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図面 (10)

課題

帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができるようにすること。

解決手段

基材9Aの少なくとも一方の表面に耐擦傷性被膜5Aを積層し、この耐擦傷性被膜5Aの表面を帯電防止被膜3Aにより被覆し、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができるようにしたもの。

概要

背景

近年、LCD、PDP、EL、CRTLED、VFDなどの画像表示装置に使用されるフィルタ電子表示板OA、AV、大型ディスプレイパネルなどに使用される防眩保護フィルタ計測機器類の表示部に使用されるカバー、あるいは、ペン入力コンピュータ用フィルタ、ナビゲーション用フィルタ、干渉縞防止など各種の用途に合成樹脂成型品が用いられている。そして、この種の合成樹脂成型品は、光透過性を備えるとともに、画像表示部の前面における外光反射による不快感あるいは作業能率の低下という問題点に対処するために、ノングレア性と称される反射光による眩しさを抑制することのできるものが用いられている。

このような従来の合成樹脂成型品について、CRT用フィルタを例示して説明すると、従来の合成樹脂成型品としてのCRT用フィルタとしては、樹脂材料基材とし、この基材の表面に微細凹凸を形成したものが知られている。そして、このようなCRT用フィルタは、基材を形成するための樹脂原料を、表面に微細な凹凸を形成した成形型注入あるいは射出し、重合させて硬化することにより製造されている。

概要

帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができるようにすること。

基材9Aの少なくとも一方の表面に耐擦傷性被膜5Aを積層し、この耐擦傷性被膜5Aの表面を帯電防止被膜3Aにより被覆し、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができるようにしたもの。

目的

本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することのできる合成樹脂成型品およびこの合成樹脂成型品を容易に製造する製造方法を提供することを目的としている。

また、本発明は、帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を長期間にわたり保持することのできる合成樹脂成型品およびこの合成樹脂成型品を容易に製造する製造方法を提供することを目的としている。

効果

実績

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請求項1

基材の少なくとも一方の表面に耐擦傷性被膜を積層し、この耐擦傷性被膜の表面を帯電防止被膜により被覆したことを特徴とする合成樹脂成型品

請求項2

前記帯電防止被膜の表面に微細凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂成型品。

請求項3

前記基材、前記帯電防止被膜および前記耐擦傷性被膜は、同質の樹脂を含有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合成樹脂成型品。

請求項4

前記同質の樹脂は、メタクリル酸メチルとされていることを特徴とする請求項3に記載の合成樹脂成型品。

請求項5

前記帯電防止被膜の膜厚は前記耐擦傷性被膜の膜厚より薄くされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の合成樹脂成型品。

請求項6

帯電防止被膜原料を第1鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第1鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない耐擦傷性被膜を形成し、前記耐擦傷性被膜が鋳型の内側に位置するように前記第1鋳型形成材と第2鋳型形成材とをガスケットにより間隔を有するように配設し、前記耐擦傷性被膜、第2鋳型形成材およびガスケットからなる鋳型の内側に基材樹脂原料を充填し、充填された前記基材樹脂原料により前記耐擦傷性被膜を膨潤させることにより基材樹脂原料および耐擦傷性被膜をラジカル重合により十分に重合して一体化することにより合成樹脂成型品を形成することを特徴とする合成樹脂成型品の製造方法。

請求項7

前記第1鋳型形成材の前記帯電防止被膜原料が塗布される表面に微細な多数の凹凸からなる梨地模様をあらかじめ形成したことを特徴とする請求項6に記載の合成樹脂成型品の製造方法。

請求項8

帯電防止被膜原料を第1鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第1鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない第1耐擦傷性被膜を形成し、帯電防止被膜原料を第2鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第2鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない第2耐擦傷性被膜を形成し、前記両耐擦傷性被膜が鋳型の内側に位置するように前記第1鋳型形成材と第2鋳型形成材とをガスケットにより間隔を有するように配設し、前記両耐擦傷性被膜およびガスケットからなる鋳型の内側に基材樹脂原料を充填し、充填された前記基材樹脂原料により前記両耐擦傷性被膜を膨潤させることにより基材樹脂原料および両耐擦傷性被膜をラジカル重合により十分に重合して一体化することにより合成樹脂成型品を形成することを特徴とする合成樹脂成型品の製造方法。

