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技術 熱伝導性シート及び熱伝導性部品

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 中田昌一畠井宗宏
出願日 1998年12月8日 (21年3ヶ月経過) 出願番号 1998-348725
公開日 2000年6月23日 (19年9ヶ月経過) 公開番号 2000-174184
状態 未査定
技術分野 接着テープ 塗料、除去剤 接着剤、接着方法 半導体又は固体装置の冷却等 半導体または固体装置の冷却等
主要キーワード アルミニウム放熱板 適用部品 粒子状無機充填剤 適用部分 熱伝導性繊維 発生タイプ アルミナシート 粘着性樹脂層
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年6月23日)のものです。
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課題

適用部品や部材に容易に貼付することができ、光の照射により硬化させることができ、優れた熱伝導性と高い接着強度とを両立することができる熱伝導性シートを提供する。

解決手段

粘着性樹脂層充填剤を含有させてなる粘着性の熱伝導性シートであって、粘着性樹脂層が光の照射により硬化される光硬化性樹脂を含み、かつ充填剤が無機連続発泡体または熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維である熱伝導性シート。

概要

背景

トランジスタコンデンサまたはLSIパッケージなどの電子電気部品は動作時に発熱し、該熱により寿命が短くなったり、信頼性が低下したりすることがある。そこで、従来、これらの電子・電気部品において発生した熱を放散させるために、電子・電気部品と放熱フィン等とを熱伝導性及び密着性に優れたシートを介して熱接続する方法が用いられていた。

上記熱伝導性シートは、一般に、マトリックス樹脂熱伝導性充填剤を分散させ、シート状に成形することにより得られている(例えば、特開昭56−161699号公報)。

上記マトリックス樹脂としては、密着性に優れたシリコーンゴムが用いられ、熱伝導性充填剤としては、例えば、窒化硼素などの無機充填剤が用いられている。また、無機充填剤としては、粒子状、板状または針状などの様々な形状のものが用いられている。

上記熱伝導性シートにおいて熱伝導率を高めるには、熱伝導性を有する無機充填剤の充填率を高めねばならなかった。しかしながら、充填率を高くすると、シートとしての物性、すなわち密着性が低くなり、電子・電気部品に対して適用することが困難となったり、適用し得たとしても密着性の低下により熱伝導性が損なわれることがあった。

他方、特開平3−12778号公報には、アルミナ繊維有機繊維バインダーとして抄紙した基材に、合成ゴム含浸または塗布してなる熱伝導性シートが開示されており、特開平5−209157号公報には、織物状または不織布状の無機繊維、有機繊維もしくは金属繊維と、未硬化もしくは半硬化の樹脂マトリックスとからなる熱伝導性シートが提案されている。

これらの先行技術に記載の熱伝導性シートでは、繊維状物を用いることにより、熱伝導性の向上が図られるとされている。しかしながら、特開平3−12778号公報に記載の先行技術では、アルミナ繊維を抄紙するために有機繊維をバインダーとして用いている。従って、熱伝導性に優れたアルミナ繊維同士が十分に接触され難く、目的とする高い熱伝導性を実現することは困難であった。

また、特開平5−209157号公報に記載の先行技術では、無機繊維、有機繊維もしくは金属繊維を用いているものの、織物状または不織布状とされているので、熱伝導性繊維同士は密着しているものの、繊維間の熱伝導は、繊維間の接触面積に依存するため、十分に高い熱伝導性を実現することは困難であった。また、高い熱伝導性を得るには、大きな圧力で加圧成形する方法などを採用しなければならなかった。

加えて、織物状や不織布状の充填物を用いた場合、熱伝導性シートに十分な接着強度を持たせることが困難であった。すなわち、電子・電気部品に容易に適用し得る接着性の熱伝導性シートを構成することが困難であった。

さらに、マトリックス中に織物状や不織布状の無機充填物を含む上記熱伝導性シートでは、バインダー樹脂を硬化させる際に加熱すると、熱膨張係数の差により、バインダー樹脂と無機充填物との間で剥離が生じ易くなり、シートの機械的強度が低下するという問題もあった。

