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課題

鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ等を主原料として炭酸化反応により塊状の人工石材を製造するに際し、大型の人工石材であってもこれを効率的に大量生産することができる方法を提供する。

解決手段

鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法であり、原料水分調整と原料の撹拌を行う工程(A)と、該工程を経た原料を型枠内充填する工程(B)と、該型枠内の原料充填層炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)と、該工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)とを有する。

概要

背景

従来、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ(例えば、高炉スラグ転炉スラグ等)の有効利用を図る一環として、スラグを藻場石材魚礁等の海中沈設資材として利用する試みがなされている。スラグをこれらの資材として利用する場合の主たる形態としては、塊状のスラグをそのまま藻場用等の石材として利用する方法とスラグをコンクリート魚礁等の骨材として利用する方法が考えられる。

しかし、これらの方法には以下のような問題点がある。先ず前者の方法では、スラグ中に含まれるCa分が海中に溶け出し、周囲の海水のpHを上昇させるおそれがある。また、鉄鋼製造プロセスで得られたままの塊状のスラグは、その表面性状等からしてコンクリート製品に比べれば藻場用等の石材に適しているとは言えるが、藻場用等の石材としては天然石と同程度の機能(海藻類付着性成育性)しかなく、海藻類の成育を促進し得るような特別な機能を有する石材ではない。

また、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグは地金粒鉄等の鉄分)を多く含んでいるため、通常はスラグをある程度の大きさまで粉砕し、スラグ中に含まれる鉄分を回収して鉄鋼製造プロセスにリサイクルしている。しかし、藻場用等の石材として用いるスラグにはある程度の大きさが必要であり、地金回収のために粉砕処理したようなスラグはほとんど利用することができない。このため塊状スラグを藻場用等の石材として用いる場合には、鉄鋼資源として有用な地金の回収がほとんどできない。

一方、後者の方法のようにスラグをコンクリート製のプレキャスト体の骨材として用いた場合、その基本はコンクリート製品であるため、藻場用石材等としてそれなりの機能が期待できると考えられるスラグの性状(例えば、凹凸状の表面性状等)を生かすことができない。また、コンクリートはpHが高いため(通常、pH12〜12.5程度)、海水のpHを上昇させるおそれがある。

さらに、近年では環境保護の観点から海、河川湖沼、池などの水質浄化が大きな課題となっている。このような水質浄化のための一つの手法として、バクテリアを中心とした生物生態系による自浄作用を利用することを狙いとし、水中での生物間の活発食物連鎖の環境を人為的に提供する試みがなされており、その環境を提供するために水中や水辺に沈設または敷設する資材として、好気性生物嫌気性生物等の多様な生物が棲息できる多孔質コンクリートブロック体が用いられている。しかし、このような従来の水質浄化用の資材もコンクリート製品であるため、上述したような本質的な問題点を有している。

このような問題に鑑み、本発明者らがスラグを藻場用石材等の水中沈設用資材として利材化するための方法について検討を重ねた結果、粉状または粒状のスラグを、これに含まれるCaOの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバインダーとして固結させ、塊状化させた人工石材を藻場用等の水中沈設用石材として用いることにより、海水のpH上昇を招くことなく、しかも海藻類の育成面等で優れた効果を発揮することが判った。

すなわち、このような人工石材は、藻場用石材や魚礁等に用いた場合以下のような機能を発揮することが判った。
スラグ中に含まれるCaO(またはCaOから生成したCa(OH)2)の大部分がCaCO3に変化するため、CaOによる海水のpH上昇を防止できる。一方において、スラグに適量の鉄分が含まれることにより、この鉄分が海水中に溶出することで海水中に栄養塩として鉄分が補給され、これが海藻類の育成に有効に作用する。

粉状または粒状のスラグを炭酸固化して得られた塊状物は全体(表面及び内部)がポーラスな性状を有しており、このため石材表面に海藻類が付着し易く、しかも石材内部もポーラス状であるため、石材中に含まれている海藻類の成育促進に有効な成分(例えば、後述する可溶性シリカや鉄分)が海水中に溶出しやすい。このため塊状スラグをそのまま海中沈設用石材として用いる場合やスラグを骨材とするコンクリート製魚礁に較べて、海藻類の成育を効果的に促進することができる。

特に、藻場造成場所等において沈設される石材への海藻類の増殖、生育を効果的に促進するためには、石材表面での海藻類の幼体の生育を促進させる必要がある。この点、上記人工石材から水中に溶出する有効成分は、海藻類の個体が石材に近いほど効果的に作用するため、海藻類の幼体の生育に特に有効であり、このため海藻類の幼体の生育を効果的に促進させることができる。

また、このような人工石材を得るためには、粉状または粒状の原料スラグ型枠内に所定の密度充填し、この原料充填層内炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給してスラグ中に含まれるCaOに炭酸化反応を生じさせることによりスラグ粒子を固結させる製法が有効であり、また、このような製法によれば石材を適用すべき海底海流の状況に応じた任意の密度と大きさの石材を製造でき、また石材の大塊化も極めて容易に実現できることが判った。

概要

鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ等を主原料として炭酸化反応により塊状の人工石材を製造するに際し、大型の人工石材であってもこれを効率的に大量生産することができる方法を提供する。

鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法であり、原料水分調整と原料の撹拌を行う工程(A)と、該工程を経た原料を型枠内に充填する工程(B)と、該型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)と、該工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)とを有する。

目的

したがって本発明の目的は、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ等を主原料として炭酸化反応により塊状の人工石材を製造するに際し、大型の人工石材であってもこれを効率的に大量生産することができる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法であって、原料水分調整と原料の撹拌を行う工程(A)と、該工程を経た原料を型枠内充填する工程(B)と、該型枠内の原料充填層炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)と、該工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)とを有することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項2

CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法であって、原料への水分添加と原料の撹拌を行う工程(A)と、該工程を経た原料を型枠内に充填する工程(B)と、該型枠内の原料充填層中の過剰な水分を除去することにより水分調整を行う工程(E)と、前記型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)と、該工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)とを有することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項3

工程(A)では、移動式混合手段により原料を撹拌しつつ、型枠充填を行う場所まで搬送することを特徴とする、請求項1または2に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項4

工程(E)では、型枠内の原料充填層をその外部から間接加熱することにより、原料充填層中に含まれる過剰な水分を蒸発させることを特徴とする、請求項2または3に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項5

工程(B)では、原料が装入された型枠および/または原料層振動させつつ、吊り金具を脱着可能に取り付けた加圧手段を用いて原料層を上部から静的に加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、前記加圧手段による原料層の加圧により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、加圧終了後、吊り金具と加圧手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了し、工程(D)では固結した原料充填層の上面に突出した吊り金具の一部に吊り上げ手段を連結し、型枠を解体することなく型枠から塊状石材を吊り上げて脱枠することを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項6

工程(B)では、原料が装入された型枠および/または原料層を振動させるとともに、該型枠および/または原料層の振動を停止させた後、吊り金具を脱着可能に取り付けた加圧手段を用いて原料層を上部から打撃して加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、前記加圧手段による原料層の打撃により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、加圧終了後、吊り金具と加圧手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了し、工程(D)では固結した原料充填層の上面に突出した吊り金具の一部に吊り上げ手段を連結し、型枠を解体することなく型枠から塊状石材を吊り上げて脱枠することを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項7

工程(B)では、原料が装入された型枠および/または原料層を振動させることにより原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、該充填工程の少なくとも途中から吊り金具を脱着可能に取り付けた吊り金具保持手段を原料層上に載せ、型枠および/または原料層の振動により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、型枠および/または原料層の振動停止後、吊り金具と吊り金具保持手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了し、工程(D)では固結した原料充填層の上面に突出した吊り金具の一部に吊り上げ手段を連結し、型枠を解体することなく型枠から塊状石材を吊り上げて脱枠することを特徴とする、請求項1、2、3または4に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項8

少なくとも主原料を湿空養生し、該主原料の固体粒子水和膨張させることにより亀裂の導入及び/又は割れによる細粒化を図る工程(a)を、工程(A)の前に実施することを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

請求項9

工程(a)では、湿空養生を実質的にCO2を含まない雰囲気中か若しくは少なくとも養生中にはCO2が実質的に補給されない雰囲気中で行うことを特徴とする、請求項8に記載のCaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

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0001

本発明は、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料とする人工石材、より詳細には、原料スラグおよび/またはCaO分含有廃材炭酸化反応により固結させて塊状化した人工石材の製法法に関するものである。このようにして製造される人工石材は、路面敷設用石材建築用石材等のような土木建築材料藻場用石材や魚礁用石材等のような水中沈設用石材等、様々な用途に利用でき、とりわけ藻場用石材、河床用石材、水質浄化を主目的として海、河川湖沼、池等に沈設または敷設される石材等のような水中沈設用資材として好適なものである。

背景技術

0002

従来、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ(例えば、高炉スラグ転炉スラグ等)の有効利用を図る一環として、スラグを藻場用石材や魚礁等の海中沈設用資材として利用する試みがなされている。スラグをこれらの資材として利用する場合の主たる形態としては、塊状のスラグをそのまま藻場用等の石材として利用する方法とスラグをコンクリート魚礁等の骨材として利用する方法が考えられる。

0003

しかし、これらの方法には以下のような問題点がある。先ず前者の方法では、スラグ中に含まれるCa分が海中に溶け出し、周囲の海水のpHを上昇させるおそれがある。また、鉄鋼製造プロセスで得られたままの塊状のスラグは、その表面性状等からしてコンクリート製品に比べれば藻場用等の石材に適しているとは言えるが、藻場用等の石材としては天然石と同程度の機能(海藻類付着性成育性)しかなく、海藻類の成育を促進し得るような特別な機能を有する石材ではない。

0004

また、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグは地金粒鉄等の鉄分)を多く含んでいるため、通常はスラグをある程度の大きさまで粉砕し、スラグ中に含まれる鉄分を回収して鉄鋼製造プロセスにリサイクルしている。しかし、藻場用等の石材として用いるスラグにはある程度の大きさが必要であり、地金回収のために粉砕処理したようなスラグはほとんど利用することができない。このため塊状スラグを藻場用等の石材として用いる場合には、鉄鋼資源として有用な地金の回収がほとんどできない。

0005

一方、後者の方法のようにスラグをコンクリート製のプレキャスト体の骨材として用いた場合、その基本はコンクリート製品であるため、藻場用石材等としてそれなりの機能が期待できると考えられるスラグの性状(例えば、凹凸状の表面性状等)を生かすことができない。また、コンクリートはpHが高いため(通常、pH12〜12.5程度)、海水のpHを上昇させるおそれがある。

0006

さらに、近年では環境保護の観点から海、河川、湖沼、池などの水質浄化が大きな課題となっている。このような水質浄化のための一つの手法として、バクテリアを中心とした生物生態系による自浄作用を利用することを狙いとし、水中での生物間の活発食物連鎖の環境を人為的に提供する試みがなされており、その環境を提供するために水中や水辺に沈設または敷設する資材として、好気性生物嫌気性生物等の多様な生物が棲息できる多孔質コンクリートブロック体が用いられている。しかし、このような従来の水質浄化用の資材もコンクリート製品であるため、上述したような本質的な問題点を有している。

