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技術 ダイナミックバランサ装置

出願人 東洋製罐グループホールディングス株式会社
発明者 萩原幹雄
出願日 1999年1月7日 (21年3ヶ月経過) 出願番号 1999-002137
公開日 2000年7月25日 (19年9ヶ月経過) 公開番号 2000-202698
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 プレス機械及び付属装置
主要キーワード ピポットピン バランサー機構 リンクモーション 先端ヘッド バランス質量 正弦運動 逆位相波形 上下動軸
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年7月25日)のものです。
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図面 (10)

課題

周期的に複雑な波形で変動する加振力を簡単な機構によって効果的に抑制することができ、しかも位相や加振力の大きさを簡単に調節することができ、従来と比べて飛躍的に高速運転を可能にする。

解決手段

上下に配置された2個のラム上下動するダブルアクションプレスであって、リンクモーションで上下動するロワラム3に対応して第2バランサ18を設け、クランクモーションで上下動するアッパーラムに対応して第1バランサ17を設けてなり、第2バランサと第1バランサとの合成加振力を前記両ラムの加振力にバランスさせるようにする。

概要

背景

従来、例えば、深絞り加工によって薄肉飲料缶等の2ピース缶成形加工するプレス装置として、ダイが取り付けられているロワラムとパンチが取り付けられているアッパーラムが対向して上下動する所謂対向ラム方式のダブルアクションプレス装置が知られている。近時、缶材のより一層の薄肉化と共に、化学溶剤等の使用の減少を図るプラスチックラミネート缶材を使用した深絞りが求められ、長いストロークと高いプレス圧力が要求されると共により一層の高速化が求められている。プレス装置は、往復運動するラムの慣性力等の周期的な不平衡力による加振力によって振動が発生し、その振動が基礎を通じて周囲に伝播して、振動公害を発生させる等、種々の悪影響を及ぼす。特にストロークが長く、しかも高い圧力が要求される上記のようなプレス装置において、高速化した場合強い振動が発生するので、高速運転を可能にするためには、プレス装置自体の振動抑制は避けられない課題である。

一般に機械装置において、周期的な不平衡力の発生を抑制する方策として、該不平衡力に対向するバランスウェイトを逆の位相変位させて不平衡力を打ち消す方法が知られている。しかしながら、ダブルアクションプレスのように2個のラムが変位する場合は、その加振力の波形が複雑となり、それに対応してバランス質量を変位させるには複雑な機構が必要である。特に、一方のラムがリンク機構によってドウェルを有するような変位をする場合、両ラムによって発生する合成の加振力は、より複雑な波形となり、それに対応する逆位相波形でバランス質量を変位させることは困難である。

本出願人は、上記問題点を解決する方策として、プレス装置のクランク主軸ギア伝動により回転するサブクランク軸に連接棒を介してバランスウェイトを懸垂して設け、ギア伝動の噛み合い比及びサブクランク軸のクランクレバーと連接棒長さ比を適宜選択することによってバランスウェイトの振動位相を調節できるようにして、アッパーラムとロワラムの加振力とバランスする加振力を発生するようにしたダイナミックバランサ装置を先に提供した(特開平4−107342号公報)。また、他の手段として、対向して変位する二つのスライドに別々にバランサを設けてプレス慣性をバランスさせるようにしたものが提案されている(特開平9−285897号)。

概要

周期的に複雑な波形で変動する加振力を簡単な機構によって効果的に抑制することができ、しかも位相や加振力の大きさを簡単に調節することができ、従来と比べて飛躍的に高速運転を可能にする。

上下に配置された2個のラムが上下動するダブルアクションプレスであって、リンクモーションで上下動するロワラム3に対応して第2バランサ18を設け、クランクモーションで上下動するアッパーラムに対応して第1バランサ17を設けてなり、第2バランサと第1バランサとの合成加振力を前記両ラムの加振力にバランスさせるようにする。

