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技術 キトサン誘導体及びそのキトサン誘導体を含有する皮膚外用剤並びに化粧料

出願人 ピアス株式会社
発明者 吉岡寿早川慎一濱田和彦情野治良赤松恵美
出願日 1999年1月27日 (21年3ヶ月経過) 出願番号 1999-018053
公開日 2000年8月2日 (19年8ヶ月経過) 公開番号 2000-212203
状態 特許登録済
技術分野 化粧料 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 多糖類及びその誘導体 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 表面破壊 部分アシル化 前腕外側 使用終了後 乳化機構 モニター試験 キトサン乳酸塩 疎水層
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重要な関連分野

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課題

キトサン誘導体及びそのキトサン誘導体を含有する皮膚外用剤並びに化粧料に関し、生体安全性の高いキトサンから、両親媒性及び皮膚安全性の優れた誘導体を得て、有効利用することにより、従来の界面活性剤抗菌剤防腐剤の軽減又は除去することを可能にし、且つ持続性の高い皮膚保湿性向上効果、皮膚粘弾性向上効果、及び皮膚柔軟性効果を有する皮膚外用剤、主に低刺激性皮膚外用剤を提供することを課題とする。

解決手段

荷電アミノ基の含有率が40〜100 %であり、炭素数7〜20の高級アシル基導入率が0.1 〜30.0%と部分的である部分N−高級アシル化キトサン塩、部分O−高級アシル化キトサン塩、又は部分N,O−高級アシル化キトサン塩であることを特徴とする。

概要

背景

周知のようにキトサンは、甲殻類糸状菌から得られるキチン脱アセチル化物であり、保湿性や抗コレステロール効果を有し、安全性が優れていることから化粧品用原料機能性食品素材として実用化されている。

化粧品分野では、キトサンの保湿性を高めた誘導体が開発され、ヒアルロン酸と類似した保湿性を有する化粧品用保湿剤として実用化されてきているが(特開平2−107601号)、保湿剤としての利用に限定されているのが現状である。

乳化系製剤(乳液クリーム等)の製剤開発において、界面活性剤又は乳化剤ノニオン界面活性剤アニオン界面活性剤カチオン界面活性剤)の共存が必要である。

しかし、従来の界面活性剤や乳化剤は、主に脂質二重膜から成る細胞膜破壊タンパク変性等による細胞毒性を示すものが多いことが知られている。

皮膚に対しても、角層への侵入角質ケラチンの変性が起こるため、皮膚刺激性が認められることがあり、また角層細胞間の脂質ラメラ構造膜を形成するセラミド等の角層細胞間脂質アミノ酸ピロリドンカルボン酸等のN.M.F成分(自然保湿因子)を溶出させるため、角層保湿バリア機能を低下させる場合があるという問題があった。

抗菌剤防腐剤は、微生物除菌効果や製剤のコンタミ防止による品質保持を目的に利用されるが、従来の抗菌剤は細胞毒性やアレルギー性等が見られるものが多く、皮膚に対しても刺激等が認められる場合があるという問題があった。

キトサンには抗菌性が存在することが知られているが、糸状菌等に対しては抗菌性が弱く、また抗菌スペクトルの点で問題があり、コンタミ防止を目的とした防腐効果は不十分であった(内田泰:キチン、キトサンハンドブック、p301, 技報堂出版,1995)。

皮膚粘弾性や皮膚柔軟性と加齢とには、負の相関性があることが知られており、皮膚粘弾性や皮膚柔軟性の向上は肌老化(小ジワハリの低下、肌荒れ)の予防や肌表面形態の改善等の美肌効果に有用であると言われている。

グリコール酸等のα−ヒドロキシ酸の数%配合は、これらの改善効果を有するとされているが、刺激性の点で問題があった。

低刺激性で、優れた皮膚粘弾性や皮膚柔軟性の向上効果を有する素材皮膚化粧料の開発は十分ではなかった。

最近になり、キトサンの保湿性を高めた誘導体が開発され、ヒアルロン酸と類似した保湿性を有する化粧品保湿剤が開発されているが、皮膚保湿向上効果の持続性は十分ではなかった。

