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技術 工作機械の主軸冷却装置およびスピンドル装置

出願人 光洋機械工業株式会社
発明者 近森章大西重敏北村浩一
出願日 1998年11月27日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1998-337246
公開日 2000年6月13日 (19年9ヶ月経過) 公開番号 2000-158288
状態 拒絶査定
技術分野 工作機械の補助装置 軸受の取付、その他 軸・クランク・連接棒及び関連の軸受 軸受の取付、その他
主要キーワード 冷却対象部位 円筒外径面 冷却液供給路 供給側通路 円筒内径 螺旋通路 条螺旋 往復駆動源
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

工作機械回転主軸において、高い冷却効率を得ることができる構造を備えた主軸冷却装置を提供する。

解決手段

回転駆動される回転主軸1を直接冷却する冷却液通路30は、回転主軸1の後方から前端部を経て再び後方へ循環するように設けられてなるとともに、少なくとも前側軸受4により軸支される回転主軸1の前側外周部37に沿って螺旋状に延びている。この冷却液通路30を流れる冷却液の循環により、回転主軸1の熱膨張に直接影響を及ぼす前側軸受4からの発熱をその内径側から冷却液に取り去って、前側軸受4の内径側全体を有効に冷却し、回転主軸1の熱膨張を有効に抑制する。

概要

背景

例えばマシニングセンタ回転工具スピンドル装置としては、回転主軸回転駆動する駆動モータが一体的に組み込まれてなるモータ内蔵型スピンドル装置が用いられており、このスピンドル装置においては、先端部に回転工具が取り付けられる回転主軸が、その前後位置軸受により回転可能に軸支されるとともに、これら前後両軸受の間に、回転主軸を回転駆動する駆動モータが一体的に組み込まれてなる。

ところで、この種のスピンドル装置においては、回転主軸の回転に伴う上記軸受特に前側(工具側)の軸受の発熱と駆動モータの発熱とにより、回転主軸が加熱されて軸方向へ熱膨張する傾向があり、この熱膨張は加工中のワーク寸法精度(ワーク加工精度)に悪影響を与えることとなる。したがって、高いワーク加工精度を維持するためには、上記回転主軸の軸方向への熱膨張を低く抑えることが最重要事項の一つである。

この熱膨張防止対策としては、回転主軸を直接冷却できれば理想的であるが、この直接冷却技術が未だ確立されていなかったことから、その次善策として、従来は、ワーク加工に先立って回転主軸を慣らし運転したり、あるいは、回転主軸の加工制御に回転主軸の熱膨張を考慮した補正因子を導入して対応していたが、高い加工精度を要求される精密金型加工などにとっては、充分な加工精度が維持できていないというのが実情であった。

概要

工作機械の回転主軸において、高い冷却効率を得ることができる構造を備えた主軸冷却装置を提供する。

回転駆動される回転主軸1を直接冷却する冷却液通路30は、回転主軸1の後方から前端部を経て再び後方へ循環するように設けられてなるとともに、少なくとも前側軸受4により軸支される回転主軸1の前側外周部37に沿って螺旋状に延びている。この冷却液通路30を流れる冷却液の循環により、回転主軸1の熱膨張に直接影響を及ぼす前側軸受4からの発熱をその内径側から冷却液に取り去って、前側軸受4の内径側全体を有効に冷却し、回転主軸1の熱膨張を有効に抑制する。

目的

本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、工作機械の回転主軸において、回転主軸の支持剛性や強度を低下することなく、回転主軸を直接冷却することで、高い冷却効率を得ることができる構造を備えた主軸冷却装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

工作機械に装置されるスピンドル装置において、回転駆動される回転主軸を冷却する装置であって、前記回転主軸を直接冷却する冷却液通路が、前記回転主軸の後方から前端部を経て再び後方へ循環するように設けられてなり、この冷却液通路は、少なくとも前側軸受により軸支される前記回転主軸の前側外周部に沿って螺旋状に延びていることを特徴とする工作機械の主軸冷却装置

