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技術 偏光分離素子および偏光変換光学素子

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 大利祐一郎
出願日 1998年10月30日 (21年4ヶ月経過) 出願番号 1998-311102
公開日 2000年5月16日 (19年10ヶ月経過) 公開番号 2000-137117
状態 未査定
技術分野 回折格子、偏光要素、ホログラム光学素子 液晶4(光学部材との組合せ) 偏光要素 液晶4(光学部材との組合せ) 回折格子、ホログラム光学素子
主要キーワード ダブルヘッド ベクトル解析 表面反射成分 ブレーズ回折格子 ルーリング バイナリ形状 波長板アレイ ブレーズ格子
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重要な関連分野

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図面 (10)

課題

本発明は、大きな偏光分離角度を有し、かつ波長変化角度変化に対する性能劣化が少ない低コスト回折型偏光分離素子を提供することを目的とする。

解決手段

本発明の回折型偏光分離素子は、表面レリーフ型の1次元回折面を有する第1の基板と、表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により充填した構成とする。

概要

背景

偏光分離素子とは、偏光を利用して光路分岐する光学素子である。代表的なものとしては、薄膜ブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッタがある。図7に、薄膜のブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッタの一例を示す。偏光ビームスプリッタ100は、偏光分離膜101が所定の角度と間隔で配設されて形成される。偏光分離膜101において、偏光角ランダム光が入射したときP偏光成分は全て透過し、反射光がS偏光成分になる。すなわち、光はブリュースター反射される。このようにして光は二つの偏光成分に分離される。

図7において、紙面に平行な方向の偏光成分であるP偏光成分はダブルヘッドの矢印で、紙面に垂直な方向の偏光成分であるS偏光成分は点印で示される。このことは、以下全ての図面に共通する。偏光ブームスプリッタ100は、光の偏光方向を揃えて出射する機能を備えているものである。従って、偏光ビームスプリッタ100には、P偏光光路上にP偏光成分をS偏光成分に変換する1/2波長板102が配設されている。

P偏光成分は偏光分離膜101で透過された後、1/2波長板102でS偏光成分に変換され偏光ビームスプリッタ100から出射される。S偏光成分は最初に入射した偏光分離膜101で反射された後、さらに隣接する偏光分離膜101で反射されて偏光ビームスプリッタ100から出射される。

上記のような薄膜のブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッタは、薄膜層を複数設けるため製造が複雑であり、コストが高いという欠点がある。偏光分離素子として、複屈折結晶を用いた偏光プリズムも知られているが、これはコストが高く作製が複雑で量産性に欠けるという問題点がある。

このような背景から、複屈折材料である液晶表面レリーフ型回折格子を組み合わせ、偏光による回折効率の違いを利用して光路を分岐する複屈折回折型偏光分離素子が例えば特開平10ー21576号公報で提案されている。複屈折回折型偏光分離素子は、大量生産可能な表面レリーフ型の回折格子と安価な複屈折材料である液晶材料とを組み合わせた構成であるため、製造が容易でコストを抑えることができる。

図8に、複屈折回折型偏光分離素子の一例の断面図を示す。偏光分離素子103は、表面が平坦な第1の基板104と、第1の基板104に対向する面がブレーズ化された回折面となっている表面レリーフ型の第2の基板105と、第1の基板104と第2の基板105の間を充填する複屈折材料である液晶106とから成る。第2の基板105は、液晶106の異常光屈折率に等しい屈折率を有するものを用いる。

偏光分離素子103に入射したランダム偏光のうち異常光であるS偏光成分は、第2の基板105の回折面105aによる屈折率変調を受けないため直進し、常光であるP偏光成分は回折面105aによる屈折率変調を受けるため回折される。このようにして、光は2つの偏光成分に分離される。尚、第2の基板105には、液晶106の常光屈折率に等しい屈折率を有するものを用いても良い。この場合、異常光が回折され、常光が直進することにより常光と異常光の光路が分離される。また、第2の基板105の表面レリーフ型の格子面ブレーズ状に限られない。しかし、ブレーズ状の回折格子面は、一つの回折次数エネルギーが集中するので最も望ましい。

