図面 (/)

技術 油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置

出願人 日立建機株式会社
発明者 藤田浩二杉山幸彦安田元大和田義宜
出願日 1998年11月20日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1998-330351
公開日 2000年6月6日 (20年6ヶ月経過) 公開番号 2000-154803
状態 拒絶査定
技術分野 容積形ポンプの制御 容積形ポンプの制御 流体圧回路(1) 掘削機械の作業制御
主要キーワード メカニカル方式 二次ポート 土木建設機械 無負荷検出 設定バネ ピストン受圧面積 ラグダウン 目標容量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年6月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

原動機として大型のエンジンを採用した油圧建設機械において、燃費の悪化及び黒煙の増加を生じることなく、油圧アクチュエータ非操作状態から急操作する場合に発生するエンジンのラグダウンを低下させる。

解決手段

操作レバー4aが操作されず、圧力スイッチ11がOFFの状態では、油圧ポンプ2は最小傾転にあり、エンジン1はハイアイドル回転数にある。操作レバー4aが操作され、圧力スイッチ11がONになると、油圧ポンプ2の制御は最小傾転制御から減トルク制御切り換わり、所定時間ΔtA経過後定格トルク制御に切り換わる。操作レバー4aが中立に戻され、圧力スイッチ11が再びOFFになると、所定時間ΔtB経過後に油圧ポンプ2の制御は定格トルク制御から最小傾転制御に切り換わる。

概要

背景

油圧ショベル等の油圧建設機械は、油圧ポンプから吐出される圧油により油圧アクチュエータを駆動しており、油圧ポンプは原動機により回転駆動され、原動機としては一般にディーゼルエンジンが用いられる。このディーゼルエンジンはガバナと呼ばれる燃料噴射装置により燃料噴射量が制御され、回転数が制御される。この燃料噴射装置にはメカニカル方式電子式があるが、これらはいずれも目標回転数実回転数偏差回転数偏差)に応じて燃料噴射量を調整するものである。即ち、エンジン負荷負荷が増大し、回転数偏差が増大すると燃料噴射量を増やし、実回転数を目標回転数に近づける。この場合、エンジン無負荷状態にあるときは、エンジン回転数は目標回転数よりも高いハイアイドル回転数となる。

このような燃料噴射装置を備えたエンジンでは、油圧アクチュエータを急操作しエンジンに急に負荷が加わった時にエンジン回転が一瞬落ち込むラグダウンという現象が発生する。これは、エンジンが無負荷状態の時は、エンジン回転数は上記のようにハイアイドル状態にあり、かつこの状態でのエンジンへの燃料供給量は少ないのに対し、エンジンに急に負荷が加わったときは燃料噴射装置は燃料を多く供給しようとするが応答遅れが発生し、燃料の供給が間に合わなくエンジン回転が一瞬落ち込むからである。

このようなエンジンのラグダウンの防止技術として、特開平1ー224419号公報の土木建設機械エンジン制御装置がある。この従来技術では、アクチュエータへの供給流量を制御するコントロール弁操作状態を検出する手段を設け、コントロール弁が操作されエンジンに負荷がかかっている状態からコントロール弁が非操作状態になったことが検出されると、油圧ポンプの傾転角最低吐出流量より大きい吐出流量に設定し、エンジンに引きずり負荷を与えるものである。このようにエンジンに引きずり負荷を与えることにより、エンジン回転数はハイアイドル回転数よりやや低い回転数に制御され、ハイアイドル回転数まで上昇しないため、その後のコントロール弁操作でエンジンに負荷が加わっても回転数の落ち込みが小さくなり、ラグダウンが低減する。

概要

原動機として大型のエンジンを採用した油圧建設機械において、燃費の悪化及び黒煙の増加を生じることなく、油圧アクチュエータを非操作状態から急操作する場合に発生するエンジンのラグダウンを低下させる。

操作レバー4aが操作されず、圧力スイッチ11がOFFの状態では、油圧ポンプ2は最小傾転にあり、エンジン1はハイアイドル回転数にある。操作レバー4aが操作され、圧力スイッチ11がONになると、油圧ポンプ2の制御は最小傾転制御から減トルク制御切り換わり、所定時間ΔtA経過後定格トルク制御に切り換わる。操作レバー4aが中立に戻され、圧力スイッチ11が再びOFFになると、所定時間ΔtB経過後に油圧ポンプ2の制御は定格トルク制御から最小傾転制御に切り換わる。

目的

本発明の目的は、原動機として大型のエンジンを採用した油圧建設機械において、燃費の悪化及び黒煙の増加を生じることなく、油圧アクチュエータを非操作状態から急操作する場合に発生するエンジンのラグダウンを低下させる油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

エンジンと、このエンジンにより回転駆動される可変容量型油圧ポンプと、この油圧ポンプにより吐出された圧油制御弁を介して導かれ、その圧油により駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプの入力トルクが予め定めた基準トルクを超えないよう前記油圧ポンプの容量を制御するポンプ制御手段とを備えた油圧建設機械エンジンラグダウン防止装置において、前記油圧ポンプの負荷状態を検出する負荷状態検出手段と、前記ポンプ制御手段の一部として設けられ、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷投入されたことが検出されると、前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を、所定期間、前記基準トルクより小さくし減トルク制御を行う減トルク制御手段とを備えることを特徴とする油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置。

請求項2

請求項1記載の油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置において、前記ポンプ制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプが負荷投入状態でないことが検出されると、前記油圧ポンプを最小容量に制御する最小容量制御手段を有し、前記減トルク制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記油圧ポンプを最小容量制御から前記減トルク制御に切り換え、前記所定時間、前記減トルク制御を維持し、その後前記基準トルクによる制御に移行する手段であることを特徴とする油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置。

請求項3

請求項1記載の油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置において、前記ポンプ制御手段は、前記エンジンの回転数を検出し、この検出したエンジン回転数所定回転数以上になると前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を前記基準トルクより大きくし増トルク制御を行う増トルク制御手段を有し、前記減トルク制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプが負荷投入状態でないことが検出されると前記減トルク制御を行い、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定期間、前記減トルク制御を維持し、その後前記基準トルクによる制御に移行する手段であることを特徴とする油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置。

請求項4

請求項1記載の油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置において、前記ポンプ制御手段は、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサにより検出された油圧ポンプの吐出圧力に基づき、前記基準トルクを与える目標容量を計算し、これに対応する電気信号を出力するコントローラと、このコントローラからの電気信号により作動し、前記目標容量が得られるよう前記油圧ポンプを制御する容量制御アクチュエータとを有し、前記減トルク制御手段は、前記コントローラに設けられ、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定時間、前記油圧ポンプの入力トルクを前記基準トルクより小さくする目標容量を計算する手段であることを特徴とする油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置。

請求項5

請求項1記載の油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置において、前記ポンプ制御手段は、前記油圧ポンプの吐出圧力が導かれ、この吐出圧力により前記油圧ポンプの入力トルクが前記基準トルクを超えないよう油圧ポンプの容量を制御する油圧式レギュレータを有し、前記減トルク制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定時間、減トルク制御用の駆動電流を出力するコントローラと、前記駆動電流により作動し制御圧を生成する電磁弁と、前記制御圧が導かれると前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を前記基準トルクより小さくするよう前記油圧式レギュレータの設定値を調整する設定調整手段とを有することを特徴とする油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置。