請求項2

前記冷却液通路は、前記回転主軸の前側外周部において、回転主軸前端部に向けて螺旋状に延びる往進用通路と回転主軸方向へ向けて螺旋状に延びる復進用通路とを備え、これら両通路は、二条螺旋通路を形成するとともに、前記回転主軸の前端部において連通されていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械の主軸冷却装置。

請求項3

前記冷却液通路は、前記回転主軸の前側外周部において、回転主軸の外径面とこの回転主軸外径面に一体的に嵌合固定されるスリーブ内径面との間に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械の主軸冷却装置。

請求項4

前記冷却液通路の往進用通路および復進用通路は、前記回転主軸の前側外径面に形成された螺旋溝と、前記スリーブ内径面とにより形成される密封空間通路から形成されていることを特徴とする請求項3に記載の工作機械の主軸冷却装置。

請求項5

前記冷却液通路の往進用通路および復進用通路は、前記スリーブ内径面に形成された螺旋溝と、前記回転主軸の前側外径面とにより形成される密封空間通路から形成されていることを特徴とする請求項3に記載の工作機械の主軸冷却装置。

請求項6

前記冷却液通路に冷却液循環供給する冷却液供給装置を備え、この冷却液供給装置は、前記回転主軸の冷却対象部位の実際の温度を検出して、回転主軸の回転支持状態を常時安定させるべく冷却液を循環供給するように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の工作機会の主軸冷却装置。

請求項7

工作機械に装置されて、回転主軸とこの回転主軸を回転駆動するビルトインモータとを備えてなるモータ内蔵型のスピンドル装置であって、前記回転主軸の冷却装置が請求項1から6のいずれか一つに記載の主軸冷却装置から構成されていることを特徴とするスピンドル装置。

技術分野

0001

この発明は工作機械主軸冷却装置およびスピンドル装置に関し、さらに詳細には、主として、マシニングセンタ等の工作機械において、先端部に回転工具が取り付けられる回転主軸等を直接的に冷却する主軸冷却技術に関する。

背景技術

0002

例えばマシニングセンタの回転工具用スピンドル装置としては、回転主軸を回転駆動する駆動モータが一体的に組み込まれてなるモータ内蔵型スピンドル装置が用いられており、このスピンドル装置においては、先端部に回転工具が取り付けられる回転主軸が、その前後位置軸受により回転可能に軸支されるとともに、これら前後両軸受の間に、回転主軸を回転駆動する駆動モータが一体的に組み込まれてなる。

0003

ところで、この種のスピンドル装置においては、回転主軸の回転に伴う上記軸受特に前側(工具側)の軸受の発熱と駆動モータの発熱とにより、回転主軸が加熱されて軸方向へ熱膨張する傾向があり、この熱膨張は加工中のワーク寸法精度(ワーク加工精度)に悪影響を与えることとなる。したがって、高いワーク加工精度を維持するためには、上記回転主軸の軸方向への熱膨張を低く抑えることが最重要事項の一つである。

0004

この熱膨張防止対策としては、回転主軸を直接冷却できれば理想的であるが、この直接冷却技術が未だ確立されていなかったことから、その次善策として、従来は、ワーク加工に先立って回転主軸を慣らし運転したり、あるいは、回転主軸の加工制御に回転主軸の熱膨張を考慮した補正因子を導入して対応していたが、高い加工精度を要求される精密金型加工などにとっては、充分な加工精度が維持できていないというのが実情であった。

発明が解決しようとする課題

0005

この点に関して、近時、種々の冷却技術が研究開発されており、回転主軸内部に冷却液を流して、回転主軸を直接冷却する技術も提案されている。この冷却技術としては、冷却液を回転主軸の後部から供給して前部から回収する方式と、回転主軸内径面と工具クランプ用のドローバ外径面間に冷却液を流す方式とがあるが、いずれ方式もそれぞれ次のような課題を抱えており、未だ実用上完全なものとはいえず、さらなる改良が要望されていた。

