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技術 移動体の操作傾向解析方法、運行管理システム及びその構成装置、記録媒体

出願人 株式会社データ・テック
発明者 田野通保宮坂力東城浩平佐竹浩樹梅田玲子
出願日 1999年10月12日 (20年6ヶ月経過) 出願番号 1999-290354
公開日 2000年7月4日 (19年9ヶ月経過) 公開番号 2000-185676
状態 特許登録済
技術分野 平均速度の測定;速度、加速度の試験較正 タイムレコーダ、ドライブレコーダ、入出管理 タイムレコーダ・稼動の登録 直線速度または角速度の測定、およびその指示装置 自動車の製造ライン・無限軌道車両・トレーラ 交通制御システム ジャイロスコープ 交通制御システム 車両用電気・流体回路 乗員・歩行者の保護 加速度、衝撃の測定
主要キーワード 挙動条件 収集条件設定 固定型ディスク 挙動設定 挙動履歴 初期情報設定 操作要 設定用インタフェース
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年7月4日)のものです。
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図面 (20)

課題

車両の危険挙動を効率的に検出して運転者操作傾向運転者毎解析することができる運行管理システムを提供する。

解決手段

車両の挙動を時系列に検出するセンサ部11と、このセンサ部11で検出した挙動をメモリカード20に記録するレコーダ部13と、車両の挙動を危険挙動と判定するための条件パターンを設定する挙動解析装置30とを備えて運行管理システム1を構成する。レコーダ部13は、車両の挙動を危険挙動と認識するための条件パターンとセンサ部11で実際に検出した挙動とを比較し、条件パターンに適合する挙動に関わる情報のみを危険挙動別にメモリカード20に記録し、これを挙動解析装置30で統計的に解析できるようにする。

概要

背景

車両その他の移動体挙動に関わる測定データを記録するデータレコーダ及びこのデータレコーダに記録された測定データの解析を行う挙動解析装置を有する運行管理システムが知られている。この種の運行管理システムにおいて、車両の挙動に関わる測定データを検出して記録するデータレコーダは、セーフティレコーダとも呼ばれ、角速度計加速度計GPSレシーバから成るセンサ部と、このセンサ部で検出された測定データを記録するためのレコーダ部とから構成される。測定データは、具体的には、ロールピッチ、ヨーの角速度データ、二次元または三次元の加速度データ緯度経度・速度・方位を表すGPSデータ等である。

レコーダ部に記録された測定データは、挙動解析装置で集計され、解析される。挙動解析装置はコンピュータ装置によって実現されるもので、測定データのうち、角速度データから旋回角速度を求め、加速度データから発進加速度及びブレーキ加速度を求め、さらに、GPSデータから車両の現在位置、時間、運行速度を求める機能を有している。

概要

車両の危険挙動を効率的に検出して運転者操作傾向運転者毎に解析することができる運行管理システムを提供する。

車両の挙動を時系列に検出するセンサ部11と、このセンサ部11で検出した挙動をメモリカード20に記録するレコーダ部13と、車両の挙動を危険挙動と判定するための条件パターンを設定する挙動解析装置30とを備えて運行管理システム1を構成する。レコーダ部13は、車両の挙動を危険挙動と認識するための条件パターンとセンサ部11で実際に検出した挙動とを比較し、条件パターンに適合する挙動に関わる情報のみを危険挙動別にメモリカード20に記録し、これを挙動解析装置30で統計的に解析できるようにする。

目的

そこで本発明は、車両等の移動体の操作傾向を適切に把握することができる、移動体の操作傾向解析技術を提供することを主たる課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
12件
牽制数
31件

この技術が所属する分野

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請求項1

動体特定挙動を示す挙動条件に従って、実際に検出された当該移動体の挙動における前記特定挙動の発生の有無を判定し、前記特定挙動の発生事実に応じて当該移動体の特定挙動に関わる情報を所定の記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された情報をもとに当該移動体の操作傾向解析する、移動体の操作傾向解析方法

請求項2

前記特定挙動に関わる情報を当該挙動の発生前後にわたって時系列的に前記記録媒体に記録するとともに、前記特定挙動が発生していない場合の前記移動体の挙動に関わる情報を間欠的に前記記録媒体に記録し、これらの記録された情報をもとに当該移動体の複合的な操作傾向を解析する、請求項1記載の移動体の操作傾向解析方法。

請求項3

前記移動体の操作者識別情報、前記移動体の挙動環境、前記操作者の挙動履歴の少なくとも1つに従って設定した条件情報に基づいて前記操作傾向を解析する、請求項1または2記載の操作傾向解析方法。

請求項4

互いに異なる複数の移動体操作要因に従って設定した複合的な条件情報に基づいて前記操作傾向を解析する、請求項1または2記載の操作傾向解析方法。

請求項5

所定の収集条件満足した移動体の挙動を当該挙動の発生前後にわたって時系列に検出する手段及び検出した挙動を所定の記録媒体に記録する手段を備えたデータレコーダと、前記収集条件を設定する条件設定手段とを有し、前記データレコーダが、前記条件設定手段で設定した収集条件に適合する挙動に関わる情報のみをその挙動別に前記記録媒体に記録するように構成される、移動体の運行管理システム

請求項6

前記データレコーダは、前記収集条件を満足しない挙動に関わる情報を間欠的に記録する手段を有し、前記記録媒体上で、前記間欠的に記録された情報が前記収集条件に適合する挙動に関わる情報と区別されるように構成されている、請求項5記載の運行管理システム。

請求項7

前記条件設定手段が、前記移動体の操作者の識別情報、前記移動体の挙動環境、前記操作者の挙動履歴の少なくとも1つに従って前記収集条件を設定するように構成される、請求項5または6記載の運行管理システム。

請求項8

前記条件設定手段は、互いに異なった移動体操作要因に従う複合的な収集条件を設定するように構成されている、請求項5または6記載の運行管理システム。

請求項9

移動体の挙動が所定の収集条件を満足している場合はこの移動体の挙動を当該挙動の発生前後にわたって時系列に検出するとともに、前記収集条件を満足していない場合にはこの移動体の挙動を間欠的に検出する手段と、前記時系列に検出された挙動に関わる情報と前記間欠的に検出された挙動に関わる情報とをそれぞれ区別して所定の記録媒体に記録する手段と、前記記録媒体に記録された各情報をもとに当該移動体の運行状況再現する手段とを有する、移動体の運行管理システム。