請求項9

前記両鋳型形成材の前記帯電防止被膜原料が塗布される表面の少なくとも一方に多数の凹凸からなる梨地模様をあらかじめ形成したことを特徴とする請求項8に記載の合成樹脂成型品の製造方法。

請求項10

前記基材樹脂原料、前記帯電防止被膜原料および前記耐擦傷性被膜原料は、同質の樹脂を含有していることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の合成樹脂成型品の製造方法。

請求項11

前記同質の樹脂は、メタクリル酸メチルとされていることを特徴とする請求項10に記載の合成樹脂成型品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、合成樹脂成型品およびその製造方法に係り、特に、各種の機器画像表示装置に好適な合成樹脂成型品およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、LCD、PDP、EL、CRTLED、VFDなどの画像表示装置に使用されるフィルタ電子表示板OA、AV、大型ディスプレイパネルなどに使用される防眩保護フィルタ計測機器類の表示部に使用されるカバー、あるいは、ペン入力コンピュータ用フィルタ、ナビゲーション用フィルタ、干渉縞防止など各種の用途に合成樹脂成型品が用いられている。そして、この種の合成樹脂成型品は、光透過性を備えるとともに、画像表示部の前面における外光反射による不快感あるいは作業能率の低下という問題点に対処するために、ノングレア性と称される反射光による眩しさを抑制することのできるものが用いられている。

0003

このような従来の合成樹脂成型品について、CRT用フィルタを例示して説明すると、従来の合成樹脂成型品としてのCRT用フィルタとしては、樹脂材料基材とし、この基材の表面に微細凹凸を形成したものが知られている。そして、このようなCRT用フィルタは、基材を形成するための樹脂原料を、表面に微細な凹凸を形成した成形型注入あるいは射出し、重合させて硬化することにより製造されている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、前述した従来の合成樹脂成型品としてのCRT用フィルタにおいては、このままでは静電気の帯電を防止することができず、この結果、CRT用フィルタに静電気が帯電した場合には、操作者がCRT用フィルタに接触した際の静電気の放電による不快感の発生や、CRT用フィルタにゴミやちりが付着して画像情報が見づらくなり視認性が低下するなどの問題点があった。

0005

また、このような問題点に対処する有効な手段としては、CRT用フィルタの少なくとも微細な凹凸を形成した表面に、静電気の帯電を防止する帯電防止層を形成することが考えられるが、基材の表面に帯電防止層を形成するための帯電防止剤を基材に練り込んだものや、スプレーなどにより製品材料に帯電防止剤を塗布したものは、帯電防止層が剥離しやすく長期間にわたり安定した機能を保持することができないという問題点があった。

0006

一方、合成樹脂は金属と比較して硬度が低いため、合成樹脂成型品の表面を擦ると傷がつきやすく、このため、この種の合成樹脂成型品としては耐擦傷性を有するものが望まれていた。

0007

本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することのできる合成樹脂成型品およびこの合成樹脂成型品を容易に製造する製造方法を提供することを目的としている。

0008

また、本発明は、帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を長期間にわたり保持することのできる合成樹脂成型品およびこの合成樹脂成型品を容易に製造する製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

前述した目的を達成するため請求項1に係る本発明の合成樹脂成型品の特徴は、基材の少なくとも一方の表面に耐擦傷性被膜を積層し、この耐擦傷性被膜の表面を帯電防止被膜により被覆した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができる。

0010

請求項2に係る本発明の合成樹脂成型品の特徴は、帯電防止被膜の表面に微細な凹凸が形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を長期間にわたり保持することができる。

0011

請求項3に係る本発明の合成樹脂成型品の特徴は、基材、帯電防止被膜および耐擦傷性被膜が、同質の樹脂を含有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、帯電防止被膜原料と耐擦傷性被膜原料ならびに基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料を十分に重合させて一体化することができる。

0012

請求項4に係る本発明の合成樹脂成型品の特徴は、同質の樹脂が、メタクリル酸メチルとされている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、耐擦傷性被膜原料の部分的な重合時に残留してつぎの基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料の重合時に寄与することができる。

0013

請求項5に係る本発明の合成樹脂成型品の特徴は、帯電防止被膜の膜厚は前記耐擦傷性被膜の膜厚より薄くされている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ある程度の厚さが必要な耐擦傷性被膜に対して薄くても機能を果たせる帯電防止被膜を薄く形成して、板厚を可級的に薄くすることができる。