請求項6

請求項1記載の油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置において、前記ポンプ制御手段は、前記油圧ポンプの吐出圧力が導かれ、この吐出圧力により前記油圧ポンプの入力トルクが前記基準トルクを超えないよう油圧ポンプの容量を制御する油圧式レギュレータと、前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段で検出したエンジン回転数が所定回転数以上になると増トルク制御用の第1駆動電流を出力する増トルク制御演算手段を備えたコントローラと、前記第1駆動電流により作動し第1制御圧を生成する第1電磁弁と、前記第1制御圧が導かれると前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を前記基準トルクより大きくするよう前記油圧式レギュレータの設定値を調整する第1設定調整手段とを有し、前記減トルク制御手段は、前記コントローラに設けられ、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定時間、減トルク制御用の第2駆動電流を出力する減トルク演算制御手段と、前記第2駆動電流により作動し第2制御圧を生成する第2電磁弁と、前記第2制御圧が導かれると前記油圧ポンプの入力トルクを前記基準トルクより小さくするよう前記油圧式レギュレータの設定値を調整する第2設定調整手段とを有することを特徴とする油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置。

技術分野

0001

本発明は油圧建設機械エンジンラグダウン防止装置に係わり、特にラグダウンの大きなエンジン原動機として備えた油圧ショベル等の油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置に関する。

背景技術

0002

油圧ショベル等の油圧建設機械は、油圧ポンプから吐出される圧油により油圧アクチュエータを駆動しており、油圧ポンプは原動機により回転駆動され、原動機としては一般にディーゼルエンジンが用いられる。このディーゼルエンジンはガバナと呼ばれる燃料噴射装置により燃料噴射量が制御され、回転数が制御される。この燃料噴射装置にはメカニカル方式電子式があるが、これらはいずれも目標回転数実回転数偏差回転数偏差)に応じて燃料噴射量を調整するものである。即ち、エンジン負荷負荷が増大し、回転数偏差が増大すると燃料噴射量を増やし、実回転数を目標回転数に近づける。この場合、エンジンが無負荷状態にあるときは、エンジン回転数は目標回転数よりも高いハイアイドル回転数となる。

0003

このような燃料噴射装置を備えたエンジンでは、油圧アクチュエータを急操作しエンジンに急に負荷が加わった時にエンジン回転が一瞬落ち込むラグダウンという現象が発生する。これは、エンジンが無負荷状態の時は、エンジン回転数は上記のようにハイアイドル状態にあり、かつこの状態でのエンジンへの燃料供給量は少ないのに対し、エンジンに急に負荷が加わったときは燃料噴射装置は燃料を多く供給しようとするが応答遅れが発生し、燃料の供給が間に合わなくエンジン回転が一瞬落ち込むからである。

0004

このようなエンジンのラグダウンの防止技術として、特開平1ー224419号公報の土木建設機械エンジン制御装置がある。この従来技術では、アクチュエータへの供給流量を制御するコントロール弁操作状態を検出する手段を設け、コントロール弁が操作されエンジンに負荷がかかっている状態からコントロール弁が非操作状態になったことが検出されると、油圧ポンプの傾転角最低吐出流量より大きい吐出流量に設定し、エンジンに引きずり負荷を与えるものである。このようにエンジンに引きずり負荷を与えることにより、エンジン回転数はハイアイドル回転数よりやや低い回転数に制御され、ハイアイドル回転数まで上昇しないため、その後のコントロール弁操作でエンジンに負荷が加わっても回転数の落ち込みが小さくなり、ラグダウンが低減する。

発明が解決しようとする課題

0005

建設機械の大型化に伴い原動機であるエンジンが大型化してきている。エンジンが大型化すると、ラグダウン回転数が大きくなる。これは次の理由による。

0006

1)エンジンが大きくなればなるほどエンジンの慣性が大きくなり負荷が大きくなるため、ラグダウン回転数が大きくなり、エンジン回転が復帰するまでの時間が長くなる。

0007

2)大型エンジンでは、エンジン出力特性のばらつきを考慮して、油圧ポンプの馬力制御入力トルク制限値を小さめに設定し、負荷運転時は入力トルクの制限値を高くした増トルク制御を行うものがある。この場合、増トルクによるエンジン負荷の増大があり、エンジンに急負荷が加わったときの回転数低下が更に大きくなる。

0008

3)大型エンジンでは、高出力を出すために排気タービンで高い過給を行う場合が多く、このような高過給ディーゼルエンジンでは、無負荷ハイアイドルの状態から、急激に負荷が加わった場合、ハイアイドルの時の低い過給圧の状態から排気タービンが有効に働き過給圧が高くなるまでに時間遅れがあり、エンジンの出力上昇が遅れるため、エンジン回転数の低下が大きくなる。

0009

上記のようなラグダウンによるエンジン回転の著しい低下と、その状態からのエンジン回転の立ち上がりの遅れは、エンジン音の大きな変化として感じられるため、機械オペレータ不快感を与える。また、ラグダウンによる回転数の低下は油圧ポンプの吐出流量を一時的に減少させるため、機械の作業能力及び操作性にも影響を与える。

0010

従来小型のエンジンを使用している場合はラグダウン回転数の落ち込みも小さく、復帰する時間も短かったため、作業性、操作性に与える影響はあまり問題となっていなかった。しかし、大型のエンジンを搭載した油圧式建設機械では、上記のようにラグダウン回転数が大きいため、作業性、操作性に与える影響が問題となる。

0011

特開平1ー224419号公報の土木建設機械のエンジン制御装置では、上記のように引きずり負荷を与えてラグダウンを低減している。しかし、この方法では非操作時にもエンジンに負荷を与えることとなるため、燃費が悪くなり、エネルギー効率が悪くなってしまう。

0012

エンジンのラグダウンを防ぐには、エンジンに急負荷がかかった時に燃料の供給量を急激に増加させるように制御する方法も考えられる。しかし、この方法では瞬間的に無駄な燃料を供給することとなるため、特開平1ー224419号公報の場合と同様、燃費が悪くなる。また、燃料の供給量を急激に増加させると排気黒煙が発生するという問題も発生する。

0013

本発明の目的は、原動機として大型のエンジンを採用した油圧建設機械において、燃費の悪化及び黒煙の増加を生じることなく、油圧アクチュエータを非操作状態から急操作する場合に発生するエンジンのラグダウンを低下させる油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

(1)上記目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンにより回転駆動される可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプにより吐出された圧油が制御弁を介して導かれ、その圧油により駆動される油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプの入力トルクが予め定めた基準トルクを超えないよう前記油圧ポンプの容量を制御するポンプ制御手段とを備えた油圧建設機械のエンジンラグダウン防止装置において、前記油圧ポンプの負荷状態を検出する負荷状態検出手段と、前記ポンプ制御手段の一部として設けられ、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を、所定期間、前記基準トルクより小さくし減トルク制御を行う減トルク制御手段とを備えるものとする。

0015

このように負荷状態検出手段と減トルク制御手段を設け、油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、油圧ポンプの入力トルクを所定期間、油圧ポンプの入力トルクの制限値を基準トルクより小さくすることにより、油圧アクチュエータを非操作状態から急操作するときに、エンジンに加わる負荷が軽減されるため、ラグダウンのエンジン回転数の落ち込みが抑えられ、かつエンジン回転数の復帰時間も早くなり、操作性に与える影響が少なくなる。また、その間の燃料の供給量も減るので、燃費が向上しかつ黒煙の発生が低減する。