目的

そこで、本発明は、上下動するアッパーラムとロワラムを有するダブルアクションプレス等、クランクモーション機構で上下動する荷重とリンクモーション機構で上下動する荷重を有するプレス装置において、周期的に複雑な波形で変動する加振力であっても、極めて簡単な機構によって効果的に抑制することができ、しかも位相や加振力の大きさを簡単に調節することができ、従来と比べて飛躍的に高速運転が可能であり、さらに構造が簡単で省スペースを図ることができるプレスのダイナミックバランサ装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

クランクモーション機構上下動する荷重リンクモーション機構で上下動する荷重を有するプレスダイナミックバランサ装置であって、前記クランクモーション機構で上下動する荷重に対応してクランクモーションで上下動するバランスウェイトを有する第1バランサと、前記リンクモーション機構で上下動する荷重に対応してリンクモーションで上下動するバランスウェイトを有する第2バランサとを備え、前記リンクモーションバランサとクランクモーションバランサとの合成加振力を前記両荷重の変位による加振力にバランスさせるようにしたことを特徴とするダイナミックバランサ装置。

請求項2

前記プレス装置ダブルアクションプレス装置であり、クランクモーション機構で上下動する荷重にクランク機構により上下動するクランクモーションラムが含まれ、前記リンクモーション機構で上下動する荷重に前記クランクモーションラムに対向して変位するリンクモーションラムが含まれ、前記クランクモーションラムがアッパーラムであり、前記リンクモーションラムがロワラムである請求項1記載のダイナミックバランサ装置。

請求項3

前記クランクモーション機構で上下動する荷重に、さらに前記ロワラムのリンク機構内にクランクモーションをリンクモーションに変換するためのスライダが含まれている請求項2記載のダイナミックバランサ装置。

請求項4

前記第2バランサは、一端が前記ロワラムに連結された第1リンクと、該第1リンクの他端に一端が連結され中間部が固定フレーム枢着された第2リンクと、該第2リンクの他端部に一端が連結されている第3リンクと、該第3リンクの他端に支持されているバランスウェイトからなることを特徴とする請求項2又は3記載のダイナミックバランサ装置。

請求項5

前記第2バランサは、前記ロワラムの両側に配置されている請求項2、3又は4記載のダイナミックバランサ装置。

請求項6

前記第1バランサは、クランク主軸クランクに連結された連接棒と、該連接棒の他端に連結支持されたバランスウェイトからなる請求項1〜5何れか記載のダイナミックバランサ装置。

請求項7

前記第1バランサが、クランク主軸の中央部に設けられている請求項6記載のダイナミックバランサ装置。

請求項8

前記第1バランサのバランスウェイトは、クランク主軸が貫通してクランクが回転できる貫通孔が形成され、該貫通孔を前記メインクランク主軸が貫通し、クランク主軸線とバランスウェイト軸線が直交して上下動するように、前記バランスウェイトが垂直方向にカイドされている請求項7記載のダイナミックバランサ装置。

技術分野

0001

本発明は、プレス、特にダブルアクションプレスに好適であるダイナミックバランサ装置に関する。

背景技術

0002

従来、例えば、深絞り加工によって薄肉飲料缶等の2ピース缶成形加工するプレス装置として、ダイが取り付けられているロワラムとパンチが取り付けられているアッパーラムが対向して上下動する所謂対向ラム方式のダブルアクションプレス装置が知られている。近時、缶材のより一層の薄肉化と共に、化学溶剤等の使用の減少を図るプラスチックラミネート缶材を使用した深絞りが求められ、長いストロークと高いプレス圧力が要求されると共により一層の高速化が求められている。プレス装置は、往復運動するラムの慣性力等の周期的な不平衡力による加振力によって振動が発生し、その振動が基礎を通じて周囲に伝播して、振動公害を発生させる等、種々の悪影響を及ぼす。特にストロークが長く、しかも高い圧力が要求される上記のようなプレス装置において、高速化した場合強い振動が発生するので、高速運転を可能にするためには、プレス装置自体の振動抑制は避けられない課題である。

0003

一般に機械装置において、周期的な不平衡力の発生を抑制する方策として、該不平衡力に対向するバランスウェイトを逆の位相変位させて不平衡力を打ち消す方法が知られている。しかしながら、ダブルアクションプレスのように2個のラムが変位する場合は、その加振力の波形が複雑となり、それに対応してバランス質量を変位させるには複雑な機構が必要である。特に、一方のラムがリンク機構によってドウェルを有するような変位をする場合、両ラムによって発生する合成の加振力は、より複雑な波形となり、それに対応する逆位相波形でバランス質量を変位させることは困難である。

