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課題

中性において安定で、常温乾燥でも無色透明塗膜を形成する中性酸化チタンゾルおよびその製造方法の提供。

解決手段

酸化チタンコロイド50〜100重量部と、チタンイオンに対する錯化剤5〜50重量部とを含む酸性酸化チタンゾルに、例えばアンモニア化合物アルカリ金属化合物アミン化合物オキサジンピペリジン及びコリンから選ばれた1員以上からなるアルカリ性成分1〜50重量部を添加し、得られた混合液のpHを6〜12に調節した後、これに脱イオン処理を施し、それによって酸化チタンコロイド粒子を負に帯電させる。

概要

背景

従来より、有機系塗料に比較して、耐熱性耐摩耗性などにおいて優れているセラミック塗料としては、アルカリ金属けい酸塩系、りん酸塩系、シリカゾル系、金属酸化物系などの塗料が知られている。

これらの塗料は、耐熱性、耐摩耗性に優れているなどの無機系塗料の特徴を有しているが、近年、セラミック皮膜に、さらに新しい機能を具備させようとする試みが、金属酸化物系を中心になされている。

各種セラミックスの中でも酸化チタンは、優れた光触媒効果を示すことが可能であり、これに紫外線照射すると高い酸化力を発揮する。

このため、光触媒活性に優れている酸化チタンを、金属、ガラスセラミックなどの被塗物表面に存在させることにより、汚れ付着防止悪臭成分の分解、水質浄化防錆抗菌藻類繁殖防止、難分解性廃棄物の分解の促進などに有効であることが知られている。

上記の特性を有する酸化チタン皮膜素材表面に形成することを目的とする各種の酸化チタン塗料及びその製造方法が、これまでにいくつか提案されてきた。

酸化チタン皮膜の形成方法としては、チタンアルコキシド加水分解したものを塗布する方法、すなわちゾルゲル法が最も一般的であり、これに類する技術としては、例えば特開平4−83537号公報に示されているように、チタンアルコキシドアミド又はグリコールを添加する方法、及び特開平7−100378号公報に示されているように、チタンアルコキシドにアルコールアミン類を添加する方法などが知られている。

また、上記方法の他に、酸化チタンゾルを製造する方法としては、特開平6−293519号公報に示されているように、水熱処理により結晶化させた酸化チタン微粒子を、pH3以下の酸溶液中に分散させ、この分散液を塗布する方法が知られている。

しかし、上記のゾル−ゲル法及び酸で解膠又は分散させる方法は、コロイド溶液酸性であるため、金属や紙などの表面に塗布すると、これらの素材腐食又は劣化させるという大きな問題点があった。また、樹脂、セラミック又はガラスなど耐酸性の良好な素材に塗布する場合でも、コーター印刷機スプレーガンなど塗装機器に腐食を生じ、また作業員に対する塗布作業環境の悪化が問題となっていた。

これらの問題点を解決するための手段としては、特開平9−71418号公報に開示されているように、過酸化水素水と酸化チタンとを含むゾル液、及びその製造方法が知られている。このゾル液は中性とすることが可能であるという利点を有しているが、しかし酸化剤を含んでいるために、金属の腐食の防止には効果が小さいこと、及びゾル液が黄色に着色しており、加熱乾燥しないと無色の皮膜が得られにくいことなどの問題点があった。

概要

中性において安定で、常温乾燥でも無色透明塗膜を形成する中性酸化チタンゾルおよびその製造方法の提供。

酸化チタンコロイド50〜100重量部と、チタンイオンに対する錯化剤5〜50重量部とを含む酸性酸化チタンゾルに、例えばアンモニア化合物アルカリ金属化合物アミン化合物オキサジンピペリジン及びコリンから選ばれた1員以上からなるアルカリ性成分1〜50重量部を添加し、得られた混合液のpHを6〜12に調節した後、これに脱イオン処理を施し、それによって酸化チタンコロイド粒子を負に帯電させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

