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技術 正負パルス式高周波スイッチング電源

出願人 株式会社ハイデン研究所
発明者 松永浩一
出願日 1998年10月21日 (22年7ヶ月経過) 出願番号 1998-299993
公開日 2000年5月12日 (21年1ヶ月経過) 公開番号 2000-134943
状態 特許登録済
技術分野 インバータ装置
主要キーワード ダイオードオア回路 電力実効値 パルス出力電圧 実効値変換回路 高周波スイッチング回路 溶接器 ONスイッチ 出力設定器
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図面 (15)

課題

負荷側のリーケージインダクタンス及び配線等で生ずる寄生容量、寄生インダクタンスの影響及び負荷条件に左右されることなく、確実にスイッチングさせることができてスイッチングロスが極めて少なく、理想的なサイン波形高周波出力が得られるようにする。

解決手段

4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続したHブリッジスイッチング回路1と、このHブリッジスイッチング回路から出力される正負パルス波にて共振する共振回路4と、この共振回路の電圧パルストランスPTで、また電流電流検出器CTで検出してフィードバックすることにより、4個の半導体スイッチング素子を一定のON/OFF組み合わせ態様で、かつ共振周波数より高いスイッチング周波数スイッチング動作させるPWM制御回路5とからなる。

概要

背景

特開平9−172787号公報には、次のような構成にすることにより、正負パルス高電圧立ち上がり立ち下がり特性を良くした正負パルス式高電圧電源が開示されている。

すなわち、正電圧発生部+Eとアースとの間に、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2と第3のスイッチング素子SW3とを直列接続し、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2との接続点負荷Rに接続し、負電圧発生部−Eと負荷Rとの間に第4のスイッチング素子SW4を接続する。第1のスイッチング素子をオンにして負荷に正電圧印加した後、第2のスイッチング素子をオンにして、第3のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD3を介してアースに至る回路によって、負荷の正の電荷分をディスチャージする。次に、第4のスイッチング素子をオンにして負荷に負電圧を印加した後、第3のスイッチング素子をオンにして、第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD2を介して負荷に至る回路によって、負荷の負の電荷分をディスチャージする。

この従来技術によると、正負のパルス高電圧の電圧値を正負それぞれ可変できるため、除電器電源としてはイオンバランス調整できるという利点があるが、スイッチング素子に供給する電源として正負それぞれの電源(正電圧発生部+E及び負電圧発生部−E)を必要とする問題がある。

また、特公平7−57100号公報には、4個の半導体素子をHブリッジ型構成とし、半導体素子をスイッチングするのに、正負それぞれ50%/50%で交互にスイッチングしている。そして、この回路はPDM(pulse density modulation:パルス密度変調)方式を採用し、出力パルスが正負50%/50%の波形で、図12に示すようにパルスとパルスの間を休止させ、出力側共振した高圧パルスを得ている。

しかし、この従来技術によると、回路構成が複雑で、変調制御が難しく、また変調幅を大きくとれないという問題がある。

更に、従来、図13に示すように、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したHブリッジスイッチング回路を用いた場合には、一般に次の表2に示す、、、の4つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させていた。

概要

負荷側のリーケージインダクタンス及び配線等で生ずる寄生容量、寄生インダクタンスの影響及び負荷条件に左右されることなく、確実にスイッチングさせることができてスイッチングロスが極めて少なく、理想的なサイン波形高周波出力が得られるようにする。

4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続したHブリッジスイッチング回路1と、このHブリッジスイッチング回路から出力される正負のパルス波にて共振する共振回路4と、この共振回路の電圧をパルストランスPTで、また電流電流検出器CTで検出してフィードバックすることにより、4個の半導体スイッチング素子を一定のON/OFFの組み合わせ態様で、かつ共振周波数より高いスイッチング周波数でスイッチング動作させるPWM制御回路5とからなる。

