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技術 排出炭酸ガスの削減方法

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 高橋達人磯尾典男加藤誠田辺治良
出願日 1999年5月18日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 1999-137113
公開日 2000年7月18日 (19年0ヶ月経過) 公開番号 2000-197810
状態 特許登録済
技術分野 廃ガス処理
主要キーワード 排ガス排出量 処理用空間 取壊し 固体粒子中 ガス供給導管 コークス炉排ガス 削減目標値 不均一核生成
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

工業プロセス等で発生した排ガス中のCO2を効率的に吸収・除去して、CO2の大気中への排出量を削減する。

解決手段

CaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子集合体にCO2を含む排ガスを接触させて、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定することにより、排ガス中のCO2濃度を低減させることを特徴とし、好ましくはCO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が水を含有し、さらに好ましくはCO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が表面付着水を有していることを特徴とする。

概要

背景

近年、地球温暖化防止の観点から地球規模でのCO2発生量の削減が叫ばれ、1997年12月に京都で開催された地球温暖化防止会議では、排ガスの削減に関する議定書が採択された。この議定書では、先進国全体の温室効果ガス(CO2、CH4、N2O等)の排出量を、2010年において1990年の水準より少なくとも5%削減することを目的として削減目標を設定し、これに従ってわが国についても排ガス排出量を6%削減することが義務付けられた。

CO2は地球温暖化に対する温室効果ガス別寄与度で64%を占め、主に化石燃料によって排出される。わが国では社会経済活動により発生する温室効果ガスの95%がCO2であり、また、その90%以上がエネルギーの使用に伴うものであるとされている。したがって、地球温暖化防止対策としては、エネルギーの使用に伴うCO2の排出抑制が中心となる。

エネルギーの使用に伴うCO2の排出抑制に関して、例えば、わが国の最終エネルギ消費の約11%を占める鉄鋼業界では、2010年に向けた自主行動計画を策定し、この計画では2010年の生産工程におけるエネルギー消費量を1990年比で10%削減することを掲げている。また、その具体的な取り組み策としては、使用エネルギーの削減のほかに、廃プラスチック還元剤としての高炉への吹込み、未利用エネルギー近隣地域での活用製品副産物による社会での省エネルギー貢献等を掲げている。

概要

工業プロセス等で発生した排ガス中のCO2を効率的に吸収・除去して、CO2の大気中への排出量を削減する。

CaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子集合体にCO2を含む排ガスを接触させて、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定することにより、排ガス中のCO2濃度を低減させることを特徴とし、好ましくはCO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が水を含有し、さらに好ましくはCO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が表面付着水を有していることを特徴とする。

目的

したがって本発明の目的は、このような現状に鑑み、工業プロセス等で発生した排ガス中のCO2を効率的に吸収・除去して、CO2の大気中への排出量を削減することができる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
4件

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請求項1

組成としてCaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子集合体にCO2を含む排ガスを接触させて、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定することにより、排ガス中のCO2濃度を低減させることを特徴とする排出炭酸ガス削減方法

請求項2

CO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が水を含有していること特徴とする請求項1に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項3

CO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が表面付着水を有していることを特徴とする請求項2に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項4

CO2を含む排ガスと接触する固体粒子の集合体の含水率が3〜20%であることを特徴とする請求項2または3に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項5

固体粒子の粒度が実質的に5mm以下であることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項6

固体粒子の集合体と接触させる空間内に導入するCO2を含む排ガスの温度を、当該空間内での水の沸点以下とすることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項7

CO2を含む排ガスと固体粒子の集合体とを接触させる空間内の温度を水の沸点以下に保つことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項8

CO2を含む排ガスと接触する固体粒子の集合体の温度を、排ガスと固体粒子の集合体とを接触させる空間内での水の沸点以下に保つことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項9

加圧された排ガスを固体粒子の集合体と接触させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

請求項10

排ガスを水中に通すことでH2Oを飽和させ、しかる後、固体粒子の集合体と接触させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の排出炭酸ガスの削減方法。

技術分野

0001

本発明は、工業プロセス等で発生した排ガス中のCO2濃度を低減させて、CO2の大気中への排出量を削減するための方法に関する。

背景技術

0002

近年、地球温暖化防止の観点から地球規模でのCO2発生量の削減が叫ばれ、1997年12月に京都で開催された地球温暖化防止会議では、排ガスの削減に関する議定書が採択された。この議定書では、先進国全体の温室効果ガス(CO2、CH4、N2O等)の排出量を、2010年において1990年の水準より少なくとも5%削減することを目的として削減目標を設定し、これに従ってわが国についても排ガス排出量を6%削減することが義務付けられた。

0003

CO2は地球温暖化に対する温室効果ガス別寄与度で64%を占め、主に化石燃料によって排出される。わが国では社会経済活動により発生する温室効果ガスの95%がCO2であり、また、その90%以上がエネルギーの使用に伴うものであるとされている。したがって、地球温暖化防止対策としては、エネルギーの使用に伴うCO2の排出抑制が中心となる。