概要

本発明は、大きな偏光分離角度を有し、かつ波長変化角度変化に対する性能劣化が少ない低コストな回折型偏光分離素子を提供することを目的とする。

本発明の回折型偏光分離素子は、表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第1の基板と、表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により充填した構成とする。

目的

本発明は、上記問題点を鑑みて、大きな偏光分離角度を有し、かつ波長変化や角度変化に対する性能劣化が少ない低コストな偏光分離素子を提供することを目的とする。また、複屈折回折型偏光素子を用いて、製造が容易で低コスト、薄型偏光変換光学素子を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

表面レリーフ型の1次元回折面を有する第1の基板と、表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により充填した構成であることを特徴とする回折型偏光分離素子

請求項2

第1と第2の基板の屈折率の一方は前記複屈折材料の常光屈折率と略等しく、他方は前記複屈折材料の異常光屈折率と略等しいことを特徴とする請求項1に記載の回折型偏光分離素子。

請求項3

第1と第2の基板の屈折率は略等しくかつ前記複屈折材料の常光屈折率または異常光屈折率のいずれかに略等しいことを特徴とする請求項1に記載の回折型偏光分離素子。

請求項4

前記複屈折材料は液晶材料であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の回折型偏光分離素子。

請求項5

第1及び第2の基板は回折面が1次元のブレーズ形状であり、それぞれの回折面のブレーズの方向が逆方向となるように配置されており、かつ、設計中心波長をλ0、前記複屈折材料の異常光と常光の屈折率の差をΔnとすると、それぞれの回折面のブレーズの格子最大高さh1、h2はh1=h2=λ0/Δnを満たすことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の回折型偏光分離素子。

請求項6

入射する光を複数の光束に分割する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイで分割された各光束を異なる偏光状態を有する二つの光束に分離する請求項1に記載の回折型偏光分離素子と、前記回折型偏光分離素子で分離された二つの光束のうち一方の光束の偏光状態を他方の光束の偏光状態と一致するように変換する変換素子と、前記変換素子を透過した二つの光束を合成する第2のレンズアレイとを備えていることを特徴とする偏光変換光学素子

技術分野

0001

本発明は、例えば液晶画像投影装置照明手段に用いられる偏光分離素子に関し、特に複屈折材料回折格子を用いた複屈折回折型偏光分離素子に関するものである。また、前記複屈折回折型偏光分離素子を用いた偏光変換素子に関するものである。

背景技術

0002

偏光分離素子とは、偏光を利用して光路分岐する光学素子である。代表的なものとしては、薄膜ブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッタがある。図7に、薄膜のブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッタの一例を示す。偏光ビームスプリッタ100は、偏光分離膜101が所定の角度と間隔で配設されて形成される。偏光分離膜101において、偏光角ランダム光が入射したときP偏光成分は全て透過し、反射光がS偏光成分になる。すなわち、光はブリュースター反射される。このようにして光は二つの偏光成分に分離される。

0003

図7において、紙面に平行な方向の偏光成分であるP偏光成分はダブルヘッドの矢印で、紙面に垂直な方向の偏光成分であるS偏光成分は点印で示される。このことは、以下全ての図面に共通する。偏光ブームスプリッタ100は、光の偏光方向を揃えて出射する機能を備えているものである。従って、偏光ビームスプリッタ100には、P偏光光路上にP偏光成分をS偏光成分に変換する1/2波長板102が配設されている。

0004

P偏光成分は偏光分離膜101で透過された後、1/2波長板102でS偏光成分に変換され偏光ビームスプリッタ100から出射される。S偏光成分は最初に入射した偏光分離膜101で反射された後、さらに隣接する偏光分離膜101で反射されて偏光ビームスプリッタ100から出射される。

0005

上記のような薄膜のブリュースター反射を利用する偏光ビームスプリッタは、薄膜層を複数設けるため製造が複雑であり、コストが高いという欠点がある。偏光分離素子として、複屈折結晶を用いた偏光プリズムも知られているが、これはコストが高く作製が複雑で量産性に欠けるという問題点がある。

