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技術 建物の振動レベル予測方法及び建物の設計方法

出願人 旭化成株式会社
発明者 中田信治三輪正保
出願日 1998年12月11日 (22年0ヶ月経過) 出願番号 1998-352770
公開日 2000年6月27日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 2000-179036
状態 拒絶査定
技術分野 建築構造一般 CAD
主要キーワード 次部材 最大振動 強制変位 現地地盤 関係グラフ 建物設計 固有値解析 地盤情報
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

本発明は、建物固有振動数地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保し得る建物の設計方法を提供することを目的としている。

解決手段

建物を建設する地盤振動レベルを測定して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動ベル増幅量の関係から建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより建物の周波数毎の振動レベルを予測し、その予測値許容値を越える場合には骨組みに付加される2次部材の変更を行って新たな建物の周波数毎の振動レベルを予測し、これを繰り返して建物設計修正することにより快適な居住性を確保する建物の設計を行うように構成したことを特徴とする。

概要

背景

一般に、住宅やオフィス等の建物建物自体の構造設計を行った後、予定立地場所に建築される。立地場所によっては交通振動等による微小振動の影響が建物の居住性に深く関わることが多い。しかしながら、従来では交通振動等による微小振動の影響を考慮して個々の立地条件に合わせた設計を事前に行うことは一般的にはなされていないのが現状であった。

例えば、建物の構造計算から交通振動等による微小振動の影響を推測する方法も考えられるが、微小振動レベルにおける中低鉄骨建物剛性構造躯体骨組のみならず、帳壁間仕切壁等の2次部材等も建物の剛性に寄与する場合があるため、建物の微小振動レベルの挙動については通常の構造計算で得られる結果とは異なることが多く、実際の建物の振動レベル予測が困難であった。

そこで、本発明者等は予め得られた建物の固有振動数と該固有振動数に対する入力振動ベル増幅量の関係から建設される建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に交通振動等による地盤の微小振動レベル測定値を上乗せして建物における振動レベルを予測することで快適な居住性を確保した建物の設計を可能にする技術を開発し、特願平9-313133号により現在特許出願中である。

概要

本発明は、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保し得る建物の設計方法を提供することを目的としている。

建物を建設する地盤の振動レベルを測定して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより建物の周波数毎の振動レベルを予測し、その予測値許容値を越える場合には骨組みに付加される2次部材の変更を行って新たな建物の周波数毎の振動レベルを予測し、これを繰り返して建物設計修正することにより快適な居住性を確保する建物の設計を行うように構成したことを特徴とする。

目的

本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、建物の周波数毎の振動レベルを予測し得る建物の振動レベル予測方法を提供すると共に、その予測値が許容値を越える場合には建物設計を修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保し得る建物の設計方法を提供せんとするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

建物建設する地盤振動レベルを測定して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動ベル増幅量の関係から建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより建物の周波数毎の振動レベルを予測することを特徴とする建物の振動レベル予測方法

請求項2

請求項1に記載の建物の振動レベル予測方法により得られた建物の振動レベルの予測値許容値を越える場合には建物設計修正することを特徴とする建物の設計方法

請求項3

前記建物設計の修正は建物の骨組みの変更及び/または建物の骨組みに付加される2次部材の変更を行い、更に建物設計を修正した後の新たな建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から新たな建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に前記建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより新たな建物の周波数毎の振動レベルを予測し、この新たな建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には更に建物の骨組みの変更及び/または建物の骨組みに付加される2次部材の変更を行って上記行程を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の建物の設計方法。

請求項4

前記建物設計の修正は建物の構造に制振装置を設け、前記建物の振動レベルの予測値から前記制振装置が有する振動減衰値を差し引いて新たな建物の振動レベルを予測し、この新たな建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には更に建物の構造に制振装置を設けて上記行程を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の建物の設計方法。

請求項5

請求項3及び請求項4に記載の建物の設計方法を組み合わせたことを特徴とする建物の設計方法。

請求項6

建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより建物の振動レベルを予測し、この建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には請求項2〜5のいずれか1項に記載の建物の設計方法を実施することを特徴とする建物の設計方法。

技術分野

0001

本発明は建物振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、住宅やオフィス等の建物は建物自体の構造設計を行った後、予定立地場所に建築される。立地場所によっては交通振動等による微小振動の影響が建物の居住性に深く関わることが多い。しかしながら、従来では交通振動等による微小振動の影響を考慮して個々の立地条件に合わせた設計を事前に行うことは一般的にはなされていないのが現状であった。

