図面 (/)

技術 セラミック体と金属体の接合構造、セラミック体と金属体の接合方法、およびこれを用いたセラミックヒ−タ

出願人 京セラ株式会社
発明者 田中智
出願日 1998年10月29日 (20年8ヶ月経過) 出願番号 1998-308626
公開日 2000年5月9日 (19年2ヶ月経過) 公開番号 2000-128655
状態 拒絶査定
技術分野 圧接、拡散接合 はんだ付・ろう付 セラミックスの接合 溶融はんだ付 圧接、拡散接合
主要キーワード 電極取出用 滑り変形 窒化珪素セラミック Ti合金粉末 ロウ材粉末 Niリード 窒化物系セラミック 低熱膨張金属
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年5月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

セラミック体金属体接合構造において、セラミック体と金属体間の熱膨張差により生じる残留応力ロウ材中あるいはセラミック表面に働き、接合体接合強度の低下やセラミック割れにより接合強度が低下するという問題があった。

解決手段

セラミック体と金属体の接合構造において、両者を接合するロウ材中に無機粉末を分散させるて無機粉末付近のロウ材が滑り変形しやすいようにすることにより、セラミック体と金属体の熱膨張差を緩和し、接合部付近のセラミックへのクラック発生を防止する。

概要

背景

セラミックヒ−タにおいてセラミック体の端部に金属リ−ドを接合することが行なわれている。このような場合に、セラミック体と金属体を接合するには、セラミック表面をMo−Mn法でメタライズ(金属化)し、さらにNiメッキを施したのち、銀ロウ材で金属とロウ接する方法や、Ti、Zr、V等の金属化合物層をセラミック−金属界面に形成して層間の密着性を改善した活性金属法などが広く一般的に利用されている。

しかし、先のMo−Mn法はアルミナ等の酸化物系セラミックには広く採用されているが、窒化珪素セラミック等の非酸化物系セラミックへの適用は困難である。また、活性金属法はメタライズとロウ接とを同時に行うために、銀ロウ中に活性金属であるTiを含有させたAg- Cu-Ti系、Ag−Cu- In- Ti系などのロウ材を使用してセラミックと直接反応させて接合するなど改善が見られるが、十分な強度を有し、耐酸化性耐熱性に優れた接合体は得られていないのが現状である。

通常セラミック体と金属体を加熱接合する場合、両者の熱膨張差により冷却過程で接合部の付近残留応力が働き、接合体の接合強度の低下やセラミックス割れ等が発生する。この残留応力を低減するため両者の間にMo、W、Fe−Ni−Co合金等の低熱膨張金属を挿入して接合したり、Ni、銅、アルミニウム等の軟質金属板を挟み込んで接合するようにしている。

これらの軟質金属のなかで銅は耐力が低いため応力がかかる接合体に使用すると銅の部分が変形してしまう。アルミニウムも同様であり、さらに融点が低いために高温で使用する接合体には使用できない。Niは耐力があり、耐酸化性、耐熱性の面で優れた特性を持っているので、セラミック体と金属体の接合用緩衝材として適しているが、熱膨張の小さい高純度窒化物系セラミックと、接合される金属の間に単純にNi板を挿入しても両者(Ni板とセラミック)の熱膨張差により冷却過程での残留応力が大きくなり、セラミックに割れが発生し高い接合強度を有する接合体は得られない。

前述したように活性金属法による方法では、Ag−Cu系のロウ材中に活性金属としてTiを使用したものが多い。ここで、このAg−Cu−Ti系ロウ材と窒化物系セラミック(ここでは窒化珪素セラミック)と金属板の3種類の物質の接合を例にその接合メカニズムと実際の問題点について考えてみる。

図3(a)に示すようにたとえばAg−Cu−Ti系のようなロウ材層3を用いてセラミック体4と金属体1を活性金属法で接合する場合、窒化珪素等のセラミック体4とロウ材層3との界面にはTiN及びTi5 Si3 の反応層が生成され、この層の形成によりロウ材層3と接していたセラミック体4の表面はメタライズ(金属化)されるものと考えられる。

このTiN及びTi5 Si3 の反応層の上にAg−Cu合金のロウ材層3が形成され、さらにこのロウ材層3と金属体1とがロウ付けされることにより3種類の物質の接合体が得られる。