0004

本出願人は、上記問題点を解決する方策として、プレス装置のクランク主軸ギア伝動により回転するサブクランク軸に連接棒を介してバランスウェイトを懸垂して設け、ギア伝動の噛み合い比及びサブクランク軸のクランクレバーと連接棒長さ比を適宜選択することによってバランスウェイトの振動位相を調節できるようにして、アッパーラムとロワラムの加振力とバランスする加振力を発生するようにしたダイナミックバランサ装置を先に提供した(特開平4−107342号公報)。また、他の手段として、対向して変位する二つのスライドに別々にバランサを設けてプレス慣性をバランスさせるようにしたものが提案されている(特開平9−285897号)。

発明が解決しようとする課題

0005

上記提案されている従来技術は、周期的に複雑な波形で変動する加振力に対して近似的にバランスさせることができるが、対向動するラムによって発生する複雑な加振力を完全に打ち消すまでに到ってなく、不平衡力が残留し高速運転に制限を受けている。また、バランサ機構が前者は歯車機構を採用しているため構造が複雑である。後者は何れのバランスウェイトもリンクモーションで変位するがリンクモーションを得るためのクランクモーション部の加振力に対してバランスがとれてなく、しかもリンク機構が複雑な構造となっている等の問題点がある。

0006

そこで、本発明は、上下動するアッパーラムとロワラムを有するダブルアクションプレス等、クランクモーション機構で上下動する荷重とリンクモーション機構で上下動する荷重を有するプレス装置において、周期的に複雑な波形で変動する加振力であっても、極めて簡単な機構によって効果的に抑制することができ、しかも位相や加振力の大きさを簡単に調節することができ、従来と比べて飛躍的に高速運転が可能であり、さらに構造が簡単で省スペースを図ることができるプレスのダイナミックバランサ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を達成する本発明のプレスのダイナミックバランサ装置は、クランクモーション機構で上下動する荷重とリンクモーション機構で上下動する荷重を有するプレス装置のダイナミックバランサであって、前記クランクモーション機構で上下動する荷重に対応してクランクモーションで上下動するバランスウェイトを有する第1バランサと、前記リンクモーション機構で上下動する荷重に対応してリンクモーションで上下動するバランスウェイトを有する第2バランサとを備え、前記リンクモーションバランサとクランクモーションバランサとの合成加振力を前記両荷重の変位による加振力にバランスさせるようにしたことを特徴とするものである。

0008

前記プレスがダブルアクションプレスである場合、クランクモーション機構で上下動する荷重にクランク機構により上下動するクランクモーションラムを含み、前記リンクモーション機構で上下動する荷重に前記クランクモーションラムに対向して変位するリンクモーションラムを含むようにし、アッパーラムに前記クランクモーションラムを採用し、且つロワラムに前記リンクモーションラムを採用するのが望ましい。さらに、前記クランクモーション機構で上下動する荷重に、さらに前記ロワラムのリンク機構内にクランクモーションをリンクモーションに変換するためのスライダも含めることによって、リンクモーションを得るためのクランクモーション部の加振力に対しても良好にバランスをとることができる。

0009

前記第2バランサは、一端がロワラムに連結された第1リンクと、該第1リンクの他端に一端が連結され中間部が固定フレーム枢着された第2リンクと、該第2リンクの他端部に一端が連結されている第3リンクと、該第3リンクの他端に支持されているバランスウェイトで構成することによって、簡単なリンク機構でラムの加振力と逆位相で変位させることができる。第2バランサは、前記ロワラムの両側に対向して配置することによって、水平方向の加振力を発生させることなく、垂直方向の加振力のみを効果的に発生させることができ、望ましい。