0006

このような背景から、複屈折材料である液晶表面レリーフ型の回折格子を組み合わせ、偏光による回折効率の違いを利用して光路を分岐する複屈折回折型偏光分離素子が例えば特開平10ー21576号公報で提案されている。複屈折回折型偏光分離素子は、大量生産可能な表面レリーフ型の回折格子と安価な複屈折材料である液晶材料とを組み合わせた構成であるため、製造が容易でコストを抑えることができる。

0007

図8に、複屈折回折型偏光分離素子の一例の断面図を示す。偏光分離素子103は、表面が平坦な第1の基板104と、第1の基板104に対向する面がブレーズ化された回折面となっている表面レリーフ型の第2の基板105と、第1の基板104と第2の基板105の間を充填する複屈折材料である液晶106とから成る。第2の基板105は、液晶106の異常光屈折率に等しい屈折率を有するものを用いる。

0008

偏光分離素子103に入射したランダム偏光のうち異常光であるS偏光成分は、第2の基板105の回折面105aによる屈折率変調を受けないため直進し、常光であるP偏光成分は回折面105aによる屈折率変調を受けるため回折される。このようにして、光は2つの偏光成分に分離される。尚、第2の基板105には、液晶106の常光屈折率に等しい屈折率を有するものを用いても良い。この場合、異常光が回折され、常光が直進することにより常光と異常光の光路が分離される。また、第2の基板105の表面レリーフ型の格子面ブレーズ状に限られない。しかし、ブレーズ状の回折格子面は、一つの回折次数エネルギーが集中するので最も望ましい。

発明が解決しようとする課題

0009

従来より、偏光分離素子は、光ヘッド装置、液晶画像投影装置を始めとするさまざまな装置で用いられている。光ヘッド装置に用いる場合、偏光分離素子の偏光分離角度はあまり大きいものでない方が望ましい。なぜなら、ディテクタとの相対位置から、偏光分離角度を大きくとると光学系が大きくなるからである。

0010

一方、液晶画像投影装置に用いる場合は、偏光分離素子の偏光分離角度は大きい方が望ましい。液晶画像投影装置においては、偏光分離素子により二つの偏光成分に分離し、一方の成分の光を他方の成分の光と同じ偏光状態に変換することにより偏光状態を揃えて、理論的に全ての光を照明光として用いることにより光の利用効率を上げる。

0011

このとき、一方の光のみの偏光状態の変換を行うためには、二つの偏光成分の分離幅所定値以上である必要がある。偏光分離角度が小さいと、この所定値の分離幅が得られるまでの光学系の長さが長くなり、装置が大型化してしまう。よって、偏光分離角度は大きい方が望ましい。

0012

回折型偏光分離素子において、偏光分離角度を大きくするためには、回折格子の周期を小さくすればよい。しかし、回折格子の周期を小さくすると、回折効率の低下が生じる。

0013

格子の高さが数μm程度の薄いブレーズ回折格子の場合において、格子周期設計波長の20倍程度までは、表面反射成分を除くとスカラ理論的に100%の回折効率が得られるが、格子周期が小さくなるに従って回折効率が低下する。

0014

図9に、図8に示した偏光分離素子103について、ベクトル解析から厳密に計算した回折格子の周期と回折効率の関係を示す。回折格子の周期をΛ、設計中心波長をλ0として、Λ/λ0を横軸に、回折効率を縦軸とし、格子周期が波長の20倍以下、すなわちΛ/λ0が20以下となる範囲について示す。尚、設計中心波長λ0を550nm、液晶106の常光屈折率を1.5183、異常光屈折率を1.68049、最大の格子高さを3.4μmとして計算を行った。図9においては、表面反射成分を除いていない。

0015

図9から、格子周期が小さくなるにしたがって、徐々に回折効率が低下することがわかる。これは、高次回折光へのエネルギーの洩れが大きくなるからである。尚、波長が周期と同じオーダーとなるとスカラ理論が成り立たなくなるため、ブレーズ化した回折格子においても十分な回折効率が得られない。回折効率の最も高いブレーズ回折格子においても十分な回折効率が得られないので、他の種類の回折格子においてはなおさらである。