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請求項1

酸化チタンコロイド粒子成分50〜100重量部及び錯化剤5〜50重量部を含む酸性酸化チタンゾルに、アルカリ性成分を添加してゾル液のpHを6〜12に調整し、さらにこのゾル液に脱イオン処理を施して、前記酸化チタンコロイド粒子を負に帯電させることを特徴とする酸化チタンゾルの製造方法。

請求項2

前記錯化剤が、カルボキシル基を有する1種以上のキレート性化合物を含む、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。

請求項3

前記錯化剤が縮合リン酸及び縮合リン酸塩から選ばれた1種以上を含む、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。

請求項4

前記アルカリ性成分が、アンモニウム化合物アルカリ金属化合物、及びアミン化合物の中から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。

請求項5

前記アルカリ性成分が、オキサジンピペリジン、及びコリンの中から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。

請求項6

得られた酸化チタンゾルが、負帯電の酸化チタンコロイド粒子成分50〜100重量部と、錯化剤5〜50重量部と、アルカリ性成分1〜50重量部とを含む、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。

請求項7

得られる酸化チタンゾルのpHが5〜10である、請求項1に記載の酸化チタンゾルの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、酸化チタンゾルの製造方法に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、主として半導体光触媒として利用される二酸化チタンコロイドゾルの製造方法に関するものである。本発明方法により得られる酸化チタンゾルは、主として紫外線吸収汚れ防止親水防曇抗菌、などの各種機能性コーティング剤原料として利用することができる。

背景技術

0002

従来より、有機系塗料に比較して、耐熱性耐摩耗性などにおいて優れているセラミック塗料としては、アルカリ金属けい酸塩系、りん酸塩系、シリカゾル系、金属酸化物系などの塗料が知られている。

0003

これらの塗料は、耐熱性、耐摩耗性に優れているなどの無機系塗料の特徴を有しているが、近年、セラミック皮膜に、さらに新しい機能を具備させようとする試みが、金属酸化物系を中心になされている。

0004

各種セラミックスの中でも酸化チタンは、優れた光触媒効果を示すことが可能であり、これに紫外線照射すると高い酸化力を発揮する。

0005

このため、光触媒活性に優れている酸化チタンを、金属、ガラスセラミックなどの被塗物表面に存在させることにより、汚れ付着防止悪臭成分の分解、水質浄化防錆、抗菌、藻類繁殖防止、難分解性廃棄物の分解の促進などに有効であることが知られている。

0006

上記の特性を有する酸化チタン皮膜素材表面に形成することを目的とする各種の酸化チタン塗料及びその製造方法が、これまでにいくつか提案されてきた。

0007

酸化チタン皮膜の形成方法としては、チタンアルコキシド加水分解したものを塗布する方法、すなわちゾルゲル法が最も一般的であり、これに類する技術としては、例えば特開平4−83537号公報に示されているように、チタンアルコキシドアミド又はグリコールを添加する方法、及び特開平7−100378号公報に示されているように、チタンアルコキシドにアルコールアミン類を添加する方法などが知られている。

0008

また、上記方法の他に、酸化チタンゾルを製造する方法としては、特開平6−293519号公報に示されているように、水熱処理により結晶化させた酸化チタン微粒子を、pH3以下の酸溶液中に分散させ、この分散液を塗布する方法が知られている。

0009

しかし、上記のゾル−ゲル法及び酸で解膠又は分散させる方法は、コロイド溶液酸性であるため、金属や紙などの表面に塗布すると、これらの素材腐食又は劣化させるという大きな問題点があった。また、樹脂、セラミック又はガラスなど耐酸性の良好な素材に塗布する場合でも、コーター印刷機スプレーガンなど塗装機器に腐食を生じ、また作業員に対する塗布作業環境の悪化が問題となっていた。

