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技術 光ピックアップ

出願人 シャープ株式会社
発明者 片山寛
出願日 1998年9月11日 (21年9ヶ月経過) 出願番号 1998-258119
公開日 2000年3月31日 (20年3ヶ月経過) 公開番号 2000-090480
状態 拒絶査定
技術分野 その他の記録再生2(光磁気記録等) 光学的記録再生4(ヘッド自体) 光ヘッド
主要キーワード 逆相波形 右回り回転 両部品間 微細格子 方向変動 設置方位 次光透過率 方位設定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年3月31日)のものです。
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図面 (20)

課題

光磁気記録媒体再生する際に生じるレーザ光偏光状態の変動を低減し、記録された情報を正確に再生し得る光ピックアップを提供する。

解決手段

磁化の向きの違いによって情報ビットを記録する光磁気記録媒体6に対して、半導体レーザ1のレーザ光源から光ビーム照射すると共にその照射部分に磁気ヘッド7にて磁界印加して光磁気的に情報を記録する。そこからの反射光を第1光検出器10a及び第2光検出器10bにて検出して光学的に情報を再生する。半導体レーザ1のレーザ光源と光磁気記録媒体6からの反射光を第1光検出器10a及び第2光検出器10bに導くPBS3との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子14が設けられる。偏光素子14は、レーザ光源から出射されるレーザ光のTM偏光を選択的に減光する。

概要

背景

光磁気記録媒体として、オーディオ用・データ用のミニディスク(MD)や、コンピュータデータ保存に用いられる光磁気ディスク(MO)等が普及している。このような光磁気記録媒体に情報を記録・再生する光ピックアップは、図17に示されるような構成になっている。

上記光ピックアップでは、半導体レーザ101から放射される発散光は、コリメートレンズ102にて平行光束とされ、偏光ビームスプリッタ(以下「PBS」という)103に入射する。PBS103の透過光対物レンズ105にて光磁気記録媒体106の磁性層光スポットを形成する。一方、少なくとも上記光スポットの領域に磁気ヘッド107により外部磁界印加される。なお、PBS103での反射光レーザ出力モニタ用光検出器104にて光電流として検出され、APC(Auto Power Control)回路111によって半導体レーザ101の光出力制御に用いられる。APC回路111は、レーザ出力モニター用光検出器104からの光電流が所望の大きさになるように半導体レーザ101の駆動電流を制御することにより光出力コントロールする。

光磁気記録媒体106からの反射光は、再び対物レンズ105を介してPBS103に戻る。ここでの反射光はウォラストンプリズム108によって45度検波されて2つの光束に分離され、集光レンズ109によって第1光検出器110a及び第2光検出器110b上に照射される。再生信号は第1光検出器110a及び第2光検出器110bからの出力信号差動検出して得られる。

次に、光磁気信号がどのようにして得られるかを図18に基づいて説明する。上記光磁気記録媒体106では、磁化の方向の違いにより情報ビットを記録する。このため、光磁気記録媒体106に直線偏光の光を与えると、直線偏光の偏光方向が、下向き磁化又は上向き磁化等の磁化の方向の違いで右回り回転又は左回り回転のいずれかに変わる。

例えば、光磁気記録媒体106に入射する直線偏光の偏光方向を、図18に示す座標軸P方向とすると、光磁気記録媒体106の下向き磁化に対する反射光は、+θk回転したRプラス(以下、単に「R+」と表記する)方向となり、光磁気記録媒体106の上向き磁化に対する反射光は−θk回転したRマイナス(以下、単に「R−」と表記する)方向となる。

このとき、同図に示すような方向αに検光子を置いた場合、検光子を透過する光は、R+方向の反射光に対してcos〔∠(R+)Oα〕で示される出力Aとなり、R−方向の反射光に対してcos〔∠(R−)Oα〕で示される出力Bとなる。これを光検出器で検出すると、光強度の差として情報を得ることができる。

図17に示す従来の光ピックアップではウォラストンプリズム108が検光子の役目をしており、分離した一方の光束に対して、図18に示す検光子の方向αとしてP軸から+45度の方位となり、他方の光束に対して、検光子の方向βとしてP軸から−45度の方位となる。すなわち、第1光検出器110a及び第2光検出器110bにて得られる信号成分は互いに逆相となるので、個々の信号を差動検出することで、いわゆる同相ノイズが軽減された再生信号を得ることができる。

上記の差動検出により同相ノイズが軽減されることを、図19に基づいて説明する。前記光磁気記録媒体106の磁化の方向に伴って、第1光検出器110a及び第2光検出器110bの出力信号は、同図に示す区間ア・イ・ウのように、互いに逆相となる。

ここで、同図に示す区間エは、上記光磁気記録媒体106上に付着しているゴミによって光磁気記録媒体106からの反射光量が減少し、信号波形乱れている様子を示している。

このような反射光量の減少は、図18に示すR+方向の反射光の矢印の長さ及びR−方向の反射光の矢印の長さが短くなることに相当するので、図19に示す区間エのように、それぞれの第1光検出器110a及び第2光検出器110bからの出力信号はいずれも減少するいわゆる同相ノイズとなる。しかし、この信号を差動検出すると、同図の差動後の出力に示すように、同相ノイズはキャンセルされ、良好な再生信号となる。

上述のように、差動検出は同相ノイズを軽減する方法として有効であり、この種の光ピックアップに広く用いられている。

概要

光磁気記録媒体を再生する際に生じるレーザ光偏光状態の変動を低減し、記録された情報を正確に再生し得る光ピックアップを提供する。

磁化の向きの違いによって情報ビットを記録する光磁気記録媒体6に対して、半導体レーザ1のレーザ光源から光ビームを照射すると共にその照射部分に磁気ヘッド7にて磁界を印加して光磁気的に情報を記録する。そこからの反射光を第1光検出器10a及び第2光検出器10bにて検出して光学的に情報を再生する。半導体レーザ1のレーザ光源と光磁気記録媒体6からの反射光を第1光検出器10a及び第2光検出器10bに導くPBS3との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子14が設けられる。偏光素子14は、レーザ光源から出射されるレーザ光のTM偏光を選択的に減光する。

目的

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、光磁気記録媒体を再生する際に生じるレーザ光の偏光状態の変動を低減し、記録された情報を正確に再生することにより、再生品質の向上を図り得る光ピックアップを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

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請求項1

磁化の向きの違いによって情報ビットを記録する光磁気記録媒体に対して、半導体レーザ素子レーザ光源から光ビーム照射すると共にその照射部分に磁界印加して光磁気的に情報を記録する一方、そこからの反射光光検出器にて検出して光学的に情報を再生するか、又は再生のみ行う光ピックアップにおいて、半導体レーザ素子のレーザ光源と光磁気記録媒体からの反射光を光検出器に導く光分岐素子との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子が設けられると共に、上記偏光素子は、レーザ光源から出射されるレーザ光TM偏光を選択的に減光することを特徴とする光ピックアップ。

請求項2

上記光分岐素子は、偏光方位によって光学特性が異なる偏光ビームスプリッタからなる一方、上記偏光ビームスプリッタは、レーザ光の非平行な光束中に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

請求項3

上記偏光素子は、上記光分岐素子に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

請求項4

上記偏光素子は、その法線がレーザ光のTE偏光面に略平行となるよう設定された平板からなることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

請求項5

上記偏光素子は、その法線がレーザ光のTM偏光面に略平行となるよう設定された平面を有する光学部材からなる一方、上記偏光素子は、レーザ光源から出射される光束をその平面にて反射させて上記光分岐素子へ導くように配設されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

請求項6

上記偏光素子は、半導体レーザ素子と一体的に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

請求項7

上記偏光素子は、偏光性回折格子からなることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

請求項8

上記偏光素子は、透過光を利用する透過型素子からなると共に、記録時には光路から退避するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

技術分野

0001

本発明は、光磁気記録媒体に対して、レーザ光源から光ビーム照射して情報の記録・再生を行う光ピックアップに関するものであり、詳細には、光磁気記録媒体を再生する際に生じるレーザ光偏光状態の変動を低減して再生品質を向上するためのものである。

