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技術 II−VI族化合物半導体結晶の成長方法

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 並川靖生
出願日 1998年10月27日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1998-305191
公開日 2000年5月9日 (20年6ヶ月経過) 公開番号 2000-128699
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理 半導体装置を構成する物質の物理的析出
主要キーワード 肉厚パイプ 封入蓋 ラッピング研磨 ミラー研磨 付着防止用 てくび 輻射冷却 結晶周辺
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図面 (4)

課題

昇華法又はハロゲン化輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶成長させるときに、前記支持部材から種結晶に加わる応力を抑制して、結晶性に優れたII−VI族化合物半導体結晶の結晶成長方法を提供しようとするものである。

解決手段

成長室中に原料多結晶を配置し、昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させる方法において、前記種結晶の裏面を予め平滑に仕上げておき、種結晶支持部材可視光及び/又は赤外光に対してほぼ透明な材質で構成し、前記支持部材の少なくとも一端を平滑面に仕上げ、該平滑面を通しての可視光及び/又は赤外光の実効的透過率が中心部では高く、周辺部では低くなるように前記支持部材を構成し、前記支持部材の平滑面上に前記種結晶の平滑面を密着させて結晶成長を行うことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶の成長方法である。

概要

背景

II−VI族化合物半導体結晶成長方法は、融液成長法固相成長法溶液成長法気相成長法の4種の方法に大きく分類される。その中で気相成長法には、原料昇華及び凝結を利用して結晶成長を行う昇華法(PVT法、Physical VaporTransport 法)、及び、ハロゲンを原料と反応させてハロゲン化物を生成し、そのハロゲン化物を種結晶上に輸送して分解し、結晶成長を行うハロゲン化学輸送法(CVT法、Chemical VaporTransport 法)がある。

例えば、J. Crystal Growth 94 (1989) p.1 〜5 には、石英アンプルの一端に5gのZnSe粉末原料を、他端にZnSe単結晶種結晶を設置してアンプル封入し、このアンプルを加熱してZnSe粉末側の温度を約1080℃に、種結晶側の温度を約1070℃に設定することにより、種結晶上にZnSe結晶を成長させたことが報告されている。

ところで、昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させる結晶成長方法において、成長結晶を冷却するときに種結晶又は成長結晶が周囲の部材に固着し、成長結晶と前記部材の熱膨張率の差により成長結晶に応力が加わり、結晶性を悪化する。

また、気相成長法では、種結晶の周囲に種結晶よりも低温の部分が存在すると、種結晶自身がその低温部に輸送され、種結晶の結晶性を劣化させ、ボイドを発生する。場合によっては、多結晶化を引き起こす。種結晶の結晶性の低下は、その上に成長する結晶に引き継がれ、その結晶性を低下させる。それ故、気相成長において種結晶を保護する必要があり、少なくとも成長室内局所最低温部に種結晶を設置することにより、種結晶自身の成分輸送を防止することが重要になる。

さらに、成長結晶は、通常成長容器の壁に接触して成長するが、結晶成長後冷却過程において、成長結晶と成長容器、成長結晶と種結晶支持部材熱膨張係数の差に起因する応力がその接触面で結晶に加わり、転位密度の増大などの結晶性の悪化を引き起こす原因となる。

これらの問題を解決するために、透明な材質からなるロッド状の種結晶支持部材上に種結晶を載せて結晶成長を行う方法が提案されている(J.Crystal Growth,Vol.161,(1996),p.51-59;Yu.V.Korostelin )。図3は、前記の方法を実施する装置の概念図である。この方法では、透明な種結晶支持部材を通して下部の低温部への輻射冷却により、種結晶だけが局所的に冷却されて周囲の容器壁に保持される。そのため、種結晶を熱的に安定な位置に存在させることができ、周囲への種結晶の成分輸送を防止し、種結晶を劣化させることなく保持することができる。

また、この方法によれば、容器壁を十分に高温に保持できるため、成長結晶を周囲の容器壁に無接触の状態で成長させることができる。そして、この成長方法では、成長結晶が種結晶の裏面を介して他の材料に唯一接する状態にあるため、成長結晶が容器壁に接する場合に比べると、結晶に加わる応力はかなり低減される。

しかし、種結晶裏面全体支持部材密着しているため、成長結晶の冷却過程で両者の熱膨張率の差による応力が種結晶部に加わる。この応力により種結晶部では、転位密度が増加し、転位は成長結晶に伝搬する。気相成長においては、通常結晶形状のアスペクト比結晶長結晶径)が小さく結晶長が短いため、種結晶部からの転位は、成長結晶の相当部分に伝搬し、結晶性を低下させる。また、それ以外にも、成長条件によっては結晶が種結晶支持部材を抱き込むように成長し、その抱き込み部分で大きな応力を受ける。