概要

キトサン誘導体及びそのキトサン誘導体を含有する皮膚外用剤並びに化粧料に関し、生体安全性の高いキトサンから、両親媒性及び皮膚安全性の優れた誘導体を得て、有効利用することにより、従来の界面活性剤や抗菌剤・防腐剤の軽減又は除去することを可能にし、且つ持続性の高い皮膚保湿性向上効果、皮膚粘弾性向上効果、及び皮膚柔軟性効果を有する皮膚外用剤、主に低刺激性皮膚外用剤を提供することを課題とする。

荷電アミノ基の含有率が40〜100 %であり、炭素数7〜20の高級アシル基導入率が0.1 〜30.0%と部分的である部分N−高級アシル化キトサン塩、部分O−高級アシル化キトサン塩、又は部分N,O−高級アシル化キトサン塩であることを特徴とする。

目的

本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、生体安全性の高いキトサンから、両親媒性及び皮膚安全性の優れた誘導体を得て、有効利用することにより、従来の界面活性剤や抗菌剤・防腐剤の軽減又は除去することを可能にし、且つ持続性の高い皮膚保湿性向上効果、皮膚粘弾性向上効果、及び皮膚柔軟性効果を有する皮膚外用剤、主に低刺激性皮膚外用剤を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
9件

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請求項1

荷電アミノ基の含有率が40〜100 %であり、炭素数7〜20の高級アシル基導入率が0.1 〜30.0%と部分的である部分N−高級アシル化キトサン塩、部分O−高級アシル化キトサン塩、又は部分N,O−高級アシル化キトサン塩であることを特徴とするキトサン誘導体

請求項2

荷電アミノ基の含有率が1.0 〜90.0%であり、炭素数7〜20の高級アシル基の導入率が0.1 〜30.0%と部分的であり、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基を有する部分N−高級アシル化ヒドロキシアルキルキトサン塩、部分O−高級アシル化ヒドロキシアルキルキトサン塩、又は部分N,O−高級アシル化ヒドロキシアルキルキトサン塩であることを特徴とするキトサン誘導体。

請求項3

荷電アミノ基の含有率が1.0 〜90.0%であり、炭素数7〜20の高級アシル基の導入率が0.1 〜30.0%と部分的であり、炭素数2〜6のアシル基を有する部分N−高級アシル化アシルキトサン塩、部分O−高級アシル化アシルキトサン塩、又は部分N,O−高級アシル化アシルキトサン塩であることを特徴とするキトサン誘導体。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする皮膚外用剤

請求項5

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする化粧料

請求項6

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする乳化剤

請求項7

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする乳化安定化剤

請求項8

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする抗菌剤

請求項9

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする防腐剤

請求項10

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする皮膚保湿剤。

請求項11

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする皮膚柔軟化剤

請求項12

請求項1乃至3のいずれかに記載のキトサン誘導体を1種又は2種以上含有することを特徴とする皮膚粘弾性向上作用を有する抗老化剤

技術分野

0001

本発明は、キトサン誘導体及びそのキトサン誘導体を含有する皮膚外用剤並びに化粧料に関する。

背景技術

0002

周知のようにキトサンは、甲殻類糸状菌から得られるキチン脱アセチル化物であり、保湿性や抗コレステロール効果を有し、安全性が優れていることから化粧品用原料機能性食品素材として実用化されている。

0003

化粧品分野では、キトサンの保湿性を高めた誘導体が開発され、ヒアルロン酸と類似した保湿性を有する化粧品用保湿剤として実用化されてきているが(特開平2−107601号)、保湿剤としての利用に限定されているのが現状である。

0004

乳化系製剤(乳液クリーム等)の製剤開発において、界面活性剤又は乳化剤ノニオン界面活性剤アニオン界面活性剤カチオン界面活性剤)の共存が必要である。

0005

しかし、従来の界面活性剤や乳化剤は、主に脂質二重膜から成る細胞膜破壊タンパク変性等による細胞毒性を示すものが多いことが知られている。

0006

皮膚に対しても、角層への侵入角質ケラチンの変性が起こるため、皮膚刺激性が認められることがあり、また角層細胞間の脂質ラメラ構造膜を形成するセラミド等の角層細胞間脂質アミノ酸ピロリドンカルボン酸等のN.M.F成分(自然保湿因子)を溶出させるため、角層保湿バリア機能を低下させる場合があるという問題があった。

0007

抗菌剤防腐剤は、微生物除菌効果や製剤のコンタミ防止による品質保持を目的に利用されるが、従来の抗菌剤は細胞毒性やアレルギー性等が見られるものが多く、皮膚に対しても刺激等が認められる場合があるという問題があった。

