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課題

現場ラジカル発生剤触媒を取り扱うことによる危険やトラブルが無く、好ましくは重量比で1:1で容易に調合可能な2液タイプの保存安定性の優れた、安定化された樹脂組成物であり、混合したときのポットライフが長く可使時間が十分に取れ、且つ硬化反応開始後の強度発現の速い硬化性樹脂組成物の提供。

解決手段

(A)重合性不飽和化合物、(B)ラジカル発生剤触媒と下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、を組み合わせた組成物酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。(ただし、R1 、R2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立してアルキル基アリール基アラルキル基アルケニル基アルキニル基シリル基複素環基ハロゲン原子を示し、Z+ は陽イオンを示す。)

化1

概要

背景

不飽和ポリエステル樹脂ビニルエステル樹脂を用いてFRPハンドレイアップ成形土木分野におけるFRPライニング施工などを行う場合、通常現場ケトンパーオキサイド系のラジカル発生剤触媒コバルト塩などを添加し、レドックス系常温硬化させる場合が多い。そしてこの場合、現場でラジカル発生剤触媒等をスポイト等で量しなければならないため、秤量ミストラブルが発生したり、過酸化物を取り扱うための危険が伴う。また、使用の安全性のため可使時間を長くするためにゲルタイムを長くすると、硬化が始まっても硬化反応が遅く、強度発現するまでに時間がかかり次の作業にかかれない。そこで、現場で直接過酸化物を取り扱わない安全でしかも現場で調合ミスが発生しにくい調合方法として、予めラジカル発生剤触媒を添加した樹脂組成物(A液)とコバルト塩などを添加した樹脂組成物(B液)を準備して、現場でそれを混合して使用する二液常温硬化性樹脂の使用が考えられるが、実際にはラジカル発生剤触媒を予め添加した樹脂組成物(A液)は、保存安定性シェルフライフ)が短くなってしまい、冷凍保存工場出荷から短い限られた期間内に使用しなければならない等の限定された使われ方しか出来なかった。

これらに欠点を解決する手段として、ラジカル発生剤触媒を予め添加した樹脂組成物(A液)に重合禁止剤を添加して樹脂組成物の保存安定性を改良する手段があるが、良好な保存安定性を確保するには重合禁止剤の添加量が多くならざるを得ず、このためA液とB液を混合したときに十分な硬化性が確保出来ない問題がある。また、保存安定性(シェルフライフ)を確保するために分解温度の高いパーオキシエステル系のラジカル発生剤触媒を使用することも考えられるが、これもA液とB液を混合したときに十分な硬化性が得られず、この様な問題点は解決されていなかった。

概要

現場でラジカル発生剤触媒を取り扱うことによる危険やトラブルが無く、好ましくは重量比で1:1で容易に調合可能な2液タイプの保存安定性の優れた、安定化された樹脂組成物であり、混合したときのポットライフが長く可使時間が十分に取れ、且つ硬化反応開始後の強度発現の速い硬化性樹脂組成物の提供。

(A)重合性不飽和化合物、(B)ラジカル発生剤触媒と下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、を組み合わせた組成物酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。(ただし、R1 、R2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立してアルキル基アリール基アラルキル基アルケニル基アルキニル基シリル基複素環基ハロゲン原子を示し、Z+ は陽イオンを示す。)

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

(A)重合性不飽和化合物、(B)ラジカル発生剤触媒と下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、を組み合わせた組成物酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。一般式(1)

請求項

ID=000003HE=040 WI=083 LX=0635 LY=0550(式中、R1 、R2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立してアルキル基アリール基アラルキル基アルケニル基アルキニル基シリル基複素環基ハロゲン原子を示し、Z+ は陽イオンを示す。)

請求項2

(A)重合性不飽和化合物、(B)ラジカル発生剤触媒と一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、及び(C)可視光重合開始剤を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。

請求項3

(A)重合性不飽和化合物、(B)ラジカル発生剤触媒と一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、及び(D)コバルト塩を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。

請求項4

(A)重合性不飽和化合物、(B)ラジカル発生剤触媒と、一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、(C)可視光重合開始剤及び(D)コバルト塩を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。

請求項5

可視光重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド系化合物である請求項2または4に記載の常温硬化性樹脂組成物。

請求項6

重合性不飽和化合物(A)100重量部に対し、可視光重合開始剤(C)を0.1ないし5重量部配合した請求項2または4に記載の常温硬化性樹脂組成物。

請求項7

重合性不飽和化合物(A)が、不飽和ポリエステル樹脂ビニルエステル樹脂及びウレタンアクリレート樹脂の内の少なくとも1種からなる酸価が0ないし100の重合性不飽和化合物である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の常温硬化性樹脂組成物。

請求項8

一般式(1)で示される有機ホウ素化合物1重量部に対し、添加する酸性化合物が重量比で50倍以下であり、有機ホウ素化合物と添加する酸性化合物の合計量とラジカル発生剤の比が重量比で1:20ないし20:1である重合開始剤(B)を重合性不飽和化合物(A)100重量部に対し0.1ないし7重量部配合した請求項1ないし4のいずれか1項に記載の常温硬化性樹脂組成物。

請求項9

ラジカル発生剤触媒がパーオキシエステル系化合物である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の常温硬化性樹脂組成物。

請求項10

少なくともラジカル発生剤触媒(B)及び一般式(1)で表される有機ホウ素化合物(B)を添加した重合性不飽和化合物(A液系組成物)及び酸性化合物を添加した重合性不飽和化合物(B液系組成物)とからなる二液常温硬化性樹脂組成物。

請求項11

ラジカル発生剤触媒(B)及び一般式(1)で表される有機ホウ素化合物(B)が添加されたA液系組成物が、更に可視光重合開始剤(C)および/または重合禁止剤を配合したものである請求項10に記載の二液硬化性樹脂組成物

請求項12

酸性化合物を添加したB液系組成物が、更に可視光重合開始剤(C)、コバルト塩(D)及び重合禁止剤からなる群の少なくとも一つを配合したB液系組成物である請求項10に記載の二液硬化性樹脂組成物。

請求項13

A液系組成物とB液系組成物の合計量において、一般式(1)で示される有機ホウ素化合物1重量部に対し、酸性化合物50重量部以下、有機ホウ素化合物と酸性化合物の合計量とラジカル発生剤の比が重量比で1:20ないし20:1である重合開始剤を重合性不飽和化合物100重量部に対し0.1ないし7重量部配合した請求項10に記載の二液硬化性樹脂組成物。

