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技術 光学活性ピペコリン酸の製造法

出願人 大東化学株式会社
発明者 長谷川元渡谷哲朗三浦剛毅洪南基
出願日 1998年12月21日 (22年0ヶ月経過) 出願番号 1998-362187
公開日 2000年6月27日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 2000-178253
状態 特許登録済
技術分野 水添ピリジン系化合物 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 工業用製品 特許申請 位水素 付加物形成 非水溶性溶媒 滴下終了後室温 工業的製法 ジアステレオマー法
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課題

非修飾ピペコリン酸光学分割することにより医薬品等合成中間体として有用な光学純度の高い光学活性ピペコリン酸を高収率で製造すること。

解決手段

(±)−ピペコリン酸を水、低級アルコール、又はそれらの任意の割合の混合物からなる媒体中で、光学活性2−フェノキシプロピオン酸と反応させ、難溶性ジアステレオマー塩として生ずるS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を得、次いで得られたS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を水に溶解又は懸濁したものに当量又は過剰の酸を加えて複分解光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸(S−1)又はR−(+)−ピペコリン酸(R−1)を製造する方法。

概要

背景

光学活性ピペコリン酸製造法として次のような方法が知られている。
1)光学活性化合物出発原料として化学合成する方法、
2)微生物を利用して目的物を得る方法、
3)RS−ピペコリン酸光学分割剤を反応させジアステレオマー塩を得た後光学分割する方法。

このうち1)の化学合成法はすでに不斉を持つ天然アミノ酸リジンジアゾ化、次いでトシル化環化して目的物を得る方法であるが保護基の導入が必要なため工程が長いという欠点がある。〔M. Ubukata et al, Agric. Biol. Chem., 52, 1177 (1988),特開昭50−59377号公報〕。また、リジンから白金触媒存在下、光化学反応で目的物を得る方法が知られているが (特開平2−229152号公報) 、光学純度が低いため実用性に乏しい。2)に属する方法としては、Alcaligenes 属の微生物を利用して不要の対掌体を資化する方法が報告されている〔 K. Mochizuki, Bio.Chem., 52, 1113(1988),WO9510604(公開)、特開昭63−248393号公報〕が工業的に有利な方法とはいいがたい。

一方、3)に属するジアステレオマー法による光学分割として分割剤チロシンヒドラジド〔 D. W. Brunwin, J. Chem. Soc. C, 3756 (1971)〕、4−メチルフェニルエチルアミン(野平 博之 日本化学会97年年会2PBO80 )によるものが知られている。しかし、これらの分割にはいずれもアミノ基の保護が必要である。アミノ酸の光学分割はこのように通常はその官能基を修飾して分割した後、脱保護するのが定法である。アミノ酸の光学分割に保護基を導入、脱離するための二工程が加わるために工業的には不利である。

非修飾ピペコリン酸を酒石酸で光学分割した例がいくつか報告されている。Beyermanらは(+)−ピペコリン酸を96%アルコール中(+)又は(−)酒石酸で複塩をつくった後、水溶液酢酸鉛複分解を行い光学活性なピペコリン酸を得ている。〔 H. C. Beyerman, Rec.Trav. Chim.Pays-Bas, 78, 134 (1959)〕又、Lockらはブタン酸中(±)−ピペコリン酸を酒石酸と加熱して不要の対掌体をラセミ化しながら酒石酸で光学分割している。〔WO96/11185〕。その他にも酒石酸で光学分割した例がある。( R. C. Peck and A. R. Day, J. Heterocycl.Chem, 181 (1969)〕。

非修飾ピペコリン酸が酒石酸で光学分割される機構は明らかではないが、同様の環状アミノ酸であるプロリンも酒石酸で光学分割されることが知られている〔S. Yamada, etal, Agric. Biol. Chem, 41, 2413 (1977) 〕。この場合はプロリン1モルに対して酒石酸0.5モルの使用で難溶性ジアステレオマー塩が得られている。ジアステレオマー塩生成時にアルデヒドを存在させることによって高収率で光学活性2−ピペコリン酸を得る方法も報告されている。〔T. Siraiwa, Bull. Chem. Soc. Jpn,64, 3251 (1991) 〕。安価な天然形酒石酸(R,R)を用いた場合得られるピペコリン酸はR−ピペコリン酸であり、S−ピペコリン酸を得るために必要な酒石酸は高価な非天然型(S、S)であり、文献には回収率等具体的な記載はない。また、酒石酸で光学分割した場合、目的物を単離した母液から酒石酸を回収することは困難であるので経済的ではない。

