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技術 澱粉糊の製造法

出願人 ヤヨイ化学工業株式会社
発明者 佐野源蔵
出願日 1998年10月9日 (22年2ヶ月経過) 出願番号 1998-287583
公開日 2000年4月18日 (20年8ヶ月経過) 公開番号 2000-109775
状態 特許登録済
技術分野 接着剤、接着方法
主要キーワード 中和作業 紫外線変色 洗濯糊 壁紙施工 プロピレンカーボネート中 紙工用接着剤 澱粉糊 天然澱粉
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この項目の情報は公開日時点(2000年4月18日)のものです。
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課題

アルカリ糊化による製造で得られる澱粉糊であり、特別な設備を必要とせず、製造時間に多くを必要とせず、凍結定性貯蔵安定性が良好であり、特に中和剤硝酸以外の酸を使用した場合にも接着性能が良い澱粉糊を得る。

解決手段

澱粉を水に懸濁し、アルカリを加えて糊化した後、プロピレンカーボネートの存在下で中和剤で中和して製造する。

概要

背景

従来、澱粉糊は次の2つの製造方法が取られている。第一の方法は、古くから行われて来た加熱による糊化方法である。澱粉を水に懸濁し、撹拌しながら熱を加えるもので煮とも言われている。

第2の方法は、近年製造されるようになったアルカリ糊化の方法である。熱を加える代わりにアルカリを加えることで糊化するため、冷糊法と言われている。

原料としての澱粉は何れの方法でも、米澱粉小麦澱粉コーンスターチポテトスターチタピオカスターチ、甘藷澱粉などの天然澱粉とそれらを化学的物理的に処理した加工澱粉が単独であるいは混合して使用される。

前記2つの製造方法を比較検討すると、加熱による製造方法については、比較的、小資本で製造でき、製造コストが安価であり、特殊な薬剤及び技術を要しない。また、特殊な製造設備がいらない等の長所を有しているが、一定の品質製品を製造しようとすると高度の熟練が必要となり、1バッチあたりの製造量が少なく、多くすると昇温及び冷却に時間がかかる問題があり、現在では、工業的に有利なアルカリ糊化による澱粉糊が主流となっている。

ここで一般的なアルカリ糊化による澱粉糊の製造方法を述べると、先ず、澱粉を水に懸濁し、次に10〜50%のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、糊化し、糊化後中和剤として無機酸を加え、pH5〜8に調整し、次に防腐剤、防微剤その他公知の添加剤を加えて製造する。

アルカリとしては、一般的にはカセイソーダが使用される。中和に使用する無機酸としては、塩酸硝酸硫酸などが使用されているが、安定性の点から硝酸が一般的に使用される。このため製品中には、硝酸ソーダが1〜数%合まれているのが一般的である。

アルカリ糊化(冷糊法)により、製造された澱粉糊は、酸に硝酸を使用した場合、接着剤ハミ出た皮膜の表面が経年し、紫外線により劣化着色する欠点を有している。特に近年壁紙施工用として澱粉糊が使用されているが、この欠点から施工後1〜2年して問題が発生している。

これに対して加熱糊は薬品を使用しないため、施工後のハミ出し部分が劣化して着色するということはないが、旋工中及び施工後の接着性能が低いためと一定の品質のものを大規模に製造できないため、使用されることが少ない。

また、硝酸に換えて、塩酸、硫酸等を中和剤として使用した場合には前記の施工後、ハミ出した部分が劣化着色することはないが、糊の安定性が著しく悪くなり、実際の製品にはほとんどなり難い。

概要

アルカリ糊化による製造で得られる澱粉糊であり、特別な設備を必要とせず、製造時間に多くを必要とせず、凍結安定性、貯蔵安定性が良好であり、特に中和剤に硝酸以外の酸を使用した場合にも接着性能が良い澱粉糊を得る。

澱粉を水に懸濁し、アルカリを加えて糊化した後、プロピレンカーボネートの存在下で中和剤で中和して製造する。

目的

本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、次に示す性能を有する澱粉糊を提供することにある。即ち、アルカリ糊化による製造で得られる澱粉糊であり、特別な設備を必要とせず、製造時間に多くを必要とせず、凍結安定性、貯蔵安定性が良好であり、特に中和剤に硝酸以外の酸を使用した場合にも接着性能が良い澱粉糊を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

澱粉を水に懸濁し、アルカリを加えて糊化した後、中和剤中和する澱粉糊製造法において、プロピレンカーボネートの存在下で中和剤で中和することを特徴とする澱粉糊の製造法。

請求項2

請求項1に記載された澱粉糊の製造法において、前記プロピレンカーボネートの配合量が、添加澱粉重量に対して0.05重量%を越え、37.5重量%未満とすることを特徴とする澱粉糊の製造法。