0006

すなわち、前者の冷却液を回転主軸の後部から供給して前部から回収する方式にあっては、液体回収装置が回転主軸の前側つまり工具側に設けられるため、回転主軸の支持剛性が低くなったり、構造上冷却液の回収が不充分で冷却液漏れが発生したりするなどの問題を残している。

0007

また、後者の回転主軸内径面とドローバ外径面間に冷却液を流す方式にあっては、回転主軸外径側の軸受からの発熱を充分に吸収し冷却することができず、冷却効率が低い。この冷却効率を上げるためには、回転主軸自体の肉厚を薄くすることも考えられるが、これでは回転主軸の強度が低下するという新たな問題を生じてしまう。

0008

本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、工作機械の回転主軸において、回転主軸の支持剛性や強度を低下することなく、回転主軸を直接冷却することで、高い冷却効率を得ることができる構造を備えた主軸冷却装置を提供することにある。

0009

上記目的を達成するため、本発明の主軸冷却装置は、回転駆動される回転主軸を直接冷却する冷却液通路が、回転主軸の後方から前端部を経て再び後方へ循環するように設けられてなり、この冷却液通路は、少なくとも前側軸受により軸支される上記回転主軸の前側外周部に沿って螺旋状に延びていることを特徴とする。

0010

好適な実施態様として、上記冷却液通路は、上記回転主軸の前側外周部において、回転主軸前端部に向けて螺旋状に延びる往進用通路と回転主軸方向へ向けて螺旋状に延びる復進用通路とを備え、これら両通路は、二条螺旋通路を形成するとともに、上記回転主軸の前端部において連通されている。また、上記冷却液通路は、上記回転主軸の前側外周部において、回転主軸の外径面とこの回転主軸外径面に一体的に嵌合固定されるスリーブ内径面との間に設けられる。

0011

また、本発明のスピンドル装置は、回転主軸とこの回転主軸を回転駆動するビルトインモータとを備えてなるモータ内蔵型のものであって、上記回転主軸の冷却装置が上記主軸冷却装置から構成されていることを特徴とする。

0012

本発明においては、回転主軸を直接冷却する冷却液が回転主軸の後方から前端部を経て再び後方へ循環する。この場合の冷却液の流れは、上記冷却液通路に従って、回転主軸の前側外周部に沿って螺旋状に流れて、再び回転主軸の後部へ戻る。

0013

この冷却液の循環により、回転主軸の熱膨張に直接影響を及ぼす前側軸受からの発熱をその内径側から冷却液が吸収し取り去って、前側軸受の内径側全体を有効に冷却して、回転主軸の熱膨張を有効に抑制することが可能となる。

0014

この場合、上記回転主軸の前側外周部において、冷却液通路が、回転主軸前端部に向けて螺旋状に延びる往進用通路と回転主軸方向へ向けて螺旋状に延びる復進用通路とを備えるとともに、これら両通路が軸方向へ交互に配されてなる二条螺旋通路の形態とされることにより、冷却効率の一層の向上が図られる。

0015

また、上記冷却液通路の具体的構造が、上記回転主軸の前側外周部において、回転主軸の外径面とこの回転主軸外径面に一体的に嵌合固定されるスリーブ内径面との間に設けられることにより、このスリーブが回転主軸の補強材としても作用する結果、回転主軸の強度低下を有効に防止する。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。

0017

本発明に係るスピンドル装置が図1に示されている。このスピンドル装置は、具体的にはマシニングセンタの主軸台に装置されるモータ内蔵型のもので、先端部に回転工具が取り付けられる回転主軸1と、装置内部に一体的に組み込まれたビルトインタイプの駆動モータ2とを主要部として構成されるとともに、回転主軸1を直接冷却する主軸冷却装置3を備えてなる。

0018

回転主軸1は、その前後位置を軸承する前側軸受4,4および後側軸受5により、ハウジング6内に回転可能に収容保持されており、その先端部に回転工具(図示省略)を着脱可能に取り付ける工具取付部1aを備えるととにも、その中央部が駆動モータ2に駆動連結されている。