0016

(2)上記(1)において、好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプが負荷投入状態でないことが検出されると、前記油圧ポンプを最小容量に制御する最小容量制御手段を有し、前記減トルク制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記油圧ポンプを最小容量制御から前記減トルク制御に切り換え、前記所定時間、前記減トルク制御を維持し、その後前記基準トルクによる制御に移行する手段である。

0017

このようにポンプ制御手段に最小容量制御を設けたものに減トルク制御手段を設けることにより、油圧アクチュエータが急操作されるときは、上記(1)で述べたようにラグダウンのエンジン回転数の落ち込みを抑え、エンジン回転数の復帰時間を早くできると共に、油圧アクチュエータの非操作時には油圧ポンプから無駄な圧油が吐出することがなくなり、エンジン負荷が軽減する。

0018

(3)また、上記(1)において、好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記エンジンの回転数を検出し、この検出したエンジン回転数が所定回転数以上になると前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を前記基準トルクより大きくし増トルク制御を行う増トルク制御手段を有し、前記減トルク制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプが負荷投入状態でないことが検出されると前記減トルク制御を行い、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定期間、前記減トルク制御を維持し、その後前記基準トルクによる制御に移行する手段である。

0019

このようにポンプ制御手段に増トルク制御手段を設けたものに減トルク制御手段を設けることにより、油圧アクチュエータを急操作するときは、上記(1)で述べたようにラグダウンのエンジン回転数の落ち込みを抑え、エンジン回転数の復帰時間を早くできると共に、油圧アクチュエータの非操作時には油圧ポンプが減トルク制御され、エンジン負荷が軽減し、更に、エンジン回転数が復帰し所定回転数以上になると、油圧ポンプは増トルク制御される。

0020

(4)更に、上記(1)において、好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサにより検出された油圧ポンプの吐出圧力に基づき、前記基準トルクを与える目標容量を計算し、これに対応する電気信号を出力するコントローラと、このコントローラからの電気信号により作動し、前記目標容量が得られるよう前記油圧ポンプを制御する容量制御アクチュエータとを有し、前記減トルク制御手段は、前記コントローラに設けられ、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定時間、前記油圧ポンプの入力トルクを前記基準トルクより小さくする目標容量を計算する手段である。

0021

これによりポンプ制御手段をコントローラを用いて構成したもので、上記(1)のように減トルク制御が行える。

0022

(5)また、上記(1)において、前記ポンプ制御手段は、前記油圧ポンプの吐出圧力が導かれ、この吐出圧力により前記油圧ポンプの入力トルクが前記基準トルクを超えないよう油圧ポンプの容量を制御する油圧式レギュレータを有し、前記減トルク制御手段は、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定時間、減トルク制御用の駆動電流を出力するコントローラと、前記駆動電流により作動し制御圧を生成する電磁弁と、前記制御圧が導かれると前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を前記基準トルクより小さくするよう前記油圧式レギュレータの設定値を調整する設定調整手段とを有する。

0023

これによりポンプ制御手段を油圧式レギュレータで構成したもので、上記(1)のように減トルク制御が行える。

0024

(6)また、上記(1)において、好ましくは、前記ポンプ制御手段は、前記油圧ポンプの吐出圧力が導かれ、この吐出圧力により前記油圧ポンプの入力トルクが前記基準トルクを超えないよう油圧ポンプの容量を制御する油圧式レギュレータと、前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段で検出したエンジン回転数が所定回転数以上になると増トルク制御用の第1駆動電流を出力する増トルク制御演算手段を備えたコントローラと、前記第1駆動電流により作動し第1制御圧を生成する第1電磁弁と、前記第1制御圧が導かれると前記油圧ポンプの入力トルクの制限値を前記基準トルクより大きくするよう前記油圧式レギュレータの設定値を調整する第1設定調整手段とを有し、前記減トルク制御手段は、前記コントローラに設けられ、前記負荷状態検出手段により前記油圧ポンプに負荷が投入されたことが検出されると、前記所定時間、減トルク制御用の第2駆動電流を出力する減トルク演算制御手段と、前記第2駆動電流により作動し第2制御圧を生成する第2電磁弁と、前記第2制御圧が導かれると前記油圧ポンプの入力トルクを前記基準トルクより小さくするよう前記油圧式レギュレータの設定値を調整する第2設定調整手段とを有する。

0025

これによりポンプ制御手段を油圧式レギュレータで構成しかつ増トルク制御機能を有するもので、上記(1)のように減トルク制御が行える。

発明を実施するための最良の形態

0026

本発明の実施形態を図面を用いて説明する。

0027

図1図5は本発明の第1の実施形態によるエンジンラグダウン防止装置を説明するための図である。

0028

図1において、1はディーゼルエンジンであり、このエンジン1は図示しないガバナ(燃料噴射装置)により燃料噴射量が制御される。エンジン1の出力軸1aには可変容量型の油圧ポンプ2が接続され、油圧ポンプ2はエンジン1により回転駆動され圧油を吐出する。油圧ポンプ2から吐出された圧油はセンタバイパス型の制御弁3を介してアクチュエータ、例えば油圧シリンダ5に供給され、油圧シリンダ5を駆動する。制御弁3は操作レバー装置4により操作され、油圧ポンプ2から油圧シリンダ5に供給される圧油の流量と方向を制御する。

0029

操作レバー装置4は、この例では、操作レバー4aと減圧弁4b,4cを備える油圧パイロット方式であり、減圧弁4b,4cは一次側ポートが、油圧ポンプ2と共にエンジン1により回転駆動されるパイロットポンプ6に接続され、二次側ポートがパイロットライン7a,7bを介して制御弁3のパイロット駆動部3a,3bに接続されている。操作レバー3aを図示右側に倒すと減圧弁4bが作動し、操作レバー3aの操作量に応じた操作パイロット圧が制御弁3のパイロット駆動部3aに負荷され、これにより制御弁3は図示左側の位置に切り換えられ、操作レバー4aの操作量に応じた流量が油圧シリンダ5のロッド側に供給される。操作レバー3aを図示左側に倒すと減圧弁4cが作動し、操作レバー3aの操作量に応じた操作パイロット圧が制御弁3のパイロット駆動部3bに負荷され、これにより制御弁3は図示右側の位置に切り換えられ、操作レバー4aの操作量に応じた流量が油圧シリンダ5のボトム側に供給される。

0030

油圧ポンプ2は容量可変部材として、例えば斜板2aを有し、この斜板2aは傾転制御アクチュエータ8(後述)により傾転角が制御され、油圧ポンプ2の押しのけ容積、即ちポンプ容量が制御される。

0031

以上のような油圧駆動系に本実施形態のエンジンラグダウン防止装置が設けられている。このエンジンラグダウン防止装置はポンプ制御手段の一部として構成されるもので、パイロットライン7a,7bに接続され、パイロットライン7a,7bの高圧側の圧力を選択するシャトル弁10としてのチェック弁10a,10bと、シャトル弁10で選択された圧力が操作パイロット圧であるときに作動する圧力スイッチ11と、油圧ポンプ2の吐出路2bに設けられ、油圧ポンプ2の吐出圧力を検出する圧力センサ12と、圧力スイッチ11及び圧力センサ12の信号を入力し、所定の演算処理を行うコントローラ13と、コントローラ13から出力された駆動電流により作動する電磁弁14と、この電磁弁14により生成された制御圧により作動する上記の傾転制御アクチュエータ8とを備えている。