0004

エネルギーの使用に伴うCO2の排出抑制に関して、例えば、わが国の最終エネルギ消費の約11%を占める鉄鋼業界では、2010年に向けた自主行動計画を策定し、この計画では2010年の生産工程におけるエネルギー消費量を1990年比で10%削減することを掲げている。また、その具体的な取り組み策としては、使用エネルギーの削減のほかに、廃プラスチック還元剤としての高炉への吹込み、未利用エネルギー近隣地域での活用製品副産物による社会での省エネルギー貢献等を掲げている。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、現在のように高度に工業化した社会ではCO2の排出削減につながるようなエネルギー使用量の抑制には限界があり、エネルギー使用量の抑制だけで目標とするCO2の排出削減を達成することは必ずしも容易ではない。しがって、目標とするCO2の排出抑制を達成するためには、CO2発生量の削減とともに、発生ガス(排ガス)中からのCO2の除去という、両面からの対応が必要であると考えられる。しかし、従来において排ガス中からCO2を工業規模で且つ効率的に除去する方法は知られていない。

0006

したがって本発明の目的は、このような現状に鑑み、工業プロセス等で発生した排ガス中のCO2を効率的に吸収・除去して、CO2の大気中への排出量を削減することができる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、排ガス中のCO2を工業規模で且つ効率的に吸収・除去できる方法を見い出すべく、CO2の吸収材およびその使用方法について詳細な検討を行い、その結果、CO2吸収材としてスラグコンクリート等のようなCaOを含む固体粒子集合体が最適であり、このような固体粒子の集合体にCO2を含む排ガスを接触させること、特に好ましくは固体粒子に含まれる適当な水分(より好ましくは、固体粒子の表面付着水)を介して排ガスを接触させることにより、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定してCO2を効率的に吸収・除去できることを見い出した。

0008

本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴とする構成は以下の通りである。
[1]組成としてCaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子の集合体にCO2を含む排ガスを接触させて、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定することにより、排ガス中のCO2濃度を低減させることを特徴とする排出炭酸ガス削減方法
[2] 上記[1]の方法において、CO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が水を含有していること特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0009

[3] 上記[2]の方法において、CO2を含む排ガスと接触する主たる固体粒子が表面付着水を有していることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[4] 上記[2]または[3]の方法において、CO2を含む排ガスと接触する固体粒子の集合体の含水率が3〜20%であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの方法において、固体粒子の粒度が実質的に5mm以下であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0010

[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの方法において、固体粒子の集合体と接触させる空間内に導入するCO2を含む排ガスの温度を、当該空間内での水の沸点以下とすることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの方法において、CO2を含む排ガスと固体粒子の集合体とを接触させる空間内の温度を水の沸点以下に保つことを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[8] 上記[1]〜[7]のいずれかの方法において、CO2を含む排ガスと接触する固体粒子の集合体の温度を、排ガスと固体粒子の集合体とを接触させる空間内での水の沸点以下に保つことを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0011

[9] 上記[1]〜[8]のいずれかの方法において、加圧された排ガスを固体粒子の集合体と接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[10] 上記[1]〜[9]のいずれかの方法において、排ガスを水中に通すことでH2Oを飽和させ、しかる後、固体粒子の集合体と接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0012

本発明において、固体粒子中に含まれるCaO、Ca(OH)2は、少なくとも固体粒子の組成の一部として含まれるものであればよく、したがって、鉱物としてのCaO、Ca(OH)2の他に、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2、ガラス等のように組成の一部として固体粒子中に存在するものも含まれる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明は、CO2吸収材としてスラグやコンクリート等のようなCaO(および/またはCa(OH)2)を含む固体粒子の集合体を用い、この固体粒子の集合体にCO2を含む排ガスを接触させ、下記の反応により排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定し、排ガス中のCO2を吸収・除去する。CaO(固体粒子)+CO2(排ガス)→CaCO3(固体粒子)

0014

従来からスラグ等のようなCaOを含む固体粒子の集合体をCO2との炭酸化反応を利用して硬化させ、この硬化体建築土木材料として利材化する技術が知られているが、本発明ではCaOを含む固体粒子の集合体とCO2との炭酸化反応を、従来とは全く逆の発想の下に排ガス中のCO2削減に利用し、排出炭酸ガスの削減方法として確立したものである。

0015

CaOを含む固体粒子の集合体を用い、この固体粒子の集合体にCO2を含む排ガスを接触させることにより、排ガス中のCO2を固体粒子にCaCO3として固定する場合、排ガスを固体粒子中に含まれる適当な水分を介して固体粒子に接触させること、より好ましくは固体粒子に表面付着水(水膜)を存在させた状態で排ガスを接触させることにより、固体粒子による排ガス中のCO2の吸収率をより効果的に高めることができる。したがって、本発明では固体粒子の集合体を構成する主たる固体粒子が水を含有していること、より望ましくは表面付着水を有していることが好ましい。