概要

適用部品や部材に容易に貼付することができ、光の照射により硬化させることができ、優れた熱伝導性と高い接着強度とを両立することができる熱伝導性シートを提供する。

粘着性樹脂層充填剤を含有させてなる粘着性の熱伝導性シートであって、粘着性樹脂層が光の照射により硬化される光硬化性樹脂を含み、かつ充填剤が無機連続発泡体または熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維である熱伝導性シート。

目的

本発明の目的は、高い熱伝導性を有するだけでなく、対象とする部品等に容易に貼付することができ、かつ貼付後の接着強度に優れた熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた熱伝導性部品を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

粘着性樹脂層充填剤を含有させてなる熱伝導性シートであって、前記粘着性樹脂層が、光の照射により硬化される光硬化性樹脂を含み、かつ前記充填剤が無機連続発泡体であることを特徴とする熱伝導性シート。

請求項2

粘着性樹脂層に充填剤を含有させてなる熱伝導性シートであって、前記粘着性樹脂層が、光の照射により硬化する光硬化性樹脂を含み、かつ前記充填剤として、熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維が含有されていることを特徴とする熱伝導性シート。

請求項3

前記粘着性樹脂層が、熱伝導性シートに粘着性を付与する高分子と、分子中に少なくとも1つのカチオン重合性基を有する光硬化性樹脂と、該光硬化性樹脂を光の照射により硬化させる光カチオン重合開始剤とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱伝導性シート。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性シートを含むことを特徴とする熱導電性部品

技術分野

0001

本発明は、例えば、トランジスタコンデンサLSIパッケージなどの電子電気部品において発生した熱を例えば放熱器伝導する用途のような放熱用途に適した熱伝導性シート及び熱伝導性部品に関し、より詳細には、対象とする部品貼付した後に、光の照射により硬化させることにより、優れた接着強度発現する熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた熱伝導性部品に関する。

背景技術

0002

トランジスタ、コンデンサまたはLSIパッケージなどの電子・電気部品は動作時に発熱し、該熱により寿命が短くなったり、信頼性が低下したりすることがある。そこで、従来、これらの電子・電気部品において発生した熱を放散させるために、電子・電気部品と放熱フィン等とを熱伝導性及び密着性に優れたシートを介して熱接続する方法が用いられていた。

0003

上記熱伝導性シートは、一般に、マトリックス樹脂熱伝導性充填剤を分散させ、シート状に成形することにより得られている(例えば、特開昭56−161699号公報)。

0004

上記マトリックス樹脂としては、密着性に優れたシリコーンゴムが用いられ、熱伝導性充填剤としては、例えば、窒化硼素などの無機充填剤が用いられている。また、無機充填剤としては、粒子状、板状または針状などの様々な形状のものが用いられている。

0005

上記熱伝導性シートにおいて熱伝導率を高めるには、熱伝導性を有する無機充填剤の充填率を高めねばならなかった。しかしながら、充填率を高くすると、シートとしての物性、すなわち密着性が低くなり、電子・電気部品に対して適用することが困難となったり、適用し得たとしても密着性の低下により熱伝導性が損なわれることがあった。

0006

他方、特開平3−12778号公報には、アルミナ繊維有機繊維バインダーとして抄紙した基材に、合成ゴム含浸または塗布してなる熱伝導性シートが開示されており、特開平5−209157号公報には、織物状または不織布状の無機繊維、有機繊維もしくは金属繊維と、未硬化もしくは半硬化の樹脂マトリックスとからなる熱伝導性シートが提案されている。

0007

これらの先行技術に記載の熱伝導性シートでは、繊維状物を用いることにより、熱伝導性の向上が図られるとされている。しかしながら、特開平3−12778号公報に記載の先行技術では、アルミナ繊維を抄紙するために有機繊維をバインダーとして用いている。従って、熱伝導性に優れたアルミナ繊維同士が十分に接触され難く、目的とする高い熱伝導性を実現することは困難であった。