0014

請求項6に係る本発明の合成樹脂成型品の製造方法の特徴は、帯電防止被膜原料を第1鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第1鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない耐擦傷性被膜を形成し、前記耐擦傷性被膜が鋳型の内側に位置するように前記第1鋳型形成材と第2鋳型形成材とをガスケットにより間隔を有するように配設し、前記耐擦傷性被膜、第2鋳型形成材およびガスケットからなる鋳型の内側に基材樹脂原料を充填し、充填された前記基材樹脂原料により前記耐擦傷性被膜を膨潤させることにより基材樹脂原料および耐擦傷性被膜をラジカル重合により十分に重合して一体化することにより合成樹脂成型品を形成する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、空気の重合禁止効果を利用して耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜との接合面側から一部重合させることにより、その後、基材樹脂原料および前記耐擦傷性被膜を十分に重合させて強固に一体化して、片面が帯電防止性および耐擦傷性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0015

請求項7に係る本発明の合成樹脂成型品の製造方法の特徴は、第1鋳型形成材の帯電防止被膜原料が塗布される表面に微細な多数の凹凸からなる梨地模様をあらかじめ形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0016

請求項8に係る本発明の合成樹脂成型品の製造方法の特徴は、帯電防止被膜原料を第1鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第1鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない第1耐擦傷性被膜を形成し、帯電防止被膜原料を第2鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第2鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない第2耐擦傷性被膜を形成し、前記両耐擦傷性被膜が鋳型の内側に位置するように前記第1鋳型形成材と第2鋳型形成材とをガスケットにより間隔を有するように配設し、前記両耐擦傷性被膜およびガスケットからなる鋳型の内側に基材樹脂原料を充填し、充填された前記基材樹脂原料により前記両耐擦傷性被膜を膨潤させることにより基材樹脂原料および両耐擦傷性被膜をラジカル重合により十分に重合して一体化することにより合成樹脂成型品を形成する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、両面が帯電防止性および耐擦傷性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0017

請求項9に係る本発明の合成樹脂成型品の製造方法の特徴は、両鋳型形成材の帯電防止被膜原料が塗布される表面の少なくとも一方に多数の凹凸からなる梨地模様をあらかじめ形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、少なくとも一方の表面が帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0018

請求項10に係る本発明の合成樹脂成型品の製造方法の特徴は、基材樹脂原料、帯電防止被膜原料および耐擦傷性被膜原料が、同質の樹脂を含有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、帯電防止被膜原料と耐擦傷性被膜原料ならびに基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料を十分に重合させて一体化することができる。

0019

請求項11に係る本発明の合成樹脂成型品の製造方法の特徴は、同質の樹脂が、メタクリル酸メチルとされている。そして、このような構成を採用したことにより、耐擦傷性被膜原料の部分的な重合時に残留してつぎの基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料の重合時に寄与することができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

図1ないし図7は本発明の実施形態を示すものであり、本実施形態の製造方法により製造される合成樹脂成型品は片面のみが帯電防止性および耐擦傷性を有するものである。

0021

図1において、第1鋳型形成材をなすガラス板1の上面1aには、微細な凹凸からなる模様2があらかじめ形成されている。そこで、このガラス板1の上面1aに、図2に示すように、一例として導電性金属材料アクリル系樹脂などを含む帯電防止被膜原料3を塗布する。なお、前記模様2としては、合成樹脂成型品にノングレア性を得るためには、前述した微細な凹凸からなる模様が必要であるが、罫線、柄、その他の各種模様とすることも可能である。また、ガラス板1の上面1aを平面として、無模様で平滑面からなる帯電防止被膜を形成することも可能である。

0022

ついで、図3に示すように、上面1aに帯電防止被膜原料3を塗布したガラス板1の上方に紫外線(UV)を照射するための複数のメタハライドランプ4,4を配設し、各メタハライドランプ4からの紫外線を前記帯電防止被膜原料3に向けて照射する。このとき、帯電防止被膜原料3の上面を被覆する透明フィルムは配置せず、帯電防止被膜原料3の上面を空気に露出しておく。これは、空気による重合禁止効果を得るためである。

0023

前述したようにして各メタハライドランプ4からの紫外線を前記帯電防止被膜原料3に向けて短時間照射すると、被膜原料3の成分の蒸発が生じるとともに、未硬化膜が形成される。そして、形成された未硬化の帯電防止被膜3Aの膜厚は、ガラス板1上に塗布された帯電防止被膜原料3の膜厚より薄い膜厚とされている。これは、帯電防止被膜原料3の成分がメタハライドランプ4からの紫外線の照射により前述したように一部蒸発するからである。