0016

固体粒子が水分、特に表面付着水を有している場合、排ガス中のCO2と固体粒子との反応は、固体粒子から表面付着水中溶出拡散)したCa成分(Caイオン)と排ガス中から表面付着水中に溶解した炭酸ガス成分との反応となるが、このような固体粒子の表面付着水を介したCO2との反応が、排ガス中のCO2を効率的に吸収・固定する上で特に有効であることが判った。

0017

すなわち、本発明者らによる当初の予想では、排ガス中のCO2を固体粒子中のCaと反応させ、CaCO3として固体粒子に固定するという方法では、反応の進行にしたがい固体粒子表面全体にCaCO3が析出し、固体粒子からのCaイオンの拡散が妨げられる結果、工業規模で実用化できるような高いレベルのCO2吸収効率は期待できないと考えられていた。しかし、このような予想に全く反し、固体粒子に水分、特に表面付着水を存在させた状態でCO2と反応させることにより、極めて高い効率でCO2を吸収できることが判明した。

0018

この理由は必ずしも明らかではないが、下記のような理由が考えられる。図1は固体粒子の表面で排ガス中のCO2が吸収・固定される機構推定した模式図である。この図1に示すように、CaOを含む固体粒子の表面に表面付着水を存在させた状態では、表面付着水中に固体粒子側からはCaイオンが、排ガス側からはCO2(炭酸イオン)がそれぞれ溶解し、これらが表面付着水中で反応して主に固体粒子の表面にCaCO3が析出するが、この析出の際にCaCO3の析出核が水中で均一に生成するのではなく、固体粒子表面で生成しやすい不均一核生成として生成するため、CaCO3の析出およびその後の成長が固体粒子表面の特定領域でのみ生じる。この結果、CaCO3の析出、成長が生じない固体粒子の表面領域が相当な割合で存在することができ、この領域から表面付着水中へのCaイオンの供給(溶出)を維持できるため、CO2を短時間で効率的に吸収・固定することができるものと考えられる。

0019

以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明でCO2の吸収材として用いるのは、組成としてCaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子の集合体である。固体粒子中に含まれるCa(OH)2も、CaOと同様にCO2と反応し、これをCaCO3として固定できるため、固体粒子はこのCa(OH)2を含むものであってもよい。先に述べたように、固体粒子中に含まれるCaO、Ca(OH)2は、少なくとも固体粒子の組成の一部として含まれるものであればよく、したがって、鉱物としてのCaO、Ca(OH)2の他に、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2、ガラス等のように組成の一部として固体粒子中に存在するものも含まれる。

0020

このような固体粒子としては、特にCaO(および/またはCa(OH)2)の含有率の高いコンクリート、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグが好ましい。これについては、後に詳述する。また、固体粒子の粒度は特に限定されないが、排ガスとの接触面積を確保して反応性を高めるためにはなるべく粒度が細かい方が好ましく、具体的には実質的に(すなわち、不可避的に含まれる粒度の大きい固体粒子を除き)5mm以下、特に望ましくは1mm以下の粒度が好ましい。

0021

先に述べたように、本発明法では固体粒子と排ガス中CO2との反応性を確保するため、排ガスと接触する主たる固体粒子が適当な水分を含有していることが好ましく、さらに望ましくは排ガスと接触する主たる固体粒子が表面付着水を有していることが好ましい。この表面付着水とは、固体粒子とともに存在する水分のうち、粒子内部に含有される水分以外、すなわち固体粒子外表面に存在する水のことである。また、同様の観点から固体粒子の集合体の含水率は3〜20%であることが好ましい。したがって、このような固体粒子およびその集合体の水分を確保するために、必要に応じて事前に固体粒子の集合体に水分を添加することが好ましい。

0022

固体粒子の集合体と接触させるべきCO2を含む排ガスは、その温度をある程度高くすることにより固体粒子との反応性が高まるが、固体粒子の集合体と接触させる空間(以下、反応空間という)内に導入する排ガス温度が、当該反応空間内での水の沸点を超えると固体粒子に付着した水を蒸発させ、却って反応性を阻害する。このため排ガス温度は反応空間内での水の沸点以下とすることが好ましい。

0023

また同様の理由から、反応空間内の温度を水の沸点以下に保つこと、さらに、固体粒子の集合体の温度も反応空間内での水の沸点以下に保つことが好ましい。また、同様の観点から、排ガス中の水蒸気濃度は高い方が好ましく、このため予め排ガスを水中に通すことでH2Oを飽和させ、しかる後、固体粒子の集合体と接触させるようにすることが好ましい。