0003

例えば、建物の構造計算から交通振動等による微小振動の影響を推測する方法も考えられるが、微小振動レベルにおける中低鉄骨建物剛性構造躯体骨組のみならず、帳壁間仕切壁等の2次部材等も建物の剛性に寄与する場合があるため、建物の微小振動レベルの挙動については通常の構造計算で得られる結果とは異なることが多く、実際の建物の振動レベルの予測が困難であった。

0004

そこで、本発明者等は予め得られた建物の固有振動数と該固有振動数に対する入力振動ベル増幅量の関係から建設される建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に交通振動等による地盤の微小振動レベル測定値を上乗せして建物における振動レベルを予測することで快適な居住性を確保した建物の設計を可能にする技術を開発し、特願平9-313133号により現在特許出願中である。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記技術においても全く問題がない訳ではなく、地盤の振動レベル測定値は、その振動周波数に関係なく振動振幅最大値を採用して建物における振動レベルを予測し、建物の建設の可否を判定していたため場合によっては過剰設計になり不経済であるという問題が発生していた。

0006

即ち、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が比較的近い場合には共振振動レベルにおいて建物の建設の可否を判定することになるため上記技術での振動レベルの予測も効果的であるが、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域では上記技術において不合格となった場合でも合格として取り扱って良い場合が少なくないことが判明した。

0007

本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、建物の周波数毎の振動レベルを予測し得る建物の振動レベル予測方法を提供すると共に、その予測値許容値を越える場合には建物設計修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保し得る建物の設計方法を提供せんとするものである。

課題を解決するための手段

0008

前記目的を達成するための本発明に係る建物の振動レベル予測方法は、建物を建設する地盤の振動レベルを測定して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより建物の周波数毎の振動レベルを予測することを特徴とする。

0009

そして、上記建物の周波数毎の振動レベルの予測結果を基に建物の振動レベルを予測する。

0010

上記構成によれば、地盤の振動レベルを測定して周波数毎の振動レベルを解析し、建物の周波数毎の振動レベルを予測出来るので立地条件に則した実際の建物の周波数毎の振動レベルの予測が容易に且つ正確に出来る。

0011

また、本発明に係る建物の設計方法は、前記建物の振動レベル予測方法により得られた建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には建物設計を修正することを特徴とする。

0012

上記構成により、予測される実際の建物の周波数毎の振動レベルに対応して建物設計を修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保した建物の設計が容易に出来る。

0013

また、前記建物設計の修正は建物の骨組みの変更及び/または建物の骨組みに付加される2次部材の変更を行い、更に建物設計を修正した後の新たな建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から新たな建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に前記建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより新たな建物の周波数毎の振動レベルを予測し、この新たな建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には更に建物の骨組みの変更及び/または建物の骨組みに付加される2次部材の変更を行って上記行程を繰り返す設計方法によれば、建物の骨組みや2次部材の種類、配置位置等を適宜変更して該建物の骨組みや2次部材を考慮した建物の固有振動数を調整し、建物の振動レベルの予測値が許容値内に納まるように設計出来る。

0014

また、前記建物設計の修正は建物の構造に制振装置を設け、前記建物の振動レベルの予測値から前記制振装置が有する振動減衰値を差し引いて新たな建物の振動レベルを予測し、この新たな建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には更に建物の構造に制振装置を設けて上記行程を繰り返す設計方法によれば、制振装置を適宜設けて建物の振動レベルを減衰させ、建物の振動レベルの予測値が許容値内に納まるように設計出来る。

0015

また、上記建物の設計方法を適宜組み合わせて実施すれば更に好ましい。

0016

また、本発明に係る建物の設計方法の他の構成として、建物の固有振動数を算出し、その算出値に基づいて予め作成した固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該演算値に建物を建設する地盤の振動レベル測定値を上乗せすることにより建物の振動レベルを予測し、この建物の振動レベルの予測値が許容値を越える場合には上記のいずれかの建物の設計方法を適宜実施すれば好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0017

