に説明した実施形態と同様である。各第2の導体361 〜365 の両端は図示するように第2の保持体37の端面に沿って折り曲げられ、接触部36aが形成される。第2の導体361 〜365 はこの折り曲げによって第2の保持体37に固定される。このようにして複数個の第2の導体361 〜365 から第2の導体列36が形成される。

0030

上記のように構成された分割コイル1は、キャビティ49aを取り囲むようにコア50,51のノズル42の両側に設けられる。各導体列34,36は、型締め時にそれぞれの接触部34a,36aが接触してコイル体を形成する。図示しないリード線を介してこのコイル体に電圧を印加すると、誘導加熱によってコア50,51が所定温度に加熱される。この場合、分割コイル1に印加する電圧のオンオフ及び加熱温度を、加熱制御装置などの公知の手段によって制御できるようにしておくとよい。溶融材料の射出時にはキャビティ49aの温度を溶融材料にほぼ等しい温度で維持し、射出完了と同時に前記印加電圧をオフにするように設定すれば、キャビティ49aを良好に急加熱、急冷却することができ、高品質の薄肉製品を得ることができる。

0031

この発明の好適な実施形態を説明してきたが、この発明は上記の実施形態によりなんら限定されるものではない。例えば、上記の説明では、第1の導体41 〜45 の間を第2の導体61 〜65が斜めに横断するようにしているが、この逆、つまり、第2の導体61 〜65 の間を第1の導体41 〜45 が斜めに横断するように構成してもよい。また、第1の導体列41 〜45 はマニホールド45の断面形状に合わせてコの字状であるとして説明したが、第1の導体41 〜45 及び第2の導体61 〜65の形状は被加熱部材の断面形状に合わせて円形楕円形多角形不定形などあらゆる形状に形成することができる。さらに導通防止手段は穴5aなどであるとして説明したが、非導電性の部材を各導体の周りに巻きつけてもよい。

0032

また、誘導加熱用分割コイルを利用した本発明のホットランナ金型では、固定側金型板46に第1の保持体を取り付け、バックプレート48に第2の保持体を取り付け、バックプレート48を取り外すという一動作で分割コイルが分割されるものとして説明したが、マニホールド45などに直接第1の保持体及び第2の保持体を取り付けるように構成してもよい。さらに、上記の実施形態では本発明の誘導加熱用分割コイルをマニホールド45及びキャビティ49aの周囲に設けるものとして説明したが、本発明の誘導加熱用分割コイルと同等の作用を有するものであれば、他の誘導加熱用分割コイルであってもよい。また、本発明のこの発明の誘導加熱用分割コイルは、ホットランナー型射出成形機に限らず誘導加熱が必要とされる他の分野にも広く適用することが可能である。

発明の効果

0033

本発明は上記のように構成されているので以下のような効果を奏する。本発明によれば、射出成形の際にキャビティの周りにコイル体を形成して、キャビティを所定の温度まで急速に加熱するとともに、射出完了後にキャビティを急速に冷却することも可能になり、良好な品質の薄肉製品を得ることができる。また、本発明によれば、型締め、型開きを繰り返し行っても故障が生じにくく、信頼性の高い誘導加熱用分割コイルを得ることができる。さらに、この発明の誘導加熱用分割コイルは、コイル体が被加熱部材とは別体のコイル体保持体に保持され、かつ二つ又はそれ以上に分割できる構成であるので、コイル体内に配置されたマニホールド等の被加熱部材を簡単に取り出すことができる。また、被加熱部材の所望の部位、例えば、マニホールドとノズルの接合部のような従来では誘導加熱コイルを設けることが困難であった部位にもコイル体を設けることが可能になる。したがって、作業性と生産性に優れる誘導加熱コイル体を得ることができる。

0034

本発明のホットランナー型射出成形機の金型によれば、誘導加熱用分割コイルをキャビティの周りに設け、誘導加熱によって射出時の金型温度を所定の温度まで昇温することにより、溶融材料をキャビティの隅々まで行き渡らせることができ、鋳込み不良を防止することができる。また、キャビティ内の各部における溶融材料の冷却速度の違いを緩和して、そりの発生を防止することができる。また、マニホールドとノズルの接合部に誘導分割コイルを設けることにより、ランナー内を流通する溶融材料の温度のばらつきを小さくすることができ、キャビティ内に射出される溶融材料の温度むらを小さくしてそりの発生を防止することができる。

図面の簡単な説明

0035

図1本発明の一実施形態の誘導加熱用分割コイルの正面図である。
図2図1の誘導加熱用分割コイルのX−X方向矢視断面図である。
図3第2の保持体における第2の導体の配置を説明する平面図である。
図4分割コイルをマニホールドの周囲に配置したホットランナー型射出成形機の金型の断面図である。
図5本発明の誘導加熱用分割コイルの他の実施形態である。
図6本発明の誘導加熱用分割コイルのさらに他の実施形態である。
図7図5の分割コイルをホットランナー型射出成形機のマニホールドとノズルの間に設けた金型の断面図である。
図8図7のY−Y方向断面図である。
図9分割コイルをキャビティの周囲に配置した配置例を示すホットランナー型射出成形機の金型の部分断面図である。
図10ホットランナー型射出成形機の金型の一般的な構成を説明する断面図である。

--

0036

1分割コイル
2,22 第1の保持体
2a,2bブロック
2cマニホールド挿通部
2d 溝
4 第1の導体列
41 〜45 第1の導体
4a,4b 接触部
4c,4d 接触部
6,27 第2の導体列
61 〜65 第2の導体
7 第2の保持体
12リード線
23 第1の導体列(内側)
23a,23b 接触部
24 第1の導体列(外側)
24a,24b 接触部
26 第2の導体列(内側)
28 第2の導体列(外側)
32 第1の保持体
34 第1の導体列
36 第2の導体列
37 第2の保持体
42ノズル
45 マニホールド
46固定側金型板
47 空間部
48バックプレート
49可動側金型板
49aキャビティ
50,51 コア

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