背景技術

0002

光磁気記録媒体として、オーディオ用・データ用のミニディスク(MD)や、コンピュータデータ保存に用いられる光磁気ディスク(MO)等が普及している。このような光磁気記録媒体に情報を記録・再生する光ピックアップは、図17に示されるような構成になっている。

0003

上記光ピックアップでは、半導体レーザ101から放射される発散光は、コリメートレンズ102にて平行光束とされ、偏光ビームスプリッタ(以下「PBS」という)103に入射する。PBS103の透過光対物レンズ105にて光磁気記録媒体106の磁性層光スポットを形成する。一方、少なくとも上記光スポットの領域に磁気ヘッド107により外部磁界印加される。なお、PBS103での反射光レーザ出力モニタ用光検出器104にて光電流として検出され、APC(Auto Power Control)回路111によって半導体レーザ101の光出力制御に用いられる。APC回路111は、レーザ出力モニター用光検出器104からの光電流が所望の大きさになるように半導体レーザ101の駆動電流を制御することにより光出力コントロールする。

0004

光磁気記録媒体106からの反射光は、再び対物レンズ105を介してPBS103に戻る。ここでの反射光はウォラストンプリズム108によって45度検波されて2つの光束に分離され、集光レンズ109によって第1光検出器110a及び第2光検出器110b上に照射される。再生信号は第1光検出器110a及び第2光検出器110bからの出力信号差動検出して得られる。

0005

次に、光磁気信号がどのようにして得られるかを図18に基づいて説明する。上記光磁気記録媒体106では、磁化の方向の違いにより情報ビットを記録する。このため、光磁気記録媒体106に直線偏光の光を与えると、直線偏光の偏光方向が、下向き磁化又は上向き磁化等の磁化の方向の違いで右回り回転又は左回り回転のいずれかに変わる。

0006

例えば、光磁気記録媒体106に入射する直線偏光の偏光方向を、図18に示す座標軸P方向とすると、光磁気記録媒体106の下向き磁化に対する反射光は、+θk回転したRプラス(以下、単に「R+」と表記する)方向となり、光磁気記録媒体106の上向き磁化に対する反射光は−θk回転したRマイナス(以下、単に「R−」と表記する)方向となる。

0007

このとき、同図に示すような方向αに検光子を置いた場合、検光子を透過する光は、R+方向の反射光に対してcos〔∠(R+)Oα〕で示される出力Aとなり、R−方向の反射光に対してcos〔∠(R−)Oα〕で示される出力Bとなる。これを光検出器で検出すると、光強度の差として情報を得ることができる。

0008

図17に示す従来の光ピックアップではウォラストンプリズム108が検光子の役目をしており、分離した一方の光束に対して、図18に示す検光子の方向αとしてP軸から+45度の方位となり、他方の光束に対して、検光子の方向βとしてP軸から−45度の方位となる。すなわち、第1光検出器110a及び第2光検出器110bにて得られる信号成分は互いに逆相となるので、個々の信号を差動検出することで、いわゆる同相ノイズが軽減された再生信号を得ることができる。

0009

上記の差動検出により同相ノイズが軽減されることを、図19に基づいて説明する。前記光磁気記録媒体106の磁化の方向に伴って、第1光検出器110a及び第2光検出器110bの出力信号は、同図に示す区間ア・イ・ウのように、互いに逆相となる。

0010

ここで、同図に示す区間エは、上記光磁気記録媒体106上に付着しているゴミによって光磁気記録媒体106からの反射光量が減少し、信号波形乱れている様子を示している。

0011

このような反射光量の減少は、図18に示すR+方向の反射光の矢印の長さ及びR−方向の反射光の矢印の長さが短くなることに相当するので、図19に示す区間エのように、それぞれの第1光検出器110a及び第2光検出器110bからの出力信号はいずれも減少するいわゆる同相ノイズとなる。しかし、この信号を差動検出すると、同図の差動後の出力に示すように、同相ノイズはキャンセルされ、良好な再生信号となる。

0012

上述のように、差動検出は同相ノイズを軽減する方法として有効であり、この種の光ピックアップに広く用いられている。

発明が解決しようとする課題

0013

しかしながら、上記従来の光ピックアップにおける差動検出による方法では、光磁気記録媒体106上のゴミ、光磁気記録媒体106の反射率ムラ、レーザ光の出力変動といった同相ノイズについては効果があるものの、光磁気記録媒体106に照射されるレーザ光の偏光状態の変動に対しては全く効果がないという問題点を有している。

0014

この問題について詳細に説明する。先ず、理想的な半導体レーザ101では、レーザ光は、図示しないレーザチップ内の活性層クラッド層との間のヘテロ接合面に平行な方向の直線偏光(以下、「TE偏光」という)となるが、実際には垂直成分(以下、「TM偏光」という)も混じっている。なお、レーザ光のTE偏光方向は図17において紙面に平行であり、レーザ光のTM偏光方向は同図において紙面に垂直である。

0015

両偏光の強度比が変動するとレーザ光の偏光方位が変動し再生信号の劣化を引き起こす。光磁気記録媒体106では、磁化方向の違いにより反射光の偏光方向がどちらへ回転するかで信号を読み取っている。したがって、光磁気記録媒体106を照射する光の偏光方向が安定しない場合、光磁気記録媒体106の記録磁化による偏光回転に加えて、半導体レーザ101におけるレーザ光源自体の偏光回転が重畳され、再生信号の劣化を引き起こす。

0016

上述したレーザ光の偏光状態の変動が、差動検出では除去できずに再生信号の劣化を引き起こすことを、図20及び図21に基づいて説明する。

0017

図20に示すように、偏光状態の変動がない場合には、磁化方向に伴って偏光面が+θk、−θkだけ回転したR+方向の反射光、及びR−方向の反射光が前記光磁気記録媒体106から反射される。これを45度検波したときの信号レベルは、図21に示す区間ア・イ・ウのように、R+方向の反射光及びR−方向の反射光に対応して、第1光検出器110aでは出力A・B、第2光検出器110bでは出力D・Cとなる。

0018

ここで、図20に示すように、光磁気記録媒体106による偏光回転が+θkのときに、半導体レーザ101自体の偏光方向変動が加わると、検光子に入射する光は本来のR+方向の反射光の偏光状態から、半導体レーザ101自体の偏光方向変動分θNOISE だけ回転したR+’方向の反射光になり、第1光検出器110a及び第2光検出器110bの出力は本来の出力A・Dから出力A’・D’になる。この時の信号は、図21に示す区間エにて表され、それぞれの光検出器110a・110bからの出力信号上に逆相波形として現れるため、同図における差動後の出力に示すように、差動検出してもこれは除去できない。

0019

次に、半導体レーザ101自体の偏光回転が、光磁気記録媒体106ヘ照射されるに至る過程について説明するために、上記PBS103の特性について述べる。

0020

先ず、半導体レーザ101からのレーザ光は殆どがTE偏光成分であり、レーザ光を効率良く光磁気記録媒体106に導く必要性から、PBS103はTE偏光を多く透過するよう設定される。すなわち、PBS103では、S軸成分反射率を大きくすることはできてもS軸成分透過率を大きくすることは設計上困難であるから、透過率を大きく設計できるP軸方向がレーザ光のTE偏光方位となるようにする。

0021

また、一部のレーザ光を前記レーザ出力モニター用光検出器104へ反射するようP軸成分反射率が設定される。

0022

前述したように、光磁気記録媒体106からの情報信号の再生は、光磁気記録媒体106の反射光の偏光回転を検出することによって行われる。図22に示すように、上記光磁気記録媒体106へ前記半導体レーザ101のTE偏光、つまりPBS103のP軸方位の光が照射されるが、この時点ではPBS103のS軸方位の成分は存在しない。なお、ここでは、半導体レーザ101は理想的なものであって、半導体レーザ101の偏光がTE偏光成分のみであるとして説明している。