請求項10

前記記録媒体が、前記移動体の識別情報、前記移動体を操作する操作者の識別情報、前記移動体の挙動環境の少なくとも1つに従って分類される各分類毎に作成されたカード状記録媒体である、請求項5ないし9のいずれかの項記載の運行管理システム。

請求項11

移動体の挙動を時系列に検出するセンサ部と、前記挙動を特定挙動と判定するための挙動条件に従って前記センサ部で検出された当該移動体の挙動において前記特定挙動の発生の有無を判定し、前記特定挙動の発生に応じて当該移動体の特定挙動に関わる情報を所定の記録媒体に記録する記録手段とを有する、データレコーダ。

請求項12

前記特定挙動が危険挙動であり、前記記録手段は、当該危険挙動の条件を定めた条件パターンと前記センサ部で検出された挙動パターンとの適合性に基づいて前記危険挙動の発生の有無を判定し、危険挙動が発生したときは当該危険挙動に関わる情報を記録するように構成される、請求項11記載のデータレコーダ。

請求項13

前記記録手段は、前記特定挙動が発生していないと判定されている場合に当該移動体の挙動に関わる情報を前記特定挙動に関わる情報と区別して間欠的に前記記録媒体に記録する、請求項11記載のデータレコーダ。

請求項14

前記記録媒体が、前記移動体の識別情報、前記移動体の操作者の識別情報、前記移動体の挙動環境の少なくとも1つに従って分類される分類毎に作成されたカード状記録媒体であり、このカード状記録媒体に少なくとも前記挙動条件が記録されている、請求項11、12又は13記載のデータレコーダ。

請求項15

移動体の特定の挙動に関わる情報を収集するための収集条件を所定の記録媒体に設定する条件設定手段と、前記設定された収集条件に適合する移動体の挙動に関わる情報を記録した前記記録媒体からその記録情報読み出し、読み出した情報から当該移動体の挙動内容を解析する解析手段とを備えて成る、移動体の挙動解析装置

請求項16

移動体の特定挙動に関する情報を収集するための収集条件を設定する収集条件設定手段と、前記移動体の特定挙動に関わる情報が記録された所定の記録媒体から前記情報を読み出し、この読み出した情報と所定の挙動パターンを特定するための条件パターンとを比較して当該移動体の挙動内容を解析する解析手段とを備えて成る、移動体の挙動解析装置。

請求項17

前記解析手段は、前記特定挙動に関わる情報とは異なった情報であって、当該特定挙動以外の挙動に沿って間欠的に記録された情報を前記記録媒体から読み出し、これらの情報に従って当該移動体の挙動内容を解析することを特徴とする、請求項15または16記載の挙動解析装置。

請求項18

前記解析手段が、前記読み出した情報の統計処理項目を含む複数の処理項目を設けたメニュー画面を所定の表示装置に表示させ、特定の処理項目が選択されたときに当該処理項目に対応した解析処理自動実行するように構成されている、請求項15、16又は17記載の挙動解析装置。

請求項19

移動体の特定挙動に関わる情報を収集するための収集条件を所定の記録媒体に設定する処理、前記設定された収集条件に適合する挙動に関わる情報が記録された前記記録媒体からその記録情報を読み出す処理、読み出した情報から当該移動体の挙動内容を解析する処理をコンピュータ装置に実行させるためのディジタル情報が記録された、コンピュータ読取可能な記録媒体。

請求項20

移動体の特定挙動に関する情報を収集するための第1の収集条件と、前記特定挙動以外の通常挙動に関する情報を収集するための第2の収集条件とを所定の記録媒体に設定する処理、前記第1及び第2の収集条件に適合する挙動に関わる情報が区別して記録された前記記録媒体から挙動別の記録情報を読み出す処理、読み出した情報から当該移動体の挙動内容を解析する処理をコンピュータ装置に実行させるためのディジタル情報が記録された、コンピュータ読取可能な記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、例えば車両や鉄道等の移動体挙動を表す運行データの管理システム係り、特に、運転者操作傾向解析に適したデータレコーダ及びこれを利用した運行管理システムに関する。

背景技術

0002

車両その他の移動体の挙動に関わる測定データを記録するデータレコーダ及びこのデータレコーダに記録された測定データの解析を行う挙動解析装置を有する運行管理システムが知られている。この種の運行管理システムにおいて、車両の挙動に関わる測定データを検出して記録するデータレコーダは、セーフティレコーダとも呼ばれ、角速度計加速度計GPSレシーバから成るセンサ部と、このセンサ部で検出された測定データを記録するためのレコーダ部とから構成される。測定データは、具体的には、ロールピッチ、ヨーの角速度データ、二次元または三次元の加速度データ緯度経度・速度・方位を表すGPSデータ等である。

0003

レコーダ部に記録された測定データは、挙動解析装置で集計され、解析される。挙動解析装置はコンピュータ装置によって実現されるもので、測定データのうち、角速度データから旋回角速度を求め、加速度データから発進加速度及びブレーキ加速度を求め、さらに、GPSデータから車両の現在位置、時間、運行速度を求める機能を有している。

発明が解決しようとする課題

0004

従来のデータレコーダは、例えば車両に一つ固定的に取り付けられ、しかも記録される測定データは、運転者が誰かにかかわらない。これは、従来のデータレコーダが、事故等が発生した場合に、その車両の挙動を事後的に解析して事故等の発生原因究明するためのものであったことによる。そのため、利用範囲が著しく制限されてしまい、一般の運転者向けに普及させることが困難であった。

0005

また、従来は、車両の挙動に際して発生する測定データをすべて記録しているため、データレコード側では、記録を繰り返し行うとはいえ、所定期間内での記録のために多大な記録領域を確保しておかなければならず、これらを峻別する解析装置側でも重い処理が必要となる問題があった。

0006

さらに、従来のこの種の運行管理システムでは、運転者による操作傾向を把握して事故等の発生を未然に防止するための情報を生成するという観点は存在しなかった。例えば自動車においては、交通事故発生の約7割は交差点等、運転者に複合操作が要求される箇所で発生している。すなわち、運転動作としては、アクセルまたはブレーキの操作を行うとともに、ハンドルの操作も行う必要のある箇所である。従来では、このような交通事故発生率の高い箇所での運転操作に対して、危険を認識する工夫が十分ではなかった。