請求項14

ラジカル発生剤触媒がパーオキシエステル系化合物である請求項10ないし13のいずれか1項に記載の常温硬化性樹脂組成物。

請求項15

重合性不飽和化合物を等量に2つに分け、これをそれぞれA液系組成物及びB液系組成物の材料として使用した請求項10ないし14のいずれか1項に記載の二液常温硬化性樹脂組成物。

請求項16

請求項10ないし15のいずれか1項に記載のパーオキシエステル系のラジカル発生剤触媒(B)、一般式(1)で表される有機ホウ素化合物(B)を添加した重合性不飽和化合物(A液系組成物)と酸性化合物を添加した重合性不飽和化合物(B液系組成物)とを混練することを特徴とする二液常温硬化性樹脂組成物の硬化方法

技術分野

0001

本発明は、FRPハンドレイアップ成形建築土木分野におけるFRPライニング施工などを行う際に使用する熱硬化性樹脂常温硬化型樹脂組成物に関する。更に詳しくは、そのままの状態で長期間の保存(シェルフライフ)においても安定性が高く、現場ラジカル発生剤触媒量し添加する必要のない、樹脂組成物同士を混合する二液タイプの安定化された樹脂組成物であり、混合したときのポットライフが長く、可使時間が十分に有り、且つ硬化反応開始後の強度発現の速い硬化性樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

不飽和ポリエステル樹脂ビニルエステル樹脂を用いてFRPのハンドレイアップ成形や土木分野におけるFRPライニング施工などを行う場合、通常現場でケトンパーオキサイド系のラジカル発生剤触媒とコバルト塩などを添加し、レドックス系常温硬化させる場合が多い。そしてこの場合、現場でラジカル発生剤触媒等をスポイト等で秤量しなければならないため、秤量ミストラブルが発生したり、過酸化物を取り扱うための危険が伴う。また、使用の安全性のため可使時間を長くするためにゲルタイムを長くすると、硬化が始まっても硬化反応が遅く、強度発現するまでに時間がかかり次の作業にかかれない。そこで、現場で直接過酸化物を取り扱わない安全でしかも現場で調合ミスが発生しにくい調合方法として、予めラジカル発生剤触媒を添加した樹脂組成物(A液)とコバルト塩などを添加した樹脂組成物(B液)を準備して、現場でそれを混合して使用する二液常温硬化性樹脂の使用が考えられるが、実際にはラジカル発生剤触媒を予め添加した樹脂組成物(A液)は、保存安定性(シェルフライフ)が短くなってしまい、冷凍保存工場出荷から短い限られた期間内に使用しなければならない等の限定された使われ方しか出来なかった。

0003

これらに欠点を解決する手段として、ラジカル発生剤触媒を予め添加した樹脂組成物(A液)に重合禁止剤を添加して樹脂組成物の保存安定性を改良する手段があるが、良好な保存安定性を確保するには重合禁止剤の添加量が多くならざるを得ず、このためA液とB液を混合したときに十分な硬化性が確保出来ない問題がある。また、保存安定性(シェルフライフ)を確保するために分解温度の高いパーオキシエステル系のラジカル発生剤触媒を使用することも考えられるが、これもA液とB液を混合したときに十分な硬化性が得られず、この様な問題点は解決されていなかった。

0004

本発明はこうした現状に鑑み、現場でラジカル発生剤触媒を取り扱うことによる危険やトラブルが無く、好ましくは重量比で1:1で容易に調合可能な2液タイプの保存安定性(シェルフライフ)の優れた、安定化された樹脂組成物であり、混合したときのポットライフが長く可使時間が十分に取れ、且つ硬化反応開始後の強度発現の速い硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、硬化性樹脂組成物に通常常温で硬化が不可能な高温分解のラジカル発生剤触媒を添加した樹脂または強度発現の遅い高温分解のパーオキシエステル系ラジカル発生剤触媒/コバルト塩等の複合レドックス系触媒を添加した樹脂に有機ホウ素化合物及び酸性化合物を添加することにより、常温でポットライフが長く可使時問が十分に取れ、且つ硬化反応開始後の強度発現の速い硬化性樹脂組成物を提供することか可能となった。

0006

すなわち、本発明は、
[1] (A)重合性不飽和化合物
(B)ラジカル発生剤触媒と
下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物
一般式(1)

0007

[2] (A)重合性不飽和化合物、
(B)ラジカル発生剤触媒と
一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、及び
(C)可視光重合開始剤を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物、

0008

[3] (A)重合性不飽和化合物、
(B)ラジカル発生剤触媒と
一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、及び
(D)コバルト塩を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物、
[4] (A)重合性不飽和化合物、
(B)ラジカル発生剤触媒と、
一般式(1)で表される有機ホウ素化合物からなる重合開始剤、
(C)可視光重合開始剤及び(D)コバルト塩を組み合わせた組成物に酸性化合物を配合するかまたは(A)酸性の重合性不飽和化合物を配合することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物、

0009

[5]可視光重合開始剤がアシルホスフィンオキサイド系化合物である前記[2]または[4]に記載の常温硬化性樹脂組成物、
[6]重合性不飽和化合物(A)100重量部に対し、可視光重合開始剤(C)を0.1ないし5重量部配合した前記[2]または[4]に記載の常温硬化性樹脂組成物、

0010

[7]重合性不飽和化合物(A)が、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及びウレタンアクリレート樹脂の内の少なくとも1種からなる酸価が0ないし100の重合性不飽和化合物である前記[1]ないし[4]のいずれかに記載の常温硬化性樹脂組成物、
[8]一般式(1)で示される有機ホウ素化合物1重量部に対し、添加する酸性化合物が重量比で50倍以下であり、有機ホウ素化合物と添加する酸性化合物の合計量とラジカル発生剤の比が重量比で1:20ないし20:1である重合開始剤(B)を重合性不飽和化合物(A)100重量部に対し0.1ないし7重量部配合した前記[1]ないし[4]のいずれかに記載の常温硬化性樹脂組成物、
[9] ラジカル発生剤触媒がパーオキシエステル系化合物である前記[1]ないし[4]のいずれかに記載の常温硬化性樹脂組成物、

