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技術 干渉キャンセラにおける伝搬路推定方法及び干渉除去装置

出願人 富士通株式会社
発明者 関宏之田中良紀
出願日 1998年9月4日 (22年3ヶ月経過) 出願番号 1998-251034
公開日 2000年3月21日 (20年9ヶ月経過) 公開番号 2000-083011
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 有線伝送方式及び無線の等化,エコーの低減 雑音の除去 移動無線通信システム
主要キーワード 移動平均区間 入出力遅延 平均区間 ステージ番号 出力生成 移動区間 後段ステージ 最終ステージ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

DS−CDMA移動通信に適用されるマルチステージ型の干渉キャンセラにおける伝搬路推定法及び干渉除去装置に関し、パイロット外挿同期検波を行なう際に、処理遅延を増大させることなく、伝搬路推定精度を向上させる。

解決手段

ステージ毎の干渉キャンセラユニット51及び最終ステージ受信器53が縦続接続され、拡散符号により変調された信号を受信し、外挿パイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定し、干渉レプリカを生成して受信信号から差し引き、干渉を除去するマルチステージ型の干渉キャンセラにするマルチステージ型の干渉キャンセラにおいて、各ステージの干渉キャンセラユニット51で推定された伝搬路推定値を他のステージの干渉キャンセラユニットに信号線10を介して通知し、各ステージの干渉キャンセラユニットは自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する。

概要

背景

図5は従来例のマルチステージ型の干渉キャンセラの説明図である。マルチステージ型干渉キャンセラの各ステージは、干渉キャンセラユニット51と合成部(Σ)52とにより構成され、それらがステージ順に縦続接続される。同図は第1〜第mステージから成るマルチステージ型の干渉キャンセラを示し、最終ステージの第mステージにはデータシンボル受信器53が接続される。

各干渉キャンセラユニット51及び最終ステージの受信器53は、ユーザチャネル対応に並列に設けられ、該干渉キャンセラユニット51(ICU1,1 〜ICU1,k ,ICU2,1 〜ICU2,k ,・・・)の添字は、ステージ番号びユーザチャネル対応のユーザ番号を示している。

第1ステージでは、受信信号R0 がユーザチャネル対応の各干渉キャンセラユニットICU1,1 〜ICU1,k に入力され、各干渉キャンセラユニットICU1,1 〜ICU1,k は、シンボルレプリカ信号S1,1 〜S1,k 及び干渉レプリカ信号d1,1 〜d1,k を出力し、合成部52はユーザチャネル対応の干渉レプリカ信号d1,1 〜d1,k を合成し、該合成した干渉レプリカ信号d1,1 〜d1,k を受信信号R0 から差し引くことにより、第1ステージの誤差信号e1 を出力する。

第2ステージでは、各干渉キャンセラユニットICU2,1 〜ICU2,k に、第1ステージの合成部52からの誤差信号e1 と、第1ステージの干渉キャンセラユニットICU1,1 〜ICU1,k からのシンボルレプリカ信号S1,1 〜S1,k とが入力され、各干渉キャンセラユニットICU2,1 〜ICU2,k は、シンボルレプリカ信号S2,1 〜S2,k 及び干渉レプリカ信号d2,1 〜d2,k を出力し、合成部52はユーザチャネル対応の干渉レプリカ信号d2,1 〜d2,k を合成し、該合成した干渉レプリカ信号d2,1 〜d2,k を第1ステージの誤差信号e1 から差し引くことにより、第2ステージの誤差信号e2 を出力する。

最終ステージの第mステージでは、各受信器ReCm,1 〜ReCm,k に、前ステージの誤差信号em-1 と前ステージのシンボルレプリカ信号Sm-1,1 〜Sm-1,k とが入力され、各受信器ReCm,1 〜ReCm,k は、それらの入力信号から干渉除去を行い、データシンボルを復号する。各ステージにおける干渉除去処理を順次繰り返すことによって、徐々に誤差信号は小さくなり、ユーザ間等の干渉が除去されたシンボルレプリカ信号が得られる。

図6は従来例の干渉キャンセラユニットの説明図である。60は干渉キャンセラユニット(ICU)、61は逆拡散処理部、61−1は逆拡散器、61−2は加算器、61−3は乗算器、61−4は伝搬路推定回路、62は合成部、63は判定部、64は拡散処理部、64−1は乗算器、64−2は加算器、64−3は再拡散器、65は合成部である。

逆拡散処理部61及び拡散処理部64は、受信遅延波数即ちパス伝搬経路)の多重数に対応して複数設けられ、図6は3つ並列に設けた例を示している。又、同図においてパス対応の信号には添字iを付している(図示の例ではi=1〜3)。なお、パス対応の信号はレイクフィンガ(Rake Finger)と称される。

逆拡散処理部61には、前ステージの誤差信号ej-1 (第1ステージの場合は受信信号R0 )と、前ステージのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k (第1ステージの場合は)とが入力され、前ステージの誤差信号ej-1 (第1ステージの場合は受信信号R0 )に対して逆拡散器61−1は拡散コードによって逆拡散して復調する。なお、jはステージ番号である。

逆拡散復調された信号と前ステージのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k (第1ステージの場合は零)とは加算器61−2により加算され第iパスの受信シンボルRi が生成される。この受信シンボルRi は伝搬路推定回路61−4に入力され、伝搬路推定回路61−4は、図7に示すパイロットシンボルを用いてそれぞれのパスの伝搬路の特性を推定し、パス毎伝搬路推定値ξi ^を出力する。

この伝搬路推定値ξi ^の複素共役ξi ^* を、逆拡散復調した信号Ri に乗算器61−3で乗じることにより、伝搬路の影響による位相ずれが取り除かれた受信シンボルが出力される。