0008

キトサンには抗菌性が存在することが知られているが、糸状菌等に対しては抗菌性が弱く、また抗菌スペクトルの点で問題があり、コンタミ防止を目的とした防腐効果は不十分であった(内田泰:キチン、キトサンハンドブック、p301, 技報堂出版,1995)。

0009

皮膚粘弾性や皮膚柔軟性と加齢とには、負の相関性があることが知られており、皮膚粘弾性や皮膚柔軟性の向上は肌老化(小ジワハリの低下、肌荒れ)の予防や肌表面形態の改善等の美肌効果に有用であると言われている。

0010

グリコール酸等のα−ヒドロキシ酸の数%配合は、これらの改善効果を有するとされているが、刺激性の点で問題があった。

0011

低刺激性で、優れた皮膚粘弾性や皮膚柔軟性の向上効果を有する素材皮膚化粧料の開発は十分ではなかった。

0012

最近になり、キトサンの保湿性を高めた誘導体が開発され、ヒアルロン酸と類似した保湿性を有する化粧品保湿剤が開発されているが、皮膚保湿向上効果の持続性は十分ではなかった。

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、生体安全性の高いキトサンから、両親媒性及び皮膚安全性の優れた誘導体を得て、有効利用することにより、従来の界面活性剤や抗菌剤・防腐剤の軽減又は除去することを可能にし、且つ持続性の高い皮膚保湿性向上効果、皮膚粘弾性向上効果、及び皮膚柔軟性効果を有する皮膚外用剤、主に低刺激性皮膚外用剤を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明者等は、このような課題を解決するために、荷電アミノ基の含有率が40〜100 %であるキトサン塩に、アシル基を部分導入することを試みた結果、炭素数7〜20の高級アシル基導入率を0.1 〜30.0%と部分的に導入した部分高級アシル化キトサン塩が両親媒性物質抗酸化剤、保湿剤、皮膚柔軟化剤)等の機能性に優れ、皮膚安全性も高く、敏感肌皮膚疾患肌(アトピー性皮膚炎接触性皮膚炎等)に対しても安全であることを見い出し、本発明を完成するに至った。

0015

また、荷電アミノ基の含有率が1.0 〜90.0%であり、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基又はアシル基を有するものに、炭素数7〜20の高級アシル基導入率を0.1 〜30.0%と部分的に導入した部分高級アシル化ヒドロキシアルキルキトサン塩及び部分高級アシル化アシルキトサン塩も両親媒性物質(抗酸化剤、保湿剤、皮膚柔軟化剤)等の機能性に優れ、皮膚安全性も高く、敏感肌や皮膚疾患肌(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎等)に対しても安全であることを見い出した。

0016

この部分アシル化キトサン塩は、次式(1)によって示される。

0017

0018

式(1)において、R1,R2,R3,R4は水素原子、炭素数7〜20の高級アシル基、又は炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基若しくはアシル基を示し、R5は水素原子、炭素数7〜20の高級アシル基、アセチル基、又は炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基若しくはアシル基を示す。

0019

ここで、炭素数7〜20の高級アシル基の部分導入率は0.1 〜30.0%である。

0020

また、a及びbは1以上の整数を示し、10<a+b<2000である。さらに、a,bが付された構成単位ランダムに配列されたものであってもよい。

0021

本発明の部分アシル化キトサン塩を有効利用することにより、界面活性剤や抗菌剤・防腐剤の軽減又は除去を可能にし、且つ皮膚粘弾性や皮膚柔軟性の向上、持続性の高い皮膚保湿性の向上を発揮する皮膚外用剤、主に低刺激性皮膚外用剤の提供が可能となった。

0022

ここで述べる高級アシル基部分導入率とは、キトサンの構成単糖であるヘキソサミン1残基当たりの導入率を示し、たとえばアシル基導入率15.0%の部分高級アシル化キトサン・グリコール酸塩とは、構成単糖であるグルコサミン・グリコール酸塩100 残基にアシル基が15個導入されていることを示している。

0023

高級アシル基導入部位は、NH2基又はOH基、若しくはNH2基とOH基であり、キトサンの構成単糖であるヘキソサミン1残基当たりの導入率であるアシル基の導入率が0.1 〜30.0%の範囲であることが重要である。