概要

セラミック体と金属体の接合構造において、セラミック体と金属体間の熱膨張差により生じる残留応力がロウ材中あるいはセラミック表面に働き、接合体の接合強度の低下やセラミックの割れにより接合強度が低下するという問題があった。

セラミック体と金属体の接合構造において、両者を接合するロウ材中に無機粉末を分散させるて無機粉末付近のロウ材が滑り変形しやすいようにすることにより、セラミック体と金属体の熱膨張差を緩和し、接合部付近のセラミックへのクラック発生を防止する。

目的

本発明は、セラミック体と金属体との接合を高強度でかつ安定したものとするために必要な緩衝層形成方法およびその緩衝層を有する金属とセラミックの接合を可能にし、接合の信頼性の高いセラミック体と金属体の接合構造を提供する点にある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

セラミック体金属体ロウ材を介して接合した接合構造において、上記ロウ材中に、該ロウ材の濡れ角が50°以上であり、かつ融点が1200℃以上である無機粉末が分散していることを特徴とするセラミック体と金属体の接合構造。

請求項2

前記無機粉末形状が、鱗片状、もしくは板状であり、且つその平均粒径が2〜100μmである事を特徴とする請求項1記載のセラミック体と金属体の接合構造。

請求項3

前記無機粉末の含有量が10〜40体積%であることを特徴とする請求項1記載のセラミック体と金属体の接合構造。

請求項4

上記無機粉末が炭素粒子である事を特徴とする請求項1及至3記載のセラミック体と金属体の接合構造。

請求項5

セラミック体表面に無機粉末を含まないロウ材層を形成した後、この上に、ロウ材の濡れ角が50°以上であり、且つ融点が1200℃以上である無機粉末を分散させたロウ材層を形成し、更にその上に金属体を重ねて超音波接合もしくは熱処理を施す工程からなるセラミック体と金属体の接合方法

請求項6

上記無機粉末が炭素粒子であり、その表面にNiメッキを施してロウ材粉末中に分散させたことを特徴とする請求項5記載のセラミック体と金属体の接合方法。

請求項7

発熱体を備えたセラミック体に金属リ−ドを接合してなるセラミックヒ−タにおいて、請求項1〜4記載の接合構造を用いて上記セラミック体と金属リ−ドを接合したことを特徴とするセラミックヒ−タ。

--

0001

本発明は、セラミック体金属体ロウ材を介して接合した接合構造およびこれを用いたセラミックヒ−タに関するものである。

背景技術

0002

セラミックヒ−タにおいてセラミック体の端部に金属リ−ドを接合することが行なわれている。このような場合に、セラミック体と金属体を接合するには、セラミック表面をMo−Mn法でメタライズ(金属化)し、さらにNiメッキを施したのち、銀ロウ材で金属とロウ接する方法や、Ti、Zr、V等の金属化合物層をセラミック−金属界面に形成して層間の密着性を改善した活性金属法などが広く一般的に利用されている。

0003

しかし、先のMo−Mn法はアルミナ等の酸化物系セラミックには広く採用されているが、窒化珪素セラミック等の非酸化物系セラミックへの適用は困難である。また、活性金属法はメタライズとロウ接とを同時に行うために、銀ロウ中に活性金属であるTiを含有させたAg- Cu-Ti系、Ag−Cu- In- Ti系などのロウ材を使用してセラミックと直接反応させて接合するなど改善が見られるが、十分な強度を有し、耐酸化性耐熱性に優れた接合体は得られていないのが現状である。

0004

通常セラミック体と金属体を加熱接合する場合、両者の熱膨張差により冷却過程で接合部の付近残留応力が働き、接合体の接合強度の低下やセラミックス割れ等が発生する。この残留応力を低減するため両者の間にMo、W、Fe−Ni−Co合金等の低熱膨張金属を挿入して接合したり、Ni、銅、アルミニウム等の軟質金属板を挟み込んで接合するようにしている。