0024

つぎに、図4に示すように、前記帯電防止被膜3Aの表面上に、一例としてポリエステル系樹脂ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂の混合物を含む耐擦傷性被膜原料5を塗布する。

0025

ついで、図5に示すように、帯電防止被膜3Aの表面に耐擦傷性被覆原料5を塗布したガラス板1の上方に複数のメタハライドランプ4,4を配設し、各メタハライドランプ4からの紫外線を前記耐擦傷性被膜原料5に向けて照射する。このときも、耐擦傷性被膜原料5の上面を被覆する透明フィルムは配置せず、耐擦傷性被膜原料5の上面を空気に露出して、重合禁止効果を得るようにしておく。

0026

前述したようにして各メタハライドランプ4からの紫外線を前記耐擦傷性被膜原料5に向けて照射すると、前記耐擦傷性被膜原料5の上部は、空気による重合禁止効果により重合がそれほど進まず、被膜原料5の成分の蒸発が生じるのに対し、未硬化の帯電防止被膜3Aの近傍となる前記耐擦傷性被膜原料5の下部は空気の影響を受けないので、重合が十分進行して硬化する。

0027

なお、図3について説明したように、帯電防止被膜原料3に対しメタハライドランプ4からの紫外線を短時間照射したうえで、帯電防止被膜3Aの表面に耐擦傷性被膜原料5を塗布しているのは、帯電防止被膜原料3に対し紫外線をしないで、帯電防止被膜原料3の表面に耐擦傷性被膜原料5を塗布すると、帯電防止被膜原料3は凝集や流れを生じ、耐擦傷性被膜原料5に取り込まれてしまい、帯電防止効果を発揮できないからである。

0028

そして、前記各メタハライドランプ4からの紫外線の照射は、前記耐擦傷性被膜原料5の重合により形成される耐擦傷性被膜5Aの上面が爪で傷がつく程度の硬度に達するまで行われる。このとき、重合の進まない前記耐擦傷性被膜原料5の上部の反応度は、60%〜90%未満が好ましく、この範囲内でも、特に65%〜80%が好ましい。

0029

また、形成された耐擦傷性被膜5Aの膜厚は、帯電防止被膜3上に塗布された耐擦傷性被膜原料5の膜厚よりはるかに薄い膜厚とされている。これは、耐擦傷性被膜原料5の成分がメタハライドランプ4からの紫外線の照射により前述したように一部蒸発するからである。

0030

なお、メタハライドランプ4からの最初の紫外線照射により部分的に重合の生じた前記帯電防止被膜3は、図5におけるメタハライドランプ4からの紫外線の照射の際に上方を耐擦傷性被膜原料5に被覆されているので、空気による重合禁止効果が生じないため、その上部が耐擦傷性被膜5Aと一体化するようにして十分に重合することになる。

0031

つぎに、図6に示すように、第2鋳型形成材をなす上面6aが平滑面とされている他のガラス板6を用意し、このガラス板6の上面6aの外周縁弾性変形しうる軟質塩化ビニール製のガスケット7を環状となるように周設し、このガスケット7上に、前記帯電防止被膜3Aおよび耐擦傷性被膜5Aを前記ガラス板1とともに耐擦傷性被膜5Aが下向きとなるように載置する。

0032

そして、鋳型を構成する前記耐擦傷性被膜5A、ガラス板6およびガスケット7により閉鎖された密閉空間8に基材樹脂原料としてのアクリル樹脂モノマ9を充填する。なお、アクリル樹脂モノマに代えてアクリル樹脂部分重合物を用いてもよい。そして、これらの全体を約65℃の温度の水中に約5時間浸漬するか、あるいは、約65℃の温度の空気中に約2〜5時間放置し、その後、約120℃の温度の熱風循環炉(図示せず)内で約2時間加熱し、充填されたアクリル樹脂モノマ9により未重合の耐擦傷性被膜原料5を膨潤してアクリル樹脂モノマ9および耐擦傷性被膜原料5をラジカル重合により十分に重合する。