概要

昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させるときに、前記支持部材から種結晶に加わる応力を抑制して、結晶性に優れたII−VI族化合物半導体結晶の結晶成長方法を提供しようとするものである。

成長室中に原料多結晶を配置し、昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させる方法において、前記種結晶の裏面を予め平滑に仕上げておき、種結晶支持部材を可視光及び/又は赤外光に対してほぼ透明な材質で構成し、前記支持部材の少なくとも一端を平滑面に仕上げ、該平滑面を通しての可視光及び/又は赤外光の実効的透過率が中心部では高く、周辺部では低くなるように前記支持部材を構成し、前記支持部材の平滑面上に前記種結晶の平滑面を密着させて結晶成長を行うことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶の成長方法である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

成長室中に原料多結晶を配置し、昇華法又はハロゲン化輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶成長させる方法において、前記種結晶の裏面を予め平滑に仕上げておき、種結晶支持部材可視光及び/又は赤外光に対してほぼ透明な材質で構成し、前記支持部材の少なくとも一端を平滑面に仕上げ、該平滑面を通しての可視光及び/又は赤外光の実効的透過率が中心部では高く、周辺部では低くなるように前記支持部材を構成し、前記支持部材の平滑面上に前記種結晶の平滑面を密着させて結晶成長を行うことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶の成長方法

請求項2

前記支持部材は、その側面に円周状の溝状の切り込みを設けて、前記光の実効的透過率の分布を形成することを特徴とする請求項1記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。

請求項3

前記支持部材は、可視光及び/又は赤外光の透過率が比較的低い肉厚パイプに、前記透過率が比較的高いロッドを挿入し、その上端に平滑な両面を有する前記透過率が比較的高い円板を載せて構成し、前記円板上に前記種結晶の平滑面を密着させて結晶成長を行うことを特徴とする請求項1記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。

請求項4

前記支持部材又は前記円板と前記種結晶との接触面に付着防止用コーティング膜を介在させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。

技術分野

0001

本発明は、昇華法又はハロゲン化輸送法で種結晶上にZnSe、ZnS、CdTe、CdS等のII−VI族化合物半導体結晶成長する方法に関する。

背景技術

0002

II−VI族化合物半導体結晶の成長方法は、融液成長法固相成長法溶液成長法気相成長法の4種の方法に大きく分類される。その中で気相成長法には、原料の昇華及び凝結を利用して結晶成長を行う昇華法(PVT法、Physical VaporTransport 法)、及び、ハロゲンを原料と反応させてハロゲン化物を生成し、そのハロゲン化物を種結晶上に輸送して分解し、結晶成長を行うハロゲン化学輸送法(CVT法、Chemical VaporTransport 法)がある。

0003

例えば、J. Crystal Growth 94 (1989) p.1 〜5 には、石英アンプルの一端に5gのZnSe粉末原料を、他端にZnSe単結晶種結晶を設置してアンプル封入し、このアンプルを加熱してZnSe粉末側の温度を約1080℃に、種結晶側の温度を約1070℃に設定することにより、種結晶上にZnSe結晶を成長させたことが報告されている。

0004

ところで、昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させる結晶成長方法において、成長結晶を冷却するときに種結晶又は成長結晶が周囲の部材に固着し、成長結晶と前記部材の熱膨張率の差により成長結晶に応力が加わり、結晶性を悪化する。

0005

また、気相成長法では、種結晶の周囲に種結晶よりも低温の部分が存在すると、種結晶自身がその低温部に輸送され、種結晶の結晶性を劣化させ、ボイドを発生する。場合によっては、多結晶化を引き起こす。種結晶の結晶性の低下は、その上に成長する結晶に引き継がれ、その結晶性を低下させる。それ故、気相成長において種結晶を保護する必要があり、少なくとも成長室内局所最低温部に種結晶を設置することにより、種結晶自身の成分輸送を防止することが重要になる。

0006

さらに、成長結晶は、通常成長容器の壁に接触して成長するが、結晶成長後冷却過程において、成長結晶と成長容器、成長結晶と種結晶支持部材熱膨張係数の差に起因する応力がその接触面で結晶に加わり、転位密度の増大などの結晶性の悪化を引き起こす原因となる。

