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技術 不導体素材へのめっき処理方法とそのための無電解処理液組成物

出願人 キザイ株式会社
発明者 船田清孝岡村敏信青木英二水上隆明橋田岳之
出願日 1998年10月30日 (21年9ヶ月経過) 出願番号 1998-310487
公開日 2000年5月26日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-144439
状態 拒絶査定
技術分野 化学的被覆 電気メッキ方法,物品
主要キーワード 連続析出 無電解ニッケル被膜 アルミナセラミック板 ナイロン樹脂製 未着部分 不導体表面 電解被覆 無電解処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

人体への健康及び地球環境に優しく、低コスト外観性等の特性のすぐれためっき製品を得ることのできる不導体素材への無電解めっき処理方法およびめっき処理溶液組成物である。

解決手段

(a)不導体素材表面貴金属/第一錫塩コロイドゾルを含有する活性化剤活性化処理し;(b)蟻酸或いはその塩類又はアルコール類から選択される1種を還元剤とし、触媒金属イオンを含有する無電解めっき処理液に浸漬し、導電性を付与する無電解処理し;(c)その後に、無電解処理された不導体素材表面に、所望の金属イオンを含有するめっき溶液中で無電解処理或いは電解処理することにより、所望の金属のめっき被膜を不導体素材表面に形成できる処理方法及びそのための無電解処理して不導体素材表面に容易に導電性を付与する溶液組成物である。

概要

背景

プラスチック合成樹脂、繊維、布、セラミックガラス等の不導体素材の表面に電解めっきを行うには、各素材に応じた適切な前処理を行った後、金属パラジウム等の無電解めっきの触媒を用いて、被めっき物表面に付着させ、その後ホルマリン次亜燐酸塩還元剤として無電解めっき処理液で導電性を付与した後、電解めっきを行う方法が通常である。そして、金属パラジウムを付着させる方法としては、(1)センシタイザーアクチベーター法、(2)アクチベーター→還元処理、(3)キャタリストアクセレーター処理法の3つの方法が主に使用されている。

(1)センシタイザー→アクチベーター法では、センシタイザーと称される塩化第一錫希塩酸溶液に被めっきの不導体表面を浸漬し、Sn2+を析着させ感受性化し、アクチベーターの塩化パラジウムの希塩酸溶液に浸漬し、Pd2+を被めっきの不導体表面に付着させ、付着したPd2+は、被めっき物表面に吸着されているSn2+により還元され、金属パラジウム膜を形成する。次に、(2)アクチベーター→還元処理法では、パラジウム塩の溶解した酸性中性或いはアルカリ性の溶液に浸漬し、Pd2+を被めっき表面に付着させる。このとき、パラジウム塩溶液にはパラジウムキレート化するキレート剤が含まれていても良い。次に、次亜燐酸塩或いはアミンボラン等の還元剤を含有する溶液により、還元処理し、被めっき表面に付着しているPd2+が、金属パラジウムに還元され析出するものである。

(3)キャタリスト→アクセレーター処理法では、キャタリストと称される触媒のパラジウムと錫のゾルコロイド或いは錯塩、塩化第一錫及び塩酸或いは無機塩化物を含有する溶液で処理し、被めっき表面にパラジウム/錫のゾルコロイドを吸着させる。次に、希塩酸、希硫酸等の酸性溶液或いは苛性ソーダ等のアルカリ溶液に浸漬し、アクセレーター処理する。このアクセレーター処理により、被めっき表面に吸着されたパラジウム/錫ゾルの錫が、Pd2+を還元し、金属パラジウムとして析出する。同時に錫は被めっき表面から取れ、アクセレーター溶液中に溶解させる。即ち、以上の3つの方法においては、いずれも、金属パラジウムを付着させた後、被めっき物表面は無電解めっき処理液で処理され、導電性が付与される。そして、無電解めっき溶液には、主に無電解銅及び無電解ニッケルめっきが使用されているが、そのうち、無電解銅は一般的にアルカリ性で還元剤としてホルマリンが使用されている。然し乍ら、ホルマリンの使用は、種々の健康上及び環境問題上に悪影響を与える問題がある。

この問題を回避する方法としては、ホルマリン代替物としてグリオキシル酸又はグリオキシル酸誘導体を使用する提案がある。然し乍ら、グリオキシル酸及びグリオキシル酸誘導体を化学銅の還元剤として用いる場合、副反応であるカニアロ反応の速度が早く、消耗量が非常に多くなる。また、反応分解物に難溶性蓚酸塩が生成し、これが被めっき表面に付着すると、ザラブツ等のめっき不良を誘発する。また、無電解銅めっき処理液の安定性も非常に低下する。蓚酸塩はロ過により排除できるが、ロ布の目詰まりが早く、ロ布の洗浄及び交換を頻繁に行わなければならず、また、ホルマリンと比較して薬品単価が高いため、めっきコストが非常に高くなる問題がある。また、他の代替物として、ジメチルアミンボラン及びその誘導体や次亜燐酸塩がある。

ジメチルアミンボラン及びその誘導体を還元剤として用いた場合、無電解銅めっき処理液中銅濃度が増大すると、析出物パウダー状となりがちで、スターダスト、ブツ、ザラの発生が多く、めっき処理後の外観性が非常に悪くなり、まためっき処理液自己分解するなど、非常に安定性が悪くなる。ホルマリンと比較して薬品単価が高く、めっき処理コストも非常に高くなる。

次に、次亜燐酸塩を還元剤として用いた場合、銅電極では次亜燐酸塩の酸化反応が起こらないので、微量のニッケルを無電解銅液中に添加し、ニッケルを共析させ、次亜燐酸塩の酸化反応が析出した被膜上で進行させる。この場合、めっき被膜中には銅の他にニッケル及び銅イオン置換反応が起こり、析出粒子が粗くなったりムラ析出する。従って、被膜の表面抵抗値が高く、めっき処理後の外観性もスターダスト、ブツ、ザラが多く、非常に悪い。また、次亜燐酸塩は環境問題に影響するため、排水規制が非常に厳しく、排水処理のコストが非常に高くなる。

以上のことから、グリオキシル酸及びグリオキシル酸誘導体、ジメチルアミンボラン、次亜燐酸塩の使用は、工業化されていない。更に、不導体素材の表面に導電性を付与する方法としては、他に、無電解ニッケルめっき処理液がある。不導体表面への電気めっきの下地めっきとしては、一般的に次亜燐酸塩を還元剤とした無電解ニッケルめっき処理液が使用される。特にABS樹脂等の汎用性プラスチックへのめっきでは、アルカリ性、中性の比較的低温で使用できるめっき処理液が用いられる。然し乍ら、前記のように次亜燐酸塩の使用は、環境問題から、燐の排水規制が非常に厳しく、排水処理コストが非常に高くなる問題を持っている。

次亜燐酸塩以外の還元剤を用いた無電解ニッケルめっき処理液としては、ジメチルアミンボラン、水素化硼素塩等の硼素系及びヒドラジン塩を用いた溶液がある。そのうち、硼素系の還元剤を使用した無電解ニッケル被膜は、非常に硬く内部応力も高いため、例えば、プラスチックの下地めっき(導電性付与のため)として使用する場合、ヒートサイクル試験を行うと、上層電気めっき被膜まで影響を与え、クラックが発生しやすくなることがある。また、硼素系は薬品単価が高いため、めっきコストが非常に高くなる。