0016

回折格子の周期を小さくすると、回折効率が低下するという問題が生じるとともに、角度依存性色分散性が大きくなるという問題点が生じる。色分散性が大きくなると、白色波長領域での適用が困難となる。尚、たとえ格子周期を小さくすることにより発生する問題点を無視して、偏光分離角度のみを優先して構成しようとしても、ブレーズ格子の高さにより回折格子の周期を小さくすることには限界があり、大きな偏光分離角度を得ることが困難となる場合があった。

0017

回折格子の最適な最大の格子高さhmaxは、複屈折材料の異常光と常光の屈折率の差Δn、設計中心波長λ0、回折次数mとした場合、hmax=mλ0/Δnとなる。ここで、波長や角度変化による回折効率の依存性を小さくするためには、hmaxはできるだけ小さい方が望ましい。従って、m=1とする場合が多い。さらには、Δnが大きい方がhmaxが小さくなる。従って、複屈折性の大きな材料ほど偏光分離素子の性能的には有利である。液晶は、各種複屈折材料の中でも非常に大きな複屈折性を有する材料であり、大きなものでΔnの値が0.2〜0.25となる 。よって、複屈折材料として、液晶を用いることが望ましい。

0018

しかしながら、最適な最大格子高さhmaxは、液晶を用いて構成した複屈折回折型偏光分離素子においても、大きな偏光分離角度となる周期を有する回折格子を構成するために十分に小さい値とすることは困難であった。例えば、設計中心波長λ0を550nm、Δnを0.2とした場合、hmax=2.75μmとなる。

0019

上記のように、従来の複屈折回折型偏光分離素子において、大きな偏光分離角度を有し、波長や角度依存性の性能に対する影響が小さいものを構成することは困難であった。

0020

本発明は、上記問題点を鑑みて、大きな偏光分離角度を有し、かつ波長変化や角度変化に対する性能劣化が少ない低コストな偏光分離素子を提供することを目的とする。また、複屈折回折型偏光素子を用いて、製造が容易で低コスト、薄型偏光変換光学素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0021

上記目的を達成するために、請求項1に記載の回折型偏光分離素子は、表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第1の基板と、表面レリーフ型の1次元の回折面を有する第2の基板とを有し、第1と第2の基板が回折面を向かい合わせる方向で近接に配置され、2つの回折面の間を複屈折材料により充填した構成とする。

0022

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回折型偏光分離素子において、第1と第2の基板の屈折率の一方は前記複屈折材料の常光屈折率と略等しく、他方は前記複屈折材料の異常光屈折率と略等しい構成とする。

0023

請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の回折型偏光分離素子において、第1と第2の基板の屈折率は略等しくかつ前記複屈折材料の常光屈折率または異常光屈折率のいずれかに略等しい構成とする。

0024

請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかに記載の回折型偏光分離素子において、前記複屈折材料は液晶材料である構成とする。

0025

請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載の回折型偏光分離素子において、第1及び第2の基板は回折面が1次元のブレーズ形状であり、それぞれの回折面のブレーズの方向が逆方向となるように配置されており、かつ、設計中心波長をλ0、前記複屈折材料の異常光と常光の屈折率の差をΔnとすると、それぞれの回折面のブレーズの格子最大高さh1、h2はh1=h2=λ0/Δnを満たす構成とする。

0026

また、請求項6に記載の偏光変換光学素子は、入射する光を複数の光束に分割する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイで分割された各光束を異なる偏光状態を有する二つの光束に分離する請求項1に記載の回折型偏光分離素子と、前記回折型偏光分離素子で分離された二つの光束のうち一方の光束の偏光状態を他方の光束の偏光状態と一致するように変換する変換素子と、前記変換素子を透過した二つの光束を合成する第2のレンズアレイとを備えている構成とする。

