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技術 排ガスダスト又は焼却灰からの水溶性成分の分離方法

出願人 アミタ株式会社
発明者 熊野英介安岡穎一樋口勝
出願日 1998年12月8日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1998-348150
公開日 2000年6月20日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2000-167529
状態 特許登録済
技術分野 固体廃棄物の処理
主要キーワード 使用液量 多重段 消毒薬剤 セメントダスト 粉化物 非鉄金属材料 アルカリ性液体 加熱固化
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

排ガスダスト焼却灰から塩類などの水溶性成分を効率よく簡単に分離できる方法を提供する。

解決手段

排ガスダスト又は焼却灰から水溶性成分を分離するに際し、排ガスダスト又は焼却灰を造粒して得られた造粒物水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出し、次いで抽出残渣抽出液とを分離する。排ガスダスト又は焼却灰として、セメントダスト都市ゴミ焼却飛灰都市ゴミ焼却灰溶融飛灰下水汚泥焼却飛灰、下水汚泥焼却灰溶融飛灰等を使用できる。水性溶媒の使用量は造粒物100重量部に対して例えば40〜500重量部程度である。上記分離方法により得られた抽出液は肥料道路凍結防止剤などとして利用でき、抽出残渣はセメント原料などとして利用できる。

概要

背景

セメント焼成炉都市ゴミ焼却炉都市ゴミ溶融炉下水汚泥焼却炉下水汚泥溶融炉等より排ガス随伴するダスト排ガスダスト)は、通常バグフィルターや、電気集塵器により捕集され、一部有効利用されるが大部分は廃棄処分されている。例えば、セメント焼成炉は石灰質塩化カリ等を主体とするダストが多量に発生する。また都市ゴミ焼却時の排ガス飛灰、更には都市ゴミ灰溶融排ガス飛灰は、水溶性アルカリ金属塩化物アルカリ土類金属塩化物及び重金属類を含有しており、環境保全上からも、これらをどのように処理するかが重要な課題となっている。また、都市ゴミ焼却灰下水汚泥焼却灰などの焼却灰についても同様の問題がある。

一方、近年、産業廃棄物セメント原料として利用するとともに、セメントダストセメント中に再混合して利用することが行われている。しかし、産業廃棄物をセメント原料として用いると、セメントダスト中に塩分が含まれるため、このようなセメントダストをそのまま混入したセメントを用いたコンクリート構造物には亀裂、ひび割れが生じやすい。また、都市ゴミや下水汚泥を焼却した際に発生するダストは、セメント等の固化剤と混合固化し、またその一部は溶融処理して重金属等の浸出を防止した上で路盤材として使用されるものの、多くは埋立等により最終処分されている。しかし、最終処分場で雨水等による水溶性成分の漏出があり、浸出水の管理が必要となっている。これらの方法は廃棄物をリサイクルしない限り、有効性限界があり、早晩行きづまらざるを得ない。

このような問題を解決するため、セメントダストを従来、セメントダストをセメント原料として再利用するに際し、予め適当な処理を施す方法がが提案されている。例えば、特開昭62−252351号公報には、セメントキルン排ガスの一部を処理して得た微粒ダスト水洗いし、脱水した後、セメント原料として再利用する方法が開示されている。特開平4−77337号公報には、セメントダストに水を添加してスラリーとなし、該スラリーを濾過することを特徴とする低アルカリセメントの製造方法が開示されている。特開平6−157089号公報には、キルン燃焼ガスのダストに第1pH調整剤を添加し、前記ダスト中の第1障害物質沈殿に最適なpHの1次スラリーにする工程と、該1次スラリー中で沈殿した第1障害物質を除去する工程と、前記1次スラリーに第2pH調整剤を添加し、第2障害物質の沈殿に最適なpHの2次スラリーにする工程とを備えているキルンダストの処理システムが開示されている。また、特開平7−277786号公報には、都市ゴミ焼却炉などの塩素含有原料焼成するセメント及びセメント系固化剤の製造において、キルン排ガス中のダストを回収して水洗し、水洗したダストを原料として再利用すると共に、水洗液を原料成形水として利用することを特徴とするキルン排ガスダスト処理方法が開示されている。

また、焼却飛灰の処理方法として、特開平7−123857号公報には、都市ゴミ焼却飛灰の焼成ペレット塩類溶解性溶液により洗浄して塩類を溶出した後、液状肥効性物質と接触させて、該ペレット気孔内に液状肥効性物質を混入させる園芸用培養土の製造方法が開示されている。また、特開平8−309309号公報には、焼却飛灰を水で洗浄して焼却飛灰中の水溶性塩類を除去し、この焼却飛灰に重金属不溶化剤を加えて焼却飛灰中の重金属類を不溶化し、不溶化重金属類を含む焼却飛灰を加熱圧縮して水熱反応を生ぜしめ固化させることを特徴とする焼却飛灰の処理方法が開示されている。

