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技術 光導波路及びその製造方法

出願人 日立電線株式会社
発明者 本郷晃史樫村誠一大久保博行荒井英明
出願日 1998年11月24日 (21年11ヶ月経過) 出願番号 1998-333044
公開日 2000年6月6日 (20年5ヶ月経過) 公開番号 2000-155230
状態 拒絶査定
技術分野 光集積回路 光集積回路
主要キーワード 進行モード 狭間隙 高圧水素雰囲気 高周波スパッタリング装置 透過スペクトル特性 同一屈折率 断面略矩形状 多面体形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年6月6日)のものです。
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図面 (6)

課題

過剰損失がなく、コア及びクラッドのGeの含有量が精度よく一致する光導波路及びその製造方法を提供する。

解決手段

コア領域3とクラッド領域2、4との屈折率差は、コア領域3に添加されるTiの添加量によって任意の大きさに制御される。コア領域3及びクラッド領域2、4に紫外レーザ光照射することによって、コア領域3及び光信号拡散するクラッド領域2、4共に周期的な屈折率分布を有するグレーティングが形成され、クラッドモードによる過剰損失を抑制することができる。コア領域3及びクラッド領域2、4の形成に用いるGeを含有するSiO2ターゲット8−1〜8−4として同一組成のものを用いれば容易にコア領域3とクラッド領域2、4におけるGeの含有量を高精度で一致させることができる。

概要

背景

近年、Geの添加された光ファイバコア紫外光照射すると、屈折率が恒久的に変化する性質感光性:photosensitive)を利用して、光ファイバのコア部にグレーティングを形成する技術が検討されている。具体的には、まず、Geが添加されたSiO2ガラスコアの光ファイバを水素ローディングフレームブラッシング等の水素拡散処理を行い、Ge同士の弱く結合した状態を作る。

次にGe添加SiO2ガラスコアに、位相マスクと呼ばれるマスクを通してエキシマレーザ光波長193nmまたは248nm)を照射し、コア部に光の当たる部分と当たらない部分とを周期的に形成する。光の当たった部分ではガラス中で弱く結合していたGe同士の結合が切れ酸素欠乏欠陥が生成されて屈折率が高くなる。これとは逆に光の当たらなかった部分の屈折率は変化しない。このときの屈折率変化量としては10-3以上が得られている。これらの技術により光の伝送方向に周期的な屈折率変化を設けた光ファイバはグレーティングファイバと呼ばれ、狭帯域波長選択フィルタ等として有望視されている。

光照射によるグレーティング形成は、光ファイバだけではなく、平面光回路によっても実現されている。このような平面導波路型の光デバイスは複雑な光回路同一基板上に一括して形成できることから、安価で複雑な光回路が集積される可能性があるため、将来の光通信情報処理キーデバイスとなると考えられる。例えば、波長分波機やレーザ等機能性の高い集積化光部品の実現が可能となる。

概要

過剰損失がなく、コア及びクラッドのGeの含有量が精度よく一致する光導波路及びその製造方法を提供する。

コア領域3とクラッド領域2、4との屈折率差は、コア領域3に添加されるTiの添加量によって任意の大きさに制御される。コア領域3及びクラッド領域2、4に紫外レーザ光を照射することによって、コア領域3及び光信号拡散するクラッド領域2、4共に周期的な屈折率分布を有するグレーティングが形成され、クラッドモードによる過剰損失を抑制することができる。コア領域3及びクラッド領域2、4の形成に用いるGeを含有するSiO2ターゲット8−1〜8−4として同一組成のものを用いれば容易にコア領域3とクラッド領域2、4におけるGeの含有量を高精度で一致させることができる。

目的

そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、過剰損失がなく、コア及びクラッドのGeの含有量が精度よく一致する光導波路及びその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

平面基板と、該平面基板上に形成されたコア領域と、該コア領域を覆い該コア領域より相対的に屈折率の低いクラッド領域とを備えた光導波路において、上記コア領域はGe及びTiを含有するSiO2ガラスからなり、上記クラッド領域は上記コア領域と略添加濃度が等しいGeを含有するSiO2ガラスからなることを特徴とする光導波路。