0005

これらの軟質金属のなかで銅は耐力が低いため応力がかかる接合体に使用すると銅の部分が変形してしまう。アルミニウムも同様であり、さらに融点が低いために高温で使用する接合体には使用できない。Niは耐力があり、耐酸化性、耐熱性の面で優れた特性を持っているので、セラミック体と金属体の接合用緩衝材として適しているが、熱膨張の小さい高純度窒化物系セラミックと、接合される金属の間に単純にNi板を挿入しても両者(Ni板とセラミック)の熱膨張差により冷却過程での残留応力が大きくなり、セラミックに割れが発生し高い接合強度を有する接合体は得られない。

0006

前述したように活性金属法による方法では、Ag−Cu系のロウ材中に活性金属としてTiを使用したものが多い。ここで、このAg−Cu−Ti系ロウ材と窒化物系セラミック(ここでは窒化珪素セラミック)と金属板の3種類の物質の接合を例にその接合メカニズムと実際の問題点について考えてみる。

0007

図3(a)に示すようにたとえばAg−Cu−Ti系のようなロウ材層3を用いてセラミック体4と金属体1を活性金属法で接合する場合、窒化珪素等のセラミック体4とロウ材層3との界面にはTiN及びTi5 Si3 の反応層が生成され、この層の形成によりロウ材層3と接していたセラミック体4の表面はメタライズ(金属化)されるものと考えられる。

0008

このTiN及びTi5 Si3 の反応層の上にAg−Cu合金のロウ材層3が形成され、さらにこのロウ材層3と金属体1とがロウ付けされることにより3種類の物質の接合体が得られる。

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、上記の接合構造において加熱接合される金属体1とセラミック体4との熱膨張の差が大きいと冷却過程で接合部付近に残留応力が発生する。この場合に、接合される金属体1がNi板であっても、窒化珪素セラミックとNi板の熱膨張の差で生じる残留応力がロウ材層3の中あるいはセラミックス体4の表面に働き、接合体の接合強度の低下やセラミックの割れが問題となる。

0010

また、上記問題を防止するために、一般的に緩衝層として使用される軟質金属(たとえば銅など)は耐熱性や耐食性に問題があり十分に満足できる緩衝材、緩衝層とはならない。

0011

そのために、例えばセラミックヒータリード接続部について、信頼性の高い接合ができないという問題点があった。

0012

本発明は、セラミック体と金属体との接合を高強度でかつ安定したものとするために必要な緩衝層の形成方法およびその緩衝層を有する金属とセラミックの接合を可能にし、接合の信頼性の高いセラミック体と金属体の接合構造を提供する点にある。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、セラミック体と金属体の接合構造において、両者を接合するロウ材中に炭素粒子等のロウ材に対する濡れ角50°以上、融点1200℃以上の無機粉末を分散させることによって無機粉末付近のロウ材が滑り変形しやすいようにすることにより、セラミック体と金属体の熱膨張差を緩和し、接合部付近のセラミック体へのクラック発生を防止できることを見出した。

0014

セラミック体と金属体をロウ付けした構造においては、前述のように、セラミック体と金属体の熱膨張率の差による熱応力破壊の原因となる。本発明のように、セラミック体と金属体を接合するロウ材の部分に、ロウ材に対して濡れ角が50°以上であり融点が1200℃以上である無機粉末、たとえば炭素粒子を介在させると、前記熱応力をロウ材とロウ材中に分散している炭素粒子の界面の滑りないしは変形により熱応力を吸収できるので、セラミック体の接合部に発生するクラックを防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

図1(a)を用いて、本発明のセラミック体と金属体の接合構造を説明する。

0016

まず、セラミック体4上に無機粉末を含まないロウ材層3を形成する。その後、ロウ材との濡れ角が50°以上であり融点が1200℃以上である無機粉末を分散させたロウ材層2を重ね、さらにその上に、金属体1を重ねて、例えば超音波接合を用いて接合して、本発明のセラミック体と金属体の接合体を得ることができる。

0017

また、他の実施形態として、無機粉末を分散させたロウ材層2と金属体1との間に、さらに無機粉末を含まないロウ材層3を介在させることもできる。

0018

そして、この無機粉末を分散させたロウ材層2として、ロウ材との濡れ角が50°以上であり融点が1200℃以上である無機粉末を分散させたものを用いることにより、熱膨張差による応力を緩和することができる。

0019

ロウ材との濡れ角が50°以上の無機粉末とした理由は、もし濡れ角が50°未満であると無機粉末と無機粉末を分散させたロウ材層2が強固に密着するため、無機粉末とロウ材間の剥離に起因する滑りにより、熱膨張差による応力の緩和が期待できなくなるからである。