また、ヒドラジン塩を還元剤として使用する例では、pHを高くし、80℃以上の高温で処理する必要があり、熱変形温度の低いABS樹脂等の汎用性プラスチック表面にめっきすると、変形や密着不良等の問題が生じる。80℃以下の温度でめっきすると部分的にめっき被膜が析出しないスキップ現象が現れ、めっき製品として成立しない。

また、無電解被覆を用いずに不導体素材に金属めっきを施す方法は、特開平7−11487号に開示されているが、これは、ホルムアルデヒドのない自己促進型補充型の浸漬金属被覆方法であり、また、錯化剤としては、脂肪族芳香族アミオン或いはアミノ酸グルコン酸乳酸又は酢酸酒石酸或いはそれらの塩類、特に、モノエタノールアミンを用いる。然し乍ら、これは、親水化工程、活性化工程、改良した還元工程、電気めっき工程の諸工程で処理されるものである。

また、無電解めっき処理において、還元剤として、アスコルビン酸を用いる例もある(特公昭48−17384号参照)。これは選択的にPd2+を還元するために用いており、ニッケルイオンの還元には、次亜燐酸イオンを用いているため、環境問題の解決にはならない。

概要

人体への健康及び地球環境に優しく、低コストで外観性等の特性のすぐれためっき製品を得ることのできる不導体素材への無電解めっき処理方法およびめっき処理溶液組成物である。

(a)不導体素材表面貴金属/第一錫塩コロイドゾルを含有する活性化剤活性化処理し;(b)蟻酸或いはその塩類又はアルコール類から選択される1種を還元剤とし、触媒金属イオンを含有する無電解めっき処理液に浸漬し、導電性を付与する無電解処理し;(c)その後に、無電解処理された不導体素材表面に、所望の金属イオンを含有するめっき溶液中で無電解処理或いは電解処理することにより、所望の金属のめっき被膜を不導体素材表面に形成できる処理方法及びそのための無電解処理して不導体素材表面に容易に導電性を付与する溶液組成物である。

目的

従って、プラスチック素材等の不導体素材表面への電気めっきの下地めっきとしては、ホルマリン、次亜燐酸塩、グリオキシル酸や、硼素系やヒドラジン塩を還元剤としためっき処理方法は、コスト面及び環境問題の面で非常に困難であるので、コスト面及び環境面の問題が少ないか、ない他の還元剤を使用するめっき方法が求められている。即ち、本発明は、人体への健康及び地球環境に優しく、低コストで外観性等の特性のすぐれためっき製品を得ることのできる不導体素材への無電解めっき処理方法を提供するものである。

即ち、本発明は、人体への健康及び地球環境に優しい、特殊な新規な無電解めっき処理液を提供し、その無電解めっき処理液より、不導体素材の表面抵抗値を調整し、次いで電解めっきによりめっき処理を行い、不導体素材表面に、低コストで外観性等の特性のすぐれた金属被膜を形成させる処理方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
9件

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請求項1

(a)不導体素材表面貴金属/第一錫塩コロイドゾルを含有する活性化剤活性化処理し;(b)蟻酸或いはその塩類又はアルコール類から選択される1種を還元剤とし、触媒金属イオンを含有する無電解めっき処理液に浸漬し、導電性を付与する無電解処理し;(c)その後に、無電解処理された不導体素材表面に、所望の金属イオンを含有するめっき溶液中で無電解処理或いは電解処理し、所望の金属のめっき被膜を形成することを特徴とする不導体素材へのめっき処理方法

請求項2

工程(a)の前に、不導体素材表面を、エッチング処理にかけることを特徴とする請求項1に記載のめっき処理方法。

請求項3

工程(b)と工程(c)の間で、時間を置く場合には、その前に、被めっき物酸性溶液で浸漬処理することを特徴とする請求項1或いは2に記載のめっき処理方法。

請求項4

工程(a)の前に酸性溶液で浸漬処理する前処理にかけることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項5

前記活性化剤は、パラジウム−錫塩コロイドゾルと第一錫塩或いはその塩酸塩或いはその塩化物を含有する溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項6

前記アルコール類は、メタノールエタノールプロパノールエチレングリコール及びグルセリンからなる群から選択される少なくとも1種又はその塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項7

前記の無電解めっきされる金属は、銅、ニッケルの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項8

前記の無電解めっき処理液には、触媒として、パラジウム、金、白金のいずれかのイオンを含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項9

前記の無電解めっき処理溶液中の蟻酸あるいはその塩又はアルコール類の濃度は、0.002〜1モル/Lであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項10

前記の無電解めっき処理溶液は、アルカリ性であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項11

前記の無電解めっき処理溶液は、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウム或いはアンモニア水によりアルカリ性化されていることを特徴とする請求項10に記載のめっき処理方法。

請求項12

前記の無電解めっき処理後の不導体素材の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmの範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のめっき処理方法。

請求項13

工程(b)と工程(c)の間で、使用する酸性漬溶液は、硫酸塩酸から選択される鉱酸乳酸、蟻酸から選択される有機酸酸性硫酸ソーダ無機酸性化合物で酸性にされていることを特徴とする請求項3に記載のめっき処理方法。

請求項14

前記の酸性浸漬溶液は、硫酸銅塩化ニッケル硫酸亜鉛硫酸錫硫酸コバルトのいずれか一つの金属塩を含有することを特徴とする請求項13に記載のめっき処理方法。

請求項15

蟻酸或いはその塩類又はアルコール類から選択される1種を還元剤とし、含有し、そして、触媒貴金属イオンを含有することを特徴とする不導体素材表面に導電性を与えるための無電解めっき処理液組成物

請求項16

前記アルコール類は、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール及びグルセリンからなる群から選択される少なくとも1種又はその塩であることを特徴とする請求項15に記載の無電解めっき処理液組成物。

請求項17

前記の無電解めっき処理溶液中の蟻酸あるいはその塩又はアルコール類の濃度は、0.002〜1モル/Lであることを特徴とする請求項15或いは16に記載のめっき処理方法。

請求項18

前記の触媒貴金属イオンは、白金、パラジウム、ルテニウムロジウムイリジウムおよび金から選択された、少なくとも1種のイオンであることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の無電解めっき処理液組成物。

請求項19

前記の無電解めっき処理液は、アルカリ性であることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の無電解めっき処理液組成物。

請求項20

前記の無電解めっき処理溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム或いはアンモニア水によりアルカリ性化されていることを特徴とする請求項19に記載の無電解めっき処理液組成物。

請求項21

蟻酸あるいはその塩又はアルコール類の濃度は、0.002〜1モル/Lであることを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の無電解めっき処理液組成物。

請求項22

無電解めっき処理液で処理した後の不導体素材の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmの範囲であることを特徴とする請求項15〜21のいずれかに記載の無電解めっき処理液組成物。

技術分野

0001

本発明は、新規不導体素材へのめっき処理方法処理液組成物に関する。即ち、本発明は、不導体へ電解めっきするに際して、環境に毒性のあるホルマリンリン化合物を使用せずに、環境に優しく、しかも、外観性密着性等の諸物性のすぐれためっき被膜製品が得られるめっき処理方法と処理液組成物に関する。

背景技術

0002

プラスチック合成樹脂、繊維、布、セラミックガラス等の不導体素材の表面に電解めっきを行うには、各素材に応じた適切な前処理を行った後、金属パラジウム等の無電解めっきの触媒を用いて、被めっき物表面に付着させ、その後ホルマリンや次亜燐酸塩還元剤として無電解めっき処理液で導電性を付与した後、電解めっきを行う方法が通常である。そして、金属パラジウムを付着させる方法としては、(1)センシタイザーアクチベーター法、(2)アクチベーター→還元処理、(3)キャタリストアクセレーター処理法の3つの方法が主に使用されている。