0011

[10] 少なくともラジカル発生剤触媒(B)及び一般式(1)で表される有機ホウ素化合物(B)を添加した重合性不飽和化合物(A液系組成物)及び酸性化合物を添加した重合性不飽和化合物(B液系組成物)とからなる二液常温硬化性樹脂組成物、
[11] ラジカル発生剤触媒(B)及び一般式(1)で表される有機ホウ素化合物(B)が添加されたA液系組成物が、更に可視光重合開始剤(C)および/または重合禁止剤を配合したものである前記[10]に記載の二液硬化性樹脂組成物、
[12] 酸性化合物を添加したB液系組成物が、更に可視光重合開始剤(C)、コバルト塩(D)及び重合禁止剤からなる群の少なくとも一つを配合したB液系組成物である前記[10]に記載の二液硬化性樹脂組成物、
[13] A液系組成物とB液系組成物の合計量において、一般式(1)で示される有機ホウ素化合物1重量部に対し、酸性化合物50重量部以下、有機ホウ素化合物と酸性化合物の合計量とラジカル発生剤の比が重量比で1:20ないし20:1である重合開始剤を重合性不飽和化合物100重量部に対し0.1ないし7重量部配合した前記[10]に記載の二液硬化性樹脂組成物、
[14] ラジカル発生剤触媒がパーオキシエステル系化合物であ前記[10]ないし[13]のいずれかに記載の常温硬化性樹脂組成物。
[15] 重合性不飽和化合物を等量に2つに分け、これをそれぞれA液系組成物及びB液系組成物の材料として使用した前記[10]ないし[14]のいずれかに記載の二液常温硬化性樹脂組成物、及び

0012

[16] 前記[10]ないし[15]のいずれかに記載のパーオキシエステル系のラジカル発生剤触媒(B)、一般式(1)で表される有機ホウ素化合物(B)を添加した重合性不飽和化合物(A液系組成物)と酸性化合物を添加した重合性不飽和化合物(B液系組成物)とを混練することを特徴とする二液常温硬化性樹脂組成物の硬化方法、を開発することにより上記の課題を解決した。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明では不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂(以下、これら樹脂を一括して「樹脂等」と呼ぶこともある)のうち、少なくともその一つを使用することが好ましい。本発明に使用する不飽和ポリエステル樹脂とは、多価アルコール不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物不飽和ポリエステル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したもので、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂である。またビニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれ、一般にグリシジル基エポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物カルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った化合物(ビニルエステル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したもので、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂である。

0014

不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる不飽和ポリエステルとしては、公知の方法により製造されたもので良い。具体的にはフタル酸イソフタル酸テレフタル酸テトラヒドロフタル酸アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物とフマル酸マレイン酸イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物を酸成分とし、これとエチレングリコールプロピレングリコールジエチレングリコールジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、l,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ブロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのブロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアルコール成分として反応させて製造されるものである。

0015

またビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート系樹脂)の原料として用いられるビニルエステルとしては、公知の方法により製造されるものであり、エポキシ樹脂不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるエポキシメタアクリレート、あるいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和ジカルボン酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルにエポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステル基を反応させて得られる飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルのポリエステル(メタ)アクリレートである。原料としてのエボキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。

0016

末端カルボキシルポリエステルに用いる飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスエノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールが挙げられる。

0017

ポリエステル(メタ)アクリレートの製造に用いるエポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。

0018

樹脂等に用いられる不飽和ポリエステルあるいはビニルエステルは、不飽和度の比較的高いものが好ましく、不飽和基当量(不飽和基1個当たり分子量)が100ないし800程度のものを用いる。不飽和基当量が100未満のものは合成ができない。しかし不飽和基当量が800を超えると高硬度硬化物が得られない。本発明において使用される不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、通常、前記の不飽和ポリエスエルあるいはビニルエステルにスチレンモノマーを配合したものであり、本発明の樹脂等に配合されるスチレンモノマーは樹脂の粘度を下げコンクリート等への含浸性を高め、硬度、強度、耐薬品性耐水性等を向上させるために重要であり、不飽和ポリエステルあるいはビニルエステル100重量部に対して10ないし250重量部、好ましくは20ないし100重量部使用される。使用量が10重量部未満では、高粘度のため作業性、含浸性が悪化し、250重量部を超える量では、充分な塗膜硬度が得られず、耐薬品性、耐水性等が不足し、ブライマーとして好ましくない。この場合、スチレンモノマーの一部または全部を、クロルスチレン、ビニルトルエンジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマーや、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど他の重合性モノマーを本発明の主旨を損なわぬ範囲で代替し、使用することも可能である。

0019

更に重合性不飽和化合物として用いられるウレタンアクリレートとは、ポリイソシアネートを、ポリエーテルポリオールポリエステルポリオールポリアクリルポリオール及びヒドロキシアルキルアクリレートなどのポリオールと反応させて得られる公知のオリゴマー樹脂である。

0020

本発明で使用されるラジカル発生剤触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタールハイドロパーオキサイドジアリールパーオキサイドジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート分類される有機過酸化物が好ましく、また加熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤としてはアゾ化合物も有効である。有機過酸化物の具体例としては、例えばベンゾイルパーオキサイドジクミルパーオキサイドジイソプロピルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)へキシン−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイドジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどが使用できる。保存安定性が良好なジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどは特に有効であリ、アゾ化合物の具体例としてはアゾビスイソブチロニトリルアゾビスカルボン酸アミドなどが有効である。

0021

また、本発明で使用される常温硬化系としては、公知であるケトンパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、パーオキシエステルと還元剤の組み合わせ、ジアシルパーオキサイドと還元剤の組み合わせが挙げられ、還元剤としての具体例としては、ナフテン酸コバルトオクチル酸コバルト等のコバルト塩、五酸化バナジウム等のバナジウム化合物ナフテン酸銅などの銅塩ジメチルアニリン等のアミン類等が挙げられる。中でもtert−ブチルパーベンゾエート、tert−ヘキシルパーベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレートなどに代表されるパーオキシエステルとナフテン酸コバルトに代表されるコバルト塩の組み合わせが、両者を混合した時のポットライフが長い点、また二液混合型樹脂組成物とした時にラジカル発生剤を添加した樹脂組成物のシェルフライフの長い点などから特に有効である。