0020

また、無機粉末の融点を1200℃以上とするのは、1200℃未満では無機粉末同志の焼結もしくは溶融により無機粉末とロウ材2間の構造が複雑になり層間の滑りを期待できなくなるからである。

0021

なお、無機粉末の形状としては、球形より鱗片状もしくは板状である事が好ましい。これは無機粉末とロウ材2は濡れが悪いので、外部から応力がかかると両者の界面が剥離するため、界面でロウ材が滑り変形することにより応力を緩和できるものである。鱗片状もしくは板状であれば、ロウ材層形成時にこれらが配向しやすく、層状に応力緩和層が形成されるので応力を緩和しやすくなるからである。

0022

また無機粉末の平均粒径は、2〜100μmである事が好ましい。2μm未満では、無機粉末同士が凝集しやすく、このため期待通りの応力緩和効果が得られない。また、後述するように無機粉末表面メッキを形成する際、粒径2μm未満では比表面積が大きくなるので、メッキ液消費量が大きくなるので好ましくない。そして、無機粉末の粒径が100μm以上では、熱サイクルによりロウ材中にクラックが発生して好ましくない。

0023

無機粉末の添加量については、10〜40体積%とすることが好ましい。無機粉末の添加量を10体積%未満にすると、添加による応力緩和効果が不十分であり4点曲げによる強度が低下し破壊源がロウ材端面のクラックとなり好ましくない。また、添加量を40体積%以上にすると、ロウ材自体の強度が劣化して、4点曲げによる破壊源がロウ材内部となり、強度が低下する。

0024

このような無機粉末としては、炭素窒化ホウ素マイカ等の粉末、あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム酸化アルミニウム酸化シリコン酸化マグネシウム炭化タングステン等のセラミックス粉末使用可能であるが、特に炭素が好適である。

0025

また、無機粉末を分散させたロウ材層2のマトリックス成分としては、Ag−Cu、Ag−Cu−In、Au−Cu等を主成分としたロウ材を用いることが可能である。

0026

そして、無機粉末として炭素粒子を分散させる場合は、炭素粒子表面にNi等のメッキを施すと、ロウ材と炭素粒子混合粉焼結時の焼結状態を改善できる。以下、Niメッキの形成方法を説明する。まず、炭素粒子を水中に分散させた懸濁液を作製し、前記懸濁液中に適量のPd系の活性剤滴下して炭素粒子表面を活性化処理する。この懸濁液を濾紙を用いて濾過したのち、蒸留水で十分洗浄して余分な活性液を除去し、蒸留水中に再度分散させて前記炭素粒子の懸濁液を再度作製する。その後、液温を適正温度に保持したNiメッキ液中に前記懸濁液を徐々に投入して、表面にNiメッキを施した炭素粒子を得ることができる。

0027

ここで、さらに図2を用いて、本発明によるセラミックヒータの例を説明する。このセラミックヒータは、無機導電材からなる発熱体およびリード部を内蔵したセラミック体4の電極取出用端子部上7にAg−Cu−Tiを主成分とした無機粉末を含まないロウ材層3が形成され、その上に炭素粉末20体積%とAg−Cu合金粉末80体積%からなる、無機粉末を分散させたロウ材層2が形成され、さらにその上にNiリード線6を接合した応力緩和層8が形成されたセラミックヒータである。

0028

この場合も、無機粉末を分散させたロウ材層2を備えたことにより、熱膨張差による応力を緩和することができる。

0029

なお、本発明において、無機粉末とロウ材の濡れ角は、以下のようにして評価する。板状に加工し表面を平面研削した無機粉末焼結体上に、成形圧1ton/cm2 で成形し5mmφ×5mmに加工したロウ材を載せた後、10-3torr以下の真空炉中でロウ材の融点以上の温度で熱処理してロウ材を溶融させ、ロウ材の形状を真横から観察し、無機粉末焼結体とロウ材の接触部分の角度を測定する。

0030

ロウ材と良く濡れる材料をロウ材中に入れても、溶融時に完全に一体化してしまい応力緩和効果が期待できないことから、少なくとも、ロウ材との濡れ角が50°以上の材料を用いるのが好ましい。