0003

(1)センシタイザー→アクチベーター法では、センシタイザーと称される塩化第一錫希塩酸溶液に被めっきの不導体表面を浸漬し、Sn2+を析着させ感受性化し、アクチベーターの塩化パラジウムの希塩酸溶液に浸漬し、Pd2+を被めっきの不導体表面に付着させ、付着したPd2+は、被めっき物表面に吸着されているSn2+により還元され、金属パラジウム膜を形成する。次に、(2)アクチベーター→還元処理法では、パラジウム塩の溶解した酸性中性或いはアルカリ性の溶液に浸漬し、Pd2+を被めっき表面に付着させる。このとき、パラジウム塩溶液にはパラジウムキレート化するキレート剤が含まれていても良い。次に、次亜燐酸塩或いはアミンボラン等の還元剤を含有する溶液により、還元処理し、被めっき表面に付着しているPd2+が、金属パラジウムに還元され析出するものである。

0004

(3)キャタリスト→アクセレーター処理法では、キャタリストと称される触媒のパラジウムと錫のゾルコロイド或いは錯塩、塩化第一錫及び塩酸或いは無機塩化物を含有する溶液で処理し、被めっき表面にパラジウム/錫のゾルコロイドを吸着させる。次に、希塩酸、希硫酸等の酸性溶液或いは苛性ソーダ等のアルカリ溶液に浸漬し、アクセレーター処理する。このアクセレーター処理により、被めっき表面に吸着されたパラジウム/錫ゾルの錫が、Pd2+を還元し、金属パラジウムとして析出する。同時に錫は被めっき表面から取れ、アクセレーター溶液中に溶解させる。即ち、以上の3つの方法においては、いずれも、金属パラジウムを付着させた後、被めっき物表面は無電解めっき処理液で処理され、導電性が付与される。そして、無電解めっき溶液には、主に無電解銅及び無電解ニッケルめっきが使用されているが、そのうち、無電解銅は一般的にアルカリ性で還元剤としてホルマリンが使用されている。然し乍ら、ホルマリンの使用は、種々の健康上及び環境問題上に悪影響を与える問題がある。

0005

この問題を回避する方法としては、ホルマリン代替物としてグリオキシル酸又はグリオキシル酸誘導体を使用する提案がある。然し乍ら、グリオキシル酸及びグリオキシル酸誘導体を化学銅の還元剤として用いる場合、副反応であるカニアロ反応の速度が早く、消耗量が非常に多くなる。また、反応分解物に難溶性蓚酸塩が生成し、これが被めっき表面に付着すると、ザラブツ等のめっき不良を誘発する。また、無電解銅めっき処理液の安定性も非常に低下する。蓚酸塩はロ過により排除できるが、ロ布の目詰まりが早く、ロ布の洗浄及び交換を頻繁に行わなければならず、また、ホルマリンと比較して薬品単価が高いため、めっきコストが非常に高くなる問題がある。また、他の代替物として、ジメチルアミンボラン及びその誘導体や次亜燐酸塩がある。

0006

ジメチルアミンボラン及びその誘導体を還元剤として用いた場合、無電解銅めっき処理液中銅濃度が増大すると、析出物パウダー状となりがちで、スターダスト、ブツ、ザラの発生が多く、めっき処理後の外観性が非常に悪くなり、まためっき処理液自己分解するなど、非常に安定性が悪くなる。ホルマリンと比較して薬品単価が高く、めっき処理コストも非常に高くなる。

0007

次に、次亜燐酸塩を還元剤として用いた場合、銅電極では次亜燐酸塩の酸化反応が起こらないので、微量のニッケルを無電解銅液中に添加し、ニッケルを共析させ、次亜燐酸塩の酸化反応が析出した被膜上で進行させる。この場合、めっき被膜中には銅の他にニッケル及び銅イオン置換反応が起こり、析出粒子が粗くなったりムラ析出する。従って、被膜の表面抵抗値が高く、めっき処理後の外観性もスターダスト、ブツ、ザラが多く、非常に悪い。また、次亜燐酸塩は環境問題に影響するため、排水規制が非常に厳しく、排水処理のコストが非常に高くなる。

0008

以上のことから、グリオキシル酸及びグリオキシル酸誘導体、ジメチルアミンボラン、次亜燐酸塩の使用は、工業化されていない。更に、不導体素材の表面に導電性を付与する方法としては、他に、無電解ニッケルめっき処理液がある。不導体表面への電気めっきの下地めっきとしては、一般的に次亜燐酸塩を還元剤とした無電解ニッケルめっき処理液が使用される。特にABS樹脂等の汎用性プラスチックへのめっきでは、アルカリ性、中性の比較的低温で使用できるめっき処理液が用いられる。然し乍ら、前記のように次亜燐酸塩の使用は、環境問題から、燐の排水規制が非常に厳しく、排水処理コストが非常に高くなる問題を持っている。

0009

次亜燐酸塩以外の還元剤を用いた無電解ニッケルめっき処理液としては、ジメチルアミンボラン、水素化硼素塩等の硼素系及びヒドラジン塩を用いた溶液がある。そのうち、硼素系の還元剤を使用した無電解ニッケル被膜は、非常に硬く内部応力も高いため、例えば、プラスチックの下地めっき(導電性付与のため)として使用する場合、ヒートサイクル試験を行うと、上層電気めっき被膜まで影響を与え、クラックが発生しやすくなることがある。また、硼素系は薬品単価が高いため、めっきコストが非常に高くなる。

0010

また、ヒドラジン塩を還元剤として使用する例では、pHを高くし、80℃以上の高温で処理する必要があり、熱変形温度の低いABS樹脂等の汎用性プラスチック表面にめっきすると、変形や密着不良等の問題が生じる。80℃以下の温度でめっきすると部分的にめっき被膜が析出しないスキップ現象が現れ、めっき製品として成立しない。

0011

また、無電解被覆を用いずに不導体素材に金属めっきを施す方法は、特開平7−11487号に開示されているが、これは、ホルムアルデヒドのない自己促進型補充型の浸漬金属被覆方法であり、また、錯化剤としては、脂肪族芳香族アミオン或いはアミノ酸グルコン酸乳酸又は酢酸酒石酸或いはそれらの塩類、特に、モノエタノールアミンを用いる。然し乍ら、これは、親水化工程、活性化工程、改良した還元工程、電気めっき工程の諸工程で処理されるものである。

0012

また、無電解めっき処理において、還元剤として、アスコルビン酸を用いる例もある(特公昭48−17384号参照)。これは選択的にPd2+を還元するために用いており、ニッケルイオンの還元には、次亜燐酸イオンを用いているため、環境問題の解決にはならない。

発明が解決しようとする課題

0013

従って、プラスチック素材等の不導体素材表面への電気めっきの下地めっきとしては、ホルマリン、次亜燐酸塩、グリオキシル酸や、硼素系やヒドラジン塩を還元剤としためっき処理方法は、コスト面及び環境問題の面で非常に困難であるので、コスト面及び環境面の問題が少ないか、ない他の還元剤を使用するめっき方法が求められている。即ち、本発明は、人体への健康及び地球環境に優しく、低コストで外観性等の特性のすぐれためっき製品を得ることのできる不導体素材への無電解めっき処理方法を提供するものである。