0033

すると、前記アクリル樹脂モノマ9が十分な硬度を有する基材9Aとなり、この基材9A上には、十分な強度を有し表面を前記帯電防止被膜3Aに被覆されている耐擦傷性被膜5Aが一体的に積層されることになる。しかも、耐擦傷性被膜5Aの表面には微細な凹凸模様10が形成されて全体として梨地模様を構成しているので、完成した合成樹脂成型品11は、耐擦傷性のほかノングレア性をも有している。

0034

なお、十分硬化した帯電防止被膜3Aおよび基材9Aは、両ガラス板1,6から簡単に剥離される。

0035

このようにして製造された合成樹脂成型品11は、表面を導電性を有する帯電防止被膜3Aにより被覆されているので、静電気の帯電を防止することができ、この合成樹脂成型品11を使用したCRT用フィルタなどに静電気が帯電しゴミやちりが付着して画像情報が見づらくなるおそれがない。また、前記帯電防止被膜3Aには、微細な凹凸模様10が形成されているので、ノングレア性を有することになるし、前記帯電防止被膜3Aの背部に位置する耐擦傷性被膜5Aが耐擦傷性を有しているので、本実施形態の合成樹脂成型品11はOA機器用のフィルタとして好適である。

0036

なお、帯電防止被膜3Aの膜厚は1μm未満と耐擦傷性被膜5Aの膜厚よりかなり薄く形成されているが、これは、ある程度の厚さが必要な耐擦傷性被膜5Aに対して薄くても機能を果たせる帯電防止被膜3Aを薄く形成して、合成樹脂成型品11の板厚を可級的に薄くすることができるまた、本実施形態の合成樹脂成型品の製造方法は、空気による重合禁止効果を利用して耐擦傷性被膜5Aを完全に重合しない状態、すなわち膨潤しうる状態にとどめておき、その上で、隣接配置した基材樹脂原料であるアクリル樹脂モノマ9とともに完全に重合させて一体化するので、耐擦傷性被膜5Aと基材9Aとが剥離しない強固な一体化状態となる。さらに、帯電防止被膜3Aについても同様の方法により耐擦傷性被膜5Aと強固に一体化される。

0037

なお、前述した実施形態は、合成樹脂成型品11の片面のみに耐擦傷性をもたせる場合の実施形態であったが、つぎに、合成樹脂成型品11の両面に耐擦傷性をもたせる場合の実施形態について説明する。本実施形態の説明は、便宜上、前述した実施形態の説明に使用した図1ないし図7を再度使用して説明する。

0038

両面に耐擦傷性を有する合成樹脂成型品を製造するには、前述した図1ないし図5の工程を異なる2枚のガラス板1,1について2回繰り返して行う。

0039

ついで、図6および図7の工程を行うのであるが、このとき、第2鋳型形成材をなす上面5aが平滑面とされている他のガラス板5に代えて、図8に示すように、帯電防止被膜3Aおよび耐擦傷性被膜5Aの形成されたガラス板1を帯電防止被膜3Aが上向きとなるように用いる。

0040

すなわち、各ガラス板1,1の帯電防止被膜3Aと、これらの両帯電防止被膜3Aの外周縁に環状となるように周設された軟質塩化ビニール製のガスケット7により閉鎖された密閉空間8に基材樹脂原料としてのアクリル樹脂モノマ9を充填する。そして、これらの全体を約65℃の温度の水中に約5時間浸漬し、その後、約120℃の温度の熱風循環炉(図示せず)内で約2時間加熱し、アクリル樹脂モノマ8および未重合の耐擦傷性被膜原料5を十分に重合する。

0041

すると、前記アクリル樹脂モノマ9が十分な硬度を有する基材9Aとなり、この基材9Aの上下には、それぞれ十分な強度を有する耐擦傷性被膜5A,5Aが一体的に積層されることになる。しかも、各耐擦傷性被膜5Aの表面を被覆している帯電防止被膜3Aには微細な凹凸模様10が形成されて全体として梨地模様を構成しているので、図9に示す完成した合成樹脂成型品11は、帯電防止性、耐擦傷性およびノングレア性をそれぞれ両面において有している。

0042

つぎに、前述した図1ないし図7に工程を示した合成樹脂成型品11の製造方法の具体的な実施例について説明する。

0043

実施例1
配合
導電性酸化錫25%含有ゾル(耐擦傷性被膜原料75%液) 1部
セロソルブ8部
メタクリル酸メチル91部
1-ヒト゛ロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.012部
よりなる帯電防止被膜原料3、すなわち、耐擦傷性被膜原料に25%の導電性酸化錫を分散したものに、セロソルブとメタクリル酸メチルを混合し、これに紫外線照射での重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを加えたものを、表面に平均30μm程度の大きさで0.1μm程度に凹凸模様2を形成された面積460mm×610mm、厚さ5mmのガラス板1の表面1aに約5μmの厚さに塗布した。