0031

無機粉末の粒径および体積分率は、セラミックスと金属の接合部分を直角にダイヤモンドカッターを用いて切断し、切断面の100〜2000倍のSEM電子顕微鏡写真)から測定する。体積分率は、画像解析装置を用いて評価する。それぞれ5回測定し、その平均値をとる。

0032

実施例1
図1(c)を用いて本発明の実施例を説明する。まず、平均粒径2μmの炭素粉末の表面に、厚み0.2μmのNiメッキを施す。その後、前記炭素粉末20体積%と、Au−Cu−Ti合金粉末80体積%とを混合し、適量のバインダーを加えた後1ton/cm2 でプレス成形し、900〜1000℃で予備焼結させたロウ材の焼結体を得る。これが、無機粉末を分散させたロウ材層2となる。

0033

次に、接合面を#320番の砥石研磨した円柱状窒化珪素からなるセラミック体4と、相手材のNiからなる金属体1のそれぞれの接合面に、Ag−Cu−Ti系のロウ材を塗布した後、10-3torr以下の真空炉中で無機粉末を含まないロウ材層3’を形成する。前記円柱状窒化珪素からなるセラミック体4の表面の無機粉末を含まないロウ材層3上に、前記無機粉末を分散させたロウ材の焼結体と金属体1を重ねて、10-3torr以下の真空炉中で熱処理してこれらを接合する。

0034

その結果、窒化珪素セラミック表面にロウ接した前述の無機粉末を分散したロウ材層2は、光沢のない銀色ないしは灰黒色を呈した。このように無機粉末を分散したロウ材層2の両側に無機粉末を含まないロウ材層3’を設けた後、加熱ロウ付けすることにより、緩衝材を間に挟んだ構造のセラミック体と金属体の接合体が得られる。

0035

この方法で接合した円柱状の金属体とセラミック体の接合体に対し、接合面に対して平行に4点曲げ応力印加して、破断強度を測定した。強度としては、5個のデータを平均したものを用いた。本発明の試料は、4点曲げ試験強度で380MPaと高い接合強度が得られた。この時の破断は、セラミックス界面のメタライズ層を一部含む炭素粒子を含有する金属層内部で起きた。

0036

比較のため無機粉末を含まないロウ材層で接合した金属体とセラミック体の接合体を作成し4点曲げ強度を測定した。図3(b)に示したように、セラミック体4上に無機粉末を含まないロウ材層3を形成し、その上に金属体1を重ねて真空中で熱処理してこれらを接合することにより測定用サンプルを準備した。4点曲げ強度測定後のサンプルの破壊面を観察したところ、一部接合界面を含むセラミック内部で破断し、その強度は210MPaと低いものであった。

0037

実施例2
本発明の他の実施例を図1(b)を用いて説明する。図1(b)に示すように円柱状の窒化珪素(Si3 N4 )セラミック体4と円柱状のNiからなる金属体1を接合する場合である。まず、平均粒径5μmの鱗片状炭素粉末の表面に、不図示のNiメッキを施し、さらに、前記炭素粒子を水素ガスを含む還元雰囲気中1000℃で熱処理する。その後、前記炭素粉末20体積%と、Ag−Cu−Ti合金粉末80体積%とを混合し、適量のバインダーを加えた後1ton/cm2 でプレス成形し、700〜800℃で予備焼結させたロウ材層の焼結体を得る。これが無機粉末を分散させたロウ材層2となる。

0038

この時、前述のロウ材層2の焼結体の気孔率は、10%以下にする。気孔率を10%以下にするのは10%を越えるとロウ材層自身の強度が低くなりロウ材層部分から破壊する可能性があるからである。

0039

次に、接合面を#320番の砥石で研磨した円柱状窒化珪素からなるセラミック体4に、Ag−Cuを主成分としたロウ材を塗布した後、10-3torr以下の真空炉中700〜900℃で熱処理し、無機粉末を含まないロウ材層3を形成する。前記無機粉末を含まないロウ材層3の表面に、前記無機粉末を分散させたロウ材層2と金属体1を重ねて超音波接合により両者を接合する。