各パス毎の乗算器61−3からの出力信号は、合成部62(Σ)により最大比合成ダイバーシティ合成)され、該最大比合成された受信シンボルΣRi ξi^* は、判定部63において閾値と比較することによりデ−タシンボルとして仮判定される。

逆拡散処理部61から出力生成される信号をレプリカ生成信号と称す。レプリカ生成信号は後段の拡散処理部64によりシンボルレプリカ信号及び干渉レプリカ信号に変換処理されて次ステージに送出される。

前記判定部63からの仮判定データシンボルZS ^は、パス対応に分岐され、拡散処理部64の乗算器64−1により、前記伝搬路推定値ξi ^が乗じられて再びそれぞれのパス毎の信号に分解され、シンボルレプリカ信号Sj,1 〜Sj,kとして次ステージに送出される。

又、前記乗算器64−1から出力されるパス毎のシンボルレプリカ信号Sj,1〜Sj,k と、前ステージからのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k とが、加算器64−2に入力され、加算器64−2は、このステージのシンボルレプリカ信号Sj,1 〜Sj,k と、前ステージのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k の差を出力し、該加算器64−2の出力信号は、再拡散器64−3において拡散コードにより拡散され、再拡散器64−3からの拡散出力信号は、合成部(Σ)65により他のパスの拡散出力信号と合成されて、干渉レプリカ信号dj,1 〜dj,k として前記図5に示した合成部(Σ)52に出力される。

最終ステージの受信器53は、逆拡散処理部61、合成部(Σ)62及び判定部63を備え、最終ステージ受信器53の逆拡散処理部61には、前ステージの干渉レプリカ生成ユニットのからの誤差信号em-1 とシンボルレプリカ信号Sm-1,1 〜Sm-1,k とが入力され、最終ステージ受信器53の逆拡散処理部61は前述した干渉キャンセラユニットの逆拡散処理部と同様の処理を行い、受信シンボルを出力する。

最終ステージ受信器53の合成部(Σ)62は、逆拡散処理部61から出力される受信シンボルを最大比合成(ダイバーシティ合成)し、該最大比合成された受信シンボルΣRi ξi ^* は、判定部63により最終判定され、復号器においてデインターリーブ誤り訂正等の復号処理を受け、情報データとして再生される。

このように、受信信号は各ユーザチャネル対応の各ステージの干渉レプリカ生成ユニット及び最終ステージの受信器の逆拡散処理部61において、遅延波(パス)ごとに逆拡散処理が行われ、それぞれのパスはシンボルレートに変換される。

そして、伝搬路推定回路61−4により、パイロットシンボルを用いてそれぞれのパスの伝搬路の特性(フェージング複素包絡線) を推定し、その複素共役を乗じることにより伝搬路の影響を除去したデータシンボルを生成して受信データを判定する。

ここでパイロットシンボルを用いた伝搬路の推定について説明する。一般に、移動体通信において、多重波伝搬路(マルチパス)が形成される環境を通信端末が移動することに伴い、フェージングによる伝搬路特性の変動が生じる。

このような状況下でデータシンボルを受信復調する場合、データシンボルと共に送信されるパイロットシンボルを受信復調し、該パイロットシンボルから伝搬路特性(フェージング複素包絡線) を推定し、伝搬路による影響を除去してデータシンボルの同期検波を行う手法が広く用いられている。

前述のパイロットシンボルは、振幅及び位相が予め定められた既知のシンボルであり、データシンボルの間に内挿されるか又はデータシンボル用のチャネルとは別のチヤネル外挿されて送信装置から送出される。

パイロットシンボルが内挿される場合、パイロットシンボルはデータフレームの所定の位置に挿入されて送信され、受信装置ではデータフレームの前に付加されるプリアンブル等による同期合わせにより、パイロットシンボル位置を認識し、その位置のシンボルを受信復調し、その振幅及び位相の値から伝搬路の特性を推定する。

一方、パイロットシンボルが外挿される場合、パイロットシンボルとデータシンボルとは互いに直行したチャネルにより多重されて送信される。このようにパイロットシンボルがデータシンボルと並列して送信されるため、外挿パイロットシンボルを送信する方式は、並列パイロットチャネル方式とも呼ばれる。外挿パイロット方式は、直行コードで多重分離するプロセスがあるため、DS−CDMAによる移動通信の分野での応用が検討されている。

今、パイロットシンボルとして送信されるシンボルをZとする。この時の伝搬路特性をξとすると、受信シンボルは、Z・ξとなる。パイロットシンボルZは予めその振幅及び位相が既知のシンボルである。そして、伝搬路を経由して受信される受信シンボルZn・ξnに、既知であるパイロットシンボルの複素共役であるZ* を乗ずると、その値は、ξn・|Z|2 となる。

パイロットシンボルべクトルの大きさは解っている(|Z|≡1としてもよい。)ので、伝搬路特性ξをこの計算により推定することができる。伝搬路推定回路61−4はこの演算を行って、伝搬路推定値ξ^を出力する。推定値ξ^を式で示すと以下のとおりである。
ξ^=Zξ・Z* =ξ・|Z|2 ・・・・(1)

実際には、受信シンボルは雑音や干渉の影響を受けており、正確に伝搬路特性を推定することは難しい。したがって、複数のパイロットシンボルにより求めた伝搬路特性の平均をとり、推定精度を向上させる。一般には、フェージングによる伝搬路の時間的な変動に追従するために、移動区間の複数のパイロットシンボル間での移動平均が行われる。

今、n番目のパイロットシンボルの前後複数のパイロットシンボルの平均により推定された伝搬路特性をξn^とする。n番目の送信データシンボルをZn、実際の伝搬路をξnとすると、受信データシンボルは、Zn・ξnなので、これに伝搬路推定値の複素共役ξn^* を乗算器61−3により乗じ、伝搬路推定値ξn^のベクトルの絶対値の2乗で割ることにより、受信データシンボルから伝搬路の影響を除去した送信データシンボルZnが復調される。この復調データシンボルをZn^とし、前述の演算を式で表すと以下のようになる。
Zn^=Zn・ξn・ξn^* /|ξn^|2 ・・・・(2)