非修飾ピペコリン酸が安価で効率のよい分割剤で直接光学分割できれば、通常の光学分割のように官能基の保護、脱保護の二工程が省略できるので工業的に見て利点があると考えられる。マンデル酸は非修飾中性アミノ酸のあるものと難溶性付加物を形成するという報告があり、付加物形成機構も論じられている〔(特公昭58−1105号公報)、日化誌, 92, 999 (1971)〕。

概要

非修飾ピペコリン酸を光学分割することにより医薬品等合成中間体として有用な光学純度の高い光学活性ピペコリン酸を高収率で製造すること。

(±)−ピペコリン酸を水、低級アルコール、又はそれらの任意の割合の混合物からなる媒体中で、光学活性2−フェノキシプロピオン酸と反応させ、難溶性ジアステレオマー塩として生ずるS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を得、次いで得られたS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を水に溶解又は懸濁したものに当量又は過剰の酸を加えて複分解し光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸(S−1)又はR−(+)−ピペコリン酸(R−1)を製造する方法。

目的

上記の従来法には、アミノ基を保護するための保護基の導入や脱離が必要であるので工程が複雑である、得られる目的生成物の光学純度が低く実用性に乏しい、目的物の収率が低い、光学分割剤の回収効率が悪いなど多くの問題点があった。本発明は非修飾ピペコリン酸を直接光学分割できれば上記のような諸問題を解決できるという立場から鋭意研究を進めて本発明に到達したもので、既にその製造方法等を提案している、光学活性2−フェノキシプロピオン酸の光学分割剤としての利用に着目した。現在まで本発明者らは光学活性2−フェノキシプロピオン酸の工業的製法及びこの分割剤を用いたアミン類光学分割法特許申請した。(特開平9−268181号、10−45689号、10−175913号、10−279521号各公報)。すなわち、本発明は、光学活性2−フェノキシプロピオン酸を用いて非修飾ピペコリン酸を光学分割することにより医薬品等の合成中間体として有用な光学純度の高い光学活性ピペコリン酸を高収率で経済的有利に製造し、分割剤である光学活性2−フェノキシプロピオン酸を効率よく回収し、再使用することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

(±)ピペコリン酸を水、低級アルコール、又はそれらの任意の割合の混合物からなる媒体中で、光学活性2−フェノキシプロピオン酸と反応させ、難溶性ジアステレオマー塩として生ずるS−(−)−ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩の製造方法。

請求項2

(±)−ピペコリン酸を水、低級アルコール、又はそれらの任意の割合の混合物からなる媒体中で、光学活性2−フェノキシプロピオン酸と反応させ、難溶性ジアステレオマー塩として生ずるS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を得、次いで得られたS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を水に溶解又は懸濁したものに当量又は過剰の酸を加えて複分解光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸又はR−(+)−ピペコリン酸を製造する方法。

請求項3

S−(−)−ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩又はR−(+)−ピペコリン酸・R−(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩を水に溶解又は懸濁したものに当量又は過剰の酸を加えて複分解し、光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸(S−1)又はR−(+)−ピペコリン酸を製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、有用な医薬品の合成中間体として必要な光学活性ピペコリン酸新規製造法を提供することにある。光学活性ピペコリン酸は又、その官能基化学変換によってさらに医薬品のみならず、光学分割剤有機合成化学反応におけるキラルビルインブロックや農薬工業用製品原材料中間体として利用することが可能である。

背景技術

0002

光学活性ピペコリン酸の製造法として次のような方法が知られている。
1)光学活性化合物出発原料として化学合成する方法、
2)微生物を利用して目的物を得る方法、
3)RS−ピペコリン酸と光学分割剤を反応させジアステレオマー塩を得た後光学分割する方法。