請求項3

請求項1又は2に記載された澱粉糊の製造法において、前記中和剤として、塩酸硫酸酢酸クエン酸、又は水溶液酸性を呈する化合物を単独或いは混合して使用することを特徴とする澱粉糊の製造法。

技術分野

0001

本発明は例えば洗濯糊、事務用紙袋紙箱などの紙工用接着剤壁紙施工用糊等に使用される澱粉糊に関するものである。

背景技術

0002

従来、澱粉糊は次の2つの製造方法が取られている。第一の方法は、古くから行われて来た加熱による糊化方法である。澱粉を水に懸濁し、撹拌しながら熱を加えるもので煮糊とも言われている。

0003

第2の方法は、近年製造されるようになったアルカリ糊化の方法である。熱を加える代わりにアルカリを加えることで糊化するため、冷糊法と言われている。

0004

原料としての澱粉は何れの方法でも、米澱粉小麦澱粉コーンスターチポテトスターチタピオカスターチ、甘藷澱粉などの天然澱粉とそれらを化学的物理的に処理した加工澱粉が単独であるいは混合して使用される。

0005

前記2つの製造方法を比較検討すると、加熱による製造方法については、比較的、小資本で製造でき、製造コストが安価であり、特殊な薬剤及び技術を要しない。また、特殊な製造設備がいらない等の長所を有しているが、一定の品質製品を製造しようとすると高度の熟練が必要となり、1バッチあたりの製造量が少なく、多くすると昇温及び冷却に時間がかかる問題があり、現在では、工業的に有利なアルカリ糊化による澱粉糊が主流となっている。

0006

ここで一般的なアルカリ糊化による澱粉糊の製造方法を述べると、先ず、澱粉を水に懸濁し、次に10〜50%のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、糊化し、糊化後中和剤として無機酸を加え、pH5〜8に調整し、次に防腐剤、防微剤その他公知の添加剤を加えて製造する。

0007

アルカリとしては、一般的にはカセイソーダが使用される。中和に使用する無機酸としては、塩酸硝酸硫酸などが使用されているが、安定性の点から硝酸が一般的に使用される。このため製品中には、硝酸ソーダが1〜数%合まれているのが一般的である。

0008

アルカリ糊化(冷糊法)により、製造された澱粉糊は、酸に硝酸を使用した場合、接着剤ハミ出た皮膜の表面が経年し、紫外線により劣化着色する欠点を有している。特に近年壁紙施工用として澱粉糊が使用されているが、この欠点から施工後1〜2年して問題が発生している。

0009

これに対して加熱糊は薬品を使用しないため、施工後のハミ出し部分が劣化して着色するということはないが、旋工中及び施工後の接着性能が低いためと一定の品質のものを大規模に製造できないため、使用されることが少ない。

0010

また、硝酸に換えて、塩酸、硫酸等を中和剤として使用した場合には前記の施工後、ハミ出した部分が劣化着色することはないが、糊の安定性が著しく悪くなり、実際の製品にはほとんどなり難い。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、次に示す性能を有する澱粉糊を提供することにある。即ち、アルカリ糊化による製造で得られる澱粉糊であり、特別な設備を必要とせず、製造時間に多くを必要とせず、凍結安定性、貯蔵安定性が良好であり、特に中和剤に硝酸以外の酸を使用した場合にも接着性能が良い澱粉糊を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本請求項1に記載された発明に係る澱粉糊の製造法は、澱粉を水に懸濁し、アルカリを加えて糊化した後、中和剤で中和する澱粉糊の製造法において、プロピレンカーボネートの存在下で中和剤で中和する製造法である。

0013

本請求項2に記載された発明に係る澱粉糊の製造法は、請求項1に記載された澱粉糊の製造法において、前記プロピレンカーボネートの配合量が、添加澱粉重量に対して0.05重量%を越え、37.5重量%未満とする製造法である。

0014

本請求項3に記載された発明に係る澱粉糊の製造法は、請求項1又は2に記載された澱粉糊の製造法において、前記中和剤として、塩酸、硫酸、酢酸クエン酸、又は水溶液酸性を呈する化合物を単独或いは混合して使用する製造法である。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明で用いるプロピレンカーボネート(propylen carbonate;4-Methyl-1,3-dioxolan-2-ones)は、工業的にはプロピレンオキサイド二酸化炭素とを反応させて作成される化合物であり、次の化1に示す構造であり、溶剤土壌硬化不純ガス吸収剤等として使用されている化合物である。

0016

0017

本発明における澱粉糊は、澱粉を水に懸濁し、撹拌しながらアルカリを加え、糊化した後、中和剤で中和する際にプロピレンカーボネートの存在下で行うことにより、目的が達成される。