0007

そこで本発明は、車両等の移動体の操作傾向を適切に把握することができる、移動体の操作傾向解析技術を提供することを主たる課題とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するため、本発明は、移動体の操作傾向解析方法、この方法の実施に適した移動体の運行管理システム、データレコーダ、挙動解析装置、及び操作傾向解析のための処理をコンピュータ上で実行する上で好適となる記録媒体を提供する。

0009

本発明の移動体の操作傾向解析方法は、移動体の特定挙動を示す挙動条件に従って、実際に検出された当該移動体の挙動における前記特定挙動の発生の有無を判定し、前記特定挙動の発生事実に応じて当該移動体の特定挙動に関わる情報を所定の記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された情報をもとに当該移動体の操作傾向を解析することを特徴とする。

0010

前記特定挙動に関わる情報を当該挙動の発生前後にわたって時系列的に前記記録媒体に記録するとともに、前記特定挙動が発生していない場合の前記移動体の挙動に関わる情報を間欠的に前記記録媒体に記録し、これらの記録された情報をもとに当該移動体の複合的な操作傾向を解析するようにしても良い。また、移動体の操作者識別情報、移動体の挙動環境、操作者の挙動履歴の少なくとも1つに従って設定した条件情報に基づいて、あるいは、互いに異なる複数の移動体操作要因に従って設定した複合的な条件情報に基づいて操作傾向を解析するようにしても良い。

0011

本発明の移動体の運行管理システムは、所定の収集条件満足した移動体の挙動を当該挙動の発生前後にわたって時系列に検出する手段及び検出した挙動を所定の記録媒体に記録する手段を備えたデータレコーダと、前記収集条件を設定する条件設定手段とを有し、前記データレコーダが、前記条件設定手段で設定した収集条件に適合する挙動に関わる情報のみをその挙動別に前記記録媒体に記録するように構成されるシステムである。

0012

この運行管理システムにおいて、前記データレコーダは、例えば、前記収集条件を満足しない挙動に関わる情報を間欠的に記録する手段を有し、前記記録媒体上で、前記間欠的に記録された情報が前記収集条件に適合する挙動に関わる情報と区別されるように構成される。

0013

また、前記条件設定手段は、前記移動体の操作者の識別情報、前記移動体の挙動環境、前記操作者の挙動履歴の少なくとも1つに従って前記収集条件を設定するように、あるいは、互いに異なった移動体操作要因に従う複合的な収集条件を設定するように構成される。

0014

本発明の他の運行管理システムは、移動体の挙動が所定の収集条件を満足している場合はこの移動体の挙動を当該挙動の発生前後にわたって時系列に検出するとともに、前記収集条件を満足していない場合にはこの移動体の挙動を間欠的に検出する手段と、前記時系列に検出された挙動に関わる情報と前記間欠的に検出された挙動に関わる情報とをそれぞれ区別して所定の記録媒体に記録する手段と、前記記録媒体に記録された各情報をもとに当該移動体の運行状況再現する手段とを有するシステムである。

0015

上記各運行管理システムに使用される記録媒体は、好ましくは、移動体の識別情報、移動体を操作する操作者の識別情報、移動体の挙動環境の少なくとも1つに従って分類される各分類毎に作成されたカード状記録媒体とする。

0016

本発明のデータレコーダは、移動体の挙動を時系列に検出するセンサ部と、前記挙動を特定挙動と判定するための挙動条件に従って前記センサ部で検出された当該移動体の挙動において前記特定挙動の発生の有無を判定し、前記特定挙動の発生に応じて当該移動体の特定挙動に関わる情報を所定の記録媒体に記録する記録手段とを有するものである。前記特定挙動が危険挙動である場合、前記記録手段は、当該危険挙動の条件を定めた条件パターンと前記センサ部で検出された挙動パターンとの適合性に基づいて前記危険挙動の発生の有無を判定し、危険挙動が発生したときは当該危険挙動に関わる情報を記録するように構成される。また、記録手段は、前記特定挙動が発生していないと判定されている場合に当該移動体の挙動に関わる情報を前記特定挙動に関わる情報と区別して間欠的に前記記録媒体に記録するようにする。この記録媒体は、好ましくは、移動体の識別情報、移動体の操作者の識別情報、移動体の挙動環境の少なくとも1つに従って分類される分類毎に作成されたカード状記録媒体とし、このカード状記録媒体に少なくとも前記挙動条件が記録されるようにする。

0017

本発明の挙動解析装置は、移動体の特定の挙動に関わる情報を収集するための収集条件を所定の記録媒体に設定する条件設定手段と、前記設定された収集条件に適合する移動体の挙動に関わる情報を記録した前記記録媒体からその記録情報読み出し、読み出した情報から当該移動体の挙動内容を解析する解析手段とを備えて成る装置である。

0018

本発明の他の挙動解析装置は、移動体の特定挙動に関する情報を収集するための収集条件を設定する収集条件設定手段と、前記移動体の特定挙動に関わる情報が記録された所定の記録媒体から前記情報を読み出し、この読み出した情報と所定の挙動パターンを特定するための条件パターンとを比較して当該移動体の挙動内容を解析する解析手段とを備えて成る装置である。

0019

挙動解析装置において、前記解析手段は、例えば、前記特定挙動に関わる情報とは異なった情報であって、当該特定挙動以外の挙動に沿って間欠的に記録された情報を前記記録媒体から読み出し、これらの情報に従って当該移動体の挙動内容を解析するように構成する。あるいは、前記読み出した情報の統計処理項目を含む複数の処理項目を設けたメニュー画面を所定の表示装置に表示させ、特定の処理項目が選択されたときに当該処理項目に対応した解析処理自動実行するように構成する。

0020

本発明の記録媒体は、移動体の特定挙動に関わる情報を収集するための収集条件を所定の記録媒体に設定する処理、前記設定された収集条件に適合する挙動に関わる情報が記録された前記記録媒体からその記録情報を読み出す処理、読み出した情報から当該移動体の挙動内容を解析する処理をコンピュータ装置に実行させるためのディジタル情報が記録された、コンピュータ読取可能な記録媒体である。

0021

本発明の他の記録媒体は、移動体の特定挙動に関する情報を収集するための第1の収集条件と前記特定挙動以外の通常挙動に関する情報を収集するための第2の収集条件とを所定の記録媒体に設定する処理、前記第1及び第2の収集条件に適合する挙動に関わる情報が区別して記録された前記記録媒体から挙動別の記録情報を読み出す処理、読み出した情報から当該移動体の挙動内容を解析する処理をコンピュータ装置に実行させるためのディジタル情報が記録された、コンピュータ読取可能な記録媒体である。