0014

即ち、本発明は、人体への健康及び地球環境に優しい、特殊な新規な無電解めっき処理液を提供し、その無電解めっき処理液より、不導体素材の表面抵抗値を調整し、次いで電解めっきによりめっき処理を行い、不導体素材表面に、低コストで外観性等の特性のすぐれた金属被膜を形成させる処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上記の技術的な課題の解決のためになされたもので、本発明は、不導体素材表面を貴金属/第一錫塩ゾル(コロイド或いは錯塩を形成している)を含有する活性化剤で処理し、活性化処理し、次いで蟻酸或いはその塩またはアルコール類を還元剤として用いる無電解めっき処理液を用いて、めっき素材表面に導電性を付与した後に、所望の電解めっき処理を行う構成である。

0016

即ち、(a)不導体素材表面を貴金属/第一錫塩のコロイドゾルを含有する活性化剤で活性化処理し;(b)蟻酸或いはその塩類又はアルコール類から選択される1種を還元剤とし、触媒金属イオンを含有する無電解めっき処理液に浸漬し、導電性を付与する無電解処理し;(c)その後に、無電解処理された不導体素材表面に、所望の金属イオンを含有するめっき溶液中で無電解処理或いは電解処理し、所望の金属のめっき被膜を形成することによる、不導体素材へのめっき処理方法を提供する。そして、工程(a)の前に、不導体素材表面を、エッチング処理にかけると好適である。また、工程(b)と工程(c)の間で、時間を置く場合には、その前に、被めっき物を酸性溶液で浸漬処理すると、よい。また、工程(a)の前に酸性溶液で浸漬処理する前処理にかけると、好適である場合もある。

0017

そして、活性化剤は、パラジウム−錫塩コロイドゾルと第一錫塩或いはその塩酸塩或いはその塩化物を含有する溶液が好適である。また、アルコール類は、メタノールエタノールプロパノールエチレングリコール及びグルセリンからなる群から選択される少なくとも1種又はその塩が好適である。また、無電解めっきされる金属は、銅、ニッケルの少なくとも1種を含み得る。そして、無電解めっき処理液には、触媒として、パラジウム、金、白金のいずれかのイオンを含有できる。また、無電解めっき処理溶液中の蟻酸あるいはその塩又はアルコール類の濃度は、0.002〜1モル/Lが好適である。そして、無電解めっき処理溶液は、アルカリ性が好適である。更に、無電解めっき処理溶液は、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウム或いはアンモニア水によりアルカリ性化できる。無電解めっき処理後の不導体素材の表面抵抗値は、1kΩ・cm〜104kΩ・cmの範囲に制御すると、好適である。そして、工程(b)と工程(c)の間で、使用する酸性浸漬溶液は、硫酸、塩酸等から選択される鉱酸、乳酸、蟻酸等から選択される有機酸酸性硫酸ソーダ無機酸性化合物で酸性にされていることが好適である。また、この酸性浸漬溶液は、硫酸銅塩化ニッケル硫酸亜鉛硫酸錫硫酸コバルト等のいずれか一つの金属塩を含有すると、好適である。

0018

また、本発明は、蟻酸或いはその塩類又はアルコール類から選択される1種を還元剤とし、含有し、そして、触媒貴金属イオンを含有することを特徴とする不導体素材表面に導電性を与えるための無電解めっき処理液組成物を提供する。そして、アルコール類は、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール及びグルセリンからなる群から選択される少なくとも1種又はその塩が好適である。また、無電解めっき処理溶液中の蟻酸あるいはその塩又はアルコール類の濃度は、0.002〜1モル/Lの範囲が好適である。そして、触媒貴金属イオンは、白金、パラジウム、ルテニウムロジウムイリジウムおよび金から選択された、少なくとも1種のイオンが好適である。また、無電解めっき処理液は、アルカリ性が好適である。そして、無電解めっき処理溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム或いはアンモニア水によりアルカリ性化できる。また、無電解めっき処理液で処理した後の不導体素材の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmの範囲に制御すると、好適である。

発明を実施するための最良の形態

0019

本発明は、不導体素材の表面に優れた特性を有するめっき膜を形成するための不導体素材へのめっき処理方法である。“不導体”とは、プラスチック、セラミック、ガラス、紙、ガラス繊維、布等の本来導電性のほとんどない物質よりなる物体を云う。即ち、プラスチック、セラミック、ガラス等の不導体素材では、導電性がほとんどないために、そのままでは電解めっきを行えず、化学的手法により素材表面に導電性を付与する必要がある。また、本発明の無電解めっき処理方法の対象とする不導体素材には、スルーホールを有するセラミック基板も含み、スルーホール内面に銅めっき被膜を形成することができる。

0020

本発明の不導体素材へのめっき処理方法においては、不導体素材表面に導電性を付与するために、先ず、不導体素材を脱脂剤による清浄及びエッチングなどの各不導体素材に適した前処理を行う。不導体素材表面を、エッチング処理し、そして、必要な場合には、鉱酸溶液で浸漬処理する前処理にかけることにより、処理を容易にする。例えば、ABS樹脂では、アルカリ性、中性、酸性の脱脂剤で50℃、約5分間以上、洗浄する。そして、必要に応じて水洗を行う。次に、めっき処理すべき不導体素材に特性に応じて、エッチング処理を行う。例えば、前記のABS樹脂では、無水クロム酸400g/Lと98%硫酸200ml/L及び3価クロム20g/Lの混合液で、67℃、10分間エッチング処理を行う。このエッチング処理液組成及び処理条件は、別に限定されるものではない。この処理によりABS樹脂のゴム成分であるブタジエン(B成分)が優先的に溶解し、被めっき素材の表面に凹凸が形成される。

0021

次に、活性化剤処理として、不導体素材表面を貴金属/第一錫塩ゾル含有溶液により処理する。活性化剤としては、パラジウム−錫塩コロイドゾルと第一錫塩或いはその塩酸塩或いはその塩化物を含有する溶液が好適である。この活性化剤は従来用いられてきたものであり、市販されてもいる。一般的には、パラジウム−錫ゾルを用い、一般的に市販されているキャタリストと称するものでよく、塩化パラジウムと塩化第一錫及び塩酸と水が主成分である。活性化処理のキャタリストは、本発明のめっき処理方法では、不導体素材等に無電解めっきを施すための無電解めっきの触媒核となるパラジウムを、不導体素材表面に付着させる溶液が好適である。パラジウム−錫ゾル以外に、塩酸、塩化第一錫、塩化第二錫塩化ナトリウム等の塩化物や錫酸ソーダ、酸性硫酸ソーダ等の塩類及びピロガロール蓚酸等の還元剤、ノニオン、アニオン両性界面活性剤ポリビニルヒロリドンポリエチレングリコールモノラウレート等のゾルを安定化させる物質を含有すると、好適である。一般的に市販のパラジウム−錫ゾル溶液(キャタリスト溶液)であればよく、特に限定はない。特に、キャタリスト溶液としては、塩化パラジウムと塩化第一錫(2水塩含有)のモル比が、1:10〜1:150であり、好適には、更に、1:30〜1:120がよい。

0022

このように一般的に市販のキャタリスト溶液で、各不導体素材に応じて、濃度、温度、時間等を調整し、処理する。処理された不導体素材表面には、パラジウム−錫ゾルが吸着される。

0023

また、エッチング処理から活性化処理の間に、被めっき素材の必要性において、水洗、酸、アルカリによる中和処理、硫酸ヒドラドンや過酸化水素水による還元処理、キャタリストの被めっき素材への吸着性を向上させるエチレンジアミンアミン系界面活性剤等による処理、キャタリストを安定化するための希塩酸溶液によるキャタリストの前処理、即ち、プリデイップ処理等の各被めっき素材に応じた処理を行うことができる。また、キャタリストの被めっき素材への吸着性を向上させるために、被めっき素材に応じて硫酸パラジウム等のパラジウム塩が、エッチング処理液中に添加されてもよい。