しかし、セメントダストや焼却飛灰などのダストをそのまま水洗処理する方法では、液と固体との分離性が悪く、水溶性成分の抽出率も低い。また、洗浄したダストだけでなく、洗浄液中に含まれる水溶性成分をも有効利用しようとする場合には、極めてコスト高となり実用性に乏しい。すなわち、ダスト中に含まれる塩分などの水溶性成分は10μm以下の微粒子中に多く存在することから、通常スラリー状態にして洗浄されるが、攪拌可能なスラリーを得るためには多量の水を必要とする。そのため、得られた洗浄液中の水溶性成分濃度は非常に低く、該水溶性成分を回収して有効利用するには多大なコストがかかる。また、ダストと液とを分離する際には、静置させて上澄み液をとるか、遠心分離圧搾するなどの操作が必要であるが、静置により分離する場合には長時間を要する上、固体中に含まれる水分量が極めて多く、しかも上澄み液の量が少ないため、水溶性成分の分離効率回収率は非常に低い。また、上澄み液中塩分濃度を上げるため、上澄み液を繰り返し用いようとしても、水洗液の比重が次第に大きくなり、ダストの静置による沈降分離にさらに長時間を要し、分離できる上澄み液の比率極端に小さくなる。また、遠心分離や圧搾等により分離する方法でも、得られるケーキ状固形分中の含水率が大きく、水溶性成分の分離効率が悪い上、装置も大型化する。また、水溶性成分濃度を高めるため、水洗液を繰り返し抽出液として再利用する場合には、その都度煩雑な機械分離を繰り返す必要があるなどの欠点がある。

また、前記ダストの焼成ペレットを水洗する方法では、塩類などの水溶性成分が焼成により溶融体内に溶封されるため、水溶性成分の回収率が低く、該水溶性成分を有効に利用するには不適当である。

なお、都市ゴミの焼却により発生する排ガスダストはアルカリ土類金属や重金属類の含有量が大きいなどの特徴があり、また下水汚泥を焼却する際に発生する排ガスダストは前記不純分の他、リン酸塩を含有するなどの特徴があり、何れも水洗処理及び処理後の再利用が困難となるなどの問題がある。

概要

排ガスダストや焼却灰から塩類などの水溶性成分を効率よく簡単に分離できる方法を提供する。

排ガスダスト又は焼却灰から水溶性成分を分離するに際し、排ガスダスト又は焼却灰を造粒して得られた造粒物水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出し、次いで抽出残渣と抽出液とを分離する。排ガスダスト又は焼却灰として、セメントダスト、都市ゴミ焼却飛灰、都市ゴミ焼却灰溶融飛灰、下水汚泥焼却飛灰、下水汚泥焼却灰溶融飛灰等を使用できる。水性溶媒の使用量は造粒物100重量部に対して例えば40〜500重量部程度である。上記分離方法により得られた抽出液は肥料道路凍結防止剤などとして利用でき、抽出残渣はセメント原料などとして利用できる。

目的

従って、本発明の目的は、排ガスダストや焼却灰から塩類などの水溶性成分を効率よく簡単に分離できる方法を提供することにある。本発明の他の目的は、排ガスダストや焼却灰から、重金属類等を溶出させることなく、水溶性成分を効率よく回収できる方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、排ガスダストや焼却灰から重金属類の含有量の少ない水溶性成分の水溶液を得る方法を提供することにある。本発明の他の目的は、排ガスダストや焼却灰から、塩類などの水溶性成分を高濃度に含む水溶液を得る方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、排ガスダストや焼却灰の経済的で有効な利用法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

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請求項1

排ガスダスト又は焼却灰から水溶性成分を分離する方法であって、排ガスダスト又は焼却灰を造粒して得られた造粒物水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出し、次いで抽出残渣抽出液とを分離することを特徴とする排ガスダスト又は焼却灰からの水溶性成分の分離方法

請求項2

排ガスダスト又は焼却灰として、セメントダスト都市ゴミ焼却飛灰都市ゴミ焼却灰溶融飛灰下水汚泥焼却飛灰及び下水汚泥焼却灰溶融飛灰からなる群から選択された少なくとも1種のダストを用いる請求項1記載の分離方法。

請求項3

アルカリ金属含量が3重量%以上の排ガスダスト又は焼却灰を用いる請求項1又は2記載の分離方法。

請求項4

塩素(Cl)含量が3重量%以上の排ガスダスト又は焼却灰を用いる請求項1〜3の何れかの項に記載の分離方法。

請求項5

排ガスダスト又は焼却灰の造粒に際し、重金属不溶化剤又は吸着剤を添加する請求項1〜4の何れかの項に記載の分離方法。

請求項6

水性溶媒の使用量が造粒物100重量部に対して40〜500重量部である請求項1〜5の何れかの項に記載の分離方法。

請求項7

抽出液に重金属不溶化処理吸着剤処理及び中和処理から選択された少なくとも1つの処理を施す請求項1〜6の何れかの項に記載の分離方法。

請求項8

排ガスダスト又は焼却灰を造粒して得られた造粒物100重量部を40〜500重量部の水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出することを特徴とする排ガスダスト又は焼却灰中の水溶性成分高濃度水溶液製造法