請求項2

上記上部クラッド領域及び下部クラッド領域は、少なくとも上記コア領域の厚さよりも厚く形成されている請求項1に記載の光導波路。

請求項3

上記コア領域及び上記クラッド領域は、紫外線レーザ光照射されて周期的な屈折率分布を有するグレーティングが形成されている請求項1に記載の光導波路。

請求項4

平面基板上にコア領域を形成し、該コア領域を覆うように該コア領域より相対的に屈折率の低いクラッド領域を形成する光導波路の製造方法において、Tiを含有するSiO2 及びGeを含有する2種類のSiO2ターゲットを用いてRF高周波スパッタリング法によって上記コア領域を形成し、純粋SiO2 及びGeを含有する2種類のSiO2 ターゲットを用いてRF高周波スパッタリング法によって上記クラッド領域を形成する光導波路の製造方法。

請求項5

上記各ターゲットには、独立に設定したRF高周波電力を同時に印加すると共に、回転機構を有する基板ホルダを回転させながら、該基板ホルダに取り付けられた基板上に所望のガラス層を形成する請求項4に記載の光導波路の製造方法。

請求項6

スパッタリングによるガラス膜形成は、Ar及びO2ガス中で基板にバイアス電力を印加させながら行う請求項4に記載の光導波路の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、通信計測情報処理の分野に用いられる光導波路及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、Geの添加された光ファイバコア紫外光照射すると、屈折率が恒久的に変化する性質感光性:photosensitive)を利用して、光ファイバのコア部にグレーティングを形成する技術が検討されている。具体的には、まず、Geが添加されたSiO2ガラスコアの光ファイバを水素ローディングフレームブラッシング等の水素拡散処理を行い、Ge同士の弱く結合した状態を作る。

0003

次にGe添加SiO2ガラスコアに、位相マスクと呼ばれるマスクを通してエキシマレーザ光波長193nmまたは248nm)を照射し、コア部に光の当たる部分と当たらない部分とを周期的に形成する。光の当たった部分ではガラス中で弱く結合していたGe同士の結合が切れ酸素欠乏欠陥が生成されて屈折率が高くなる。これとは逆に光の当たらなかった部分の屈折率は変化しない。このときの屈折率変化量としては10-3以上が得られている。これらの技術により光の伝送方向に周期的な屈折率変化を設けた光ファイバはグレーティングファイバと呼ばれ、狭帯域波長選択フィルタ等として有望視されている。

0004

光照射によるグレーティング形成は、光ファイバだけではなく、平面光回路によっても実現されている。このような平面導波路型の光デバイスは複雑な光回路同一基板上に一括して形成できることから、安価で複雑な光回路が集積される可能性があるため、将来の光通信や情報処理のキーデバイスとなると考えられる。例えば、波長分波機やレーザ等機能性の高い集積化光部品の実現が可能となる。

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、光照射によるグレーティング形成は、Geの酸素欠乏欠陥に起因しているため、Geの存在しないところでは、紫外レーザ光を照射しても屈折率変化は誘起されない。

0006

一般に、Geは屈折率を相対的に高くするためコア領域にしか添加されていない。従ってクラッド領域には、光照射によるグレーティングを書き込むことができない。このような光導波路を用いてグレーティングを形成すると、図5に示すように、透過スペクトル特性において、ブラッグ反射波長短波長側に過剰損失が観察される。この過剰損失は光導波路を伝搬する進行モード後退クラッドモードに結合して生じるものである。なお、図5は従来の導波路型グレーティングの透過スペクトル特性図であり、横軸は波長を示し、縦軸透過率を示している。

0007

このクラッドモードによる過剰損失は、特定の波長のみを反射させ、それ以外の波長帯の光を透過させるフィルタとして用いる場合には大きな障害となる。特に近年の波長多重伝送においては、近接するチャンネル光信号の損失なるため極力過剰損失を抑制する必要がある。

0008

このクラッドモードによる過剰損失を抑制するためには、光信号のモードフィールドに対して、十分広い領域にグレーティングを形成する必要がある。すなわちクラッド領域にもGeを添加すればよい。

0009

しかしながら、Geの添加は屈折率を上昇させるため、コアとクラッドとの屈折率差をとることができなくなる。そのため、クラッド領域においては、Ge添加による屈折率上昇を相殺するため、屈折率低下元素を新たに添加しなければならない。

0010

一般に、SiO2 にフッ素を添加すると、屈折率が低下することが知られており、Ge添加による屈折率上昇を補償するため、フッ素の共添加が、特に光ファイバを用いたグレーティングの形成方法として検討されている。しかし、コア領域とクラッド領域とに同量のGeを添加し、かつクラッド領域にフッ素を共添加してGeによる屈折率上昇を相殺することは、非常に高精度のドーパント制御技術が必要になる。このため完全にはクラッドモードによる過剰損失を除去することはできない。