目的

そこで、本発明の第1目的は、出力パルスの幅を狭いパルス幅から広いパルス幅まで連続的に変化させても、負荷の条件に左右されることがなく、効率良い安定したPWM(Pulse Width Modulation)制御が可能で、しかも半導体スイッチング素子の電源は単一(片電源)でよく、また第2の目的は、半導体スイッチング素子をPWM制御するに当たっても、半導体スイッチング素子のターンオン及びターンオフ時のサージによるスイッチングノイズの発生を抑制できて、負荷側のリーケージインダクタンス及び配線等で生ずる寄生容量、寄生インダクタンスの影響及び負荷条件に左右されることなく、確実にスイッチングさせることができてスイッチングロスが極めて少なく、理想的なサイン波形の高周波出力が得られる正負パルス式高周波スイッチング電源を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子ダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続し、直流電圧印加されるHブリッジスイッチング回路と、このHブリッジスイッチング回路から出力される正負パルス波にて共振する共振回路と、この共振回路の電圧又は電流を検出して共振周波数より高いスイッチング周波数で前記4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をスイッチングさせるように、これら4個の半導体スイッチング素子を次の表1に示す、、、、の5つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるPWM制御回路とからなることを特徴とする正負パルス式高周波スイッチング電源

請求項

ID=000003HE=025 WI=080 LX=0200 LY=1150

請求項2

第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くなるように、PWM制御回路は、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のゲートゲートパルスを供給することを特徴とする請求項1記載の正負パルス式高周波スイッチング電源。

請求項3

共振回路の電圧を検出する電圧検出手段と、その検出電圧実効値変換する実効値変換手段と、共振回路の電流を検出する電流検出手段と、その検出電流を実効値変換する実効値変換手段と、これら実効値変換手段の電圧実効値及び電流実効値設定値と比較し、それぞれの差を選択してPWM制御回路へフィードバックさせる実効値選択回路とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の正負パルス式高周波スイッチング電源。

技術分野

0001

本発明は、正負パルス電圧高周波負荷印加する正負パルス式高周波スイッチング電源に関し、常圧プラズマ発生器、DC/DCコンバータバッテリ充電器、高周波コロナ処理器、オゾン発生器、モー夕用インバータ電源スパッタリング用電源、ランプ光源用電源、溶接器用電源等に広範に利用できるものである。

背景技術

0002

特開平9−172787号公報には、次のような構成にすることにより、正負のパルス高電圧立ち上がり立ち下がり特性を良くした正負パルス式高電圧電源が開示されている。

0003

すなわち、正電圧発生部+Eとアースとの間に、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2と第3のスイッチング素子SW3とを直列接続し、第1のスイッチング素子SW1と第2のスイッチング素子SW2との接続点を負荷Rに接続し、負電圧発生部−Eと負荷Rとの間に第4のスイッチング素子SW4を接続する。第1のスイッチング素子をオンにして負荷に正電圧を印加した後、第2のスイッチング素子をオンにして、第3のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD3を介してアースに至る回路によって、負荷の正の電荷分をディスチャージする。次に、第4のスイッチング素子をオンにして負荷に負電圧を印加した後、第3のスイッチング素子をオンにして、第2のスイッチング素子に並列接続されたダイオードD2を介して負荷に至る回路によって、負荷の負の電荷分をディスチャージする。

0004

この従来技術によると、正負のパルス高電圧の電圧値を正負それぞれ可変できるため、除電器用電源としてはイオンバランス調整できるという利点があるが、スイッチング素子に供給する電源として正負それぞれの電源(正電圧発生部+E及び負電圧発生部−E)を必要とする問題がある。

0005

また、特公平7−57100号公報には、4個の半導体素子をHブリッジ型構成とし、半導体素子をスイッチングするのに、正負それぞれ50%/50%で交互にスイッチングしている。そして、この回路はPDM(pulse density modulation:パルス密度変調)方式を採用し、出力パルスが正負50%/50%の波形で、図12に示すようにパルスとパルスの間を休止させ、出力側共振した高圧パルスを得ている。

0006

しかし、この従来技術によると、回路構成が複雑で、変調制御が難しく、また変調幅を大きくとれないという問題がある。

0007

更に、従来、図13に示すように、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したHブリッジスイッチング回路を用いた場合には、一般に次の表2に示す、、、の4つのON/OFF組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させていた。

0008

0009

図13において、まず4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4は全てOFFとなっている(負荷の両端はOFF状態)。次に、半導体スイッチング素子SW1、SW3のゲートに信号が同時に入力すると、I1の方向に電流が流れ、負荷を充電する。この後、SW1、SW3のゲート信号がOFFになるが、負荷側に充電した電荷分はチャージされたままである。今度は、半導体スイッチング素子SW2、SW4のゲートに信号が同時に入力すると、I2の方向に電流が流れ、負荷をディスチャージする。この後、SW2、SW4のゲート信号がOFFになるが、負荷側に充電した電荷分はチャージされたままである。