0032

傾転制御アクチュエータ8の構造を図2に示す。傾転制御アクチュエータ8はシリンダ本体8a内を往復動するピストン8bを有し、そのピストンロッド8cに斜板2aが作動的に連結されると共に、シリンダ本体8a内のボトム側にはバネ8dが内蔵され、ロッド側の室8eには電磁弁14からの制御圧が導入される構成となっている。電磁弁14が図示の位置にあり、ロッド側室8eがタンク圧であると、バネ8での力でピストンロッド8cは図示左方に移動し、斜板2aの傾転角(ポンプ容量)を減少させる。電磁弁14に電流が流れると、ロッド側室8eに制御圧が導入され、ピストンロッド8cは図示右方に移動し、斜板2aの傾転角(ポンプ容量)を増加させる。

0033

コントローラ13では図3フローチャートで示すような演算処理を行う。図3のフローチャートにおいて、Faは圧力スイッチ11のOFFからONの切り換わりを判断するのに用いる第1切換判定フラグであり、Fbは圧力スイッチ11のONからOFFの切り換わりを判断するのに用いる第2切換判定フラグであり、Caは減トルク制御時間を示す減トルク制御カウンタであり、Cb定格トルク制御から最小傾転制御への切り換わりの遅れ時間を示す制御切換遅延カウンタである。ΔtAは減トルク制御の継続時間であり、例えば0.5秒程度であり、ΔtBは定格トルク制御から最小傾転制御への遅延時間であり、例えば3秒程度である。

0034

また、コントローラ13のメモリには、図4に示すような油圧ポンプ2の入力トルクの制限値Trat及びTdecが記憶されている。図4横軸は油圧ポンプ2の吐出圧力(圧力センサ12の検出値)であり、縦軸は油圧ポンプ2の斜板2aの目標傾転であり、それぞれ符号Pd及びqを付している。また、入力トルク制限値Tratは通常時の制限値であり、入力トルク制限値Tdecは減トルク制御時の制限値である。なお、ポンプ吐出圧力ポンプ吐出流量との積が油圧ポンプ2の入力馬力仕事量)であるから、油圧ポンプ2の回転数が一定である場合は、上記制御により結局、油圧ポンプ2の入力馬力が制限値Trat及びTdecに対応した制限値を超えないよう制御されることとなる。

0035

以下、図3によりコントローラ13の処理内容を説明しつつ、本実施形態の動作を説明する。

0036

コントローラ13の電源がONされると、まず初期化処理として手順100,102で、第1及び第2切換判定フラグFa,FbをそれぞれFa=0、Fb=0とし、かつ減トルク制御カウンタCa及び制御切換遅延カウンタCbをそれぞれCa=0、Cb=0とする。次に、手順104で圧力スイッチ11の状態及び圧力センサ12の検出値を読み込んだ後、手順106で圧力スイッチ11がONかどうかを判断する。この判断は、操作レバー装置4の操作レバー4aが操作され、操作パイロット圧が発生したかどうか、即ち、エンジン1に負荷が投入されたかどうかを見る部分である。コントローラ13の電源ON時は圧力スイッチ11はONでない(非操作時である)ので、判断結果はNoであり、手順108に進む。手順108では、第2切換判定フラグFbがFb=1かどうかを判断する。この場合も、上記手順100で初期化処理され、Fb=0であるので、判断結果はNoであり、手順110で最小傾転制御を行い、手順112で第1切換判定フラグFaをFa=1とした後、手順104に戻る。

0037

ここで、手順110で行う最小傾転制御とは油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角を図4に示す最小傾転角qminに保持する制御であり、コントローラ13は電磁弁14に最小傾転角qminに対応する駆動電流を出力し、油圧ポンプ2の傾転角が最小傾転角qminになるよう制御する。

0038

操作レバー装置4の操作レバー4aが非操作の間は、上記手順104,106,108,110,112が繰り返され、最小傾転制御が継続される。これにより操作レバー4aの非操作時は、油圧ポンプ2より無駄な圧油を吐出することがなくなり、エンジン1にかかる負荷が軽減する。

0039

操作レバー装置4の操作レバー4aが操作され、パイロットライン7a又は7bに操作パイロット圧が立つと、圧力スイッチ11がONし、上記の手順106では判断結果がYesとなり、手順120に進む。手順120では、第1切換判定フラグFaがFa=1かどうかを判断する。この場合、先の手順112でFa=1としたので、判断結果はYesであり、手順122で減トルク制御を行う。ここで、手順122で行う減トルク制御とは、油圧ポンプ2の入力トルクが図4の制限値Tdecに制限されるよう制御するものであり、コントローラ13は手順104で読み込んだそのときの圧力センサ12の検出値から油圧ポンプ2の吐出圧力Pdを求め、この吐出圧力Pdを図4の入力トルク制限値Tdecに参照させて対応する目標傾転角qを算出し、対応する駆動電流を電磁弁14に出力する。

0040

次いで、手順124で減トルク制御カウンタCaが予め定めた設定値ΔtAであるかどうかを判断する。この場合は、上記手順102で初期化処理され、Ca=0となっているので、判断結果はNoであり、手順126でカウンタCaに1を加算した後、手順104に戻る。

0041

減トルク制御カウンタCaが設定値ΔtAより小さい間は上記手順104,106,120,122,124,126が繰り返され、減トルク制御が継続され、カウンタCaがCa=ΔtAになると、手順124の判断結果がYesとなり、手順128で第1切換判定フラグFaをFa=0にし、手順130で減トルク制御カウンタCaをCa=0とした後、手順104に戻る。この場合は、手順120での判断結果はNoとなり、手順140で定格トルク制御を行い、手順142で第2切換判定フラグFbをFb=1とした後、手順104に戻る。

0042

ここで、手順140で行う定格トルク制御とは、油圧ポンプ2の入力トルクが図4の制限値Tratに制限されるよう制御するものであり、コントローラ13は手順104で読み込んだそのときの圧力センサ12の検出値から油圧ポンプ2の吐出圧力Pdを求め、この吐出圧力Pdを図4の入力トルク制限値Tratに参照させて対応する目標傾転角qを算出し、対応する駆動電流を電磁弁14に出力する。

0043

操作レバー4aが操作状態にある間は、上記手順104,106,120,140,142が繰り返され、定格トルク制御が継続される。

0044

これにより操作レバー4aが非操作の状態から操作状態に切り換わったとき、油圧ポンプ2の入力トルクが急に定格トルクに増大するのではなく、設定値ΔtAの所定時間、油圧ポンプ2の入力トルクを定格トルクよりも抑えた制限値Tdecに制限し、所定時間ΔtA経過後に定格トルクの制限値Tratになるよう制御する。

0045

上記のような操作レバ4aーの操作状態から操作レバーを中立位置に戻すと、パイロットライン7a又は7bの操作パイロット圧が低下するため、圧力スイッチ11がOFFし、上記の手順106の判断結果がNoとなり、手順108に進む。この場合は、先の手順142でFb=1としたので、判断結果はYesであり、手順150に進む。手順150では、制御切換遅延カウンタCbが予め定めた設定値ΔtBであるかどうかを判断する。この場合は、上記手順102で初期化処理され、Cb=0となっているので、判断結果はNoであり、手順152で定格トルク制御を行い、手順154でカウンタCbに1を加算した後、手順104に戻る。