0023

しかしながら、光磁気記録媒体106にて+θkの偏光回転をしたR+方向の反射光は、PBS103のS軸方位の成分Sプラス(以下、「S+」と表記する)を持っている。

0024

一般に、偏光回転量θkは高々1°程度しかないから、このS+は媒体入射光強度を1とすると、sin2 1°=3×10-4という微小なレベルである。したがって、光磁気記録媒体106による偏光回転θkを検出するためには、このS軸成分を極力ロスしないような設計が必要であり、PBS103はS軸成分反射率ができる限り100%に近いことが望ましい。

0025

また、光磁気記録媒体106からの反射光のうち磁化方位の情報はS軸成分であるから、PBS103のP軸成分反射率は小さくても構わない。ただし、P軸成分反射率がゼロでは、+θkに対する偏光状態であるR+方向の反射光と−θkに対する偏光状態であるR−方向の反射光とがいずれもS軸上に一直線に並ぶので、これを検波した場合には振幅がゼロになってしまう。このため、P軸成分反射率は有限の値が選ばれる。

0026

上記の理由から、PBS103の特性としては、例えば、S軸成分反射率Rs=100%、S軸成分透過率Ts=0%、P軸成分反射率Rp=20〜40%、P軸成分透過率Tp=60〜80%といった値が選ばれる。

0027

しかしながら、PBS103の製造上のばらつきや使用される半導体レーザ101の波長ばらつきを考えた場合、S軸成分透過率Tsを0%とすることは不可能であることから、実際のPBS103におけるS軸成分透過率Tsは数%となる。したがって、半導体レーザ101から出射されるTM偏光は、このS軸成分透過率Tsの大きさに応じてPBS103を透過し、光磁気記録媒体106に照射される。

0028

光磁気記録媒体106を再生する際、光磁気記録媒体106からの反射光の一部はPBS103にて反射され第1光検出器110a及び第2光検出器110bへ導かれるが、一部はPBS103を透過して半導体レーザ101自体に戻る。

0029

半導体レーザ101に光が戻ると、半導体レーザ101の動作が不安定になることは一般に知られている。光磁気記録媒体106を共振器とした「外部共振器モードにおけるモードホッピング」といった言葉で説明されるこの現象は、実際にはレーザ光の出力変動として問題となるものである。

0030

上記のように、半導体レーザ101からは、TE偏光及びTM偏光の両偏光成分が光磁気記録媒体106に照射されており、光磁気記録媒体106からの反射光もTE・TM両偏光成分が半導体レーザ101に戻るので、出力変動としてもTE・TM両偏光成分について発生する。

0031

TE偏光の出力変動は、同相ノイズとして差動検出により除去できる。すなわち、TE偏光の出力変動つまり強度変動は、図22に示すように、光磁気記録媒体106への照射光を示す矢印の長さが変動することを意味する。このため、図19において説明した同相ノイズ除去の原理によって、このTE偏光の出力変動をキャンセルすることができる。

0032

しかし、TM偏光の出力変動は偏光状態の変動であり、差動検出では除去できない。このことを説明するために、具体例として、半導体レーザ101からの出射光が、TM偏光成分がゼロという理想的な状態から、TM偏光がTE偏光強度の1/500の大きさまで変動した場合を例に、PBS103の透過率をS軸成分透過率Ts=3%、P軸成分透過率Tp=70%としてこの影響を見積もってみる。

0033

図23(a)に示すように、TM偏光成分がゼロという理想的な状態のレーザ光が上記PBS103を透過した場合には、図23(b)に示すように、透過光はPBS103のP軸成分透過率Tpに応じて振幅が減少するだけで、その方位はP軸上にある。

0034

一方、図23(c)に示すように、TM偏光強度がTE偏光の1/500の場合には、図23(d)に示すように、上記PBS103の透過後の偏光状態は、TE偏光・TM偏光における各偏光の振幅ETE・ETMが、
ETE=(500×Tp)1/2
ETM=(1×Ts)1/2
となる。この場合の偏光回転角θNOISE は、
θNOISE =tan-1(ETE/ETM)≒0.53°
となる。すなわち、レーザ光源のTM偏光成分がTE偏光成分の僅か0.2%の強度になるという変動が、光磁気記録媒体106に照射される光の偏光方向としては0.53°の回転に相当する。この量は、光磁気記録媒体106にて生ずる力−回転角θkの略半分の量であり、TM偏光の出力変動による再生信号品質の劣化は極めて大きいものであることが理解できる。

0035

上述したように、半導体レーザ101から出射されるTM偏光は、PBS103のTM偏光に対する特性であるS軸方向透過率Tsによって大部分がカットされるが、光磁気記録媒体106での力−回転角θkが非常に微小であることから、PBS103を僅かに透過するTM偏光成分が再生信号品質の低下を招くのである。

0036

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、光磁気記録媒体を再生する際に生じるレーザ光の偏光状態の変動を低減し、記録された情報を正確に再生することにより、再生品質の向上を図り得る光ピックアップを提供することにある。

課題を解決するための手段

0037

請求項1に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、磁化の向きの違いによって情報ビットを記録する光磁気記録媒体に対して、半導体レーザ素子のレーザ光源から光ビームを照射すると共にその照射部分に磁界を印加して光磁気的に情報を記録する一方、そこからの反射光を光検出器にて検出して光学的に情報を再生するか、又は再生のみ行う光ピックアップにおいて、半導体レーザ素子のレーザ光源と光磁気記録媒体からの反射光を光検出器に導く光分岐素子との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子が設けられると共に、上記偏光素子は、レーザ光源から出射されるレーザ光のTM偏光を選択的に減光することを特徴としている。

0038

上記の発明によれば、半導体レーザ素子のレーザ光源と光磁気記録媒体からの反射光を光検出器に導く光分岐素子との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子が設けられる。この偏光素子は、レーザ光源から出射されるレーザ光のTM偏光を選択的に減光する。

0039

このため、レーザ光源の偏光方向が変動しても、それが偏光素子にてカットされるために光磁気記録媒体には安定した偏光状態の光が照射され、レーザ光の偏光状態の変動は光磁気記録媒体には達しない。また、偏光素子がレーザ光源からのTM偏光成分を低減するように設けられているということは、同時に、光磁気記録媒体からの反射光がレーザ光源に戻る際にも、TM偏光方位の偏光成分を低減するように働くので、戻り光によって半導体レーザ素子のTM偏光強度が変動することをも防止する。

0040

したがって、光磁気記録媒体を再生する際に生じるレーザ光の偏光状態の変動を低減し、記録された情報を正確に再生することにより、再生品質の向上を図り得る光ピックアップを提供することができる。

0041

請求項2に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記光分岐素子は、偏光方位によって光学特性が異なる偏光ビームスプリッタからなる一方、上記偏光ビームスプリッタは、レーザ光の非平行な光束中に設けられていることを特徴としている。

0042

上記の発明によれば、光分岐素子は、偏光方位によって光学特性が異なる偏光ビームスプリッタからなる。また、偏光ビームスプリッタは、レーザ光の非平行な光束中に設けられている。

0043

すなわち、この構成では、半導体レーザ素子、偏光素子、偏光ビームスプリッタ及びコリメートレンズの順に配置されることになり、偏光素子もレーザ光の非平行な光束中に設けられることになる。

0044

この結果、レーザ光源に近い位置に偏光素子を配することになるので、偏光素子の径を小さくすることができ、コストダウンを図ることができる。

0045

請求項3に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、上記光分岐素子に一体的に設けられていることを特徴としている。

0046

上記の発明によれば、偏光素子は、上記光分岐素子に一体的に設けられている。

0047

このため、両部品の相対する面を不要とすることができる。その結果、光学研磨反射防止膜蒸着の加工とが不要となり、コストダウンが図れると共に、両部品間の間隔が無くなり小型化を図ることが可能となる。

0048

また、偏光素子が光分岐素子に一体的に設けられているので、偏光素子の軸方位を光分岐素子の軸と良い精度で一致させることができ、より効率的にTM偏光成分を低減することができる。

0049

請求項4に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、その法線がレーザ光のTE偏光面に略平行となるよう設定された平板からなることを特徴としている。