発明を実施するための最良の形態

0022

以下、本発明を、車両の操作傾向や危険挙動の事実を検出して運転者に提示する運行管理システムに適用した場合の実施の形態を説明する。

0023

(第1実施形態)図1は、第1実施形態による運行管理システムの構成図である。この運行管理システム1は、車両に取り付けられるデータレコーダ10と、メモリカード20と、メモリカード20に運転者の固有情報や、車両の挙動の特徴を認識するための条件パターンを設定するとともに、これらの設定情報に基づいてメモリカード20に記録された情報を読み込んで車両の挙動内容を解析する挙動解析装置30とを有している。

0024

データレコーダ10は、センサ部11、カード収容機構12、レコーダ部13を含んで構成される。センサ部11は、車両における三次元軸線回り(ロール、ピッチ、ヨー)の角速度データを検出するための角速度計111x,111y,111z、車両の前後左右方向の加速度データ(アクセル加速度、ブレーキ加速度、旋回加速度等)を検出する加速度計112x,112y、車両の現在の緯度・経度・速度・方位等を表すGPSデータを受信するGPSレシーバ113、車両計器等から車速パルスを取得するパルス取得機構114を有している。

0025

このセンサ部11から出力されるデータのうち、アクセル加速度(前後G)は+○G(○は数値、Gは重力加速度、以下同じ)、ブレーキ加速度(前後G)は−○G、右加速度(横G)は左折+○G、左加速度(横G)は右折−○G、旋回角速度(Yr等)は右が+○°/sec、左が−○°/secのように表現される。また、方位角速度(平均)は○°/secのように表現される。

0026

なお、GPSデータと車速パルスは、適宜切り換えて、あるいは併用して出力できるようになっている。例えば、GPSデータを受信できる通常の路上ではGPSデータを用い、GPSデータの届かないトンネル内では車速パルスを用いて速度等を表したり、それまで受信したGPSデータに基づく現在位置の補正等を行うようにする。

0027

カード収容機構12は、メモリカード20を離脱自在に収容してレコーダ部13との間のデータの読み出しや書き込みを支援するものである。

0028

レコーダ部13は、CPUとメモリとを含み、CPUがメモリの一部に記録された所定のプログラムを読み込んで実行することにより形成される、前処理部131、イベント抽出部132、データ読取部133、データ記録部134の機能ブロック、及びカウンタの機能を具備して構成される。

0029

前処理部131は、センサ部11から出力される角速度データに含まれるオフセット成分及びドリフト成分除去処理を行う。また、角速度データ及び加速度データから成る慣性データとGPSデータとのマッチング処理を行う。つまりGPSデータは慣性データに対して2秒程度の遅れがあるので、2秒前の慣性データとのマッチング処理を行う。

0030

データ読取部133は、メモリカード20に設定された条件パターン、すなわち、車両の特徴的な挙動、例えば危険挙動の事実(以下、「イベント」)が発生したと認識するための一つの閾値または複数の閾値の組み合わせ又は例えば交差点旋回等の挙動パターンを認識してイベント抽出部132へ伝えるものである。

0031

イベント抽出部132は、センサ部11から出力され、前処理部131でオフセット成分等が除去されたデータから、イベント毎の条件パターンに適合する測定データ(角速度データ、加速度データ、GPSデータ、車速パルス等:以下、「イベントデータ」)を抽出し、そのイベントデータ及びその種別データ(条件パターンの識別データ)、イベント発生日時(GPSデータ)、イベント発生場所(GPSデータ)、各イベントの記録数(設定による)、イベント発生後の走行距離(例えば、急ブレーキをかけた後の走行距離:車速パルスが1パルス発生したら所定の車速パルスのスケールファクタ分だけカウントする。車速パルスが取得できない場合は、GPSデータに含まれる緯度・経度の変化によって速度が検出できるので、これを積分することにより、距離を出す)、及び初期情報(レコーダ番号、運転手名車両番号名等)等をデータ記録部134に送出する。

0032

なお、測定日はGPSレシーバ112で受信した世界標準時に9時間を加算した日付であり、測定時間はGPSレシーバ112で受信した世界標準時に9時間を加算した時間である。イベント場所は、GPSデータに含まれる緯度・経度で特定できる位置情報である。

0033

データ記録部134は、これらのデータをファイル化してメモリカード20に記録する。また、イグニッションON/OFF、データレコーダ10の電源ON/OFFのほか、GPS通信正常・異常等が発生したときは、その発生時間、発生内容(何時、何処で、何が起こったか)を予め定めたビットパターンで記録できるようになっている。

0034

イベント抽出部132において認識されるイベント毎の条件パターンは、例えば、図2図3に示すものである。図2急発進の場合の条件パターン、図3は交差点における条件パターンであり、それぞれ「リターンON」はイベント認識、「リターンOFF」は非認識を表す。なお、これらの条件パターンは例示であり、事後的に修正したり、追加設定できるようになっている。

0035

メモリカード20は、不揮発性メモリ領域であるEEPROM及びROMとCPUとを有する可搬性ICチップ搭載カード又はフラッシュROM等、不揮発性メモリである。ROMにはプログラムコードが記録されており、EEPROMには上記条件パターンを含む各種設定情報と、レコーダ部13からのイベントデータに関わる情報及び暗号情報が記録されるようになっている。但し、メモリ制御機能がデータレコーダ10及び挙動解析装置30で実現される場合は、メモリカード20側で常にメモリ制御機能(CPU、ROM)を用意しておく必要はない。

0036

挙動解析装置30は、例えば図4のように構成される。ここでは、メモリカード20を収容してデータ記録及び読み出しを行うカードリーダライタ31と、各種設定情報や解析結果を確認するための表示装置32と、初期情報や上記条件パターン等を入力するためのデータ入力装置33と、これらの装置との間のインタフェースとなる入出力制御部34を装備した据え置き型のコンピュータ装置を用いて挙動解析装置30を構成する場合の例を挙げている。

0037

挙動解析装置30は、また、コンピュータ装置のCPUが所定の記録媒体に記録されたディジタル情報を読み込んで、そのコンピュータ装置のオペレーティングシステム(OS)と共に実行することにより(協働実行)形成される、初期情報設定部35、条件設定部36、解析処理部37の機能ブロックを具備している。