0007

このような問題に鑑み、本発明者らがスラグを藻場用石材等の水中沈設用資材として利材化するための方法について検討を重ねた結果、粉状または粒状のスラグを、これに含まれるCaOの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバインダーとして固結させ、塊状化させた人工石材を藻場用等の水中沈設用石材として用いることにより、海水のpH上昇を招くことなく、しかも海藻類の育成面等で優れた効果を発揮することが判った。

0008

すなわち、このような人工石材は、藻場用石材や魚礁等に用いた場合以下のような機能を発揮することが判った。
スラグ中に含まれるCaO(またはCaOから生成したCa(OH)2)の大部分がCaCO3に変化するため、CaOによる海水のpH上昇を防止できる。一方において、スラグに適量の鉄分が含まれることにより、この鉄分が海水中に溶出することで海水中に栄養塩として鉄分が補給され、これが海藻類の育成に有効に作用する。

0009

粉状または粒状のスラグを炭酸固化して得られた塊状物は全体(表面及び内部)がポーラスな性状を有しており、このため石材表面に海藻類が付着し易く、しかも石材内部もポーラス状であるため、石材中に含まれている海藻類の成育促進に有効な成分(例えば、後述する可溶性シリカや鉄分)が海水中に溶出しやすい。このため塊状スラグをそのまま海中沈設用石材として用いる場合やスラグを骨材とするコンクリート製魚礁に較べて、海藻類の成育を効果的に促進することができる。

0010

特に、藻場造成場所等において沈設される石材への海藻類の増殖、生育を効果的に促進するためには、石材表面での海藻類の幼体の生育を促進させる必要がある。この点、上記人工石材から水中に溶出する有効成分は、海藻類の個体が石材に近いほど効果的に作用するため、海藻類の幼体の生育に特に有効であり、このため海藻類の幼体の生育を効果的に促進させることができる。

0011

また、このような人工石材を得るためには、粉状または粒状の原料スラグを型枠内に所定の密度充填し、この原料充填層内炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給してスラグ中に含まれるCaOに炭酸化反応を生じさせることによりスラグ粒子を固結させる製法が有効であり、また、このような製法によれば石材を適用すべき海底海流の状況に応じた任意の密度と大きさの石材を製造でき、また石材の大塊化も極めて容易に実現できることが判った。

発明が解決しようとする課題

0012

ところで、このような人工石材を漁礁や藻場用石材として用いる場合、通常、一辺の長さが1m若しくはそれ以上の大型の石材が必要となり、しかも、漁礁や藻場を新たに造成する場合には、一つの造成場所だけでも膨大な数量の石材が必要となる。

0013

しかし、従来ではスラグの炭酸化反応を利用した硬化体製造法自体は知られているものの、上記のような大型の人工石材を効率的に大量生産する方法は全く知られていない。特に、スラグを原料として高品質の人工石材を効率的に大量生産するためには、スラグの搬送性、スラグの撹拌水分調整等の処理、この処理の後に炭酸化処理を行うまでの原料の劣化防止、固結した原料スラグの脱枠作業の効率化など面点で多くの課題があると考えられる。

0014

したがって本発明の目的は、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ等を主原料として炭酸化反応により塊状の人工石材を製造するに際し、大型の人工石材であってもこれを効率的に大量生産することができる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

このような課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有する。
[1] CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法であって、原料の水分調整と原料の撹拌を行う工程(A)と、該工程を経た原料を型枠内に充填する工程(B)と、該型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)と、該工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)とを有することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0016

[2] CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする石材用原料を、炭酸化反応により固結させることにより塊状石材とする方法であって、原料への水分添加と原料の撹拌を行う工程(A)と、該工程を経た原料を型枠内に充填する工程(B)と、該型枠内の原料充填層中の過剰な水分を除去することにより水分調整を行う工程(E)と、前記型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)と、該工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)とを有することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0017

[3] 上記[1]または[2]の製造方法において、工程(A)では、移動式混合手段により原料を撹拌しつつ、型枠充填を行う場所まで搬送することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。
[4] 上記[2]または[3]の製造方法において、工程(E)では、型枠内の原料充填層をその外部から間接加熱することにより、原料充填層中に含まれる過剰な水分を蒸発させることを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0018

[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、工程(B)では、原料が装入された型枠および/または原料層振動させつつ、吊り金具を脱着可能に取り付けた加圧手段を用いて原料層を上部から静的に加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、前記加圧手段による原料層の加圧により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、加圧終了後、吊り金具と加圧手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了し、工程(D)では固結した原料充填層の上面に突出した吊り金具の一部に吊り上げ手段を連結し、型枠を解体することなく型枠から塊状石材を吊り上げて脱枠することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0019

[6] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、工程(B)では、原料が装入された型枠および/または原料層を振動させるとともに、該型枠および/または原料層の振動を停止させた後、吊り金具を脱着可能に取り付けた加圧手段を用いて原料層を上部から打撃して加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、前記加圧手段による原料層の打撃により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、加圧終了後、吊り金具と加圧手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了し、工程(D)では固結した原料充填層の上面に突出した吊り金具の一部に吊り上げ手段を連結し、型枠を解体することなく型枠から塊状石材を吊り上げて脱枠することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0020