0022

本発明に使用される有機ホウ素化合物は、一般式(1)

0023

上記一般式(1)におけるR1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立してアルキル基アリール基アラルキル基アルケニル基アルキニル基シリル基複素環基またはハロゲン原子を表すが、ハロゲン原子以外はそれぞれ置換基を有していてもよい。上記のアルキル基とは置換または無置換のアルキル基であり、具体的にはメチル基エチル基プロピル基イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基ヘプチル基オクチル基、ドデシル基シクロペンチル基、シクロヘキシル基、3−メトキシプロピル基、4−クロロブチル基、2−ジエチルアミノエチル基等が挙げられる。アリール基とは置換または無置換のアリール基であり、具体的にはフェニル基トリル基キシリル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ジエチルアミノフェニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、ビフェニル基ナフチル基、4−メチルナフチル基などが挙げられる。

0024

アラルキル基とは置換あるいは無置換のアラルキル基であり、具体的にはベンジル基フェネチル基、プロピオフニル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、p−メトキシベンジル基などが挙げられる。アルケニル基とは置換または無置換のアルケニル基であり、具体的にはビニル基プロペニル基ブテニル基ペンテニル基ヘキセニル基、ヘプテニル基オクテニル基、ドデシネル基、プレニル基などが挙げられるが、炭素数2〜12のものが好ましい。アルキニル基とは置換または無置換のアルキニル基であり、具体的にはブチニル基、ペンチニル基、へキシニル基、オクチニル基等が挙げられるが、炭素数4〜12のものが好ましい。

0025

シリル基とは置換または無置換のシリル基であり、具体的にはシリル基、トリメチルシリル基トリエチルシリル基ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。複素環基とは置換または無置換の複素環基であり、具体的にはピリジル基キノリル基、メチルピリジル基、インドリル基イミダゾリル基トリアジル基、チエニル基等が挙げられる。一般式(1)の陰イオン部の具体例としては、n−ブチルトリフェニルボレートn−オクチルトリフェニルボレート、n−ドデシルトリフェニルボレート、secーブチルトリフェニルボレート、tert−ブチルトリフェニルボレート、ベンジルトリフェニルボレート、n−ブチルトリアニシルボレート、n−ブチルトリ(1−ナフチル)ボレート、n−ブチルトリ(4−メチルナフチル)ボレート、メチルトリ(1−ナフチル)ボレート、テトラn−ブチルボレート、テトラベンジルボレート、ジn−ブチルジフェニルボレート、トリメチルシリルトリフェニルボレート、トリフェニルシリルトリフェニルボレート、トリイソブチルフェニルボレート等が挙げられる。

0026

一般式(1)における陽イオン「Z+ 」の例としては、可視光及び近赤外光領域感光性を有しない4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニウム陽イオン、キノリニウム陽イオン、ジアゾニウム陽イオン、テトラゾニウム陽イオン、ホスホニウム陽イオン、(オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウムカリウムリチウムマグネシウムカルシウム等の金属陽イオンフラビリウム、ピラニウム塩等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピニウム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオンヨードニウム等のハロゲン陽イオン、砒素、コバルト、パラジウムクロムチタン、スズ、アンチモン等の金属化合物の陽イオンなどを挙げることができる。

0027

本発明で使用される酸性化合物とは、たとえば一般にブレンステッド酸として知られている無機酸、例えば塩酸硫酸硝酸など、あるいは有機酸である酢酸プロピオン酸、マレイン酸、アジピン酸、(メタ)アクリル酸、安息香酸フタル酸類などのカルボン酸類p−トルエンスルホン酸メタンスルホン酸トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類等が挙げられる。またフェノールアルコール類などの水酸基含有化合物、各種チオル類などのメルカプト基を有する化合物、及びルイス酸として知られる電子対を受け取って共有結合を作り得る物質、例えば塩化アルミニウム塩化第二スズ三塩化ホウ素、三臭化ホウ素などを用いることが出来る。これらの酸については、例えばモリソン・ボイド著「有機化学」第3版43頁に詳細な説明がある。また常温硬化性樹脂組成物の原料である重合性不飽和化合物自体が酸性であっても良く、更にこれ以外にも酸性イオン交換樹脂カーボンブラックアルミナなど固体表面に酸性の活性点を有する物質、あるいは塩化水素亜硫酸ガスなどの酸性気体化合物も用いることが出来る。重合性不飽和化合物自身が酸性である場合は酸価が100mgKOH/g以下、好ましくは50mgKOH/g以下である。酸価が100mgKOH/gより大きい時は十分に可使時間が取れなくなる。 これらの酸性化合物の中で、(無水)マレイン酸、フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸などの重合性不飽和基を有する酸性化合物あるいはそれらの官能基を有するオリゴマーあるいはポリマー類などが好んで用いられる。

0028

またそのもの自体は酸性物質ではなく、加熱、空気中の水分、酸素などの作用により分解あるいは反応して酸性化合物を発生する化合物も本発明の酸性化合物に該当する。また光照射により分解して酸性化合物を発生する物質も知られており、例えば光カチオン重合開始剤と呼ばれている化合物も本発明の酸性化合物に該当する。光カチオン開始剤は、ジアゾニウム化合物スルホニウム化合物ヨードニウム化合物金属錯体化合物など様々な化合物が知られており、「機能材料」1985年10月号5頁、「UV・EB硬化技術の応用と市場シーエムシー社1989年発行78頁などに詳細な記述がある。

0029

これらの潜在性酸性化合物と呼ぶべき化合物の中では、入手容易性経済性、組成物中の安定性、操作性などを案すると光あるいは熱によって酸を発生する化合物が望ましい。さらに好ましくは熱酸発生化合物であり特に加熱により分解して酸を発生する有機スルホニウム化合物が好適である。有機スルホニウム化合物は一般に3個の置換基(アルキル基、アリール基など)を有するスルホニウム陽イオン部分と対イオンである陰イオンとのイオン対から構成されるが、化合物の安定性、酸性化合物の発生能、発生する酸性化合物の酸強度などの観点からスルホニウム塩の置換基の、少なくとも1個が(置換)フェニル基、(置換)ナフチル基などのアリール基であることが望ましい。例えばトリフェニルスルホニウムジフェニルメチルスルホニウムなどの陽イオン部分を持つスルホニウム化合物が挙げられる。