0010

これらの問題点を解決するための手段としては、特開平9−71418号公報に開示されているように、過酸化水素水と酸化チタンとを含むゾル液、及びその製造方法が知られている。このゾル液は中性とすることが可能であるという利点を有しているが、しかし酸化剤を含んでいるために、金属の腐食の防止には効果が小さいこと、及びゾル液が黄色に着色しており、加熱乾燥しないと無色の皮膜が得られにくいことなどの問題点があった。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、これらの従来あった光触媒酸化チタン溶液が抱えていた問題点を解決し、中性でも安定であって、安全にコーティング作業を行うことができ、常温乾燥でも無色透明の皮膜を得ることができる酸化チタンコロイドゾルの製造方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、上記の課題を解決するため、まず塩化チタン及び硫酸チタンなどの無機チタン塩又はチタンアルコキシドを、酸性で水と反応させて加水分解し、二酸化チタンコロイド溶液を調製した。さらに発明者らは、この酸化チタンの酸性コロイドゾルについて分析し、酸化チタン粒子が酸性においては安定な正電荷を帯びているが、これをアルカリ溶液中和してゆくと、pHが3〜5の範囲内ではほぼ電荷を失い、コロイドが著しく不安定となり、強く凝集して再分散し難くなり、さらにアルカリ性を強くすると凝集した粒子は負帯電することを確認した。

0013

そこで発明者らは、酸化チタンコロイド粒子中性領域でも安定な電荷と良好な分散性とを具備させる方法について検討を重ねた。その結果、酸化チタン酸性コロイドゾル液に、アルカリ金属の水酸化物、又はアンモニア水溶液を添加して、ゾル液のpHをアルカリ性領域にしても、コロイドは再分散せず、強く凝集したスラリー状の懸濁液となってしまう現象の原因が、ゾル液中に存在するTi4+イオン状の水酸化チタンとなり、これが二酸化チタン粒子どうしを結合させること、及び中性付近におけるコロイド粒子の負帯電が弱いため、粒子間の反発力が小さいことにあることを見出した。

0014

そして、あらかじめ酸性酸化チタンコロイドゾルに、Ti4+イオンと錯体を形成可能な多価カルボン酸ヒドロキシカルボン酸、及びピロリン酸などの縮合リン酸などから選ばれた錯化剤を添加して酸化チタンコロイド粒子表面を表面改質した後、アンモニア水モルホリン等のアルカリ成分により、ゾル液のpHを上昇させてpH値所望値に調整することにより、中性〜アルカリ性のpH領域において、負電荷により安定に分散した酸化チタンコロイドゾルが得られ、このゾルを被処理物に塗布することにより、無色透明で優れた密着性を有する二酸化チタン皮膜が得られることが見出された。

0015

また、酸化チタンゾルの組成として、負帯電の酸化チタンコロイド粒子成分と、前記錯化剤と、アルカリ性成分とを含む中性ゾルが、良好な安定性と分散性を有し、上記の性能を満足することが見出された。また、上記組成の酸化チタンゾルの製造方法についてさらに検討された結果、酸化チタンコロイド粒子成分と錯化剤成分とを含むゾルに、アルカリ性成分を加えてゾル液を中性〜アルカリ性とし、さらにこの液を透析イオン交換樹脂処理などの脱イオン処理に供することにより、不純物のより少ない酸化チタンゾルが得られることが見出され、それに基いて本発明が完成された。

0016

本発明の酸化チタンゾルの製造方法は、酸化チタンコロイド粒子成分50〜100重量部と、錯化剤成分5〜50重量部とを含む酸性酸化チタンゾルに、アルカリ性成分を添加してゾル液のpHを6〜12に調整し、さらにこのゾル液に脱イオン処理を施して、酸化チタンコロイドゾル粒子を負に帯電させることを特徴とするものである。本発明の酸化チタンコロイドゾルにおいて、錯化剤としては、カルボキシル基を有する少なくとも1種のキレート性化合物を含むものが好ましく、また縮合リン酸または縮合リン酸塩が錯化剤として最も好ましく使用される。また、本発明の酸化チタンゾルに含まれるアルカリ性成分としては、アンモニウム化合物アルカリ金属化合物、及びアミン類から選ばれてもよく、また、モルホリンなどのオキサジン類やピペリジンコリンなどの有機アルカリ化合物から選ばれてもよい。本発明方法により得られる酸化チタンゾルは、負帯電の酸化チタンコロイド粒子成分50〜100重量部と、錯化剤5〜50重量部と、アルカリ性成分1〜50重量部とを含むことが好ましい。本発明方法により得られる酸化チタンゾルのpHは5〜10であることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0017