0046

制御切換遅延カウンタCbが設定値ΔtBより小さい間は上記手順104,106,108,150,152,154が繰り返され、定格トルク制御が継続され、カウンタCbがCb=ΔtBになると、手順150の判断結果がYesとなり、手順110に進む。手順110では上記のように最小傾転制御を行い、手順112で第1切換判定フラグFaをFa=1にした後、手順104に戻る。

0047

これにより操作レバー4aを中立位置に戻したとき、所定時間ΔtBの間に再び操作レバー4aを操作した場合は、最小傾転制御に切り換わらずに定格トルク制御が保持され、所定時間ΔtBの経過後に初めて最小傾転制御に切り換わるようになり、操作レバー4aを小刻みに中立位置に戻して行う作業や、逆レバー操作時に不要に油圧ポンプが最小傾転に制御されることが回避される。

0048

以上において、シャトル弁10及び圧力センサ11は油圧ポンプ2の負荷状態を検出する負荷状態検出手段を構成し、圧力センサ12、コントローラ13、電磁弁14及び傾転制御アクチュエータ8は、油圧ポンプ2の入力トルクが予め定めた基準トルク(定格トルク)を超えないよう油圧ポンプ2の容量を制御するポンプ制御手段を構成し、コントローラ13の図3に示す手順122〜130の処理機能は、ポンプ制御手段の一部として設けられ、負荷状態検出手段10,11により油圧ポンプ2に負荷が投入されたことが検出されると、油圧ポンプ2の入力トルクの制限値を、所定期間ΔtA、基準トルクより小さくし減トルク制御を行う減トルク制御手段を構成する。

0049

また、コントローラ13の図3に示す手順110の処理機能は、負荷状態検出手段10,11により油圧ポンプ2が負荷投入状態でないことが検出されると、油圧ポンプ2を最小容量に制御する最小容量手段を構成し、この処理機能と上記手順122〜130の処理機能により上記減トルク制御手段は、負荷状態検出手段10,11により油圧ポンプ2に負荷が投入されたことが検出されると、油圧ポンプ2を最小容量制御から減トルク制御に切り換え、前記所定時間、その減トルク制御を維持し、その後基準トルクによる制御に移行するものとなる。

0050

操作レバー4aを非操作状態から操作し、その後非操作状態に戻した場合のエンジン回転数及びポンプトルク制御の変化と圧力スイッチ11の変化を図5に示す。図中、「最小傾転」、「減トルク」及び「定格トルク」は、便宜上、それぞれ図3の手順110(最小傾転)、手順122(減トルク)、手順140及び152(定格トルク)にある状態を[ON」とし、それ以外の場合を「OFF]で示している。

0051

操作レバー4aが操作されず、圧力スイッチ11がOFFの状態では、油圧ポンプ2は最小傾転にあり、エンジン1はハイアイドル回転数にある。操作レバー4aが操作され、圧力スイッチ11がONになると、油圧ポンプ2の制御は最小傾転制御から減トルク制御に切り換わり、所定時間ΔtA経過後定格トルク制御に切り換わる。操作レバー4aが中立に戻され、圧力スイッチ11が再びOFFになると、所定時間ΔtB経過後に油圧ポンプ2の制御は定格トルク制御から最小傾転制御に切り換わる。

0052

比較例として、操作レバー4aが操作されたときに、油圧ポンプの2の制御を最小傾転制御から直ちに定格トルク制御に切り換えた場合は、エンジン1が無負荷状態から急に高い負荷がかかるように制御されるため、エンジンラグダウンの回転数の落ち込みはΔN1と大きく、定格回転数に復帰するまでの時間遅れもt1と長く、操作性に影響を与える。これに対し、上記のように所定時間ΔtA、減トルク制御を介在させると、エンジン1のラグダウンをΔN2と抑えることができ、エンジン回転の復帰時間もt2と早くなるため、操作性に与える影響が少なくなる。

0053

従って、本実施形態によれば、ラグダウンの大きいエンジンを採用している油圧式の建設機械で、操作レバー4aを非操作状態にあり、エンジン1がハイアイドル回転数にある状態から操作レバー4aを急操作したときにエンジン1のラグダウンの回転数の落ち込みを小さくでき、また復帰時間も短くでき、エンジンラグダウンが操作性に与える影響を少なくできる。また、エンジン1がアイドル回転数にある状態から急負荷が加わった時に、燃料の供給量を急激に増加させないので、燃費の悪化を防止し、黒煙の発生を少なくすることができる。更に、オペレータの不快感が軽減し、快適な操作が可能となる。

0054

本発明の第2の実施形態を図6図11により説明する。図6中、図1に示す部材と同等のもには同じ符号を付している。

0055

図6において、本実施形態に係わる油圧駆動系は、第1の実施形態のものと実質的に同じである。

0056

油圧ポンプ2の斜板2aの傾転(容量)は、パワーシフト制御機能を有する油圧式レギュレータ24により制御される。

0057

また、本実施形態のエンジンラグダウン防止装置は、パイロットライン7a,7bの高圧側の圧力を選択するシャトル弁10と、シャトル弁10で選択された圧力が操作パイロット圧であるときに作動する圧力スイッチ11と、エンジン1の回転数を検出する回転センサ21と、圧力スイッチ11及び回転センサ21の信号を入力し、所定の演算処理を行うコントローラ13Aと、コントローラ13Aから出力される駆動電流により作動する電磁弁22,23と、これら電磁弁22,23に接続された上記のパワーシフト制御機能を有する油圧式レギュレータ24とを備えている。

0058

油圧式レギュレータ24は増馬力ポート24a及び減馬力ポート24bを有し、増馬力ポート24aが電磁弁11に接続され、減馬力ポート24bが電磁弁12に接続され、電磁弁11から増馬力ポート24aに制御圧が導入されると増トルク制御が行われ、電磁弁12から減馬力ポート23bに制御圧が導入されると減トルク制御が行われる。

0059

油圧式レギュレータ24の詳細を図7に示す。油圧式レギュレータ24は、油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角を調整する傾転制御アクチュエータ31と、この傾転制御アクチュエータ31の動作を制御する馬力制御サーボ弁32とで構成されている。傾転制御アクチュエータ31は、両端面の受圧面積の異なるサーボピストン31aと、サーボピストン31aの小径側端面が位置する受圧室31b及び大径側端面が位置する受圧室31cとを有し、小径側端面の受圧室31bは油圧ポンプ2の吐出路2bに接続され、大径側端面の受圧室31cはサーボ弁32を介して油圧ポンプ2の吐出路2b又はタンクのいずれかに接続されている。サーボ弁32の制御により大径側端面の受圧室31cがタンクに接続されると、受圧室31bに負荷される油圧ポンプ2の吐出圧によりサーボピストン31aは図示左方に移動し、油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角(ポンプ容量)を減少させ、受圧室31cが吐出路2bに接続されると、受圧室31c内のピストン受圧面積が受圧室31b内のピストン受圧面積より大であるため、サーボピストン1aは図示右方に移動し、油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角(ポンプ容量)を増加させる。

0060

サーボ弁32は、スプール32aと、サーボピストン31aにフィードバックレバー33を介して連係したフィードバックスリーブ32bと、スプール32aの一端に作用する設定バネ32cと、スプール32aの反対側の端部に作用する油圧駆動部32dとを有し、油圧駆動部32dは、大径ピストン34と、大径ピストン34のスプール32a側の端部に設けられた作動ロッド35と、大径ピストン34の反対側の端部に設けられた小径ピストン36と、大径ピストン34の小径ピストン36側の端部が位置する受圧室37と、大径ピストン34の作動ロッド35側の端部が位置する受圧室38と、小径ピストン36の端部が位置する受圧室39とを備え、受圧室37は油圧ポンプ2の吐出路2bに接続され、受圧室38は上記の増馬力ポート24aを備え、この増馬力ポート23aを介して電磁弁22の二次ポートに接続され、受圧室39は上記の減馬力ポート24bを備え、この減馬力ポート24bを介して電磁弁23の二次ポートに接続されている。