[7] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、工程(B)では、原料が装入された型枠および/または原料層を振動させることにより原料層を所定の嵩密度に充填するとともに、該充填工程の少なくとも途中から吊り金具を脱着可能に取り付けた吊り金具保持手段を原料層上に載せ、型枠および/または原料層の振動により吊り金具の一部を原料層中に埋入させ、型枠および/または原料層の振動停止後、吊り金具と吊り金具保持手段との連結を解除し、吊り金具を原料充填層に残したまま同工程を終了し、工程(D)では固結した原料充填層の上面に突出した吊り金具の一部に吊り上げ手段を連結し、型枠を解体することなく型枠から塊状石材を吊り上げて脱枠することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0021

[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの製造方法において、少なくとも主原料を湿空養生し、該主原料の固体粒子水和膨張させることにより亀裂の導入及び/又は割れによる細粒化を図る工程(a)を、工程(A)の前に実施することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。
[9] 上記[8]の製造方法において、工程(a)では、湿空養生を実質的にCO2を含まない雰囲気中か若しくは少なくとも養生中にはCO2が実質的に補給されない雰囲気中で行うことを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明は鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ等を主原料とする人工石材の製造方法であり、主原料となるスラグとしては、高炉徐冷スラグ高炉水砕スラグ等の高炉系スラグ、予備処理転炉鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ脱燐スラグ脱硫スラグ脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼系スラグ、鉱石還元スラグ電気炉スラグ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また、2種以上のスラグを混合して用いることもできる。

0023

これらのスラグのうち、代表的なスラグの組成の一例を以下に示す。
(1)脱炭スラグ… T.Fe:17.5%,CaO:46.2%、SiO2:11.7%、Al2O3:1.4%、MgO:8.3%、MnO:6.2%、P:0.76%、S:0.04%
(2)脱燐スラグ… T.Fe:5.8%,CaO:54.9%、SiO2:18.4%、Al2O3:2.8%、MgO:2.3%、MnO:1.9%、P:2.8%、S:0.03%

0024

(3)脱硫スラグ… T.Fe:10.5%,CaO:50.3%、SiO2:10.0%、Al2O3:5.4%、MgO:1.1%、MnO:0.4%、P:0.13%、S:1.8%
(4)脱珪スラグ… T.Fe:10.5%,CaO:13.6%、SiO2:43.7%、Al2O3:3.8%、MgO:0.4%、MnO:15.8%、P:0.10%、S:0.19%
(5)高炉水砕スラグ… FeO:0.3%、CaO:42.0%、SiO2:33.8%、MnO:0.3%、MgO:6.7%、Al2O3:14.4%

0025

なお、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグのうち、脱燐スラグはP含有量が高いために、また脱珪スラグはMnOの含有量が高いために、それぞれセメント原料として使用するには難があるが、本発明ではこれらのスラグについても問題なく石材の主原料として利用することができる。

0026

また、本発明で使用する石材の主原料としては、上記スラグとともに或いはスラグに代えて廃コンクリート材のようなCaO分含有廃材を用いてもよい。このようなCaO分含有廃材としては、廃コンクリート材のほかに、モルタル耐火物の廃材があり、これらの材料もスラグと同様に、含有されるCaOの炭酸化反応でCaCO3が生成し、このCaCO3をバインダーとして固結する。したがって、石材の主原料としては、スラグおよびCaO含有廃材の中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。なお、以下の発明の説明においてはすべてスラグを主原料として用いる場合を例に説明を行う。

0027

図1は本発明の一実施形態を示している。本発明法で主原料として用いられるスラグは、必要に応じて粉砕装置1(例えば、ロッドミル等)で粉砕処理され、所定の粒度に調整される。製造される人工石材の密度(空隙率)や均質性は主原料となるスラグの粒度分布にも依存するため、石材の製造工程に供給されるスラグが必要とされる粒度条件を満足していない場合には、上記のような粉砕処理が必要となる。

0028

鉄鋼製造プロセスで発生するスラグは、程度の差はあるものの比較的多量(通常、数重量%〜30重量%程度)の地金(粒鉄等の鉄分)を含んでおり、一般には、このような鉄分を鉄鋼製造プロセスにリサイクルするために、スラグ中の地金回収が行われる。通常、この地金回収を行うためにスラグは粉砕処理され、したがって、元々粉化した状態にあるスラグを含め、地金回収工程を経たスラグは必然的にcmオーダーまたはそれ以下の粒径のものとなる。しかし、この状態では要求される粒度条件を満足していないことがあるので、この場合には上記のような粉砕処理を行う。

0029

また、この主原料となるスラグには必要に応じて添加材を添加することができる。代表的な添加材としては、可溶性シリカ源フライアッシュクリンカーアッシュ等)、鉄源含鉄ダストミルスケールのような金属鉄含金属鉄材酸化鉄、含酸化鉄材)、CaO源等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。石材に含まれる可溶性シリカや鉄分は、石材が漁礁用や藻場用石材として用いられた際に海水中に溶出することにより海藻類の成育に有効に作用する。また、石材に少量含まれるCaOは、海底に赤潮の原因となる燐や青の原因となる硫黄が多く含まれる場合にこれら燐や硫黄を吸着し、赤潮や青潮の発生を防止するのに効果がある。

0030

以上のようにして必要に応じて粉砕処理され、同じく添加材が添加されたスラグを原料として、下記工程(A)〜(D)により人工石材が製造される。
(1) 原料の水分調整と原料の撹拌を行う工程(A)
(2) 原料を型枠内に充填する工程(B)
(3) 前記型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)
(4) 前記工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)

0031

前記工程(A)では原料の水分調整と撹拌を行うが、本実施形態の工程(A)では、原料の水分調整が行われるとともに、ミキサー車等の移動式混合手段2により型枠充填を行う場所までの原料の搬送と原料の撹拌が行われる。移動式混合手段2の種類は特に限定されず、例えば、軌条上を走行する貨車等を用いてもよい。なお、このような移動混合手段2を用いることなく、原料の水分調整と撹拌を型枠充填場所の近くで行い、水分調整と撹拌がなされた原料を適当な搬送手段で下記する工程(B)に供給するようにしてもよい。