0024

炭素数7〜20の高級アシル基をキトサン塩に0.1 〜30.0%導入した部分高級アシル化キトサン塩は、優れた界面活性能を有することから、従来の界面活性剤の著しい軽減又は無添加を可能にした乳化系化粧料に広く利用することが可能となる。

0025

従来の界面活性剤は、2〜5%程度配合しないと、良好な乳化系製剤(クリーム、乳液等)を調製できないが、本発明のキトサン誘導体は、0.1 〜1.0 %と少ない量で乳化系製剤を調製することができる。

0026

本発明のキトサン誘導体は、細胞膜破壊や生体毒性をほとんど示さず、皮膚安全性も、従来の界面活性剤より著しく優れ、皮膚バリア機能が低下した敏感肌や皮膚疾患肌(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎等)に対しても安全である。

0027

従来の界面活性剤で観察されるリン脂質等からなる生体膜(脂質二重膜)の破壊をほとんど起こさないことから、角層細胞間の脂質ラメラ構造膜を形成するセラミド等の細胞間脂質やアミノ酸等のN.M.F成分(自然保湿因子)を溶出させることがなく、従来の界面活性剤で見られる角層保湿バリア機能の低下を起こさない。

0028

リン脂質やセラミド等の脂質ラメラ構造膜に対しても破壊せずに部分的に疎水層入り込んで、脂質二重膜の安定性を高めることから、たとえばリポソーム表面破壊することにより、リポソームの安全性を高めることも可能になる。

0029

乳化機構に関しては、油滴表面に高級アシル基が入り込んで安定な乳化形態を形成する。

0030

乳化粒子型を1μm 以下と細かくしたいときは、マイクロフルイダイザー等の高圧処理により容易に調整できる。

0031

従来の親水性界面活性剤等と同様に疎水性物質可溶化させるため、香料等の疎水性物質を可溶化したローション等にも利用できる。

0032

疎水性有効成分(油溶性ビタミン、香料、UV吸収剤等)を内包化することにより、皮膚に対する徐放性や安全性を高めた製剤にも利用可能となる。

0033

高級アシル基導入率を30.0%以下に調整した本発明のキトサン誘導体は、水溶性を有することから、水溶性基剤であるローションやエッセンスの製剤にも配合し易い利点がある。

0034

炭素数7〜20の高級アシル基をキトサン塩に0.1 〜30.0%と部分的に導入することにより、微生物の細胞壁に対する作用性向上や微生物による資化性の阻止が起こり、キトサン塩と比較し、特に糸状菌に対する抗菌スペクトルの改善や抗菌性向上が起こることから、抗菌剤としての有用性が高まることを見い出した。

0035

キトサンの抗菌スペクトルを広くするため、抗菌剤や防腐剤の軽減又は除去も可能となる。

0036

本発明のキトサン誘導体をヒト皮膚連続塗布することにより、皮膚保湿性、皮膚粘弾性、及び皮膚柔軟性の皮膚機能の優れた向上効果が認められる。

0037

また、皮膚に対する保持性や親和性が高まるため、皮膚上での微生物に対する抵抗性や皮膚保湿性等の皮膚機能の向上効果の持続性が良いという利点もある。

0038

炭素数7〜20の高級アシル基の例として、パルミトイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、ステアロイル基、サリチロイル基等が挙げられる。

0039

本発明のキトサン誘導体の塩の種類に関しては、特に限定されないが、ピロリドンカルボン酸塩、グリコール酸塩、サリチル酸塩グルタミン酸塩等が挙げられる。

0040

分子量に関しても、特に限定されないが、平均分子量5000〜2000000 程度が望ましく、特に平均分子量30000 〜1000000 程度が望ましい。

0041

本発明の皮膚外用剤の剤型として、ローション、エッセンス、乳液、クリーム、親水軟膏ジェルパック乳化ファンデーション等に適用できるが、剤型は特に限定されない。

0042

配合量に関しても特に限定されないが、クリーム剤型の場合は0.01〜5.0 %程度、乳液やエッセンス剤型の場合は0.1〜3.0 %、ローション剤型の場合は0.01〜2.0 %程度が望ましい。