0061

電磁弁22,23のいずれも作動していないときは、スプール32aは設定バネ32cの力と受圧室37内で大径ピストン34の端部に作用するポンプ吐出圧力による油圧力とのバランスで作動し、油圧力がバネ力よりも小さいときは、傾転制御アクチュエータ31の受圧室31cをタンクに接続し、上記のようにポンプ容量を増大させ、油圧力がバネ力よりも大きくなると、傾転制御アクチュエータ31の受圧室31cを吐出路2bに接続し、上記のようにポンプ容量を減少させ、これにより油圧ポンプ2の入力トルクが設定バネ32cで定まる制限値を超えないよう制御される。

0062

図8にこのときの油圧ポンプ2の入力トルクの制限値をTratで示す。この制限値Tratを用いる制御を定格トルク制御と称する。なお、ポンプ吐出圧力とポンプ吐出流量との積が油圧ポンプ2の入力馬力(仕事量)であるから、油圧ポンプ2の回転数が一定である場合は、上記制御により結局、油圧ポンプ2の入力馬力が設定バネ32cで定まる制限値を超えないよう制御されることとなる。

0063

電磁弁22作動したときは、受圧室38に制御圧が導入され、大径ピストン34の端部には受圧室37のポンプ吐出圧力による油圧力と反対方向に当該制御圧による油圧力が付加的に作用し、その結果スプール32aは設定バネ32cの力と受圧室38の付加的油圧力の和に対し受圧室37内のポンプ吐出圧力による油圧力とがバランスするよう作動する。このため、油圧ポンプ2は、電磁弁22が作動していないときに比べ、同じポンプ吐出圧力に対してより多くの流量が出せるようになり、油圧ポンプ2の入力トルクの制限値が図8に示す制限値TratからTincに増大する。この制限値Tincを用いる制御を増トルク制御と称する。

0064

電磁弁23が作動したときは、受圧室39に制御圧が導入され、小径ピストン36の端部には受圧室37のポンプ吐出圧力による油圧力と同方向に当該制御圧による油圧力が付加的に作用し、その結果スプール32aは設定バネ32cの力から受圧室39の付加的油圧力を差し引いた力に対し受圧室37内のポンプ吐出圧力による油圧力がバランスするよう作動する。このため、油圧ポンプ2は、電磁弁23が作動していないときに比べ、同じポンプ吐出圧力に対してより少ない流量しか出せないようになり、油圧ポンプ2の入力トルクの制限値が図8に示す制限値TratからTdecに減少する。この制限値Tdecを用いる制御を減トルク制御と称する。

0065

コントローラ13Aでは図9にフローチャートで示すような演算処理を行う。図9中、図3に示した手順と同等の手順にはおない符号を付している。以下、図9によりコントローラ13Aの処理内容を説明しつつ、本実施形態の動作を説明する。

0066

コントローラ13Aの電源がONされると、まず初期化処理として手順100,102で、第1及び第2切換判定フラグFa,FbをそれぞれFa=0、Fb=0とし、かつ減トルク制御カウンタCa及び制御切換遅延カウンタCbをそれぞれCa=0、Cb=0とする。次に、手順104Aで圧力スイッチ11の状態及び回転センサ21の検出値を読み込んだ後、手順106で圧力スイッチ11がONかどうかを判断する。この判断は、操作レバー装置4の操作レバー4aが操作され、操作パイロット圧が発生したかどうか、即ち、油圧ポンプ2に負荷が投入されたかどうかを見る部分である。コントローラ1A3の電源ON時は圧力スイッチ11はONでない(非操作時である)ので、判断結果はNoであり、手順108に進む。手順108では、第2切換判定フラグFbがFb=1かどうかを判断する。この場合も、上記手順100で初期化処理され、Fb=0であるので、判断結果はNoであり、手順110Aで減トルク制御を行い、手順112で第1切換判定フラグFaをFa=1とした後、手順104に戻る。

0067

ここで、手順110Aで行う減トルク制御では電磁弁23に駆動電流を出力し、これにより上記のように油圧ポンプ2は入力トルクが減トルク制御の制限値Tdecを超えないよう制御される。

0068

操作レバー装置4の操作レバー4aが非操作の間は、上記手順104,106,108,110A,112が繰り返され、減トルク制御が継続される。これにより操作レバー4aの非操作時は、エンジン1にかかる負荷が軽減する。

0069

操作レバー装置4の操作レバー4aが操作され、パイロットライン7a又は7bに操作パイロット圧が立つと、圧力スイッチ11がONし、上記の手順106では判断結果がYesとなり、手順120に進む。手順120では、第1切換判定フラグFaがFa=1かどうかを判断する。この場合、先の手順112でFa=1としたので、判断結果はYesであり、手順122Aで減トルク制御を行う。この減トルク制御の処理内容は手順110Aと同じである。

0070

次いで、手順124で減トルク制御カウンタCaが予め定めた設定値ΔtAであるかどうかを判断する。この場合は、上記手順102で初期化処理され、Ca=0となっているので、判断結果はNoであり、手順126でカウンタCaに1を加算した後、手順104に戻る。

0071

減トルク制御カウンタCaが設定値ΔtAより小さい間は上記手順104A,106,120,122A,124,126が繰り返され、減トルク制御が継続され、カウンタCaがCa=ΔtAになると、手順124の判断結果がYesとなり、手順128で第1切換判定フラグFaをFa=0にし、手順130で減トルク制御カウンタCaをCa=0とした後、手順104Aに戻る。これにより、操作レバー4aの操作後、ΔtAの所定時間、非操作時の減トルク制御が継続される。

0072

手順104Aに戻った後、今度の手順120での判断結果はNoとなり、手順160に進む。手順160では、手順104Aで読み込んだそのときの回転センサ21の検出値からエンジン1の回転数Nと回転数の変化を求め、この回転数Nが上昇時にありかつ予め設定した回転数Nset以上であるかどうかを判断し、判断結果がNoであれば手順140Aで定格トルク制御を行い、手順104Aに戻る。

0073

ここで、手順140Aで行う定格トルク制御では電磁弁22,23のいずれにも駆動電流を出力せず、これにより上記のように油圧ポンプ2は入力トルクが設定バネ32cで定まる定格トルク制御の制限値Tratを超えないよう制御される。

0074

エンジン1の回転数Nが上昇時にないか、設定回転数Nsetより低い間は上記手順104A,106,120,160,140Aが繰り返され、定格トルク制御が継続され、回転数Nが上昇時にありかつ設定回転数Nsetに達すると、手順160の判断結果がYesとなり、手順162で増トルク制御を行い、手順142で第2切換判定フラグFbをFb=1とした後、手順104に戻る。

0075

ここで、手順162で行う増トルク制御では電磁弁22に駆動電流を出力し、これにより上記のように油圧ポンプ2は入力トルクが増トルク制御の制限値Tincを超えないよう制御される。

0076

操作レバー4aが操作状態にありかつエンジン回転数NがNset以上である間は、上記手順104A,106,120,160,162,142が繰り返され、増トルク制御が継続される。