0010

また、前記第1バランサは、クランク主軸のクランクに連結された連接棒により上下動するバランスウェイトで構成することによって、単純なクランク機構によってバランスウェイトを変位させてラム及びスライダの加振力にバランスさせることができる。そして、該第1バランサをクランク主軸の中央部に設けることによって、単一のバランサで効果的に加振力を抑制することができる。そしてより望ましくは、第1バランサのバランスウェイトは、クランク主軸が貫通してクランクが回転できる貫通孔が形成され、該貫通孔を該クランク主軸が貫通し、クランク主軸線とバランスウェイト軸線が直交して上下動するように、前記バランスウェイトが垂直方向にガイドされていることである。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1図5は対向ラムダルアクションプレスに本発明のダイナミックバランサ装置を適用した場合の実施形態を示し、図1は要部を示す正面図であり、図2図3はラムの駆動部を示す側面図であり、図4図5はダイナミックバランサ装置部を示す斜視図である。

0012

本実施形態におけるダブルアクションプレス1は、アッパーラム2とロワラム3とが互いに対向して上下動するように、本体フレームに配置されている。本体フレームは、ベース4から立設された支柱5にベッド6、クラウン9及び適宜の支持パネル等を固定して構成されている。該本体フレームにクランク主軸7が幅方向に中間部を貫通して回転駆動可能に支持されている。クランク主軸7は、図示しない動力源により適宜の伝動機構を介して回転駆動される。該クランク主軸7には、図5に示すように、左右一対のアッパーラム駆動用クランク13、左右一対のロワラム駆動用クランク15、そして中央部に後述する第1バランサ駆動用クランク30からなる、合計5個のクランクを有している。前記アッパーラム駆動用クランク13とロワラム駆動用クランク15は異なった位相となっており、また前記アッパーラム駆動用クランク13と第1バランサ駆動用クランク30は略逆位相に形成されている。

0013

アッパーラム2はクランク機構によって上下動され、その駆動機構図2に明示されている。アッパーラム2は4隅を本体フレームに固定されたガイドブッシュ8に上下動自在に嵌合しているポスト10の上端に固定されている。該ポスト10の下端は2本づつクロスヘッド11で連結され、該クロスヘッドの中間部が、クランク主軸7のアッパーラム駆動用クランク13に連接棒12を介して連結され、アッパーラム2の駆動機構を構成している。従って、アッパーラムは、クランク主軸の回転により、図6変位曲線aに示すように、クランクモーションにより上下に正弦運動を行う。

0014

一方、ロワラム3は、リンク機構によって上下動され、その詳細が図3に示されている。図中、20が前記クランク主軸7のロワラム駆動用クランク15に連接棒21を介して連接されたスライダであり、本体フレームに固定されたスライダガイド22に案内されてクランク主軸7の回転に伴って上下動する。該スライダ20に左右対称に第1アーム23の基端回動自在に軸着され、該第1アーム23の他端に中間が本体フレームに突設されたピポットピン24に回動自在に軸着された第2アーム25、他端が前記ロワラム15に連結された第3アーム26が順次回動自在に連結されて、リンク機構を構成している。

0015

従って、ロワラムはトグル機構となっており、クランク主軸7が回転して第2アーム25がピポットピンを中心に回転することにより、ロワラムに大荷重が作用してもピポットピンで力を受けるので、上死点高負荷状態を維持することができる。即ち、駆動系のトルク負担を少なくして、大荷重に耐えることができる。また、ロワラムの変位は上記のようなリンク機構を採用することにより、図6に変位曲線b示すように、上死点で適宜時間幅のドウェルがとれる。

0016

そして、各アームの長さ及び配置の組合せにより、ロワラムの変位カーブを最適に選定することができる。また、スライダ20には左右対称に第1アーム〜第3アームからなるリンク機構を設けてあるので、該リンク機構による水平方向は互いに逆向きになって相殺されるので、水平方向の加振力は発生せず、垂直方向の加振力のみが発生する。

0017

本実施形態ではこのダブルアクションプレスを、深絞り加工によって薄肉缶を成形加工する薄肉缶成形加工プレスに適用する場合を示し、アッパーラム2には、図示してないが、深絞り用のパンチが取付けられ、ロワラム3には深絞り加工用のダイが取付けられている。また、本体フレームの上部部分には、アッパーダイシューが固定され、前記パンチが貫通する位置に対応して、その下端でダイ上面との間で被成形品を狭持するリドロースリーブ、該リドロースリーブのフランジ上面加圧するしわ押えシリンダ等が固定されている。さらに、本体フレームの下方部には、ロワラムに取り付けられているダイを貫通できるようにノックアウトピンが固定されている。