0044

ついで、このガラス板1に対し大気中において40cm間隔で2本配列されたメタハライドランプ4により120W/cmで照射距離150mmとして紫外線を15秒間照射し、帯電防止被膜3Aの形成を行った。

0045

さらに、
配合
ウレタン系樹脂
とポリエステル系樹脂の混合物40部
メタクリル酸メチル60部
1-ヒト゛ロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.2部
よりなる耐擦傷性被膜原料5Aを、ガラス板1の帯電防止被膜3A上に約100μmの厚さに塗布した。

0046

ついで、このガラス板1に対し大気中において40cm間隔で2本配列されたメタハライドランプ4により120W/cmで照射距離150mmとして紫外線を15秒間照射し、耐擦傷性被膜5Aの形成を行った。このとき形成された耐擦傷性被膜5Aは、約20μmの膜厚で爪で傷つく程度の硬度であった。

0047

このようにして処理したガラス板1を耐擦傷性被膜5Aが形成された面が内側に位置するようにして未処理の他のガラス板6と対向させ、2mmの厚みになるように調整された軟質塩化ビニ−ル製のガスケット7を周設して鋳型とした。

0048

この鋳型に、
メタクリル酸メチル部分重合物100部
紫外線吸収剤(2-(5メチル-2-ヒト゛ロキシフェニル)ヘ゛ンソ゛トリアソ゛-ル) 0.05部
2,2アゾビスイソブチロニトリル0.05部
からなる基材樹脂原料9を注入した後、60℃の浴槽に8時間浸漬し、ついで120℃の熱風循環炉中で2時間加熱して基材樹脂原料9を重合させた。冷却して両ガラス板1,6を離型後、合成樹脂成型品の表面の硬度を確認したところ帯電防止被膜3Aの表面抵抗値は1.1×1010Ω/□ であり、鉛筆硬度は6Hの耐擦傷性を示した。

0049

実施例2
配合
導電性酸化錫25%含有ゾル(耐擦傷性被膜原料75%液) 2部
セロソルブ8部
メタクリル酸メチル90部
1-ヒト゛ロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.012部
よりなる帯電防止被膜原料3を、表面に平均30μm程度の大きさで0.1μm程度に凹凸模様2を形成された面積460mm×610mm、厚さ5mmのガラス板1の表面1aに約5μmの厚さに塗布した。

0050

ついで、このガラス板1に対し大気中において40cm間隔で2本配列されたメタハライドランプ4により120W/cmで照射距離150mmとして紫外線を15秒間照射し、帯電防止被膜3Aの形成を行った。

0051

さらに、
配合
ウレタン系樹脂とポリエステル系樹脂の混合物45部
メタクリル酸メチル55部
1-ヒト゛ロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.2部
よりなる耐擦傷性被膜原料5Aを、ガラス板1の帯電防止被膜3A上に約100μmの厚さに塗布した。

0052

ついで、このガラス板1に対し大気中において40cm間隔で2本配列されたメタハライドランプ4により120W/cmで照射距離150mmとして紫外線を25秒間照射し、耐擦傷性被膜5Aの形成を行った。このとき形成された耐擦傷性被膜5Aは、約20μmの膜厚で爪で傷つく程度の硬度であった。

0053

このようにして処理したガラス板1を耐擦傷性被膜5Aが形成された面が内側に位置するようにして未処理の他のガラス板6と対向させ、2mmの厚みになるように調整された軟質塩化ビニ−ル製のガスケット7を周設して鋳型とした。

0054

この鋳型に、
配合
メタクリル酸メチル部分重合物100部
紫外線吸収剤(2-(5メチル-2-ヒト゛ロキシフェニル)ヘ゛ンソ゛トリアソ゛-ル) 0.05部
着色染料0.02部
ラウロイルパーオキサイド0.05部
からなる基材樹脂原料9を注入した後、60℃の浴槽に8時間浸漬し、ついで120℃の熱風循環炉中で2時間加熱して基材樹脂原料9を重合させた。冷却して両ガラス板1,6を離型後、合成樹脂成型品の表面の硬度を確認したところ帯電防止被膜3Aの表面抵抗値は2.1×107 Ω/□であり、鉛筆硬度は6Hの耐擦傷性を示した。