0024

CO2吸収材となる固体粒子の集合体としては、CaOおよび/またはCa(OH)2を含む固体粒子の集合体であれば特に制限はないが、特にCaO(および/またはCa(OH)2)の含有率が高く、しかも資源リサイクルを図ることができるという点で、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ、コンクリート(例えば、廃コンクリート)が好ましい。したがって、固体粒子の集合体を構成する固体粒子の少なくとも一部が、また、特に望ましくは主たる固体粒子が、スラグおよび/またはコンクリートであることが好ましい。

0025

また、CO2吸収材となる固体粒子の集合体としては、上記のスラグ、コンクリート以外に、モルタル、ガラス、アルミナセメントCaO含有耐火物MgO含有耐火物等が挙げられ、これらの固体粒子の集合体の1種以上を単独でまたは混合して、或いはスラグおよび/またはコンクリートと混合して使用することもできる。また、これらの固体粒子の集合体はCaO/SiO2の重量比塩基度)が高い方がCO2との反応性がよく、この観点からCaO/SiO2の重量比は1.2以上、望ましくは1.5以上であることが好ましい。

0026

一般に、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグのCaO濃度は約13〜55wt%、また、コンクリート(例えば、廃コンクリート)のCaO濃度は約5〜15wt%(セメント中のCaO濃度:50〜60wt%)であり、また、これらは入手も極めて容易であるため、CO2吸収材となる固体粒子として極めて好適な素材であるといえる。鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとしては、高炉徐冷スラグ高炉水砕スラグ等の高炉系スラグ、予備処理転炉鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ脱燐スラグ脱硫スラグ脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼系スラグ、鉱石還元スラグ電気炉スラグ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また、2種以上のスラグを混合して用いることもできる。

0027

また、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグには相当量の鉄分(粒鉄等の鉄分)が含まれており、このようなスラグの固体粒子の集合体をそのまま使用すると、この鉄分の分だけ固体粒子の集合体中でのCaO濃度が低下するため、スラグとしては地金(鉄分)回収処理を経たスラグを用いることが好ましい。この地金(鉄分)回収処理は、スラグ中に含まれている鉄分を鉄鋼製造プロセスにリサイクルするために一般に行われているもので、通常、スラグはこの地金回収を行うために粉砕処理され、磁気選別等の手段によりスラグ中に含まれる鉄分の相当量が回収除去される。

0028

また、コンクリートとしては、例えば、建築物土木構造物取壊し等により生じた廃コンクリート等を用いることができる。これらの素材は必要に応じて粉状または粒状等に破砕処理され、固体粒子の集合体として用いられる。

0029

先に述べたようにCO2吸収材となる固体粒子の集合体は、CO2との反応性の観点からCaO/SiO2の重量比、すなわち塩基度が高い方が好ましく、例えば、水砕スラグのようにCaO/SiO2の重量比が1.5未満であるような固体粒子の集合体はCaイオンの溶解能が乏しいためCO2との反応性に乏しく、このためCO2吸収材としての機能が十分に発揮されるとは言えない。これは、塩基度が低い固体粒子は炭酸化すべきケイ酸カルシウム(例えば、2CaO・SiO2、3CaO・SiO2)やCaOの含有量が少ないか或いは水砕スラグのようにガラス質が多いためである。

0030

したがって、このような塩基度が低い固体粒子(通常、CaO/SiO2の重量比が1.5未満のもの)の集合体をCO2吸収材として利用する場合には、この塩基度が低い固体粒子からのCaイオンの溶解能を高めるアルカリ刺激剤となるような塩基度が高い固体粒子、好ましくはCaO/SiO2の重量比が1.8以上の固体粒子の集合体を混合し、これに水を添加した状態で(好ましくは、さらに湿空養生水和養生)した後)、CO2吸収材として用いることが好ましい。CaO/SiO2の重量比が1.8以上あるような高塩基度の固体粒子は、水分の存在下で低塩基度の固体粒子に対してアルカリ刺激剤として作用し、低塩基度の固体粒子の水和を促進する。

0031

例えば、ケイ酸カルシウムやCaOの含有量が少ない固体粒子の場合には、アルカリ刺激剤によって固体粒子内のケイ酸カルシウムやCaOの水和が促進される結果、固体粒子からCaイオンが溶解しやすい状態となり、ケイ酸カルシウムやCaOの含有量が元々少ない固体粒子であっても全体としてCaイオンの溶解能が高められる。また、ガラス質が多い固体粒子の場合には、アルカリ刺激剤によってガラス質を形成するケイ酸塩ネットワーク分断されるとともに、それらの水和も促進される結果、炭酸化可能なCaO分が増加する。