本発明の酸化チタンゾルの製造方法は、酸化チタンコロイド粒子成分50〜100重量部と、錯化剤成分5〜50重量部とを含む酸性酸化チタンゾルに、アルカリ成分を添加してゾル液のpHを6〜12に調整し、さらにこのゾル液に脱イオン処理を施して、酸化チタンコロイドゾル粒子を負に帯電させることを特徴とするものである。本発明方法により得られる酸化チタンゾルは、酸化チタンコロイド粒子成分5〜100重量部を含有するものであり、かつこの酸化チタンコロイド粒子は中性ゾル溶液中において負に帯電している。中性領域で酸化チタン粒子が正に帯電していると、コロイドの分散が不安定となるため好ましくない。粒子の帯電の正負は、ゼータ電位測定装置等によって容易に知ることができる。

0018

本発明方法に用いられる酸化チタンの種類としてはアナターゼ型二酸化チタンメタチタン酸を含む)及びオルソチタン酸が最も好ましく、次にルチル型など他の二酸化チタンを用いることが好ましい。

0019

酸化チタンコロイド粒子の粒径には特に限定はないが、一般に1nm〜500nmであることが好ましく、3〜120nmであることがより好ましい。

0020

これらの二酸化チタンコロイド粒子は、塩化チタン、オキシ塩化チタン、硫酸チタン及び硫酸チタニルなどの無機チタン化合物を水に溶解し、塩酸硝酸などの触媒を必要に応じて添加し、常温または加熱により加水分解することによって得られる。また別の方法として、チタニウムアルコキシドチタニウムアセチルアセトネートなどの有機チタン化合物の加水分解によっても得ることができる。これらのように酸性溶液中で得られた酸化チタン粒子は正に帯電しているため、ゾル液にアルカリ成分を添加して、そのpHを6以上にする際に、ゾル液中に錯化剤を添加することにより二酸化チタン粒子の帯電を負にすることが必要である。

0021

また、本発明方法においては、酸性酸化チタンゾル中には、錯化剤が5〜50重量部の割合で含まれる必要がある。また本発明方法で使用できる錯化剤のうち、キレート性化合物としては、その分子骨格中に少なくとも1個のカルボキシル基が含まれていることが好ましく、しかもTi4+イオンに対して強いキレート効果を有するものが好ましい。好ましいキレート性化合物の種類としては、多価カルボン酸やヒドロキシカルボン酸などであり、例えばグルコン酸グリコール酸乳酸酒石酸クエン酸リンゴ酸及びコハク酸などである。最も好ましい錯化剤はピロリン酸、トリポリリン酸などの縮合リン酸及びそれらの塩である。

0022

本発明方法において、酸性酸化チタンゾル中には、錯化剤の他に、ゾル液中に残存している塩酸イオン又は硫酸イオンなどの酸性イオンを中和して、二酸化チタンコロイド粒子により安定な負電荷を与えるために、好ましくは1〜50重量部のアルカリ性成分が添加され、それによってゾル液のpHが6〜12の範囲に調整される。