図により本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の一実施形態を具体的に説明する。図1及び図2は本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第1実施形態を示すフローチャート図3は建物の固有振動数と1階に対する3階の揺れの入力振動レベルの増幅量との関係の一例を示す図、図4は地盤の周波数毎の振動レベルに建物の固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量を上乗せして建物の周波数毎の振動レベルを予測した様子を示す図、図5は建物のX−Y方向の振動レベルを判定する様子を示す図、図6は3階建て住宅の建物設計の修正前の状態を示す間取り平面図図7図6の建物設計修正後の状態を示す間取り平面図である。

0018

先ず、図1図7を用いて本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第1実施形態について説明する。図1において、先ず、建設する建物の躯体情報として柱や梁等による骨組みの構造計算を行い(ステップS1)、骨組みに取り付けられるALCパネル等からなる外壁や、間仕切り壁等の2次部材の追加入力を行う(ステップS2)。

0019

その後、骨組みに2次部材を考慮した建物の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行う(ステップS3)。建物の固有振動数は建物の構造及び2次部材を考慮した建物の剛性と質量により算出される。そして、その算出値に基づいて図3に示すような予め作成した建物の固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係を示すグラフから建物の入力振動レベルの増幅量を求める(ステップS4)。

0020

一方、建設する建物の地盤情報として交通振動等による該建物の立地場所の地盤の微小振動レベルを測定する(ステップS5)。ここでは、その振動の周波数に関係なく振動振幅の最大値を測定し、該ステップS5で測定した地盤の微小振動レベルに前記ステップS4で求めた建物の入力振動レベルの増幅量を上乗せして建物の振動レベルを推定する(ステップS6)。

0021

建物の最終的な揺れの大きさは、地盤の微小振動レベル(dB)と、それによって建物の振動レベルが増幅されて揺れる入力振動レベルの増幅量(dB)との相乗効果であり、建物内に居住する人間の感じる揺れは前記地盤の微小振動レベル(dB)と入力振動レベルの増幅量(dB)とを加算することで求めることが出来る。

0022

次にステップS7において、建物の振動レベルの判定を行い、例えば、前記ステップS6において推定された建物の振動レベルが55(dB)未満であれば、Aランクで合格であると判断し(ステップS8)、フローを終了して建設する建物の設計がその立地条件に適合したものであるとする。

0023

また、例えば、前記ステップS6において推定された建物の振動レベルが55〜65(dB)であればBランクで不合格であると判断し(ステップS9)、同じく建物の振動レベルが65(dB)よりも大きい場合にはCランクで不合格であると判断し(ステップS10)、両者の場合にはステップS11において建物の設計における壁量、壁配置、2次部材の見直し、剛性の見直しを行った後、修正した箇所の修正情報を入力する(ステップS12)。

0024

そして、再度前記ステップS3に戻って修正後の2次部材を考慮した建物の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行い、その算出値に基づいて例えば図3に示す予め作成した建物の固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係を示すグラフから建物の入力振動レベルの増幅量を求めた後(ステップS4)、前記ステップS6、S7を同様に実施して建物の振動レベルを判定し、前記ステップS6において推定された建物の振動レベルが55(dB)未満に低減されたらAランクで合格であると判断し(ステップS8)、フローを終了する。

0025

前記2回目のステップS6において推定された建物の振動レベルが55(dB)未満に低減されない場合で、建物の振動レベルが55〜65(dB)であればBランクで不合格であると判断して(ステップS9)、再度ステップS11,S12,S3,S4,S6,S7を繰り返すか若しくは地盤の周波数毎の振動レベル解析を行う再調査(ステップS13)に移行する。

0026

また、前記2回目のステップS6において推定された建物の振動レベルが55(dB)未満に低減されない場合で、建物の振動レベルが65(dB)より大きい場合にはCランクで不合格であると判断して(ステップS10)、地盤の周波数毎の振動レベル解析を行う再調査(ステップS13)に移行する。

0027

尚、前記1回目のステップS6において、Bランク及びCランクで不合格であると判断した場合(ステップS9,S10)、直ちに地盤の周波数毎の振動レベル解析を行う再調査(ステップS13)に移行しても良い。

0028

再調査では、図2に示すステップS14において、建設する建物の地盤情報として交通振動等による該建物の立地場所の地盤の微小振動レベルを測定し、周波数毎の振動レベル解析を行う。そして、その地盤の微小振動レベルの周波数分析結果に以下の式で求められる建物の入力振動レベルの増幅量τを上乗せして建物の周波数毎の振動レベルを算出する(ステップS15,S16)。