0030

開始剤を配合した樹脂組成物の可使時間が十分に必要とされる場合などは、有機ホウ素化合物と酸性化合物が重合開始剤配合時に接触することは好ましくないので、酸性化合物、すなわち熱あるいは光などの刺激によって酸性化合物を放出または産生する化合物を用いることが望ましい。

0031

有機ホウ素化合物およびラジカル発生剤触媒を含めた重合開始剤と酸性化合物の合計の添加量は、重合性不飽和化合物100重量部に対して0.lないし7重量部、好ましくは0.5ないし5重量部である。重合開始剤等の添加量が0.1重量部より少ない場合は、速やかにかつ十分に硬化ができず、また重合開始剤等の添加量が7重量部を越えて使用した時は、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。

0032

重合開始剤中の有機ホウ素化合物+酸性化合物の合計とラジカル発生剤触媒の組成比は、重量比で1:20ないし20:1、好ましくは1:4ないし4:1である。有機ホウ素化合物+酸性化合物の配合比率がこの配合比よりも少なすぎる場合は、十分に硬化ができず、また有機ホウ素化合物+酸性化合物がこの比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、十分な硬化度がすぐに得られない。また、ラジカル発生剤触媒の添加量がこの比率よりも少なすぎる場合は、十分に硬化ができず、またラジカル発生剤触媒がこの比率よりも多すぎる場合はシェルフライフが短くなる。またコバルト塩などの還元剤を併用する場合の重合開始剤中の有機過酸化物とコバルト塩の比は1:20ないし20:1、好ましくは1:4ないし4:1である。コバルト塩がこの比率よりも少な過ぎる場合は常温硬化が遅くなり、またコバルト塩がこの比率よりも多過ぎる場合は経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。

0033

重合開始剤中の有機ホウ素化合物1重量部に対する酸性化合物の配合量は50重量部以下、好ましくは10重量部以下である。重合性不飽和化合物が十分な酸性を有する時は良いが、酸性度が強過ぎる時は、十分に硬化ができず、また酸性が不十分な時は有機ホウ素化合物の使用量が多くなり、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。また、重合性不飽和化合物が酸性化合物をあらかじめ含有する場合、酸性化合物としては不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂に含まれる(無水)マレイン酸、フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、末端にそれらカルボン酸のカルボキシル基を有するオリゴマー、あるいはポリマーであってもよく、また重合性不飽和化合物に任意の酸性化合物を添加した形のものであっても良い。この場合、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂としての酸価が0.1ないし100、好ましくは5ないし50である。

0034

本発明において可視光とは380〜780nmの波長領域の光線を示し、本発明で使用される可視光重合開始剤とは、可視光領域に感光性を有する化合物を指す。可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤としては、例えば山岡ら、「表面」,27(7),548(1989)、佐ら、「第3回ポリマー材料フオ一ラム要旨集」、1BP18(1994)に記載のカンファキノン、ベンジル、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドメチルチオキサントンジシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の他、ラジカル発生剤触媒/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、ビイミダゾールケト化合物、へキサアリールビイミダゾール/水素供与性化合物メルカプトベンゾチアゾールチオピリリウム塩、金属アレーンシアニン色素の他、特公昭45−37377号公報に記載のへキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合開始剤系を挙げることができる。

0035

本発明で使用されるアシルホスフィンオキサイドは、一般式(2)または(3)で示される。
一般式(2);

0036

一般式(3);

0037

本発明で用いられる一般式(2)のビスアシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。

0038

本発明で用いられる一般式(3)のアシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル等を挙げることができる。

0039

具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン商品名:Darocur1173、チバスシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)を75%/25%の割合で混合した商品名イルガキユア−1700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:イルガキユア−184、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)を75%/25%の割合で混合した商品名イルガキユア−1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、50%/50%の割合で混合した商品名イルガキユア−1850(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキユア−819、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名LucirinTPO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur 1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製)を50%/50%の割合で混合した商品名Darocur 4265などがある。380〜780nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であれば良く、それらを組合わせて使用しても良い。

0040

可視光重合開始剤の添加量は、重合性不飽和化合物100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。可視光重合開始剤の添加量がこれより少なすぎる場合は、十分に表面が乾燥できず、また可視光重合開始剤の添加量がこの比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などか起こる。本発明に使用される可視光照射のための光源としては、380〜780nmの波長領域の光を出す光源であればよく、例えばメタルハライドランプキセノンランプ近赤外光ランプナトリウムランプハロゲンランプ白熱灯陽光ランプ、太陽光等を使用することができる。また、各種ランプを組み合わせて使用することもできる。屋外の作業では特に太陽光が有効である。また、より速い乾燥速度を得るためにはエネルギー順位の高い短波長の領域の光も有効である。可視光重合開始剤を添加することにより光照射で硬化が更に促進され、また空気に接した表面の乾燥性を向上した硬化性樹脂組成物とすることができる。

0041

本発明において、二液混合型樹脂組成物は、上記の重合開始剤を予め以下のように重合性不飽和化合物に配合したA液系及びB液系とからなり、このA液系及びB液系を任意の組み合わせで混合して使用する。すなわちA液系には有機ホウ素化合物およびラジカル発生剤触媒を、B液系には酸性化合物を添加する。A液系のラジカル発生剤触媒に高温で分解するものを使用すればA液系、B液系の樹脂組成物のシェルフライフは常温で3ヶ月以上ある。特に好ましくはA液系には重合禁止剤を組み合わせることによりシェルフライフを長くすることができる。なおこのA液系とB液系の組成の組み合わせは、A1液としてラジカル発生剤触媒+有機ホウ素化合物を、B1液として酸性化合物を配合したものの組み合わせ;A2液としては、ラジカル発生剤触媒+有機ホウ素化合物+可視光重合開始剤を、B2液としては酸性化合物を配合したものの組み合わせ;A3液としてA1液に重合禁止剤を、B3液にはB2液にコバルト塩を配合したものの組み合わせ;A4液にはA2液に重合禁止剤を、B4液にはB3液に重合促進剤を配合したものの組み合わせ;を使用する。