0010

従って、図14タイミングチャートに示すように、SW1、SW2、SW3、SW4に対するゲート信号が終わっても、出力パルスが直ぐに立ち下がらず、負荷の浮遊容量やリーケージインダクタンス分の影響を受け、軽負荷時及びC負荷のときは同図(A)のように次のパルスの立ち上がりまで延びた波形、L負荷のときは同図(B)のように各パルスの前後が歪んだ波形になってしまい、正確なPWM(Pulse Width Modulation)制御ができない。

0011

また、従来の大容量高周波電源では、一般に、直列共振又は並列共振コンバータにより共振させる自励式インバータを用いているため、次のような問題点があった。
自励式インバータの場合、出力を安定化させるには、マグアンプ等の回路を使って変圧器直流電流を流し、リーケージさせるような方法で制御するため設計が難しい。
自励発振方式の場合は、周波数制御のため変圧器にかかる周波数が変化するため発熱が大きくなる。
自励式インバータの場合、出力制御が0〜100%制御できない。

発明が解決しようとする課題

0012

そこで、本発明の第1目的は、出力パルスの幅を狭いパルス幅から広いパルス幅まで連続的に変化させても、負荷の条件に左右されることがなく、効率良い安定したPWM(Pulse Width Modulation)制御が可能で、しかも半導体スイッチング素子の電源は単一(片電源)でよく、また第2の目的は、半導体スイッチング素子をPWM制御するに当たっても、半導体スイッチング素子のターンオン及びターンオフ時のサージによるスイッチングノイズの発生を抑制できて、負荷側のリーケージインダクタンス及び配線等で生ずる寄生容量、寄生インダクタンスの影響及び負荷条件に左右されることなく、確実にスイッチングさせることができてスイッチングロスが極めて少なく、理想的なサイン波形高周波出力が得られる正負パルス式高周波スイッチング電源を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明は、高周波スイッチング回路として、4個の半導体スイッチング素子をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードをそれぞれ並列接続したHブリッジスイッチング回路(インバータ)を用い、その4個の半導体スイッチング素子を一定の順序でスイッチングさせて、正負対称パルス信号波形を出力させ、これを共振回路で共振させて高周波のサイン波形として取り出す一方、共振回路の電圧信号及び電流信号フィードバックさせて、他励式PWM制御により半導体スイッチング素子が零ボルトスイッチングするように制御することで、高周波出力の安定化及びスイッチングノイズの抑制を実現したものである。

0014

すなわち、本発明の正負パルス式高周波スイッチング電源は、図1に示すように、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続するとともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続し、直流電圧を印加されるHブリッジスイッチング回路と、このHブリッジスイッチング回路から出力される正負のパルス波にて共振する共振回路と、この共振回路の電圧又は電流を検出して共振周波数より高いスイッチング周波数で4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をスイッチングさせるように、これら4個の半導体スイッチング素子を次の表3に示す、、、、の5つのON/OFFの組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるPWM制御回路とからなる。

0015

0016

半導体スイッチング素子の動作の安定性と安全性を確保するため、図3(半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のゲートにそれぞれ供給されるゲート信号と、負荷へ出力される出力信号のタイミングチャート)に示すように、第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くするのが好ましい。

0017

また、共振回路の電圧を検出する電圧検出手段と、その検出電圧実効値変換する実効値変換手段と、共振回路の電流を検出する電流検出手段と、その検出電流を実効値変換する実効値変換手段と、これら実効値変換手段の電圧実効値及び電流実効値設定値と比較し、それぞれの差を選択してPWM制御回路へフィードバックさせる実効値選択回路とを備えると、共振回路からの出力の電圧又は電流を一定にできる。

0018

先ず、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4によるHブリッジスイッチング回路の動作を図2等価回路を参照して説明すると、SW1がOFFになってからSW1がONになると、I1の方向に電流が流れ、負荷3が正に充電される。次に、SW1がOFFになってからSW2がONになると、SW2とD3を通ってI2の方向に電流が流れるので、負荷3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0019

この後、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I3の方向に電流が流れ、負荷3が負に充電される。次に、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I4の方向に電流が流れ、負荷3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0020

また、本発明では、共振回路の電圧信号又は電流信号をフィードバックさせて、他励式PWM制御により半導体スイッチング素子が零ボルトスイッチングするように制御するので、次にその零ボルトスイッチングの原理図4及び図5を参照して説明する。