発明を実施するための最良の形態

0027

〈第1の実施形態〉図1に、本実施形態の偏光分離素子の垂直断面図を示す。偏光分離素子1は、回折面2aを有する第1の基板2、複屈折材料である液晶3、回折面4aを有する第2の基板4から成る。第1の基板2、第2の基板4は平板状の部材の片面にブレーズ状の回折格子面が形成されている構成である。第1の基板2、第2の基板4は互いに回折格子面2a、4aを向かい合わせる方向でかつ互いの回折格子面2a、4aのブレーズ方向が逆になるように配設されている。液晶3により、第1の基板2と第2の基板4の間が充填されている。回折面2a、4aは等しい格子周期Λと格子最大高さhを有する。

0028

第1の基板2は、液晶3の常光屈折率n0と略等しい屈折率を有する材料で形成されている。第2の基板4は、液晶3の異常光屈折率neと略等しい屈折率を有する材料で形成されている。液晶3は、これを挟む回折面2a、4aの長手方向(紙面に垂直な方向)に配向されている。液晶3の配向は、回折面2a、4aにポリイミドなどによる配向膜を設けることで可能である。

0029

ランダム偏光として、基板2から入射する光のS偏光成分(紙面に垂直な偏光成分)については、液晶3の屈折率は基板2の屈折率より大きい異常光屈折率となるため、回折面2aの作用により光は回折される。P偏光成分(紙面に平行な方向の偏光成分)については、液晶3の屈折率は基板2と略等しい屈折率であるため、基板2の回折面2aは回折格子としては機能せず光はそのまま透過する。

0030

液晶3の層を透過し基板4に入射するS偏光成分に対しては、基板4の屈折率が液晶3の異常光屈折率と略等しい屈折率となるため、回折面4aは回折格子として機能せず光はそのまま透過する。

0031

他方、基板4に入射するP偏光成分に対しては、基板4の屈折率が液晶3の常光屈折率よりも大きい屈折率となるため、回折面4aは回折格子として機能し光は回折される。尚、回折面2aで回折されるS偏光成分の回折方向と、回折面4aで回折されるP偏光成分の回折方向は逆方向である。

0032

偏光分離素子1において、回折される光の回折効率を最大とするために、第1、第2の基板2、4のブレーズ格子の最大高さhはλ0/Δnとする。ここで、λ0は設計中心波長を、Δnは液晶3の異常光屈折率neと常光屈折率n0の差を表す。

0033

上記の構成により、偏光分離素子1は、ランダム偏光の光を効率よく分離することができる。S偏光成分は、回折面2aにより回折され、P偏光成分は回折面4aによって逆の方向に回折される構成としたことにより、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS偏光分離角度を得るために必要な回折格子の周期Λを大きくとることができる。また、一つの回折面を持つ素子と同じ格子周期とした場合は、より大きな偏光分離角度が得られる。

0034

例えば、偏光分離角度を約6度得るための格子周期Λは、本実施形態の偏光分離素子1によると11μmであるのに対し、図8に示した従来の偏光分離素子103によると5.5μmである。格子周期Λが大きいほど、回折効率の入射角度依存性が小さくなる。

0035

図2に、格子周期Λが11μmである本実施形態の偏光分離素子1と、格子周期Λが5.5μmである従来の偏光分離素子103における入射角度と回折効率の関係を示す。計算は、ベクトル解析による厳密なものであり、設計中心波長λ0を550nm、液晶の常光屈折率n0を1.5183、異常光屈折率neを1.68049として計算を行った。横軸に入射角度を、縦軸に回折効率を示す。点線13で示す関係が本実施形態の偏光分離素子1のものであり、実線14に示す関係が従来の偏光分離素子103のものである。

0036

図2より明かなように、格子周期Λが大きい方(点線13で示す方)が、回折効率の角度による低下が少ないとともに、絶対的な効率の低下も少ない。これは、先述のように、本実施形態の偏光分離素子1の格子周期Λが設計中心波長λ0の20倍程度となるのに対し、従来の偏光分離素子103の格子周期Λは20倍以下であることに起因する。

0037

複屈折材料として用いられる液晶3は、屈折率異方性が大きな液晶材料であれば高分子液晶ネマティック液晶液晶ポリマーなどが適用可能である。

0038

回折面2a、4aのブレーズ格子は、リソグラフィー製造方法による階段状のバイナリ形状で構成しても、RIEやイオンエッチングなどのドライプロセス、またルーリングエンジンなどによる切削加工によるものでもよい。このようなさまざまな方法により作製された表面レリーフ型の金型を作製し、樹脂ガラスなどを用いて成形することにより、大量生産が可能である。また、基板上に樹脂や無機透明膜により回折面を複合させたものでもよい。