0032

また、水を添加した後、湿空養生(水和養生)して水和を進め、CaO分を炭酸化しやすい状態にしておくことがCO2の吸収効率を高めるのに有効である。すなわち、アルカリ溶解にはある程度の時間が必要であるため、低塩基度の固体粒子と高塩基度の固体粒子を混合し、水を添加しただけでは、低塩基度の固体粒子のCaイオンの溶解能を効果的に高めるには十分ではなく、したがって、両固体粒子の集合体を混合した後、ある程度の時間をかけて湿空養生することが好ましい。また、このような湿空養生によって後述するような固体粒子への亀裂導入または固体粒子の細粒化作用が得られ、この面からも固体粒子のCO2吸収能が高められる。

0033

この湿空養生は、例えば、上記高塩基度の固体粒子の集合体と低塩基度の固体粒子の集合体を混合し、適当な水分の存在下で混練した後、この混合物ビニールシートで覆うなどして水の乾燥を防ぐ簡単な方法で行ってよいが、養生中の固体粒子の炭酸化を防止するには実質的にCO2を含まない雰囲気か、若しくは少なくとも養生中にはCO2が実質的に補給されない雰囲気で行うことが好ましく、したがって、例えば大気を遮断した空間(雰囲気)内で行うことが好ましい。このような空間内の雰囲気は、最初、大気中に含まれるCO2が存在しているが、それ以上CO2が補給されることはない。

0034

湿空養生の時間に特別な制約はないが、湿空養生による効果を十分に得るには12時間以上、望ましくは24時間以上実施することが好ましい。また、このような湿空養生を行った後、混合物を粉砕処理してからCO2吸収材として用いてもよい。このような粉砕処理を行うことにより、CO2を含む排ガスとの接触面積が増加し、CO2との反応効率が向上する。

0035

次に、固体粒子のCO2吸収能を高めるのに有効な方法について説明する。CO2吸収材として利用される固体粒子(例えば、廃コンクリート材や鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ)は一般に塊状または粒状であり、この固体粒子の内部までCO2と反応させるには長い時間を必要とするため、固体粒子内部のCaO源がCO2の吸収に有効活用されにくい傾向がある。このような問題を解決するには、塊状または粒状の固体粒子を湿空養生(水和養生)することにより水和膨張させることが有効であり、このような水和膨張によって固体粒子に亀裂が導入され或いはこの亀裂か割れを生じて細粒化し、これによりCO2が接触できる固体粒子の表面積が増大するため、CaO源によるCO2の吸収効率が効果的に向上する。さらに、湿空養生により固体粒子に含まれるCaO含有物質を炭酸化反応しやすい水和物とすることができるため、この面からもCaO源によるCO2の吸収効率が向上する。

0036

固体粒子の集合体を湿空養生によって水和膨張させる場合、実質的にCO2を含まない雰囲気か、若しくは少なくとも養生中にはCO2が実質的に補給されないような雰囲気中に固体粒子の集合体を置き、水分の存在下で湿空養生させることが好ましい。固体粒子の集合体に水分を供給するには、湿空養生のための空間内に置く前及び/又は後に固体粒子の集合体に対して水や温水を添加する方法、湿空養生のための空間内に置かれた固体粒子の集合体に水蒸気を吹き込む方法などを採ることができる。

0037

湿空養生を実質的にCO2を含まない雰囲気か、若しくは少なくとも養生中にはCO2が実質的に補給されない雰囲気で行うのは固体粒子がなるべく炭酸化反応を生じないようにするためであり、例えば、大気を遮断した空間(雰囲気)内で湿空養生を行うことが望ましい。このような空間の雰囲気は、最初、大気中に含まれるCO2が存在しているが、それ以上CO2が補給されることはない。また、固体粒子の集合体に温水を添加する場合には、養生の効率化の観点から60℃以上の温水を添加することが望ましい。このような湿空養生を経た固体粒子の集合体をCO2吸収材として用いることができる。

0038

排ガスと固体粒子の集合体とを接触させるための具体的な手段に特別な制約はないが、処理効率や固体粒子の集合体のハンドリング容易性等の面で好適な処理方式として、下記のものを例示できる。
(1) 排ガスと固体粒子の集合体とを、排ガスを流動用ガスとする流動層内で接触させる方式
(2) 排ガスと固体粒子の集合体とをロータリーキルン内で接触させる方式
(3) 固体粒子の集合体が充填された充填層を形成し、該充填層内に排ガスを供給することにより排ガスと固体粒子の集合体とを接触させる方式

0039

図2は、上記(1)の方式の一実施形態を示したもので、1は下部にガス分散板100を備え、その上部に流動層形成用の空間Aを構成した処理槽、2はこの処理槽1内に固体粒子の集合体を供給するための供給装置、3は処理槽1(分散板100の下方の風箱110)内にCO2を含む排ガスを供給するためにガス供給導管、4は処理槽1から排ガスを排出するためのガス排出導管、5は処理槽1内の固体粒子の集合物を随時取り出すための固体粒子排出管である。