0008

また、特開平5−209157号公報に記載の先行技術では、無機繊維、有機繊維もしくは金属繊維を用いているものの、織物状または不織布状とされているので、熱伝導性繊維同士は密着しているものの、繊維間の熱伝導は、繊維間の接触面積に依存するため、十分に高い熱伝導性を実現することは困難であった。また、高い熱伝導性を得るには、大きな圧力で加圧成形する方法などを採用しなければならなかった。

0009

加えて、織物状や不織布状の充填物を用いた場合、熱伝導性シートに十分な接着強度を持たせることが困難であった。すなわち、電子・電気部品に容易に適用し得る接着性の熱伝導性シートを構成することが困難であった。

0010

さらに、マトリックス中に織物状や不織布状の無機充填物を含む上記熱伝導性シートでは、バインダー樹脂を硬化させる際に加熱すると、熱膨張係数の差により、バインダー樹脂と無機充填物との間で剥離が生じ易くなり、シートの機械的強度が低下するという問題もあった。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、高い熱伝導性を有するだけでなく、対象とする部品等に容易に貼付することができ、かつ貼付後の接着強度に優れた熱伝導性シート及び該熱伝導性シートを用いた熱伝導性部品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

請求項1に記載の発明は、粘着性樹脂層充填剤を含有させてなる熱伝導性シートであって、粘着性樹脂層が、光の照射により硬化される光硬化性樹脂を含み、かつ充填剤が無機連続発泡体であることを特徴とする。

0013

請求項2に記載の発明は、粘着性樹脂層に充填剤を含有させてなる熱伝導性シートであって、粘着性樹脂層が、光の照射により硬化する光硬化性樹脂を含み、かつ充填剤として、熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維が含有されていることを特徴とする。

0014

請求項1,2に記載の発明において、上記粘着性樹脂層としては、好ましくは、熱伝導性シートに粘着性を付与する高分子と、分子中に少なくとも1つのカチオン重合性基を有する光硬化性樹脂と、該光硬化性樹脂を光の照射により硬化させる光カチオン重合開始剤とを含むものが用いられる。また、本発明に係る熱伝導性部品は、本発明に係る熱伝導性シートを含むことを特徴とする。

0015

以下、本発明の詳細を説明する。
(粘着性樹脂層)請求項1,2に記載の発明では、熱伝導性シートを構成する粘着性樹脂層が、粘着性を有し、かつ光の照射により硬化する光硬化性樹脂を含む。

0016

上記粘着性樹脂層を構成する材料については、上記の条件を満たす限り特に限定されるものではない。すなわち、粘着性樹脂層が粘着性及び接着性を有するように、従来より粘着シート接着シート分野において使用されている適宜の高分子を用いることができる。このような高分子としては、ポリエステルビニル系樹脂アクリル系樹脂オレフィン系樹脂ポリビニルアセタールポリカーボネートセルロース系樹脂ケトン系樹脂スチレン系樹脂ポリアミドエポキシ樹脂フェノール樹脂ポリイミドロジン及びテルペン系樹脂などの熱可塑性もしくは熱硬化性樹脂;あるいはポリイソプレンブタジエンスチレン共重合体ポリブタジエンポリクロロプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ポリウレタンクロロスルホン化ポリエチレンアクリル酸アルキルエステル共重合体エチレン−プロピレン共重合体シリコーンなどの各種合成ゴムを用いることができる。

0017

これらの高分子材料は、1種のみが用いられてもよく、あるいは2種以上併用されてもよい。また、粘着性樹脂層を構成する場合、上述した各種樹脂ポリマーオリゴマーモノマー重合開始剤あるいは溶媒などを適宜組み合わせて液状として用いることのできるものが、取り扱い性を高め得るため好ましい。

0018

好ましくは、上記高分子として、耐候性及び粘着性に優れている(メタアクリル系ポリマーが好適に用いられる。(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル及びメタクリルを総称する表現とする。

0019

上記(メタ)アクリル系ポリマーとしては、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルからなる単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体、あるいは(メタ)アクリル酸エステルと、これに共重合可能不飽和結合を有するビニルモノマーとの共重合体などを用いることができ、これらの1種のみを用いてもよく、2種以上併用してもよい。