0019

一対の前側軸受4,4は、回転工具に近い位置にあって回転主軸1を回転支持するもので、具体的にはそれぞれ2個のアンギュラ玉軸受8,8から構成されてなり、回転主軸1の前側外周部の前後両端部分に配されて、回転主軸1に作用するラジアル荷重アキシャル荷重を負担する。前側軸受4,4の具体的な支持構造については、主軸冷却装置3との関係で後述する。

0020

後側軸受5は、駆動モータ2の後側位置にあって回転主軸1を回転支持するもので、具体的には2個のアンギュラ玉軸受9,9から構成されてなり、スライドボール軸受10を介して、ハウジング6の内径部に支持されている。そして、この後側軸受5とスライドボール軸受10の共働作用により、回転主軸1をその軸線方向への移動を許容しつつ回転可能に支持するいわゆるサポート軸受を構成している。

0021

駆動モータ2は、前側軸受4と後側軸受5の間に配されており、具体的には、ステータ15がハウジング6の内径円筒部に固定されるとともに、これに対応して、ロータ16が回転主軸1の所定位置に固定されてなり、これにより、ステータ15の内径面とロータ16の内径面とが、所定の空隙17をもって対向配置されている。

0022

また、回転主軸1先端の工具取付部1aは、図3に示すように、回転工具(図示省略)を取付け保持した工具ホルダ20を交換可能に取付け固定する部位であり、これに関連して、回転主軸1の内部には、貫通穴21が同軸状に貫設されるとともに、この貫通穴21内に工具ホルダ用ドローバ22が摺動可能に配されている。

0023

上記工具取付部1aは、工具ホルダ20のテーパシャンク23に対応したテーパ穴の形態とされるとともに、上記貫通穴21に連通されている。この貫通穴21内に設けられたドローバ22は、その先端部に回転主軸1の係止肩部26との係脱により開閉してチャッキング動作するコレット24が設けられている。そして、ドローバ22が後方へ移動することにより、コレット24が閉じて上記テーパシャンク23端部のプルスタッド25をチャッキングして引き込み、工具ホルダ20を回転主軸1の工具取付部1aに一体的に嵌着固定する。一方、ドローバ22が前方へ移動することにより、上記コレット24が開いて上記プルスタッド25のチャッキングを解除して、回転工具を工具ホルダ20ごと取り外して交換可能とする。

0024

これに関連して、ドローバ22は、その基端側が回転主軸1の後方外部へ延びており、スライドボール軸受26を介して、ハウジング6に軸方向へ往復移動可能に軸支されるとともに、図外の往復駆動源に駆動連結されている。この往復駆動源としては、ピストンシリンダアクチュエータとして備える油圧源等が採用されている。また、ドローバ22は、軸受27,28により、上記スライドボール軸受26と相対回転可能とされて、回転主軸1と一体的に回転可能な構造とされている。

0025

ドローバ22の軸心位置には、回転工具用クーラント切削液)を供給するためのクーラント供給路29がドローバ22全長にわたって貫設されており、このクーラント供給路29は、その基端が図外の切削液供給源に連通されるとともに、その先端が上記工具ホルダ20内の供給孔を介して回転工具に連通されている。また、このクーラント供給路29の周囲のドローバ22内部には、後述するように、前記主軸冷却装置3の冷却液通路30の一部(連通路39,43)が連通形成されている。

0026

主軸冷却装置3は、回転主軸1を直接冷却する冷却液通路30と、この冷却液通路30に冷却液(冷却油)を強制的に循環供給する冷却液供給装置31とを主要部として構成されている。

0027

冷却液通路30は、冷却液供給装置31を起点として、上記回転主軸1の後方から前端部を経て再び後方へ延びて冷却液供給装置31へ帰還するように設けられてなり、また、冷却液通路30における回転側つまり回転主軸1側と、制止側である冷却液供給装置31との境界接続部にはロータリジョイント33が設けられている。