このようにして同期検波されたデータシンボルは、合成部62によりダイバーシチ合成を行った後、判定部63において、その位相について判定され、又多値QAM等の場合はその振幅についても判定される。

そして、再拡散部64において、判定部63により判定したシンボルに、先程の伝搬路推定値ξを乗じて再びそれぞれのパスに分離した後、再拡散を行ない、シンボルレプリカ及び干渉レプリカ信号が生成され、それらを次のステージに渡し、次のステージでは同様の処理を繰り返すことにより、徐々に干渉が除去される。

なお、図では、逆拡散後の信号線が1本しか描かれていないが、これらはバス構造になっており、データシンボルとパイロットシンボルが時間多重されて伝送されているものとする。

図7はパイロットシンボルによる伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。同図に示すように、パイロットシンボルとデータシンボルとは、それぞれ別々のパイロットチャネル71及びデータチャネル72により送信されるものとする。

この場合、データシンボルとパイロットシンボルは別々のコードで拡散多重され、同一の搬送波変調される。したがって、2つのチャネルは同一の伝搬路の影響を受けた後受信される。受信側では、それぞれのコードで逆拡散を行い、データシンボルとパイロットシンボルを分離する。

干渉や雑音の影響を低減する為に、復調処理に用いられる伝搬路推定値は、図7に示すように、ある一定区間73のパイロットシンボルによる伝搬路推定値を平均することにより求められる。また、フェージングによる伝搬路の変動に追従するため、一定区間を保った状態で移動平均を行う。

移動平均区間73は、伝搬路の特性が大きく変動しない範囲で決められる。図7に示すように、処理遅延が生じないように、復調するデータシンボル以前のパイロットシンボルの移動平均により伝搬路推定を行い、該伝搬路推定値を用いて復調データシンボル74を同期検波する。

図8は、マルチステージ型干渉キャンセラの各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。同図において、(A)は第1ステージ、(B)は第2ステージ、(C)は第3ステージのそれぞれフレーム先頭シンボル81と伝搬路推定値移動平均区間82と復調データシンボル83のタイミング関係を示す。

ステージ間では、数シンボル程度の時間τのステージ間処理遅延が生じるが、これはRAKE合成パスダイバーシチ合成)を行うための遅延調整や、ステージ間でデータを転送する際の入出力遅延等から生ずるものである。

概要

DS−CDMA移動通信に適用されるマルチステージ型の干渉キャンセラにおける伝搬路推定法及び干渉除去装置に関し、パイロット外挿同期検波を行なう際に、処理遅延を増大させることなく、伝搬路の推定精度を向上させる。

ステージ毎の干渉キャンセラユニット51及び最終ステージの受信器53が縦続接続され、拡散符号により変調された信号を受信し、外挿パイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定し、干渉レプリカを生成して受信信号から差し引き、干渉を除去するマルチステージ型の干渉キャンセラにするマルチステージ型の干渉キャンセラにおいて、各ステージの干渉キャンセラユニット51で推定された伝搬路推定値を他のステージの干渉キャンセラユニットに信号線10を介して通知し、各ステージの干渉キャンセラユニットは自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する。

目的

本発明は、DS−CDMA移動通信に適用されるマルチステージ型干渉キャンセラにおいて、パイロット外挿同期検波を行なう際に、処理遅延を増大させることなく、伝搬路の推定精度を向上させることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
2件

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請求項1

拡散符号により変調された信号を受信するマルチステージ型の干渉キャンセラにおいて、データシンボル用のチャネルとは別のチャネルで送信されるパイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定する伝搬路推定方法であって、干渉キャンセラの各ステージで推定された伝搬路推定値を他のステージに通知し、各ステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する過程を含むことを特徴とする干渉キャンセラにおける伝搬路推定方法。

請求項2

後段のステージで推定された伝搬路推定値を、前段のステージに通知し、前段のステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と後段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する過程を含むことを特徴とする請求項1記載の干渉キャンセラにおける伝搬路推定方法。

請求項3

前段のステージで既に推定された時間的に先行する伝搬路推定値を、後段のステージに通知し、後段のステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と前段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する過程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の干渉キャンセラにおける伝搬路推定方法。

請求項4

自ステージで推定された伝搬路推定値と、他のステージから通知された伝搬路推定値とを、それぞれステージ毎信頼度に応じて加重平均して伝搬路推定値を算定する過程を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の干渉キャンセラにおける伝搬路推定方法。

請求項5

拡散符号により変調された信号を干渉除去して受信するマルチステージ型の干渉除去装置であって、各ステージ毎の干渉キャンセラユニット及び最終ステージ受信器縦続接続したマルチステージ型の干渉除去装置において、前記各ステージ毎の干渉キャンセラユニット及び最終ステージの受信器は、データシンボル用のチャネルとは別のチャネルで送信されるパイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定する伝搬路推定回路を備え、該伝搬路推定回路は、各ステージで推定された伝搬路推定値を他のステージの伝搬路推定回路に信号線により通知し、各ステージの伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する構成を備えたことを特徴とする干渉除去装置。

請求項6

前記伝搬路推定回路は、後段のステージの伝搬路推定回路で推定された伝搬路推定値を、前段のステージの伝搬路推定回路に通知し、前段のステージの伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と後段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する構成を備えたことを特徴とする請求項5記載の干渉除去装置。

請求項7

前記伝搬路推定回路は、前段のステージの伝搬路推定回路で既に推定された時間的に先行する伝搬路推定値を、後段のステージの伝搬路推定回路に通知し、後段のステージの伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と前段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する構成を備えたことを特徴とする請求項5又は6記載の干渉除去装置。