0023

本発明方法に用いられるアルカリ性成分としては、アンモニウム化合物、アルカリ金属化合物、及びアミン類の中から選ばれた少なくとも1種のアルカリ性成分を含むことが好ましく、例えば水酸化アンモニウム(アンモニア水)、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウム珪酸ナトリウム、並びにエチレンジアミン及び、トリエチレンテトラミンなどのポリアミンなどを使用することができる。さらに好ましいアルカリ性成分としては、モルホリンなどのオキサジン、ピペリジン、及びコリンがある。本発明の二酸化チタンコロイドゾルをコーティング剤として使用する場合は、焼成によって塗膜中から揮発しやすいオキサジン、ピペリジンの他、水酸化アンモニウムやトリエタノールアミンなどの低分子量アミンを用いることがより好ましい。

0024

錯化剤とアルカリ性成分とは、例えばピロリン酸アンモニウム乳酸アンモニウム酒石酸水素コリンなどの形で両成分を兼用する化合物を添加することもできる。

0025

ゾル中に含まれるその他の成分としては、使用するチタン原料によって、塩素イオン、硫酸イオン、アルコールなどが含まれるが、残余の成分は実質上水からなるものである。本発明の二酸化チタンコロイドゾルをコーティング剤として使用する場合には、補助溶剤として水の一部をアルコール、グリコール、ケトン等の水溶性溶剤に置き換えることも好ましい。また、この場合、シリカゾルやアルキルトリメトキシシランなどのシラン誘導体などをバインダーとして添加して、塗膜物性を改善させることも可能である。

0026

本発明方法において、酸化チタンコロイド粒子成分の重量に対して錯化剤の重量比が過少であるとコロイドの分散が不十分となり、安定なゾルを得ることができない。また、錯化剤の重量比が過大であると、得られる塗膜の硬度が低下するため好ましくない。同様に、アルカリ性成分の比率が過大であると塗膜硬度が低下し、或はアルミニウム亜鉛等の金属に対し腐食性を示すため好ましくなく、またそれが過小の場合には、ゾル液が酸性になるため好ましくない。

0027

また、本発明の酸化チタンコロイドゾルの製造方法では、酸化チタンコロイド粒子50〜100重量部と、錯化剤5〜50重量部とを含む酸性酸化チタンゾルに、アルカリ性成分を添加して、ゾル液のpHを6〜12に調整し、さらにこのゾル液に脱イオン処理を施して、酸化チタンコロイド粒子を負に帯電させるものである。

0028

本発明方法において使用される酸性酸化チタンゾル成分は、前記塩化チタン、オキシ塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニルなどの無機チタン化合物を水に溶解し、これに塩酸や硝酸などの触媒を必要に応じて添加し、常温または加熱により加水分解することによって得られ或いは、チタニウムアルコキシド、又はチタニウムアセチルアセトネートなどの有機チタン化合物を加水分解することによっても得ることができる。本発明方法に使用される錯化剤としては、好ましくは多価カルボン酸やヒドロキシカルボン酸などのように、分子骨格中に少なくとも1個のカルボキシル基を有するキレート性化合物であり、例えばグルコン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などを包含するが、最も好ましい錯化剤は、ピロリン酸、トリポリリン酸などの縮合リン酸やそれらの塩から選ばれる。

0029

本発明の酸化チタンゾルの製造方法において使用できるアルカリ成分としては、水酸化アンモニウムなどのアンモニウム化合物、アミン類、モルホリン等のオキサジン、ピペリジン、及びコリンなどであり、アルカリ金属の水酸化物はコーティング用に使用する場合には比較的好ましくない。アルカリ性成分の添加量は、ゾル液のpHが6〜12の範囲となる量である。

0030

一方、本発明の製造方法に用いられるアルカリ性成分としては、前記したものを使用できるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属化合物を併用してもよい。

0031

本発明の製造方法において、アルカリ性成分は、ゾル液のpHを6〜12、好ましくは7〜9まで上昇させる量で添加される。アルカリ性成分の添加後のゾル液のpHが6未満では、コロイド粒子の分散が不十分となり、またゾル液のpHが12をこえると、それと接触する金属材料に対する腐食性が強くなるため好ましくない。

