図面 (/)

技術 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 松村賢一郎宮坂明博
出願日 1998年12月3日 (22年0ヶ月経過) 出願番号 1998-344146
公開日 2000年6月20日 (20年6ヶ月経過) 公開番号 2000-169948
状態 未査定
技術分野 溶融金属による被覆
主要キーワード 予備加熱炉 塩酸溶解 加熱前処理 赤外加熱 外観むら 高温合金 ガス残り エアパージ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年6月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

本発明は、Si添加系の鋼板への合金化溶融亜鉛めっきにおいて、不めっきを防止し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供する。

解決手段

鋼中成分として、Siを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板の表面にMgと、亜鉛主体とする合金溶融めっき後、540℃〜600℃で加熱合金化処理した合金化溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき層中にMgを0.1〜2重量%、Mnを0.01〜3.0重量%、Feを7〜15重量%含有させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。前記したSiとMnを含む鋼板表面を清浄化した後、還元性あるいは非酸化性雰囲気焼鈍した後、大気に接触させずにMgを含有せしめた溶融亜鉛中に通板し、さらに540℃〜600℃で加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

概要

背景

合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性塗装密着性に選れ、特に自動車用鋼板として広く使用されている。最近では、自動車の安全性、耐久性、軽量化への要求がより高まり、これらを満たす材料として、シリコン(Si)を添加して鋼板高張力化することで安全性や耐久性を向上させ、また、高張力ゆえ鋼板の薄手化が可能となり軽量化を実現できる高張力鋼板を用いた合金化溶融亜鉛めっき鋼板への期待が大きい。

このようなSiを添加した高張力鋼板の溶融亜鉛めっきにおいては、鋼板の加熱前処理焼鈍)時に、Siを主体とする難還元性酸化物が鋼板表面に生成する。これらの酸化物は、溶融亜鉛との濡れ性を悪化させ、不めっきを生じさせる。

上記の問題に対し、例えば特開平3−134147号公報、特開平8−170159号公報では、Fe系の酸化物皮膜予備加熱炉で形成させることで不めっき防止を図っている。しかし例えば全還元式の焼鈍炉を有すラインにおいては酸化物皮膜を形成させるための設備導入が必要となり、設備制約が大きい。また、特開平5−239606号公報では、酸化剤を用いて鉄の酸化皮膜を形成させることで不めっき防止を図っている。しかし、酸化剤の反応制御は生産速度が変化するラインにおいては非常に困難であり、酸化皮膜量にばらつきを生じ、品質に悪影響を与える可能性がある。

また、特にSiを主体とする難還元性酸化物の影響として、不めっきの他に合金化遅滞があげられる。合金化速度の適正化への対策としては、合金化温度高温化が操業上容易であるものの、密着性の悪化や外観の悪化を伴うことから、高温合金化の手法は敬遠されている。

合金化溶融亜鉛めっき鋼板の性能の向上についても種々の検討がなされている。例えば特開昭56−41358号公報では、Mg、Mnを浴中に添加することで耐食性を向上することが開示されている。しかし、特開平3−97840号公報によるとMn0.3重量%未満までは合金化を著しく遅延させる効果があるため、生産性に課題が残る。そこで、特開平3−97840号公報では、Mnが逆に合金化促進効果を示す0.4重量%以上添加し、耐食性と生産性を両立させる一方で、このMn添加による過剰な合金化促進を、合金化抑制効果のあるSiをさらに浴中に添加して相殺する手段が開示されている。しかし、合金化促進と抑制の相反する効果を有する元素複合添加は操業管理への負担が大きい。

概要

本発明は、Si添加系の鋼板への合金化溶融亜鉛めっきにおいて、不めっきを防止し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供する。