0043

本発明に関する皮膚外用剤には、補助的に他の界面活性剤、乳化安定化剤増粘剤を配合することも可能である。

0044

その他、成分として油脂類高級アルコール類、水溶性高分子類、多価アルコール類、香料、抗炎症剤ステロイド剤抗アレルギー剤細胞賦活剤、保湿剤、美白剤、抗菌剤、防腐剤等の皮膚外用剤で一般に使用される成分を配合することができる。

0045

以下、本発明の実施例について説明する。

0046

実施例1
本実施例の部分N−高級アシル化キトサン塩の効率的調整法を以下に示す。

0047

キトサン(平均分子量:約100000、脱アセチル化度:90.0%)にピロリドンカルボン酸(以下、PCAと略す)をキトサンのヘキソサミン塩1残基当たり1モル当量加えて溶解させ、1倍量のメタノールを加えて均一溶液とした。

0048

この溶液に、メタノールで溶解した無水ミリスチン酸をキトサンのヘキソサミン1残基当たり0.1モル当量を添加し、室温で1晩攪拌することにより部分アシル化を行い、限外濾過濃縮凍結乾燥、及びアセトン洗浄により、スポンジ状の部分N−ミリストイル化キトサンPCA塩を調整した。

0049

高級アシル基の導入率は、プロトンMR(500MHZ) により、N−アシル基由来ピークから求め、その結果、N−高級アシル基導入率は9.5 %であった。

0050

本実施例で得られたキトサン誘導体は、次式(2)で示される。

0051

0052

式(2)において、R6はPCAを示し、R7はミリストイル基を示す。

0053

またa、b、cは1以上の整数を示し、400 <a+b+c<450 である。

0054

ミリストイル基のヘキソサミン1残基当たりの部分導入率は約9.5 %である。

0055

さらに、a、b、cが付された3種の構成単位は、ランダムに配列されたものであってもよい。

0056

実施例2
本実施例の部分N,O−高級アシル化キトサン塩の効率的調整法を以下に示す。

0057

キトサン(平均分子量:約100000、脱アセチル化度:90.0%)に乳酸をキトサンのヘキソサミン塩1残基当たり1モル当量加えて溶解させ、1倍量のエタノールを加えて均一溶液とした。

0058

この溶液に、エタノールで溶解した無水ラウリル酸をキトサンのヘキソサミン1残基当たり0.2モル当量を添加し、室温で1晩攪拌することにより部分アシル化を行い、限外濾過、濃縮、凍結乾燥、及びアセトン洗浄により、スポンジ状の部分N,O−ラウロイル化キトサン乳酸塩を調整した。

0059

高級アシル基の導入率は、プロトンNMR(500MHZ) により、N−アシル基及びO−アシル基由来ピークから求め、その結果、N,O−高級アシル基導入率は19.2%であった。

0060

本実施例で得られたキトサン誘導体は、次式(3)で示される。

0061

0062

式(3)において、R8は乳酸を示し、R9は水素原子又はラウロイル基を示し、R10はラウロイル基を示す。

0063

また、a、b、cは1以上の整数を示し、400 <a+b+c<450 である。

0064

ラウロイル基のヘキソサミン1残基当たりの部分導入率は約19.2%である。

0065

さらに、a、b、cが付された3種の構成単位は、ランダムに配列されたものであってもよい。

0066

実施例3
本実施例の部分O−高級アシル化キトサン塩の効率的調整法を以下に示す。

0067

キトサン(平均分子量:約100000、脱アセチル化度:90.0%)に乳酸をキトサンのヘキソサミン塩1残基当たり1モル当量加えて溶解させ、2.0 %ホルムアルデヒド水溶液添加により、シッフ塩基を形成させた。

0068

シッフ塩基による保護後、1倍量のエタノールを加え、エタノールで溶解した無水ミリスチン酸をキトサンのヘキソサミン1残基当たり0.1モル当量を添加し、室温で1晩攪拌した。

0069

ヘキソサミン塩1残基当たり1モル当量の乳酸を加えて溶解させ、シッフ塩基を除去した後、限外濾過、濃縮、凍結乾燥、及びアセトン洗浄により、スポンジ状の部分O−ミリストイル化キトサン乳酸塩を調整した。