0039

図3に、回折面2a、4aのブレーズ格子を4値のバイナリ形状とした場合の偏光分離素子1の垂直断面図を示す。偏光分離角度等、得られる作用は、格子面が連続でスムーズな面である場合とほぼ同じである。

0040

〈第2の実施形態〉図4に、本実施形態の偏光分離素子5の垂直断面図を示す。偏光分離素子5は、回折面6aを有する第1の基板6、液晶7、回折面8aを有する第2の基板8より成る。第1の基板6が液晶7の異常光屈折率neと略等しい屈折率を有する点のみ第1の実施形態の偏光分離素子1と相違する。よって、第1の実施形態と重複する説明は避ける。

0041

ランダム偏光として基板6から入射する光のS偏光成分については、液晶7の屈折率は基板6の屈折率と略等しい異常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子として機能せず光はそのまま透過する。

0042

一方、基板6から入射するP偏光成分については、液晶7の屈折率は基板6の屈折率よりも小さい常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子として機能し光は紙面右方向に回折される。

0043

液晶7の層を透過して、基板8に入射するS偏光成分に対しては、基板8の屈折率は第1の基板6と同じく液晶7の異常光屈折率と略等しくなっているため、回折面8aは回折格子として機能せず光はそのまま透過する。

0044

他方、基板8に入射するP偏光成分に対しては、基板8の屈折率が基板6と同じく液晶7の異常光屈折率と略等しくなっているため、回折面8aは回折格子として機能し光は紙面右方向に回折される。

0045

上記の構成により、ランダム偏光の光を効率良く分離することができる。S偏光成分の光は、液晶7の屈折率と第1、第2の基板6、8の屈折率が略等しいため、回折面6a、8aで回折作用を受けずに偏光分離素子5を透過する。P偏光成分の光は、二つの回折面6a、6bで同じ方向に回折される構成とした。よって、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS偏光分離角度を得るために必要な回折格子Λの周期を大きくとることができる。

0046

〈第3の実施形態〉図5に、本実施形態の偏光分離素子9の垂直断面図を示す。偏光分離素子9は、回折面10aを有する第1の基板10、液晶11、回折面12aを有する第2の基板12より成る。第2の基板12が液晶11の常光屈折率neと略等しい屈折率を有する点のみ第1の実施形態の偏光分離素子1と相違する。よって、第1の実施形態と重複する説明は避ける。

0047

ランダム偏光として基板10から入射する光のS偏光成分については、液晶11の屈折率は第1の基板10の屈折率より大きい異常光屈折率となるため、回折面10aは回折格子として機能し光は紙面右方向に回折される。

0048

一方、基板10に入射する光のP偏光成分については、液晶11の屈折率は基板10の屈折率と略等しい常光屈折率となるため、回折面6aは回折格子として機能せず光はそのまま透過する。

0049

液晶11の層を透過し、基板12に入射するS偏光成分については、第2の基板12の屈折率が第1の基板10と同じく液晶11の異常光屈折率より小さい屈折率であるため、回折面8aは回折格子として機能し光は紙面右方向に回折される。

0050

他方、基板12に入射するP偏光成分に対しては、基板12の屈折率は基板10と同じく液晶11の常光屈折率と略等しい屈折率であるため、回折面8aは回折格子として機能せず光はそのまま透過される。

0051

上記の構成により、ランダム偏光の光を効率良く分離することができる。P偏光成分については、液晶11の屈折率と第1、第2の基板10、12の屈折率が同じであるため、光は回折面10a、12aでの回折作用を受けず偏光分離素子9を透過する。S偏光成分は、二つの回折面10a、12aで同じ方向に回折される。よって、それぞれの回折面10a、12aの偏光分離角度の足し合わせが偏光分離素子9の偏光分離角度となるので、一つの回折面を持つ素子にくらべて、同じPS偏光分離角度を得るために必要な回折格子Λの周期を大きくとることができる。