鋼中成分として、Siを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板の表面にMgと、亜鉛を主体とする合金溶融めっき後、540℃〜600℃で加熱合金化処理した合金化溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき層中にMgを0.1〜2重量%、Mnを0.01〜3.0重量%、Feを7〜15重量%含有させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。前記したSiとMnを含む鋼板表面を清浄化した後、還元性あるいは非酸化性雰囲気で焼鈍した後、大気に接触させずにMgを含有せしめた溶融亜鉛中に通板し、さらに540℃〜600℃で加熱合金化処理する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

目的

本発明は、上記の問題点に鑑み、Si添加系の高張力鋼板の合金化溶融亜鉛めっきにおいて、不めっきを抑制するとともに耐食性、外観、密着性の優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板とそれを製造する方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板上に合金化溶融亜鉛めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、該めっき層中に、Feを7〜15重量%含有し、さらにMgを0.1〜2重量%、Mnを0.01〜3.0重量%含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。

請求項2

合金化溶融亜鉛めっき層中にCuまたはNiまたはCoの1種、または2種以上を0.05〜10重量%さらに含有せしめることを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。

請求項3

鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板を、還元性あるいは非酸化性雰囲気焼鈍した後、該鋼板を大気に接触させることなくMgを0.1〜2重量%含有する溶融亜鉛浴中通板せしめ、さらに540〜600℃で加熱合金化処理することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

請求項4

鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板表面を清浄化した後、焼鈍に先立って、該鋼板表面にCuまたはCu化合物、NiまたはNi化合物、CoまたはCo化合物の1種または2種以上をCu、NiおよびCoの総和で0.005〜5g/m2 付着せしめることを特徴とする請求項3に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

請求項5

加熱合金化処理により、溶融亜鉛めっき層中のFe含有量が7〜15重量%に到達した後、エア冷却、ミスト冷却気水冷却のいずれか1種、または2種以上の冷却装置にて、冷却速度10℃/s以上で、冷却することを特徴とする請求項3または4に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性塗装密着性に選れ、特に自動車用鋼板として広く使用されている。最近では、自動車の安全性、耐久性、軽量化への要求がより高まり、これらを満たす材料として、シリコン(Si)を添加して鋼板高張力化することで安全性や耐久性を向上させ、また、高張力ゆえ鋼板の薄手化が可能となり軽量化を実現できる高張力鋼板を用いた合金化溶融亜鉛めっき鋼板への期待が大きい。

0003

このようなSiを添加した高張力鋼板の溶融亜鉛めっきにおいては、鋼板の加熱前処理焼鈍)時に、Siを主体とする難還元性酸化物が鋼板表面に生成する。これらの酸化物は、溶融亜鉛との濡れ性を悪化させ、不めっきを生じさせる。

0004

上記の問題に対し、例えば特開平3−134147号公報、特開平8−170159号公報では、Fe系の酸化物皮膜予備加熱炉で形成させることで不めっき防止を図っている。しかし例えば全還元式の焼鈍炉を有すラインにおいては酸化物皮膜を形成させるための設備導入が必要となり、設備制約が大きい。また、特開平5−239606号公報では、酸化剤を用いて鉄の酸化皮膜を形成させることで不めっき防止を図っている。しかし、酸化剤の反応制御は生産速度が変化するラインにおいては非常に困難であり、酸化皮膜量にばらつきを生じ、品質に悪影響を与える可能性がある。

0005

また、特にSiを主体とする難還元性酸化物の影響として、不めっきの他に合金化遅滞があげられる。合金化速度の適正化への対策としては、合金化温度高温化が操業上容易であるものの、密着性の悪化や外観の悪化を伴うことから、高温合金化の手法は敬遠されている。