0032

スラグをCaOと炭酸ガスとの反応を利用して炭酸固化させるには水分が必要であり、スラグの粒度等によって最適水分量は異なるが、炭酸化処理開始直前の原料中の水分含有率は3〜10%程度とすることが適当である。これは水にCaOと炭酸ガスが溶解することにより炭酸化反応が促進されるためである。したがって、移動式混合手段2に装入される原料には、必要に応じて水分が添加され、最適水分量に調整される。この原料への水分の添加は、移動式混合手段2に装入する前、移動式混合手段2への装入中、移動式混合手段2に装入された後のいずれの段階で行ってもよい。この水分調整を行うため、原料の水分含有率が測定され、この測定に基づき水分添加の要否や水分添加量が決められる。

0033

移動式混合手段2では、均質な石材が得られるように原料(および水分)の撹拌が行われ、この撹拌を行いつつ、工程(B)が行われる型枠設置場所まで原料を搬送する。原料の搬送と撹拌にこのような移動式混合手段2を用いるのは、搬送および撹拌に要する時間を短縮化するというだけでなく、水分調整後の原料の劣化(空気中の炭酸ガスによる炭酸化)を抑制するためである。したがって、移動式混合手段2への原料供給場所と型枠充填を行う場所とが隣接していなくても、石材を効率的に製造することができる。

0034

前記工程(B)では移動式混合手段2により搬送されてきた原料を型枠3に装入・充填する。通常、この型枠3としては底部にガス吹込み口を備えたものが用いられる。この型枠3への原料装入・充填工程では、型枠3に装入された原料が量され、一定量の原料が型枠3に充填されるようにする。図1の実施形態では原料が装入された型枠3はコンベア等により充填装置4まで搬送され、振動・加圧方式により原料充填層が形成される。すなわち、原料が装入された型枠3および/または原料層を振動させつつ、加圧手段5を用いて原料層を上部から静的に加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填する。この原料層の嵩密度は製造される石材の密度(空隙率)を左右するため、その調整は重要である。通常、前記加圧手段5としては、板状またはブロック状の加圧体とこれを昇降させるための加圧機構とを備えたものを用いる。また、原料層自体を振動させるには棒状バイブレータ等の加振機等が用いられる。

0035

また、このような原料充填層を形成する際に、図4に示すように下面側に吊り金具6を脱着可能に取り付けた加圧手段5を用い、この加圧手段5を介して原料層を上部から静的に加圧することが好ましい。前記吊り金具6は、原料充填層を炭酸化反応で固結して得られた塊状石材を脱枠する際に、塊状石材を型枠3から吊り上げるために用いるものである。図4の構成例では、吊り金具6は、その上部に吊り上げ手段のフック等を引っ掛けるための把手部60を有し、また、その下部に固結した原料充填層に対するアンカー効果を高めるるためのアンカー部61を有している。

0036

前記加圧手段5による原料層の加圧により吊り金具6の下部(アンカー部61を備えた下部)が原料層中に埋入し、加圧終了後、吊り金具6と加圧手段5との連結を解除し、この吊り金具6を原料充填層に残したまま工程(B)を完了させる。この状態で、図5に示すように吊り金具6の上端部(少なくとも把手部60の上端)は原料充填層の上面から突出している。なお、原料充填層の嵩密度は任意であり、必要とされる石材の密度等に応じて適宜調整できるが、通常、嵩比重真比重が0.3〜0.9の範囲、すなわち原料充填層内の空隙率が70〜10%となる程度に充填される。

0037

前記工程(C)では、型枠3内にその底部等から炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給し、原料を炭酸化反応により固結させる。なお、上記ガス供給を行う段階では、型枠3の上部は排気口付きの蓋体ビニール製のシート等で塞がれていることが必要である。型枠3内に供給された炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスのうち未反応のガスは、前記蓋体の排気口や型枠3とシートとの隙間等から排気される。

0038

型枠3内の雰囲気(炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガス雰囲気)は処理効率を上げるために適度な加圧状態とすることが好ましく、また、供給された炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスにより原料充填層が乾燥すると炭酸化反応が阻害されるため、型枠3内に供給される炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスは水蒸気飽和状態またはこれに近い状態とし、原料充填層の乾燥を防止することが好ましい。このため図1に示すように、ガスの加圧・加湿装置7により炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを適度に加圧し且つ一旦水中に吹き込んでH2Oを飽和させた上で、型枠3に供給することが好ましい。

0039

使用される炭酸ガス含有ガスとしては、例えば一貫製鉄所内で排出される石灰焼成工場排ガス(通常、CO2:25%前後)や加熱炉排ガス(通常、CO2:6.5%前後)等が好適であるが、これらに限定されるものではない。また、炭酸ガス含有ガス中の炭酸ガス濃度が低すぎると処理効率が低下するという問題を生じるが、それ以外の問題は格別ない。したがって、炭酸ガス濃度は特に限定しないが、効率的な処理を行うには3%以上の炭酸ガス濃度を有するガスを用いるのが好ましい。

0040

また、炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスのガス吹込量にも特別な制限はなく、原料充填層が流動しない程度にガス吹き込みを行えばよいが、一般的な目安としては0.004〜0.5m3/min・t程度のガス吹き込み量が確保できればよい。また、ガス吹き込み時間(炭酸化処理時間)にも特別な制約はないが、目安としては炭酸ガス(CO2)の吹込量が原料の重量の3%以上となる時点、すなわち、ガス量に換算すると材料1t当たり15m3以上の炭酸ガス(CO2)が供給されるまでガス吹き込みを行うことが好ましい。

