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技術 繊維または繊維製品用抗菌組成物

出願人 住化エンビロサイエンス株式会社
発明者 乾圭一郎
出願日 1998年12月22日 (22年4ヶ月経過) 出願番号 1998-376374
公開日 2000年7月11日 (20年10ヶ月経過) 公開番号 2000-191410
状態 特許登録済
技術分野 農薬・動植物の保存 繊維製品への有機化合物の付着処理
主要キーワード 綿ブロード布 抗菌防臭 抗菌繊維 評価試験法 接種菌数 ポリオキシエチレンアルケニルエーテル 塩化ジデシルジメチルアンモニウム 増減値
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この項目の情報は公開日時点(2000年7月11日)のものです。
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課題

抗菌活性が高く、耐洗濯性のある繊維または繊維製品用抗菌組成物を提供する。

解決手段

カチオン性抗菌化合物アルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することを特徴とする繊維または繊維製品の抗菌組成物。

概要

背景

繊維または繊維製品抗菌剤を加工することは従来から行われており、さまざまな化合物が使用されている。これらの抗菌加工に用いられる抗菌剤として塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウム塩化ジデシルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩シリコン系第4級アンモニウム塩、銀、銅イオンを含有したゼオライトアパタイト粉末等の無機系抗菌剤混入したもの等が提示されている。しかしながら第4級アンモニウム等を付着させたものは抗菌作用持続性に劣り、洗濯耐久性が得られない欠点があった。無機系抗菌剤の場合には、繊維表面に存在する金属イオン量が少ないため抗菌効力が非常に低く、特定の用途以外は実用化できない欠点があった。

また、これらの抗菌剤の繊維への固着性を向上させるために、種々のバインダー架橋剤の組み合わせが検討されている。これらのカチオン性化合物にはバインダーの多くを占めるアニオン系のものが使用できない制限があり、この効果は低く実用性に耐えうる性能を持たせることは困難であった。

シリコーン系第4級アンモニウム塩は、通常反応性シリコーン樹脂とともに繊維に加工されるものであるが、繊維および繊維製品が白色であった場合黄変蛍光増白性の低下などの問題を起こし、用途が著しく制限される。

特開平8−226077号にはポリヘキサメチレンビグアナイド系化合物水溶性樹脂グリシジルエーテル系の架橋剤とともに繊維に固着させる方法が提案されているが、皮膚刺激性のある架橋剤を使用する問題点があり、また加工した繊維の洗濯耐久性も十分なものではなく、グラム陰性菌に対しては十分な抗菌力を示さなかった。特開平10−53504号にはアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩グリシン−N、N’−ジ酢酸誘導体を含有する抗菌組成物が提案されているが、洗濯に対する耐久性は低く、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩単独の場合とほとんど変わらない。

概要

抗菌活性が高く、耐洗濯性のある繊維または繊維製品用抗菌組成物を提供する。

カチオン性抗菌化合物アルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することを特徴とする繊維または繊維製品の抗菌組成物。

目的

本発明は、従来の技術の問題点を解決し、抗菌力が高く、長期間抗菌力を持続させ、洗濯に対する耐久性をもつ抗菌組成物を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

請求項2

カチオン性抗菌化合物とアルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩の配合比が、モル比で1:0.1〜1:2、好ましくは1:0.2〜1:1である請求項1記載の繊維または繊維製品用抗菌組成物。

請求項3

カチオン性抗菌化合物が一般式(I)ID=000002HE=040 WI=078 LX=0210 LY=0800(式中、Rは炭素数10〜16の直鎖または分岐鎖アルキル基、X- は陰イオンを示す。)で表されるアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩である請求項1または2記載の繊維または繊維製品用抗菌組成物。

技術分野

0001

本発明は、洗濯耐久性に優れた抗菌繊維または繊維製品を得るための抗菌組成物に関するものである。

背景技術

0002

繊維または繊維製品に抗菌剤を加工することは従来から行われており、さまざまな化合物が使用されている。これらの抗菌加工に用いられる抗菌剤として塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウム塩化ジデシルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩シリコン系第4級アンモニウム塩、銀、銅イオンを含有したゼオライトアパタイト粉末等の無機系抗菌剤混入したもの等が提示されている。しかしながら第4級アンモニウム等を付着させたものは抗菌作用持続性に劣り、洗濯耐久性が得られない欠点があった。無機系抗菌剤の場合には、繊維表面に存在する金属イオン量が少ないため抗菌効力が非常に低く、特定の用途以外は実用化できない欠点があった。