0006

合金化溶融亜鉛めっき鋼板の性能の向上についても種々の検討がなされている。例えば特開昭56−41358号公報では、Mg、Mnを浴中に添加することで耐食性を向上することが開示されている。しかし、特開平3−97840号公報によるとMn0.3重量%未満までは合金化を著しく遅延させる効果があるため、生産性に課題が残る。そこで、特開平3−97840号公報では、Mnが逆に合金化促進効果を示す0.4重量%以上添加し、耐食性と生産性を両立させる一方で、このMn添加による過剰な合金化促進を、合金化抑制効果のあるSiをさらに浴中に添加して相殺する手段が開示されている。しかし、合金化促進と抑制の相反する効果を有する元素複合添加は操業管理への負担が大きい。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記の問題点に鑑み、Si添加系の高張力鋼板の合金化溶融亜鉛めっきにおいて、不めっきを抑制するとともに耐食性、外観、密着性の優れた高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板とそれを製造する方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、まずめっき浴中にMgを添加し、めっき層中にMgを共存させることで耐食性が向上すること、ただし、めっき密着性が悪化することを確認した。また、めっき浴中にMnを添加してめっき層中にMnを共存させた結果、Mgほどの耐食性向上の効果が現れないことを確認した。

0009

次に、合金化の挙動を検討した。その結果、Mnが合金化促進効果を示すとされる0.4重量%以上を鋼中に存在させると合金化促進の効果は小さく、Mnによる合金化促進効果は期待できないが、鋼中に0.1重量%以上添加することでめっき密着性が向上することを見出した。さらに、Mgを浴中に添加し、鋼中にMnを添加することで、耐食性の向上と、密着性の向上を両立できることを見出した。

0010

次に、製造方法について検討した。まずは鋼中Siによる不めっきの抑制について種々の検討を進めた結果、浴中にMgを添加することで鋼中Siによる不めっきが抑制されることを見出した。また、合金化促進法については、高温合金化に着目し、高温合金化時にも外観や密着性が優れた方法を検討した。その結果、めっき層中にCu、Ni、Coを含有せしめることが外観、特にめっきむらの改善に有効であることを見出した。さらに加熱合金化処理後の冷却パタンを最適化することで、外観や密着性をいっそう良化できることを見出した。

0011

本発明はこれらの知見に基づいてなされたもので、本発明の要旨とするところは、(1)鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板上に合金化溶融亜鉛めっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、該めっき層中に、Feを7〜15重量%含有し、さらにMgを0.1〜2重量%、Mnを0.01〜3.0重量%含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板、(2)合金化溶融亜鉛めっき層中にCuまたはNiまたはCoの1種、または2種以上を0.05〜10重量%さらに含有せしめることを特徴とする前記(1)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板、(3)鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板を、還元性あるいは非酸化性雰囲気で焼鈍した後、該鋼板を大気に接触させることなくMgを0.1〜2重量%含有する溶融亜鉛浴中通板せしめ、さらに540〜600℃で加熱合金化処理することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、(4)鋼中成分として、少なくともSiを0.2〜3重量%、Mnを0.1〜10重量%を含む鋼板表面を清浄化した後、焼鈍に先立って、該鋼板表面にCuまたはCu化合物、NiまたはNi化合物、CoまたはCo化合物の1種または2種以上をCu、NiおよびCoの総和で0.005〜5g/m2 付着せしめることを特徴とする前記(3)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、(5)加熱合金化処理により、溶融亜鉛めっき層中のFe含有量が7〜15重量%に到達した後、エア冷却、ミスト冷却気水冷却のいずれか1種、または2種以上の冷却装置にて、冷却速度10℃/s以上で、冷却することを特徴とする前記(3)または(4)に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明において高張力鋼板に含まれるSi含有量は0.2重量%未満では、高張力化への寄与が小さいため、これ以上含まれた原板とする。また3重量%を超えると、硬くなりすぎて加工性に問題を生じ、また、不めっきが著しく発生するため3重量%以下とする。

0013

鋼中に添加するMn含有率については、加熱合金化後にMnが鋼板からめっき層中へ拡散し、めっき層中のMn含有率がめっき密着性改善に効果が現れる0.01〜3.0重量%を確保するために、0.1重量%以上が必要である。Mn含有率が10重量%を超えると、加熱合金化処理の過程で、めっき層中のMn含有率の上限(3.0重量%)を超える可能性があるため、10重量%以下とする。また、Mnは鋼中への添加により、Si同様に高張力化の効果も示すため、これを考慮すると、0.5〜3重量%が好ましい。