0011

また、特に平面型の光導波路では、まず基板上に下部クラッド層を形成し、その下部クラッド層の上にコア層を形成した後、光回路のパターンに従い断面矩形型のコア領域を加工し、最後に上部クラッド層をコア領域を覆うように積層する。このように、各工程を下から順次行い、下部クラッド層と上部クラッド層とを同時に形成することはできない。さらに各工程において膜の屈折率と密度とを安定化させるため、高温熱処理工程を必要とする。そのため下部クラッド層に添加させるフッ素の添加量と上部クラッド層に添加させるフッ素の添加量とを完全に一致させることはほとんど不可能であるという問題があった。

0012

そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、過剰損失がなく、コア及びクラッドのGeの含有量が精度よく一致する光導波路及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するために本発明の光導波路は、平面基板と、平面基板上に形成されたコア領域と、コア領域を覆いコア領域より相対的に屈折率の低いクラッド領域とを備えた光導波路において、コア領域はGe及びTiを含有するSiO2ガラスからなり、クラッド領域はコア領域と略添加濃度が等しいGeを含有するSiO2 ガラスからなるものである。

0014

上記構成に加え本発明の光導波路の上部クラッド領域及び下部クラッド領域は、少なくともコア領域の厚さよりも厚く形成されているのが好ましい。

0015

上記構成に加え本発明の光導波路のコア領域及びクラッド領域は、紫外線レーザ光が照射されて周期的な屈折率分布を有するグレーティングが形成されているのが好ましい。

0016

上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、平面基板上にコア領域を形成し、コア領域を覆うようにコア領域より相対的に屈折率の低いクラッド領域を形成する光導波路の製造方法において、Tiを含有するSiO2 及びGeを含有する2種類のSiO2ターゲットを用いてRF高周波スパッタリング法によってコア領域を形成し、純粋SiO2 及びGeを含有する2種類のSiO2 ターゲットを用いてRF高周波スパッタリング法によってクラッド領域を形成するものである。

0017

上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、各ターゲットには、独立に設定したRF高周波電力を同時に印加すると共に、回転機構を有する基板ホルダを回転させながら、基板ホルダに取り付けられた基板上に所望のガラス層を形成するのが好ましい。

0018

上記構成に加え本発明の光導波路の製造方法は、スパッタリングによるガラス膜形成は、Ar及びO2ガス中で基板にバイアス電力を印加させながら行うのが好ましい。

0019

本発明において、Ge及びTiを含有するSiO2ガラスによりコア領域を形成し、コア領域と略添加濃度が等しいGeを含有するSiO2 ガラスによりクラッド領域を形成している。コア領域とクラッド領域との屈折率差は、コア領域に添加されるTiの添加量によって任意の大きさに制御できる。

0020

本発明の光導波路によれば、コア領域及びクラッド領域に紫外レーザ光を照射することによって、コア領域及び光信号が拡散するクラッド領域共に周期的な屈折率分布を有するグレーティングが形成され、クラッドモードによる過剰損失を抑制することができる。

0021

このような光導波路を製作するには、コア領域、上部クラッド領域及び下部クラッド領域におけるGeの含有量を高精度で一致させる必要がある。Geの含有量を高精度で一致させるため本発明では、コア領域及びクラッド領域をなすガラス層は複数のターゲットを使用するRF高周波スパッタリング法によって作製され、コア領域の形成にはTiを含有するSiO2 ターゲット及びGeを含有するSiO2 ターゲットの2種類を用い、クラッド領域の形成には純粋SiO2 ターゲット及びGeを含有するSiO2 ターゲットの2種類を用いた。コア領域及びクラッド領域の形成に用いるGeを含有するSiO2 ターゲットとして同一組成のものを用いれば容易にコア領域とクラッド領域におけるGeの含有量を高精度で一致させることができる。

0022

また、各々のスパッタリングターゲットには、独立に設定したRF高周波電力を同時に印加すると共に、回転機構を有する基板ホルダを回転させることにより、基板ホルダに取り付けられた基板上に所望の屈折率及び組成を有する均一なガラス層の形成が可能となる。

0023

さらに、スパッタリングによるガラス膜形成は、Ar及びO2ガス中で基板にバイアス電力を印加しながら行うことによって、膜密度を高め、膜の屈折率、組成を安定化させることができる。また、特に上部クラッド層の形成においては、基板にバイアス電力を印加することによって、コア領域の狭間隙の部分でも埋め込むことができる。