請求項8

前記伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と、他のステージの伝搬路推定回路から通知された伝搬路推定値とを、それぞれステージ毎の信頼度に応じて加重平均して伝搬路推定値を算定する構成を備えたことを特徴とする請求項5乃至7いずれか1項記載の干渉除去装置。

技術分野

0001

本発明は、DS−CDMA移動通信に適用されるマルチステージ型の干渉キャンセラにおける伝搬路推定法及び干渉除去装置に関し、特に、データとは別のチャネルで送信されるパイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定し、干渉レプリカを生成して受信信号から差し引き、干渉を除去するマルチステージ型の干渉キャンセラにおける伝搬路推定法及び干渉除去装置に関する。

0002

DS−CDMA(Direct Sequence Code Division Multiple Access ;直接スペクトル拡散符号分割多重アクセス移動通信システムでは、移動局との間の非同期により生じる拡散コード間相互相関に起因する他の移動局(他ユーザチャネル)からの干渉やマルチパスによる干渉が発生し、これらの干渉は移動通信システムのチャネル容量及び伝送品質を低下させる要因となる。そのためこのような干渉を受信信号から精度良く除去し、信号電力干渉電力比(SIR)を向上させる干渉キャンセラの適用が重要な課題となっている。

背景技術

0003

図5は従来例のマルチステージ型の干渉キャンセラの説明図である。マルチステージ型干渉キャンセラの各ステージは、干渉キャンセラユニット51と合成部(Σ)52とにより構成され、それらがステージ順に縦続接続される。同図は第1〜第mステージから成るマルチステージ型の干渉キャンセラを示し、最終ステージの第mステージにはデータシンボル受信器53が接続される。

0004

各干渉キャンセラユニット51及び最終ステージの受信器53は、ユーザチャネル対応に並列に設けられ、該干渉キャンセラユニット51(ICU1,1 〜ICU1,k ,ICU2,1 〜ICU2,k ,・・・)の添字は、ステージ番号びユーザチャネル対応のユーザ番号を示している。

0005

第1ステージでは、受信信号R0 がユーザチャネル対応の各干渉キャンセラユニットICU1,1 〜ICU1,k に入力され、各干渉キャンセラユニットICU1,1 〜ICU1,k は、シンボルレプリカ信号S1,1 〜S1,k 及び干渉レプリカ信号d1,1 〜d1,k を出力し、合成部52はユーザチャネル対応の干渉レプリカ信号d1,1 〜d1,k を合成し、該合成した干渉レプリカ信号d1,1 〜d1,k を受信信号R0 から差し引くことにより、第1ステージの誤差信号e1 を出力する。

0006

第2ステージでは、各干渉キャンセラユニットICU2,1 〜ICU2,k に、第1ステージの合成部52からの誤差信号e1 と、第1ステージの干渉キャンセラユニットICU1,1 〜ICU1,k からのシンボルレプリカ信号S1,1 〜S1,k とが入力され、各干渉キャンセラユニットICU2,1 〜ICU2,k は、シンボルレプリカ信号S2,1 〜S2,k 及び干渉レプリカ信号d2,1 〜d2,k を出力し、合成部52はユーザチャネル対応の干渉レプリカ信号d2,1 〜d2,k を合成し、該合成した干渉レプリカ信号d2,1 〜d2,k を第1ステージの誤差信号e1 から差し引くことにより、第2ステージの誤差信号e2 を出力する。

0007

最終ステージの第mステージでは、各受信器ReCm,1 〜ReCm,k に、前ステージの誤差信号em-1 と前ステージのシンボルレプリカ信号Sm-1,1 〜Sm-1,k とが入力され、各受信器ReCm,1 〜ReCm,k は、それらの入力信号から干渉除去を行い、データシンボルを復号する。各ステージにおける干渉除去処理を順次繰り返すことによって、徐々に誤差信号は小さくなり、ユーザ間等の干渉が除去されたシンボルレプリカ信号が得られる。

0008

図6は従来例の干渉キャンセラユニットの説明図である。60は干渉キャンセラユニット(ICU)、61は逆拡散処理部、61−1は逆拡散器、61−2は加算器、61−3は乗算器、61−4は伝搬路推定回路、62は合成部、63は判定部、64は拡散処理部、64−1は乗算器、64−2は加算器、64−3は再拡散器、65は合成部である。

0009

逆拡散処理部61及び拡散処理部64は、受信遅延波数即ちパス伝搬経路)の多重数に対応して複数設けられ、図6は3つ並列に設けた例を示している。又、同図においてパス対応の信号には添字iを付している(図示の例ではi=1〜3)。なお、パス対応の信号はレイクフィンガ(Rake Finger)と称される。

0010

逆拡散処理部61には、前ステージの誤差信号ej-1 (第1ステージの場合は受信信号R0 )と、前ステージのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k (第1ステージの場合は)とが入力され、前ステージの誤差信号ej-1 (第1ステージの場合は受信信号R0 )に対して逆拡散器61−1は拡散コードによって逆拡散して復調する。なお、jはステージ番号である。

0011

逆拡散復調された信号と前ステージのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k (第1ステージの場合は零)とは加算器61−2により加算され第iパスの受信シンボルRi が生成される。この受信シンボルRi は伝搬路推定回路61−4に入力され、伝搬路推定回路61−4は、図7に示すパイロットシンボルを用いてそれぞれのパスの伝搬路の特性を推定し、パス毎伝搬路推定値ξi ^を出力する。

0012

この伝搬路推定値ξi ^の複素共役ξi ^* を、逆拡散復調した信号Ri に乗算器61−3で乗じることにより、伝搬路の影響による位相ずれが取り除かれた受信シンボルが出力される。

0013

各パス毎の乗算器61−3からの出力信号は、合成部62(Σ)により最大比合成ダイバーシティ合成)され、該最大比合成された受信シンボルΣRi ξi^* は、判定部63において閾値と比較することによりデ−タシンボルとして仮判定される。