0014

めっき層中のMg含有率は、0.1重量%未満では耐食性向上の効果が小さく、同時に含有せしめるMnも0.01重量%未満では密着性向上の効果が小さいため、これ以上とする。また、Mgが2重量%を超えると、めっき密着性、化成処理性等の性能を悪化するため、またMnが3.0重量%を超えると、外観や、めっき密着性を悪化させるため、これ以下とする。

0015

めっき層中にMgやMnと複合して含有せしめるCuやNi、Coは0.05重量%未満では高温合金化時の外観や密着性の改善効果がほとんど見られない。また10重量%を超えると、改善効果が飽和するため、コストを考慮してこれ以下とする。 含有せしめるCuやNi、Coはいずれか1種であってもかまわないし、あるいは2種以上を含有せしめてもかまわない。ここでの含有率はCu、Ni、Coの総和としての含有率である。

0016

本発明においては、合金化溶融亜鉛めっき層中に上記Mg、Mnに複合添加されるCu、Ni、Co以外に、Al、Pb、Sb、Si、Fe、Sn、Cr、Ca、Li、Ti、希土類元素の1種または2種以上を積極的に含有、あるいは不可避的に混入しためっきであっても本発明の効果発現に何ら問題ない。

0017

さらに、 本発明における鋼板は、その主たる構成元素であるFeとSi、Mnの他に、Feの合金元素としてC、P、S、Cu、Ni、Cr、Mo、Co、Al、Nb、V、Ti、Zr、Ta、Hf、Pb、Bi、Sb、B、N、O、希土類元素、Ca、Mgの1種または2種以上を該鋼板の要求性能に応じて適宜含有し、不可避不純物を含有するものである。 また、本発明において鋼板の板厚は効果発現上何ら制約をもたらすものではなく、通常用いられている板厚(例えば0.3mm〜4mm)であれば本発明を適用することができる。

0018

さらに、本発明において、溶融亜鉛めっき浴中に含有せしめるMg濃度は浴中Mg濃度が0.1重量%未満では、不めっきを抑制できず、また耐食性に効果が現れるめっき層中のMg含有率0.1重量%を確保できないため、これ以上とする。 また、浴中Mg濃度が2重量%を超えると、めっき層中のMg含有率も2重量%を超えてめっき密着性や化成処理性が悪化させるだけでなく、浴面ドロスが大量に発生し、浴管理が難しくなるため、これ以下とする。

0019

本発明における溶融亜鉛めっき浴は、基本的に従来から適用されている条件でよく、上記Mg以外に、例えば、Alを0.01〜5重量%程度含有するめっき浴で、浴温度440℃〜480℃といった条件が適用できる。 また、溶融金属としては、亜鉛、Mgが主体であれば、不可避的Pb、Cd、Ni、Co、Fe、Ti、Nb、Ti、B、Si、Mn、Cu、Cr、P等を含んでよく、さらにめっき層の品質を向上するためにAl、Ti、Mn、Fe、Ni、Co、Cuを所定量添加してもよい。このようにして溶融亜鉛めっきを20〜200g/m2 施すことにより、種々の用途に適用することができる。

0020

加熱合金化処理温度は、540℃未満では、合金化が進みにくく、600℃を超えると、合金化の制御が困難になり、密着性を悪化させるΓ相が著しく成長するため、540℃以上600℃以下とする。

0021

さらに、本発明において、鋼板表面を清浄化した後、鋼板表面にCuまたはCu化合物、NiまたはNi化合物、CoまたはCo化合物を付着させるものであるが、その量は金属量の総和として、0.005〜5g/m2 の付着量でめっきむら改善に有効である。 0.005g/m2 未満では、めっきむら改善の効果が十分でなく、5g/m2 を超えると密着性悪化やめっきむらを助長するなどの悪影響を及ぼす可能性があるため、0.005〜5g/m2 とする。