0007

これらの問題を解決するために、透明な材質からなるロッド状の種結晶支持部材上に種結晶を載せて結晶成長を行う方法が提案されている(J.Crystal Growth,Vol.161,(1996),p.51-59;Yu.V.Korostelin )。図3は、前記の方法を実施する装置の概念図である。この方法では、透明な種結晶支持部材を通して下部の低温部への輻射冷却により、種結晶だけが局所的に冷却されて周囲の容器壁に保持される。そのため、種結晶を熱的に安定な位置に存在させることができ、周囲への種結晶の成分輸送を防止し、種結晶を劣化させることなく保持することができる。

0008

また、この方法によれば、容器壁を十分に高温に保持できるため、成長結晶を周囲の容器壁に無接触の状態で成長させることができる。そして、この成長方法では、成長結晶が種結晶の裏面を介して他の材料に唯一接する状態にあるため、成長結晶が容器壁に接する場合に比べると、結晶に加わる応力はかなり低減される。

0009

しかし、種結晶裏面全体支持部材密着しているため、成長結晶の冷却過程で両者の熱膨張率の差による応力が種結晶部に加わる。この応力により種結晶部では、転位密度が増加し、転位は成長結晶に伝搬する。気相成長においては、通常結晶形状のアスペクト比結晶長結晶径)が小さく結晶長が短いため、種結晶部からの転位は、成長結晶の相当部分に伝搬し、結晶性を低下させる。また、それ以外にも、成長条件によっては結晶が種結晶支持部材を抱き込むように成長し、その抱き込み部分で大きな応力を受ける。

発明が解決しようとする課題

0010

そこで、本発明は、上記の問題を解消し、透明な支持部材で種結晶を支持して、昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させるときに、前記支持部材から種結晶に加わる応力を抑制して、結晶性に優れたII−VI族化合物半導体結晶の結晶成長方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、次の構成を採用することにより、上記の課題の解決に成功した。
(1)成長室中に原料多結晶を配置し、昇華法又はハロゲン化学輸送法で種結晶上にII−VI族化合物半導体結晶を成長させる方法において、前記種結晶の裏面を予め平滑に仕上げておき、種結晶支持部材を可視光及び/又は赤外光に対してほぼ透明な材質で構成し、前記支持部材の少なくとも一端を平滑面に仕上げ、該平滑面を通しての可視光及び/又は赤外光の実効的透過率が中心部では高く、周辺部では低くなるように前記支持部材を構成し、前記支持部材の平滑面上に前記種結晶の平滑面を密着させて結晶成長を行うことを特徴とするII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。

0012

(2) 前記支持部材は、その側面に円周状の溝状の切り込みを設けて、前記光の実効的透過率の分布を形成することを特徴とする前記(1) 記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。
(3) 前記支持部材は、可視光及び/又は赤外光の透過率が比較的低い肉厚パイプに、前記透過率が比較的高いロッドを挿入し、その上端に平滑な両面を有する前記透過率が比較的高い円板を載せて構成し、前記円板上に前記種結晶の平滑面を密着させて結晶成長を行うことを特徴とする前記(1) 記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。
(4) 前記支持部材又は前記円板と前記種結晶との接触面に付着防止用コーティング膜を介在させることを特徴とする前記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載のII−VI族化合物半導体結晶の成長方法。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明は、種結晶から見た種結晶支持部材の可視光及び/又は赤外光の実効的透過率が中心部で高く、周辺部で低くなるように、種結晶支持部材を構成することにより、上記の問題の解消に成功した。図1は、本発明の1実施の形態であり、種結晶支持部材において、種結晶を載せる研磨面の下部に円周状に切り込みを入れてくびれを持たせることにより、種結晶支持部材の研磨面の中心部では、可視光及び/又は赤外光の高い透過率が維持され、周辺部ではくびれ部分により散乱されて透過率を低下させることができる。上記の構成を採用することにより、種結晶支持部材の下部低温部への輻射による冷却は、種結晶の中心部で強く、周辺部で弱くなり、相対的に結晶周辺部が高温化する。その結果、種結晶支持部材に接触した部分のうち、結晶周辺部は昇華して消失し、種結晶は実質的に裏面中心部のみで種結晶支持部材と接触するようになり、接触面積縮小により冷却時の応力が低減し、成長結晶の結晶性を向上させることが可能になった。

0014

種結晶支持部材の材質は、結晶成長環境下において分解したり、融解したり、昇華することがなく、かつ種結晶と反応せず、ハロゲン化学輸送法においてはハロゲンと反応しない材質で、かつ可視光及び/又は赤外光に対してほぼ透明な材質で作る必要がある。具体的には、石英ガラスマグネシア水晶サファイア等で作ることができる。