0020

本発明に係る熱伝導性シートでは、上記粘着性樹脂層は、上述した高分子を含むことにより、粘着性を示すように構成されているが、さらに、光の照射により硬化される光硬化性樹脂を含む。光硬化性樹脂としては、光照射暗反応カチオン重合が進行し、硬化する、分子中に少なくとも1つのカチオン重合性基を有するカチオン重合性化合物が好適に用いられる。このようなカチオン重合性化合物としては、例えば、ビニルエーテル基エピスルフィド基エチレンイミン基を有する化合物や、エポキシ化合物オキセタン化合物もしくはオキソラン化合物のような環状エーテル構造を有する化合物を挙げることができる。この場合、カチオン重合により高分子量化し得る部分は、分子骨格末端に存在していてもよく、側鎖に存在していてもよく、分子骨格内に存在していてもよい。

0021

上記カチオン重合性化合物の分子量に特に限定はなく、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれであってもよい。また、上記カチオン重合性化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

0022

上記カチオン重合性化合物のより具体的な例としては、例えば、エポキシアクリレートウレタンアクリレート、共重合アクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレートアミノ樹脂アクリレートなどから選ばれるアクリル系オリゴマー樹脂;ビニルエーテル基を有する化合物とマレイミド基を有する化合物とを組み合わせてなるマレイミド樹脂二重結合を有する化合物とポリチオールとを組み合わせてなるエンチオール系樹脂;ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル、多官能ビニルエーテルオリゴマーなどから選択した樹脂中にビニロキシ基を有するビニルエーテル樹脂エポキシ基またはオキセタニル基などの環状エーテルを樹脂中に有する化合物などを挙げることができる。

0023

上記カチオン重合性化合物としては、好ましくは、エポキシ基を有する化合物が用いられる。エポキシ基の開環重合反応性が高く、かつ硬化時間も短いため、熱伝導性シートを接着する工程の短縮を図ることができる。さらに、エポキシ基を有する化合物を用いた場合、凝集力及び弾性率が高められるので、耐熱性及び接着強度に優れた接着硬化物を得ることができる。

0024

エポキシ基を有する化合物としては、エポキシ樹脂が好適に用いられる。エポキシ樹脂については特に限定されず、ビスフェノールA型ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、グリシジルエーテル型あるいはグリシジルアミン型などのエポキシ樹脂を用いることができる。

0025

上記カチオン重合性化合物には、他の樹脂成分を配合したり付加したりすることにより変性し、可撓性を高めたり、接着力屈曲力の向上を図ったりしてもよい。このような変性体としては、末端カルボキシル基含有ブタジエンアクリロニトリルゴム(CTBN)変性エポキシ樹脂アクリルゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、ブチルゴムニトリルゴム、もしくはイソプロピレンゴムなどの各種合成ゴムを添加してなるエポキシ樹脂;キレート変性エポキシ樹脂ポリオール変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。

0026

本発明において、上記熱伝導性シートの粘着性樹脂層に含まれるカチオン重合性化合物のカチオン重合性基の官能基当量は、好ましくは5000g−resin/mol以下である。官能基当量が5000g−resin/molより大きいと、官能基濃度が低下し、カチオン重合が不十分となり、接着力が低下することがある。

0027

本発明においては、上記カチオン重合性化合物からなる光硬化性樹脂を硬化させるために、好ましくは、光カチオン重合開始剤が含有される。光カチオン重合開始剤としては、イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプのいずれであってもよい。

0028

イオン性光酸発生タイプのカチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩などのオニウム塩;鉄−アレン錯体チタノセン錯体、アリールシラノールアルミニウム錯体などの有機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的には、商品名:オプトマーSP−150、同SP−170(旭電化工業社製)、UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CP−1012(サートマー社製)などの市販の化合物を用いることができる。

0029

また、非イオン性光酸発生タイプのカチオン重合開始剤としては、ニトロベンジルエステルスルホン酸誘導体リン酸エステルフェノールスルホン酸エステルジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどを挙げることができる。