0029

地盤の微小振動により建物の基礎強制変位が作用する場合、周波数毎の地盤(基礎)の振動レベルY0 に対する建物の振動レベルYは以下の式で求められる。尚、f0 は建物の固有振動数(Hz)、fは地盤(基礎)の振動数(Hz)、hは減衰定数(%)であり、地盤(基礎)の振動数f及び地盤(基礎)の振動レベルY0 は現地で測定されるものである。

0030

0031

図4各周波数成分における地盤(基礎)及び建物の振動レベルをデシベル(dB)表示したものの一例である。図4において破線は現地で測定された地盤(基礎)の周波数毎の振動レベルを示し、実線は前記式を用いて破線で示す地盤(基礎)の振動レベルに建物の入力振動レベルの増幅量τを上乗せして推定された建物の周波数毎の振動レベルを示す。

0032

また、図4中の○は図1のステップS5で現地で測定された周波数に関係ない地盤の最大振動レベルを示し、●は図3の「振動数−増幅量」の関係グラフから増幅量を上乗せして推定された周波数に関係ない建物の最大振動レベルを示す。

0033

次に図2のステップS16において建物の周波数毎の振動レベルを判定する。図5は周波数毎の建物のX,Y方向(横振動)の振動レベルの一例を示すものであり、実線がX方向、破線がY方向の振動レベルを示す。

0034

また、判定曲線a,b,cは振動レベルを判定するための指標となる曲線であり、例えばISO-2631の規格に準じて作成される。建物内に居住する人間の感じる揺れは建物の振動周波数が上昇するにつれて緩和されることが知られており、判定曲線a,b,cは周波数の上昇につれて図5右上がりに設定されている。

0035

ここで、図5に示す判定曲線a,b,cを用いて、建物の周波数毎の振動レベルを判定する一例を示す。先ず、図1のステップS3において図6に示す3階建て住宅の固有振動数を算出し、X方向で4.3(Hz)、Y方向で3.3(Hz)を得る。

0036

一方、図1のステップS5において現地地盤(基礎)の振動レベルを測定し、X方向で42(dB)、Y方向で45(dB)を得る。そして、ステップS4において図3に示す「振動数−増幅量」の関係グラフからX方向の4.3(Hz)で増幅量12(dB)、Y方向の3.3(Hz)で増幅量18(dB)を推定する。

0037

そして、夫々の増幅量を地盤の振動レベルに上乗せして建物の振動レベルを推定するとX方向で54(42+12=54)(dB)、Y方向で63(45+18=63)(dB)を得る。

0038

図1のステップS7における建物の振動レベルの判定結果は、X方向ではAランク、Y方向ではBランクとなり、ステップS13において地盤の周波数毎の振動レベル解析を行う再調査に移行する。

0039

図2のステップS14において地盤の周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、ステップS3において算出された建物の固有振動数(X方向で4.3(Hz)、Y方向で3.3(Hz))を用いて前記式から増幅量τを算出し、地盤の振動レベルの周波数分析結果に前記増幅量τを上乗せして建物の周波数毎の振動レベルを算出する(ステップS15及び図5参照)。

0040

図2のステップS16において建物の周波数毎の振動レベルを判定するが、図5に示すように、Y方向の3.3(Hz)では判定曲線bとcとの間に位置してBランクで不合格と判定され(ステップS18)、X方向の4.3(Hz)では判定曲線aよりも下側に位置してAランクで合格と判定される(ステップS17)。

0041

そこで、Bランクとなって不合格と判定された建物のY方向の固有振動数を向上するためにステップS20において建物の設計における壁量、壁配置、2次部材の見直し、剛性の見直しを行い、例えば、図6の状態から図7に示すようにブレース耐力壁等の耐震要素1を各階のY方向(図6及び図7の左右方向)に配置してY方向に関する剛性を高めることで建物のY方向の固有振動数を向上させる。尚、図7の2階では間仕切り2を追加した後更に耐震要素1を配置した一例である。

0042

そして、ステップS21において、これ等の修正した箇所の修正情報を入力し、再度前記ステップS3に戻って修正後の2次部材を考慮した新たな建物の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行い、その算出値を用いて前記式から再度増幅量τを算出し、前述と同様に地盤の振動レベルの周波数分析結果に前記新たな増幅量τを上乗せして新たな建物の周波数毎の振動レベルを算出する(ステップS15及び図5参照)。