0015

また、種結晶支持部材の形状は、熱環境対称性維持の観点から、平滑面の中心を通り、その平滑面と垂直に交わる直線を対称中心とする軸対称な形状であることが望ましい。また、種結晶の支持部材への固着を緩和するため、種結晶支持部材表面に緩和膜をコーティングすることも有効である。このコーティング膜は種結晶の密着強度を低下させると同時に、冷却時に種結晶支持部材から剥離されるので、応力緩和の効果が期待される。コーティング膜も種結晶支持部材と同様に、結晶成長環境下において分解したり、融解したり、昇華することがなく、かつ種結晶と反応せず、ハロゲン化学輸送法においてはハロゲンと反応しない材質から選ばれなければならない。そのようなコーティング膜としては、カーボン炭化珪素等の炭化物窒化珪素窒化アルミニウム窒化ホウ素等の窒化物、及び、酸化アルミニウム酸化亜鉛等の酸化物を用いることができる。

0016

〔比較例〕図3の装置を用いてZnSe単結晶を成長させた。種結晶は、直径20mm、厚さ1mmで表面をミラー研磨し、裏面をラッピング研磨した(111)B面のZnSe単結晶ウエハを用いた。事前にNaOHでエッチングして測定した種結晶の転位密度は、5×104 cm-2〜1.5×105 cm-2であった。そして、内径22mmの垂直な石英製アンプルの底面に、直径20mm、長さ60mmで端面を平滑に研磨した石英製円柱状種結晶支持部材を設置し、その平滑端面に前記種結晶を載せた。さらに種結晶より上方30mmの位置に、原料保持用メッシュを配置し、その上に原料としてZnSe多結晶20gを載せた。そして、このアンプルを1×10-7Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを20Torr導入し、封入蓋の部分で封着した。

0017

このアンプルを縦型管状炉に挿入し、多結晶原料部温度を1100℃に、種結晶部温度を1080℃に、アンプル下端部温度を1000℃に加熱して10日間結晶成長を行った。得られた結晶は底面の直径が20mm、重量17.2gでボイドを含まないものであったが、種結晶支持部材を一部抱き込んで成長していた。その結果、種結晶の転位密度は4×105 cm-2〜6×105 cm-2に増加しており、その影響で成長結晶の転位密度も1×105 cm-2〜4×105 cm-2と高い値を示した。これは、石英製種結晶支持部材と種結晶の付着が強く、また、種結晶支持部材を抱き込んでいたため、冷却過程で種結晶に応力が加わったものと考えられる。

0018

〔実施例1〕図1の装置を用いてZnSe単結晶を成長させた。種結晶は、直径20mm、厚さ1mmで表面をミラー研磨し、裏面をラッピング研磨した(111)B面のZnSe単結晶ウエハを用いた。事前にNaOHでエッチングして測定した種結晶の転位密度は、5×104 cm-2〜1.5×105 cm-2であった。そして、内径22mmの垂直な石英製アンプルの底面に、直径20mm、長さ60mmで端面を平滑に研磨し、研磨面から5mmの位置に直径が8mmになるように円周状切り込みを入れた石英製円柱状種結晶支持部材を設置し、その平滑端面に前記種結晶を載せた。さらに種結晶より上方30mmの位置に、原料保持用のメッシュを配置し、その上に原料としてZnSe多結晶20gを載せた。そして、このアンプルを1×10-7Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを20Torr導入し、封入蓋の部分で封着した。

0019

このアンプルを縦型管状炉に挿入し、多結晶原料部温度を1100℃に、種結晶部温度を1080℃に、アンプル下端部温度を1000℃に加熱して10日間結晶成長を行った。得られた結晶は、重量15.5gでボイドを含まないものであり、種結晶支持部材と接触している底面は直径が約12mmで、成長にしたがって、直径が増大し、最大で約20mm直径になっていた。種結晶の転位密度は1×105 cm-2〜3×105 cm-2に増加していたが、成長結晶の転位密度は2×104 cm-2〜1×105 cm-2に低減していた。。これは、石英製種結晶支持部材と種結晶の付着面積が小さく、また、種結晶支持部材の抱き込みもなかったため、冷却過程において種結晶に加わる応力も低かったものと考えられる。また、種結晶から成長結晶へと結晶径が増大しているため、種結晶から転位が伝搬しても、成長結晶の転位密度の増大は抑制されたものと考えられる。