0042

光硬化性を付与しようとする時にはA2液またはA4液の組成のものを、シェルフライフの長いものが必要な時にはA3液またはA4液を、反応性の早いものが必要な時にはコバルト塩の配合されたB3液、B4液を選択するなど組み合わせに自由度が高い。なお重合促進剤はB4液にだけ配合されているが、必要に応じてB1液、B2液またはB3液に配合して使用することも自由である。特に有機過酸化物触媒と還元剤を組み合わせたレドックス系触媒を用いた常温硬化系[A3+B3系またはA4+B4系]にする場合は、特にA液系にパーオキシエステル、B液系にコバルト塩などの還元剤の添加が有効であり、A液、B液単独のシェルフライフの長さ、ポットライフの長さ、硬化反応開始後の強度発現の速さの点でA1+B1系あるいはA2+B2系に比して有効である。

0043

さらに本発明では、A液系に公知の重合禁止剤、例えばハイドロキノン類を添加してシェルフライフを延長し、B液系には公知の重合促進剤、例えばアセト酢酸エチル、ジメチル−p−トルイジン、特開平4−239013号公報に記載のN−アセトアセトイル化合物を添加することにより、A液系及びB液系それぞれの単独のシェルフライフ、A液系とB液系とを混合した場合のポットライフ、硬化速度の調整をすることもできる。重合禁止剤または重合促進剤を使用する場合の添加量は樹脂100重量部に対して0.01ないし5.0重量部程度である。本発明の二液硬化性樹脂組成物においては、有機ホウ素化合物+酸性化合物とラジカル発生剤触媒を別々に配合することにより、重合開始剤を添加した1:1混合型硬化性樹脂組成物であっても、樹脂組成物のシェルフライフも長く、二液を混合したときのポットライフか長く可使時間が十分に取れ、且つ硬化反応開始後の強度発現も速い硬化性樹脂組成物を形成する。

0044

以下に示す実施例、比較例により、本発明の内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重量基準を示す。

0045

(実施例1)ビニルエステル樹脂:商品名リポキシR−802(昭和高分子(株)製)100部に、パーオキシエステル系有機過酸化物触媒:商品名パーへキシルI(日本油脂(株)製):3部、有機ホウ素化合物:テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチル−トリフェニルボレート(昭和電工(株)製、以下P3Bと略す):1.0部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加し、リポキシR−802−Aとした。次に、リポキシR−802:100部に酸性化合物である末端マレイン酸オリゴマー:商品名MK−1(昭和高分子(株)製)8部を添加してリポキシR−802−Bとし、リポキシR−802−AとリポキシR−802−B単独の25℃でのシェルフライフを調ベ、さらにリポキシR−802−AとリポキシR−802−Bを重量比で1:1で混合してJlS K−6901による常温での硬化性(ゲル化時間GT、最小硬化時間:CT、最高発熱温度:ET)及び混合してから8時間後の注型品物性値を測定した。結果は表1に示した。

0046

(実施例2)リポキシR−802:100部に、重合禁止剤としてトリメチルハイドロキノン:200ppm、パーオキシエステル系有機過酸化物触媒パーブチルZ(日本油脂(株)製):4部、P3B:3部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加し、リポキシR−802−Aとした。次に、リポキシR−802:100部に、MK−1:7部、オクチル酸コバルト:1.5部、重合促進剤ジメチル−p−トルイジン:0.1部を添加してリポキシR−802−Bとし、リポキシR−802−AとリポキシR−802−B単独の25℃でのシェルフライフを調ベ、さらにリポキシR−802−AとリポキシR−802−Bを重量比で1:1で混合してJlS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。これより、混合前のシエルフライフが長く、且つ混合後の可使時間も長く、硬化物の強度も短時間で実用レベルに達することができた。

0047

(比較例1)リポキシR−802:100部に、P3B:2.0部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加し、リポキシR−802−Aとした。次に、リポキシR−802:100部に酸性化合物である末端マレイン酸オリゴマー:商品名MK−1(昭和高分子(株)製)8部を添加してリポキシR−802−Bとし、リポキシR−802−AとリポキシR−802−B単独の25℃でのシェルフライフを調べ、リポキシR−802−AとリポキシR−802−Bを重量比で1:1で混合してJIS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。

0048

(比較例2)リポキシR−802:100部に、重合禁止剤としてトリメチルハイドロキノン:200ppm、パーブチルZ:4部を添加し、リポキシR−802−Aとした。次に、リポキシR−802:100部に、オクチル酸コバルト:1.5部、重合促進剤ジメチルーp−トルイジン:0.1部を添加してリポキシR−802−Bとし、リポキシR−802−AとリポキシR−802−B単独の25℃でのシェルフライフを調べ、さらにリポキシR−802−AとリポキシR−802−Bを重量比で1:1で混合してJIS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。

0049

(実施例3)不飽和ポリエステル樹脂:リゴラック1557(昭和高分子(株)製)100部にグリシジルメタクリレート:5部、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール:2部、メチルハイドロキノン:0.03部添加し、120℃で3時間撹絆してグリシジルメタクリレートとリゴラック1557のカルボキシル基と反応させ、酸価=1mgKOH/gとした樹脂:100部にパーオキシエステル系有機過酸化物触媒:商品名パーへキシルZ(日本油脂(株)製):4部、重合禁止剤としてトリメチルハイドロキノン:200ppm、P3B:3.0部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加し、リゴラック1557−Aとした。次にリゴラック1557(酸価20mgKOH/g)100部に、オクチル酸コバルト:1.5部、重合促進剤アセト酢酸エチル:0.1部を添加してリゴラック1557−Bとし、リゴラック1557−Aとリゴラック1557−B単独の25℃でのシェルフライフを調ベ、さらにリゴラック1557−Aとリゴラック1557−Bを重量比で1:1で混合してJIS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。

0050

(実施例4)ウレタンアクリレート樹脂:FM−1600(昭和高分子(株)製)100部にパーへキシルZ:4部、重合禁止剤としてトリメチルハイドロキノン:200ppm、P3B:3.0部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加しFM−1600−Aとした。次にFM−1600:100部に酸性化合物であるp−トルエンスルホン酸:5部、ナフテン酸コバルト:1.5部、重合促進剤アセト酢酸エチル:0.1部を添加してFM−1600−Bとし、FM−1600−AとFM−1600−B単独の25℃でのシェルフライフを調ベ、さらにFM−1600−AとFM−1600−Bを重量比で1:1で混合してJIS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。