0003

このうち1)の化学合成法はすでに不斉を持つ天然アミノ酸リジンジアゾ化、次いでトシル化環化して目的物を得る方法であるが保護基の導入が必要なため工程が長いという欠点がある。〔M. Ubukata et al, Agric. Biol. Chem., 52, 1177 (1988),特開昭50−59377号公報〕。また、リジンから白金触媒存在下、光化学反応で目的物を得る方法が知られているが (特開平2−229152号公報) 、光学純度が低いため実用性に乏しい。2)に属する方法としては、Alcaligenes 属の微生物を利用して不要の対掌体を資化する方法が報告されている〔 K. Mochizuki, Bio.Chem., 52, 1113(1988),WO9510604(公開)、特開昭63−248393号公報〕が工業的に有利な方法とはいいがたい。

0004

一方、3)に属するジアステレオマー法による光学分割として分割剤チロシンヒドラジド〔 D. W. Brunwin, J. Chem. Soc. C, 3756 (1971)〕、4−メチルフェニルエチルアミン(野平 博之 日本化学会97年年会2PBO80 )によるものが知られている。しかし、これらの分割にはいずれもアミノ基の保護が必要である。アミノ酸の光学分割はこのように通常はその官能基を修飾して分割した後、脱保護するのが定法である。アミノ酸の光学分割に保護基を導入、脱離するための二工程が加わるために工業的には不利である。

0005

非修飾ピペコリン酸を酒石酸で光学分割した例がいくつか報告されている。Beyermanらは(+)−ピペコリン酸を96%アルコール中(+)又は(−)酒石酸で複塩をつくった後、水溶液酢酸鉛複分解を行い光学活性なピペコリン酸を得ている。〔 H. C. Beyerman, Rec.Trav. Chim.Pays-Bas, 78, 134 (1959)〕又、Lockらはブタン酸中(±)−ピペコリン酸を酒石酸と加熱して不要の対掌体をラセミ化しながら酒石酸で光学分割している。〔WO96/11185〕。その他にも酒石酸で光学分割した例がある。( R. C. Peck and A. R. Day, J. Heterocycl.Chem, 181 (1969)〕。

0006

非修飾ピペコリン酸が酒石酸で光学分割される機構は明らかではないが、同様の環状アミノ酸であるプロリンも酒石酸で光学分割されることが知られている〔S. Yamada, etal, Agric. Biol. Chem, 41, 2413 (1977) 〕。この場合はプロリン1モルに対して酒石酸0.5モルの使用で難溶性ジアステレオマー塩が得られている。ジアステレオマー塩生成時にアルデヒドを存在させることによって高収率で光学活性2−ピペコリン酸を得る方法も報告されている。〔T. Siraiwa, Bull. Chem. Soc. Jpn,64, 3251 (1991) 〕。安価な天然形酒石酸(R,R)を用いた場合得られるピペコリン酸はR−ピペコリン酸であり、S−ピペコリン酸を得るために必要な酒石酸は高価な非天然型(S、S)であり、文献には回収率等具体的な記載はない。また、酒石酸で光学分割した場合、目的物を単離した母液から酒石酸を回収することは困難であるので経済的ではない。

0007

非修飾ピペコリン酸が安価で効率のよい分割剤で直接光学分割できれば、通常の光学分割のように官能基の保護、脱保護の二工程が省略できるので工業的に見て利点があると考えられる。マンデル酸は非修飾中性アミノ酸のあるものと難溶性付加物を形成するという報告があり、付加物形成機構も論じられている〔(特公昭58−1105号公報)、日化誌, 92, 999 (1971)〕。

発明が解決しようとする課題

0008

上記の従来法には、アミノ基を保護するための保護基の導入や脱離が必要であるので工程が複雑である、得られる目的生成物の光学純度が低く実用性に乏しい、目的物の収率が低い、光学分割剤の回収効率が悪いなど多くの問題点があった。本発明は非修飾ピペコリン酸を直接光学分割できれば上記のような諸問題を解決できるという立場から鋭意研究を進めて本発明に到達したもので、既にその製造方法等を提案している、光学活性2−フェノキシプロピオン酸の光学分割剤としての利用に着目した。現在まで本発明者らは光学活性2−フェノキシプロピオン酸の工業的製法及びこの分割剤を用いたアミン類光学分割法特許申請した。(特開平9−268181号、10−45689号、10−175913号、10−279521号各公報)。すなわち、本発明は、光学活性2−フェノキシプロピオン酸を用いて非修飾ピペコリン酸を光学分割することにより医薬品等の合成中間体として有用な光学純度の高い光学活性ピペコリン酸を高収率で経済的有利に製造し、分割剤である光学活性2−フェノキシプロピオン酸を効率よく回収し、再使用することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は(1)(±)−ピペコリン酸(RS−1)を水、低級アルコール、又はそれらの任意の割合の混合物からなる媒体中で、好ましくは0.25〜3モル当量の光学活性2−フェノキシプロピオン酸(R−2又はS−2)と反応させ、難溶性ジアステレオマー塩として生ずる新規なS−(−)−ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩(3)及びR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸 (5)塩の製造方法、