0020

〔実施例2〕図1の装置を用いてZnSe単結晶を成長させた。種結晶は、直径20mm、厚さ1mmで表面をミラー研磨し、裏面をラッピング研磨した(111)B面のZnSe単結晶ウエハを用いた。事前にNaOHでエッチングして測定した種結晶の転位密度は、5×104 cm-2〜1.5×105 cm-2であった。実施例1と同じ形状の石英製円柱状種結晶支持部材の表面に、予めベンゼンを原料とした熱CVD法で厚さ3000Åのカーボン膜成膜し、その上に前記種結晶を載せた。垂直に配置した内径22mmの石英製アンプルの底面に前記種結晶支持部材を設置し、その上に前記種結晶を載せた。さらに種結晶より上方30mmの位置に、原料保持用のメッシュを配置し、その上に原料としてZnSe多結晶20gを載せた。そして、このアンプルを1×10-7Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを20Torr導入し、封入蓋の部分で封着した。

0021

このアンプルを縦型管状炉に挿入し、多結晶原料部温度を1100℃に、種結晶部温度を1080℃に、アンプル下端部温度を1000℃に加熱して10日間結晶成長を行った。得られた結晶は、重量16.3gでボイドを含まないものであり、種結晶支持部材と接触している底面は直径が約12mmで、成長にしたがって、直径が増大し、最大で約20mm直径になっていた。種結晶の転位密度は5×104 cm-2〜1.5×105 cm-2でほとんど増加はなく、成長結晶の転位密度は1×104 cm-2〜5×104 cm-2に低減していた。。これは、石英製種結晶支持部材と種結晶の付着面積が小さく、かつ、カーボン膜により付着強度が低下され、種結晶支持部材の抱き込みもなかったため、冷却過程において種結晶に加わる応力も低かったものと考えられる。また、種結晶から成長結晶へと結晶径が増大しているため、種結晶から転位が伝搬しても、成長結晶の転位密度の増大は抑制されたものと考えられる。

0022

〔実施例3〕図2の装置を用いてZnSe単結晶を成長させた。種結晶は、直径20mm、厚さ1mmで表面をミラー研磨し、裏面をラッピング研磨した(111)B面のZnSe単結晶ウエハを用いた。事前にNaOHでエッチングして測定した種結晶の転位密度は、5×104 cm-2〜1.5×105 cm-2であった。そして、外径20mm、内径7.5mm、長さ60mmで端面を平滑に研磨した石英製パイプの中に、直径7mm、長さ60mmで端面を平滑に研磨したサファイア製ロッドを挿入し、その上に直径20mm、厚さ5mmで両面を平滑に研磨したサファイア製円板を載せたものを種結晶支持部材とし、垂直に配置した内径22mmの石英製アンプルの底面に設置した。サファイアの赤外光の透過率は石英より高いため、種結晶支持部材の中心部の光透過率が周辺部に比べて高くなる。そして、種結晶の付着を防止するために、サファイア製円板には、ベンゼンを原料とした熱CVD法で厚さ1500Åのカーボン膜を成膜し、その上に種結晶を載せた。垂直に配置した内径22mmの石英製アンプルの底面に前記種結晶支持部材を設置した。さらに種結晶より上方30mmの位置に、原料保持用のメッシュを配置し、その上に原料としてZnSe多結晶20gを載せた。そして、このアンプルを1×10-7Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを20Torr導入し、封入蓋の部分で封着した。

0023

このアンプルを縦型管状炉に挿入し、多結晶原料部温度を1100℃に、種結晶部温度を1080℃に、アンプル下端部温度を1000℃に加熱して10日間結晶成長を行った。得られた結晶は、重量15.3gでボイドを含まないものであり、種結晶支持部材と接触している底面は直径が約10mmで、成長にしたがって、直径が増大し、最大で約20mm直径になっていた。種結晶の転位密度は5×104 cm-2〜1.5×105 cm-2でほとんど増加はなく、成長結晶の転位密度は1×104 cm-2〜4×104 cm-2に低減していた。これは、石英製種結晶支持部材と種結晶の付着面積が小さく、かつ、カーボン膜により付着強度が低下され、種結晶支持部材の抱き込みもなかったため、冷却過程において種結晶に加わる応力も低かったものと考えられる。また、種結晶から成長結晶へと結晶径が増大しているため、種結晶から転位が伝搬しても、成長結晶の転位密度の増大は抑制されたものと考えられる。

発明の効果

0024

本発明は、上記の構成を採用することにより、昇華法及び/又はハロゲン化学輸送法により、II−VI族化合物半導体結晶を種結晶上に成長し冷却する過程で、外部からの応力を低減することができ、結晶性の優れたII−VI族化合物半導体結晶の提供を可能にした。

図面の簡単な説明

0025

図1実施例1、2で使用した結晶成長用アンプルの模式的断面図である。
図2実施例3で使用した結晶成長用アンプルの模式的断面図である。
図3比較例で使用した結晶成長用アンプルの模式的断面図である。

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