0038

初期情報設定部35は、メモリカード20を初めて使用するときに、個人情報、データレコーダ10に関する情報、及び、データレコーダ10を搭載させる車両に関する情報等をそのメモリカード20に設定するものである。個人情報は、そのメモリカード20を保有する運転手名称等であり、データレコーダ10に関する情報は、データレコーダ10を識別するためのレコーダ番号、そのデータレコーダ10のロット番号等である。車両に関する情報は、データレコーダ10を取り付ける車両の車両番号、車種、車速パルス、車速パルスのスケールファクタ等である。これらの初期情報は、解析対象となる車両やそれを運転する運転者を識別したり、データレコーダ10の精度等を挙動解析に加味するために使用される。

0039

条件設定部36は、各種条件パターンをメモリカード20に設定するものである。この条件設定部36及び初期情報設定部35では、運転者の便宜を図るため、所定の埋め込み式ダイヤログウインドウを有する設定用インタフェース画面を表示装置32に表示させ、運転者が、データ入力装置33でこれらのダイヤログウインドウの該当領域に該当データを埋め込み入力することによって各種設定情報を設定できるようになっている。

0040

解析処理部37は、メモリカード20に記録されたイベントデータ等から車両の挙動内容と運転者による操作傾向(癖等)を解析するものである。具体的には、メモリカード20に記録されたイベントデータ及びそれに関わる情報を、運行単位、例えば1日単位に読み取って集計し、これをグラフ処理することで、個々のイベントの発生日時発生場所、運行単位での発生傾向発生頻度等を表示装置32に表示して視覚的に把握できるようにしている。

0041

解析に際しては、処理可能な項目を該当サブルーチン対応付け階層メニュー画面で提示し、運転者が望む項目を選択するだけで、自動的にイベントデータに基づく情報処理起動実行されるようになっている。メニュー画面は、例えば、最初は初期情報に関わる項目(つまり、誰がどの車両を運転したのか等を選択する画面、次いで、解析処理を行う項目(危険挙動別又は特徴的な挙動の発生回数等/悪癖情報/運行経路運転評価グラフ表示・・・)を選択する画面、及びその詳細選択画面(危険挙動別であれば急加速等の選択項目等)である。運転者が選択した項目についての処理結果は、表示装置32に逐次表示され、必要に応じてファイルに記録される。あるいは図示しない印刷装置印刷されるようにしても良い。

0042

なお、解析挙動装置30にデータ変換の機能を設け、上記統計等の処理を既存の表計算ソフトウエアデータベースソフトウエア等に実行させるようにすることもできる。

0043

次に、上記のように構成される運行管理システム1における運用形態を説明する。
(1)メモリカード20の用意
新規の運転者の場合は、挙動解析装置30でその運転者用のメモリカード20を作成する。この場合は、運転者が、カードリーダライタ31に新しいメモリカードを装着し、表示装置32に、図5に例示する初期情報設定画面を表示させ、データ入力装置23を通じて該当データを入力する。次いで、図6に例示する特徴的な挙動設定画面を表示させ、所要のデータを入力する。これらの設定データをメモリカード20に記録させる。新規の運転者でない場合も、閾値や詳細条件を変える場合は、挙動解析装置30でその内容を新たに設定する。

0044

(2)データレコーダ10によるイベントデータ等の記録
メモリカード20を、車両に取り付けられたデータレコーダ10のカード収容機構12に装着し、運転を開始する。車両が動き始めると、データレコーダ10のセンサ部11は、その挙動を逐次測定し、その出力データをレコーダ部13に送る。レコーダ部13は、上述のようにして設定された条件パターンに適合するイベントデータ及びそれに関わる情報のみを抽出し、これをメモリカード20に記録する。

0045

(3)イベントデータ等の解析
運転終了後、データレコーダ10から抜き取ったメモリカード20を挙動解析装置30のカードリーダライタ31に挿入し、表示装置32に解析処理のメニュー画面を表示させる。運転者がメニュー画面を通じて特定の処理項目を選択した場合は、該当するサブルーチンが自動起動し、メモリカード20から読み取った情報の分類処理、統計処理、表示処理等が行われる。表示処理では、図7に示されるような運転評価グラフを含んだ解析結果が表示装置32に表示される。

0046

このように、本実施形態の運行管理システム1では、初期情報や条件パターンを運転者毎にメモリカード20に設定しておき、条件パターンに適合するイベントが発生したときに、そのイベントに関わる情報のみをそのメモリカード20に記録するようにしたので、資源の有効活用を図りつつ、運転者毎の運転評価や操作傾向を解析することが可能になる。そのため、従来のように事故等が発生した場合のみならず、事故等の発生の有無に関わらない利用形態、例えば安全運転のための技術向上過程を確認したり、特徴的な挙動を確認して事故等の未然防止を図ったりすることが可能になる。

0047

(第2実施形態)第1実施形態では、センサ部11の出力データのうち、運転者が設定した条件パターンに適合するかどうかをデータレコーダ10側で判定し、適合するイベントデータ及びそれに関わる情報をメモリカード20に記録する場合の例を示したが、条件パターンは、常にメモリカード20側に設けなければならないというものではない。例えば、第1実施形態のイベント抽出部132に相当する機能ブロックを挙動解析装置30側に設け、挙動解析装置の入力段で条件パターンに適合するイベントデータ及びそれに関わる情報のみを解析処理部37に渡すようにする構成も可能である。この場合は、データレコーダ10のレコーダ部13では、イベントを認識するための各種閾値データデータ収集間隔等のみを設定しておけばよくなるので、構成が簡略化される。また、既存のセーフティレコーダに記録されたデータをも解析することができるため、汎用性が高い運行管理システムを構築することが可能になる。

0048

(第3実施形態)次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、図8(a)に示されるように、挙動解析装置30において、移動体の特定の挙動に関わる情報を収集するためのデータ収集条件がメモリカード20に設定されるようにする。

0049

データ収集条件には、例えば、図8(b)に示されるように、1秒間の間に変化する角速度が10°を越えた場合等が挙げられる。このような条件が満足された場合、特定挙動が発生したと判断され、発生前後の所定時間(例えば、前後30秒)の測定データがメモリカード20に記録される。例えば、カーブを曲がるパターン(特定の挙動)の測定データを収集するように、メモリカード20に収集条件を設定する。具体的には、カーブ走行を20°/秒以上で旋回した場合を収集条件として設定すると、この条件を満足する挙動(設定値を超える挙動)に対して高周波信号(例えば、10MHz)を用いて収集される。収集された測定データは以降に説明する解析手法を用いることにより運転者の移動体操作傾向が解析される。