請求項9

請求項1〜7の何れかの項に記載の方法により得られた抽出液又はその処理液肥料若しくは道路凍結防止剤又はそれらの原料として利用する排ガスダスト又は焼却灰の水性溶媒抽出液使用方法

請求項10

請求項1〜7の何れかの項に記載の方法により得られた抽出液又はその処理液を肥料又はその原料として用いる植物の生育方法

請求項11

請求項1〜7の何れかの項に記載の方法により得られた抽出残渣をセメント原料として利用する排ガスダスト又は焼却灰の水性溶媒抽出残渣の使用方法。

技術分野

表に示されるように、実施例1で得られた回収塩化カリウムを用いた場合、播種後3日目の発芽率は各区とも95%〜98%の値を示し、発芽抑制などの植害症状は見られなかった。また、発後の生育も対照区とほぼ同等であった。

背景技術

0001

この発明は、排ガスダスト又は焼却灰から水溶性成分を分離する方法、排ガスダスト又は焼却灰中に含まれる水溶性成分の高濃度水溶液を製造する方法、排ガスダスト又は焼却灰の水性溶媒抽出液および水性溶媒抽出残渣使用方法、並びに排ガスダスト又は焼却灰の水性溶媒抽出液を利用した植物の生育方法に関する。

0002

セメント焼成炉都市ゴミ焼却炉都市ゴミ溶融炉下水汚泥焼却炉下水汚泥溶融炉等より排ガス随伴するダスト(排ガスダスト)は、通常バグフィルターや、電気集塵器により捕集され、一部有効利用されるが大部分は廃棄処分されている。例えば、セメント焼成炉は石灰質塩化カリ等を主体とするダストが多量に発生する。また都市ゴミ焼却時の排ガス飛灰、更には都市ゴミ灰溶融排ガス飛灰は、水溶性のアルカリ金属塩化物アルカリ土類金属塩化物及び重金属類を含有しており、環境保全上からも、これらをどのように処理するかが重要な課題となっている。また、都市ゴミ焼却灰下水汚泥焼却灰などの焼却灰についても同様の問題がある。

0003

一方、近年、産業廃棄物セメント原料として利用するとともに、セメントダストセメント中に再混合して利用することが行われている。しかし、産業廃棄物をセメント原料として用いると、セメントダスト中に塩分が含まれるため、このようなセメントダストをそのまま混入したセメントを用いたコンクリート構造物には亀裂、ひび割れが生じやすい。また、都市ゴミや下水汚泥を焼却した際に発生するダストは、セメント等の固化剤と混合固化し、またその一部は溶融処理して重金属等の浸出を防止した上で路盤材として使用されるものの、多くは埋立等により最終処分されている。しかし、最終処分場で雨水等による水溶性成分の漏出があり、浸出水の管理が必要となっている。これらの方法は廃棄物をリサイクルしない限り、有効性限界があり、早晩行きづまらざるを得ない。

0004

このような問題を解決するため、セメントダストを従来、セメントダストをセメント原料として再利用するに際し、予め適当な処理を施す方法がが提案されている。例えば、特開昭62−252351号公報には、セメントキルン排ガスの一部を処理して得た微粒ダスト水洗いし、脱水した後、セメント原料として再利用する方法が開示されている。特開平4−77337号公報には、セメントダストに水を添加してスラリーとなし、該スラリーを濾過することを特徴とする低アルカリセメントの製造方法が開示されている。特開平6−157089号公報には、キルン燃焼ガスのダストに第1pH調整剤を添加し、前記ダスト中の第1障害物質沈殿に最適なpHの1次スラリーにする工程と、該1次スラリー中で沈殿した第1障害物質を除去する工程と、前記1次スラリーに第2pH調整剤を添加し、第2障害物質の沈殿に最適なpHの2次スラリーにする工程とを備えているキルンダストの処理システムが開示されている。また、特開平7−277786号公報には、都市ゴミ焼却炉などの塩素含有原料焼成するセメント及びセメント系固化剤の製造において、キルン排ガス中のダストを回収して水洗し、水洗したダストを原料として再利用すると共に、水洗液を原料成形水として利用することを特徴とするキルン排ガスダスト処理方法が開示されている。

0005

また、焼却飛灰の処理方法として、特開平7−123857号公報には、都市ゴミ焼却飛灰の焼成ペレット塩類溶解性溶液により洗浄して塩類を溶出した後、液状肥効性物質と接触させて、該ペレット気孔内に液状肥効性物質を混入させる園芸用培養土の製造方法が開示されている。また、特開平8−309309号公報には、焼却飛灰を水で洗浄して焼却飛灰中の水溶性塩類を除去し、この焼却飛灰に重金属不溶化剤を加えて焼却飛灰中の重金属類を不溶化し、不溶化重金属類を含む焼却飛灰を加熱圧縮して水熱反応を生ぜしめ固化させることを特徴とする焼却飛灰の処理方法が開示されている。