0021

一般に、直列共振、並列共振コンバータは電流共振型となり、半導体スイッチング素子の動作は非零電圧スイッチングとなる。そのため、半導体スイッチング素子のターンオフは大きい電流が流れ、大きなスイッチング損失が発生する。また、ターンオンは高い電圧で行われ、半導体スイッチング素子の寄生容量に充電された電荷は半導体スイッチング素子によって強制的に放電され、半導体スイッチング素子に過大な電流サージが流れる。

0022

そこで、本発明では、半導体スイッチング素子のスイッチング周波数を共振周波数より高く選び、第1と第2の1組の半導体スイッチング素子が共にオフとなるデットタイムを与えれば、零ボルトスイッチングがもたされる。

0023

図4に示すように、始め第2の半導体スイッチング素子SW2はON、第1の半導体スイッチング素子SW1はOFFとなっている。第2の半導体スイッチング素子SW2がOFFとなると、電流IS2は矢印の方向に流れ、第2の半導体スイッチング素子SW2の寄生容量C2を充電する。第1の半導体スイッチング素子SW1の寄生容量C1は、始め充電されているので、電圧VX1の値が上がるに従い寄生容量C1は放電する。電圧VX1の電位電源電圧E1に達した後、第1のダイオードD1はONとなり、その間に第1の半導体スイッチング素子SW1をONにすれば、第1の半導体スイッチング素子SW1は零ボルトONスイッチングとなり、第2の半導体スイッチング素子SW2の寄生容量C2が充電中に第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにすれば、この半導体スイッチング素子SW2は零ボルトOFFスイッチングとなる。

0024

図5では、始め第1の半導体スイッチング素子SW1はON、第2の半導体スイッチング素子SW2はOFFとなっている。第1の半導体スイッチング素子SW1がターンオフすると、その寄生容量C1が充電され、IS1の方向に電流が流れる。第1の半導体スイッチング素子SW1は零ボルトスイッチングとなる。また、第2の半導体スイッチング素子SW2がターンオンするまでに、その寄生容量C2の電荷はIS1の方向に電流が流れる。寄生容量C1の充電が完了し、寄生容量C2の放電が完了後、第2の半導体スイッチング素子SW2をターンオンすれば、第2の半導体スイッチング素子SW2も零ボルトスイッチングとなる。図6にこのような動作のタイミングチャートを示す。同図の(b)は(a)の一部を拡大して示している。

0025

図7に示すように、2個のインダクタンスL1・L2とコンデンサCとからなる共振回路に、正負のパルス波を入力すると、コンデンサCの両端の電圧波形は、インダクタンスL1及びL2とコンデンサCによって共振され、サイン波形の電圧が出力する。共振回路を使ってPWM制御するには、図8に示すように、スイッチングしたパルス出力電圧の中央で電流出力ピークになるようにすると、半導体スイッチング素子に最大に電流が流れるため、ソフトスイッチングにならない。

0026

そこで、スイッチング周波数を共振周波数より高く選ぶことにより、出力電流遅れ位相で変化し、スイッチングした電圧波形の終わった時点で電流波形がピークとなるように選ぶことにより、零ボルトスイッチングとなる。この共振回路においてPWM制御した場合、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4によるHブリッジスイッチング回路でゲートする入力パルスが終わった時点で強制リセットすることにより、負荷側のリーケージインダクタンス分がリセットし、図9に示すように、出力波形スパイクノイズ等を生じない理想的なサイン波形の高周波出力が得られる。この場合、共振回路にて検出した電圧信号又は電流信号をフィードバックしてPWM制御するので、高周波出力を定電圧又は定電流或いは定電力とすることができる。

0027

本発明では、このように他励式PWM制御により半導体スイッチング素子が零ボルトスイッチングするようにしているが、他励式PWM制御は自励発信方式に比べ、次のような利点がある。

0028

他励式PWM制御の場合は、パルス幅で制御することができるので、制御回路設計が比較的簡単である。
自励発振方式に比べ、負荷(変圧器)で生ずる発熱が少ない。
出力パルス幅を0〜100%連続的に歪み無く変化でき、出力を0〜100%直線的に変化させることができる。
半導体素子のスイッチングロスが少ないので効率が高く、出力容量が大きくても装置を小型にすることができる。
これをまとめると、表4のようになる。