0030

上記カチオン重合開始剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、有効活性波長の異なる複数のカチオン重合開始剤を用い、2段階硬化させてもよい。

0031

カチオン重合開始剤の配合割合については、カチオン重合性基1モルに対し、カチオンが0.0001モル%以上発生するように選択することが好ましく、カチオン重合開始剤の配合割合がこれより少ない場合には、カチオン重合が十分に進行せず、硬化速度が遅くなることがある。

0032

硬化に使用する光については、使用するカチオン重合開始剤に応じて選ばれ、特に限定されるわけではないが、好ましくは200〜800nmの波長の成分を含む光が用いられる。200nm未満の波長の光を照射した場合には、粘着性樹脂層の表面部分のみが硬化し、貼り合わせ時に十分な粘着力を発揮せず、かつ硬化後の十分な接着強度を期待し得ないことがある。800nmを超える波長の光を照射した場合には、十分なエネルギーをカチオン重合開始剤に与え難いので、粘着性樹脂層を硬化させることが困難となることがある。また、光源の取り扱い性が容易であるため、300〜500nmの範囲の波長の光を用いることがより望ましい。

0033

上記光源としては、紫外線源可視光源として、低圧水銀灯中圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯ケミカルランプブラックライトランプマイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ蛍光灯太陽光などを挙げることができる。また、粘着性樹脂層の表面部分だけの硬化を防止し、内部硬化を実現するには、200nm未満の波長の光をカットし、光を照射することが好ましい。

0034

(請求項1に記載の発明における無機連続発泡体)請求項1に記載の発明では、上記粘着性樹脂層に、無機連続発泡体からなる充填剤が含有されている。無機連続発泡体は、熱伝導性シートの熱伝導性を高めるために用いられているものであり、従って、無機連続発泡体を構成する無機材料としては、熱伝導性に高い材料を用いることが好ましい。このような無機材料としては、酸化アルミニウム二酸化珪素酸化マグネシウム二酸化チタン酸化ベリリウムなどの金属酸化物;窒化硼素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物;金、銀、銅、ニッケルアルミニウムなどの金属を挙げることができる。また、ジルコニア、ジルコニア−ムライト、ムライトSiCのような多成分系セラミックスを用いてもよい。中でも、電気的な絶縁性が要求される場合には、金属酸化物や金属窒化物を上記無機材料として用いることが望ましく、それによって、電気絶縁性熱伝導シートとすることができる。

0035

上記無機連続発泡体は、織物状や不織布状とは異なり、その骨格が連続していることが特徴である。すなわち、熱伝導路が完全につながっており、織物状や不織布状充填物の場合に問題となる接触抵抗や繊維間の密接性といった問題が生じない。従って、熱伝導性シートの膜厚方向における熱伝導率が効果的に高められる。また、無機連続発泡体の空孔内に含浸された樹脂も独立した連続骨格となるため、硬化後の接着強度も高められる。

0036

上記無機連続発泡体における空孔の大きさについては特に限定されないが、1μm〜1mmの範囲が望ましい。特に、連続発泡体の空孔中に樹脂を含浸するには、該樹脂溶液の粘度が高い場合には、空孔の大きさは5μm以上とすることが望ましい。

0037

無機連続発泡体の空孔率については特に限定されず、空孔率が高すぎると接着強度が高められるものの熱伝導率が低下し、逆に空孔率が低すぎると熱伝導率は向上するものの、接着強度が低下すると共に、樹脂溶液の含浸が困難となることがある。従って、上記空孔率は、好ましくは20〜90%の範囲とされる。

0038

無機連続発泡体の熱伝導性シートに占める割合については、目的とする熱伝導性に応じて適宜選ばれるが、十分な熱伝導性及び接着強度を得るには、熱伝導性シート中、20〜60体積%を占めるように無機連続発泡体を含有させることが好ましい。

0039

(請求項2に記載の発明における熱伝導性繊維)請求項2に記載の発明では、上述した粘着性樹脂層に、熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維が含有もしくは分散されている。熱伝導性繊維は、熱伝導性シートの膜厚方向の熱伝導率を高めるために含有されている。