0040

この処理方式によれば、処理槽1の空間A内に供給装置2からスラグやコンクリート等の固体粒子の集合体が供給され、一方、ガス供給導管3から風箱110内に供給された排ガスは分散板100から空間Aに吹き出され、固体粒子の集合体の流動層が形成される。そして、この流動層において固体粒子と排ガス中のCO2とが反応し、CO2が固体粒子にCaCO3として固定される。この反応を終えた排ガスはガス排出導管4により処理槽1から排出され、また、処理槽1内の固体粒子もCO2の吸収の度合い(CO2吸収能力)に応じて、固体粒子排出管5から適宜排出される。

0041

また、図2仮想線で示すように複数の処理槽を設け、これら処理槽1,1a,1b …… に対して排ガス供給導管直列に接続すること、すなわち、処理槽1から排出された排ガスを処理槽1aに供給し、さらに、処理槽1aから排出された排ガスを処理槽1bに供給するというように、複数の直列的な処理槽で順次処理することにより、排ガス中のCO2を効果的に低減させることができる。なお、この(1)の処理方式に用いられる流動層の形式は任意であり、図2の実施形態に限定されるものではない。

0042

図3は、上記(2)の方式の一実施形態を示したもので、6はロータリーキルン、7はこのロータリーキルン6内に固体粒子の集合体を供給するための供給装置、8はロータリーキルン内にCO2を含む排ガスを供給するためにガス供給導管、9はロータリーキルン6から排ガスを排出するためのガス排出導管、10はロータリーキルン6内の固体粒子の集合体を排出するための固体粒子排出部である。

0043

この処理方式によれば、ロータリーキルン6の処理用空間内に供給装置7からスラグやコンクリート等の固体粒子の集合体が、また、ガス供給導管8から排ガスが供給され、ロータリーキルン6内において固体粒子の集合体が混合されつつ、排ガス中のCO2と反応し、CO2が固体粒子にCaCO3として固定される。この反応を終えた排ガスはガス排出導管9によりロータリーキルン6から排出され、また、ロータリーキルン6の出口に達した固体粒子も固体粒子排出部10から排出される。

0044

また、この方式においても、図3の仮想線で示すように複数のロータリーキルンを設け、これらロータリーキルン6,6a,6b …… に対して排ガス供給導管を直列に接続すること、すなわち、ロータリーキルン6から排出された排ガスをロータリーキルン6aに供給し、さらに、ロータリーキルン6aから排出された排ガスをロータリーキルン6bに供給するというように、複数の直列的なロータリーキルンで順次処理することにより、排ガス中のCO2を効果的に低減させることができる。なお、この(2)の処理方式に用いられるロータリーキルンの形式も任意であり、図3の実施形態に限定されるものではない。

0045

図4は、上記(3)の方式の一実施形態を示したもので、11は固体粒子の集合体の充填層形成用の密閉型または半密閉型容器、12はこの容器11内にCO2を含む排ガスを供給するためのガス供給導管、13は容器11から排ガスを排出するためのガス排出導管である。

0046

この処理方式によれば、容器11内に固体粒子の集合体が装入されてその充填層が形成され、この充填層に対してガス供給導管12から排ガスが供給され、排ガスがこの充填層を流れる過程で排ガス中のCO2が固体粒子と反応し、CO2が固体粒子にCaCO3として固定される。この反応を終えた排ガスはガス排出導管13により容器11から排出される。また、この方式では、容器11内の固体粒子の集合体は流動層のように流動化しないため、通常は固体粒子どうしが炭酸化反応により結合して塊状に固結する。このため一定期間の処理を行った後、固結した固体粒子の集合体を容器11から取り出し、しかる後、容器11内に新たな固体粒子の集合体を充填する。

0047

また、この方式においても、図4の仮想線で示すように複数の容器を設け、これら容器11,11a,11b …… に対して排ガス供給導管を直列に接続すること、すなわち、容器11から排出された排ガスを容器11aに供給し、さらに、容器11aから排出された排ガスを容器11bに供給するというように、複数の直列的な容器で順次処理することにより、排ガス中のCO2を効果的に低減させることができる。

0048

なお、この(3)の処理方式に用いられる容器の形式も任意であり、図4の実施形態に限定されるものではない。また、この(3)の処理方式の場合には、充填層における固体粒子の集合体の充填率が小さいと排ガスが固体粒子に接触する機会が少なくなり、処理効率に影響を与えるため、固体粒子の集合体の充填率は40〜80容積%以上、望ましくは50〜70容積%であることが好ましい。

0049

また、固体粒子の集合体と接触させる排ガス中のCO2濃度も処理効率を左右し、CO2濃度が低すぎると処理効率が低下する。排ガス中のCO2を効率的除去するためにはCO2濃度が5%以上(好ましくは10%以上)あったほうがよい。このような排ガスとしては、CaCO3焼成炉の排ガス、熱風炉ガスボイラー排ガスコークス炉排ガス焼結炉排ガススラブ加熱炉排ガス、焼鈍炉排ガス等が挙げられる。但し、本発明法の性格上、CO2濃度が比較的低い排ガスについても本発明法の処理対象として何ら差し支えない。