0028

具体的には、冷却液通路30は、上記冷却液供給装置31からドローバ22を介して回転主軸1の前端部へ向けて延びる冷却液供給路35と、回転主軸1の前端部からドローバ22を介して冷却液供給装置31へ向けて延びる冷却液帰還路36とから構成されており、これら冷却液供給路35と冷却液帰還路36は、後述するように、前側軸受4により軸支される回転主軸1の前側外周部37においては、この前側外周部37沿って螺旋状に延びる螺旋通路の形態とされている。

0029

冷却液供給路35は、冷却液供給装置31の冷却液供給部31aから、ロータリジョイント33の供給側通路38を介して、ドローバ22内の連通路39へ延び、さらに回転主軸1の螺旋状の往進用通路40へ延びて構成されている。

0030

一方、冷却液帰還路36は、この冷却液供給路35の往進用通路40から接続部41を介して回転主軸1の螺旋状の復進用通路42へ延び、ドローバ22内の連通路43さらにはロータリジョイント33の帰還側通路44を介して、冷却液供給装置31の冷却液回収部31bへ帰還するように構成されている。

0031

ロータリジョイント33の供給側通路38および帰還側通路44は、図2に示すように、円周方向へ所定角度隔てた配置関係をもってそれぞれ放射方向へ延びて設けられている。供給側通路38は、その基端が上記冷却液供給装置31の冷却液供給部31aに接続されるとともに、その先端が回転シール構造45aを介してドローバ22の連通路39の基端側接続部39aに接続されている。また、帰還側通路44は、その基端が回転シール構造45bを介してドローバ22の連通路43の先端側接続部43bに接続されるとともに、その基端が上記冷却液供給装置31の冷却液回収部31bに接続されている。

0032

ドローバ22の連通路39,43は、いずれもドローバ2の軸心位置に貫設されたクーラント供給路29を中心とした対称位置に、それぞれドローバ22の軸線方向へ平行に直線状に延びて設けられている。供給側の連通路39は、その基端部に上記基端側接続部39aが放射方向へ延びて設けられるとともに、その先端部に先端側接続部39bが放射方向へ延びて設けられている。また、帰還側の連通路43は、その基端部に基端側接続部43aが放射方向へ延びて設けられるとともに、その先端部に上記先端側接続部39bが放射方向へ延びて設けられている。

0033

上記冷却液通路30の螺旋状の往進用通路40および復進用通路42は、回転主軸1の前側外周部37において、軸方向へ交互に配されてなる二条螺旋通路を形成するとともに、回転主軸1の前端部において接続部41により互いに連通されている。また、往進用通路40の基端が、ドローバ22の供給側の連通路39の先端側接続部39bに連通接続されるとともに、復進用通路42の先端が、ドローバ22の帰還側の連通路43の基端側接続部43aに連通接続されている。

0034

上記回転主軸1の前側外周部37に設けられる螺旋状の往進用通路40および復進用通路42は、具体的には、図3に示すように、回転主軸1の前側外径面37aと、この前側外径面37aに一体的に嵌合固定される円筒状のスリーブ46の内径面46aとの間に設けられている。回転主軸1に対するスリーブ46の嵌合固定は、圧入あるいは焼き嵌め等の適宜の固定手段によりなされる。

0035

図示の実施形態においては、図4に示すように、回転主軸1の前側外径面37aに二条の螺旋溝50、51が形成されるとともに、回転主軸1の前端部外径面に、環状溝52が全周にわたって形成され、この環状溝52に上記二条螺旋溝50、51が連通されている。そして、これらの溝50、51および52と上記スリーブ46の内径面46aとにより形成される密封空間通路から、上記二条螺旋通路40,42とこれら螺旋通路40,42を接続する接続部41が形成されている。

0036

この目的のため、上述したように、スリーブ46が回転主軸1に対し圧入あるいは焼き嵌め等により密嵌状に嵌合固定されるとともに、固定ピン55により、スリーブ46が回転主軸1に対し軸方向へ位置決め固定されている。また、上記二条螺旋溝50、51および環状溝52を含めた回転主軸1の前後両側位置には、Oリング56,56が配されて、この部位の密封性が確保されている。