0055

実施例3
配合
導電性酸化錫25%含有ゾル(耐擦傷性被膜原料75%液)1.4部
セロソルブ8部
メタクリル酸メチル90部
よりなる帯電防止被膜原料3を、表面に平均30μm程度の大きさで0.1μm程度に凹凸模様2を形成された面積460mm×610mm、厚さ5mmのガラス板1の表面1aに約5μmの厚さに塗布した。

0056

ついで、このガラス板1に対し大気中において40cm間隔で2本配列されたメタハライドランプ4により120W/cmで照射距離150mmとして紫外線を15秒間照射し、帯電防止被膜3Aの形成を行った。

0057

さらに、
配合
ウレタン系樹脂
とポリエステル系樹脂の混合物40部
メタクリル酸メチル60部
ベンジルジメチルケタール1.2部
よりなる耐擦傷性被膜原料5Aを、ガラス板1の帯電防止被膜3A上に約100μmの厚さに塗布した。

0058

ついで、このガラス板1に対し大気中において40cm間隔で2本配列されたメタハライドランプ4により120W/cmで照射距離150mmとして紫外線を25秒間照射し、耐擦傷性被膜5Aの形成を行った。このとき形成された耐擦傷性被膜5Aは、約30μmの膜厚でスチールウール#0000で傷つく程度の硬度であった。

0059

このようにして処理したガラス板1を耐擦傷性被膜5Aが形成された面が内側に位置するようにして未処理の他のガラス板6と対向させ、2mmの厚みになるように調整された軟質塩化ビニ−ル製のガスケット7を周設して鋳型とした。

0060

この鋳型に、
配合
メタクリル酸メチル部分重合物90部
アクリル酸メチル10部
紫外線吸収剤(2-(5メチル-2-ヒト゛ロキシフェニル)ヘ゛ンソ゛トリアソ゛-ル) 0.05部
2,2-アソ゛ヒ゛ス-(2.4-シ゛メチルハ゛レロニトリル) 0.02部
からなる基材樹脂原料9を注入した後、60℃の浴槽に8時間浸漬し、ついで120℃の熱風循環炉中で2時間加熱して基材樹脂原料9を重合させた。冷却して両ガラス板1,6を離型後、合成樹脂成型品の表面の硬度を確認したところ帯電防止被膜3Aの表面抵抗値は2.1×109 Ω/□であり、鉛筆硬度は6Hの耐擦傷性を示した。

0061

下表は、帯電防止被膜原料の配合比を異にする7種類の合成樹脂成型品11の表面抵抗値、硬度、透過度濁り値を示すものである。

0062

ID=000003HE=100 WI=139 LX=0355 LY=1000
表によれば、導電性酸化錫を1.1%含有したときの表面抵抗値が最大で、導電性酸化錫を2.0%含有したときの表面抵抗値が最小となっているが、導電性酸化錫の含有%が1.1以上においては導電性酸化錫を多く含むほど表面抵抗値が少なくなり、帯電防止効果が大きくなっていることが解る。

0063

また、各合成樹脂成型品は、いずれも爪で傷がつかない良好な硬度を有している。

0064

なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。

発明の効果

0065

以上説明したように本発明の合成樹脂成型品によれば、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができるし、また、本発明の合成樹脂成型品の製造方法によれば、このような合成樹脂成型品を容易に製造することができる。

0066

すなわち、本発明の合成樹脂成型品は、基材の少なくとも一方の表面に耐擦傷性被膜を積層し、この耐擦傷性被膜の表面を帯電防止被膜により被覆したので、帯電防止性および耐擦傷性を長期間にわたり保持することができる。

0067

また、帯電防止被膜の表面に微細な凹凸を形成することにより、帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を長期間にわたり保持することができる。

0068

さらに、基材、帯電防止被膜および耐擦傷性被膜が、同質の樹脂を含有していることにより、帯電防止被膜原料と耐擦傷性被膜原料ならびに基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料を十分に重合させて一体化することができる。

0069

さらにまた、同質の樹脂をメタクリル酸メチルとすることにより、耐擦傷性被膜原料の部分的な重合時に残留してつぎの基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料の重合時に寄与することができる。