0024

例えば、被めっき素材がABS樹脂である場合、エッチングした後に十分に水洗し、35%塩酸100ml/Lと硫酸ヒドラジン3g/Lとの混合溶液により、20℃で2分間処理し、素材表面に付着しているエッチング処理液のクロム酸を3価クロムに還元し、素材表面から除去する。クロム酸が付着したままキャタリスト溶液で処理すると、素材表面に吸着したパラジウム−錫ゾルが、クロム酸により酸化分解され、触媒機能喪失し、後の無電解めっき処理液が析出せずに、不導体素材の表面に導電性を付与することができなくなる。

0025

即ち、これは、従来の処理方法でも同様であるが、クロム酸が除去されたABS樹脂表面を水洗した後に、35%塩酸200ml/Lの溶液に20℃で1分間前処理し(プリデイップ)、水洗無しで直接キャタリスト溶液で活性化処理する。活性化処理液中のパラジウム−錫ゾルは、水により加水分解を受け、安定性が低下するため、活性化処理液に直接に水を持ち込まないように、この処理を行うことが重要である。

0026

以上のように前処理した被めっきのABS樹脂は、例えば、塩化パラジウム320mg/L、塩化第一錫25g/L、塩化第二錫3g/L、35%塩酸300ml/Lを含有するパラジウム−錫ゾルのキャタリスト溶液により、30℃で、7分間処理される。この処理により、被めっきのABS樹脂の表面にはパラジウムが、約0.6mg/dm2の密度で、錫約0.8mg/dm2の密度のパラジウム−錫ゾルが吸着される。

0027

但し、エッチング後に水洗することにより、活性化処理までの本発明の処理方法及び処理液組成物は、その濃度、処理温度、処理時間等の処理条件は、特に限定されないものである。本発明のめっき処理方法において、パラジウム−錫ゾルを吸着した不導体素材表面は、水洗した後に、蟻酸およびその塩またはアルコール類を還元剤とする無電解めっき処理液により浸漬処理されて、導電性が与えられる。

0028

これに対して、従来の方法では、キャタリスト処理(活性化処理)後に水洗を行い、通常アクセレーターと呼ばれる希塩酸や希硫酸あるいはそれらの混合酸液等を用い、或いは水酸化ナトリウムやアンモニウム水等のアルカリ溶液により処理し、錫を不導体素材の表面から除去した後に、パラジウムを金属化し、活性化する処理を行う。そして、従来方法では、この処理後に水洗を行い、ホルマリン還元無電解銅めっきや次亜燐酸塩還元無電解ニッケルめっき処理されるものである。このアクセレーター処理を行わずに無電解めっき処理を行うと、パラジウムが無電解めっきの反応開始触媒として働くまでかなりの時間を要するために、めっき析出反応が生じる前に、不導体素材の表面に付着しているパラジウム−錫ゾルの一部が無電解めっき処理液中へ溶出し、そのときに、パラジウムが触媒核となり、不導体素材表面上ではなく、無電解めっき処理液中で析出反応が起こる。一旦めっき液中で反応を起こすと、析出反応は連続的に生じ(自己分解反応)、無電解めっき処理液の金属および還元剤が著しく低下し、また、タンク等の付帯設備へめっきが析出するようになる。このような状態になった無電解めっき処理液は、以後使用不可能になり、無電解めっき処理液をすべて更新しなければならなく、排水処理及び付帯設備の清掃も含め、処理コストが非常に高くなる。また、不導体素材上に析出した無電解めっき被膜は、パラジウムの不均一な活性状態残留した錫及びめっき処理液中で反応析出した粒子の付着により析出が粗雑で、ムラの多いめっき被膜が得られる。このような従来方法では、この被膜上に電解めっきを行っても、ピット、ザラスターダスト、梨地状外観光沢ムラ等が多く、外観性の乏しいめっき製品しか得られない。また、不導体素材とめっき被膜の密着性も良好でない。従って、パラジウム−錫ゾル(キャタリスト)を用いる従来のめっき方法においては、アクセレーター処理が必要不可欠である。

0029

これに対して、本発明のめっき処理方法では、アクセレーター処理は不要で、行われずに、キャタリスト処理の活性化処理の後に水洗を行い、無電解めっきをする。以上のようなアクセレーター処理を行わずに可能にできた点は、無電解めっき溶液の還元剤として、蟻酸又はその塩あるいはアルコール類を用いることによる。使用するアルコール類は、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール及びグルセリンからなる群から選択される少なくとも1種又はその塩が好適である。そして、無電解めっき処理液がアルカリ性であることが好適である。そして、無電解めっき処理して得られた被膜の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmであることにより、解決されたものである。

0030

即ち、被膜の表面抵抗値が、1kΩ・cm以上になると、無電解めっき被膜が非常に薄く粗雑な析出被膜にならず、そのために、電解めっき後の外観性が非常にすぐれたものとなる。また、被膜の表面抵抗値が、104kΩ・cm以下では、電解めっきを析出させるために十分な導電性が得られ、この値以上では、電解めっきが析出しない場合もある。

0031

従って、被膜の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmの範囲に維持するには、蟻酸或いはその塩、アルコール類を還元剤とする無電解めっき処理液を使用することが重要である。蟻酸あるいはその塩、又はアルコール類は、アルカリ性溶液中で、金属を微量に析出させる極く弱い還元力であるために、処理濃度、処理温度、処理時間等の条件にあまり影響を受けず、前記の範囲の表面抵抗値を維持することができる析出反応をもたらし、極く薄い導電性被膜を形成することができる。また、還元力が弱いために、めっき処理液中にパラジウムが溶出しても、連続析出反応が起こらず、自己分解反応には至らない。従って、蟻酸或いはその塩、アルコール類以外の還元剤を用いた場合には、例えば、還元糖を用いる場合、電解めっきを行うには十分な300Ω・cmの表面抵抗値は得られるものの、めっき被膜が粗雑になり、電解めっき後の外観性は悪く、めっき製品として成立するものでなく、まためっき処理後の無電解めっき処理液には自己分解した金属粉が多量に発生するものである。無電解めっき処理液中には、還元剤成分として、蟻酸或いはその塩又はアルコール類を添加し、その濃度は、0.002〜1モル/L程度が好適である。

0032

次に、本発明の無電解めっき処理方法により、無電解めっき処理液で浸漬処理した不導体素材の表面上に形成する被膜の金属としては、銅又はニッケルが好適である。塩化銅、塩化ニッケル、硫酸銅、硫酸ニッケル等の可溶性塩から供給することができる。めっき溶液の金属イオン濃度は、特に限定する必要はないが、金属イオンとして0.002〜0.1モル/Lが好適である。また、無電解めっき処理液中にはパラジウム、金、白金イオンを含有していてもよい。これらの貴金属イオンを添加することにより、無電解めっき処理液が活性化され、銅及びニッケルが不導体素材表面上に析出し易くなる。その濃度は、貴金属成分としてめっき溶液中0.001〜1ミリモル/Lが好適である。

0033

更に、錯化剤成分としては、アルカリ性無電解めっき処理溶液中で、銅、ニッケルイオンが安定したキレートを形成するものなら特に限定しないで使用できるが、アルカノールアミンEDTA、乳酸、琥珀酸、酒石酸、ロッセル塩、クエン酸、グルコン酸、酢酸、アンモニアなどを用いることができる。また、これらの錯化剤は2種類以上含有してもよい。錯化剤の濃度は特に限定はないが、0.1〜2モル/Lが好適である。