0006

しかし、セメントダストや焼却飛灰などのダストをそのまま水洗処理する方法では、液と固体との分離性が悪く、水溶性成分の抽出率も低い。また、洗浄したダストだけでなく、洗浄液中に含まれる水溶性成分をも有効利用しようとする場合には、極めてコスト高となり実用性に乏しい。すなわち、ダスト中に含まれる塩分などの水溶性成分は10μm以下の微粒子中に多く存在することから、通常スラリー状態にして洗浄されるが、攪拌可能なスラリーを得るためには多量の水を必要とする。そのため、得られた洗浄液中の水溶性成分濃度は非常に低く、該水溶性成分を回収して有効利用するには多大なコストがかかる。また、ダストと液とを分離する際には、静置させて上澄み液をとるか、遠心分離圧搾するなどの操作が必要であるが、静置により分離する場合には長時間を要する上、固体中に含まれる水分量が極めて多く、しかも上澄み液の量が少ないため、水溶性成分の分離効率回収率は非常に低い。また、上澄み液中塩分濃度を上げるため、上澄み液を繰り返し用いようとしても、水洗液の比重が次第に大きくなり、ダストの静置による沈降分離にさらに長時間を要し、分離できる上澄み液の比率極端に小さくなる。また、遠心分離や圧搾等により分離する方法でも、得られるケーキ状固形分中の含水率が大きく、水溶性成分の分離効率が悪い上、装置も大型化する。また、水溶性成分濃度を高めるため、水洗液を繰り返し抽出液として再利用する場合には、その都度煩雑な機械分離を繰り返す必要があるなどの欠点がある。

0007

また、前記ダストの焼成ペレットを水洗する方法では、塩類などの水溶性成分が焼成により溶融体内に溶封されるため、水溶性成分の回収率が低く、該水溶性成分を有効に利用するには不適当である。

発明が解決しようとする課題

0008

なお、都市ゴミの焼却により発生する排ガスダストはアルカリ土類金属や重金属類の含有量が大きいなどの特徴があり、また下水汚泥を焼却する際に発生する排ガスダストは前記不純分の他、リン酸塩を含有するなどの特徴があり、何れも水洗処理及び処理後の再利用が困難となるなどの問題がある。

課題を解決するための手段

0009

従って、本発明の目的は、排ガスダストや焼却灰から塩類などの水溶性成分を効率よく簡単に分離できる方法を提供することにある。本発明の他の目的は、排ガスダストや焼却灰から、重金属類等を溶出させることなく、水溶性成分を効率よく回収できる方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、排ガスダストや焼却灰から重金属類の含有量の少ない水溶性成分の水溶液を得る方法を提供することにある。本発明の他の目的は、排ガスダストや焼却灰から、塩類などの水溶性成分を高濃度に含む水溶液を得る方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、排ガスダストや焼却灰の経済的で有効な利用法を提供することにある。

0010

本発明者らは、前記目的を達成するため、ダストを水性溶媒と接触させるに際し、水中でのダスト濃度を上げ、ダストの含水率を減少させる方法について鋭意検討した結果、ダストを予め造粒し、得られた造粒物を焼成することなく適量の水と接触させると、簡易な操作により、水溶性成分濃度の高い水溶液と水溶性成分含有量の少ないダスト残渣とが得られることを見出し、本発明を完成した。

0011

すなわち、本発明は、排ガスダスト又は焼却灰から水溶性成分を分離する方法であって、排ガスダスト又は焼却灰を造粒して得られた造粒物を水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出し、次いで抽出残渣と抽出液とを分離することを特徴とする排ガスダスト又は焼却灰からの水溶性成分の分離方法を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明は、また、排ガスダスト又は焼却灰を造粒して得られた造粒物100重量部を40〜500重量部の水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出することを特徴とする排ガスダスト又は焼却灰中の水溶性成分高濃度水溶液の製造法を提供する。本発明は、さらに、上記の分離方法により得られた抽出液又はその処理液肥料若しくは道路凍結防止剤又はそれらの原料として利用する排ガスダスト又は焼却灰の水性溶媒抽出液の使用方法を提供する。本発明は、さらにまた、上記の分離方法により得られた抽出液を肥料又はその原料として用いる植物の生育方法を提供する。本発明は、また、上記の分離方法により得られた抽出残渣をセメント原料として利用する排ガスダスト又は焼却灰の水性溶媒抽出残渣の使用方法を提供する。

0013

本発明で用いられるダストには、排ガスダスト及び焼却灰(以下、これらを「ダスト」と総称する場合がある)が含まれる。排ガスダストとしては、セメントダスト、都市ゴミ焼却飛灰(都市ゴミ焼却時に発生する排ガスダスト)、都市ゴミ焼却灰溶融飛灰(都市ゴミ焼却灰を溶融する際に発生する排ガスダスト)、下水汚泥焼却飛灰(下水汚泥焼却時に発生する排ガスダスト)、下水汚泥焼却灰溶融飛灰(下水汚泥焼却灰を溶融する際に発生する排ガスダスト)などが挙げられる。また、排ガスダストとして、製鋼ダスト非鉄製鋼ダスト、原油燃焼煤塵(原油灰)なども使用できる。一方、焼却灰としては、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、海難流出石油ボール焼却灰などが例示できる。排ガスダスト及び焼却灰は、単独で又は2種以上混合して使用できる。