0050

上記の発明によれば、偏光素子は、その法線がレーザ光のTE偏光面に略平行となるよう設定された平板からなる。

0051

このため、TM偏光の減衰率は小さいが、平板は安価であり、TM偏光成分を大きく低減させる必要の無い場合に有効である。

0052

請求項5に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、その法線がレーザ光のTM偏光面に略平行となるよう設定された平面を有する光学部材からなる一方、上記偏光素子は、レーザ光源から出射される光束をその平面にて反射させて上記光分岐素子へ導くように配設されていることを特徴としている。

0053

上記の発明によれば、偏光素子は、その法線がレーザ光のTM偏光面に略平行となるよう設定された平面を有する光学部材からなる。また、偏光素子は、レーザ光源から出射される光束をその平面にて反射させて光分岐素子へ導くように配設されている。

0054

この場合には、平板からなる偏光素子のS軸を半導体レーザ素子のTE偏光方位に合わせ、より選択的にTE偏光成分を反射させることによって、レーザ光の偏光状態の変動の原因となるTM偏光成分を低減することができる。すなわち、平板からなる偏光素子への入射角ブリュースター角に設定すれば、P軸成分反射率はゼロになるため、TM偏光成分を完全に消光することができる。

0055

また、平板からなる偏光素子の片面だけを使用するので、光学面として加工が必要な面は1つだけであり、コストメリットが非常に大きい。

0056

請求項6に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、半導体レーザ素子と一体的に設けられていることを特徴としている。

0057

上記の発明によれば、偏光素子は、半導体レーザ素子と一体的に設けられている。

0058

この結果、偏光素子がレーザ光源の直前に配置されるので、偏光素子を小面積にすることができ、装置の小型化及びコストダウンを図ることができる。

0059

また、半導体レーザ素子と偏光素子とが一体化されているので、光ピックアップに半導体レーザ素子を組み付ける際の回転方向のばらつきにより偏光素子の消光軸とTM偏光方位とがずれるという問題を解消することができる。

0060

請求項7に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、偏光性回折格子からなることを特徴としている。

0061

上記の発明によれば、偏光素子は、偏光性回折格子からなる。この偏光性回折格子からなる偏光素子は、非常に薄い。このため、光ピックアップの小型化を図ることができる。

0062

また、偏光性回折格子からなる偏光素子は、上述したように、薄いので、光分岐素子の表面に一体に取り付けることも可能である。このため、偏光素子のスペースを実質的に全くとること無くレーザ光のTM偏光成分を低減することができる。

0063

請求項8に係る発明の光ピックアップは、上記課題を解決するために、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、透過光を利用する透過型素子からなると共に、記録時には光路から退避するように設けられていることを特徴としている。

0064

すなわち、偏光素子は、再生時にはレーザ光のTM偏光成分を低減するために必要となるが、記録時にはレーザ光の透過損失を少なくするために存在しないほうが良い。

0065

そこで、本発明によれば、偏光素子は、透過光を利用する透過型素子からなると共に、記録時には光路から退避するように設けられている。

0066

この結果、記録時における偏光素子による光損失を無くすことができる。

発明を実施するための最良の形態

0067

〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。

0068

本実施の形態の光ピックアップは、オーディオ用・データ用のミニディスク(MD)や、コンピュータのデータ保存に用いられる光磁気ディスク(MO)等の光磁気記録媒体に情報を記録・再生するために使用されるものであり、磁化の向きの違いによって情報ビットを記録する光磁気記録媒体に対して、半導体レーザ素子のレーザ光源から光ビームを照射すると共にその照射部分に磁界を印加して光磁気的に情報を記録する一方、そこからの反射光を光検出器にて検出して光学的に情報を再生するか、又は再生のみ行うものである。

0069

すなわち、上記光ピックアップでは、図1に示すように、半導体レーザ素子としての半導体レーザ1から放射される発散光は、コリメートレンズ2で平行光束とされ、光分岐素子としての偏光ビームスプリッタ(以下「PBS」という)3に入射する。PBS3の透過光は対物レンズ5にて光磁気記録媒体6の磁性層に光スポットを形成する。

0070

一方、少なくとも上記光スポットの領域に磁気ヘッド7により外部磁界が印加される。なお、PBS3での反射光は、レーザ出力モニター用光検出器4にて光電流として検出され、APC(Auto Power Control)回路11によって半導体レーザ1の光出力制御に用いられる。APC回路11は、レーザ出力モニター用光検出器4からの光電流が所望の大きさになるように半導体レーザ1の駆動電流を制御することにより光出力をコントロールする。

0071

光磁気記録媒体6からの反射光は、再び対物レンズ5を介してPBS3に戻る。PBS3での反射光は、ウォラストンプリズム8によって45度検波されて2つの光束に分離され、集光レンズ9によって第1光検出器10a及び第2光検出器10b上に照射される。再生信号は第1光検出器10a及び第2光検出器10bからの出力信号を差動検出して得られる。

0072

ここで、本実施の形態においては、上記光学系にさらに偏光素子14を加えた構成となっており、この偏光素子14は、半導体レーザ1とPBS3との直線距離間における、コリメートレンズ2とPBS3との間に配置されている。偏光素子14の設置方位は、半導体レーザ1からのレーザ光におけるTE偏光成分を透過すると共にTM偏光成分を消光する方位に設定される。

0073

この偏光素子14を挿入することによって、レーザ光の偏光状態の変動が低減される原理を説明する。

0074

既に、前記〔発明が解決しようとする課題〕の欄で説明したように、PBS3には数%のS軸成分透過率Tsがある。偏光素子14が挿入されていない従来の場合には、半導体レーザ1のTM偏光成分が数%のS軸成分透過率Tsにより光磁気記録媒体6に到達して信号品質を低下させる。

0075

一方、本実施の形態のように、偏光素子14が挿入されている場合には、偏光素子14によりTM偏光成分は大幅に減衰され、光磁気記録媒体6に到達する量は僅かとなる。ここで、図23において述べた説明と同様にして、半導体レーザ1からの出射光が、TM偏光成分がゼロという理想的な状態から、TM偏光がTE偏光強度の1/500の大きさまで変動した場合を例に、PBS3の透過率をS軸成分透過率Ts=3%、P軸成分透過率Tp=70%としてこの影響を見積もってみる。

0076

偏光素子14のTM偏光透過率Ts’を5%とすると、PBS3透過後のTE偏光・TM偏光における各偏光の振幅ETE・ETMは次のようになる。

0077

ETE=(500×Tp)1/2
ETM=(1×Ts×Ts’)1/2
よって、この場合の偏光回転角θNOISE は、
θNOISE =tan-1(ETE/ETM)≒0.11°
となり、偏光素子14が挿入されていない場合にはθNOISE が0.53°であったものが、偏光素子14の挿入により0.l1°にまで低減される。

0078

実際には、偏光素子14により、光磁気記録媒体6から半導体レーザ1へのTM偏光成分の戻り光が低減される効果も加わっているため、戻り光によるTM偏光強度の変動自体が抑えられている。したがって、実際には、偏光素子14を挿入したときの偏光回転角θNOISE は上記の値より大幅に低減される。

0079

すなわち、偏光素子14の挿入により、TM偏光強度の変動自体が小さくなると共に、その小さい変動さえも偏光素子14により減衰させるという相乗効果によって、光磁気記録媒体6に照射される光の偏光方向は非常に安定したものとなり、再生信号品質は大幅に改善される。

0080

なお、光の利用効率上、偏光状態の変動の原因となるTM偏光を減衰させる一方で、記録再生に必要なTE偏光はできるだけ減衰させないことが求められるが、半導体レーザ1の光出力に余裕がある場合は、使用する偏光素子14はTE偏光が多少減衰するような素子であっても良い。逆に、半導体レーザ1の光出力の余裕が無い場合には、偏光素子14によるTE偏光成分の減衰はできるだけ小さいことが要求される。すなわち、どのような偏光素子14を使用するかを選択するに際しては、偏光素子14のTE偏光に対する光損失の度合いについて、半導体レーザ1の光出力の余裕がどのくらいあるかを考慮すれば良い。