0014

逆拡散処理部61から出力生成される信号をレプリカ生成信号と称す。レプリカ生成信号は後段の拡散処理部64によりシンボルレプリカ信号及び干渉レプリカ信号に変換処理されて次ステージに送出される。

0015

前記判定部63からの仮判定データシンボルZS ^は、パス対応に分岐され、拡散処理部64の乗算器64−1により、前記伝搬路推定値ξi ^が乗じられて再びそれぞれのパス毎の信号に分解され、シンボルレプリカ信号Sj,1 〜Sj,kとして次ステージに送出される。

0016

又、前記乗算器64−1から出力されるパス毎のシンボルレプリカ信号Sj,1〜Sj,k と、前ステージからのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k とが、加算器64−2に入力され、加算器64−2は、このステージのシンボルレプリカ信号Sj,1 〜Sj,k と、前ステージのシンボルレプリカ信号Sj-1,1 〜Sj-1,k の差を出力し、該加算器64−2の出力信号は、再拡散器64−3において拡散コードにより拡散され、再拡散器64−3からの拡散出力信号は、合成部(Σ)65により他のパスの拡散出力信号と合成されて、干渉レプリカ信号dj,1 〜dj,k として前記図5に示した合成部(Σ)52に出力される。

0017

最終ステージの受信器53は、逆拡散処理部61、合成部(Σ)62及び判定部63を備え、最終ステージ受信器53の逆拡散処理部61には、前ステージの干渉レプリカ生成ユニットのからの誤差信号em-1 とシンボルレプリカ信号Sm-1,1 〜Sm-1,k とが入力され、最終ステージ受信器53の逆拡散処理部61は前述した干渉キャンセラユニットの逆拡散処理部と同様の処理を行い、受信シンボルを出力する。

0018

最終ステージ受信器53の合成部(Σ)62は、逆拡散処理部61から出力される受信シンボルを最大比合成(ダイバーシティ合成)し、該最大比合成された受信シンボルΣRi ξi ^* は、判定部63により最終判定され、復号器においてデインターリーブ誤り訂正等の復号処理を受け、情報データとして再生される。

0019

このように、受信信号は各ユーザチャネル対応の各ステージの干渉レプリカ生成ユニット及び最終ステージの受信器の逆拡散処理部61において、遅延波(パス)ごとに逆拡散処理が行われ、それぞれのパスはシンボルレートに変換される。

0020

そして、伝搬路推定回路61−4により、パイロットシンボルを用いてそれぞれのパスの伝搬路の特性(フェージング複素包絡線) を推定し、その複素共役を乗じることにより伝搬路の影響を除去したデータシンボルを生成して受信データを判定する。

0021

ここでパイロットシンボルを用いた伝搬路の推定について説明する。一般に、移動体通信において、多重波伝搬路(マルチパス)が形成される環境を通信端末が移動することに伴い、フェージングによる伝搬路特性の変動が生じる。

0022

このような状況下でデータシンボルを受信復調する場合、データシンボルと共に送信されるパイロットシンボルを受信復調し、該パイロットシンボルから伝搬路特性(フェージング複素包絡線) を推定し、伝搬路による影響を除去してデータシンボルの同期検波を行う手法が広く用いられている。

0023

前述のパイロットシンボルは、振幅及び位相が予め定められた既知のシンボルであり、データシンボルの間に内挿されるか又はデータシンボル用のチャネルとは別のチヤネル外挿されて送信装置から送出される。

0024

パイロットシンボルが内挿される場合、パイロットシンボルはデータフレームの所定の位置に挿入されて送信され、受信装置ではデータフレームの前に付加されるプリアンブル等による同期合わせにより、パイロットシンボル位置を認識し、その位置のシンボルを受信復調し、その振幅及び位相の値から伝搬路の特性を推定する。

0025

一方、パイロットシンボルが外挿される場合、パイロットシンボルとデータシンボルとは互いに直行したチャネルにより多重されて送信される。このようにパイロットシンボルがデータシンボルと並列して送信されるため、外挿パイロットシンボルを送信する方式は、並列パイロットチャネル方式とも呼ばれる。外挿パイロット方式は、直行コードで多重分離するプロセスがあるため、DS−CDMAによる移動通信の分野での応用が検討されている。

0026

今、パイロットシンボルとして送信されるシンボルをZとする。この時の伝搬路特性をξとすると、受信シンボルは、Z・ξとなる。パイロットシンボルZは予めその振幅及び位相が既知のシンボルである。そして、伝搬路を経由して受信される受信シンボルZn・ξnに、既知であるパイロットシンボルの複素共役であるZ* を乗ずると、その値は、ξn・|Z|2 となる。

0027

パイロットシンボルべクトルの大きさは解っている(|Z|≡1としてもよい。)ので、伝搬路特性ξをこの計算により推定することができる。伝搬路推定回路61−4はこの演算を行って、伝搬路推定値ξ^を出力する。推定値ξ^を式で示すと以下のとおりである。
ξ^=Zξ・Z* =ξ・|Z|2 ・・・・(1)

0028

実際には、受信シンボルは雑音や干渉の影響を受けており、正確に伝搬路特性を推定することは難しい。したがって、複数のパイロットシンボルにより求めた伝搬路特性の平均をとり、推定精度を向上させる。一般には、フェージングによる伝搬路の時間的な変動に追従するために、移動区間の複数のパイロットシンボル間での移動平均が行われる。

0029

今、n番目のパイロットシンボルの前後複数のパイロットシンボルの平均により推定された伝搬路特性をξn^とする。n番目の送信データシンボルをZn、実際の伝搬路をξnとすると、受信データシンボルは、Zn・ξnなので、これに伝搬路推定値の複素共役ξn^* を乗算器61−3により乗じ、伝搬路推定値ξn^のベクトルの絶対値の2乗で割ることにより、受信データシンボルから伝搬路の影響を除去した送信データシンボルZnが復調される。この復調データシンボルをZn^とし、前述の演算を式で表すと以下のようになる。
Zn^=Zn・ξn・ξn^* /|ξn^|2 ・・・・(2)