0014

好ましいダストには、セメントダスト(セメントキルンの排ガス中に含まれる塩素含有ダスト等)が含まれる。特に、排ガス中のダストを分級し、塩素分の多い粒径数10μm以下の微粒ダストを含むダストなどが好適である。また、都市ゴミ焼却飛灰、都市ゴミ焼却灰溶融飛灰、下水汚泥焼却飛灰、下水汚泥焼却灰溶融飛灰も好ましい。これらの排ガスダストは、通常、粒径数10μm以下の微粒子より成り、バグフィルターや電気集塵器により捕集される。

0015

上記ダストには、塩素(Cl)が含まれている場合が多い。塩素(Cl)の存在形態はダストの種類により異なる。例えば、セメントダストでは粘土由来カリウムと結合して主として塩化カリウムの形態で排出されるのに対し、都市ゴミ系の排ガスダストでは主として塩化ナトリウム、塩化カリウムのほか、排ガス中に含まれる酸性成分中和する目的で添加される水酸化カルシウム等と反応して生成した塩化カルシウムの形態で存在する。

0016

ダスト中には、水溶性成分として、上記の塩化カリウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属塩化物、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩化物のほか、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの硫酸塩や炭酸塩、アルカリ金属の酸化物なども含まれている。

0017

一方、セメント系の排ガスダストには、水不溶性成分乃至水難溶性成分として、Al2O3、Fe0、SiO2、CaOなどが含まれており、都市ゴミ焼却飛灰では、これ以外にPb、Zn、Cu化合物などの水に難溶性金属化合物が含まれていることが多い。

0018

本発明で用いる好ましいダストとしては、K、Naなどのアルカリ金属の含量が3重量%以上(例えば3〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは7〜40重量%程度)のダスト、塩素(Cl)含量が3重量%以上(例えば3〜45重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは7〜40重量%程度)のダスト、前記アルカリ金属とCaなどのアルカリ土類金属の総含量が10重量%以上(例えば10〜70重量%程度)のダストが挙げられる。また、特に好ましいダストには、Kの含量が1重量%以上(例えば1〜50重量%、好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは5〜50重量%程度)のダストが含まれる。

0019

排ガスダスト又は焼却灰を造粒する方法としては、特に限定されず、慣用の造粒法、例えば、転動法、振動法圧縮成形法押出成形法噴霧法などが用いられる。造粒は、通常、ダストに少量の水を添加して行われる。水の量は、造粒性や造粒物の硬度等を損なわない範囲であればよく、例えば、ダスト100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部程度である。

0020

一般に、800℃以上の高温で焼成されたダスト中には水硬成分酸化カルシウムケイ酸カルシウムアルミン酸カルシウム等)が含まれていることが多いので、ダストと水の混合物を造粒し、必要に応じて養生することにより充分な強度を有する造粒物が得られる。養生は大気中で行ってもよいが、密閉容器中や湿空気中で行ってもよい。養生の時間は、例えば1日程度以上(1〜90日程度)である。

0021

なお、長期間空気中に放置したダストなど水硬成分が不足しているダストを用いる場合には、造粒した後、水性溶媒と接触させた際に崩壊することがないように、前記水硬成分やバインダーを適当量添加して造粒することもできる。前記バインダーとしては、例えば、セメント、水ガラスベントナイト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム澱粉リグニンスルホン酸ソーダCMCなどの無機又は有機バインダーを用いることができる。水性溶媒との接触時における崩壊を抑制し、また、機械的強度を上げるため、造粒後に、乾燥、加熱固化を行ってもよい。

0022

造粒の際、重金属不溶化剤(金属封鎖剤)や吸着剤を添加することもできる。重金属不溶化剤としては、例えば、重金属の硫化物を形成可能な化合物、例えば、硫化アンモニウム硫化ソーダ硫化カリウム、水硫化アンモニウム、水硫化ソーダ、水硫化カリウム、硫化水素など;重金属のジチオカルバミン酸塩を形成可能な化合物、例えば、ジチオカルバミン酸トリム、ジチオカルバミン酸カリウムなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。吸着剤としては、例えば活性炭などが挙げられる。重金属不溶化剤(金属封鎖剤)、吸着剤の添加量は、例えば、前記ダスト100重量部に対して、それぞれ、0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部程度である。

0023

造粒物に重金属不溶化剤を含有させることにより、ダスト中に含まれる重金属類が水性溶媒に溶出するのを抑制でき、重金属類を含まない高純度の水溶液(例えば、塩化カリウム水溶液など)を得ることができる。このような水溶液は、例えば肥料等の用途に好適に使用できる。また、造粒物に吸着剤を含有させることにより、コロイド粒子などの水性溶媒への移行を防止できる。