0050

また、解析対象となる特定挙動の発生を判断するタイミングとしては、
(a)停止状態から発進したとき
(b)交差点におけるカーブ走行発生時
(c)特定地点を通過したとき
(d) 所定のしきい値以上の角速度、加速度、速度等が発生したとき
等が挙げられ、このタイミング前後の所定時間だけ測定データを収集するように設定することができる。なお、固定された時間に限られず、所定の条件を満足している時間だけ測定データを収集するように設定しても良い。

0051

また、第1実施形態では、危険を認識するための条件パターンを図2図3に示されるような条件ステップ形式で保持されていた。しかし、条件パターンは必ずしもこのような形式で保持される必要はなく、以下に説明する第2実施形態は、2次元計測から求められる条件パターンをモデリングした他の形式を適用したものである。

0052

この実施形態では特に、運転操作に、1)アクセルとブレーキの操作と、2)ハンドルの操作との2つの複合した操作が必要とされる箇所での運転傾向について重点的に計測・解析がなされるものである。ここでは、複合した操作が必要とされる箇所として交差点における右折を例に挙げて説明する。なお、前述した2つの複合操作は、加速度計と方位ジャイロによって計測され、それぞれからデータが出力される。

0053

図9は、交差点の概要と運転者の操作する車両が移動する方向を示している。また、この交差点には一時停止箇所P1が設けられている。運転者が図9に示される方向に移動するように車両を操作する際、歩行者対向車への注意が加わり、性急な運転や、不注意な運転に起因する危険回避のための運転による無理な運転挙動が計測される場合がある。

0054

図10(a),(b)は、このような無理な運転挙動が発生していない場合の加速度計からの出力データと、方位ジャイロからの出力データとを示したグラフである。これらのグラフから明らかなように、加速度計により測定された加速度データと、方位ジャイロにより測定された旋回の角速度データとは、運転者による右折操作の特徴を示している。また、これらのグラフを合成すると図11に示されるようになる。

0055

図11に示されるデータの意味するところは、まず、マイナス方向の加速度を発生するブレーキがかけられながら、わずかにハンドルを右に切ることによる角速度の発生が示される(矢印A1)。一時停止の後、ハンドルが右に切られながらアクセルが吹かされることにより加速度が発生し、さらに、所定の速度に達した後にアクセル操作による加速がゆるめられながらハンドルがもとに戻されていることが示されている(矢印A2)。

0056

図10及び図11に示されているデータは、無理な運転挙動が発生していない場合についてであるが、右折操作の際に前方から対向車が近づき、無理に旋回して右折した場合のデータを図12(a),(b)及び図13実線)に示す。これらのグラフに示されるデータから、停止位置で完全に停止していないこと、急加速及び急ハンドル操作を行っていることが判明する。図14には、右折の際に、無理な運転挙動が発生していない場合(通常カーブ動作)と発生した場合(無理なカーブ動作)について複数の項目で比較した図表が示されている。

0057

このように、複数の異なった操作に起因する挙動(複合的な挙動)は、それぞれの操作を計測した結果を多次元で処理することにより、通常の運転挙動と、無理な運転挙動とを明確に差別化することができる。例えば、右折時の通常の運転挙動を示すグラフと、無理な運転挙動を示すものとを重ね合わせると、図13に示されるようになる。この図から、無理な運転挙動を示すグラフは、通常の運転挙動を示すグラフに比べて、発進時の加速度の上昇カーブが急であることと、全体の形状になめらかさ(スムーズさ)がないことがわかる。このように、パターン認識パターンマッチングが行われたグラフ形状差異から運転挙動を容易に推測することができる。

0058

なお、右折の際、急発進後に旋回した場合のグラフを模式的に示すと図15のL1に、急旋回後に急発進した場合のグラフを模式的に示すと図15のL2に示されるようになる。各グラフから明らかなように、急発進後に旋回した場合にはグラフの立ち上がりの傾きが小さく、急旋回後に急発進した場合にはグラフの立ち上がりの傾きが大きくなる。

0059

右折時の通常の運転挙動は、ゆっくり加速してハンドルを切ることであり、この挙動を模式的なグラフで示すと図15のL3に示されるようになる。この図に示される各グラフを、この第2実施形態における条件パターンとして用いることができる。すなわち図16において、空白の領域内は安全運転を示す安全運転領域となり、これ以外のハッチング領域は、危険な運転を示す危険挙動領域となる。

0060

このような条件パターンの設定とデータ記録とがメモリカード20に施された上で、挙動解析装置30は車両の挙動内容と運転者による操作傾向とを解析する。この際、安全運転領域を外れていた時間の割合等により危険挙動及び特徴的挙動が定量化するように構成することができる。

0061

例えば、記録されたデータのうち、安全運転領域または危険挙動領域に位置する時間が3.56秒で、このうち安全運転領域を外れた時間が2.34秒である場合には、
危険度及び特徴度=2.34/3.56
=0.66
となり、このように定量化された数値によって運転者による操作傾向を判断したり、他人の挙動内容と比較することができる。このような算出方法の他に、安全運転領域を外れた面積を数値化するようにしても良い。

0062

以上の説明では、複合した操作が必要とされる箇所として交差点を例に挙げ、加速度計と方位ジャイロによって計測された加速度と角速度から解析を行っている。これによれば、カーブでの走行パターン、カーブでの停止パターン、旋回を伴う発進、及び、旋回を伴う停止という挙動を解析することができる。しかし、これに限られず他の測定器組合せも考えられる。

0063

例えば、測定器に車速パルスと加速度計とを用いて、速度と加速度を測定するようにしても良い。この場合、ブレーキが踏まれることによって発生する加速度(マイナス方向)であっても車両の速度が10kmである場合の−0.1Gと、100kmである場合の−0.1Gとは車両や運転者に与える影響が異なる。従って、測定されたデータを解析することにより、同じブレーキ動作であっても、速度に応じた危険度を求めることができる。

0064

また、測定器に方位ジャイロと加速度計とを用いて、速度と角速度に加えて車両の横方向の加速度(横加速度)を測定するようにしても良い。この場合、速度と角速度との積から車両の遠心力が求められる。通常の運転では、遠心力と横加速度とはほぼ等しい。しかし、車両の旋回において運転限界を超えた場合、車両が滑り出してロールが発生するため、遠心力と横加速度とが等しくなくなる。従って、遠心力と横加速度との差に基づいて危険度を求めることができる。