0030

このようにして同期検波されたデータシンボルは、合成部62によりダイバーシチ合成を行った後、判定部63において、その位相について判定され、又多値QAM等の場合はその振幅についても判定される。

0031

そして、再拡散部64において、判定部63により判定したシンボルに、先程の伝搬路推定値ξを乗じて再びそれぞれのパスに分離した後、再拡散を行ない、シンボルレプリカ及び干渉レプリカ信号が生成され、それらを次のステージに渡し、次のステージでは同様の処理を繰り返すことにより、徐々に干渉が除去される。

0032

なお、図では、逆拡散後の信号線が1本しか描かれていないが、これらはバス構造になっており、データシンボルとパイロットシンボルが時間多重されて伝送されているものとする。

0033

図7はパイロットシンボルによる伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。同図に示すように、パイロットシンボルとデータシンボルとは、それぞれ別々のパイロットチャネル71及びデータチャネル72により送信されるものとする。

0034

この場合、データシンボルとパイロットシンボルは別々のコードで拡散多重され、同一の搬送波変調される。したがって、2つのチャネルは同一の伝搬路の影響を受けた後受信される。受信側では、それぞれのコードで逆拡散を行い、データシンボルとパイロットシンボルを分離する。

0035

干渉や雑音の影響を低減する為に、復調処理に用いられる伝搬路推定値は、図7に示すように、ある一定区間73のパイロットシンボルによる伝搬路推定値を平均することにより求められる。また、フェージングによる伝搬路の変動に追従するため、一定区間を保った状態で移動平均を行う。

0036

移動平均区間73は、伝搬路の特性が大きく変動しない範囲で決められる。図7に示すように、処理遅延が生じないように、復調するデータシンボル以前のパイロットシンボルの移動平均により伝搬路推定を行い、該伝搬路推定値を用いて復調データシンボル74を同期検波する。

0037

図8は、マルチステージ型干渉キャンセラの各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。同図において、(A)は第1ステージ、(B)は第2ステージ、(C)は第3ステージのそれぞれフレーム先頭シンボル81と伝搬路推定値移動平均区間82と復調データシンボル83のタイミング関係を示す。

0038

ステージ間では、数シンボル程度の時間τのステージ間処理遅延が生じるが、これはRAKE合成パスダイバーシチ合成)を行うための遅延調整や、ステージ間でデータを転送する際の入出力遅延等から生ずるものである。

発明が解決しようとする課題

0039

パイロット同期検波の受信特性は、伝搬路の推定精度に大きく影響される。特に、マルチステージ型の干渉キャンセラでは、伝搬路推定値は仮判定のためのRAKE合成だけでなく、干渉レプリカの生成にも使われているため、干渉除去特性に大きく影響する。したがって、DS−CDMA移動通信では、伝搬路の推定精度を向上させることが、受信持性およびセル容量特性を向上させる上で重要である。

0040

伝搬路の推定精度を上げる方法として、復調するデータシンボルより後のパイロットシンボルも用いる方法が考えられる。しかし、この方法は各ステージにおける処理遅延を増大させることになる。特にステージ数の多い干渉キャンセラでは、処理遅延はステージ数倍になり問題である。また、DS−CDMA移動通信では、送信電力制御を行っており、処理遅延の増大は送信電力制御の遅延となり、受信特性がさらに劣化する。

0041

本発明は、DS−CDMA移動通信に適用されるマルチステージ型干渉キャンセラにおいて、パイロット外挿同期検波を行なう際に、処理遅延を増大させることなく、伝搬路の推定精度を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0042

本発明の干渉キャンセラにおける伝搬路推定方法は、(1)拡散符号により変調された信号を受信するマルチステージ型の干渉キャンセラにおいて、データシンボル用のチャネルとは別のチャネルで送信されるパイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定する伝搬路推定方法であって、干渉キャンセラの各ステージで推定された伝搬路推定値を他のステージに通知し、各ステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する過程を含むものである。

0043

又、(2)後段のステージで推定された伝搬路推定値を、前段のステージに通知し、前段のステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と後段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する過程を含むものである。

0044

マルチステージ型干渉キャンセラでは、後段のステージに進むほど干渉が除去されていくため伝搬路推定精度が良くなり、後段のステージで推定した伝搬路推定値を前段のステージで利用することにより、前段のステージにおける伝搬路推定精度が向上する。

0045

又、(3)前段のステージで既に推定された時間的に先行する伝搬路推定値を、後段のステージに通知し、後段のステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と前段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する過程を含むものである。

0046

各ステージ間には数シンボル程度の処理遅延が生じているため、後段のステージでは前段のステージより数シンボル先に入力されたシンボルの復調処理が行われている。したがって、後段のステージにとっては、このシンボルより後の時間的位置の伝搬路推定値が、前段のステージで既に推定されていることになり、この伝搬路推定値を利用することにより、後段のステージにおける伝搬路推定精度が向上する。

0047

又、(4)自ステージで推定された伝搬路推定値と、他のステージから通知された伝搬路推定値とを、それぞれステージ毎信頼度に応じて加重平均して伝搬路推定値を算定する過程を含むものである。

0048

又、本発明の干渉除去装置は、(5)拡散符号により変調された信号を干渉除去して受信するマルチステージ型の干渉除去装置であって、各ステージ毎の干渉キャンセラユニット及び最終ステージの受信器を縦続接続したマルチステージ型の干渉除去装置において、前記各ステージ毎の干渉キャンセラユニット及び最終ステージの受信器は、データシンボル用のチャネルとは別のチャネルで送信されるパイロットシンボルを用いて伝搬路の特性を推定する伝搬路推定回路を備え、該伝搬路推定回路は、各ステージで推定された伝搬路推定値を他のステージの伝搬路推定回路に信号線により通知し、各ステージの伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する構成を備えたものである。