0034

アルカリ性成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水を使用できる。その濃度は、0.1〜4モル/Lが好適である。以上のような成分を含有するように調製された無電解ニッケルめっき処理溶液により、パラジウム−錫ゾルが吸着している不導体素材表面を、20〜90℃の温度で、0.5〜15分間処理する。その際に、無電解めっき後の不導体素材の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmとなるように無電解めっき条件を調整する。

0035

例えば、不導体素材がABS樹脂の場合、キャタリスト溶液で処理した後、水洗を行い、例えば、塩化銅3g/L、ロッセル塩30g/L、水酸化ナトリウム40g/L、エチレングリコール5g/Lを含有する無電解めっき処理溶液により、50℃で、5分間処理すると、無電解めっき処理した後のABS樹脂の表面抵抗値は6.5kΩ・cmとなり、ABS樹脂表面には、パラジウム0.6mg/dm2、錫0.15mg/dm2、銅0.5mg/dm2の被膜が形成されている。

0036

そして、無電解めっきされた不導体素材表面は水洗後に電解めっきされる。無電解めっきした直後の電解めっきの種類は特に限定されないが、酸性硫酸銅めっきピロリン酸銅めっき、半光沢ニッケルめっき光沢ニッケルめっき、ニッケル−燐酸めっき等を適用することができる。以後の電解めっきは、必要に応じて、各種の電解めっきが行われる。また、厚付け無電解ニッケル或いは銅めっきが行われることもできる。

0037

また、無電解めっき処理した後、特に、最初の電解めっきにかけるまでの時間が長時間に及ぶ場合には、水洗後に、鉱酸或いは有機酸等により酸性化する。即ち、硫酸、塩酸、乳酸、蟻酸、酸性硫酸ソーダ等の少なくとも1種以上を含有する酸性希薄溶液により、処理し、或いは、この酸性溶液に更に、硫酸銅、塩化ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸錫、硫酸コバルト等の金属塩の少なくとも1種以上を含有する溶液により処理した後に、水洗後放置するのが好適である。即ち、無電解めっき処理液が高アルカリ性である場合には、被膜中にアルカリが残留し、このアルカリ成分が経時的に導電性被膜を劣化させ、電解めっきした後の外観性の不良や表面抵抗値が高くなり、電解めっきが析出しなくなる等の欠陥が出てくる。このような被膜劣化を防止するために、酸性希薄溶液により処理することが好適である。但し、このような酸性溶液の各成分の濃度は、処理温度、処理時間は特に限定されない。

0038

不導体素材が例えば、ABS樹脂の場合、無電解めっき処理した後に、水洗した直後に、市販の光沢剤を含有する酸性光沢硫酸銅めっき処理液により、3A/dm2の電流密度で、20分間電解するすると、めっき被膜の外観性がより改善されたものが得られる。また、電解めっき処理は、ニッケル、クロムという順に多層のめっき被膜を得る場合にも、より高い外観性が得られる。

0039

また、無電解めっき処理まで、処理したABS樹脂の不導体素材を水洗した後に、12時間空中に放置したところ、放置後の表面抵抗値は、100kΩ・cmとなり、放置前よりも高い表面抵抗値になった。その後、電解めっきを行ったところ、めっきは、完全に析出したが、ユズ肌状で外観性の乏しいめっき製品であった。

0040

また、無電解めっき処理までは同様の処理を行ったABS樹脂の不導体素材を水洗した後に、98%硫酸50ml/Lの溶液により室温で、1分間処理したところ、処理直後の表面抵抗値は3kΩ・cmであったが、12時間空中放置した後に測定した表面抵抗値は、7kΩ・cmであった。即ち、表面抵抗値の大幅な上昇は見られなかった。このような無電解めっき処理したABS樹脂の表面に、同様のめっき処理を行ったところ、得られた電解めっき被膜は完全析出で、外観性、密着性ともに優れたものであった。

0041

以上の不導体素材がABS樹脂である場合、本発明の無電解めっき処理法は、ホルマリン、次亜リン酸等の人体に悪影響のある物質を使用せずに、外観性、密着性などの諸物性のすぐれためっき被膜が作製できる。

0042

次に、本発明の不導体素材表面へのめっき処理方法と処理液組成物を具体的に実施例により説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。

0043

ABS樹脂製テストピース50×100×3mm(三菱レイヨンダイヤペット3001M)を、98%硫酸液150ml/L、CP整面剤N(キザイ株式会社から製造、販売)30ml/Lの混合溶液で、50℃で、5分間浸漬処理し、整面脱脂処理した。その後、無水クロム酸400g/L、98%硫酸200ml/L、3価クロム10g/Lの混合溶液により、68℃で10分間エッチング処理した(A)。水洗した後、35%塩酸100ml/Lとクロム除去剤EP−01−X(キザイ株式会社から製造、販売)10ml/Lを含有する溶液により、30℃、1分間浸漬処理し、前処理した(B)。

0044

その後、塩化パラジウム250mg/L、塩化第一錫20g/L、35%塩酸300ml/Lのパラジウム−錫ゾルを含有するキャタリスト溶液により、35℃で、5分間活性化処理(C)をした。次に、水洗した後、硫酸銅10g/L、酒石酸40g/L、水酸化リチウム60g/L、エチレングリコール1g/Lを含有する無電解めっき液により、50℃で7分間無電解めっき処理(D)を行った。その直後に、水洗した後、硫酸銅200g/L、98%硫酸50g/L、塩素イオン120mg/L、市販の光沢剤カプソール(株式会社金属化工技術研究所から製造、販売)を適量含有した酸性光沢硫酸銅めっき溶液により、20℃で、3A/dm2の電流密度で、30分間電解めっき処理を行った。以上、定法に従って、順次、ニッケルめっき15μm、クロムめっき0.5μmの被膜を電解めっきにより形成した(E)。

0045

得られためっき製品は、ザラ、スターダスト、未着などがなく、外観性にもすぐれ、キャス(CASS試験72時間で、レイテイングナンバー9.8であった。また、−40℃、1時間→室温30分間→80℃、1時間の熱サイクル試験を5サイクルを行っても、フクレクラックの発生がなく、諸物性にもすぐれためっき製品が得られた。

0046

尚、このサンプルの無電解めっき処理したABS樹脂テストピースの表面抵抗値は、1000kΩ・cmであった。また、めっき処理した後の無電解めっき液には、自己分解した金属粉末等の発生がなく、無電解めっき処理溶液の安定性は良好であった。

0047

実施例1の無電解めっき処理液のエチレングリコール濃度を、50mg/Lとして、無電解めっき処理時間を10分間とした以外は、実施例1と同じ方法でABS樹脂製テストピースに無電解めっき処理した。処理した直後のABS樹脂テストピースの表面抵抗値を測定すると、100kΩ・cmであり、実施例1と同様に、クロムめっき処理後の外観性、諸物性はともにすぐれためっき製品が得られた。また、めっき処理後の無電解めっき液には自己分解した金属粉末等の発生が見られず、めっき処理溶液の安定性が良好であった。

0048

実施例1と同じ方法でABS樹脂テストピースに無電解めっき処理を行った。処理したままで、水洗し、98%硫酸50g/L、硫酸銅5g/Lの酸性溶液に室温で1分間浸漬処理した。処理した後、ABS樹脂テストピースの表面抵抗値を測定すると、300kΩ・cmであった。更に、この上に、実施例1と同様に銅、ニッケル、クロムめっきを行った。得られためっき製品は、外観、諸物性ともにすぐれたものであった。