0037

また、二条螺旋通路の形態とされた往進用通路40と復進用通路42の螺旋捩じり方向の設定としては、次の二つの種類がある。

0038

往進用通路40の螺旋捩じり方向が回転主軸1の回転方向に一致するとともに、復進用通路42の螺旋捩じり方向が回転主軸1の回転方向と反対方向になるように設定される。

0039

往進用通路40の螺旋捩じり方向が回転主軸1の回転方向と反対方向になるとともに、復進用通路42の螺旋捩じり方向が回転主軸1の回転方向に一致するように設定される。

0040

いずれの設定を選択するかは、回転主軸1の回転方向等の他の設計条件にもよるが、回転主軸1の回転方向を対象とした場合、円滑なクーラントの流れを確保するためには、上記の設定を選択するのが好ましい。図示の実施形態においては、回転主軸1の回転方向が右回転であるから、これに対応して、往進用通路40の螺旋捩じり方向も図3に示すごとく右回転となるように設定されている。

0041

すなわち、往進用通路40と復進用通路42は接続部41を境として逆方向の流れになるため、回転主軸1が高速回転する場合、回転主軸1の回転力がこの接続部41を流れるクーラントに大きく影響して、キャビテーションを生じることもあり得る。

0042

この点に関して、上記のような設定構成とされると、往進用通路40のクーラントは、回転主軸1の回転方向の回転力と、冷却液供給装置31の供給ポンプ(図示省略)の圧送力とにより、円滑な流れが確保される。一方、復進用通路42のクーラントの流れは、復進用通路42の螺旋捩じり方向が回転主軸1の回転方向と反対方向になっていることから、冷却液供給装置31の供給ポンプの圧送力が回転主軸1の回転力によりある程度相殺されて低下する結果、上記接続部41におけるクーラントの流れ方向の逆転によるキャビテーションの発生が有効に防止されることになる。

0043

しかして、冷却液供給装置31の冷却液供給部31aから供給される冷却液は、このように構成された冷却液供給路35の冷却液供給路35において、ロータリジョイント33の供給側通路38からドローバ22の連通路39を介して、回転主軸1の前側外周部37の往進用通路40へ導入され、この往進用通路40に沿って回転主軸1の外周を螺旋状に流れて、この部位の熱を吸収し、回転主軸1を直接冷却する。この後、冷却液は接続部41から冷却液帰還路36へ導入される。冷却液帰還路36において、冷却液は、回転主軸1の前側外周部37の復進用通路42に沿って回転主軸1の外周を上記と逆方向へ螺旋状に流れて、この部位の熱を吸収し、回転主軸1を再び直接冷却した後、ドローバ22の連通路43からロータリジョイント33の帰還側通路44を介して、冷却液供給装置31の冷却液回収部31bに回収される。

0044

冷却液供給装置31は、上記の冷却液の循環を制御するもので、具体的には図示しないが、上記冷却液供給部31aおよび冷却液回収部31bを構成する冷却液回路に設けられた各種構成装置、つまり、冷却液を供給回収する冷却液タンク、この冷却液タンクの冷却液を上記冷却液通路30へ圧送循環させる供給源としての冷却液供給ポンプ、およびこの冷却液供給ポンプによる冷却液供給量を制御する流量制御弁と、回転主軸1の近傍に設けられて冷却対象部位の温度を感知する温度センサ等からなる温度検出部と、この温度検出部からの検出結果に従って上記冷却液回路の各種構成装置を駆動制御する制御部などとから構成されている。そして、この冷却液供給装置31は、上記温度検出部により冷却対象部位の実際の温度を常時検出しながら、回転工具による加工条件等に応じて軸冷却温度最適値制御調整して、回転主軸1の回転支持状態を常時安定させる。