0010

(2)(±)−ピペコリン酸(RS−1)を水、低級アルコール、又はそれらの任意の割合の混合物からなる媒体中で、好ましくは、0.25〜3モル当量の光学活性2−フェノキシプロピオン酸(R又はS−2)と反応させ、難溶性ジアステレオマー塩として生ずる新規なS−(−)−ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩(3) 又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩(5) を得、次いで得られたS−(−)ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩(3) 又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩(5) を水に溶解又は懸濁したものに当量又は過剰の酸を加えて複分解し光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸(S−1)又はR−(+)−ピペコリン酸(R−1)を製造する方法。

0011

(3)S−(−)−ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩(3) 又はR−(+)−ピペコリン酸・R(+)−2−フェノキシプロピオン酸塩(5) を水に溶解又は懸濁したものに当量又は過剰の酸を加えて複分解し光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸(S−1)又はR−(+)−ピペコリン酸を製造する方法を提供するものであり、分割剤である光学活性2−フェノキシプロピオン酸は酸性条件下でラセミ化することなく容易に有機溶媒で抽出でき、再使用できる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明は下記反応式に示すように、(±)−ピペコリン酸(RS−1)と光学活性2−フェノキシプロピオン酸(S−2又はR−2)とを反応させてジアステレオマー塩(3、4又は5、6 ) を形成させ、各々の塩の溶解度差を利用して光学活性ピペコリン酸(S−1又はR−1)を得る方法である〔化学式1、2〕。

0013

0014

0015

このプロセスはジアステレオマー塩合成反応光学活性体単離工程の二工程よりなる。ピペコリン酸ジアステレオマー塩合成反応をにおいて、分割剤をラセミ体の好ましくは0.25〜2.0当量、更に好ましくは0.3〜1.0当量混合し、これらを適当な溶媒と混合する。使用する溶媒は出発物質をある程度溶解するもので、反応に関与しないものであれば任意のものを用いることができる。好ましくはエーテル類ケトン類アルコール類、水またはこれらの混合溶媒である。これらのうち水が最も適当である。混合液攪拌して、0℃〜還流温度、好ましくは60〜80℃に加熱して内容物を溶解する。内容物が溶解したら徐々に冷却し、10〜30℃付近でジアステレオマー塩の分離を行う。必要ならば種晶を加えてジアステレオマー塩を析出しやすくする。得られたジアステレオマー塩は常法にしたがい再結晶により精製することができる。

0016

次に光学活性体の単離工程は以下のようにして行う。ジアステレオマー塩を水に懸濁または溶解させさ、これに強酸塩酸硝酸硫酸等)を添加し、さらに反応に関与しない非水溶性溶媒トルエンクロロホルム、1、2−ジクロロエタン等)を加えて、分割剤を抽出、回収する。一方、水層には塩基を加える。例えば、炭酸バリウム炭酸カルシウム等を硫酸に対して当量添加し、生じた塩をろ別し、水を留去して目的物の光学活性体を得る。得られた光学活性ピペコリン酸は常法に従い再結晶等により精製できる。また、この他にも適当なイオン交換樹脂を用いて分割剤と分離したのち、溶媒を留去して目的物を得ることもできる。