0070

また、帯電防止被膜の膜厚を耐擦傷性被膜の膜厚より薄くすることにより、ある程度の厚さが必要な耐擦傷性被膜に対して薄くても機能を果たせる帯電防止被膜を薄く形成して、板厚を可級的に薄くすることができる。

0071

一方、本発明の合成樹脂成型品の製造方法は、帯電防止被膜原料を第1鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第1鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない耐擦傷性被膜を形成し、前記耐擦傷性被膜が鋳型の内側に位置するように前記第1鋳型形成材と第2鋳型形成材とをガスケットにより間隔を有するように配設し、前記耐擦傷性被膜、第2鋳型形成材およびガスケットからなる鋳型の内側に基材樹脂原料を充填し、充填された前記基材樹脂原料により前記耐擦傷性被膜を膨潤させることにより基材樹脂原料および耐擦傷性被膜をラジカル重合により十分に重合して一体化することにより合成樹脂成型品を形成するので、空気の重合禁止効果を利用して耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜との接合面側から一部重合させることにより、その後、基材樹脂原料および前記耐擦傷性被膜を十分に重合させて強固に一体化して、片面が帯電防止性および耐擦傷性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0072

また、第1鋳型形成材の帯電防止被膜原料が塗布される表面に微細な多数の凹凸からなる梨地模様をあらかじめ形成することにより、帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0073

さらに、帯電防止被膜原料を第1鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第1鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない第1耐擦傷性被膜を形成し、帯電防止被膜原料を第2鋳型形成材の表面に塗布し、前記帯電防止被膜原料の表面を空気に露出した状態でこの帯電防止被膜原料を前記第2鋳型形成材との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない帯電防止被膜を形成し、耐擦傷性被膜原料を帯電防止被膜の表面に塗布し、前記耐擦傷性被膜原料の表面を空気に露出した状態で前記帯電防止被膜を重合させるとともに前記耐擦傷性被膜原料を前記帯電防止被膜との接合面側から一部重合させて表面が十分な硬度を有しない第2耐擦傷性被膜を形成し、前記両耐擦傷性被膜が鋳型の内側に位置するように前記第1鋳型形成材と第2鋳型形成材とをガスケットにより間隔を有するように配設し、前記両耐擦傷性被膜およびガスケットからなる鋳型の内側に基材樹脂原料を充填し、充填された前記基材樹脂原料により前記両耐擦傷性被膜を膨潤させることにより基材樹脂原料および両耐擦傷性被膜をラジカル重合により十分に重合して一体化することにより合成樹脂成型品を形成することにより、両面が帯電防止性および耐擦傷性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0074

さらにまた、両鋳型形成材の帯電防止被膜原料が塗布される表面の少なくとも一方に多数の凹凸からなる梨地模様をあらかじめ形成することにより、少なくとも一方の表面が帯電防止性および耐擦傷性に加えノングレア性を有する合成樹脂成型品を製造することができる。

0075

また、基材樹脂原料、帯電防止被膜原料および耐擦傷性被膜原料が、同質の樹脂を含有していることにより、帯電防止被膜原料と耐擦傷性被膜原料ならびに基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料を十分に重合させて一体化することができる。

0076

さらに、同質の樹脂が、メタクリル酸メチルとされていることにより、耐擦傷性被膜原料の部分的な重合時に残留してつぎの基材樹脂原料と耐擦傷性被膜原料の重合時に寄与することができる。

図面の簡単な説明

0077

図1本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態の第1工程を示す縦断面図
図2本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態の第2工程を示す縦断面図
図3本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態の第3工程を示す縦断面図
図4本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態の第4工程を示す縦断面図
図5本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態の第5工程を示す縦断面図
図6本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態の第6工程を示す縦断面図
図7本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第1実施形態における完成した合成樹脂成型品を示す縦断面図
図8本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第2実施形態の最終工程を示す縦断面図
図9本発明に係る合成樹脂成型品の製造方法の第2実施形態における完成した合成樹脂成型品を示す縦断面図

--

0078

1ガラス板
2凹凸模様
3帯電防止被膜原料
3A 帯電防止被膜
4メタハライドランプ
5耐擦傷性被膜原料
5A 耐擦傷性被膜
6 ガラス板
7ガスケット
8密閉空間
9アクリル樹脂モノマ
9A基材
10 凹凸模様
11 合成樹脂成型品

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