0018

以上がダブルアクションプレスの基本構成であるが、ロワラムの上下動機構としてリンク機構を採用しているためリンク機構固有の複雑な加振力カーブがプレスに発生し、高速運転した場合、振動が大きくなる問題点があるが、本発明では以下に述べるようなバランサー機構によって、装置本来の加振力をバランスウェイトの加振力で略完全に打ち消し、高速化に対応できるようになっている。

0019

本実施形態のダイナミックバランサは、クランクモーション機構で上下動する荷重であるアッパーラム2及びスライダ20により発生する合成加振力と同じ大きさの逆位相の加振力を発生する第1バランサ17と、リンクモーション機構で上下動する荷重であるロワラム3により発生する加振力と同じ大きさの逆位相の加振力を発生する第2バランサ18とから構成されている。第1バランサ17は、図4に示すように、クランク主軸7の中央部の第1バランサ駆動用のクランク30に連接棒32を介して、第1バランスウェイト33、34が設けられて構成されている。第1バランスウェイト33には、クランク主軸7が貫通して前記クランク30が回転できる貫通孔19が形成され、該貫通孔19を前記クランク主軸7が貫通している。第1バランスウェイト33、34は、クランク主軸の回転軸心とバランスウェイトの上下動軸心が直交して垂直に上下動するように、本体フレームに設けられた図示してないガイドにより案内されている。

0020

従って、クランクの回転軸心とバランスウェイトのスライド軸心のオフセットがないので、バランスウェイトに水平分力を発生させることなく、正確に垂直に変位させることができ、アッパラムの上下動と正確にバランスが取れる。第1バランサ駆動用のクランク30とアッパーラム駆動用のクランク13とは略逆位相になっているため、アッパーラム2と第1バランスウェイト33は略逆位相で変位するようになっている。

0021

第2バランサ18は、図5に明示されているように、ロワラム3の左右両側に設けられ、本体フレームに固定されたブラケット35に枢着された第2リンク(中間リンク)36の両端に第1リンク37、第3リンク38が夫々枢着され、第1リンク37がロワラムの下端に枢着され、第3リンク38の他端に第2バランスウェイト39が支持されている。該第2バランスウェイトは、図示してないが適宜手段により、本体フレームに設けられたガイドにより、垂直に上下動するように案内されている。従って、ロワラム3が上下動することによって、第1リンク〜第3リンクを介して、第2バランスウェイト39が逆位相で上下に変位するようになっている。

0022

本実施形態のバランサ装置を有するダブルアクションプレスは、以上のように構成され、アッパーラム2及びロワラム3は、クランク主軸が回転することによって、アッパーラム2は、図6の(a)曲線で示すように単純なクランクモーションでサイン曲線で変位し、ロワラム3はクランクとリンク機構の組合せによって、(b)曲線で示すように上死点近傍ではドウェルを有し、下死点ではサイン曲線形に変位する。なお、図6において縦軸の変位0の位置が缶フィード基準線である。

0023

缶の深絞り成形は、前工程で予め浅く絞られた被成形物セル)はフィード基準線レベルに配置されたコンベヤでダイの位置まで搬送され、ダイの上昇径路に供給される。そのときアッパーラム2は上死点から下降を開始している位置に、ロワラム3は下死点から上死点に向けて上昇中である。クランク主軸7の回転でリンク機構によりロワラム3がさらに上昇し、それに伴ってダイの上端が被成形物の下面を支持して上昇させ、その底壁内面をほぼドウェル開始位置付近で、リロドースリーブの下端に圧接させ、ダイとリドロースリーブとによって被成形物の底壁内周部を押圧狭持してしわ押えを行ない、以後成形終了までしわ押えを持続する。