発明を実施するための最良の形態

0024

以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。

0025

図1は本発明の光導波路の一実施の形態を示す断面図である。図2図1に示した光導波路を製造するのに用いたスパッタリング装置の構造図である。図3図1に示した光導波路の製造方法を示す工程図である。

0026

図1に示す基板1の上に、Geが添加されたSiO2ガラスを主成分とする下部クラッド領域2が形成され、下部クラッド領域2の上にGe及びTiが添加されたSiO2 ガラスを主成分とするコア領域3が形成され、下部クラッド領域2及びコア領域3を覆うように、下部クラッド領域2と同一組成の上部クラッド領域4が形成されている。なお、基板1の材料としては例えば石英基板が挙げられる(Si基板でもよい)。

0027

下部クラッド領域2及び上部クラッド領域4に含有されているGeの添加濃度は、コア領域3に含有されているGeの添加濃度に等しい。SiO2ガラスにGeを添加すると屈折率が上昇する性質がある。従って下部クラッド領域2及び上部クラッド領域4の屈折率は石英基板1よりも屈折率が高くなる。

0028

しかしコア領域3にはさらに屈折率を上昇させるTiが添加されているため、相対的にコア領域3の屈折率はクラッド領域2、4の屈折率より高くなり、光はクラッド領域2、4によって覆われたコア領域3内に閉じ込められて伝送される。

0029

本実施の形態では、コア領域3及びクラッド領域2、4に含有されるGeの添加濃度を約9mol%とした。また、コア領域3に含有されるTiの添加濃度を約2mol%とした。この結果、基板1とクラッド領域2、4との屈折率差は約0.75%、さらにクラッド領域2、4とコア領域3との屈折率差は約0.75%になる(基板1とコア領域3との屈折率差は約1.5%になる)。

0030

なお本実施の形態では、下部クラッド領域2及び上部クラッド領域4の厚さを共に8μmとし、コア領域3の断面寸法(幅、厚さ)を共に6μmとした。

0031

次に図2及び図3を参照して下部クラッド領域2、コア領域3及び上部クラッド領域4の各ガラス層の形成方法について説明する。

0032

図2は基板上に各ガラス層を形成するためのRF高周波スパッタリング装置を示す図である。

0033

同図において、5は真空容器、7は基板、6は基板7を保持する基板ホルダ、8−1〜8−4はスパッタリングターゲット(以下「ターゲット」という)、9−1〜9−4は各ターゲット8−1〜8−4に電力を供給するための高周波電源である。

0034

ここで基板7は、回転可能な多面体形状を有する基板ホルダ6の外周側面に多数枚(図では12枚であるが限定されない)取り付けられ、これら基板7と対向する真空容器5の内壁にターゲット8−1〜8−4が設けられている。

0035

まず図3(a)に示す下部クラッド領域2となるガラス層の形成について説明する。

0036

純粋石英からなるターゲットとGeを含有する石英からなるターゲットとを基板ホルダ6の回転方向に沿って交互に配置する。例えば、ターゲット8−1、8−3は純粋石英ターゲット、8−2、8−4はGeを含有する石英ターゲットとする。本実施の形態では、純粋石英からなるターゲット8−1、8−3として溶融石英板、Geを含有する石英からなるターゲット8−2、8−4としてSiO2酸化物粉体とGeO2 酸化物粉体とを混合プレスし、その後1000℃以上の高温焼結してGeの密度が70%以上となるように形成した焼結体を用いた。なお、Geの密度は、ガラス膜中のGeの添加濃度はSiO2 酸化物粉体とGeO2 酸化物粉体との混合割合を変えることによって容易に制御できる。

0037

本実施の形態ではターゲット8−2、8−4として、18mol%のGeO2を混合したSiO2 −GeO2焼結体を用いた。各ターゲット8−1〜8−4に印加される高周波電力はそれぞれ独立に制御され、各ターゲット8−1〜8−4のスパッタ率が略等しくなるように調整される。本実施の形態では純粋石英ターゲットを2枚用い、GeO2 18mol%含有する石英ターゲットを2枚用い、それぞれのスパッタ率が等しいので、下部クラッド領域2となるガラス層のGeの添加濃度は平均化により9mol%となる。

0038

スパッタリングの工程は、まず真空容器5内を1×10-5Pa以下の真空度まで排気する。続いて真空容器5内にスパッタガスであるArガスを100sccm導入し、反応ガスである02 ガスを10sccm導入し、真空容器5内のガス圧を0.3Paに保持し、基板ホルダ6を4回/minの速度で回転させながら、ターゲット8−1〜8−4のそれぞれに高周波電源9−1〜9−4より高周波電力を供給する。ターゲット8−1〜8−4の組成によるスパッタ率には大きな違いは見られず、各ターゲット8−1〜8−4に印加される高周波電力は略8W/cm2 程度で調整した。下部クラッド領域2の膜厚は8μmとなるように成膜を行った。