0077

これにより操作レバー4aが非操作の状態から操作状態に切り換わったとき、油圧ポンプ2の入力トルクが増トルクで制御されるのではなく、設定値ΔtAの所定時間、油圧ポンプ2の入力トルクを減トルク制御の制限値Tdecに制限し、所定時間ΔtA経過後に定格トルクの制限値Tratになり、その後増トルク制御に移行するよう制御される。

0078

上記のような操作レバ4aーの操作状態から操作レバーを中立位置に戻すと、パイロットライン7a又は7bの操作パイロット圧が低下するため、圧力スイッチ11がOFFし、上記の手順106の判断結果がNoとなり、手順108に進む。この場合は、先の手順142でFb=1としたので、判断結果はYesであり、手順150に進む。手順150では、制御切換遅延カウンタCbが予め定めた設定値ΔtBであるかどうかを判断する。この場合は、上記手順102で初期化処理され、Cb=0となっているので、判断結果はNoであり、手順164で増トルク制御を行い、手順154でカウンタCbに1を加算した後、手順104Aに戻る。

0079

制御切換遅延カウンタCbが設定値ΔtBより小さい間は上記手順104A,106,108,150,164,154が繰り返され、増トルク制御が継続され、カウンタCbがCb=ΔtBになると、手順150の判断結果がYesとなり、手順110Aに進む。手順110Aでは上記のように減トルク制御を行い、手順112で第1切換判定フラグFaをFa=1にした後、手順104Aに戻る。

0080

これにより操作レバー4aを中立位置に戻したとき、所定時間ΔtBの間に再び操作レバー4aを操作した場合は、減トルク制御に切り換わらずに増トルク制御が保持され、所定時間ΔtBの経過後に初めて減トルク制御に切り換わるようになり、操作レバー4aを小刻みに中立位置に戻して行う作業や、逆レバー操作時に不要に油圧ポンプが減トルク制御されることが回避される。

0081

以上において、シャトル弁10及び圧力センサ11は、第1の実施形態と同様に、油圧ポンプ2の負荷状態を検出する負荷状態検出手段を構成し、油圧式レギュレータ24の傾転制御アクチュエータ31と、馬力制御サーボ弁32のスプール32a、フィードバックスリーブ32b、設定バネ32c、油圧駆動部32dの大径ピストン34、作動ロッド35及び受圧室37は、油圧ポンプ2の入力トルクが予め定めた基準トルク(定格トルク)を超えないように油圧ポンプ2の容量を制御するポンプ制御手段を構成し、電磁弁23と、馬力制御サーボ弁32の減馬力ポート24b、小径ピストン36、受圧室39及びコントローラ13Aの図9に示す手順122A〜130の処理機能は、前記ポンプ制御手段の一部として設けられ、負荷状態検出手段10,11により油圧ポンプ2に負荷が投入されたことが検出されると、油圧ポンプ2の入力トルクの制限値を、所定期間ΔtA、基準トルクより小さくし減トルク制御を行う減トルク制御手段を構成する。

0082

また、回転センサ21及び電磁弁22と、馬力制御サーボ弁32の増馬力ポート24a、大径ピストン34、受圧室38及びコントローラ13Aの図9に示す手順162,162,142の処理機能は、エンジン1の回転数を検出し、この検出したエンジン回転数が所定回転数以上になると油圧ポンプ2の入力トルクの制限値を上記基準トルクより大きくし増トルク制御を行う増トルク制御手段を構成し、コントローラ13Aの図9に示す手順110Aと上記手順122A〜130により上記減トルク制御手段は、負荷状態検出手段10,11により油圧ポンプ2が負荷投入状態でないことが検出されると前記減トルク制御を行い、負荷状態検出手段10,11により油圧ポンプ2に負荷が投入されたことが検出されると、上記所定期間、その減トルク制御を維持し、その後基準トルクによる制御に移行するものとなる。

0083

更に、馬力制御サーボ弁32の増馬力ポート24a、大径ピストン34、受圧室38は、電磁弁22からの制御圧が導かれると油圧ポンプ2の入力トルクの制限値を基準トルク(定格トルク)より大きくするよう油圧式レギュレータ24の設定値を調整する第1設定調整手段を構成し、馬力制御サーボ弁32の減馬力ポート24b、小径ピストン36、受圧室39は、電磁弁23からの制御圧が導かれると油圧ポンプ2の入力トルクの制限値を基準トルクより小さくするよう油圧式レギュレータ24の設定値を調整する第2設定調整手段を構成する。

0084

操作レバー4aを非操作状態から操作し、その後非操作状態に戻した場合のエンジン回転数及びポンプトルク制御の変化と圧力スイッチ11の変化を図10に示す。

0085

操作レバー4aが操作されず、圧力スイッチ11がOFFの状態では、油圧ポンプ2は減トルク制御にあり、エンジン1はハイアイドル回転数にある。操作レバー4aが操作され、圧力スイッチ11がONになると、ΔtAの所定時間油圧ポンプ2の減トルク制御を維持した後、定格トルク制御に切り換わる。その後、エンジン回転数の落ち込みが回復し、設定回転数Nsetに達すると、油圧ポンプ2は増トルク制御に切り換わる。操作レバー4aが中立に戻され、圧力スイッチ11が再びOFFになると、所定時間ΔtB経過後に油圧ポンプ2の制御は増トルク制御から減トルク制御に切り換わる。

0086

増トルク制御を行う比較例における図10と同様な変化を図11に示す。この比較例では、操作レバー4aの非操作時、油圧ポンプは増トルク制御にあり、操作レバー4aが操作され、エンジン回転数がNset1まで落ち込むと増トルク制御から定格トルク制御に切り換わり、エンジン回転数が更にNset2まで低下すると、定格トルク制御から減トルク制御に切り換わり、その後エンジン回転数が回復してNset2になると再び定格トルク制御に切り換わり、更にNset1までエンジン回転数が回復すると増トルク制御に復帰するものとする。

0087

このようにエンジン1が無負荷状態から急に高い負荷がかかるように制御すると、エンジン1のラグダウン回転数はΔN1Aと大きく、定格回転数に復帰するまでの時間遅れもt1Aと長く、操作性に影響を与える。これに対し、上記のように所定時間ΔtA、減トルク制御を介在させると、エンジン1のラグダウンをΔN2Aと抑えることができ、エンジン回転の復帰時間もt2Aと早くなるため、操作性に与える影響が少なくなる。

0088

従って、本実施形態によっても、操作レバー4aを非操作状態にあり、エンジン1がハイアイドル回転数にある状態から操作レバー4aを急操作したときにエンジン1のラグダウンの回転数の落ち込みを小さくでき、また復帰時間も短くでき、エンジンラグダウンが操作性に与える影響を少なくできる。また、エンジン1がアイドル回転数にある状態から急負荷が加わった時に、燃料の供給量を急激に増加させないので、燃費の悪化を防止し、黒煙の発生を少なくすることができる。更に、オペレータの不快感が軽減し、快適な操作が可能となる。

0089

更に、本実施形態によれば、エンジン回転数が復帰し所定回転数Nset以上になると、油圧ポンプ2は増トルク制御されるため、エンジン1の出力馬力を有効に利用できる。

0090

以上の実施形態では、油圧ポンプ2の負荷状態検出手段として、操作レバー装置4の操作パイロット圧の状態を検出する手段(シャトル弁10及び圧力スイッチ11)の例を示したが、負荷状態検出手段はこれに限らない。以下、この点に関する他の例を図12〜14により説明する。図中、図1に示すものと同等のものには同じ符号を付している。