0022

付着させるCu、Ni、Coの種類として、金属Cu、金属Ni、金属Co、1価または2価または3価の酸化形態を持つ化合物(例えばCu2 O、CuO、CuSO4 、NiO、NiSO4 、CoO、Co2 O3 、CoSO4 、Co2 (SO4 )2 など)など、Cu、Ni、Coが含まれていればいずれの形態でもよく、また、上記形態を2種以上混在させてもかまわない。 ただし、Cu、Ni、Coが酸化形態を持つ化合物の場合、 これらを金属状態へ還元させることが必要である。付着法についても特に限定されるものではなく、電解法、武電解法、塗布法スプレー法浸漬法蒸着法等が使用できる。

0023

さらに本発明のおいては、加熱合金化処理により、溶融亜鉛めっき層中のFe含有率が、重量%で7〜15%に達した後、エア冷却、ミスト冷却、気水冷却のいずれか1種、または2種以上の冷却装置にて、冷却速度10℃/s以上で、冷却するものであるが、冷却を始める位置としては、加熱合金化処理により溶融めっき層中のFe含有率が7重量%未満の場合、合金化の進行が不足して、所定の合金組成(Fe7〜15重量%)が得られない。 また、15重量%を超えた時点で冷却を開始すると、合金化が進行しすぎて、所定の合金組成が得られない可能性があるだけでなく、Γ相の成長による密着性悪化が懸念され、好ましくない。

0024

冷却装置としては、エア冷却、ミスト冷却、気水冷却のいずれでもかまわないし、これらの2種以上を複合で使用して冷却してもかまわない。冷却速度は10℃/s未満では、外観や密着性改善の効果が十分でないため10℃/s以上とする。 冷却速度の上限は特に定めないが、ここでの冷却は外観や密着性改善だけでなく、溶融亜鉛めっき層中のFe含有率の調整をも含んだ工程であり、合金化の進行度の制御という観点から、15℃/s〜70℃/sの冷却速度で合金化の制御がしやすく、さらに好ましい。エア冷却用ガスとしては、水素窒素アルゴンガスなど、非酸化性のガスならいずれも適用でき、これらを混合してもかまわない。

0025

鋼板の清浄化は、従来から使用されている方法を適用することができ、例えば、アルカリ脱脂電解脱脂酸洗のいずれか、あるいはこれらの組み合わせを適用することができる。

0026

連続溶融亜鉛めっき設備の前処理炉で、鋼板を焼鈍する熱処理温度としては特に限定されるものではなく、通常の温度(例えば650〜950℃)を適用できる。また、雰囲気としては、通常適用されている雰囲気方法に準じて行えばよく、例えば、無酸化炉還元炉(水素3〜25%、残部窒素)式、全還元炉(水素3〜25%、残部窒素)式などいずれも使用することができる。ただし、酸化性雰囲気(例えばエアパージ)にて焼鈍する場合、焼鈍の最終段階では、生成した酸化物(Cu酸化物Ni酸化物Co酸化物Fe酸化物等)を還元する雰囲気が必要である。

0027

加熱合金化処理に際して、合金化の加熱処理方式は特に限定されるものではなく、燃焼ガスによる直接加熱や、誘導加熱直接通電加熱等、従来からの溶融めっき設備に応じた加熱方式を用いることができる。

0028

このようにして得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板表面に塗装性溶接性潤滑性、耐食性等を改善する目的で、必要に応じて、各種の電気めっきやクロメート処理、潤滑性向上処理りん酸塩処理樹脂塗布処理、溶接性向上処理等を施すことができる。

0029

次に、本発明例を比較例とともにあげる。供試材は表1に成分を示す鋼板とし、板厚は冷延鋼板では1.2mm、熱延鋼板では4.0mmとした。なお、表1でNo1〜8が本発明における鋼板であり、比較鋼材としてMnがほとんど存在しないNo9と非常に高いNo10を、また、Siがほとんど存在しないNo11を用いた。