0032

本発明の製造方法では、アルカリ性成分を添加した後、さらにこのゾル液に脱イオン処理を施してゾル液中の余剰のイオンを除去する。

0033

上記脱イオン処理の方法としては、半透膜による拡散透析イオン交換膜による電気透析、またはイオン交換樹脂との接触処理を用いることが好ましく、この脱イオン処理を施すことにより、酸化チタンゾル中のアルカリイオン及び酸性アニオンなどの夾雑イオンが除去され、酸化チタン純度を高め、より実用的で塗膜性能の高いゾルを得ることができる。脱イオン処理した酸化チタンゾルのpHは5〜9となり、6〜8.5とするのがより好ましい。

0034

被処理物に本発明の酸化チタンゾルを塗布する場合、二酸化チタンの付着量として200〜2000mg/m2 となるように調整することが最も好ましい。乾燥は、加熱乾燥のみでなく室温で乾燥することも可能であるが、錯化剤としてカルボン酸等の有機化合物を使用し、かつ100℃以下の温度で乾燥する場合は、塗布層の乾燥中または乾燥後に、この塗布層に波長400nm未満の紫外線を照射し錯化剤を分解させることが最も好ましい。

0035

本発明の負帯電酸化チタンゾルは、従来の酸性酸化チタンゾル中に未反応成分として残存していた4価チタンイオンを、カルボキシル基を有するキレート性化合物、及び/又は縮合リン酸又はその塩を含む錯化剤成分によって、マスキングし、それによって中性領域におけるゲル析出を防止し、かつ酸化チタンコロイド粒子に吸着した錯化剤の負帯電が、正帯電酸化チタンコロイド粒子を負帯電させる作用を示し、従って、安定な中性酸化チタンゾルが得られる。有機キレート剤成分は塗膜形成後には二酸化チタンの光触媒効果により水と炭酸ガスに分解されるため害作用を及ぼすことはない。

0036

また、カルボキシル基の酸性、及び二酸化チタン製造原料に由来するCl- ,SO42- などの夾雑酸性アニオンは、アンモニウム、アミン類、アルカリ金属、オキサジン、ピペリジンなどのアルカリ性成分によって中和され、完全に中性のゾルとすることができる。

0037

本発明の負帯電酸化チタンコロイドゾルは、錯化剤を含む酸性酸化チタンゾルに前記のアルカリ性成分を添加することによって製造可能であるが、これにさらに、例えば半透膜による透析などの方法によって脱イオン処理を施すことにより、さらに良質の酸化チタンゾルを得ることができる。

0038

本発明を、下記実施例によりさらに説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制約されるものではない。

0039

実施例1〜8及び比較例1〜4
下記実施例及び比較例には、下記の材料を使用した。
(酸化チタンコロイド)下記の2種類(A,B)のうち何れかを使用した。
A)比較例1、比較例2、及び実施例1〜3及び実施例6〜8において、酸化チタンコロイドとして、下記の方法により調製したものを使用した。住友シチックス(株)製塩化チタン水溶液(Ti:15〜16%)を水で希釈し、イオン交換膜により脱イオン処理してオキシ塩化チタン水溶液を調製し、これを70〜85℃で加熱加水分解し、pH1〜2の二酸化チタンゾルを得た。透過型電子顕微鏡により測定された二酸化チタンの結晶粒子径は、0.002〜0.01μmであった。酸化チタンコロイド粒子の濃度は、その乾燥重量で5.0%であった。
B)また、比較例3、比較例4及び実施例4及び5、日本アエロジル(株)製の二酸化チタン粉体粒子(粒子径:0.02μm、アナターゼ+ルチル型)を水中に分散し、塩酸を添加してpH1.5に調製して得られた二酸化チタンゾルを使用した。

0040

(錯化剤)錯化剤としては、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、ピロリン酸、及びトリポリリン酸の中から表1,2に示すように選択して使用した。これらの薬品は、和光純薬(株)製試薬級品を使用した。