0051

(比較例3)実施例3と同じ樹脂にケトンパーオキシド系の有機過酸化物触媒:商品名パーメックN(日本油脂(株)製):2部、重合禁止剤としてトリメチルハイドロキノン:200ppmを添加し、リゴラック1557−Aとした。次にリゴラック1557に100部に、オクチル酸コバルト:1.5部、重合促進剤ジメチル−p−トルイジン:0.1部を添加してリゴラック1557−Bとし、リゴラック1557−Aとリゴラック1557−B単独の25℃でのシェルフライフを調ベ、さらに1557−Aと1557−Bを重量比で1:1で混合してJIS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。

0052

(比較例4)実施例4と同じ樹脂にパーメックN:2部、重合禁止剤としてトリメチルハイドロキノン:200ppmを添加し、FM−1600−Aとした。次にFM−1600:100部にナフテン酸コバルト:1.5部、重合促進剤ジメチルーp−トルイジン:0.1部を添加してFM−1600−Bとし、FM−1600−AとFM−1600−B単独の25℃でのシェルフライフを調べ、さらにFM−1600−AとFM−1600−Bを重量比で1:1で混合してJlS K−6901による常温での硬化性、及び混合してから15時間後の注型品の物性値を測定した。結果は表1に示した。

0053

ID=000008HE=150 WI=106 LX=0520 LY=0550
ID=000009 HE=140 WI=101 LX=0545 LY=0300

0054

(実施例5)
[常温でのFRPライニング施工]
プライマーの塗布及び硬化条件)ビニルエステル樹脂、商品名リポキシR−806(昭和高分子(株)製):100部、リポキシR−803AT:40部、スチレンモノマー70部からなる混合物の100部にP3B:4部、パーブチルZ:2部を添加したものをプライマーAとし、リポキシR−806:100部、リポキシR−803AT:40部、スチレンモノマー70部からなる混合物の100部にMK−1:7部、ナフテン酸コバルト:1.5部添加したものをプライマーBとした。プライマーAおよびプライマーBの常温でのシェルフライフは2ケ月以上であった。次に、プライマーAとプライマーBを重量比で1:1で混合したものを、常温型プライマーとし、30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板の上面(30cm×30cm)に0.2kg/m2 となるようにハケで塗布し、常温で放置したところ3時間後に硬化した。

0055

不陸調整)次に、硬化したプライマー面の不陸調整のために、リポキシパテFM(昭和高分子(株)製)100部にP3B:3部、パーブチルZ:3部を添加したものをリポキシパテAとし、リポキシパテFM:100部にMK−1:6部、ナフテン酸コバルト:2部添加したものをリポキシパテBとした。リポキシパテAおよびリポキシパテBの常温でのシェルフライフは2ケ月以上であった。次にリポキシパテAとリポキシパテBを重量比で1:1で混合したものを、0.2kg/m2 となるように薄く塗布して放置したところ3時問で指触乾燥、4時間で硬化した。

0056

(FRPライニング)不飽和ポリエステル樹脂、商品名リゴラックFK−2000(昭和高分子(株)製、酸価=16mgKOH/g):100部に、グリシジルメタクリレート:5部、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール:2部、メチルハイドロキノン:0.03部添加し、120℃で3時間撹拌してグリシジルメタクリレートとリゴラックFK−2000のカルボキシル基と反応させ、酸価=1mgKOH/gとした樹脂:100部に、P3B:4部、パーブチルZ:3部を添加したものをリゴラックFK−2000−Aとし、リゴラックFK−2000(酸価=16mgKOH/g):100部にナフテン酸コバルト:2部添加したものをリゴラックFK−2000−Bとした。リゴラックFK−2000−AおよびリゴラックFK−2000−Bの常温でのシェルフライフは2ケ月以上であった。次に、ガラス繊維#450チョップドストランド(旭ファイバーグラス(株)製)2plyに、リゴラックFK−2000−AとリゴラックFK−2000−Bを重量比で1:1で混合したものをガラスコンテントが約30Wt%になるように含浸させパテ硬化面上に積層したところ3時間で指触乾燥、4時間で硬化した。

0057

接着性テスト)硬化の状態を確認するためにADHESION TESTERelcometerを使用して接着面積4.9cm2 で、プライマーを塗布してから12時間後の接着強度及びその破壊状況を調べたところ、接着強度は30kgf/cm2で、コンクリート母材破壊でありコンクリートを約10mm程度剥離させた。現場でラジカル発生剤触媒を添加せず、重量比で1:1の混合比で容易に調合できる安定性良好なFRPライニング用重合性組成物を得た。

0058

(比較例5)実施例5と同じ樹脂をパーメックN/ナフテン酸コバルトでポットライフを2時間程度に調整して実施したところ、プライマーの乾燥には8時間、パテの乾燥には6時間、FRPライニング層の硬化には6時間かかった。施工開始から12時間後の強度測定は出来なかった。

0059

(実施例6)
(FRP成形)不飽和ポリエステル樹脂:リゴラック1557(昭和高分子(株)製)(酸価20mgKOH/g)100部に、パーオキシエステル系有機過酸化物触媒:商品名パーブチルZ(日本油脂(株)製):2部、可視光重合開始剤:商品名イルガキュア1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製、以下I−1800と略す)1.0部、ナフテン酸コバルト:1.0部、有機ホウ素化合物:テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチル−トリフェニルボレート(昭和電工(株)製、以下P3Bと略す。):1.0部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加したものをガラス繊維#450チョップドストランド(旭ファイバーグラス(株)製)3plyにガラスコンテントが約30wt%になるように積層したところ、樹脂の可使時間が1.5時間あり、2時間で硬化したこのFRPを35μW/cm2 (380〜450nm)の照度の室内に置いたところ積層を開始してから約4時間で表面が指触乾燥しアセトンで拭いてもべとつきはなかった。積層を開始してから8時間後のFRP物性値を測定した。結果を表2に示す。