0050

さらに、処理効率を上げるためには、処理する空間内に供給する排ガスを加圧した状態とすることが好ましい。このガス圧力は特に限定しないが、CO2分圧が高いほど固体粒子の表面付着水中へのCO2溶解速度が大きくなるので、加圧した状態で固体粒子の集合体と接触させれば、大気圧での接触に較べて処理効率を効果的に向上させることができる。

0051

本発明が処理の対象とするCO2を含む排ガスとは、各種設備や装置から排出されるCO2を含むガスのことであり、このような排ガス(CO2を含む排ガス)源に特別な制限がないことは言うまでもない。また、この排ガスが燃焼排ガスであるか否か、或いは燃料などとして利用可能か否かも問わず、例えば、鉄鋼製造プロセスで発生し、燃料ガスとして利用されている所謂副生ガス(例えば、高炉ガス転炉ガスコークス炉ガスなど)も本発明が処理の対象とするCO2を含む排ガスに含まれる。一般に製鉄所から発生する各種排ガスには高濃度のCO2が含まれており、また、先に述べたように全製鉄所での最終エネルギー消費量はわが国全体で約11%を占めていることから、本発明法は特に製鉄所(鉄鋼製造プロセス)から発生する各種排ガスの処理に極めて有用なものであると言える。

0052

上記した高炉ガス、転炉ガス、コークス炉ガスなどのような鉄鋼製造プロセスで発生する副生ガスはカロリーが比較的高いため、通常、燃料ガスとして利用されている。一方、これらの排ガス(副生ガス)にはCO2が比較的多く含まれているが、このCO2はいずれ(燃料として使用後)大気中に排出されるだけでなく、このCO2が含まれる分、燃料ガスとしての発熱量が低くなり、それだけ燃料ガスの使用量が増え、結果的にCO2の発生量もさらに増えることになる。したがって、本発明法によりこれらの副生ガスからCO2を除去することにより、燃料ガスの高カロリー化が図れるとともに、燃料ガスの使用量の低減化と相俟ってトータルのCO2発生量を削減することができる。

0053

以上述べた実施形態に基づき、本発明におけるより好ましい形態を挙げると、以下のようになる。
[a] 上記[1]〜[10]のいずれかの方法において、固体粒子の集合体の少なくとも一部が、コンクリートおよび/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0054

[b] 上記[1]〜[10]のいずれかの方法において、固体粒子の集合体を構成する主たる固体粒子が、コンクリートおよび/または鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[c] 上記[a]または[b]の方法において、スラグが地金回収処理を経たスラグであることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[d] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[c]のいずれかの方法において、CO2を含む排ガスと接触する固体粒子の集合体のCaO/SiO2の重量比が1.2以上であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0055

[e] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[d]のいずれかの方法において、CO2を含む排ガスと固体粒子の集合体とを、排ガスを流動用ガスとする流動層内で接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[f] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[d]のいずれかの方法において、排ガスと固体粒子の集合体とをロータリーキルン内で接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[g] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[d]のいずれかの方法において、固体粒子の集合体が充填された充填層を形成し、該充填層内に排ガスを供給することにより排ガスと固体粒子の集合体とを接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0056

[h] 上記[g]の方法において、充填層における固体粒子の集合体の充填率が40〜80容積%であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[i] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[h]のいずれかの方法において、固体粒子の集合体と接触させる排ガス中のCO2濃度が5%以上であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0057

[j] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[i]のいずれかの方法において、CaO/SiO2の重量比が1.5未満の固体粒子の集合体とCaO/SiO2の重量比が1.8以上の固体粒子の集合体とを混合し、これに水分を添加した状態でCO2を含む排ガスと接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[k] 上記[j]の方法において、CaO/SiO2の重量比が1.5未満の固体粒子の集合体が、高炉水砕スラグであることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0058

[l] 上記[j]または[k]の方法において、CaO/SiO2の重量比が1.5未満の固体粒子の集合体とCaO/SiO2の重量比が1.8以上の固体粒子の集合体とを混合した後、湿空養生することを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[m] 上記[l]の方法において、水和養生を12時間以上行うことを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[n] 上記[l]または[m]の方法において、固体粒子の集合体を湿空養生した後、粉砕処理することを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0059

[o] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[n]のいずれかの方法において、固体粒子の集合体を湿空養生し、固体粒子を水和膨張させることにより亀裂の導入及び/又は割れによる細粒化を図り、該湿空養生を経た後の固体粒子の集合体をCO2を含む排ガスと接触させることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[p] 上記[o]の方法において、湿空養生を実質的にCO2を含まない雰囲気中か若しくは少なくとも養生中にはCO2が実質的に補給されない雰囲気中で行うことを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0060