0041

また、吹き込まれる炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスは常温でよいが、ガスが常温よりも高温であればそれだけ反応性が高まるため有利である。但し、ガスの温度が過剰に高いと原料充填層の水分を蒸発させたり、CaCO3がCaOとCO2に分解してしまう。したがって、ガス温度は原料充填層を乾燥させない温度・圧力条件、具体的には原料充填層内での水の沸点以下の温度とすることが好ましい。

0042

以上のような炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを所定時間(通常、数十時間〜数百時間)供給し続けることにより、原料(スラグ)中に含まれるCaOやCa(OH)2がCO2と反応(炭酸化反応)してCaCO3が生成し、このCaCO3をバインダーとしてスラグ粒子が固結し、原料充填層の大きさに相当する塊状石材が得られる。

0043

前記工程(D)では、上記のような炭酸化処理の完了後、塊状石材を型枠3から脱枠する。この脱枠のために、型枠3の上部に取り付けた蓋体やシートは取り外される。この脱枠は生産性向上のために型枠3を解体することなく行うことが好ましく、このために先に述べた吊り金具6が好適に利用できる。すなわち、脱枠場所で型枠3を固定した後、型枠3内の塊状石材(固結した原料充填層)の上面から突出した吊り金具6の把手部60に吊り上げ手段8(例えば、クレーンフォークリフト等が有する吊り上げ手段)を連結し、型枠3を解体することなく型枠3から塊状石材xを吊り上げて脱枠する。このようにして脱枠された塊状石材xは、例えば、適当な集積場所集積された後、出荷される。

0044

図2は、本発明の他の実施形態を示しており、全体の基本的な工程は図1の実施形態と同様であるが、工程(B)における原料層の充填方法が異なる。この実施形態の工程(B)では、振動・打撃方式により原料充填層を形成する。すなわち、原料が装入された型枠3および/または原料層を振動させ、この型枠3および/または原料層の振動を停止した後、充填装置4を構成する加圧手段5′を介して原料層を上部から打撃して加圧することにより、原料層を所定の嵩密度に充填する。通常、前記加圧手段5′は、板状またはブロック状の加圧体(打撃体)とこれを昇降させるための打撃機構とを備えたものを用いる。

0045

また、この場合にも図4に示すような下面側に吊り金具6を脱着可能に取り付けた加圧手段5′を用いることが好ましく、この加圧手段5′を用いて原料層を上部から打撃することが好ましい。前記加圧手段5′による原料層の打撃により吊り金具6の下部(アンカー部61を備えた下部)が原料層中に埋入し、加圧(打撃)終了後、吊り金具6と加圧手段5′の連結を解除し、この吊り金具6を原料充填層に残したまま工程(B)を終了させる。この状態で図5に示すように吊り金具6の上端部(少なくとも把手部60の上端)は原料層の上面に突出している。上記加圧手段5′による原料層の打撃は型枠3が破損しない限度で、例えば、原料層1m2当たり200kgf・m以上の打撃力で行えばよい。

0046

また、工程(B)における原料層の充填方法としては、図1図2に示した方式以外に、例えば、型枠3および/または原料層を振動させるだけで原料層を所定の嵩密度に充填する方式もある。先に述べたように原料層自体を振動させるには棒状バイブレータ等の加振機を用いればよい。このような場合、吊り金具6の一部を図5のように原料層中に埋入された状態とするには、型枠3および/または原料層を振動させる充填工程の少なくとも途中から、下面側に吊り金具6を脱着可能に取り付けた吊り金具保持手段9(図4参照)を原料層上に載せ、振動によって流動化した原料層内に吊り金具6の一部を埋入させる。この方式は、原料層の水分量が比較的多い場合に向いており、したがって後述する図3の実施形態に特に好適である。

0047

図3は、本発明の他の実施形態を示しており、この実施形態では下記工程(A)、(B)、(E)、(C)、(D)により石材が製造される。
(1)原料への水分添加と原料の撹拌を行う工程(A)
(2) 原料を型枠内に充填する工程(B)
(3) 型枠内の原料充填層中の過剰な水分を除去することにより水分調整を行う工程(E)
(4) 前記型枠内の原料充填層に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給して原料を炭酸化反応により固結させる工程(C)
(5) 前記工程で原料を固結させることにより得られた塊状石材を型枠から脱枠する工程(D)

0048

この実施形態における工程(A)では最終的な水分調整は行わず、単に水分を添加するに止め、最終的な水分調整は型枠3への原料の充填後に行う。これにより工程(A)および(B)側の事情に拘りなく、炭酸化処理される直前の原料充填層中の水分量を適切且つ高精度に管理できる。

0049

この実施形態における工程(A)での基本的な内容は、工程(A)において最終的な水分調整を行わず、単に水分添加のみを行うという点を除き、図1図2に示す実施形態と同様である。したがって、移動混合手段2を用いることなく、原料への水分添加と撹拌を型枠充填場所の近くで行い、この水分添加と撹拌がなされた原料を適当な搬送手段で工程(B)に供給するようにしてもよい。なお、この工程(A)での水分添加は、原料層の加振時(型枠や原料層の振動時)に原料が流動化でき、一方において原料層が固液分離しない程度の水分を原料層が含むように、水分を添加することが好ましい。