0024

造粒物の大きさは、水溶性成分の水性溶媒への移行速度や、使用する水性溶媒の量などを考慮して適宜選択できるが、通常、平均粒径0.5〜50mm程度、好ましくは1〜30mm程度、さらに好ましくは2〜10mm程度である。なお、球状以外の形状、例えば円盤状、円柱状、ドーナツ型立方体状、直方体状などの形状を有する造粒物では、水との接触面積を考慮してその大きさを設定すればよいが、一辺の長さや直径を上記の範囲とするのが好ましい。造粒物の粒径が0.5mm未満では、水性溶媒に浸漬した場合、部分的に濡れ遅れたり、抽出液と抽出残渣とを分離する際の分離性が悪くなりやすい。また、粒径が50mmを超えると、水溶性成分の抽出に時間がかかり、抽出分離後の取扱い中に破損しやすくなる。

0025

本発明において、造粒物と水性溶媒とを接触させる方法としては、造粒物を水性溶媒中に浸漬静置する方法(浸漬法)、抽出液をポンプ等を用いて循環もしくは流動させる方法、或いは少量の水性溶媒を造粒物上に散布しつつ、造粒物の表面から水溶性成分を洗い出す方法などが用いられる。造粒物と水性溶媒との接触は、流動床方式、固定床方式、回分式、連続式等の何れの方式で行うこともできる。

0026

水性溶媒としては、通常、水が用いられるが、抽出成分の種類によっては、水と水溶性有機溶媒アルコール類ケトン類エーテル類非プロトン性極性溶媒など)との混合溶媒を用いることもできる。水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、水の割合は50重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。

0027

造粒物中には、上記のように通常水硬成分があるので、水分の存在下、時間の経過と共に強固に固化する。従って多量の塩分等の水溶性成分が除去されても粒子内の空隙は水で置換され、崩壊することがほとんどなく、造粒物の大きさもほとんど変化しない。

0028

造粒物と水性溶媒とを接触させる際の温度(抽出温度)としては、操作性や抽出効率を損なわない範囲で適当に選択できるが、一般には5℃〜水性溶媒の沸点(水単独、常圧の場合は100℃)、好ましくは15〜90℃程度である。水性溶媒と造粒物の接触時間は水性溶媒の組成、造粒物の組成や粒径、水性溶媒と造粒物の量比、抽出温度、さらには所望する抽出液中の水溶性成分の濃度等により異なるが、通常、常温で0.5時間〜7日程度、好ましくは1時間〜2日程度である。接触時間を短縮するため、粒径を小さくしたり、水溶性成分の液(水性溶媒又は抽出液)中における濃度と造粒物中における濃度との差を大きくしたり、加温した液を用いるなどの方法は特に有効である。

0029

水性溶媒の液性酸性であってもよいが、好ましくはpH6〜14程度であり、例えば重金属類の溶出を抑制したい場合には、pH8〜12程度に調整するのが好ましい。なお、セメントダストや、都市ゴミ焼却飛灰中に含まれる塩化水素等を除去するためアルカリ分を前記ガス中噴霧させる場合があるが、このような場合には、ダスト自身がアルカリ性を示すので、中性の水性溶媒を用いれば充分である。

0030

水性溶媒の使用量は、抽出効率を損なわない範囲であればよいが、抽出液中の水溶性成分濃度を高めるには、水溶性成分の飽和濃度に必要な水分量が必要であるが、例えば、造粒物100重量部(乾量基準)に対して、40〜500重量部程度、好ましくは50〜200重量部程度、さらに好ましくは60〜130重量部程度が望ましい。水性溶媒の使用量を上記範囲に設定することにより、水溶性成分の高濃度溶液(例えば飽和溶液又は飽和濃度に近い溶液)を得ることができ、回収された水溶性成分を種々の用途に利用する際、水性溶媒の除去に要する費用を大幅に低減できる。

0031

浸漬法では、流体間隙を満たす最少量の水性溶媒を用いる場合に最も濃厚な抽出液が得られる。そのため、真球状の造粒物の場合には、直径の異なる粒子を適当な割合で混合して空隙率下げ、抽出液中の水溶性成分濃度を高めることができる。また、円柱状、円盤状の造粒物を用いる場合には、方向をそろえるなどして充てんを密にするのが好ましい。さらには、多重段抽出、向流多段抽出などにより水溶性成分の濃度と抽出効率を上げることもできる。

0032

抽出後、抽出液と抽出残渣(造粒物)は、デカンテーションや濾過等の簡単な操作により容易に且つ高い回収率で分離でき、それぞれを各種用途に有効利用できる。

0033

本発明の方法によれば、排ガスダストをスラリーとして抽出した場合に比して、抽出液中の水溶性成分濃度を著しく高めることができる。また、通常、難溶性の重金属等の物質コロイド状又は溶液となって水性溶媒中に移行するが、本発明では、コロイド粒子は造粒により凝集するため水性溶媒への移行が抑制されると共に、前記重金属等の物質の水性溶媒への溶解量は溶解度積に関係するので、使用液量が少ないと水相へ移行する量は減少する。従って、スラリー抽出法に比し水溶性成分の純度は高くなり、精製の際の処理も容易になる。また、本発明の方法では、造粒物と水性溶媒とを接触させるため、従来のスラリー抽出法に比べ、抽出液と抽出残渣とを速やかに分離することができ、しかも1回の分離操作で高い回収率が得られるので、作業効率、分離効率を大幅に向上できる。さらに、本発明では、造粒物を焼成することなく抽出操作に付すので、従来のダストの焼成ペレットを水洗する方法と比較した場合、造粒物からの水溶性成分の抽出効率が極めて高い。