0040

従って、上記熱伝導性繊維は、熱伝導性に優れた材料により構成することが望ましく、熱伝導性の高い無機繊維が好適に用いられる。このような無機繊維の例としては、アルミナ繊維、ガラス繊維炭素繊維セラミックファイバー炭化ケイ素繊維などの各種無機繊維を用いることができ、さらに、チタン酸カリウムウィスカーホウ酸アルミニウムウィスカーなどのウィスカーを用いてもよい。上記無機系の熱伝導性繊維は、1種のみを用いてもよく、複数種混合して用いてもよい。

0041

熱伝導性繊維の繊維長は、熱伝導性シートの膜厚よりも長いことが必要である。繊維長が膜厚よりも長くされているので、熱伝導性シートの表裏面を貫き、膜厚方向に延びる熱伝導路が確実に形成される。従って、熱伝導性繊維の充填率をさほど高くせずとも、高い熱伝導性を得ることができる。

0042

上記熱伝導性繊維の繊維径については、特に限定されず、熱伝導性シートの熱伝導性、粘着性及び密着性などを考慮して適宜定めればよいが、通常、1〜100μmの範囲とすることが好ましい。

0043

上記熱伝導性繊維の配合割合については、目的とする熱伝導性及び接着強度を考慮して選択され、特に限定されるわけではないが、熱伝導性シート中、熱伝導性繊維が5〜50体積%を占めるように熱伝導性繊維を配合することが望ましい。

0044

(熱伝導性シートの製造方法)請求項1に記載の発明に係る熱伝導性シートの製造方法については特に限定されず、例えば、上記粘着性樹脂層を構成する樹脂溶液を調製し、無機連続発泡体に樹脂溶液を含浸させ、溶剤蒸発させ、得られた複合体を所定の厚みとなるようにスライスすることにより得ることができる。

0045

また、請求項2に記載の発明に係る熱伝導性シートの製造に際しては、上記粘着性樹脂層を構成する樹脂溶液に、熱伝導性繊維を混合し、分散させ、該熱伝導性繊維が含有された樹脂溶液を用いてシート成形することにより得ることができる。上記熱伝導性繊維の含有方法については、特に限定されず、例えば、サンドミルボールミルホモジナイザーなどの混合装置を用いることができる。また、上記シート成形の方法についても特に限定されず、溶剤キャスト法押出塗工法またはカレンダー成形法などの適宜の方法を用いることができる。

0046

(熱伝導性部品)本発明に係る熱伝導性部品は、請求項1,2に記載の発明に係る熱伝導性シートを含むことを特徴とするが、この熱伝導性部品の形態については特に限定されず、熱伝導性シートと、放熱性に優れた放熱フィンやヒートシンクなどの放熱部材を、熱伝導性シートの粘着性を利用して一体化したものなどを挙げることができる。

0047

(作用)請求項1に記載の発明に係る熱伝導性シートでは、粘着性樹脂層が粘着性を有するので、電子・電気部品やヒートシンクなどの放熱部材に対して容易に貼付することができる。また、光の照射により、光硬化性樹脂が硬化し、硬化後には、被着体同士を強固に接合する。従って、電子・電気部品とヒートシンクなどの放熱部材とが強固に接合される。

0048

他方、上記粘着性樹脂層には、無機連続発泡体が含有されており、該無機連続発泡体がシートの膜厚方向に至るように連続されているので、膜厚方向において高い熱伝導性を示す。従って、熱伝導性シートの一面から他面に向かって熱を十分に放散させることができる。加えて、無機連続発泡体中に上記粘着性樹脂層を構成している樹脂が含浸されているので、それによっても硬化後の接着強度が高められる。

0049

請求項2に記載の発明に係る熱伝導性シートでは、粘着性樹脂層が粘着性を有するので、電子・電気部品やヒートシンクなどの放熱部材に対して容易に貼付することができる。また、光の照射により、光硬化性樹脂が硬化し、硬化後には、被着体同士を強固に接合する。従って、電子・電気部品とヒートシンクなどの放熱部材とが強固に接合される。