0039

次に、図3(b)に示すコア膜3aの形成について説明する。

0040

スパッタリング工程の条件は、上述した下部クラッド領域2の形成の場合と同様であるが、ターゲット8−1、8−3を純粋石英ターゲットからTiを含有するターゲットに取り替える。本実施の形態ではTiを含有する石英ターゲットのTiの添加濃度は4mol%とした。各ターゲット8−1〜8−4に印加される高周波電力は略8W/cm2 程度で調整し、その結果、コア膜3aのGeの添加濃度は9mol%になり、Tiの添加濃度は2mol%になる。

0041

このようにして形成されたコア膜3aは図3(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により光回路のパターニング後反応性イオンエッチング法等のドライエッチング法により断面略矩形状の光導波路のコア領域3に加工される。

0042

最後に図3(d)に示す上部クラッド領域4の形成について説明する。

0043

上部クラッド領域4は下部クラッド領域2と同一組成、同一屈折率になるようにGeを含有する石英ターゲットであるターゲット8−2、8−4はそのままで、再びターゲット8−1、8−3をTiを含有する石英ターゲットから純粋石英ターゲットに取替える。スパッタリングの条件は下部クラッド領域2の形成条件と全く同一にする。

0044

なお、下部クラッド領域2、コア膜3a、上部クラッド領域4の形成方法において、基板1側にはバイアス電力を印加し、基板表面をArイオンでたたきながらガラス膜を形成した。これにより、膜密度が向上し屈折率が安定する。さらに上部クラッド領域4の形成においては、基板1側にバイアス電力を印加すると、成膜と同時に基板1の表面がエッチングされるので膜の平坦化が促進され、コア領域3が接近する狭間隙部においても埋め込みが可能となる。

0045

このようにして、各光導波路の領域を形成するが、本実施の形態に挙げた各層の成膜条件は使用する装置によって異なるためこれらに限定されない。また、真空容器内に配置するターゲットの数は本実施の形態の4枚に限定されるものではなく、さらに複数枚のスパッタリングターゲットを用いることができる。

0046

また、本実施の形態では、光回路を形成する基板として石英ガラス基板を用いたが、これに限らずSi等の半導体基板を用いてもよい。

0047

以上のプロセスにより製作した光導波路に、高圧水素雰囲気により膜中への水素拡散処理を行い、波長1.535μmの光反射グレーティング用に設計された位相シフトマスクを通して導波路コア領域及びクラッド領域に波長248nmのエキシマレーザ光を照射し、導波路グレーティングを形成した。

0048

その結果、波長1553.5nmにおいて99.9%以上の反射率を有するグレーティングが得られた。またそのときの透過スペクトル図4に示すようにブラッグ反射波長の短波長側に顕著な過剰損失が観測されない。これは、光信号のモードフィールドに対して、十分広い領域、すなわちコア領域を囲むクラッド領域にもコア領域と同様のグレーティングが形成されたためと考えられる。なお、図4は本発明による光導波路を用いた導波路型グレーティングの透過スペクトル特性図であり、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。

0049

以上において、従来のコア領域のみにGeが添加された光導波路では、紫外光照射によって形成されたグレーティングの透過スペクトル特性において、ブラッグ反射波長の短波長側に過剰損失が生じ、狭帯域なフィルタとして用いる場合には大きな障害となるが、本発明によってこの過剰損失を略完全に除去することができる。さらに本発明の光導波路の製造方法によれば、コア領域及びコア領域を覆う上部クラッド領域、下部クラッド領域のGeの含有量を容易に精度良く一致させることができる。

発明の効果

0050

以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。

0051

過剰損失がなく、コア及びクラッドのGeの含有量が精度よく一致する光導波路及びその製造方法の提供を実現できる。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明の光導波路の一実施の形態を示す断面図である。
図2図1に示した光導波路を製造するのに用いたスパッタリング装置の構造図である。
図3図1に示した光導波路の製造方法を示す工程図である。
図4本発明による光導波路を用いた導波路型グレーティングの透過スペクトル特性図である。
図5従来の導波路型グレーティングの透過スペクトル特性図である。

--

0053

1基板
2、4クラッド領域
3 コア領域

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