0024

同時にアッパーラム2は、クランクモーションによりクロスヘッド11介してポスト10が下降することにより下降し、アッパーラム2に取り付けられたパンチが下降してダイ上面に保持された被成形物の成形を行なう。その際、ロワラムとアッパーラムが両方とも移動して互いに接近するので、その成形速度も一方向複動ラムの場合と比べて、極めて高速で成形が行なわれる。クランク主軸7が略90°から180°回転するまでの間に深絞りが行なわれて所定の深さの絞りと薄肉化を完了する。絞り深さの調節は、ノックアウト先端ヘッド部材、パンチヘッド部材、及びリドロースリーブを適宜長さのものに選定して取り代えることにより適宜調節できる。従って、同一駆動によって絞り深さが順次増すように複数組のダイ及びパンチをセットしてトランスファーすることにより、一連の工程が一台の装置により自動的に行なわれる。

0025

成形が終了してクランクの回転が復行程に移るとロワラムは下降し、アッパーラムは同時に上昇するので、成形済みの被成形物は、ダイ、リドロースリーブ及びパンチヘツドから離れ、空間部にその底壁をノックアウトに支持される状態になる。その状態でトランスファーフィンガードライブ軸が揺動してトランスファーフィンガーにより被成形物をノックアウトから取出し、次行程に搬送する。

0026

上記のダブルアクションプレスにおいて、アッパーラム2及びロワラム3及びスライダ20が上下動することによって、それに対応して図7に示すような波形(c)(d)(e)の加振力がそれぞれ発生する。図7に示す加振力は本実施形態装置を150ストローク/分で稼動した場合である。バランサが無い場合のプレスの加振力はこれらの合成加振力となり、太曲線(f)に示すように複雑な波形となる。そのため、このような複雑な加振曲線を有する加振力に見合うカウンターバランスを従来のバランサ装置で得ることは困難であったが、本発明はリンクモーションで変位するバランスウェイトとクランクモーションで変位するバランスウェイトとを組合せることによって、前記複雑な加振曲線を有する加振力に略完全に一致するカウンターバランスを発生させることができ、ダブルアクションプレスの振動を従来比べて特段に低減することができたものである。なお、該線図において縦軸はの加振力0の位置から上方は下向きの加振力を下方は上向きの加振力を表している。

0027

上記加振力に対するカウンターバランスを発生させる本実施形態のバランサ機構によって発生する加振力曲線が図8に示されている。図において、曲線gが第1バランサ17による加振力のプレス角度(クランク主軸回転角度)に対する変化を示し、同じく曲線hが第2バランサ18による加振力の変化を示している。そして、曲線iがそれらの合成加振力、すなわち本実施形態のバランサ機構による加振力を表している。そして、図9図7に示すバランサ無しの合成加振力曲線fと図8に示すバランサ合成加振力曲線iとを示したものであり、該図から明らかなように、2つの加振力曲線は略完全に同じ大きさで逆位相となって、バランスしている。従って、その2つの加振力の合成加振力であるプレス装置全体の加振力は、加振力線jで示すように加振力が略0のまま変化する直線となっており、プレス行程中加振力を殆ど発生させないことができる。

0028

以上のように、本発明によれば第1バランサと第2バランサ装置を組み合わせることによって、複雑な加振力を発生させるダブルアクションプレスであっても、上記バランサ機構によるダイナミック荷重によって略完全にバランスさせることができ、振動の発生を略完全に抑えることができた。従って、プレスの高速運転が可能となり、毎分150ストローク以上の高速運転してもほとんど振動が発生しなかった。

0029

上記第2バランサ及び第1バランサ共に構造が非常に単純であるので、ダイナミックバランサの位相や質量をプレスに発生する加振力に合わせて簡単に調整することができる。

発明の効果

0030

本発明のダイナミックバランサ装置は、以上のように構成され、次のような格別な効果を奏する。クランクモーション機構で上下動する荷重とリンクモーション機構で上下動する荷重を有するプレス、特に上下動するアッパーラムとロワラムを有するダブルアクションプレスにおけるような周期的に複雑な波形で変動する加振力に対して、極めて簡単な機構によってそれとバランスする逆位相の加振力を発生させることができ、効果的に振動を抑制することができ、従来と比べてプレスを飛躍的に高速運転することが可能となった。

