図面 (/)

技術 導電性高分子複合紙とその製造方法

出願人 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明者 後藤博正
出願日 1998年12月1日 (21年11ヶ月経過) 出願番号 1998-342089
公開日 2000年6月13日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 2000-160500
状態 特許登録済
技術分野 紙(4)
主要キーワード 非酸化状態 梱包紙 導電性状態 塩酸蒸気 複合紙 ポリチオフェン系高分子 高付加価値化 抄紙装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年6月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

請求項1

紙パルプ導電性高分子が内添されて抄紙されていることを特徴とする導電性高分子複合紙

請求項2

導電性高分子がポリアニリン系高分子ポリピロール系高分子、またはポリチオフェン系高分子である請求項1の複合紙。

請求項3

メラルデインベースとして、紙パルプとの合計量に対して5〜25重量%の割合で内添されている請求項1または2の複合紙。

請求項4

電気伝導度が1S/cm以上である請求項1ないし3のいずれかの複合紙。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかの複合紙の製造方法であって、紙パルプにエメラルデインベースの導電性高分子を内添し、抄紙した後に酸処理することを特徴とする導電性高分子複合紙の製造方法。

請求項6

請求項1ないし4のいずれかの複合紙の製造方法であって、紙パルプにエメラルデインソルト状態の導電性高分子を内添し、抄紙することを特徴とする導電性高分子複合紙の製造方法。

技術分野

0001

この出願の発明は、導電性高分子複合紙とその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、紙ベース電子部材計測部材等として有用な、高付加価値紙製品展開を可能とする、新しい導電性複合紙とその製造方法に関するものである。

0002

従来より、古い歴史を有する紙製品については、その用途の多様化とともに各種の機能が付与されたものが開発されてきている。しかしながら、古来からの紙パルプを主として抄造される紙製品については、たとえば電子・光機能等の先端的な機能が付与されたものは数が少く、実際的には、技術革新時代に即応した高付加価値品の展開はあまり進んでいないのが実情である。

0003

そこで、この出願の発明は、以上のような状況に鑑みて、紙パルプを主とする抄造製品について、その用途の多様化と高付加価値化を図ることができる、新しい導電性複合紙を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

0004

この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、紙パルプに導電性高分子が内添されて抄紙されていることを特徴とする導電性高分子複合紙を提供する。またこの出願は、第2には、導電性高分子がポリアニリン系高分子ポリピロール系高分子、またはポリチオフェン系高分子である前記複合紙を、第3には、エメラルデインベースとして、紙パルプとの合計量に対して5〜25重量%の割合で内添されている複合紙を、第4には、電気伝導度が1S/cm以上である複合紙をも提供する。

0005

そして、この出願の発明は、第5には前記の第1ないし第4のいずれかの複合紙の製造方法であって、紙パルプにエメラルデインベースの導電性高分子を内添し、抄紙した後に酸処理することことを特徴とする導電性高分子複合紙の製造方法を、第6には、紙パルプにエメラルデインソルト状態の導電性高分子を内添し、抄紙することを特徴とする導電性高分子複合紙の製造方法を提供する。

0006

以上のとおりのこの出願の発明の導電性高分子複合紙は、その製造において、混合抄紙によって安価に作成できる上に、作成されたものは劇的な電気伝導度と色調の変化、および水素イオンセンシング機能を有する等から、たとえば静電防止梱包紙コンデンサー電極酸性度検出素子等の用途への展開に有用なものとなる。

発明を実施するための最良の形態

0007

この出願の発明の実施の形態について以下に説明する。まず、この発明の導電性高分子複合紙については、前記のとおり、紙パルプを主として、これに導電性高分子が内添されて抄紙されたものであることを本質的な特徴としている。

0008

この場合の紙パルプは、従来より使用されているものをはじめとして各種のものであってよい。製紙用として使用することができる、針葉樹広葉樹木材パルプをはじめ、非木材系リンターパルプ等であってよく、製造法としての区分では、メカニカルパルプケミカルパルプセミケミカルパルプのうちの各種のもの、あるいはそれらの混合であってよい。

0009

一方、内添される導電性高分子も各種のものでよく、たとえば代表例としては、ポリアニリン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリチオフェン系高分子等が挙げられる。ここで、たとえば、ポリアニリン系高分子と表現する場合の「系」については、高分子の基本主鎖構造ポリアニリンであって、これに各種の化学修飾が行われているもので、導電性を示すことのできる各種のものが含まれることを意味している。つまり、ポニアリンとその修飾体としての導電性高分子が意味されている。他の場合についても同様である。