0043

図7に示すように建物設計を修正したことで、図5において建物のY方向の固有振動数が従前の3.3(Hz)から3.9(Hz)に向上し、判定曲線aよりも下方に位置するAランクで合格と判定される(ステップS17)。

0044

上記例のように前記ステップS16において、建物の周波数毎の振動レベルの判定を行い、例えば、前記ステップS15において算出された建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aよりも下方であればAランクで合格であると判断し(ステップS17)、フローを終了して建設する建物の設計がその立地条件に適合したものであるとする。

0045

また、例えば、前記ステップS15において算出された建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aとcとの間に位置すればBランクで不合格であると判断し(ステップS18)、同じく建物の周波数毎の振動レベルが判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格であると判断し(ステップS19)、両者の場合にはステップS20において建物の設計における壁量、壁配置、2次部材の見直し、剛性の見直しを行った後、修正した箇所の修正情報を入力する(ステップS21)。

0046

そして、再度前記ステップS3に戻って修正後の2次部材を考慮した新たな建物の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行い、その算出値を用いて前記式から再度増幅量τを算出し、前述と同様に地盤の振動レベルの周波数分析結果に前記新たな増幅量τを上乗せして新たな建物の周波数毎の振動レベルを算出する(ステップS15)。

0047

そして、ステップS16において、再度建物の周波数毎の振動レベルを判定し、前記ステップS15において算出された建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aよりも下方であればAランクで合格であると判断し(ステップS17)、フローを終了する。

0048

前記2回目のステップS15において算出された新たな建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aよりも下方側に低減されない場合で、建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aとcとの間に位置すればBランクで不合格であると判断して(ステップS18)、再度ステップS20,S21,S3,S15,S16を繰り返す。

0049

また、前記2回目のステップS15において算出された新たな建物の周波数毎の振動レベルが判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格であると判断した後(ステップS19)、建設不可と判定する。

0050

上記構成によれば、地盤の振動レベルを測定して周波数毎の振動レベルを解析し、建物の周波数毎の振動レベルを予測出来るので立地条件に則した実際の建物の周波数毎の振動レベルの予測が容易に且つ正確に出来る。

0051

従って、この建物の振動レベル予測方法を用いて、周波数毎の振動レベルマップを予め作成しておくことで、一件毎に建築現場地盤振動レベルを測定する作業を省略することが出来る。

0052

また、予測される実際の建物の周波数毎の振動レベルに対応して建物設計を修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保した建物の設計が容易に出来る。

0053

次に図8及び図9を用いて本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第2実施形態について説明する。図8及び図9は本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第2実施形態を示すフローチャートである。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。

0054

本実施形態の図8及び図9に示すステップS31〜S40、S43〜S49は前記第1実施形態の図1及び図2に示すステップS1〜S10、S13〜S19と略同様であるため説明を省略する。本実施形態では、図8のステップS39,S40、及び図9のステップS48,S49において夫々B,Cランクで不合格と判断した場合、ステップS41,S50において建物の設計における柱や梁等による骨組みの見直しを行った後、修正した骨組みでの修正情報を入力する(ステップS42,S51)。

0055

そして、再度ステップS31に戻って修正後の骨組みの構造計算を行い、ステップS32以降に遷移する。他の構成は前記第1実施形態と略同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。

0056

次に図10及び図11を用いて本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第3実施形態について説明する。図10及び図11は本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第3実施形態を示すフローチャートである。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。

0057

本実施形態の図10及び図11に示すステップS61〜S72、S75〜S83は前記第1実施形態の図1及び図2に示すステップS1〜S12、S13〜S21と略同様であるため説明を省略する。本実施形態では、図10のステップS69,S70、及び図11のステップS80,S81において夫々B,Cランクで不合格と判断した場合、ステップS71,S82において建物の設計における壁量、壁配置、2次部材の見直し、剛性の見直しを行うと共に、ステップS73,S84において建物の設計における柱や梁等による骨組みの見直しを行った後、修正した箇所の修正情報を夫々入力する(ステップS72,S83、ステップS74,S85)。

0058

そして、再度ステップS61及びS63に戻って修正後の骨組みの構造計算及び2次部材を考慮した建物の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行い、ステップS64,S77以降に夫々遷移する。他の構成は前記第1実施形態と略同様に構成され、同様の効果を得ることが出来るものである。