0060

(比較例6)不飽和ポリエステル樹脂:リゴラック1557(酸価20mgKOH/g)100部に、ケトンパーオキシド系の有機過酸化物触媒:商品名パーメックN(日本油脂(株)製):1部、ナフテン酸コバルト:0.5部を添加したものをガラス繊維#450チョツプドストランド3plyにガラスコンテントが約30wt%になるように積層したところ、1時間で硬化し、2時間後に指触乾燥した。しかし、アセトンで拭くとべとつきは残ったままだった。積層を開始してから8時間後のFRP物性値を測定した。結果を表2に示す。

0061

(実施例7)ビニルエステル樹脂、商品名リポキシR−806(昭和高分子(株)製):100部にパーブチルZ:2部、I−1800:1.0部、ナフテン酸コバルト:1.0部、酸性化合物である末端マレイン酸オリゴマーMK−1(昭和高分子(株)製):3.5部、P3B:1.0部をN−メチルピロリドン40%溶液として添加したものをガラス繊維#450チョップドストランド3plyにガラスコンテントが約30wt%になるように積層したところ樹脂の可使時間は2時間あり、3時間で硬化した。次に、室内から屋外の直射日光下にこのFRPを置いたところ、10分間で表面は指触乾燥しアセトンで拭いてもべとつきはなかった。積層を開始してから8時間後のFRP物性値を測定した。結果を表2に示す。

0062

(比較例7)ビニルエステル樹脂、リポキシR−806:100部にパーメックN:1.0部、、ナフテン酸コバルト:0.5部を添加したものをガラス繊維#450チョップドストランド3plyにガラスコンテントが約30wt%になるように積層したところ、1時間で硬化し翌日には表面も乾燥したが、アセトンで拭くとべとつきは残ったままだった。積層を開始してから8時間後のFRP物性値を測定した。結果を表2に示す。

0063

0064

(実施例8)(屋外の常温でのFRPライニング施工)
(プライマーの塗布及び硬化条件)ビニルエステル樹脂、商品名リポキシR−806(昭和高分子(株)製):100部、リポキシR−803AT:40部、スチレンモノマー70部からなる混合物の100部にP3B:4部、パーブチルZ:2部、I−1800:2部を添加したものをプライマーAとし、リポキシR−806:100部、リポキシR−803AT:40部、スチレンモノマー70部からなる混合物の100部にMK−1:7部、ナフテン酸コバルト:1.5部添加したものをプライマーBとした。プライマーAおよぴプライマーBの常温でのシェルフライフは2ケ月以上であった。次に、プライマーAとプライマーBを重量比で1:1で混合したものを常温型プライマーとし、屋外の日陰において、30cm×30cm×6cmのコンクリート歩道板の上面(30cm×30cm)に0.2Kg/m2 となるようにハケで塗布し、常温で放置したところ表面は2.5時間後に乾燥した。

0065

(不陸調整)次に、硬化したプライマー面の不陸調整のために、リポキシパテFM(昭和高分子(株)製)100部にP3B:3部、パーブチルZ:3部、I−1800:2部を添加したものをリポキシパテAとし、リポキシパテFM:100部にMK−1:6部、ナフテン酸コバルト:2部添加したものをリポキシパテBとした。リポキシパテAおよびリポキシパテBの常温でのシェルフライフは2ケ月以上であった。次にリポキシパテAとリポキシパテBを重量比で1:1で混合したものを屋外の日陰において、0.2Kg/m2 となるように薄く塗布して放置したところ2時間で指触乾燥、3時間で硬化した。

0066

(FRPライニング)不飽和ポリエステル樹脂、商品名リゴラックFK−2000(昭和高分子(株)製、酸価=16mgKOH/g):100部に、グリシジルメタクリレート:5部、トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール:2部、メチルハイドロキノン:0.03部添加し、120℃で3時間撹絆してグリシジルメタクリレートとリゴラックFK−2000のカルボキシル基と反応させ、酸価=1mgKOH/gとした樹脂:100部に、P3B:4部、イルガキュア1800:2部、パーブチルZ:3部を添加したものをリゴラックFK−2000−Aとし、リゴラックFK−2000(酸価=16mgKOH/g):100部にナフテン酸コバルト:2部添加したものをリゴラックFK−2000−Bとした。リゴラックFK−2000−AおよびリゴラックFK−2000Bの常温でのシェルフライフは2ケ月以上であった。次に、ガラス繊維#450チョップドストランド2plyに、リゴラックFK−2000−AとリゴラックFK−2000Bを重量比で1:1で混合したものを屋外の日陰において、ガラスコンテントが約30Wt%になるように含浸させパテ硬化面上に積層したところ、2.5時間で指触乾燥、3時間で硬化した。

0067

(接着性テスト)硬化の状態を確認するためにADHESION TESTERelcometerを使用して接着面積4.9cm2 で、プライマーを塗布してから12時間後の接着強度及びその破壊状況を調べたところ、接着強度は28Kgf/cm2で、コンクリート母材破壊でありコンクリートを約8mm程度剥離させた。現場で有機過酸化物触媒を添加せず、重量比で1:1の混合比で容易に調合でき、安定性良好であり、且つ短時間で施工可能なFRPライニング用重合性組成物を得た。

0068

(比較例8)実施例8と同じ樹脂をパーメックN/ナフテン酸コバルトでポットライフを1時間程度に調整して実施したところ、プライマーの乾燥には6時間、パテの乾燥には8時間、FRPライニング層の乾燥には8時間かかったため、施工開始から12時間後の強度測定は出来なかった。

発明の効果

0069

本発明の硬化性樹脂組成物は、FRPのハンドレイアップ成形、建築や土木分野におけFRPライニング施工などにおいて使用するものであり、ポットライフが長く可使時間を十分に取れるだけでなく、硬化反応開始後の強度発現が早い特徴を有している。また一方にラジカル発生剤触媒及び有機ホウ素化合物などを配合したA液系と、他方に酸性化合物あるいはそれとコバルト塩などを配合したB液系とからなる二液タイプの樹脂組成物とした時には、A液系であってもシェルフライフが長く、冷凍保存などをせずに十分に長期にわたり安定貯蔵が可能となり、更に現場での危険な過酸化物の取扱をせずに良く、上記二液を1:1の調合で常温で硬化可能な樹脂組成物とすることができる。特に上記のA液系に可視光重合開始剤を更に配合して使用する時には、光照射することにより表面の乾燥性を向上した硬化性樹脂組成物が得られ、現場での施工において時間を大幅に短縮できる生産性の優れた硬化性樹脂組成物である。

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