0010

これらの導電性高分子は、この発明においては、いわゆる脱ドープされている非酸化状態のエメラルデインベースとして、あるいは酸化状態にあるエメラルデインソルトとして添加混合することができる。たとえばポニアニリンのエメラルデインベース状態のものを使用する場合について説明すると、エメラルデインベースとは、前記のとおり、脱ドープした状態のポニアニリンをさす。このため、この状態では導電性は生じないが塩酸などで酸処理してpHを下げ、いわゆるドーピング処理を行うことにより、酸化状態にするとエメラルデインソルトという導電性状態に変化する。紙に内添したポリアニリンも同様に絶縁性状態から導電性状態に変化する。それとともに色が深い青からエメラルドグリーンに変化する。この状態でこの導電性高分子複合紙の導電性が生ずる。また酸化状態のエメラルデインソルトと紙パルプより、最初から導電性を有する状態で抄紙することも可能であり、酸による上記のドーピング処理を行うこと無しに導電性の紙が作製できる。

0011

いずれの場合も、複合紙は紙パルプと混合抄紙することで作製できるので極めて製法が容易である。電気伝導度や色の変化は内添するポリアニリンの量を変化させることにより調節できる。また、前記例示の他の導電性高分子であるポリピロールやポリチオフェンでも同様な複合紙を作製でき、同様な性能を得ることができる。

0012

なお、エメラルデインソルトの状態(導電性状態)にしてからアンモニアなどのアルカリに、気相ないしは液相で接触させると絶縁体に変化することから、この発明の導電性複合紙はアルカリセンサーとしても用いることができる。紙パルプへの導電性高分子の配合割合については特に限定はなく、使用する導電性高分子の種類、所望の電気伝導度のレベル等により適宜に調整される。一般的には、エメラルデインベースとして、紙パルプとの合計量に対して1〜40重量%、さらには5〜25重量%程度が適当な目安となる。

0013

そして、この発明においては、より具体的には、電気伝導度が1S/cm以上である導電性高分子複合紙が提供されることになる。もちろん、この発明の複合紙においては、所望により他の配合成分が適宜に添加されてもよいことは言うまでもない。また、抄紙については、従来同様の方法、そして装置が適宜に使用できることになる。

0014

また、エメラルデインベースで内添した後の酸処理には、塩酸が最も簡便に使用できるが、これに限定されることはなく、pHを下げ、酸化状態とすることのできる鉱酸あるいは有機酸のうちの各種のものであってよい。塩酸を用いる場合には、常温、常圧で、空気中で蒸発するHClによるドープとして行うことができる。たとえば塩酸以外には、硫酸ギ酸等も例示される。また、酸処理は導電性を賦活するためのドープとして行われるものであるが、この賦活のためのドープは、ヨウ素やヒ素(AsF5 等による)で行ってもよい。

0015

そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではない。

0016

紙パルプ:NBKP(針葉樹パルプ)/LBKP(広葉樹パルプ)(重量比)=70/30にポリアニリンエメラルデインベースを13.5重量%内添し、抄紙装置により複合紙を作製した。この場合、坪量は195g/m2 であった。これを常温、常圧で塩酸蒸気さらすことにより最高1.95S/cmの電気伝導度が発生することが確認された。添付の図1に示したように、塩酸蒸気にさらす前は絶縁体の領域であったが塩酸蒸気に接触させるとほぼ同時に導体の領域に電気伝導度が向上した。その上昇率は一億倍であった。

発明の効果

0017

以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、混合抄紙という簡単な手段で、紙パルプを主とする導電性複合紙を提供することができる。この複合紙は、製法が容易であるだけでなく、電気伝導度や色の変化は内添するポリアニリンの量を変化させることにより調節でき、また、水素イオンセンシング機能を有し、色および電気伝導度の劇的な変化から酸性度のチェック、および静電防止梱包剤等に用いることができる。さらにはアルカリセンサーとしても使用することができる。またポリアニリン等の導電性高分子の単体にはない、紙特有の柔らかさ、安価性、しなやかさ、強靱性を有するため、製紙業界の電子分野における新たな分野の開拓に繋がる。

図面の簡単な説明

0018

図1エメラルデインベースのポリアニリンの内添の紙についての塩酸処理にともなう電気伝導度の変化を例示した図である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 王子ホールディングス株式会社の「 シート及びシートの製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】本発明は、繊維幅が10μm以上の繊維状セルロースと、繊維幅が1μm以下の微細繊維状セルロースを含むシートであって、撚れの発生が抑制されたシートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、... 詳細

  • リンテック株式会社の「 合成皮革用工程紙および合成皮革の製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】成皮革の製造に際して繰り返して使用しても、合成皮革の製造効率が低下することがない合成皮革用工程紙を提供すること。【解決手段】基材と、基材上に形成された剥離剤層とを備えた合成皮革用工程紙において... 詳細

  • 独立行政法人国立印刷局の「 パルプシート裁刻機」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】 供給されたパルプシートの態様に応じて、シート供給速度を可変することができるパルプシート裁刻機を提供する。【解決手段】 パルプシートを1シートごと繰り出す給紙部と、シートをストリーム搬送す... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