0029

<自励式インバータと他励式PWM制御インバータとの比較表>

発明を実施するための最良の形態

0030

次に、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。

0031

先ず、本発明において使用するHブリッジスイッチング回路(インバータ)について説明する。図1に示すように、このHブリッジスイッチング回路1は、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続する(MOS−FET等の2個入り半導体モジュールをHブリッジとする)とともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したものである。このHブリッジスイッチング回路1の電源として単一の直流電源2を使用する。C1、C2、C3、C4は、半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のそれぞれの寄生容量を示す。

0032

そして、このHブリッジスイッチング回路1を、図1に示すような共振回路(LC直列共振回路)4とPWM制御回路5とゲートドライブ回路6とにより、次の表5に示す、、、、の5つのON/OFFの組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させる。図3は、このようなスイッチング動作によって、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1・SW2の中点と、第3と第4の半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点との間から出力される正負交互のパルスのタイミングチャートである。

0033

0034

図2は、Hブリッジスイッチング回路1の等価回路を示す。図3に示すように、第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くする。

0035

図2において、まず、SW1がOFFになってからSW1がONになると、I1の方向に電流が流れ、負荷3が正に充電される。次に、SW1がOFFになってからSW2がONになると、SW2とD3を通ってI2の方向に電流が流れるので、負荷3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0036

この後、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I3の方向に電流が流れ、負荷3が負に充電される。次に、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I4の方向に電流が流れ、負荷3のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。

0037

このような動作を表5に従って説明すると、次のとおりである。では、SW2とSW3はゲート信号を入力されてONとなり、負荷3の両端はショートされた状態となる。

0038

では、SW2のゲート信号がONされ、少し遅れてSW1にゲート信号が入力されてこれがONになると、SW3はOFFのままであるため、SW1から負荷3を通ってI1方向に電流が流れ、負荷3を正に充電する。

0039

では、SW1へのゲート信号入力が終わってこれがOFFとなってから、SW2へ再びゲート信号が入力されてこれが再びONになるので、負荷3に充電された電荷分は、SW2とD3を通ってディスチャージする。その結果、と同じ状態に戻ることになる。

0040

では、SW3がOFFとなり、少し遅れてSW4にゲート信号が入力されてこれがONになると、SW2はONのままであるため、SW4から負荷3を通ってI3方向に電流が流れ、負荷3を負に充電する。

0041

では、SW4へのゲート信号入力が終わってこれがOFFとなってから、SW3へ再びゲート信号が入力されてこれが再びONになるので、負荷3に充電された電荷分は、SW3とD2を通ってディスチャージする。その結果、と同じ状態に戻ることになる。

0042

このようにSW1とSW2との組、SW3とSW4の組がそれぞれ同時にONにならないように、デットタイムを与えて順番にスイッチングすることにより、入力信号(ゲート信号)に比例した波形の出力信号が得られる。その場合、負荷側の浮遊容量及びリーケージインダクタンスは、上記のようなスイッチング動作によってリセットされるので、歪みの無い出力波形が得られる。

0043

上記のようなスイッチング動作をするHブリッジスイッチング回路1の出力は、図1において、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1・SW2の中点を一方の極、第3と第4の半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点を他方の極として取り出され、2つのインダクタンスL1・L2とコンデンサCとによる共振回路4に入力される。そして、共振回路4の共振により得られる高周波のサイン波形の電圧が、負荷であるトランス3の一次側に印加される。

0044

図10の(A)は、デューティが50%の時のHブリッジスイッチング回路1の出力電圧VX1の波形と負荷電流波形で、この図から分かるように、始め半導体スイッチング素子SW1と半導体スイッチング素子SW2は零ボルトスイッチングされ、半導体スイッチング素子SW1がONとなり、半導体スイッチング素子SW2がOFFとなると、IS1の方向に電流が流れ、寄生容量C1の両端に正のサイン波を出力する。

0045

次に、半導体スイッチング素子SW1がOFFとなり半導体スイッチング素子SW2がONとなる時も、零ボルトスイッチングされ、寄生容量C1の両端は0ボルトとなり、次に半導体スイッチング素子SW4がON、半導体スイッチング素子SW3がOFFとなる時も零ボルトスイッチングされ、今度はIS2の方向に電流が流れ、コンデンサCの両端は、負のサイン波を出力する。そして、半導体スイッチング素子SW4がOFF、半導体スイッチング素子SW3がONになる時とコンデンサCの両端は0ボルトとなり元に戻る。50%デューティ時はこの繰り返しが行われる。