0059

尚、前記各実施形態において、建物設計の修正を建物の骨組みの変更により行った場合には建物の構造計算を新たに行い、更に地震時の安全性評価等も再度見直す必要があるので修正作業に手間がかかるという問題があるが、建物の骨組みに付加される2次部材の変更により建物設計の修正を行った場合には建物の構造計算や地震時の安全性評価の再考を省略することが出来るため修正作業が容易に出来る。

0060

次に図12及び図13を用いて本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第4実施形態について説明する。図12及び図13は本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第4実施形態を示すフローチャートである。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。

0061

本実施形態の図12及び図13に示すステップS91〜S109 は前記第1実施形態の図1及び図2に示すステップS1〜S19と略同様であるため説明を省略する。図13のステップS104 において地盤の周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、ステップS93において前記第1実施形態と同様にして算出された建物の固有振動数を用いて前記式から増幅量τを算出し、地盤の振動レベルの周波数分析結果に前記増幅量τを上乗せして建物の周波数毎の振動レベルを算出する(ステップS105 )。

0062

図13のステップS106 において建物の周波数毎の振動レベルを判定し、例えば、前記ステップS105 において算出された建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aよりも下方であればAランクで合格であると判断し(ステップS107)、フローを終了して建設する建物の設計がその立地条件に適合したものであるとする。

0063

また、例えば、前記ステップS105 において算出された建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aとcとの間に位置すればBランクで不合格であると判断し(ステップS108 )、同じく建物の周波数毎の振動レベルが判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格であると判断し(ステップS109 )、両者の場合にはステップS110 において建物の構造にTMD(同調振動系型)、AMD(制振力型)、ブレースダンパー等の制振装置を追加して設け、前記ステップS105 で算出した建物の周波数毎の振動レベルから追加した制振装置による振動減衰値を差し引いて新たな建物の振動レベルを算出する(ステップS111 )。

0064

そして、ステップS106 において、再度、新たな建物の周波数毎の振動レベルを判定し、前記ステップS111 において推定された新たな建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aよりも下方であればAランクで合格であると判断し(ステップS107 )、フローを終了する。

0065

前記ステップS111 において算出された新たな建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aよりも下方側に低減されない場合で、建物の周波数毎の振動レベルが図5の判定曲線aとcとの間に位置すればBランクで不合格であると判断して(ステップS108 )、再度ステップS110 ,S111 ,S106 を繰り返す。

0066

また、前記ステップS111 において算出された新たな建物の周波数毎の振動レベルが判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格であると判断した後(ステップS109 )、建設不可と判定する。

0067

他の構成は前記第1実施形態と略同様に構成され、同様な効果を得ることが出来るものである。尚、本実施形態においても図12のステップS99,S100 において夫々B,Cランクで不合格と判断した場合、図12のステップS101 ,S102 ,S93のフローを前記第2実施形態の図8に示すステップS41,S42,S31のフローに置き換えても良いし、前記第3実施形態の図10に示すステップS71,S72,S63、及びステップS73,S74,S61のフローに置き換えても良い。

0068

また、他の構成として、前記第1実施形態の図2のステップS20で示す2次部材の見直し、或いは前記第2実施形態の図9のステップS50で示す骨組みの見直し、或いは前記第3実施形態の図11のステップS82,S84で示す2次部材及び骨組みの見直しと、前記第4実施形態の図13のステップS110 で示す制振装置の追加とを組み合わせて建物を設計することでも良い。

発明の効果

0069

本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、建物の周波数毎の振動レベルを予測し得る建物の振動レベル予測方法を提供すると共に、その予測値が許容値を越える場合には建物設計を修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保した建物の設計を可能にすることが出来る。

図面の簡単な説明

0070

図1本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
図2本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
図3建物の固有振動数と1階に対する3階の揺れの入力振動レベルの増幅量との関係の一例を示す図である。
図4地盤の周波数毎の振動レベルに建物の固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量を上乗せして建物の周波数毎の振動レベルを予測した様子を示す図である。
図5建物のX−Y方向の振動レベルを判定する様子を示す図である。
図63階建て住宅の建物設計の修正前の状態を示す間取り平面図である。
図7図6の建物設計修正後の状態を示す間取り平面図である。
図8本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
図9本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
図10 本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第3実施形態を示すフローチャートである。
図11 本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第3実施形態を示すフローチャートである。
図12 本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第4実施形態を示すフローチャートである。
図13 本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第4実施形態を示すフローチャートである。

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0071

1…耐震要素
2…間仕切り

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