0049

又、(6)前記伝搬路推定回路は、後段のステージの伝搬路推定回路で推定された伝搬路推定値を、前段のステージの伝搬路推定回路に通知し、前段のステージの伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と後段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する構成を備えたものである。

0050

又、(7)前記伝搬路推定回路は、前段のステージの伝搬路推定回路で既に推定された時間的に先行する伝搬路推定値を、後段のステージの伝搬路推定回路に通知し、後段のステージの伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と前段のステージから通知された伝搬路推定値とを用いて伝搬路推定値を算定する構成を備えたものである。

0051

又、(8)前記伝搬路推定回路は、自ステージで推定された伝搬路推定値と、他のステージの伝搬路推定回路から通知された伝搬路推定値とを、それぞれステージ毎の信頼度に応じて加重平均して伝搬路推定値を算定する構成を備えたものである。

発明を実施するための最良の形態

0052

図1は本発明のマルチステージ型干渉キャンセラの説明図である。同図に示した干渉キャンセラユニット(ICU)51、合成部(Σ)52、最終ステージの受信器(ReC)53の基本的な構成及び機能は、図5に示した従来例のマルチステージ型干渉キャンセラにおけるものと同様のものであり、重複した説明は省略する。

0053

発明のマルチステージ型干渉キャンセラは、各ステージの干渉キャンセラユニット(ICU)51及び最終ステージの受信器(ReC)53の伝搬路推定回路が、信号線10により相互に接続され、ステージ間で伝搬路推定情報を転送し合うことができる構成になっている。

0054

図2は本発明の干渉キャンセラユニットの説明図である。同図に示した干渉キャンセラユニット(ICU)60、逆拡散処理部61、逆拡散器61−1、加算器61−2、乗算器61−3、伝搬路推定回路61−4、合成部(Σ)62、判定部63、拡散処理部64、乗算器64−1、加算器64−2、再拡散器64−3、合成部(Σ)65の基本的な構成及び機能は、図6に示した従来例の干渉キャンセラユニットにおけるものと同様のものであり、重複した説明は省略する。

0055

本発明の干渉キャンセラユニットは、伝搬路推定回路61−4が信号線10により他のステージの伝搬路推定回路と接続され、伝搬路推定情報をステージ間で互いに転送し合うことができる構成になっている。

0056

マルチステージ型干渉キャンセラでは、後段のステージに進むほど干渉が除去されていくため伝搬路推定精度が良くなるので、後段のステージで推定した伝搬路推定情報を前段のステージで利用することにより、前段のステージにおける伝搬路推定精度を向上させることができる。

0057

図3は本発明の第1の実施の形態の各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。同図において、(A)は第1ステージ、(B)は第2ステージ、(C)は第3ステージのそれぞれフレーム先頭シンボル31と伝搬路推定値移動平均区間32と復調データシンボル33のタイミング関係を示す。

0058

各ステージ間では、数シンボル程度のステージ間処理遅延が生じるが、これは前述したとおり、RAKE合成(パスダイバーシチ合成)を行うための遅延調整やステージ間でデータを転送する際の入出力遅延等から生ずるものである。伝搬路推定用の移動平均区間32は、各ステージで同一であり、フェージング周期適合した時間間隔Tを有し、ステージ間処理遅延時間τより充分長い。

0059

第1ステージ、第2ステージ及び第3ステージでは、それぞれ自ステージの伝搬路推定回路64−1で受信したパイロットシンボルを用いて伝搬路を推定し、その各ステージで得られる伝搬路推定値をそれぞれξ1 、ξ2 、ξ3 とする。

0060

前述したように、後段のステージほど伝搬路推定精度が良くなるので、後段のステージで推定した伝搬路推定値を前段のステージに転送し、前段のステージでは後段のステージの伝搬路推定値を、伝搬路推定用の移動平均区間32に組み入れて移動平均することにより、前段のステージにおける伝搬路推定精度を向上させることができる。

0061

第1ステージでは、自らのパイロットシンボルで推定した伝搬路推定値ξ1 をステージ間処理遅延時間τのみ使用し、又、この伝搬路推定値ξ1 より前の位置での伝搬路推定値は、第2ステージで既に求められている伝搬路推定値ξ2 をステージ間処理遅延時間τのみ用い、更にこの伝搬路推定値ξ2 より前の位置での伝搬路推定値は、第3ステージで既に求められている伝搬路推定値ξ3 を、移動平均区間32の残りの区間に用いて移動平均を行い、精度の高い伝搬路推定値をもとに、復調データシンボル33を同期検波することができる。

0062

この場合、第1ステージの移動平均区間32の残りの区間に用いられる伝搬路推定値ξ3 は、復調データシンボル33に時間的により近い位置の伝搬路推定値ξ3-1 を用いる。

0063

第2ステージでは、自らのパイロットシンボルで推定した伝搬路推定値ξ2 をステージ間処理遅延時間τのみ使用し、又、この伝搬路推定値ξ2 より前の位置での伝搬路推定値は、第3ステージで既に求められている伝搬路推定値ξ3 を、移動平均区間32の残りの区間に用いて移動平均を行い、この伝搬路推定値をもとに、復調データシンボル33を同期検波する。

0064

なお、この場合も、第2ステージの移動平均区間32の残りの区間に用いられる伝搬路推定値ξ3 は、復調データシンボル33に時間的により近い位置の伝搬路推定値ξ3-2 を用いる。そして、最終段の第 3ステージにおいては、自ステージで推定した最も精度の高い伝搬路推定値ξ3 をもとに移動平均を行って、復調データシンボル33を同期検波する。