0045

また、上記スリーブ46は回転主軸1と一体となって回転主軸1の前側外周部37の補強部としても機能し、このスリーブ46の円筒外径面が、前側軸受4,4の取付部となる。

0046

具体的には、図3に示すように、スリーブ46の外周部において、一対のアンギュラ玉軸受8,8からなる前側軸受4の内輪部が、内輪用カラー60により軸方向に所定間隔をもってスリーブ46の円筒外径面に取付け固定されるとともに、外輪部が外輪用カラー61によりハウジング6の円筒内径面に取付け固定されている。62はスリーブ46の前端に設けられた軸受取付部、63はスリーブ46の後端に設けられた前側軸受4を軸方向に固定する軸受ナットをそれぞれ示している。

0047

上述した主軸冷却装置3に関連して、本スピンドル装置は、軸受4,5の内部の冷却、駆動モータ2の冷却およびハウジング6の冷却を行う冷却装置も備えており、この目的のため、ハウジング6内部には上記軸受4,5へ冷却液を供給する冷却液通路70が設けられるとともに、ハウジング6の外周部、とりわけ上記回転主軸1の前側外周部37が位置する対応箇所および駆動モータ2が位置する対応箇所には、冷却液通路71,72用の環状または螺旋状溝71a,72aが設けられている。これら冷却液通路71,72に冷却液を供給する冷却液供給装置は、上記主軸冷却装置3の冷却液供給装置31と共用されるほか、目的に応じて別個独立したものとされる。

0048

しかして、以上のように構成されたスピンドル装置において、駆動モータ2により回転主軸1が高速で回転駆動されると、特に前側軸受4,4および駆動モータ2の部位が発熱することになるところ、これらの部位は上述した冷却装置により有効に吸熱冷却されて、回転主軸1の最適な回転支持状態が確保される。

0049

特に、主軸冷却装置3は、前述したように、冷却液供給装置31により、冷却液を冷却液通路30に沿って回転主軸1の後方から前端部を経て再び後方へ循環させ、しかも回転主軸1の前側外周部37においては、冷却液の流れが、二条螺旋通路の形態とされた往進用通路40と復進用通路42により、前側外周部37の周りを螺旋状に流れることとなる。

0050

この冷却液の循環により、回転主軸1の熱膨張に直接影響を及ぼす工具側軸受である前側軸受4,4からの発熱をその内径側から冷却液に取り去って、前側軸受4,4の内径側全体を有効に冷却し、これにより、回転主軸1の熱膨張が有効に抑制されることとなる。

0051

また、上記冷却液通路の具体的構造は、上記回転主軸の前側外周部において、回転主軸1の外径面37aとこの回転主軸外径面37aに一体的に嵌合固定されるスリーブ46の内径面46aとの間に設けられてなる。このため、このスリーブ46は、回転主軸1の補強材としても作用することとなり、回転主軸1の強度低下を有効に防止することができる。

0052

なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を例示するものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。例えば、次のような設計変更が可能である。

0053

(1) 図示の実施形態においては、冷却液通路30は、最も発熱量の大きな前側軸受4,4により軸支される回転主軸1の前側外周部37において、前側外周部37に沿って螺旋状に延びているが、この螺旋状の冷却液通路の形成範囲は、対象となるスピンドル装置の回転主軸の支持構造によっては、さらにその形成範囲を増大することも可能である。

0054

(2) 図示の実施形態の冷却液通路30において、回転主軸1の前側外周部37に設けられる螺旋状の往進用通路40および復進用通路42は、回転主軸1の前側外径面37aに設けられた螺旋溝50、51と、スリーブ46の内径面46aとにより形成されているが、この逆の構成でも良い。

0055

つまり、具体的には図示しないが、スリーブ46の内径面46aに螺旋溝50、51が設けられて、これら螺旋溝50、51と回転主軸1の円筒外径面37aとにより形成される密封空間通路から、二条螺旋通路40,42が構成されてもよい。