0034

前記抽出液は、必要に応じて重金属不溶化処理吸着剤処理中和処理などを施してもよい。重金属不溶化処理を施すことにより、抽出液中に微量に存在する重金属類を除去できる。また、吸着剤処理では、抽出液中のコロイド粒子などを除去できる。また、中和処理を施すことにより抽出液の利用性を高めることができる。

0035

重金属不溶化処理又は吸着剤処理は、抽出液と前記重金属不溶化剤(金属封鎖剤)又は前記吸着剤とを接触させた後、濾過等により分離することにより実施できる。重金属不溶化剤、吸着剤の添加量は、抽出液中に含まれる重金属類などの量や重金属不溶化剤等の量などにより適宜設定できるが、一般には、抽出液100重量部に対して、それぞれ0.001〜1.0重量部程度である。

0036

中和処理は前記抽出液にアルカリ又は酸を添加することにより行うことができる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア水などが挙げられ、酸としては、塩酸、硫酸、硝酸リン酸などが例示できる。

0037

本発明の方法により得られる抽出液又はその処理液は、カリ肥料として使用することにより、植物(例えば、野菜花卉穀物樹木など)の生育に利用したり、少量の塩化ナトリウム、塩化カルシウムが存在しても差し支えない道路凍結防止剤、或いは水溶液のまま塩素イオン酸化電解させて、次亜塩素酸イオンとし、下水道放流時の殺菌剤消毒薬剤)などとして使用することができる。

0038

例えば、セメントダストから抽出される陽イオンはそのほとんどがカリウムで、残りの少量がナトリウムカルシウムであるため、抽出液をカリ肥料として利用することができる。抽出液は、重金属による土壌汚染を防止するため重金属不溶化処理を施したり、植害の発生を防止するため中和処理を施すのが望ましい。カリ肥料として用いる場合、pHを6〜8の範囲内に調整するのが好ましい。

0039

都市ゴミ由来の飛灰(都市ゴミ焼却飛灰、都市ゴミ焼却灰溶融飛灰)は塩化カリ、塩化カルシウム、塩化ナトリウムなどの水溶性成分が多く、抽出液としてこれらの混合物の水溶液が得られる。この水溶液は、上記の用途にそのまま利用できるほか、必要な場合には濃縮による部分晶析や、温度による溶解度の差を利用した晶析等の慣用の方法により各成分を分離精製して使用することもできる。

0040

本発明の方法により得られる抽出残渣はセメント原料や非鉄金属材料として利用できる。例えば、セメントダストからの抽出残渣は、セメント原料に、また重金属の含有量により非鉄金属原料として利用することもできる。また、都市ゴミ焼却飛灰の抽出残渣は、一般に重金属の含有率が高いので、非鉄金属の原料としても利用できる。

発明の効果

0041

また、前記ダストのほか、ストーカー炉等の都市ゴミ灰、高炉転炉電気炉などの製鋼ダスト、非鉄製鋼ダスト、下水汚泥焼却灰などを抽出して得られる抽出液及び抽出残渣も、含有成分の種類に応じて、前記用途に有効利用することができる。

0042

本発明によれば、排ガスダスト又は焼却灰の造粒物を水性溶媒と接触させて水溶性成分を抽出するので、排ガスダストなどから塩類等の水溶性成分を効率よく簡単に分離できる。また、排ガスダストなどから塩類等の水溶性成分を高濃度に含む水溶液を得ることができる。前記造粒物に重金属不溶化剤などを添加した場合には、排ガスダストなどから重金属類等を溶出させることなく、水溶性成分を効率よく回収できる。また、抽出液に重金属不溶化処理等を施す場合には、排ガスダストなどから重金属類の含有量の少ない水溶性成分の水溶液を得ることができる。さらに、本発明によれば、排ガスダストや焼却灰を経済的且つ有効に利用できる。

0043

以下に実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、及び濃度や含量を示す「%」、「ppm」は重量基準の値を示す。

0044

実施例1
セメント製造工程において、キルンから抽気した高温の燃焼ガスを急冷し、集塵機で回収されたセメントダスト100部と水20.8部を、皿の直径1m、リム20cmの転動造粒機を用いて、16rpm、角度55°の条件で造粒した。用いたセメントダストの組成を表1に示す。

0045

実施例2、3
造粒物100部に対する水の添加量を90.4部とし、抽出時間を4時間(実施例2)又は24時間(実施例3)とした以外は、実施例1と同様に抽出、デカンテーション、濾過、濾液蒸発乾固の各操作を行った。その結果を表4に示す。なお、実施例1の結果も併せて示す。