0046

その結果、負荷電流遅れ位相となるため、Hブリッジスイッチング回路1の出力電圧波形が1周期終わった時点で、負荷電流のピークが一致しているため、共振回路4は、位相が90°遅れた共振回路として動作する。

0047

図10の(B)は、デューティが10%の時のHブリッジスイッチング回路1の出力電圧VX1の波形と負荷電流波形で、始め半導体スイッチング素子SW1と半導体スイッチング素子SW2は零ボルトスイッチングされ、半導体スイッチング素子SW1がONとなり、半導体スイッチング素子SW2がOFFとなると、IS1の方向に電流が流れ、寄生容量C1の両端に正のサイン波を出力する。

0048

次に、半導体スイッチング素子SW1がOFFとなり、半導体スイッチング素子SW2がONとなる時も零ボルトスイッチングされ、コンデンサCの両端は0ボルトとなり、その後休止状態が続く。半導体スイッチング素子SW1がOFF、半導体スイッチング素子SW2がONとなってからは、半導体スイッチング素子SW2とダイオードD3によって負荷側で生じるリーケージスパイク、浮遊容量等をリセットするため、休止状態間では出力側に異常スパイクは生じない。

0049

次に、半導体スイッチング素子SW4がON、半導体スイッチング素子SW3がOFFとなると、零ボルトスイッチングが行われ、今度はI2の方向に電流が流れ、寄生容量C1の両端に負のサイン波を出力する。次に、半導体スイッチング素子SW4がOFF、半導体スイッチング素子SW3がONとなる時も零ボルトスイッチングが行われコンデンサCの両端は0ボルトとなり、その後休止状態が続く。

0050

半導体スイッチング素子SW4がOFF、半導体スイッチング素子SW3がONとなってからは、半導体スイッチング素子SW3とダイオードD2によって負荷側で生じるリーケージスパイク、浮遊容量等をリセットするため、休止状態間では、出力側にスパイクは生じない。

0051

以上のように、デューティを狭くしても、Hブリッジスイッチング回路1の出力波形は、リーケージスパイクが生じないパルス波形となり、負荷電流も位相遅れで変化するため、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4は零ボルトスイッチングする。

0052

Hブリッジスイッチング回路1に、図11に示すようなスナバ回路7を付加すれば、半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のターンオン時及びターンオフ時におけるサージ電流を吸収できるので、スイッチングノイズ及びスイッチングロスをより確実に防止できる。

0053

次に、4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4が、上記のように零ボルトスイッチングするようにそれらのゲートを制御し、また上記のようなサイン波形の高周波出力が、電圧又は電流或いは電力のいずれか1つについて一定になるように、フィードバック制御する回路構成について説明する。

0054

図1において、共振回路4の電圧(トランス6の一次電圧)は、電圧検出手段であるパルストランスPTにて検出されて実効値変換回路8へ入力され、電圧実効値として取り出される。また、共振回路4の電流(トランス3の一次電流)は、電流検出手段である電流検出器CTにより検出されて、実効値変換回路9へ入力され、電流実効値として取り出される。これら電圧実効値と電流実効値は、乗算回路10にて乗算されて電力実効値が求められる。

0055

実効値変換回路8の電圧実効値、実効値変換回路9の電流実効値、乗算回路10の電力実効値は、それぞれ誤差増幅器11・12・13に入力されて、各誤差増幅器11・12・13での出力設定値と比較され、それとの誤差に応じた信号が各誤差増幅器11・12・13から出力される。本例では、電圧制御電流制御電力制御の3つのうちのいずれか1つの制御モードを選択するように、モード切替スイッチ14が備えられており、出力設定器15にて任意に設定した電圧Vrefが、モード切替スイッチ14で選択した1つの誤差増幅器に出力設定値として入力される。

0056

また、誤差増幅器11・12・13は、それぞれに接続された入力切替スイッチ16・17・18により、モード切替スイッチ14と接続されるとともに、誤差増幅器11は電圧リミッタ19と、誤差増幅器12は電流リミッタ20と、誤差増幅器12は電力リミッタ21とそれぞれ接続できるようになっている。