0018

中和剤で中和する際に存在するプロピレンカーボネートは、未だ明確ではないが、糊化した澱粉粒子水和を増大させていると思われる。このようにして得られる澱粉糊は、中和剤として塩酸、硫酸のような安定性の劣る酸を使用しても、硝酸を使用した澱粉糊よりも、更に安定性が優れた澱粉糊となることは全く新規なことである。

0019

中和作業の際に存在しているプロピレンカーボネートの配合量は、添加澱粉重量に対して0.05重量%を越え、37.5重量%未満が好ましい。これは0.05重量%以下では、貯蔵安定性、凍結安定性に問題があり、37.5重量%以上では、プロピレンカーボネートの過剰の添加により、中和作業中にプロピレンカーボネート中炭酸発泡して泡を混入する問題が発生するからである。更に、0.1重量%以上、10重量%以下が安定性、コストの面から更に好ましい。

0020

本発明で得られた澱粉糊は次のような特徴がある。
(1)凍結安定性及び貯蔵安定性に優れている。
(2)中和剤による中和の前にプロピレンカーボネートを添加すればよいため、特別な設備を必要とせず、また、製造時間に多くを必要としない。
(3)窒素原子を合まない酸を選ぶことで、接着剤の被膜が紫外線により劣化着色しない。
(4)塩酸、硫酸のような安定性の劣る酸を使用しても、硝酸を使用した澱粉糊よりも、更に安定性が優れる。
以上のように、本発明の澱粉糊は、従来工業的に製造されていた澱粉糊の問題を一挙に解決した全く新しい澱粉糊といえる。

0021

尚、本発明で使用する澱粉は、米澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、甘藷澱粉などの澱粉であれば何を用いても良い。更に、各種天然澱粉を化学的に処理した加工澱粉、例えばエーテル化澱粉エステル化澱粉酸処理澱粉酸化澱粉加水分解された澱粉等も、ここでいう澱粉の定義に包合される。

0022

アルカリとしては、実用的には、カセイソーダの10〜50%濃度のものが用いられる。もちろんこの濃度は、一般的なものであって、この範囲を越えたとしても何等問題はなく単に工業的な取扱い上の点から入っているにすぎない。アルカリの添加量は、固形分として1〜5%であり、これも一般的な範囲であり、澱粉の濃度、種類によっては、この範囲を越えたとしても本発明に対して影響は無い。

0023

実施例1
コーンスターチ(三和澱粉工業株式会社製)200gに水750g入れ、充分撹拌し、懸濁させる。これにカセイソーダ50%水溶液を20gを撹拌しながら室温で添加し糊化させた。添加終了後、次にプロピレンカーボネートを1g,5g,10g,50g,75g,100gそれぞれ添加混合し引続き撹拌して充分に混合、次に硫酸を添加して、中和し、pH6〜7に調整した。中和終了後、ホルマリン及び防黴剤を添加した。

0024

比較例
プロピレンカーボネートを添加せず、中和を硝酸で行った。

0025

以上、得られた実施例によるによる澱粉糊及び比較による澱粉糊の接着性能、貯蔵安定性、凍結安定性、紫外線変色発泡性を比較検討した。結果を次の表1に示す。

0026

0027

表1に示す通り、プロピレンカーボネートの添加量については、1.0g(澱粉量に対して0.05重量%)では、貯蔵安定性、凍結安定性に問題があり、75g(澱粉量に対して37.5重量%)以上では、中和作業中にプロピレンカーボネート中の炭酸が発泡して泡を混入する問題が発生する。添加量5.0g〜50gについては、硫酸で中和しても炭酸プロビルを添加した澱粉糊は、凍結安定性及び貯蔵安定性に優れることが判った。

0028

以上説明したとおり、本発明は、中和剤として安定性が硝酸より劣る硫酸を使用してもプロピレンカーボネートを添加澱粉重量に対して0.05重量%を越え、37.5重量%未満添加使用することで、糊化した澱粉粒子の水和を増大させ、このため、澱粉糊の安定性が向上し、凍結安定性及び貯蔵安定性に優れ、接着剤の被膜が紫外線により劣化着色せず、接着性能に優れた澱粉糊を得ることができる。

0029

特に窒素を含まない酸を選ぶことで、接着剤の被膜が紫外線により劣化着色せず、接着性能に優れた等の特徴を有し、しかも工業的に大規模に一定の品質を容易に供給でき、製造工程が簡便・容易であり、製造コストも大幅なアップにはならない澱粉糊を得ることが出来る。

発明の効果

0030

本発明は以上説明したとおり、硝酸以外の不安定な酸を用いても、澱粉糊の安定性が向上し、凍結安定性及び貯蔵安定性、接着性能に優れた澱粉糊を得ることができ、更に硝酸を用いないことにより接着剤の被膜が紫外線により劣化着色しない澱粉糊を得ることができるという効果がある。

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