0046

実施例4
抽出温度を25℃、50℃又は83℃とし、抽出時間を4時間とした以外は、実施例1と同様に抽出操作を行った。その結果、抽出液中の塩素(Cl)濃度は、それぞれ3.76%、6.03%、7.71%であり、抽出速度は高温になるほど速くなった。

0047

実施例5
実施例1で抽出した後の造粒物(抽出残渣)100部に、水49部を用いて常温(25℃)で24時間放置して造粒物中に残存している水溶性成分を抽出した。放置中に造粒物が崩壊することはなかった。造粒物と液の分離は良好で、デカンテーションにより抽出液と造粒物(抽出残渣)とを分離したところ、抽出液中の濁りはほとんど無かった。抽出液として、微黄色透明のアルカリ性液体(pH12.5)が53部得られた。この液の塩素(Cl)濃度は3.66%、比重は1.047であった。第1回(実施例1)と第2回(実施例5)の合計の塩素(Cl)回収率はセメントダスト中の塩素(Cl)に対して74.3%であった。

0048

実施例6(向流抽出実験
実施例1と同様の方法で得られた造粒物(硬化させた造粒物)100部に、実施例5で得られた抽出液75部を添加し、25℃で24時間放置して、造粒物中の水溶性成分を抽出した。放置中に造粒物が崩壊することはなかった。造粒物と液の分離は良好で、デカンテーションにより抽出液と造粒物(抽出残渣)とを分離した。抽出液中の濁りをとるために、ろ布を用いて濾過すると、黄色透明なアルカリ性液体(pH12.9)が73部得られた。ろ布上の湿ケーキは0.19部(含水率45.0%)で、粉化率は0.11%であった。濾液中の塩素(Cl)濃度は9.33%であった。

0049

実施例7〜10
実施例1と同じセメントダスト100部と水17.0部を、ディスクペレッター(不二パウダル(株)F5/11−175)を用いて押出し成形し、直径5mm、長さ5〜20mmの円柱形の造粒物を得た。成形直後の水分は14.5%であった。この造粒物を6日間自然乾燥した。乾燥後の水分は7.33%であった。この乾燥した造粒物を用い、表5に示す条件で抽出操作を行った。抽出液と造粒物(抽出残渣)とをデカンテーションにより分離し、抽出液は濾過に付した。なお、抽出液と造粒物(抽出残渣)との分離は極めて容易であり、抽出中に造粒物が崩壊することはなかった。抽出液を蒸発乾固して得られた固体の組成分析を行い、塩素(Cl)回収率を求めた。結果を表5に示す。

0050

実施例11〜14
実施例7で得た押出し成形品マルメライザー(昭和エンジニヤリングKK、形式SK−450−4540)で整粒した。得られた造粒物は粒径5〜7mmの球(楕球)であり、造粒直後の水分は14.5%であった。この造粒物を6日間自然乾燥した。乾燥後の水分は9.32%であった。この乾燥した造粒物を用い、表6に示す条件で抽出操作を行った。抽出液と造粒物(抽出残渣)とをデカンテーションにより分離した。なお、抽出液と造粒物(抽出残渣)との分離は極めて容易であり、抽出中に造粒物が崩壊することはなかった。抽出液を蒸発乾固して得られた固体の組成分析を行い、塩素(Cl)回収率を求めた。結果を表6に示す。

0051

実施例15、16
下記表7に示す組成のダスト73.5部と、水26.5部と、硫化ソーダ(実施例15のみ)0.03部を用い、実施例1に準じた方法により造粒した。造粒物の平均粒径は15mm、含水率は26.5%であった。

0052

実施例17
下記表9に示す組成のダストを用いて、実施例1と同様にして造粒した。得られた造粒物の平均粒径は0.5〜4mm、含水率は17.0%であった。

0053

実施例18
都市ゴミストーカ炉を用いて焼却処理する際に発生する飛灰[塩素(Cl)含量9.86%]100部と、消石灰2.5部と、水27部とを用いて、実施例1に準じて造粒した。造粒物の平均粒径は10mm、含水率は20.8%であった。この造粒物を、湿空気中で1週間養生した。養生した造粒物100部に水79部を添加し、室温で23時間静置して、造粒物中の水溶性成分を抽出した後、液と固体を分離した。その際、造粒物は崩壊することなく、また、粉化物はほとんどなかった。上記操作により、抽出液69.8部と、濡れた造粒物99.8部を得た。抽出液のpHは11.8、比重は1.08、塩素(Cl)濃度は5.42%であり、塩素の抽出率(回収率)は55.3%であった。抽出液中には、Na+、K+、Ca2+などが認められた。

0054

比較例1〜3
実施例1と同じセメントダスト100部と下記表10に示す量の水(25℃)とを混合し、スラリー液を調製した。

0055

実施例19
実施例1において、抽出液に硫化ソーダ処理及び中和処理を施して得られた水溶液を濃縮して得られた固体(回収塩化カリウム)の肥料としての有効性を確認するため、幼植物試験法に基づき、こまつなを用いて発芽及び生育収量調査試験を行った。その結果を表13に示す。なお、試薬特級の塩化カリウムを用いた例を対照とした。

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