0091

図12は制御弁の操作手段として電気レバー方式を用いた場合の負荷状態検出手段の例である。

0092

図12において、制御弁3に対する操作手段として、図1の油圧パイロット方式の操作レバー装置4(図1参照)に代え、電気レバー装置4Bが設けられている。電気レバー装置4Bは操作レバー4aの操作量を検出する操作量検出装置4dを備え、その検出信号(電気信号)がコントローラ13Bに入力される。コントローラ13Bは操作量検出装置4dからの信号を電磁弁40,41の駆動電流に変換し、出力する。電磁弁40,41はその駆動電流により作動し、操作レバー4aの操作量に応じた二次圧を生成し、制御弁3のパイロット駆動部3a,3bに出力する。

0093

また、コントローラ13Bは、図3に示すフローチャートの手順104において、圧力スイッチ11(図1参照)の状態を読み込む代わりに、操作量検出装置4dからの信号を読み込み、操作レバー4aが操作されたかどうかを判断する。このように電気レバー装置4Bを用いた場合は、特別なセンサを用いることなく負荷状態検出手段を構成できる。

0094

図13は操作パイロット圧でなく、操作レバーの変位を検出する負荷状態検出手段の例である。

0095

図13において、図1のシャトル弁10及び圧力スイッチ11の代わりに、操作レバー4aが操作されると作動するリミットスイッチ42,43が設けられ、このリミットスイッチ42,43からの信号がコントローラ13Cに入力される。コントローラ13Cは、図3に示すフローチャートの手順104において、圧力スイッチ11(図1参照)の状態を読み込む代わりに、リミットスイッチ42,43の状態を読み込み、操作レバー4aが操作されたかどうかを判断する。このように操作手段からの信号ではなく、操作手段の変位を検出しても、油圧ポンプ2の負荷状態を検出することができる。

0096

図14は操作手段からの操作パイロット圧ではなく、それ以外の状態量を検出する負荷状態検出手段の例である。

0097

図14において、図1のシャトル弁10及び圧力スイッチ11の代わりに、制御弁3を貫通するセンタバイパスライン45の制御弁3の下流側に配置された絞り46と、この絞り46の上流側の圧力を検出する圧力スイッチ47とがを設けられ、この圧力スイッチ47からの信号がコントローラ13Dに入力される。コントローラ13Dは、図3に示すフローチャートの手順104において、圧力スイッチ11(図1参照)の状態を読み込む代わりに、圧力スイッチ47の状態を読み込み、操作レバー4aが操作されたかどうかを判断する。この場合、制御弁3が非操作のときは絞り46の上流側の圧力は高く、制御弁3が操作されると当該圧力は低くなるので、圧力スイッチ47がONからOFFになると、操作レバー4aが操作されたと判断する。このように操作手段の操作量に応じてセンタバイパスライン下流の圧力が変化する構成となっている場合は、その圧力を検出しても油圧ポンプの負荷状態を検出できる。

0098

なお、図示はしないが、油圧ポンプ2の負荷状態を検出するのに使用できる状態量としては上記以外に次のものがある。

0099

・油圧式レギュレータで油圧ポンプの最小傾転制御をする場合は、油圧ポンプの吐出流量又は傾転角
・油圧ポンプの吐出圧力
ポンプレギュレータスプール変位
・制御弁の変位
・エンジン回転数
ターボ過給機のブースト圧力

発明の効果

0100

本発明によれば、ラグダウンの大きいエンジンを採用している油圧式の建設機械で、油圧アクチュエータを非操作状態から急操作する場合に発生するエンジンラグダウンの回転数の落ち込みを小さくでき、復帰時間も短くできる。このためエンジンラグダウンが操作性に与える影響が少なくなる。また、エンジンに急負荷が加わった時に、燃料の供給量を急激に増加させないので、燃費の悪化を防止し、黒煙の発生を軽減できる。更に、オペレータの不快感が軽減するので、快適な操作が可能となる。

図面の簡単な説明

0101

図1本発明の第1の実施形態によるエンジンラグダウン防止装置を備えた油圧駆動系を示す図である。
図2図1に示す油圧ポンプの傾転制御アクチュエータの詳細を示す図である。
図3図1に示すコントローラで行われる処理内容を示すフローチャートである。
図4図1に示すコントローラのメモリに記憶してある油圧ポンプの入力トルクの定格トルク制御用の制限値Trat及び減トルク制御用の制限値Tdecを示す図である。
図5操作レバーを非操作状態から操作し、その後非操作状態に戻した場合の本実施形態によるエンジン回転数及びポンプトルク制御の変化と圧力スイッチの変化を示すタイムチャートである。
図6本発明の第2の実施形態によるエンジンラグダウン防止装置を備えた油圧駆動系を示す図である。
図7図6に示すポンプレギュレータの詳細を示す図である。
図8図7に示すポンプレギュレータの入力トルク制御特性を示す図である。
図9図6に示すコントローラで行われる処理内容を示すフローチャートである。
図10操作レバーを非操作状態から操作し、その後非操作状態に戻した場合の本実施形態によるエンジン回転数及びポンプトルク制御の変化と圧力スイッチの変化を示すタイムチャートである。
図11操作レバーを非操作状態から操作し、その後非操作状態に戻した場合の従来技術によるエンジン回転数及びポンプトルク制御の変化と圧力スイッチの変化を示すタイムチャートである。
図12本発明のエンジンラグダウン防止装置における無負荷検出手段に関する他の実施形態を示す油圧駆動系を示す図である。
図13本発明のエンジンラグダウン防止装置における無負荷検出手段に関する更に他の実施形態を示す油圧駆動系を示す図である。
図14本発明のエンジンラグダウン防止装置における無負荷検出手段に関する更に他の実施形態を示す油圧駆動系を示す図である。

--

0102

1エンジン
2油圧ポンプ
3制御弁
4操作レバー装置
4a操作レバー
5油圧シリンダ
6パイロットポンプ
7a,7bパイロットライン
8傾転制御アクチュエータ(ポンプ制御手段)
10シャトル弁(負荷状態検出手段)
11 圧力スイッチ(負荷状態検出手段)
12圧力センサ(ポンプ制御手段)
13コントローラ(ポンプ制御手段;減トルク制御手段)
14電磁弁(ポンプ制御手段)
13A コントローラ(ポンプ制御手段;減トルク制御手段;増トルク制御手段)
22 電磁弁(増トルク制御手段)
23 電磁弁(減トルク制御手段)
24油圧式レギュレータ(ポンプ制御手段)
24a 増馬力ポート(増トルク制御手段)
24b 減馬力ポート(減トルク制御手段)
31 傾転制御アクチュエータ(ポンプ制御手段)
32馬力制御サーボ弁(ポンプ制御手段)
32aスプール(ポンプ制御手段)
32bフィードバックスリーブ(ポンプ制御手段)
32c設定バネ(ポンプ制御手段)
32d油圧駆動部(ポンプ制御手段;減トルク制御手段;増トルク制御手段)
34大径ピストン(ポンプ制御手段;増トルク制御手段)
35作動ロッド(ポンプ制御手段)
36小径ピストン(減トルク制御手段)
37受圧室(ポンプ制御手段)
38 受圧室(増トルク制御手段)
39 受圧室(減トルク制御手段)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