0049

実施例3と同じ方法で、ABS樹脂テストピースを、98%硫酸50g/L、硫酸銅5g/Lの酸性溶液に室温で1分間浸漬処理した。処理した後、水洗した後、室内に24時間放置した。24時間後のABS樹脂テストピースの表面抵抗値を測定すると、320kΩ・cmであった。これを実施例1と同様に、この被処理表面の上に、銅、ニッケル、クロムめっきを行った。得られためっき製品は、外観、諸物性ともにすぐれたものであった。

0050

26×21cm楕円形の6ナイロン樹脂製オートバイエアーカバー東洋紡績株式会社製ナイロンT−777)を、35%塩酸240ml/L、EPエッチングPA400ml/L(キザイ株式会社から製造、販売)を含有する混合溶液により、30℃で、10分間、エッチング処理した。その後、35%塩酸50ml/Lの溶液に30℃で10分間浸漬の前処理した(B)。そして、水洗を行った後、35%塩酸50ml/Lの溶液に20℃で1分間浸漬処理した後、塩化パラジウム400mg/L、塩化第一錫35g/L、塩酸100ml/L、塩化ナトリウム100g/Lを含有するパラジウム−錫ゾルキャタリスト溶液により、35℃で5分間活性化処理(C)を行った。次に、水洗後、塩化銅3g/L、ロッセル塩30g/L、琥珀酸ソーダ10g/L、水酸化ナトリウム40g/L、エチレングリコール10g/Lを含有する無電解めっき処理液により、60℃で5分間、無電解めっき処理(D)をした。

0051

次に、水洗した後、実施例1と同様に、酸性光沢硫酸銅めっき処理並びにニッケル、クロムめっきを行った(E)。得られためっき製品は、ザラ、スターダスト、未着部分などがなく、外観性に優れ、キャス(CASS)試験72時間でもレイテイングナンバー9.8であり、−40℃、1時間→室温30分間→90℃、1時間の熱サイクル試験を5サイクル行っても、フクレクラックの発生もなく、諸物性にもすぐれためっき製品であった。

0052

尚、この無電解めっき処理した後のテストピースの表面抵抗値は、10kΩ・cmであった。また、無電解めっき処理した後の無電解めっき液には、自己分解した金属粉末等の発生がなく、液安定性は良好であった。

0053

無電解めっき処理までは、実施例5と同様に処理した6ナイロン製オートバイエアーカバーを水洗した後、98%硫酸30ml/Lの酸性溶液により室温で1分間浸漬処理し、水洗した後、室内に24時間放置した。放置後、実施例1と同様に、この処理表面上に、銅、ニッケル、クロムにより、電解めっき処理(E)を行った。得られためっき製品は、外観性、諸物性ともにすぐれたものである。放置前のめっき製品の表面抵抗値は、4kΩ・cmであった。

0054

表面に、幅0.1mm、深さ0.1mm、長さ100mmの連続したピッチを有するエポキシ樹脂板100×100×10mmを、BGF−507(キザイ株式会社から製造、販売)50g/Lを溶解し、含有したアルカリ性脱脂剤中で、60℃で、10分間、超音波脱脂処理を行った。水洗した後、パラジウム−錫ゾル吸着促進剤CPコンデイショナーBD(キザイ株式会社から製造、販売)30ml/Lを含有する溶液により、40℃で、3分間、表面調整処理の前処理(C)を行った。そのままで水洗した後、35%塩酸200ml/L溶液により、室温で1分間浸漬処理した後、塩化パラジウム400mg/L、塩化第一錫35g/L、塩酸300mlのパラジウム−錫ゾルキャタリスト溶液で、40℃、7分間活性化処理し、水洗後、塩化銅3g/L、グルコン酸ソーダ20g/L、ロッセル塩30g/L、水酸化リチウム50g/L、エチレングリコール10g/Lを含有する無電解めっき処理液により、70℃で3分間めっき処理した(D)。そのままで水洗した後、30%塩酸20ml/L、塩化銅20g/Lを含有する酸性溶液に、室温で1分間浸漬処理した(E)。次に、水洗した後、スルファミン酸ニッケル320g/L、ホウ酸30g/L、臭化ニッケル10g/Lを含有する、pH3.5のスルファミン酸ニッケルめっき溶液により、40℃で5A/dm2の電流密度で、10時間連続めっき処理した。

0055

めっき処理した後、形成されたニッケル被膜を素材から引き剥がし、素材と接触していためっき裏面を電子顕微鏡で観察すると、素材と同様のピッチが、めっき裏面に正確に転写されていた。このことは、このめっき技術が、金型作製に有用であることを意味する。

0056

尚、35%塩酸20ml/L、塩化銅20g/Lの酸性溶液で浸漬した後のめっき被膜の表面抵抗値は、5kΩ・cmであった。また、めっき処理した後の無電解めっき液には、自己分解した金属粉末等の発生がなく、めっき処理溶液の安定性は良好であった。

0057

98%アルミナセラミック板100×100×2mmをセラクリーン507(キザイ株式会社から製造、販売)200ml/Lの溶液により、60℃で、5分間浸漬処理し、脱脂を行った。水洗した後、セラエッチャント(キザイ株式会社から製造、販売)に室温で3分間浸漬処理し、エッチング処理した(A)。水洗した後、イオン交換水により室温で5分間超音波洗浄した。水洗後、パラジウム−錫ゾル吸着促進剤CPコンデイショナーBD(キザイ株式会社から製造、販売)30ml/Lを含有する溶液により、40℃で3分間、表面調整のための前処理(B)を行った。水洗後、35%塩酸200ml/Lの溶液に室温で1分間浸漬処理した後、塩化パラジウム200mg/L、塩化第一錫15g/L、塩酸300ml/Lのパラジウム−錫ゾルを含有するキャタリスト溶液により、40℃で、10分間浸漬処理し活性化処理(C)を行った。更に、水洗した後、塩化銅1g/L、グルコン酸ソーダ20g/L、モノエタノールアミン30g/L、水酸化リチウム30ml/L、エチレングリコール5g/Lを含有する無電解めっき処理液により、70℃で、3分間無電解めっき処理した(D)。水洗後、98%硫酸50ml/Lの溶液に、30℃、2分間浸漬し、水洗なし、直接、硫酸銅75g/L、98%硫酸銅190g/L、塩素イオン60mg/L、スルカップAC−90(上工業株式会社製造、販売)5ml/Lのプリント基板用硫酸銅めっき溶液により、25℃で、3A/dm2の電流密度で、40分間電解めっき処理した(E)。めっきしたセラミックは、外観性、密着性等のすぐれたセラミックスルーホール基板として十分使用可能である。

0058

尚、98%硫酸50ml/Lの溶液に、30℃で2分間浸漬処理した後のめっき被膜の表面抵抗値は、18kΩ・cmであった。また、めっき処理した後の無電解めっき処理液には、自己分解した金属粉末等の発生がなく、液安定性は良好であった。