0052

上記第1〜第3の実施形態の偏光分離素子は、いずれも回折格子面は2面であるが、これを3面以上の構成にして1面あたりの回折角度を小さくするようにしてもよい。しかしながら、この場合性能上は好ましいが、素子の数が多くなりコスト面において不利である。

0053

〈第4の実施形態〉図6に、本実施形態の偏光変換光学素子18の垂直断面図を示す。偏光変換光学素子18は、第1の実施形態の偏光分離素子1を用いて構成されている。複数のレンズセルから成る第1のレンズアレイ15と、これに第1の基板2が接着するように配置された偏光分離素子1と、偏光分離素子1の第2の基板4から所定距離離れた位置に偏光方向を90度変換する1/2波長板16aが複数交互に配置された波長板アレイ16と、波長板アレイ16に接着されるように配置された複数のレンズセルから成る第2のレンズアレイ17とから構成される。

0054

ランダム偏光を出射する白色光源(不図示)から偏光変換光学素子18に入射する光は、第1のマイクロレンズアレイ15により複数の光束に分割されて偏光分離素子1に入射する。そして、偏光分離素子1によりP偏光成分とS偏光成分に分離される。

0055

分離されたP、S偏光成分のうち、P偏光成分については交互に配置された1/2波長板6aにより偏光方向が変換されS偏光成分となり第2のレンズアレイ17に入射する。S偏光成分は、そのまま第2のレンズアレイ17に入射する。これらの光は、第2のレンズアレイ17により進行方向が揃った光となる。このようにして、偏光方向と進行方向の同じ光が偏光変換光学素子18より出射される。

0056

尚、波長板アレイ16は、P偏光成分が入射する位置に1/2波長板16aが交互に配置される構成となっているが、P偏光成分とS偏光成分の分離幅が所定値以上でないと、波長板アレイ16によりP偏光成分を確実にS偏光成分に変換することは困難である。本実施形態の偏光変換光学素子18においては、偏光分離素子1により分離角を大きくできるので、P偏光とS偏光分離後に所定値以上の分離幅が得られるまでに要する光学系の距離が短くてよい。よって、偏光分離素子1と波長板アレイ16の距離を短くでき、偏光変換光学素子18全体を薄く構成できる。

発明の効果

0057

本発明によれば、表面レリーフ型の回折格子と、複屈折材料を組み合わせて、特に偏光分離角度が大きくても回折効率の入射角度や波長に対する依存性の少ない特性の優れた偏光分離素子を構成することが可能となる。さらに、偏光分離角度を得るために二つの回折面を利用するために、回折格子周期の大きな偏光分離素子が可能となる。

0058

また、表面レリーフ型の回折格子は大量生産が可能であり、さらに、複屈折材料として例えば液晶などの安価なものを用いれば用いて構成すれば、安価な偏光分離素子が可能となる。

0059

本発明の偏光変換分離素子によれば、上記偏光分離素子を用いて構成するので、製造が容易で安価であり、しかも大きな偏光分離角により薄型の構成が可能となる。

図面の簡単な説明

0060

図1第1の実施形態の偏光分離素子の垂直断面図。
図2第1の実施形態と従来技術の偏光分離素子における入射角度と回折効率の関係を示す図。
図3第1の実施形態のバイナリ形状の格子面を有する偏光分離素子の垂直断面図。
図4第2の実施形態の偏光分離素子の垂直断面図。
図5第3の実施形態の偏光分離素子の垂直断面図。
図6第4の実施形態の偏光変換光学素子の垂直断面図。
図7従来技術の偏光ビームスプリッタの垂直断面図。
図8従来技術の回折型偏光分離素子の垂直断面図。
図9図8に示す偏光分離素子における格子周期と回折効率の関係を示す図。

--

0061

1、5、9偏光分離素子
2、6、10 第1の基板
2a、6a、10a回折面
3、7、11液晶
4、8、12 第2の基板
4a、8a、12a 回折面
15 第1のレンズアレイ
16波長板アレイ
16a 1/2波長板
17 第2のレンズアレイ
18 偏光変換光学素子

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