0003

また、これらの抗菌剤の繊維への固着性を向上させるために、種々のバインダー架橋剤の組み合わせが検討されている。これらのカチオン性化合物にはバインダーの多くを占めるアニオン系のものが使用できない制限があり、この効果は低く実用性に耐えうる性能を持たせることは困難であった。

0004

シリコーン系第4級アンモニウム塩は、通常反応性シリコーン樹脂とともに繊維に加工されるものであるが、繊維および繊維製品が白色であった場合黄変蛍光増白性の低下などの問題を起こし、用途が著しく制限される。

0005

特開平8−226077号にはポリヘキサメチレンビグアナイド系化合物水溶性樹脂グリシジルエーテル系の架橋剤とともに繊維に固着させる方法が提案されているが、皮膚刺激性のある架橋剤を使用する問題点があり、また加工した繊維の洗濯耐久性も十分なものではなく、グラム陰性菌に対しては十分な抗菌力を示さなかった。特開平10−53504号にはアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩グリシン−N、N’−ジ酢酸誘導体を含有する抗菌組成物が提案されているが、洗濯に対する耐久性は低く、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩単独の場合とほとんど変わらない。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、従来の技術の問題点を解決し、抗菌力が高く、長期間抗菌力を持続させ、洗濯に対する耐久性をもつ抗菌組成物を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カチオン性抗菌化合物に対して一般に配合禁忌とされるアニオン性界面活性剤の中で、アルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩を反応させてイオンコンプレックスを作ることにより、カチオン性抗菌化合物の抗菌性を増大させ、洗濯による脱落を軽減させることが可能であることを見出し、本発明を完成した。

0008

すなわち本発明は、カチオン性抗菌化合物とアルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有することを特徴とする繊維または繊維製品の抗菌組成物である。

発明を実施するための最良の形態

0009

本発明に用いるカチオン性抗菌化合物としては、一般式(I)
ID=000003HE=040 WI=082 LX=0640 LY=2400

0010

(式中、Rは炭素数10〜16の直鎖または分岐鎖アルキル基、X- は陰イオンを示す。)で表されるアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩が好ましい。

0011

本発明における一般式(I)のカチオン系抗菌化合物のRは炭素数10〜16のアルキル基であり、直鎖アルキル基が好ましい。X- は陰イオンを示し、ハロゲンイオンリン酸イオンプロピオン酸イオンなどが挙げられるが、通常は塩素イオンのものが好ましく市販品として流通している。

0012

かかる化合物としては、例えば塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウムが挙げられる。本発明におけるアルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩はそれぞれ単独でも両方を混合して使用しても良い。塩はナトリウム塩カリウム塩アンモニウム塩等を用いることができ、二種類以上を混合しても良い。また、アルキル基の炭素数は10〜16が好ましく、分岐のない直鎖のアルキル基であることが好ましい。かかる塩としては、例えばドデシル硫酸エステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。本発明のカチオン性抗菌化合物とアルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩の配合割合は、モル比で1:0.1〜1:2の範囲にあることが好ましく、さらには1:0.2〜1:1であることが好ましい。カチオン性抗菌化合物の配合率は0.1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。

0013

本発明ではカチオン性抗菌化合物とアニオン性界面活性剤であるアルキル硫酸エステル塩またはアルキルベンゼンスルホン酸塩の配合によってイオンコンプレックスを生じるため、これを乳化させる等の目的で非イオン界面活性剤を配合することができる。非イオン系界面活性剤は特に限定するものではないが、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルケニルエーテルソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの非イオン系界面活性剤は一種を単独に用いても二種以上を併用してもよい。

0014

また、製剤を行なううえで溶剤を使用することもできる。溶剤は特に限定するものではないが、例えば水、メチルアルコールエチルアルコールイソプロピルアルコール酢酸、プロピオン酸、アセトンジメチルホルムアミドジメチルアセトアミドジメチルスルホキシドエチレングリコールプロピレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールジプロピレングリコールヘキシレングリコールポリエチレングリコールグリセリンエチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートγ−ブチロラクトンスルホランなどの水溶性溶剤ジメチルナフタレンドデシルベンゼン流動パラフィンイソホロン灯油アジピン酸ジブチルフタル酸ジエチルジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートプロピレンカーボネート椰子油、菜種油綿実油ヒマシ油大豆油などの親油性溶剤を適宜使用することができる。これらの水溶性溶剤、親油性溶剤は一種を単独に用いても二種以上を併用してもよい。