0030

さらに表2に示すようなCu、Ni、Coの皮膜種および処理方法にてCuやNi、Coを付与した後、連続溶融亜鉛めっき設備の前処理炉(雰囲気H2ガス5%、N2ガス残りからなり、予熱炉加熱炉均熱炉冷却炉から構成した前処理炉)で焼鈍した。溶融亜鉛めっき浴の浴組成は、表2に示した浴中成分と、0.15%Al残り亜鉛とした。浴温度は460℃とした。溶融めっきは、実施例、比較例ともに浴中の通板時間を3秒とし、N2ガスワイパーにて亜鉛の付着量を60g/m2 に調整した。合金化は赤外加熱方式の加熱設備を用いた。加熱合金化温度および加熱合金化後の冷却は表2に示す条件で行った。

0031

以上のめっき手順にて作製した合金化溶融亜鉛めっき層を5%塩酸溶解し、ICPにて分析し表3に示した。評価は、外観、めっき密着性、化成処理性、裸耐食性塗装後耐食性について調べた。評価の外観は、目視にて不めっきやむら等がなく均一外観であるものを◎、不めっきがなく、実用上差し支えない程度の軽微外観むらを○、外観むらが著しいものを△、不めっきが発生かつ外観むらが著しいものを×とした。評価のめっき密着性は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を60°V曲げし、曲げ部のめっき剥離状況から評価した。めっき剥離なしを◎、実用上差し支えない程度の軽微な剥離を○、相当量の剥離が見られるものを△、剥離が著しいものを×で評価した。評価の化成処理性はりん酸塩化成処理後の外観を電子顕微鏡にて観察し、スケがなく、化成処理結晶が均一のものを◎、スケがなく、化成処理結晶が実用上差し支えない程度のばらつきのものを○、化成処理結晶の大きさに相当なばらつきがあり、実用上問題が生じる可能性のあるものを△、スケが発生したものを×で評価した。評価の耐食性は、リン酸塩化成処理カチオン電着塗装20μmを施した後、クロスカット傷を入れ、CCT(湿潤:40℃、2時間→乾燥:70℃、2時間→5%塩水噴霧:50℃、20時間→室内放置:室温、1時間のサイクル。1日=1サイクル)100サイクル実施し、試験後の鋼板の最大侵食深さを調査した。評価は、侵食なしを◎、0.1mm以内を○、0.1〜0.5mmを△、0.5mm超を×とした。

0032

以上の評価結果を表4に示した。実施例1〜18は、本発明であるが、いずれも不めっきがなく、外観、めっき密着性、化成処理性、耐食性ともに良好であった。一方、比較例において、比較例1ではFe含有率が多すぎ、めっき密着性が劣り、比較例2ではMg含有率が高すぎてめっき密着性や化成処理性に劣った。比較例3ではMgが存在しないために不めっきが発生した。比較例4は鋼中Mnがほとんど存在しない材料であるため、めっき層中にMn含有率が少なすぎ、めっき密着性に劣った。比較例5はMnを浴中に添加してめっき層中に所定のMn含有率を得たものであるが、めっき密着性の改善はできなかった。比較例6は極端に鋼中Mn含有率を高めた材料であるため、めっき層中のMn含有率が高くなりすぎ、めっき密着性や化成処理性に劣った。比較例7は加熱合金化温度が高すぎたため、めっき密着性に劣った。比較例8は、不めっきの生じない低Si含有鋼を使用した材料であり、不めっきは発生しないが、Mgを含有していないため、耐食性に劣った。

0033

0034

0035

0036

発明の効果

0037

以上述べたように、本発明は合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法について、特にSi添加系の高張力鋼板の不めっきを抑制し、かつ外観、密着性、化成処理性、耐食性に優れた鋼板を製造可能としたものであり、産業発展に貢献するところは極めて大きい。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