0040

このサンプルの4点曲げ強度を測定したところ、380MPaと高い接合強度が得られた。

0041

実施例3
図2に示したセラミックヒータの製造方法を説明する。無機導電材からなる発熱体およびリード部を内蔵したセラミック体4の電極取出用の端子部上7にAg−Cu−Tiを主成分とするロウ材を塗布し、10-3torr以下の真空中900〜1000℃で熱処理して無機粉末を含まないロウ材層3を形成する。その後、炭素粉末20体積%と、Ag−Cu合金粉末80体積%とを混合、適量のバインダーを加えた後1ton/cm2 で所定の形状にプレス成形し、850〜950℃で予備焼結させたロウ材の焼結体を得る。これが無機粉末を分散させたロウ材層2となる。前記無機粉末を含まないロウ材層3上に無機粉末を分散させたロウ材層2およびNiリード線6を固定した応力緩和層8を重ねて、超音波接合によりこれらを一体化して完成したセラミックヒータを得た。

0042

実施例4
ここで、図1(b)に示すテストサンプルを、無機粉末の粒径を1〜130μm間、また体積分率を4〜50%間で変量したサンプルを作製して、各条件のサンプルについて、4点曲げ強度を測定しその破壊モードを確認した。その結果を、表1に示した。無機粉末として鱗片状炭素粒子であるグラファイトを用いて、粒径と体積分率を変量して作製したサンプルの評価結果を表1に示した。本発明の範囲内であるサンプル2、3、5、6、7、8、10、11、12は、4点曲げ強度が350MPa以上と高い値を示しているが、サンプル1に示したようにグラファイトの粒径が1μm程度と小さくなると、4点曲げ強度が205MPa程度と低くなる。逆にグラファイトの粒径が100μmより大きくなるとロウ材層内部で破壊し、4点曲げ強度が200MPaと低下してしまう。また、グラファイトの体積分率が10%より低いサンプル4は、磁器内部にクラックが発生し、4点曲げ強度が190MPa程度と低くなる。逆にグラファイトの体積分率が40%より多いサンプル9は、メタライズ層内部で破壊し、4点曲げ強度は190MPaと低くなる。

0043

無機粉末の例としては、実施例に示した炭素粒子以外に、窒化ホウ素粉末、マイカ等の鱗片状粉末や炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化マグネシウム等のセラミックス粉末が使用可能である。無機粉末としては、ロウ材と反応し難い、できれば鱗片状のものを用いる方が好ましい。

0044

発明の効果

0045

本発明によれば、セラミックスと金属の接合に際して、両者の間に挟まれるロウ材中に無機粉末を分散させることにより、無機粉末表面においてロウ材の滑りもしくは変形により、セラミックス、金属、ロウ材間の熱膨張差を緩和することにより、セラミックスに発生するクラックの発生を防止し、信頼性の高い接合を行うことを可能にすることができる。

図面の簡単な説明

0046

図1(a)は本発明のセラミック体と金属体の接合構造の断面構造図、(b)(c)は4点曲げ強度測定サンプルを示す図である。
図2本発明のセラミックヒ−タのリ−ド接合部の拡大図である。
図3(a)は従来のセラミック体と金属体の接合構造の断面図、(b)は4点曲げ強度測定サンプルを示した図である。

--

0047

1:金属体
2:無機粉末を分散させたロウ材層
3:無機粉末を含まないロウ材層
4:セラミック体
6:Niリード線
7:リード取出
8:応力緩衝層

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 京セラ株式会社の「 セラミック接合体」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題・解決手段】本開示のセラミック接合体は、セラミックスからなる第1基体と、セラミックスからなる第2基体と、前記第1基体および前記第2基体の間に位置する接合層と、を備える。また、前記接合層は、アルミ... 詳細

  • 株式会社FUJIの「 はんだ付け装置」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題・解決手段】はんだ付け装置60の制御装置は、複数種類のリード部品を噴流装置62によって順次はんだ付けしていくにあたり、はんだ付けを行おうとするリード部品の種類を認識し、そのリード部品の種類に対応... 詳細

  • 株式会社東芝の「 接合体、回路基板、および半導体装置」が 公開されました。( 2019/05/23)

    【課題・解決手段】接合体は、セラミックス部材と、接合層を介してセラミックス部材と接合された銅部材と、を具備する。接合層のナノインデンテーション硬さHITは、1.0GPa以上2.5GPa以下である。... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