0081

具体的には、半導体レーザ1の光出力に余裕が無い場合には、例えば、偏光素子14としてはPBS3と同様の貼り合わせプリズム、つまり三角プリズムを貼り合わせたものを用いることができる。貼り合わせプリズムは、ガラス材料の選択と反射膜組成の設計を最適化することとによってP軸方向の透過率を大きくすることができるので、貼り合わせプリズムのP軸方向を半導体レーザ1のTE偏光軸に一致させることで、TE偏光を殆ど減衰させること無く、かつ偏光方向変動の原因となるTM偏光成分を低減できるというメリットがある。

0082

一方、半導体レーザ1の光出力に余裕がある場合は、偏光素子14としては高分子直線2色性を利用したポラロイド偏光板を用いることができる。高分子直線2色性を利用したポラロイド偏光板としては、例えば、パナック工業(株)製の商品名「バリライト」等を用いることができる。このポラロイド偏光板は、吸収損失が大きく透過率が80%程度であるが、前記の貼り合わせプリズムに比較して安価であり、厚みが薄いため光ピックアップの小型化が可能であるというメリットがある。なお、偏光素子14の方位設定については、偏光素子14の透過軸と半導体レーザ1のTE偏光方位との角度ずれ量をΦとすると、TE偏光透過光はcos2 Φに比例するので多少のずれでも減衰は小さく、よって、偏光素子14の透過軸とTE偏光とはおおよそ一致していれば通常は問題ない。

0083

このように、本実施の形態の光ピックアップでは、半導体レーザ1のレーザ光源と光磁気記録媒体6からの反射光を第1光検出器10a及び第2光検出器10bに導くPBS3との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子14が設けられる。この偏光素子14は、レーザ光源から出射されるレーザ光のTM偏光を選択的に減光する。

0084

このため、レーザ光の偏光方向が変動しても、それが偏光素子14にてカットされるために光磁気記録媒体6には安定した偏光状態の光が照射され、レーザ光の偏光状態の変動は光磁気記録媒体6には達しない。また、偏光素子14がレーザ光源からのTM偏光成分を低減するように設けられているということは、同時に、光磁気記録媒体6からの反射光がレーザ光源に戻る際にも、TM偏光方位の偏光成分を低減するように働くので、戻り光によって半導体レーザ1のTM偏光強度が変動することをも防止する。

0085

したがって、光磁気記録媒体6を再生する際に生じるレーザ光の偏光状態の変動を低減し、信号を再生する際に発生する信号品質の低下を回避できる。よって、記録された情報を正確に再生し、再生品質の向上を図り得る光ピックアップを提供することができる。

0086

また、本実施の形態では、偏光素子14として、三角プリズムを貼り合わせた構造とすることができる。これにより、ガラス材料の選択と反射膜組成の設計を最適化することとによってP軸方向の透過率を大きくすることができるので、PBS3のP軸を半導体レーザ1のTE偏光軸に一致させることで、TE偏光を殆ど減衰させること無く、かつ偏光方向変動の原因となるTM偏光成分を低減できる。

0087

また、本実施の形態では、偏光素子14としてポラロイド偏光板を用いることが可能である。これによって、貼り合わせプリズムに比較して安価であり、厚みが薄いため、光ピックアップの小型化が可能である。

0088

〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態について図2ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0089

本実施の形態の光ピックアップでは、図2に示すように、発散光中にPBS3を配置した場合に対して、本発明を適用したものとなっている。

0090

すなわち、前記実施の形態1では、偏光素子14はコリメートレンズ2とPBS3との間における平行光中に設けられていたが、必ずしもこれに限らない。偏光素子14は半導体レーザ1とPBS3との間であればどこでも良く、例えば、図2に示すように、偏光素子14が半導体レーザ1とコリメートレンズ2との間に存在するようになっていても構わない。なお、これにより、レーザ光の発散光中にPBS3が配置されたものとなる。

0091

このように、偏光素子14を半導体レーザ1とコリメートレンズ2との間に設ける場合のメリットは、レーザ光源に近い位置に偏光素子14を配するため偏光素子14の径を小さくでき、コストダウンが可能という点である。

0092

また、この場合における偏光素子14の具体例としては、半導体レーザ1の光出力に余裕がある場合には、前述したように、吸収損失の大きい高分子直線2色性を利用したポラロイド偏光板を使用すれば良い。

0093

しかしながら、半導体レーザ1の光出力に余裕がない場合には、偏光素子14として損失の小さい貼り合わせプリズムを用いる必要があるが、この場合、PBS3と同様のものでは厚みが大きくなるので光ピックアップの小型化が難しい。

0094

このような場合には、偏光素子14として、図3に示すように、頂角が小さいプリズムを貼り合わせたものを用いれば良い。なぜなら、偏光素子14の目的はTM偏光成分を減衰させることにあるので、貼り合わせ部で反射されたTM偏光は光ピックアップの光軸から外れさえすれば良く、PBS3のように、90度の角度で反射させる必要はないからである。このような頂角が45度未満の三角プリズムを貼り合わせた構造の偏光素子14を用いれば、吸収損失が小さくかつ厚みが薄いので、レーザ光源への負担を大きくすること無くレーザ光の偏光状態の変動を低減することができ、さらに光ピックアップの小型化も可能となる。

0095

ところで、上記の例では、PBS3と偏光素子14とは離れているが、必ずしもこれに限らず、例えば、PBS3と偏光素子14とを一体化することも可能である。

0096

すなわち、図4に示すように、PBS3と貼り合わせプリズム型の偏光素子14とを一体的に形成したものであっても良い。この方式のメリットは、両部品の相対する面3a・14aが不要となることである。この結果、光学研磨と反射防止膜蒸着の加工とが不要となり、コストダウンが図れると共に、両部品間の間隔が無くなり小型化が可能となること、また、一体的に設けられているので偏光素子14の軸方位をPBS3の軸と良い精度で一致させることができ、より効率的にTM偏光成分を低減できる。

0097

このように、本実施の形態の光ピックアップでは、光分岐素子は、偏光方位によって光学特性が異なるPBS3からなる。また、PBS3は、レーザ光の非平行な光束中に設けられている。

0098

すなわち、この構成では、半導体レーザ1、偏光素子14、PBS3、コリメートレンズ2の順に配置されることになり、偏光素子14もレーザ光の非平行な光束中に設けられることになる。

0099

この結果、レーザ光源に近い位置に偏光素子14を配することになるので、偏光素子14の径を小さくすることができ、コストダウンを図ることができる。

0100

また、本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子14を、頂角が45度未満の三角プリズムを貼り合わせた構造とすることができる。

0101

これによって、この構造の偏光素子14では、吸収損失が小さくかつ厚みが薄いので、レーザ光源への負担を大きくすること無くレーザ光の偏光状態の変動を低減することができ、さらに光ピックアップの小型化も可能となる。

0102

また、本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子14は、PBS3に一体的に設けることが可能となっている。

0103

このため、両部品の相対する面を不要とすることができる。その結果、光学研磨と反射防止膜蒸着の加工とが不要となり、コストダウンが図れると共に、両部品間の間隔が無くなり小型化を図ることが可能となる。

0104

また、偏光素子14がPBS3に一体的に設けられるので、偏光素子14の軸方位をPBS3の軸と良い精度で一致させることができ、より効率的にTM偏光成分を低減することができる。

0105

〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施の形態について図5ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0106

前記実施の形態1及び実施の形態2においては、偏光素子14として、貼り合わせプリズム又は高分子直線2色性を利用したポラロイド偏光板を用いたが、必ずしもこれに限らず、例えば、偏光素子14として平板を用いることも可能である。なお、この平板は、表面及び裏面が平行な平行平板である。

0107

すなわち、平板による反射率は、垂直入射の場合を除いてS軸方向の方がP軸方向に比較して大きい。このため、図5に示すように、平板からなる偏光素子25を傾けて光路中に配置させることにより、S軸成分をP軸成分に対して相対的に減衰させることができる。例えば、屈折率1.5のガラス板を40°傾けている場合には、P軸成分反射率Rpは約1%であるのに対して、S軸成分反射率Rsは約9%になる。したがって、半導体レーザ1のTE偏光がP軸方向に一致するように平板からなる偏光素子25を配置すれば、TM偏光を低減することができる。