0015

本発明の抗菌組成物には必要に応じて、他の殺菌剤pH調節剤増粘剤香料等を本発明の効果に影響を与えない範囲で配合することも可能である。また、本発明の有効成分の製剤化に際しては、用いられる溶剤、界面活性剤などの他に、必要に応じてキレート剤防錆剤スケール防止剤、などを添加することも可能である。

0016

本発明の抗菌組成物の対象となる繊維には種々のものがあるが、たとえばナイロン、綿、ポリエステル羊毛等が挙げられ、これらの繊維を2種類以上使用した複合繊維であっても差し支えない。本発明の抗菌組成物の使用方法は特に限定するものではないが、浸漬処理スプレー処理吸じん加工等を行うことが可能である。使用濃度は製剤の0.1〜5%o.w.fであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜3%o.w.fである。

0017

次に本発明の実施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。下表に示した配合比率はすべて重量%である。各実施例の抗菌組成物は各実施例に示す成分をそれぞれ示す割合で常温において通常の撹拌によって調製した。

0018

実施例1
塩化ベンザルコニウム5%
(塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウムの50%水溶液
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル10%
水 84%

0019

実施例2
塩化ベンザルコニウム(50%水溶液) 5%
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2.5%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル10%
水 82.5%

0020

実施例3
塩化ベンザルコニウム(50%水溶液) 5%
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ3.5%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル10%
水 81.5%

0021

実施例4
塩化ベンザルコニウム(50%水溶液) 5%
ラウリル硫酸ソーダ2%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル10%
水 83%

0022

比較例1
塩化ベンザルコニウム(50%水溶液) 5%
水 95%

0023

比較例2
塩化ベンザルコニウム(50%水溶液) 5%
ジオクチルスルホコハク酸ソーダ70%液 3%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル10%
水 82%

0024

比較例3
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ3.5%
水 96.5%

0025

比較例4
ラウリル硫酸ソーダ3.5%
水 96.5%

0026

試験例1.殺菌力試験
1/20に希釈したNB培地ミリリットルに濃度が20ppmになるように薬剤を添加し、これに10の8乗のStaphylococcus aureus菌液30マイクロリットルを添加した。30分、60分、18時間後に10マイクロリットルをシャーレにとり、溶解したハートインフュージョン(HI)培地を流して固め48時間35℃で培養を行い、菌数を測定した。表1に示すように、塩化ベンザルコニウム単独(比較例1)では18時間後であっても菌数は10の4乗を示したが、実施例1〜3では菌数はすべて10の2乗以下となり、高い殺菌力を示した。

0027

0028

試験例2.抗菌力試験
綿ブロード布に実施例3、4の抗菌組成物、を2.0%o.w.fで60℃20分間浸漬し、しぼり率100%で処理後105℃で乾燥させた。これらの生地の洗濯10回後の抗菌力試験を行った。洗濯方法家庭用洗濯機を用い、洗剤として「JAFET洗剤」(繊維製品新機能評価協議会)を使用し、40℃の温水30リットルに対し40mlを添加し、洗濯を5分、すすぎ2分を2回行った後脱水した。この操作を10回繰り返した。

0029

抗菌性能評価方法
試験方法は繊維製品新機能評価協議会の評価試験法に準じ、菌数測定法で行った。試験菌には黄色ブドウ状球菌(IFO12732)を使用した。試料布に試験菌を接種し、37℃、18時間培養後の生菌数を測定し、接種した菌数に対する菌数を測定し、次の基準に従って増減値差を計算した。
増減値差=log(B/A)−log(C/A)
A:未処理布接種菌数
B:未処理布の18時間後の菌数
C:処理布の18時間後の菌数
抗菌性の効果は増減値差で表され、この値の大きい方が抗菌性は高いと判断される。また、増減値差が2.2よりも大きいかどうかが繊維製品新機能評価協議会(JAFET)の抗菌防臭の基準となる。表2に示すように、実施例3、4は洗濯後においても比較例1、2よりも高い抗菌効力を示した。

0030

発明の効果

0031

本発明の抗菌組成物は、繊維または繊維製品に対し、抗菌活性が高く耐洗濯性のある加工を行うことが可能となる。

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