0070

高級アシル基の導入率は、プロトンNMR(500MHZ) により、O−アシル基由来ピークを指標として求めた結果、O−高級アシル基導入率は9.1 %であった。

0071

本実施例で得られたキトサン誘導体は、次式(4)で示される。

0072

0073

式(4)において、R11は乳酸を示し、R12は水素原子又はミリストイル基を示す。

0074

また、a、bは1以上の整数を示し、600 <a+b<700 である。

0075

ミリストイル基のヘキソサミン1残基当たりの部分導入率は約9.1 %である。

0076

さらに、a、bが付された3種の構成単位は、ランダムに配列されたものであってもよい。

0077

実施例4
本実施例の部分N−高級アシル化N,O−ヒドロキシブチルキトサンPCA塩の調整法を以下に示す。

0078

炭素数4のヒドロキシアルキル基からなるN,O−ヒドロキシブチル化キトサン(平均分子量:約100000、ヒドロキシブチル基置換度:0.71、アミノ基含有率:51.5%)にPCAをヘキソサミン塩1残基当たり0.5モル当量加えて溶解させ、荷電アミノ基が51.5%であるN,O−ヒドロキシブチルキトサンPCA塩溶液を得た。

0079

この溶液に1倍量のメタノールを加え、均一溶液にし、メタノールで溶解した無水ミリスチン酸をヘキソサミン1残基当たり0.1モル当量を添加し、室温で1晩攪拌することにより部分高級アシル化を行い、限外濾過、濃縮、凍結乾燥、及びアセトン洗浄により、スポンジ状の部分N−ミリストイル化N,O−ヒドロキシブチルキトサンPCA塩を調整した。

0080

ミリストイル基の導入率は、H−NMR(500MHZ)分析により、N−ミリストイル基由来ピークから求め、その結果、部分導入率は8.9 %であった。

0081

本実施例で得られたキトサン誘導体は、次式(5)で示される。

0082

0083

式(5)において、R13はPCAを示し、R14は水素原子又はヒドロキシブチル基を示し、R15はヒドロキシブチル基を示し、R16はミリストイル基を示す。

0084

また、a、b、c、dは1以上の整数を示し、300 <a+b+c+d<350 である。

0085

ミリストイル基のヘキソサミン1残基当たりの部分導入率は約8.9 %である。

0086

さらに、a、b、c、dが付された3種の構成単位は、ランダムに配列されたものであってもよい。

0087

実施例5
本実施例の部分N−高級アシル化N,O−スクシニル化キトサン乳酸塩の調整法を以下に示す。

0088

炭素数6のアシル基からなるN,O−スクシニル化キトサン(平均分子量:約110000、スクシニル基の置換度:0.41、アミノ基含有率:60.7%)に乳酸をヘキソサミン塩1残基当たり0.65モル当量加えて溶解させ、荷電アミノ基が60.7%であるN,O−スクシニル化キトサングルタミン酸塩溶液を得た。

0089

この溶液に1倍量のメタノールを加え、均一溶液にし、メタノールで溶解した無水ステアリン酸0.05モル当量を添加し、室温で1晩攪拌することにより部分高級アシル化を行い、限外濾過、濃縮、凍結乾燥、アセトン洗浄により、スポンジ状の部分N−ステアロイル化N,O−スクシニルキトサン乳酸塩を調整した。

0090

ステアロイル基の導入率は、プロトンNMR(500MHZ)分析により、N−ステアロイル基由来ピークから求め、その結果、部分導入率は5.2 %であった。

0091

本実施例で得られたキトサン誘導体は、次式(6)で示される。

0092

0093

式(6)において、R17は乳酸を示し、R18は水素原子又はスクシニル基を示し、R19はスクシニル基を示し、R20はステアロイル基を示す。

0094

また、a、b、c、dは1以上の整数を示し、300 <a+b+c+d<350 である。

0095

ステアロイル基のヘキソサミン1残基当たりの部分導入率は約5.2 %である。

0096

さらに、a、b、c、dが付された3種の構成単位は、ランダムに配列されたものであってもよい。

0097

実施例6
主に実施例1〜5の方法で得られた各キトサン誘導体の1.0 %水溶液スクワランを容量1:1に調整し、ホモミキサー処理(7500rpm 、1分間)し、超音波処理により最終乳化液を得た。

0098

部分N−ミリストイル化キトサンPCA塩については実施例1以外の高級アシル基導入率のものについても試験し、部分N,O−ラウロイル化キトサン乳酸塩については、実施例2以外の高級アシル基導入率のものについても試験した。