0031

特に、ダイナミックバランサ装置がクランクモーションで駆動するバランサとリンクモーションで駆動するバランサの組合せであるから、リンクモーションで変位するロワラムとクランクモーションで変位するアッパーラムに別々に独立してバランスさせることができるので、ラムの加振力に正確にバランスさせることができる。そして、位相及び加振力の大きさの調節も別々に簡単にできる。また、クランクモーションで上下動する第1バランサは、アッパーラム荷重ばかりでなく、ロワラムのリンク機構内にクランクモーションをリンクモーションに変換するためのスライダ荷重ともバランスをとるようにすることによって、より完全に振動を抑制することができる。

0032

また、ダイナミックバランサの駆動機構が歯車機構等を用いず、単純なリンク機構やクランクモーションのみであるから、従来のバランサ機構と比べて構造が非常に簡単であり、設備コストの低減化を図ることができると共にその調整や保守も容易である。

0033

前記第2バランサは、一端がロワラムに連結された第1リンクと、該第1リンクの他端に一端が連結され中間部が固定フレームに枢着された第2リンクと、該第2リンクの他端部に一端が連結されている第3リンクと、該第3リンクの他端に支持されているバランスウェイトで構成することによって、簡単なリンク機構でラムの加振力と容易に逆位相で変位させることができる。第2バランサは、前記アッパーラムの両側に対向して配置することによって、水平方向の加振力を発生させることなく、垂直方向の加振力のみを効果的に発生させることができる。

0034

前記第1バランサは、クランク主軸のクランクに連結された連接棒により上下動するバランスウェイトで構成することによって、単純なクラン機構によってバランスウェイトを変位させてラム及びスライダの加振力にバランスさせることができる。また、第1バランサをクランク主軸の中央部に設けることによって、単一のバランサで効果的に加振力抑制することができる。さらに、請求項8によれば、常にクランク主軸線とバランスウェイト軸線が直交して上下動するから、より確実にアッパーラムの加振力にバランスする垂直方向の加振力を発生させることができる。

図面の簡単な説明

0035

図1本発明の実施形態に係るダブルアクションバランサの要部を示す正面概略図である。
図2アッパーラムの駆動機構を示す側部断面概略図である。
図3ロワラムの駆動機構を示す側部断面概略図である。
図4アッパーラム駆動機構、スライダ及び第1バランサ装置の要部を示す正面断面概略図である。
図5ロワラム駆動機構及びロワラム装置の要部を示す正面断面図である。
図6アッパーラムとロワラムの変位曲線図である
図7ラムの発生加振力線図である。
図8バランサの加振力線図である。
図9プレス加振力線図である。

--

0036

1ダブルアクションプレス2アッパーラム
3 ロワラム 4ベース
5支柱6ベッド
7クランク主軸10ポスト
12、21、32連接棒
13 アッパーラム駆動用クランク
15 ロワラム駆動用クランク 17 第1バランサ
18 第2バランサ 20スライダ
22スライダガイド23 第1アーム
25 第2アーム 26 第3アーム
30 第1バランサ駆動用クランク 33 第1バランスウェイト
36 第2リンク37 第1リンク
38 第3リンク 39 第2バランスウェイト

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    【課題】地震による建物の損傷を安価に防止できる免震装置を提供する。【解決手段】住宅の土台6と基礎7との間に配置する免震装置1であって、基礎7内のアンカーボルト71と連結し、土台6を支持する土台支持部2... 詳細

  • 積水ハウス株式会社の「 動吸振装置、構造体および構造体の製造方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】構造物に容易に取り付けることができるとともに、低減可能な振動数を容易に調整できる動吸振装置を提供する。【解決手段】動吸振装置1は、被拘束部25,26と、被拘束部25,26から面方向に延びる変形... 詳細

  • KYB株式会社の「 粒状体ダンパ」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】抵抗体の変位過程で減衰力を増減させることが可能な粒状体ダンパを提供する。【解決手段】粒状体ダンパAは、ケース18と、抵抗体22と、調節部材37と、粒状体38とを備えている。抵抗体22は、ケース... 詳細

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