0050

また、本実施形態における工程(B)の原料充填工程では、型枠3および/または原料層自体の振動のみで原料層を所定の嵩密度に充填する。特に、この実施形態では原料が水分を比較的多く含んでいるため、型枠3および/または原料層の振動だけでも比較的短時間で原料層の充填を行うことができる。但し、この場合にも図1図2に示すような振動−加圧方式または振動−打撃方式による充填を行ってもよい。

0051

この工程(B)では、吊り金具6の一部を図5のように原料層中に埋入された状態とするために、型枠3および/または原料層自体を振動させる充填工程の少なくとも途中から、図4に示すような下面側に吊り金具6を脱着可能に取り付けた吊り金具保持手段9(例えば、適当な重量を有する板状またはブロック状の部材)を原料層上に載せ、型枠3および/または原料層の振動により吊り金具6の一部を原料層中に埋入させる。本実施形態のように原料層の水分量が比較的多い場合には、振動により原料層が流動化し易いため、吊り金具6の一部は型枠および/または原料層の振動と吊り金具保持手段9の重さだけで比較的簡単に原料層中に埋入する。この吊り金具6の充填完了後の状態および工程(D)での使用法については、図1図2の実施形態と同様である。

0052

前記工程(E)では、工程(A)で水分が添加された原料スラグの最終的な水分調整を行う。通常、この工程では原料を加熱することにより過剰な水分を蒸発させる。その調整方法は、例えば、加熱前の原料中の水分を測定(この測定は工程(A)での水分添加時に測定してもよい)するとともに、加熱により蒸発した水分を測定することにより、原料中に残存している水分量を算出して行う。

0053

具体的な実施形態としては、例えば、図3に示すように型枠3ごと加温室10(燃焼排ガス等で加熱された処理室)に入れて加熱したり、或いは型枠3を二重構造にし、その二重構造内部に高温のガス(燃焼排ガス等)を流す等により原料充填層の加熱を行う。また、これらの場合には加温室10や型枠3を密閉構造にするとともに、適当なガス排気口を設け、このガス排気口から出てくる水分量を測定し、この測定水分量に基づき原料の水分量を調整する。

0054

また、このような水分調整が完了した後には、低温ガスを型枠3に流すか、或いは加温室10から型枠3取り出すことにより原料充填層を冷却する。このようにして水分調整がなされた型枠3内の原料充填層は、図1図2に示す実施形態と同様に工程(C)及び工程(D)を経て石材に製品化される。

0055

次に、石材用原料の炭酸化反応の反応効率を高め、製造される石材の強度を向上させるのに有効な方法について説明する。石材用原料の主原料である固体粒子(CaO分含有廃材および/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ)は一般に塊状または粒状であり、この固体粒子の内部まで炭酸ガスと反応させるには長い時間を必要とするため、固体粒子内部のCaO源が炭酸化反応に有効活用されにくい傾向がある。このような問題を解決するには、主原料である塊状または粒状の固体粒子を本発明による一連の工程で処理する前に、湿空養生(水和養生)することにより水和膨張させることが有効であり、このような水和膨張によって固体粒子に亀裂が導入され、さらにこの亀裂から割れを生じて細粒化し、これにより以下のような効果が得られる。

0056

固体粒子への亀裂の導入や固体粒子の細粒化により、炭酸ガスが接触できる固体粒子の表面積が増大し、しかも固体粒子内部のCaO源からもCaイオンが溶出しやすくなるため、炭酸化反応の反応効率が大きく向上する。そして、固体粒子から溶出したCaイオンの炭酸化反応により生じるCaCO3は固体粒子間のボンドとして機能するため、製造される石材の強度も向上する。
固体粒子が細粒化することにより、固体粒子間のボンドとして利用できる微粉(CaOを含む微粉)が生じるため、製造される石材の強度が向上する。
湿空養生により固体粒子に含まれるCaO含有物質を炭酸化反応しやすい水和物とすることができるため、この面からも炭酸化反応の反応効率が向上する。
湿空養生しない場合に較べて固体粒子内の未反応のCaOの量を少なくすることができるため、製品化学的定性を確保することができる。

0057

主原料である固体粒子の集合体を湿空養生によって水和膨張させる場合、実質的に炭酸ガスを含まない雰囲気か、若しくは少なくとも養生中には炭酸ガスが実質的に補給されないような雰囲気中に固体粒子の集合体を置き、水分の存在下で湿空養生させることが好ましい。固体粒子の集合体に水分を供給するには、湿空養生のための空間内に置く前及び/又は後に固体粒子の集合体に対して水や温水を添加する方法、湿空養生のための空間内に置かれた固体粒子の集合体に水蒸気を吹き込む方法などを採ることができる。

0058

湿空養生を実質的に炭酸ガスを含まない雰囲気か、若しくは少なくとも養生中には炭酸ガスが実質的に補給されない雰囲気で行うのは、この湿空養生の段階では固体粒子がなるべく炭酸化反応を生じないようにするためであり、例えば、大気遮断した空間(雰囲気)内で湿空養生を行うことが望ましい。このような空間の雰囲気は、最初、大気中に含まれる炭酸ガスが存在しているが、それ以上炭酸ガスが補給されることはない。また、固体粒子の集合体に温水を添加する場合には、養生の効率化の観点から60℃以上の温水を添加することが望ましい。このような湿空養生を経た固体粒子の集合体(石材の主原料)を、上述した一連の工程で処理することにより石材が製造される。

0059

したがって、このような実施形態に基づいて本発明のより好ましい形態を挙げると、以下のようになる。
[a] 上記[8]または[9]の方法において、工程(a)では、湿空養生される固体粒子の集合体に水又は温水を添加することを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。
[b] 上記[a]の方法において、工程(a)において固体粒子の集合体に添加される温水の温度が60℃以上であることを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。
[c] 上記[8]または[9]の方法において、工程(a)では、湿空養生される固体粒子の集合体に水蒸気を吹き込むことを特徴とする、CaO分含有廃材および/またはスラグを主原料とする石材の製造方法。