0065

以上のように第3実施形態の運行管理システムによれば、複合した操作が必要とされる箇所において、複合的な挙動に対してそれぞれの操作を計測した結果が多次元で処理される。これにより、第1実施形態及び第2実施形態による作用効果に加え、危険度、特徴度等の解析や判定を挙動状況に応じてより詳細に行うことができるようになる。

0066

次に、条件パターンの設定に関する手法をより詳細に説明する。第3実施形態の条件パターンの形状や解析される危険度は、車両が運行する環境、すなわち挙動環境によっても異なる。挙動環境には、車両が運行する地方、地域、時間帯等が含まれる。

0067

車両が運行する地方が東京の場合と北海道の場合では、車両の平均速度や交差点の数等が異なる。また、各地方であっても、街中と郊外の違い、運行距離長距離であるか至近距離であるかの違い等、地域に従って違いが発生する。この他にも、夜中の運行、早朝運行、夕方の運行等の時間帯によって諸条件が異なるため、これに応じた条件パターンを設定するようにしても良い。

0068

また、運転者の運転能力にも個人差があるため、解析結果の統計等の挙動履歴があればこれを用いるようにしても良い。すなわち、運転能力、事故歴によって数値や条件パターンを変更することにより、運転者が同じような運転を行っても解析結果が異なることになる。

0069

前述したデータ解析は、挙動解析装置30においてメモリカード20からデータが読み出された後に行われる。このような収集条件の設定による測定データの収集と、解析とを繰り返し行うことにより、危険挙動を検出するのみではなく、対象となる運転パターンを収集して運転傾向を数値化することができる。さらに、解析された運転傾向をもとに、さらに収集条件をメモリカード20に設定するようにしても良い。

0070

また、収集条件と、前述した挙動環境や挙動履歴を組み合わせることにより各種応用が可能となる。例えば、高速道路を使用する長距離トラックの運転手を対象運転者とし、アクセルやブレーキ動作を検証したい場合には速度が70km/H以上で0.1G以上を収集条件として測定データを収集して解析するようにできる。また、対象運転者を同様にして、数値は小さくとも急なハンドル操作を認識するために角速度の微分値を収集するように収集条件として設定することにより、居眠り運転防止のための対策を立てることができる。

0071

(変形例)次に、前述した各実施形態の変形例を説明する。ここでは、収集条件に該当した挙動が発生した場合その発生から前後30秒の測定データを収集するとともに、収集条件に該当しない場合の1分間毎に統計データを収集し、収集された1分間の統計データの収集・解析例について説明する。前後30秒の測定データを収集する手法については種々の手法が考えられるが、最も簡単な手法としては、少なくとも1分以上の測定データを記録できる容量をもつ不揮発性メモリにエンドレスに測定データを記録し、イベントが発生したときに(角速度や加速度の急峻なデータを検出することで判る)、その後30秒経過後に測定データの記録を停止させることで実現が可能である。

0072

まず、この変形例において収集されたデータの概略構成図16に、また、1分間の統計データの内容を図17に示す。図17に示される統計データ内容の解析処理について説明する。図18は、1日分の最大速度の解析例であり、1分毎の最大速度履歴を示す。このようなデータを1ヶ月統計処理することにより、図19に示されるような統計グラフが求められる。この統計グラフの分布から速度と時間帯との関連を割り出すことができる。例えば、時間帯によって速度が変わる場合の原因を探ることができる。通常、夕方になると速度が増し、速度の偏差1σの値が大きくなる。これは速度のばらつきが大きくなっていることを示している。速度そのものの大きさと標準偏差の大きさの平均または安全運転の平均からの「ずれ」で、危険度や注意すべき数値が求められる。

0073

図20は、最大加速度の1日の履歴を示す。ここでは、プラス加速度でアクセルによる加速度、マイナス加速度でブレーキによる加速度であることがわかる。これより、速度同様に平均値、標準偏差の統計処理で、アクセル、ブレーキの時間帯との関係が求められ、その安全走行または全体平均からの「ずれ」等によって乱暴な運転度合いや危険度が求められる。

0074

図21は、最大角速度の1日の履歴を示す。ここでは、ハンドルの右旋回をプラス、左旋回をマイナスで示すことができる。これより、速度同様に平均値、標準偏差の統計処理で、ハンドル操作と時間帯との関係が求められ、その安全走行または全体平均からの「ずれ」等によって乱暴な運転の度合いや危険度が求められる。

0075

最大横加速度も、最大加速度や最大角速度と同様に解析処理され、遠心力、ロール角と時間帯との関係が求められ、その安全走行または全体平均からの「ずれ」等によって乱暴な運転の度合いや危険度が求められる。GPSでの位置、時間計測は、1分毎にいつ、どこにいたのかを示す履歴を生成することにより、何時から何時まで運行したかの運行開始、終了時間の確認や、時間とともに運行位置を地図に展開して運行経路の確認を行うことができる。また、測定器である車速パルスは配線工事が必要とされるが、GPSのデータを利用して走行速度、距離を概算することができる。

0076

この他、最大速度、アクセル、ブレーキ等の平均、標準偏差を各種分類に従って統計処理することにより、運転者別、地域別、事業所別、会社別の統計結果が求められる。図22は、1ヶ月の平均最大速度と標準偏差(1σ)を示す。この他にも、特定の時間(例えば、夕方5時)の1ヶ月統計を求めることにより、運転者が気のゆるむまたは荒くなる運転が発生し易い時間帯について比較することができる。これらについても、安全運転または平均からの「ずれ」等で数値化することにより運転者へのアドバイス資料とすることができる。

0077

また、前述した各項目を複合して複合的統計解析を行うこともできる。測定データの組合せと、このデータの測定に用いられる測定器、及び、解析内容図23の表に示す。さらに、「最大加速度−速度」の解析結果をグラフ化したものを図24に示す。

0078

「最大加速度−速度」の解析では、1)全体的に速度を増すとブレーキ、アクセルの大きさは小さくなり、高速度でのブレーキ等はきわめて危険な挙動と判断できる。2)低速でのアクセル、ブレーキが大きくあるのは、発進、停止におおける操作に応じている。3)上記データを安全運転カーブをモデリングして危険挙動解析を行うことができる。すなわち、同グラフに示されている鎖線は安全運転領域を示し、この分布から危険度を求めることができる。計算例としては、危険度 = 安全運転カーブ以外の点数/全体の点数
=237/1034
=0.23
となる。また、この他にも図25に示されるような運転者個人毎に解析を行うこともできる。