0056

(3) また、これら螺旋通路40,42を接続する接続部41も、図示の実施形態のような、回転主軸1の前端部の外径面に全周にわたって形成される環状溝52の形態ではなく、図5に示すように、螺旋溝50、51を直接連結する接続溝152の形態とされてもよい。

0057

(4) さらに、図示の実施形態の主軸冷却装置3は、マシニングセンタの主軸台に装置されるモータ内蔵型のスピンドル装置用のものであるが、モータを内蔵しないスピンドル装置にも適用可能であり、さらには、他の工作機械のスピンドル装置にも適用可能である。

発明の効果

0058

以上詳述したように、本発明によれば、回転駆動される回転主軸を直接冷却する冷却液通路が、上記回転主軸の後方から前端部を経て再び後方へ循環するように設けられてなり、この冷却液通路は、少なくとも前側軸受により軸支される上記回転主軸の前側外周部に沿って螺旋状に延びているから、回転主軸を直接冷却することで、高い冷却効率を得ることができる構造を備えた主軸冷却装置を提供することができる。

0059

すなわち、回転主軸を直接冷却する冷却液が回転主軸の後方から前端部を経て再び後方へ循環し、この場合の冷却液の流れは、上記冷却液通路に従って、回転主軸の前側外周部に沿って螺旋状に流れて、再び回転主軸の後部へ戻る。

0060

そして、この冷却液の循環により、回転主軸の熱膨張に直接影響を及ぼす前側軸受からの発熱をその内径側から冷却液が取り去って、前側軸受の内径側全体を有効に冷却することができ、これにより、前側軸受の発熱が回転主軸に伝達されるのを低く抑えることができ、回転主軸の熱膨張を有効に抑制することが可能となる。

0061

このような冷却方式は、前述した従来の回転主軸内径面とドローバ外径面間に冷却液を流す方式に比較して、発熱源である軸受内径により近い所で冷却するため、冷却効率が高く、また、従来の冷却液を回転主軸の後部から供給して前部から回収する方式に比較して、液体回収装置が回転主軸の後側に設けられるため、回転主軸の支持剛性も十分で、かつ構造上冷却液の回収が充分で冷却液漏れが発生することもない。

0062

また、上記回転主軸の前側外周部において、冷却液通路が、回転主軸前端部に向けて螺旋状に延びる往進用通路と回転主軸方向へ向けて螺旋状に延びる復進用通路とを備えるとともに、これら両通路が軸方向へ交互に配されてなる二条螺旋通路の形態とされることにより、冷却効率の大幅な向上を図ることが可能である。

0063

さらに、上記冷却液通路の具体的構造が、上記回転主軸の前側外周部において、回転主軸の外径面とこの回転主軸外径面に一体的に嵌合固定されるスリーブ内径面との間に設けられることにより、このスリーブが回転主軸の補強材としても作用することとなり、回転主軸の強度低下を有効に防止することができる。この結果、回転主軸の支持剛性や強度を低下することなく、回転主軸を直接冷却する冷却構造が実現する。

図面の簡単な説明

0064

図1本発明の一実施形態に係る主軸冷却装置を備えたビルトインスピンドル装置の内部構成を示す側面断面図である。
図2同主軸冷却装置の第1の主要部を拡大して示す側面断面図である。
図3同主軸冷却装置の第2の主要部を拡大して示す側面断面図である。
図4同主軸冷却装置の冷却液通路の要部を構成する回転主軸の前側外径面を示す側面図である。
図5同冷却液通路の往進用通路と復進用通路の接続部の改変例を拡大して示す側面図である。

--

0065

1回転主軸
2駆動モータ
3主軸冷却装置
4前側軸受
5後側軸受
6ハウジング
22工具ホルダ用ドローバ
30冷却液通路
31冷却液供給装置
31a 冷却液供給装置の冷却液供給部
31b 冷却液供給装置の冷却液回収部
32 回転主軸の前端部
33ロータリジョイント
35冷却液供給路
36 冷却液帰還路
37 前側外周部
40螺旋状の往進用通路
41 接続部
42 螺旋状の復進用通路
50,51 螺旋溝

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