0108

一方、平板は、TM偏光の減衰率は上記のように小さいが、安価であるので、TM偏光成分を大きく低減させる必要の無い場合には有効である。また、所望の偏光特性を得るために、必要に応じて平板に誘電体膜を蒸着しても良い。

0109

P軸方向の光の損失を最小にするような平板からなる偏光素子25の傾きは、いわゆるブリュースター角と称される。例えば、屈折率1.5のガラスの場合、ブリュースター角となる入射角は56°となる。この角度で平板を配置すれば、P軸成分反射率Rpはゼロとなるから、半導体レーザ1のTE偏光の損失は無く、TM偏光成分を低減できるというメリットがある。

0110

ここで、図6に示すように、平板からなる偏光素子25を傾けて、半導体レーザ1とコリメートレンズ2との間の非平行光束中に配置した場合には、非点収差が発生する。すなわち、通常、半導体レーザ1から出射されるレーザ光は非点収差をもっている。このため、半導体レーザ1の図示しないレーザチップ内における活性層とクラッド層との間のヘテロ接合面に平行な方向に広がる光の発光点は、レーザチップの出射端面よりも数μm〜十数μm内側に位置しているのに対して、半導体レーザ1のヘテロ接合面と垂直方向に広がる光の発光点は、レーザチップの出射端面上に位置している。半導体レーザ1の偏光は、大部分がヘテロ接合面に平行なTE偏光成分である。

0111

TM偏光成分を低減するには、P軸をTE偏光方位に合わせる必要があるが、これは、平板の法線が半導体レーザ1のヘテロ接合面に平行になる配置である。

0112

この時に、平板により発生する非点収差は、半導体レーザ1の持っている非点収差とは逆符号となる。この結果、平板からなる偏光素子25を図6に示すように傾斜することによって、TM偏光成分の低減を図ると共に、半導体レーザ1の持つ非点収差をも低減することができる。

0113

一方、図7に示すように、平板からなる偏光素子25を反射面として使用することも可能である。

0114

この場合には、平板からなる偏光素子25のS軸を半導体レーザ1のTE偏光方位に合わせ、より選択的にTE偏光成分を反射させることにより、レーザ光の偏光状態の変動の原因となるTM偏光成分を低減することができる。すなわち、平板からなる偏光素子25への入射角iをブリュースター角に設定すれば、P軸成分反射率Rpはゼロになる。したがって、この方法のメリットはTM偏光成分を完全に消光することができるという点にある。しかもこの場合、平板からなる偏光素子25の片面だけを使用するので、光学面として加工が必要な面は1つだけであり、コストメリットも非常に大きい。

0115

このように、本実施の形態では、偏光素子25は、その法線がレーザ光のTE偏光面に略平行となるよう設定された平板からなっている。

0116

このため、平板はTM偏光の減衰率は小さいが安価であり、TM偏光成分を大きく低減させる必要の無い場合に有効である。

0117

また、本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子25は、その法線がレーザ光のTM偏光面に略平行となるよう設定された平面を有する光学部材からなると共に、レーザ光源から出射される光束をその平面にて反射させてPBS3へ導くように配設することが可能である。

0118

この場合には、平板からなる偏光素子25のS軸を半導体レーザ1のTE偏光方位に合わせ、より選択的にTE偏光成分を反射させることによって、レーザ光の偏光状態の変動の原因となるTM偏光成分を低減することができる。すなわち、平板からなる偏光素子25への入射角iをブリュースター角に設定すれば、P軸成分反射率Rpはゼロになるため、TM偏光成分を完全に消光することができる。

0119

また、平板からなる偏光素子25の片面だけを使用するので、光学面として加工が必要な面は1つだけであり、コストメリットが非常に大きい。

0120

また、本実施の形態では、平板からなる偏光素子25は、レーザ光の非平行な光束中に設けることが可能である。

0121

これにより、TM偏光成分の低減を図ると共に、半導体レーザ1の持つ非点収差をも低減することができる。

0122

また、本実施の形態では、平板からなる偏光素子25は、レーザ光の光束の入射する面が入射光束に対してブリュースター角となるよう配設されている。

0123

このため、P軸成分反射率Rpはゼロになるため、TM偏光成分を完全に消光することができる。

0124

〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施の形態について図8及び図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態3の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0125

本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子をレーザパッケージに配置する場合について説明する。

0126

例えば、図8に示すように、平板からなる偏光素子27を半導体レーザ1のレーザパッケージ内に配置することが可能である。

0127

この光ピックアップでは、ステム20上にレーザ光源としてのレーザチップ21と平板からなる偏光素子27とが固定されており、平板はそのS軸が半導体レーザ1のTE偏光方位に合わされている。

0128

この平板からなる偏光素子27においては、半導体レーザ1のレーザチップ21から出射されたレーザ光は、偏光素子27にて反射されて出射窓28から出射されるが、偏光素子27での反射の際に、TM偏光は減衰される。偏光素子27がレーザチップ21の直前に配置されているので、偏光素子27は極めて小さいもので良く、かつ光学面が1面であり、しかも小面積という特長がある。

0129

一方、偏光素子を半導体レーザ1と一体化する方法としては、必ずしもこれに限らない。

0130

例えば、図9に示すように、前述した透過型の偏光素子14を、その消光軸が半導体レーザ1のTM偏光方向と一致するように固着することが可能である。

0131

すなわち、レーザ光の偏光状態の変動は半導体レーザ1のTM偏光成分により生じるのであり、半導体レーザ1のTM成分が小さい場合には偏光素子14は不要となるから、この構成のメリットは、半導体レーザ1の特性に応じて、半導体レーザ1単品ごとに偏光素子14を取り付けるか付けないかを選択できるという点にある。また、半導体レーザ1と偏光素子14とが一体化されているので、光ピックアップに半導体レーザ1を組み付ける際の回転方向のばらつき、つまり角度ずれ量Φにより、偏光素子14の消光軸とTM偏光方位とがずれるという問題が無くなる。また、レーザ光源の直近であるので、偏光素子14の大きさを小さくすることができ、スペース的メリット及びコスト的メリットがある。

0132

このように、本実施の形態では、偏光素子27は、半導体レーザ1と一体的に設けられている。

0133

この結果、偏光素子27がレーザチップ21の直前に配置されるので、偏光素子27を小面積にすることができ、装置の小型化及びコストダウンを図ることができる。

0134

また、半導体レーザ1と偏光素子27とが一体化されているので、光ピックアップに半導体レーザ1を組み付ける際の回転方向のばらつきにより偏光素子27の消光軸とTM偏光方位とがずれるという問題を解消することができる。

0135

〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施の形態について図10ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態4の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0136

本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子として偏光性回折格子を用いている。

0137

偏光性回折格子とは、入射偏光方位によってその回折光の割合が異なるような素子であり、これについては既に知られているところであるが、応用物理学会編「回折光学素子入門」(平成9年、オプトロニクス社刊)を抜粋して説明する。

0138

偏光性回折格子は、例えば、図10に示すように、複屈折性基板31上に矩形状の断面を有する深さtの格子が形成され、かつ、この格子の溝部に等方性物質32が充填された構造になっている。

0139

いま、この格子溝に平行又は垂直な偏光に対する基板31の屈折率をそれぞれnP 、nS とし、等方性物質32の屈折率をnP とする。このような薄い位相格子の透過率は、溝部を通る光と溝間部を通る光との位相差をφとすると、cos2 (φ/2)で表される。このとき、格子溝に平行な偏光に対しては、φ=0となるため透過率は1である。一方、格子溝に垂直な偏光に対しては、φ=2π(nP −nS )t/λ(λは入射光の波長)となるため、φ=πとなるようにtを設定すれば透過光は0となり、入射光は完全に回折される。

0140

上記のような偏光性回折格子からなる偏光素子30を、図11に示すように、格子溝がレーザ光のTE偏光に対して平行になるよう配置すれば、TE偏光は回折されること無く全て透過される一方、TM偏光は全て光路外へ回折させることができる。この偏光性回折格子からなる偏光素子30を偏光子として使用すれば、偏光素子30が非常に薄いために光ピックアップの小型化が可能である。