0050

また、粘着性樹脂層に熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維が含有されているので、該熱伝導性繊維により、熱伝導性シートの一面から他面に向かって熱が効率よく放散される。従って、例えば、電子・電気部品とヒートシンクなどの放熱部材とを請求項2に記載の発明に係る熱伝導性シートにより接着した場合、電子・電気部品で発生した熱を効果的に放熱部材側に放散させることができる。

0051

請求項3に記載の発明では、粘着性樹脂層が、熱伝導性シートに粘着性を付与する高分子と、分子中に少なくとも1つのカチオン重合性基を有する光硬化性樹脂と、光カチオン重合開始剤とを含むので、光を照射した際に光カチオン重合開始剤が活性化されて、光硬化性樹脂がカチオン重合により硬化し、熱伝導性シートが硬化される。従って、初期状態では、上記高分子により粘着性が付与されているので、電子・電気部品や放熱部材に容易に貼付することができ、貼付前または貼付後に光を照射することにより、光硬化性樹脂のカチオン重合が進行し、最終的に高い接着強度を発現する。

0052

請求項4に記載の発明に係る熱伝導性部品は、本発明に係る熱伝導性シートを含むため、熱伝導性シートの一面から他面に向かって熱が効率よく放散され、従って電子・電気部品などの放熱に用いた場合、電子・電気部品で発生した熱を効果的に放散させることができる。加えて、例えば電子・電気部品とヒートシンクなどの放熱部材とが強固に接合されるので、使用中に熱伝導路が破壊され難く、かつ熱伝導性の低下も生じ難い。

0053

以下、本発明の実施例を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0054

(実施例1)2Lセパラブルフラスコ中において、高分子としてエチルアクリレート(EA)と、グリシジルメタクリレートGMA)との共重合体(重量平均分子量70万、組成比:EA/GMA=8/2(重量比))50gと、光硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート828)150gと、重合開始剤として光カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、商品名:オプトマーSP170)1gとを酢酸エチル300gで均一となるまで攪拌溶解し、樹脂溶液を得た。

0055

酸化アルミニウム(純度98%)よりなる無機連続発泡体(黒崎窯業社製セラミックフォーム、300×300×30mm)に上記樹脂溶液を含浸し、溶剤を蒸発させ、樹脂−無機連続発泡体複合材料を得た。得られた複合材料を、厚さ約300μmにスライスし、熱伝導性シートを得た。

0056

(実施例2)2Lセパラブルフラスコ中で、高分子として、エチルアクリレート(EA)とグリシジルメタクリレート(GMA)との共重合体(重量平均分子量70万、組成比:EA/GMA=8/2(重量比))100gと、光硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート828)100gと、重合開始剤として光カチオン重合開始剤(旭電化工業社製、商品名:オプトマーSP170)1gと、アルミナ繊維(ICI社製、商品名:サフィル、繊維長2cm以上、繊維径3μm)80gとを酢酸エチル300gで均一となるまで攪拌溶解し、樹脂溶液を得た。

0057

上記のようにして得られた樹脂溶液を表面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工し、乾燥し、粘着性を有する熱伝導性シートを得た。

0058

(比較例1)繊維径3μm及び繊維長50〜100μmのアルミナ短繊維(ICI社製、商品名:サフィル)100g、ミクロフィブリル化セルロース(ダイセル化学社製、品番MFC)51g及び耐水化剤(デイック・ハーキュレス社製、カイメン557H)8.16gを水中に分散した後、角形シートマシーンを用いて、アルミナペーパーを抄紙した。上記アルミナペーパーに、実施例1で用いた樹脂溶液を含浸させ、溶剤を蒸発させ、膜厚280μmの熱伝導性シートを得た。

0059

(比較例2)実施例2で用いた樹脂溶液において、アルミナ繊維に代えて、アルミナ粒子(住友化学社製、品番:AKP−15:粒子径0.7μm)を用いたことを除いては、実施例2と同様にして樹脂溶液を得、実施例2と同様にして厚みが50μmの熱伝導性シートを得た。