0057

3つの入力切替スイッチ16・17・18はモード切替スイッチ14と連動し、モード切替スイッチ14を1番に切り替えると電圧制御モードとなり、入力切替スイッチ17・18により電流リミッタ20と電力リミッタ21とが選択される。モード切替スイッチ14を2番に切り替えると電流制御モードとなり、入力切替スイッチ16・18により電圧リミッタ19と電力リミッタ21とが選択される。モード切替スイッチ14を3番に切り替えると電力制御モードとなり、入力切替スイッチ16・17により電圧リミッタ19と電流リミッタ20とが選択される。

0058

3つの誤差増幅器11・12・13は、上記のようにそれぞれ電圧制御用電流制御用電力制御用となっており、電圧実効値又は電流実効値或いは電力実効値を出力設定値と比較してその差に出力する。誤差増幅器11・12・13の出力は、それぞれダイオードオア回路22・23・24を通してPWM制御回路5に入力されるが、入力の優先順位が誤差増幅器11、次に誤差増幅器12、最後に誤差増幅器13の順番となっていて、PWM制御回路5は、ゲートドライブ回路6へ入力するパルス幅を電圧制御、電流制御、電力制御の順で変化させる。

0059

ゲートドライブ回路6は、PWM制御回路5の制御に従ったゲート信号を、Hブリッジスイッチング回路1の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4のゲートへ供給し、これら半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4が上述のように図6に示したタイミングで零ボルトスイッチングする。

発明の効果

0060

本発明によれば次のような効果がある。
(1)4個の半導体スイッチング素子をHブリッジ構成とし、各半導体スイッチング素子にダイオードを並列接続したHブリッジ型のスイッチング回路(インバータ)を用いるので、供給した電源電圧に相当した正と負のパルス出力を得ることができる。

0061

(2)スイッチング回路(インバータ)がHブリッジ型で、単純であるのに加え、その電源は片電源で済み、ローコスト化できる。

0062

(3)負荷のリーケージフラックス及び浮遊容量を強制的にリセットできるので、これらの影響による波形歪みを解消できる。

0063

(4)半導体スイッチング素子をPWM制御するに当たっても、半導体スイッチング素子のターンオン及びターンオフ時のサージによるスイッチングノイズの発生を抑制できて、負荷側のリーケージインダクタンス及び配線等で生ずる寄生容量、寄生インダクタンスの影響及び負荷条件に左右されることなく、確実にスイッチングさせることができてスイッチングロスが極めて少なく、理想的なサイン波形の高周波出力が得られる。

0064

(5)共振回路の電圧及び電流を検出して実効値変換し、電圧実効値及び電流実効値を設定値と比較し、それぞれの差を選択してPWM制御回路へフィードバックさせることにより、共振回路からの出力の電圧又は電流を一定にできる。

図面の簡単な説明

0065

図1本発明による正負パルス式高周波スイッチング電源の回路構成図である。
図2図1中のHブリッジスイッチング回路の等価回路図である。
図3同上の動作を示すタイミングチャートである。
図4Hブリッジスイッチング回路の半導体スイッチング素子の零ボルトスイッチング動作を説明するための回路図である。
図5図4と同様の回路図である。
図6図4及び図5の動作を示すタイミングチャートである。
図7共振回路の動作を説明するための回路図である。
図8半導体スイッチング素子のスイッチング波形と出力電圧波形及び出力電流波形のタイミングチャートである。
図9半導体スイッチング素子のスイッチング波形と理想的なサイン波形となる出力波形のタイミングチャートである。
図10(A)は、デューティが50%の時のHブリッジスイッチング回路の出力電圧波形と負荷電流波形、(B)は、デューティが10%の時のHブリッジスイッチング回路の出力電圧波形と負荷電流波形である。
図11スナバ回路を付加したHブリッジスイッチング回路の変形例の回路図である。
図12従来例の動作を示すタイミングチャートである。
図13従来のHブリッジスイッチング回路の構成及び電流の流れを示す図である。
図14同上の動作を示すタイミングチャートである。

--

0066

SW1、SW2、SW3、SW4半導体スイッチング素子
D1、D2、D3、D4ダイオード
1 Hブリッジスイッチング回路
2直流電源
3負荷(トランス)
4共振回路
5PWM制御回路
6ゲートドライブ回路
PTパルストランス(電圧検出手段)
CT電流検出器(電流検出手段)
9・10 実効値変換回路

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