0141

なお、上記の偏光性回折格子からなる偏光素子30は、複屈折性の基板31と等方性物質32との組み合わせであるが、必ずしもこれに限らず、構造性複屈折を利用すれば複屈折性の基板31を用いないでこれと同様の機能をもたせることができる。なお、上記構造性複屈折というのは、波長程度の溝深さをもった微小ピッチ格子により異方性を得るもので、詳細は前記の文献を参照されたい。

0142

ところで、このような偏光性回折格子からなる偏光素子30は、独立して設けることが可能である一方、図12に示すように、PBS3の表面に一体に取り付けることも可能である。

0143

同図の偏光素子30は、PBS3表面に微小ピッチ格子が波長より長い間隔をもって一定周期で形成されたもので、PBS3の材質は通常の光学ガラスからなり、この表面にエッチングにより格子が形成されている。

0144

この偏光素子30では、微小ピッチの格子部を通り抜ける光と格子部を通らない光との位相差が2πの整数倍なら回折せずに全て透過し、位相差がπならば直進する透過光が無くなり全て回折される。

0145

したがって、入射TE偏光に対して位相差が2π、TM偏光に対して位相差がπとなるよう、微細格子部の等価屈折率格子高さとを選ぶことにより、TE偏光は回折されない0次光として直進し、TM偏光は全て回折されて光路を外れるので、レーザ光の偏光状態の変動の原因となるTM偏光成分を低減することができる。この実施の形態では、スペースを全くとること無く半導体レーザ1のTM偏光成分を低減できるという大きな利点がある。

0146

ここで、偏光性回折格子の0次光透過率cos2 (φ/2)を決める位相差φは、材質や構造を選ぶことにより制御できるので、例えばTE偏光に対してφ=3/2π、TM偏光に対してφ=πとなるように設定すれば、TE偏光の0次透過光は入射光の半分となり、残り半分は1次以上の回折光とすることができ、TM偏光については全てが1次以上の回折光となる。したがって、TM偏光を低減する偏光素子の機能と、3ビーム法によるトラッキングサーボ用のグレーティングの機能とを兼用することが可能となる。

0147

一方、図13(a)に示すように、TE偏光に対しては直進する0次光と、回折されてトラッキングサーボ用のサブビームとなる±1次光に分割される。また、図13(b)に示すように、TM偏光に対しては直進する0次光は無く、全て回折光となり、信号読み取りに寄与する0次光からTM偏光成分を除去することができる。このようなタイプのものは、トラッキングサーボ用のグレーティングと偏光素子とを兼用できるので、部品点数を増やすことが無く、偏光素子30としてのスペースが新たに必要となることも無いというメリットがある。

0148

また、偏光性回折格子を用いた偏光素子30として、図14に示すように、偏光素子とホログラム素子機能とを兼用させることが可能である。

0149

上記ホログラム素子24は回折格子一種であるが、上記のトラッキングサーボ用グレーティングのような格子ピッチが一定の単純格子ではなく、格子ピッチが空間的に変調されているものを示し、通常の光ピックアップに実用化されている。

0150

同図に示すように、ホログラム素子24はレーザチップ21の直後に置かれ、前記光磁気記録媒体6からの反射光の一部を回折させることにより、レーザパッケージ12内に配置された受光素子13上に導く役割をしている。受光素子13は、例えばトラッキングサーボ信号フォーカスサーボ信号等の各種信号の検出を行うものであるが、いずれの信号検出を行うかは光ピックアップの構成により決められる。

0151

一方、往路では、半導体レーザ1からホログラム素子24に入射した光は、直進する0次光と回折光とに分離され、0次光は光磁気記録媒体6上に集光されるが回折光は対物レンズの絞りケラれて光磁気記録媒体6上には集光されないよう、光学系の配置が設計されている。このホログラム素子24として偏光性回折格子を用いれば、前述した図13(a)(b)の例のように、TM偏光は直進する0次光には含まれないので、レーザ光の偏光状態変動の原因となるTM偏光がカットされる。

0152

上記のように、ホログラム素子24と偏光素子30とを兼用することで、前述のグレーティングとの兼用同様に、部品点数を増やすことが無く、偏光素子30のためのスペースが新たに必要となることも無いというメリットがある。

0153

このように、本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子30は、偏光性回折格子からなっているので、非常に薄い。このため、光ピックアップの小型化を図ることができる。

0154

また、偏光性回折格子からなる偏光素子30は、薄いので、PBS3の表面に一体に取り付けることも可能である。このため、偏光素子30のスペースを実質的に全くとること無くレーザ光のTM偏光成分を低減することができる。

0155

また、本実施の形態では、偏光性回折格子からなる偏光素子30は、PBS3の表面に形成することが可能である。

0156

これにより、スペースを実質的に全くとること無く半導体レーザ1のTM偏光成分を低減できる。

0157

また、本実施の形態では、偏光性回折格子からなる偏光素子30は、トラッキングサーボ用のグレーティング機能を兼ね備えたものとすることが可能である。これにより、部品点数を増やすこと無く、かつ偏光素子30のためのスペースが新たに必要となることも無い。

0158

また、本実施の形態では、偏光性回折格子からなる偏光素子30は、ホログラム素子機能を兼ね備えているとすることが可能である。

0159

このため、部品点数を増やすこと無く、かつ偏光素子30のためのスペースが新たに必要となることも無い。

0160

〔実施の形態6〕本発明のさらに他の実施の形態について図15及び図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、説明の便宜上、前記の実施の形態1ないし実施の形態5の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0161

本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子が必要に応じて光路中に配置又は非配置自在の構造となっている。

0162

すなわち、信号記録時には、光磁気記録媒体6上に記録された磁化を偏光方向の回転によって読み取る必要はないから、レーザ光の偏光状態の変動による特性への影響は記録時には再生時に比較して小さい。また、信号記録時には磁性層の温度を上げるため大きな光出力が必要となるので、光ピックアップ内光学素子による損失は小さい方が良い。特に、高転送レートで情報を光磁気記録媒体6に記録する場合には、より大きな光出力が必要となる。

0163

そこで、本実施の形態の光ピックアップでは、このような問題に対応すべく、図15に示すように、偏光素子14がホルダー15に取り付けられており、ソレノイド16によって光路から抜き差し可能な状態で、コリメートレンズ2とPBS3との間に配置されている。

0164

そして、偏光素子14は再生時には光路中に配置される一方、記録時にはソレノイド16に制御信号を送ることによって偏光素子14を光路から外すようになっている。これにより、記録時には偏光素子14による光損失が無くなる。

0165

ここで、偏光素子14がレーザ光源とコリメートレンズ2との間の発散光中に配置されている場合には、球面収差が発生するので、この球面収差をキャンセルするようにコリメートレンズ2を予め設計しておく。この場合、記録パワーを確保するために記録時に光路から偏光素子14を外すとキャンセル分に相当する球面収差が発生してしまうため、光磁気記録媒体6上に光スポットが良好に集光できず特性上問題となる。

0166

この問題を回避するために、図16に示す光ピックアップの構造にすることが可能である。

0167

同図においては、ホルダー17には偏光素子14とガラス板18とが取り付けられており、ソレノイド16によっていずれかが光路中に配置可能となっている。

0168

そして、再生時には偏光素子14が光路中に配置され、記録時にはソレノイドに制御信号を送ることによって、偏光素子14に替わってガラス板18が光路中に置かれる。

0169

このガラス板18は、偏光素子14と同じ光路長となるよう屈折率と厚みが選ばれているので、偏光素子14とガラス板18との切り替えによって球面収差が発生することはない。これにより、球面収差を発生すること無く、偏光素子14による記録時の光損失を無くすことができる。

0170

このように、偏光素子14は、再生時にはレーザ光のTM偏光成分を低減するために必要となるが、記録時にはレーザ光の透過損失を少なくするために存在しないほうが良い。

0171

そこで、本実施の形態の光ピックアップでは、偏光素子14は、透過光を利用する透過型素子からなると共に、記録時には光路から退避するように設けられている。

0172

この結果、記録時における偏光素子14による光損失を無くすことができる。

0173

また、本実施の形態では、記録時に、偏光素子14が光路から退避したときに、この偏光素子14と同等の光路長を有する非偏光素子としてのガラス板18がを光路に挿入可能となっている。