0060

(評価)実施例及び比較例で得た熱伝導性シートについて、以下の要領で熱伝導性を評価し、さらに実施例1,比較例1については以下の要領で接着力を評価した。

0061

熱伝導性…熱伝導性シートの熱抵抗を測定することにより熱伝導性を評価した。熱抵抗が小さい程、同じ熱伝導路間に流れる熱量が大きいことを意味する。熱抵抗の測定は以下のようにして行った。

0062

パワートランジスタ(富士電気社製、品番:2SC245)と、アルミニウム放熱板とを、熱伝導性シートを用いて接着した。トランジスタで消費した電力量は10Wとし、トランジスタとアルミニウム放熱板との温度差を測定することにより、以下の式で熱抵抗を求めた。

0063

熱抵抗=(T1−T2)×1/P
但し、T1:トランジスタの温度、T2:アルミニウム放熱板の温度、A:熱伝導性シートによりトランジスタとアルミニウム放熱板とが接合されている部分の面積、P:トランジスタに供給された電力

0064

接着力…幅25mm×長さ100mm×厚さ2mmのステンレス板(SUS304)に100℃で熱伝導性シートを熱ラミネートすることにより貼り合わせ、サンプルを作製した。このサンプルを常温で1日放置し、剥離速度50mm/分で180度剥離し、その剥離強度を測定し、接着力とした。結果を下記の表1に示す。

0065

0066

実施例1及び比較例1の結果を比較すると、同じように としてアルミナを用いているが、アルミナは連続発泡体構造とされている実施例1では、アルミナの量が少ないにも係わらず、熱伝導性が高いことがわかる。また、接着力についても、比較例1ではアルミナシートの部分で破壊が起こっており、接着剤としての能力が十分に活かされていなかったのに対し、実施例1では1800gf/cm2 の剥離強度を示し、接着力が著しく高められていることがわかる。

0067

また、実施例2及び比較例2では、無機繊維の配合割合は同じであるが、比較例2では熱抵抗が10℃/Wと高く、実施例2では熱抵抗が1℃/Wと著しく低下し、従って熱伝導性が著しく高められていることがわかる。すなわち、熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維を用いることにより、熱伝導性が著しく高められていることがわかる。

発明の効果

0068

請求項1,2に記載の発明に係る熱伝導性シートは、初期状態で粘着性を示すため、適用部品適用部分に容易に貼付することができる。また、粘着性樹脂層が光の照射により硬化される光硬化性樹脂を含むので、適用前または適用後に光を照射することにより、光硬化性樹脂が硬化し、優れた接着強度を発現する。よって、例えば電子・電気部品と、放熱部材とを接合する用途に用いた場合、電子・電気部品と放熱部材とを容易に接合することができるだけでなく、両者を強固に接合することができ、使用中の剥離等が生じ難い。

0069

加えて、請求項1に記載の発明では、充填剤として無機連続発泡体が用いられているので、熱伝導性シートの一面から他面に熱が効果的に導かれ、従って、従来の粒子状無機充填剤を用いた熱伝導性シートに比べ熱伝導性を著しく高めることができる。よって、充填剤としての無機連続発泡体の含有割合を低めることができるので、硬化後の接着強度を十分な大きさとすることができる。すなわち、優れた熱伝導性と接着強度とを両立し得る熱伝導性シートを提供することが可能となる。

0070

同様に、請求項2に記載の発明においては、熱伝導性シートの膜厚よりも長い繊維長を有する熱伝導性繊維が含有されているので、熱伝導性シートの一面から他面に向かった熱が良好に導かれる。従って、請求項1に記載の発明と同様に、従来の粒子状無機充填剤を用いた熱伝導性シートに比べて、充填剤としての熱伝導性繊維の含有割合を低めることができ、それによって、高い熱伝導性と優れた接着強度とを両立し得る熱伝導性シートを提供することが可能となる。

0071

さらに、請求項1,2に記載の発明に係る熱伝導性シートでは、硬化に加熱を必要としないため、それによっても充填剤としての無機連続発泡体や熱伝導性繊維と粘着性樹脂層との間の剥離が生じ難く、接着強度の低下が生じ難い。

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