0065

以上説明した第1の実施の形態は、後段のステージの伝搬路推定値を前段のステージに転送することにより、前段のステージの伝搬路推定値及び復調データシンボルの精度を向上させる構成であったが、逆に前段のステージの伝搬路推定値を後段のステージに転送することにより、後段のステージの伝搬路推定値を向上させることができる。以下、この第2の実施の形態について説明する。

0066

各ステージ間には数シンボル程度の処理遅延が生じているため、後段のステージでは、前段のステージより数シンボル前のシンボルの復調処理が行われている。そのため、後段のステージにおいてはこのシンボルの後の時間位置での伝搬路推定値が前段のステージで既に求められているので、この前段のステージの伝搬路推定値を利用することにより、後段のステージにおける伝搬路推定精度を向上することができる。

0067

図4は本発明の第2の実施の形態の各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。同図において、(A)は第1ステージ、(B)は第2ステージ、(C)は第3ステージのそれぞれフレーム先頭シンボル41と伝搬路推定値移動平均区間42と復調データシンボル43のタイミング関係を示す。

0068

図4は第1の実施の形態と同様に、後段のステージの伝搬路推定値を前段のステージに転送するとともに、前段のステージの伝搬路推定値を後段のステージに転送する形態を示している。

0069

第2ステージにおいて、データシンボルの復調処理を行う際には、第1ステージの伝搬路推定回路により、ステージ間処理遅延時間τに相当するシンボル数だけ先の伝搬路情報ξ1 が既に推定されている。

0070

したがって、第2ステージの伝搬路推定回路は、この第1ステージの伝搬路推定値ξ1 を第1ステージの伝搬路推定回路から信号線を介して受け取り、第1ステージの伝搬路推定値ξ1 と第2ステージの伝搬路推定値ξ2 と第2ステージの伝搬路推定値ξ3 とを用いて移動平均し、該移動平均した伝搬路推定値をもとに復調データシンボル33を同期検波する。

0071

前述したように、前段のステージの伝搬路推定値は、後段のステージの伝搬路推定値より全体としては精度が低いが、復調処理を行うデータシンボルを時間的に前後に取り囲む時間位置での伝搬路推定値を移動平均することにより、データシンボル復調時の伝搬路推定値の精度が向上する。

0072

つまり、一般に移動平均区間の平均値は、移動平均区間の中間位置の伝搬路推定値に近い値となることが多いため、復調データシンボルの前部及び後部の時間位置の伝搬路推定値を用いて平均することにより、データシンボル復調時を中心とした移動平均区間での平均を行うこととなり、特にフェージングに変動が大きい場合に伝搬路推定値の精度を向上させることができる。

0073

同様に第3ステージでは、第2ステージで推定される伝搬路推定値ξ2 及び第1ステージで推定される伝搬路推定値ξ1 を伝搬路推定値として用い、これらの伝搬路推定値と第3ステージでの伝搬路推定値ξ3 とで平均値を求めることにより、伝搬路推定値の精度を向上させることができる。第3ステージでは、復調シンボル33が、ξ1 とξ2 とξ3 とから成る平均区間のより中心に近い位置に来るため、より精度が向上する。

0074

このように、前段のステージの伝搬路推定値を後段のステージに転送することにより、復調データシンボルの処理遅延を増大させることなく、復調データシンボルより後の伝搬路推定値を含めた移動平均区間での平均を行い、高精度の伝搬路推定を行うことができる。なお、図4において、第1及び第2ステージの伝搬路推定値ξ1 及びξ2 が利用される期間は、ステージ間処理遅延時間τとなる。

0075

本発明の第1及び実施の形態では、他のステージで推定された伝搬路情報を、自ステージにおける伝搬路推定値移動平均区間に取り込み、移動平均を行うものであったが、更に、自ステージで求めた伝搬路推定値と、他のステージで求めた伝搬路推定値とを加重平均することにより、より精度を向上させることができる。

0076

この場合、後段のステージで求めた伝搬路推定値ほど精度が高いので、後段ステージの伝搬路推定値重み付けを大きくし、伝搬路推定値の信頼度に応じた加重平均を行い、伝搬路推定値の精度を向上させることができる。

発明の効果

0077

以上説明したように、本発明によれば、干渉キャンセラの各ステージで推定された伝搬路推定値を他のステージに通知し、各ステージでは自ステージで推定された伝搬路推定値と他のステージから通知された伝搬路推定値とを用いることにより、精度の高い伝搬路推定値を得ることができる。

0078

又、後段のステージで推定したより精度の高い伝搬路推定値を前段のステージに転送し、前段のステージでは後段のステージの伝搬路推定値を組み入れて移動平均することにより、前段のステージにおける伝搬路推定精度を向上させることができる。

0079

又、前段のステージの伝搬路推定値を後段のステージに転送することにより、後段のステージでは復調データシンボルの処理遅延を増大させることなく、データシンボルより後の伝搬路推定値を含めた移動平均を行い、高精度の伝搬路推定を行うことができる。

0080

更に、自ステージで求めた伝搬路推定値と、他のステージで求めた伝搬路推定値とを伝搬路推定値の信頼度に応じて加重平均することにより、伝搬路推定値の精度をより向上させることができる。

図面の簡単な説明

0081

図1本発明のマルチステージ型干渉キャンセラの説明図である。
図2本発明の干渉キャンセラユニットの説明図である。
図3本発明の第1の実施の形態の各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。
図4本発明の第2の実施の形態の各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。
図5従来例のマルチステージ型の干渉キャンセラの説明図である。
図6従来例の干渉キャンセラユニットの説明図である。
図7パイロットシンボルによる伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。
図8マルチステージ型干渉キャンセラの各ステージにおける伝搬路推定と復調データシンボルのタイミング関係を示す図である。

--

0082

10信号線
51干渉キャンセラユニット
52 合成部
53最終ステージの受信器

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