0079

この変形例によれば、危険な挙動や、特定の挙動に関わる測定データが収集され、解析されるだけではなく、運転者による移動体操作全般にわたった測定データを収集して解析することができる。なお、この変形例では、収集条件を満足しない場合に1分間毎に測定データが記録されているがこれに限らない。収集条件を満足しない場合に不規則に測定データを記録するようにしても良い。

0080

前述した各実施形態では、各種計測器から構成されている1つのセンサ部11が車両の特定の場所に設置されていることを前提として説明されているが、これに限らない。例えば、複数のセンサ部11をそれぞれ、車両の異なる場所に設置するようにしても良い。1つの車両に複数のセンサ部11を異なる場所に設置する場合、各設置場所には、運転席の下、後部座席トランク等が挙げられる。また、このように複数の場所にセンサ部11を設置することは、大型のトラックやバス、さらには電車の車両に有効である。トラックであれば、運転座席貨物の載置場との異なる場所での挙動を個別に解析することができる。また、バスや電車の車両であれば、運転座席と客席との異なる場所での挙動を個別に解析することができる。

0081

なお、複数の場所にセンサ部11を設置する際、センサ部11は3次元軸線回りの角速度データを検出する必要はなく、それぞれが所定の方向の角速度データを検出する角速度計を備えるのみでも良い。この場合、各センサ部11から送られる測定データを用いて、車両全体の挙動を解析して傾向を把握することができる。このため、車両を製造するメーカにおいて挙動を解析するのに好適である。

0082

上記各実施形態の挙動解析装置をコンピュータ装置上で実現するためのディジタル情報(プログラムコード及びデータ)は、通常は、コンピュータ装置の固定型ディスクに記録され、随時コンピュータ装置のCPU読み取られて実行されるようになっているが、運用時に上述の機能ブロック35〜37、132が形成されれば本発明を実施することができるので、その記録形態、記録媒体は任意であって良い。例えば、コンピュータ装置と分離可能CD−ROM、DVD、光ディスクフレキシブルディスク半導体メモリ等の可搬性記録媒体、あるいは構内ネットワークに接続されたプログラムサーバ等にコンピュータ可読の形態で格納され、使用時に上記固定型ディスクにインストールされるものであっても良い。

0083

また、記録媒体に記録されたディジタル情報のみによって上記機能ブロック35〜37,132が形成されるだけでなく、そのディジタル情報の一部がOSの機能を読み出すことによって上記機能ブロック35〜37、132が形成される場合も本発明の範囲である。

0084

また、上記の各実施形態では、車両の運行管理を例に挙げて説明したが、本発明は、車両以外の他の移動体にも適用が可能なものである。例えば、ヘリコプタ等の飛行体多種多様な移動体にも同様に適用することができる。

発明の効果

0085

以上の説明から明らかなように、本発明によれば、移動体の操作傾向を操作者毎に効率的に解析することができる。

図面の簡単な説明

0086

図1本発明の第1実施形態による運行管理システムの構成図。
図2急発進の場合の条件パターン例を示した図。
図3交差点の認識条件パターンの例を示した図。
図4第1実施形態による挙動解析装置の構成図。
図5初期情報設定画面の一例を示した説明図。
図6特徴的な挙動の設定画面の一例を示した説明図。
図7解析処理結果の一例を示したグラフ。
図8本発明の第2実施形態による運行管理システムにおいて、(a)は測定データを収集する収集条件を挙動解析装置30においてメモリカード20に設定する様子を示す模式図であり、(b)は収集条件を満足する挙動を検出して測定データの収集を行っている例を示すグラフ。
図9交差点において車両が右折をする様子を説明するための図。
図10(a)は無理な運転挙動が発生していない右折操作における加速度計からの出力データを示すグラフであり、(b)同様の状態における方位ジャイロからの出力データとを示したグラフ。
図11図10(a)のグラフと図10(b)のグラフと合成したグラフ。
図12(a)は、無理に旋回して右折した場合の加速度計からの出力データを示すグラフであり、(b)同様の状態における方位ジャイロからの出力データとを示したグラフ。
図13図12(a)と図12(b)を合成したグラフ(実線)と図11のグラフ(鎖線)とを重ね合わせた図。
図14右折操作による挙動において、無理な運転挙動が発生していない場合(通常カーブ動作)と発生した場合(無理なカーブ動作)について複数の項目で比較した図表。
図15右折操作による挙動において急発進後に旋回した場合の角速度と加速度の合成グラフを模式的に示したものと、同様の挙動において急旋回後に急発進した場合の角速度と加速度の合成グラフを模式的に示したものと同様の挙動において通常挙動の角速度と加速度の合成グラフを模式的に示したものとを重ね合わせた図。
図16本発明の変形例において収集されたデータ例の構成を示す図。
図17本発明の変形例において収集されたデータの内容を説明するための図表。
図18本発明の変形例において収集されたデータの解析結果の例であり、1日分の最大速度の解析を示すグラフ。
図19本発明の変形例において収集されたデータの解析結果の例であり、図18に示される最大速度の解析を1ヶ月統計処理した例を示す図。
図20本発明の変形例において収集されたデータの解析結果の例であり、最大加速度の1日の履歴を示す図。
図21本発明の変形例において収集されたデータの解析結果の例であり、最大角速度の1日の履歴を示す図。
図22本発明の変形例において収集されたデータの解析結果の例であり、個人別に1ヶ月の平均最大速度と標準偏差(1σ)を示した図。
図23本発明の変形例において収集されるデータの組合せと、このデータの測定に用いられる測定器、及び、解析内容を示す図表。
図24図23の表示に示される「最大加速度−速度」の解析結果例をグラフ化した図。
図25本発明の変形例において収集されたデータに基づいて運転者個人毎に危険度を解析した結果例を示した図。

--

0087

1運行管理システム
10データレコーダ
11センサ部
12カード収容機構
13レコーダ部
131 前処理部
132イベント抽出部
133データ読取部
134データ記録部
20メモリカード
30挙動解析装置
31カードリーダライタ
35初期情報設定部
36条件パターン設定部
37解析処理部

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