0041

(アルカリ性成分)アンモニア水(水酸化アンモニウム)(比較例1)、水酸化ナトリウム(比較例2)、水酸化カリウム(比較例3)、水酸化リチウム(比較例4、実施例4)、トリエチレンテトラミン(実施例1)、モルホリン(テトラヒドロ−1,4−オキサジン)(実施例2,3)、ピペリジン(実施例5,6,7)、及びコリン(実施例8)の中から表1に示すように選択して使用した。これらの薬品は、試薬1級品または相当品を使用した。

0042

表1に、比較例及び実施例で使用した酸化チタンゾルの組成を示した。調製したゾルは、ゼータ電位測定装置によって酸化チタン粒子の荷電の正負を測定した。また、アルミニウム、酸性紙亜鉛めっき鋼板またはステンレス板基材表面に、バーコーターで10ml/m2 の塗布量で塗布し、80℃で乾燥し、得られた塗膜の外観品質及び光触媒活性(脂肪酸分解速度:単位;mg/m2 ・day)を測定した。

0043

基材は、比較例1、実施例1、実施例3、及び実施例7ではアルミニウム合金を使用し、比較例2、及び実施例2では酸性紙を使用し、比較例3、及び実施例5では亜鉛めっき鋼板を使用し、比較例4、及び実施例4では鋼板を使用し、実施例6はステンレス鋼板(SUS304)を使用した。また、実施例8ではポリエステルフィルムシリコーン樹脂プライマーを塗布したものを基材として使用した。

0044

原料酸化チタンゾルとしては、前記A)またはB)の酸性ゾルを使用し、比較例1については錯化剤を添加せずにアルカリ成分を添加してpH7から8に調整した。また、比較例2、比較例4においては、酸性ゾルに錯化剤を添加し、次にアルカリ成分を加えて、表1に示したpH値にそれぞれ調整した。

0045

また、比較例3、実施例1〜8では、同様にA)またはB)の酸性ゾルを使用し、これに錯化剤を添加し、さらにアルカリ性成分を6〜12のpHとなるまで添加して酸化チタン粒子を分散させた。次に、実施例1、実施例2、実施例4、及び実施例6〜7においては半透膜(セロハン膜)により脱イオン水中で24時間拡散透析した。また、実施例3、実施例5、及び実施例8においては、拡散透析のかわりにアニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂のはいったカラムを通過させて脱イオン処理を施した。

0046

塗膜性能の評価は、下記の試験法及び評価基準により行った。
塗布外観)錆の発生の有無または変色の有無について目視で評価した。
(密着性)塗膜の密着性についてJIS−K5400碁盤テープ塗膜付着性試験に準じ塗膜の密着性を判定した。
皮膜硬さ)JIS−K5400鉛筆引っ掻き試験用鉛筆により塗膜を引っ掻き、硬さを鉛筆硬度で測定した。(紙以外の基材について評価)
(光触媒活性)試験片上に塗布、乾燥した試験片についてステアリン酸エタノールに希釈して塗布し、20Wブラックライトで紫外線を24時間照射し、照射前後の重量差から24時間あたり脂肪酸分解速度を求めた。

0047

0048

表1から明らかなように、従来の酸化チタンの製造方法による比較例1〜4の酸化チタンゾルでは、腐食や劣化し易い素材に対して満足できる結果を得ることができなかった。本発明に係る実施例1〜8の酸化チタンゾル及び酸化チタンゾルの製造方法によれば、いずれも良好な性能が得られた。

発明の効果

0049

上記に詳しく説明したように、本発明の酸化チタンゾルの製造方法によれば、従来ではその使用が困難であった腐食しやすい金属素材や劣化しやすい有機素材に対しても、コーティング剤としての使用が可能で、安定で良好な分散性を有する中性の光触媒酸化チタンゾルが得られ、この酸化チタンを、汚れ分解、紫外線吸収、殺菌、ガス分解水質浄化などの各種目的に応用する場合、より広い範囲の素材に適用できるようになり、作業環境や安全面での問題も解決されることから、その実用価値は大きい。

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