0099

乳化液の安定性を加速試験遠心処理、40℃1ケ月、サイクル試験)により評価した。

0100

陽性対照として従来のノニオン界面活性剤を利用した系を用いた。

0101

その結果を表1に示す。

0102

0103

表1からも明らかなように、各実施例のキトサン誘導体は、優れた乳化能を有し、加速試験による乳化安定性に関しても、従来のノニオン系界面活性剤と比較しても同程度であることから、乳化剤としての有用性が示唆された。

0104

一方、高級アシル基の導入率が30%を超えると、乳化物を形成するが、乳化安定性は十分ではなく、加速試験により顕著な分離が認められたため、有用ではないことが明らかである。

0105

キトサンPCA塩やキトサン乳酸塩では、乳化物の形成が不十分であった。

0106

実施例7
本実施例では、抗菌チャレンジ試験を行った。

0107

実施例3〜5の方法で得られたキトサン誘導体、並びに部分N−ラウロイル化キトサンPCA塩及び部分N,O−ミリストイル化キトサン乳酸塩の0.2 %水溶液に1×108個/mlの微生物菌液を1%量接種し、30℃で2週間放置し、生菌数寒天希釈法により測定した。

0108

混合細菌として大腸菌緑膿菌黄色ブドウ球菌の混合であるUSP混合細菌を用い、混合カビとして黒カビガンジタ菌、青カビを混合したものを用い、さらに排水混合菌として家庭排水濾液を用いた。

0109

その結果を表2に示す。

0110

0111

表2からも明らかなように、実施例3〜5のキトサン誘導体、並びに部分N−ラウロイル化キトサンPCA塩及び部分N,O−ミリストイル化キトサン乳酸塩は、キトサンPCA塩やキトサン乳酸塩では不十分であった混合カビや排水混合菌に対しても抗菌性を示した。

0112

高い抗菌性を維持しながら、抗菌スペクトルが広くなることから、抗菌剤、防腐剤としての有用性が高まることが明らかである。

0113

高級アシル基の導入率が30%を超えると、表2に示すように抗菌性が低下することから、好ましくないことが明らかである。

0114

実施例8
本実施例は、部分N−ラウロイル化キトサンPCA塩、部分N−ミリストイル化キトサングリコール酸塩、部分N,O−ミリストイル化キトサンPCA塩、部分N−ラウロイル化キトサンPCA塩、部分N−ミリストイル化ヒドロキシブチルキトサンPCA塩の皮膚粘弾性、皮膚保湿性に及ぼす影響を主に考察したものである。

0115

健常人15名(平均年齢:32.0)の前腕外側部を観察部位とし、0.4 %(乾燥重量%)のキトサン誘導体含有ローション、及び対照として同じ濃度のヒアルロン酸、キトサン塩含有ローションを4週間連続塗布した。

0116

皮膚の柔軟性と弾力性を示した皮膚粘弾性の測定値は、ダーマルクトルメーター(DIA-STRON 社製)で測定し、皮膚水分量スキコン200(アイ・ビイ・エス社製)で測定した。

0117

測定は湯洗後、室温25℃、湿度50%で30分間、安静にさせて行った。

0118

向上効果は、塗布前と塗布終了後の測定値の変化率(%)を指標として求めた。

0119

その結果を表3に示す。

0120

0121

表3からも明らかなように、皮膚粘弾性に関して、本実施例のキトサン誘導体は、ヒアルロン酸やキトサンPCA塩、キトサングリコール酸塩に比較して有意な向上効果及びその向上レベルが優れていることが示唆された。

0122

ただし、アシル基の導入率が30%を超えた部分N−ラウロイル化キトサンPCA塩の皮膚粘弾性は、キトサンPCA塩と同程度であった。

0123

皮膚保湿性に関しても、陽性対照であるヒアルロン酸と同等以上を示したことから、皮膚の柔軟性と弾力性に関連性のある皮膚粘弾性の向上機能を有する保湿剤として有用性が高いことが明らかである。

0124

ただし、アシル基の導入率が30%を超えた部分N−ラウロイル化キトサンPCA塩の皮膚保湿性は、他のものよりも良好ではなかった。

0125

また、皮膚表面形態の改善性(凹凸、小ジワの改善性)においても、レプリカ採取による画像解析(3−Dスキャナー、一丸ファルコス株式会社製)において有意な改善効果が認められ、ヒアルロン酸やキトサン塩に比較して優れていることが示唆された。