[q] 上記[o]または[p]の方法において、湿空養生される固体粒子の集合体に水又は温水を添加することを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[r] 上記[q]の方法において、固体粒子の集合体に添加される温水の温度が60℃以上であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[s] 上記[o]または[p]の方法において、湿空養生される固体粒子の集合体に水蒸気を吹き込むことを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[t] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[s]のいずれかの方法において、CO2を含む排ガスが鉄鋼製造プロセスで発生した排ガスであることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0061

[u] 上記[1]〜[10]、上記[a]〜[s]のいずれかの方法において、CO2を含む排ガスが、燃料ガスとして使用される排ガスであることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。
[v] 上記[u]の方法において、燃料ガスとして使用される排ガスが、鉄鋼製造プロセスで発生する副生ガス(例えば、高炉ガス、転炉ガス、コークス炉ガスのうちの1種又は2種)であることを特徴とする排出炭酸ガスの削減方法。

0062

[実施例1]両端に排ガスの注入口と排出口を有する長さ2mの管状の反応容器にスラグ(粒度:10mm以下、CaO含有率:35wt%、含水率:6%、充填率:50容積%)を充填し、このスラグの充填層に排ガス(CO2濃度:20%、温度:40℃)をガス圧力:0.3kgf/cm2−Gで24時間供給し、スラグによるCO2吸収量を測定した結果、吸収されたCO2はCO2/スラグの値で約0.2であった。このCO2吸収量をもとに実機でのCO2吸収量を試算すると、スラグ:20万t/年を用いて1.5万t/年(C換算)のCO2を吸収できることになる。

0063

[実施例2]CaO含有率が48wt%の脱燐スラグを徐冷したままのものと、この脱燐スラグを鋼製の容器内に入れ、大気を遮断した状態で水蒸気を吹き込み、24時間湿空養生(水和養生)したものを用意した。この湿空養生したスラグと無養生のスラグを、それぞれ篩目20mmのを使用して篩分けし、粒度が−20mmの粒状スラグとした。これらのスラグについて篩目5mmの篩を使用して粒度が−5mmの粒状スラグの割合を調べた。

0064

粒度が−20mmの上記湿空養生したスラグと無養生のスラグを、それぞれ水分6wt%に調整した後、型枠(φ100mm×200mm)に各々2kgづつ充填し、型枠底部から炭酸ガス(CO2濃度:20%、温度:25℃)を2L/minの割合で24時間吹き込んだ後、スラグを回収してCO2吸収(固定)量を測定した。

0065

それらの結果を表1に示す。これによれば、湿空養生したスラグを用いた場合(実施例1)には、湿空養生による水和膨張によってスラグ粒子に亀裂が導入され、さらには無養生のスラグに較べて粒度が−5mm以下の細粒スラグの割合が10wt%も増加したことからも分かるように、水和膨張によってスラグ粒子に割れが生じて細粒化したことにより、無養生のスラグを用いた場合(実施例2)に較べてCO2の吸収効率が向上し、より多くのCO2を吸収できることが判る。

0066

発明の効果

0067

以上述べた本発明によれば、入手が極めて容易で且つ安価なスラグやコンクリート等の固体粒子の集合体を用いるだけで、工業プロセス等で発生した排ガス中のCO2を工業規模で且つ効率的に吸収・除去することができ、CO2の大気中への排出量を効果的に削減することができる。ちなみに、全国の製鉄所で生成される鉄鋼スラグのうち製鋼スラグのみをCO2吸収剤(固体粒子の集合体)として使用し、同じく全国の製鉄所で発生する排ガスに対して本発明法を適用すると仮定した場合、発生CO2量の1%を削減することが可能である。このCO2削減量は、先に述べた鉄鋼業界における自主行動計画の「生産工程におけるエネルギー消費量を1990年比で10%削減する」という削減目標値に対し、その10%に相当する分の削減が可能であり、また1995年比では24%に相当する分の削減が可能となるという意味で、極めて有用且つ画期的な発明であると言える。

図面の簡単な説明

0068

図1CaOを含有する固体粒子の表面で排ガス中のCO2が吸収・固定される機構を推定した模式図
図2固体粒子の集合体の流動層を用いた本発明法の一実施形態を示す説明図
図3ロータリーキルンを用いた本発明法の一実施形態を示す説明図
図4固体粒子の集合体の充填層を用いた本発明法の一実施形態を示す説明図

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0069

1,1a,1b…処理槽、A…空間、2…供給装置、3…ガス供給導管、4…ガス排出導管、5…固体粒子排出管、6,6a,6b…ロータリーキルン、7…供給装置、8…ガス供給導管、9…ガス排出導管、10…固体粒子排出部、11,11a,11b…容器、12…ガス供給導管、13…ガス排出導管、100…ガス分散板、110…風箱

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