0060

図6および図7は、本発明で使用される型枠3の一構造例を示しており、型枠3は上下が開放した角筒状の胴部構成部材30(側壁部)とこの胴部構成部材30が脱着可能に装着される底部構成部材31とからなっている。胴部構成部材3部材30は、炭酸固化した原料充填層を型枠無解体で円滑に脱枠できるようにするため、上側に向けて拡径した形状(逆角錐台形状)を有している。

0061

型枠3の底面となるべき底部構成部材31の上面には凸部32が突設され、この凸部32の側部に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き出すためのガス孔33が多数形成されている。このように凸部32の側部にガス孔33を設けることにより、原料によるガス孔33の閉塞を防止できる。凸部32の内側にはガス流路が形成され、このガス流路に外部から炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスが供給される。

0062

本実施形態の凸部32は、各端部が胴部構成部材30の内面に達するような井桁状の凸部により構成されている。この凸部32の構成は任意であるが、製造された石材をフォークリフトで搬送する際の利便性の点から、この凸部32によって脱枠後の石材底面に端から端までの溝が少なくとも対称的に1対形成されるようなものであることが好ましい。図8および図9は、図6および図7に示す型枠3を用いて製造された石材を示しており、型枠3の前記井桁状の凸部32により、石材の底面には井桁状の溝aが形成されている。石材底面にこのような溝aを形成することにより、この溝aにフォークリフトのフォークを挿入することができ、製造された石材の搬送が容易になる。しかも、この例のように井桁状の溝aを形成することにより、石材の如何なる方向からでも溝aにフォークリフトのフォークを挿入することができる。

0063

石材底面の溝aはフォークリフトによる搬送性を考慮して少なくとも1対形成されることが好ましくは、したがって、前記底部構成部材30は、各端部が胴部構成部材30の内面に達するような少なくとも1対の凸部32を有することが好ましい。また、凸部32が図6図7に示すような井桁状に構成されることが最も好ましい。

0064

また、前記加圧手段5、5′や吊り金具保持手段9を、原料層の上面の略全面に接触できるような板状またはブロック状の部材により構成し、その下面に前記底部構成部材31の凸部32に相当するような凸部(好ましくは井桁状の凸部)を形成し、この凸部により充填後の原料層の上面に溝が形成され、これによって製造される石材の上面に上記底面と同様の溝が形成されるようにしてもよい。

0065

また、原料装入前の型枠3内に鉄筋(通常の鉄筋または防錆被覆した鉄筋)を配置してから原料を装入・充填することもでき、これにより強度の高い石材を得ることができる。また、鉄筋の一部を原料層の上面から突出させておけば、この鉄筋部分を吊り金具としても利用できる。

0066

CaO含有率が44wt%の脱燐スラグを篩目5mmのを用いて−5mmに粒度調整した後、水を添加して混合し、水分を6wt%に調整した。実施例1では、上記粒度及び水分調整されたスラグを型枠(φ100mm×200mm)に乾燥密度が2.25g/cm3となるように充填し、この型枠に蓋をして密閉した状態で3日間湿空養生(水和養生)した後、型枠底部から炭酸ガス(CO2濃度:100%、25℃)を1L/minの割合で3日間吹き込んで炭酸化処理を行った。

0067

これに対して実施例2,3では、上記粒度及び水分調整されたスラグを型枠(φ100mm×200mm)に乾燥密度が2.25g/cm3となるように充填した後、湿空養生することなく直ぐに型枠底部から炭酸ガス(CO2濃度:100%、25℃)を1L/minの割合で3日間及び6日間吹き込んで炭酸化処理を行った。上記炭酸化処理により製造された塊状石材の試験体を型枠から脱枠し、それらの圧縮強度を測定した結果を表1に示す。

0068

これによれば、湿空養生した後、3日間炭酸化処理を行って得られた実施例1の試験体は、湿空養生をしないで3日間炭酸化処理を行って得られた実施例2の試験体に比べて圧縮強度が大幅に向上しており、湿空養生をしないで6日間炭酸化処理を行って得られた実施例3の試験体とほぼ同等の圧縮強度が得られている。したがって、適当な湿空養生を行うことにより炭酸化処理に要する時間を半減させ得ことが判った。

0069

発明の効果

0070

以上述べたように本発明によれば、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ等を主原料として炭酸化反応により塊状の人工石材を製造するに際し、大型の人工石材であってもこれを効率的に大量生産することが可能である。

図面の簡単な説明

0071

図1本発明法による製造工程の一実施形態を示す説明図
図2本発明法による製造工程の他の実施形態を示す説明図
図3本発明法による製造工程の他の実施形態を示す説明図
図4加圧手段または吊り金具保持手段に吊り金具を取り付けた状態を示す説明図
図5吊り金具の一部が原料充填層に埋入された状態を示す説明図
図6本発明で使用される型枠の一構造例を示す平面図
図7図6も型枠の胴部構成部材と底部構成部材とを分離した状態で示す断面図
図8本発明法により製造される石材の一構成例を示す側面図
図9図8に示す石材の平面図

--

0072

1…粉砕装置、2…移動式混合手段、3…型枠、4…充填装置、5,5′…加圧手段、6…吊り金具、7…加圧・加湿装置、8…吊り上げ手段、9…吊り金具保持手段、10…加温室、30…胴部構成部材、31…底部構成部材、32…凸部、33…ガス孔、60…把手部、61…アンカー部、a…溝、x…塊状石材

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