0017

(参考例)本参考例はS−ピペコリン酸の光学純度の測定法を示すものである。ここに示される測定法はS−ピペコリン酸をメトキシ-トリフルオロ-フェニル酢酸(MTPA)誘導体へ導くモッシャー法〔 J. A. Dale, D. L. Dull, H. S. Mosher, "J. Org. Chem.", 34, 2543(1969)〕によりジアステレオマー誘導し、1H-NMR測定により光学純度を決定するものである。すなわち、S−ピペコリン酸(S−1)0.5g (4mmol) をベンゼン-メタノール=5:1の溶液12mlに溶解し、2MのTMS-ジアゾメタンヘキサン溶液0.5g (4mmol)を滴下した。滴下終了後室温で1時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧下に留去し、S−ピペコリメチルエステルを定量的に得た。次に得られたエステル70mg(0.4mmol)を5mlのジクロロメタンに溶かし、0.03mlのピリジンを加え、S-MTPA-クロリド0.1g (0.4mmol)を滴下した。この溶液を室温で1時間撹拌し、反応終了を確認後減圧下で濃縮した。得られた生成物シリカゲルによるクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン-酢酸エチル=5:1)、S−ピペコリン酸メチルエステルのMTPAアミドを得た。得られたアミドの1H-NMRを測定し2位水素シグナルS−体ではδ5.56(CDCl3),R−体ではδ5.40(CDCl3) の積分値から光学純度を求めた。同様にR-ピペコリン酸についても光学純度を測定した。

0018

(実施例1)本実施例は上記化学式1の工程に従って行った。(±)−ピペコリン酸(RS−1)52g(0.40mol)、S−2−フェノキシプロピオン酸(S−2)34g(0.20mol)、水140mlを混合し、これを加熱、内容物を溶解させ、室温まで12時間かけ冷却した。生じた結晶を分離し、70〜75℃で減圧乾燥粗ジアステレオマー塩(3) を得た。収量46.4g(収率78.8%)、旋光度〔α〕D −26.6(C.0.525℃ MeOH)得られたジアステレオマー塩を水140mlで温度80℃に加熱溶解させ、12時間で室温まで冷却放置し、生じた結晶を分離、乾燥して精製ジアステレオマー塩(3) を得た。
収量32.5g(収率 55.2%)、旋光度〔α〕D −29.4(C.0.5 25℃ MeOH)
得られたジアステレオマー塩(3) 5g(17mmol)、硫酸0.83g(8.5mmol)及び水20mlを混合した。これに1,2−ジクロロエタン20mlを加え分液した。水層に水酸化カルシウム0.85g(8.5mmol)を加え不溶分をろ別、水を減圧留去した後メタノール200mlを加え残渣を溶解した。不溶分をセライトろ過し、メタノールを減圧留去してS−ピペコリン酸(S−1)を得た。
収量1.6g(ジアステレオマー塩からの収率72.7%)、旋光度〔α〕D−25.7(C.0.5 25℃ H2O)、融点265℃光学純度95%ee以上
一方、有機層は水10mlで洗浄硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し、分割剤(S−2)を回収した。(2.4g、回収率83.8%)。回収された分割剤には、HPLC(ダイセル社製ChiralcelODカラム分析の結果ラセミ化は認められなかった。

0019

(実施例2)本実施例は上記化学式2の工程に従って行った。(±)−ピペコリン酸(RS−1)52g(0.40mol),R−2−フェノキシプロピオン酸(R−2)34g(0.20mol),水140mlを混合し、以下実施例1と同じ操作を行い精製ジアステレオマー塩(5) を得た。
収量34.2g(収率58.5%)、旋光度〔α〕D +29.8(C.0.5 25℃ MeOH)光学純度95%ee以上
得られたジアステレオマー塩(5)5g(17mmol)、硫酸0.83g(8.5mmol)及び水20mlを混合した。これに1,2−ジクロロエタン20mlを加え分液した。以下実施例1と同様な操作を行いR−ピペコリン酸(R−1)を得た。
収量1.5g(ジアステレオマー塩からの収率68.1%)、旋光度〔α〕D+25.6(C.0.5 25℃ H2 O)融点263℃ 光学純度95%ee以上
一方、有機層は水10mlで洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去し、分割剤(R−2)を回収した。(2.5g、回収率87.3%)。回収された分割剤には、HPLC(ダイセル社製ChiralcelODカラム)分析の結果ラセミ化は認められなかった。

発明の効果

0020

本発明によると、光学分割剤として回収性の良好な光学活性2−フェノキシプロピオン酸を分割剤として用い、非修飾ピペコリン酸と付加物を生成させることにより工業的有利に光学分割を行うことができるので、医薬品のみならず、光学分割剤、有機合成化学反応におけるキラルビルディングブロックや農薬、工業用製品の原材料、中間体として利用することが可能な光学活性ピペコリン酸を経済的に製造することができる。

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