0174

このため、球面収差を発生すること無く、偏光素子14による記録時の光損失を無くすことができる。

発明の効果

0175

請求項1に係る発明の光ピックアップは、以上のように、半導体レーザ素子のレーザ光源と光磁気記録媒体からの反射光を光検出器に導く光分岐素子との間に、入射偏光方向に応じて異なった減光特性を有する偏光素子が設けられると共に、上記偏光素子は、レーザ光源から出射されるレーザ光のTM偏光を選択的に減光するものである。

0176

それゆえ、レーザ光のTM偏光を選択的に減光するので、レーザ光源の偏光方向が変動しても、それが偏光素子にてカットされるために光磁気記録媒体には安定した偏光状態の光が照射され、レーザ光の偏光状態の変動は光磁気記録媒体には達しない。また、偏光素子がレーザ光源からのTM偏光成分を低減するように設けられているということは、同時に、光磁気記録媒体からの反射光がレーザ光源に戻る際にも、TM偏光方位の偏光成分を低減するように働くので、戻り光によって半導体レーザ素子のTM偏光強度が変動することをも防止する。

0177

したがって、光磁気記録媒体を再生する際に生じるレーザ光の偏光状態の変動を低減し、記録された情報を正確に再生することにより、再生品質の向上を図り得る光ピックアップを提供することができるという効果を奏する。

0178

請求項2に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記光分岐素子は、偏光方位によって光学特性が異なる偏光ビームスプリッタからなる一方、上記偏光ビームスプリッタは、レーザ光の非平行な光束中に設けられているものである。

0179

それゆえ、この構成では、半導体レーザ素子、偏光素子、偏光ビームスプリッタ及びコリメートレンズの順に配置されることになり、偏光素子もレーザ光の非平行な光束中に設けられることになる。

0180

この結果、レーザ光源に近い位置に偏光素子を配することになるので、偏光素子の径を小さくすることができ、コストダウンを図ることができるという効果を奏する。

0181

請求項3に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、上記光分岐素子に一体的に設けられているものである。

0182

それゆえ、両部品の相対する面を不要とすることができる。その結果、光学研磨と反射防止膜蒸着の加工とが不要となり、コストダウンが図れると共に、両部品間の間隔が無くなり小型化を図ることが可能となるという効果を奏する。

0183

また、偏光素子が光分岐素子に一体的に設けられているので、偏光素子の軸方位を光分岐素子の軸と良い精度で一致させることができ、より効率的にTM偏光成分を低減することができるという効果を奏する。

0184

請求項4に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、その法線がレーザ光のTE偏光面に略平行となるよう設定された平板からなるものである。

0185

それゆえ、TM偏光の減衰率は小さいが、平板は安価であり、TM偏光成分を大きく低減させる必要の無い場合に有効であるという効果を奏する。

0186

請求項5に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、その法線がレーザ光のTM偏光面に略平行となるよう設定された平面を有する光学部材からなる一方、上記偏光素子は、レーザ光源から出射される光束をその平面にて反射させて上記光分岐素子へ導くように配設されているものである。

0187

それゆえ、平板からなる偏光素子のS軸を半導体レーザ素子のTE偏光方位に合わせ、より選択的にTE偏光成分を反射させることによって、レーザ光の偏光状態の変動の原因となるTM偏光成分を低減することができるという効果を奏する。

0188

また、平板からなる偏光素子の片面だけを使用するので、光学面として加工が必要な面は1つだけであり、コストメリットが非常に大きいという効果を奏する。

0189

請求項6に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、半導体レーザ素子と一体的に設けられているものである。

0190

それゆえ、偏光素子がレーザ光源の直前に配置されるので、偏光素子を小面積にすることができ、装置の小型化及びコストダウンを図ることができるという効果を奏する。

0191

また、半導体レーザ素子と偏光素子とが一体化されているので、光ピックアップに半導体レーザ素子を組み付ける際の回転方向のばらつきにより偏光素子の消光軸とTM偏光方位とがずれるという問題を解消することができるという効果を奏する。

0192

請求項7に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、偏光性回折格子からなるものである。

0193

それゆえ、偏光性回折格子からなる偏光素子は非常に薄いので、光ピックアップの小型化を図ることができるという効果を奏する。

0194

また、偏光性回折格子からなる偏光素子は薄いので、光分岐素子の表面に一体に取り付けることも可能である。このため、偏光素子のスペースを実質的に全くとること無くレーザ光のTM偏光成分を低減することができるという効果を奏する。

0195

請求項8に係る発明の光ピックアップは、以上のように、請求項1記載の光ピックアップにおいて、上記偏光素子は、透過光を利用する透過型素子からなると共に、記録時には光路から退避するように設けられているものである。

0196

それゆえ、記録時における偏光素子による光損失を無くすことができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0197

図1本発明における光ピックアップの実施の一形態を示す構成図である。
図2上記光ピックアップにおいて、偏光素子がレーザ光の非平行な光束中に設けられている状態を示す構成図である。
図3頂角が45度未満の三角プリズムを貼り合わせた偏光素子を示す構成図である。
図4三角プリズムを貼り合わせて偏光ビームスプリッタと偏光素子とを一体的に形成した状態を示す構成図である。
図5法線がレーザ光のTE偏光面に略平行となるよう設定された平板からなる偏光素子を示す構成図である。
図6上記平板からなる偏光素子が、レーザ光の非平行な光束中に設けられている状態を示す構成図である。
図7レーザ光源から出射される光束をその平面にて反射させて光分岐素子へ導くように配設されている偏光素子を示す構成図である。
図8半導体レーザと一体的に設けられている偏光素子を示す構成図である。
図9透過型の偏光素子が、その消光軸がレーザ光のTM偏光方向と一致するように半導体レーザに固着された状態を示す構成図である。
図10偏光性回折格子からなる偏光素子を示す構造図である。
図11上記偏光性回折格子からなる偏光素子を、格子溝がレーザ光のTE偏光方向に対して平行に配置した状態を示す構成図である。
図12上記偏光性回折格子からなる偏光素子を、PBS表面に微小ピッチ格子が波長よりも長い間隔にて一定周期で形成した状態を示す構成図である。
図13偏光素子とグレーティングの機能とを兼ねた素子を示すものであり、(a)はTE偏光成分の回折状態を示す説明図、(b)はTM偏光成分の回折状態を示す説明図である。
図14ホログラム素子機能を兼ね備えた偏光素子を示す構成図である。
図15記録時に光路から退避するように設けられた偏光素子を示す構成図である。
図16記録時に、偏光素子が光路から退避したときに、この偏光素子と同等の光路長を有する非偏光素子が光路に挿入される状態を示す構成図である。
図17従来の光ピックアップを示す構成図である。
図18上記光ピックアップにおける光磁気信号検出原理を示す説明図である。
図19上記光磁気信号検出原理において、差動検出により同相ノイズが軽減されること示す説明図である。
図20レーザ光における偏光状態の変動の光磁気信号検出原理を示す説明図である。
図21上記レーザ光の偏光状態の変動が差動検出によって除去できないことを示す説明図である。
図22光磁気記録媒体の反射光における偏光回転を示す説明図である。
図23レーザ光の偏光状態の変動を示す説明図であり、(a)はTM偏光成分がゼロという理想的な状態においてレーザ光がPBSを透過した状態、(b)はその透過光がPBSのP軸成分透過率に応じて振幅が減少した状態、(c)はTM偏光強度がTE偏光の1/500のときにレーザ光がPBSを透過した状態、(d)はその透過光がPBSのP軸成分透過率に応じて振幅が減少するときに偏光回転角を生じる状態を示すものである。

--

0198

1半導体レーザ(半導体レーザ素子)
2コリメートレンズ
3偏光ビームスプリッタ〔PBS〕(光分岐素子)
4レーザ出力モニター用光検出器
5対物レンズ
6光磁気記録媒体
7磁気ヘッド
8ウォラストンプリズム
9集光レンズ
10a 第1光検出器(光検出器)
10b 第2光検出器(光検出器)
14偏光素子
20ステム
21レーザチップ(レーザ光源)
24 ホログラム素子

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