0059

0.5×0.5×1mmのチップコンデンサ用98%アルミナセラミック2万個をステンレスメッシュカゴに入れ、実施例8と同様に無電解めっき処理にかけた。水洗した後、98%硫酸50ml/L、硫酸銅2g/Lの溶液により、室温で3分間浸漬した。次に水洗後、30ccの容量の六角形電気めっき用バレル装置に移し変えた。硫酸度60g/L、硫酸65g/L、塩素イオン35g/L、カプソールB−1(株式会社金属化工技術研究所から製造、販売)4ml/L、カプソールB−2(株式会社金属化工技術研究所から製造、販売)0.75ml/Lを含有するバレル用光沢硫酸銅めっき液により、電流密度0.4A/dm2、3〜8回/分の回転速度で6時間バレル電解めっき処理した。めっきして得られたセラミックチップは、外観、密着度等のセラミックチップコンデンサとして十分に使用可能な物性であった。

0060

尚、98%硫酸50ml/L、硫酸銅2g/Lの溶液浸漬した後のめっき被膜の表面抵抗値は、5kΩ・cmであった。また、めっき処理した後の無電解めっき液には、自己分解した金属粉末等の発生がなく、液安定性は良好であった。

0061

実施例1の無電解めっき液の還元剤であるエチレングリコールの代わりに還元糖を使用した以外は、すべて実施例1と同じ条件で、めっき処理を行った。クロムめっき後のめっき製品の外観は、スターダスト及びザラの発生があり、めっき製品として成立するものではなかった。72時間キャス(CASS)試験した後のレイテイングナンバーは7であり、実施例1のめっき製品より耐食性で劣っていた。また、めっき後の無電解めっき液中には、自己分解した金属粉の発生が多く、液安定性も劣っていた。尚、無電解めっき処理をした後の表面抵抗値は、300Ω・cmであった。

0062

実施例1の無電解めっき液を、市販の無電解銅めっき液CP−Cu305(キザイ株式会社から製造、販売され、ホルマリン還元剤を含有)を使用した以外は、すべて実施例1と同じ条件で、めっき処理を行った。クロムめっきした後のめっき製品の外観は、スターダスト及びザラの発生が観測され、めっき製品として成立するものではなかった。72時間キャス(CASS)試験した後のレイテイングナンバーは、8であり、実施例1のめっき製品より耐食性で劣っていた。尚、無電解めっきをした後の表面抵抗値は、1Ω・cmであった。めっき処理した後の無電解銅めっき液は、自己分解した金属銅粉を多量に発生しており、液安定性も劣っていたので、無電解銅めっき液として使用できないものであった。

0063

実施例1と同様に無電解めっきを行った。水洗した後、室内で24時間放置した。放置後のABS樹脂の表面抵抗値は、3500kΩ・cm〜3.5×104kΩ・cmとバラツキ幅が大きかった。その後、実施例1と同様に電解めっきを行ったが、表面抵抗値が1×104kΩ・cm以上の部分は、完全に電解めっきが析出せず、めっき製品として成立しなかった。

0064

実施例5と同様の方法で、同じナイロン製オートバイエアーカバーを無電解めっき処理を行った。水洗した後、室内で24時間放置した。放置した後、めっき被膜を測定したところ、その表面抵抗値は、100kΩ・cm〜500kΩ・cmとバラツキが大きかった。その後実施例1と同様に電解めっきを行った。電解めっきは、完全に析出したが、表面抵抗値のバラツキの場所に関係なく、外観がユズ肌状で、めっき製品として成立するものではなかった。

0065

実施例1と同様の方法で、キャタリスト溶液で処理(活性化処理)したABS樹脂テストピースを、水洗した後、98%硫酸50ml/Lの溶液で、40℃、5分間アクセレーター処理をした。水洗した後、実施例1と同様に無電解めっき及び電解めっきを行ったが、電解めっきが完全に析出しない部分があり、めっき製品として成立するものではなかった。電解めっきが完全に析出しなかった部分を無電解めっきした後、その得られた析出めっきの表面抵抗値を測定すると、104キロオーム・cm以上であった。これにより、アクセレーター処理無しの方が、良好な結果を得ることが分かる。

発明の効果

0066

本発明の不導体素材へのめっき処理方法と処理液組成物は、前記のような処理方法とそのためのめっき組成物より、次のごとき技術的効果があった。即ち、第1に、ホルマリン、次亜リン酸等の人体に悪影響のある物質を使用せずに、外観性、密着性などの諸物性のすぐれためっき被膜を作製できる。第2に、アクセレーター処理は無しで、キャタリスト処理の活性化処理の後に水洗を行い、無電解めっき処理で所望の金属被膜が形成される。即ち、アクセレーター処理を行わずに可能にできた点は、無電解めっき溶液の還元剤として、蟻酸又はその塩あるいはアルコール類を用いたことによる。第3に、無電解めっき処理液がアルカリ性であること、そして、無電解めっき処理して得られた被膜の表面抵抗値が、1kΩ・cm〜104kΩ・cmという低抵抗値を得ることにより、容易で、低コストの無電解めっき処理が可能になった。

0067

請求項2に記載の処理方法により、不導体素材の表面への無電解めっき処理によるめっき被膜の形成が、容易になる。請求項3に記載の処理方法により、無電解めっき処理工程(b)と(c)の間に時間を置くこともできる処理方法を可能にする。請求項4に記載の処理方法により、無電解めっき処理すべき不導体素材表面が、より清浄にされ、めっき被膜形成がより容易になる。

0068

請求項5に記載の処理方法により、無電解めっき処理を促進する処理方法を可能にする。請求項6及び16に記載の処理方法及び無電解めっき処理溶液により、還元作用の適切に選択できるアルコール類を使用して、アルカリ性溶液中で、金属を微量に析出させる極く弱い還元力であるために、処理濃度、処理温度、処理時間等の条件にあまり影響を受けず、所望の表面抵抗値を維持することができる析出反応をもたらし、極く薄い導電性被膜を形成することができ、、還元力が弱いために、めっき処理液中にパラジウムが溶出しても、連続析出反応が起こらず、自己分解反応には至らない無電解めっき溶液を提供できる。請求項7に記載の処理方法により、銅、ニッケルイオンが安定したキレートを形成するキレート剤により、活性化された不導体素材表面に導電性が容易に得られる処理方法を提供する。請求項8及び18に記載の処理方法及び無電解処理液組成物により、無電解めっき処理が促進できる方法を提供できる。

0069

請求項9及び21に記載の還元剤濃度範囲を用いることにより、適切に不導体素材表面に導電性を付与する方法が提供される。請求項10、11並びに19、20に記載のアルカリ性の処理溶液により、容易に効率よく、不導体素材表面に導電性を付与する方法が提供される。請求項12及び22に記載の処理方法及び無電解めっき処理溶液により、被膜の表面抵抗値が、1kΩ・cm以上になると、無電解めっき被膜が非常に薄く粗雑な析出被膜にならず、そのために、電解めっき後の外観性が非常にすぐれたものとなり、また、被膜の表面抵抗値が、104kΩ・cm以下では、電解めっきを析出させるために十分な導電性が得られ、この値以上では、電解めっきが析出しない場合もある。請求項13、14による酸性浸漬溶液処理により、無電解めっき処理工程(b)と(c)の間に時間を置くこともでき、適当な処理方法を選択することを可能にする。

0070

請求項15記載の無電解めっき処理液により、容易に効率よく、不導体素材表面に導電性を付与すると同時に安定性の高い処理液組成物を提供する。更に、環境に有害の還元剤を使用しないので、この処理液を排出しても、人体への健康及び地球環境に優しい処理液組成物を提供する。また、これは、プラスチック素材、セラミック、ガラス、紙、ガラス繊維、布等の本来導電性のほとんどない不導体素材表面へ、低コストで外観性等の特性のすぐれためっき被膜を形成した製品を製造できる処理液組成物を提供する。

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