0126

処方例1
本処方例は、ローションとして使用する場合の処方例である。

0127

成分配合比(重量%)
トリメチルグリシン2.0%
グリセリン6.5%
メチルパラベン0.03%
部分N−ラウロイル化キトサン乳酸塩
(高級アシル化導入率;9.8 %) 0.1%
エタノール10.0%
pH調製剤適量
酢酸トコフェロール0.05%
香料微量
精製水残量

0128

処方例2
本処方例は、乳液として使用する場合の処方例である。

0129

成分配合比(重量%)
セタノール2.5%
流動パラフィン10.5%
ワセリン2.0%
部分N,O−ミリストイル化キトサンピロリドン
カルボン酸塩(高級アシル化導入率;13.5%) 0.3%
グリセリン6.0%
1,3 −ブチレングリコール5.0%
ブチルパラベン0.01%
セラミド0.1%
天然ビタミンE0.02%
香料微量
精製水残量

0130

処方例3
本処方例は、エッセンスとして使用する場合の処方例である。

0131

成分配合比(重量%)
ヒドロキシメチルセルロース0.8%
グリセリン10.0%
ポリエチレングリコール1000 3.0%
パラベン0.3%
部分O−オクチル化キトサングリコール酸塩
(高級アシル化導入率;5.5 %) 0.2%
アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩 1.0%
ビタミンA誘導体(ビタミンAパルミテート) 0.02%
香料微量
精製水残量

0132

処方例4
本処方例は、クリーム又は親水軟膏として使用する場合の処方例である。

0133

成分配合比(重量%)
ベヘニルアルコール5.0%
ワセリン4.5%
流動パラフィン15.0%
部分N−ラウロイル化キトサンピロリドンカルボン酸塩
(高級アシル化導入率;7.5 %) 0.4%
パルミチン酸ソルビタン0.1%
グリチルリチン酸ジカリウム0.1%
インドメタシン0.1%
精製水残量

0134

実施例8
本実施例では、皮膚外用剤を実際に使用した場合の効果を、モニター試験を行ってアンケート評価により求めた。

0135

モニター試験では、皮膚の老化や皮膚トラブルが気になる20〜50代の女性35名(健常肌:20名、敏感肌:15名)をモニターとし、安定性、防腐力試験をクリアした下記の組成から成る2種類の乳液をハーフサイドで2〜3回/日、2ケ月塗布することにより行った。

0136

使用終了後、各項目に関してアンケート評価を行い、有用性を求めた。

0137

本実施例で使用した乳液の組成は次のとおりである。

0138

成分配合比(重量%)
セタノール2.5%
流動パラフィン10.5%
ワセリン2.0%
部分N,O−ミリストイル化キトサンピロリドン
カルボン酸塩(アシル化導入率;13.5%) 0.5%
ステアリン酸ソルビタン(乳化剤) 0.1%
グリセリン6.0%
1,3 −ブチレングリコール5.0%
メチルパラベン(防腐剤) 0.02%
香料0.01%
精製水残量

0139

比較例の乳液の組成は次のとおりである。

0140

成分配合比(重量%)
セタノール2.5%
流動パラフィン10.5%
ワセリン2.0%
POE(25)モノステアリルソルビタン(乳化剤) 4.0%
ステアリン酸ソルビタン(乳化剤) 1.0%
グリセリン6.0%
1,3 −ブチレングリコール5.0%
メチルパラベン(防腐剤) 0.2%
香料0.01%
精製水残量

0141

有用性の試験結果を表4(本実施例の結果)及び表5(使用例の結果)に示す。

0142

0143

0144

表4及び表5からも明らかなように、乳化剤及び防腐剤の軽減が可能となった本実施例の乳液の安全性は、従来の乳液と比較して皮膚安全性が向上することが確認された。

0145

また、皮膚の柔軟性と弾力性を示す皮膚粘弾性及び皮膚保湿性の向上性に関する項目に関しても、優れた効果を発揮することが確認された。

発明の効果

0146

叙上のように、本発明のキトサン誘導体は、皮膚安全性が優れ、乳化能及び抗菌能が優れているため、刺激等の原因になる従来の乳化剤や抗菌剤や防腐剤の添加を軽減又は除去を可能にし、皮膚保湿性向上効果、皮膚粘弾性向上効果、及び皮膚柔軟性効果を有する化粧料等の皮膚外用剤を提供することが可能となった。

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