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技術 アルキレングリコールの製造方法

出願人 三菱化学株式会社
発明者 永田浩一
出願日 1998年9月3日 (22年1ヶ月経過) 出願番号 1998-248933
公開日 2000年3月21日 (20年7ヶ月経過) 公開番号 2000-080052
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 反応段 操作圧 反応原料中 電熱ヒーター 加水分解用 塔型反応器 段反応器 建設費
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年3月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

アルキレンカーボネート低温・短時間で効率よく加水分解して、アルキレングリコールを製造する方法の提供。

解決手段

アルキレンカーボネートを加水分解することによりアルキレングリコールを連続的に製造するに際して、反応工程を複数に分割し、第2段以降の各反応工程の反応圧力を、その前段の反応工程の圧力以下とし、かつ該第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力をその前段の圧力よりも低くして反応を行うアルキレングリコールの製造方法。

概要

背景

アルキレングリコールの製造方法として、アルキレンカーボネート加水分解する方法はよく知られている。この反応は触媒の存在下で行われるのが一般的であり、その反応速度を高めるため、例えばアルカリ金属炭酸塩(米国特許4117250号公報)、モリブデン化合物特公昭55−154927号公報)、タングステン化合物(特公昭55−154928号公報)等の触媒が提案されている。これらの触媒を用いることにより反応は加速されるが、その程度は十分ではなく、工業的に満足できるような反応速度を達成するために高温で反応を行うと、生成物品質が悪化してしまうという問題があった。

一方、品質確保を目的として低温で反応を実施すると反応速度が低下してしまい、所期生産量を得るためには過大な反応器容量が必要となったり、製品中に未反応のアルキレンカーボネートが残存したりした。ところが、工業的に最も重要なエチレングリコールの製造の際に、エチレンカーボネートが残存すると、エチレングリコールと共沸混合物を形成して、分離・精製が困難になるという問題がある。更に、反応速度向上のため加水分解用の水を多量に仕込むと、反応時の加熱や精製系での水分離の際に、多量の熱エネルギーを必要とするという問題が起きてしまう。即ち、アルキレンカーボネートの加水分解反応を、低温・短時間で効率よく行って、アルキレングリコールを製造する方法は未だ見出されていなかった。

概要

アルキレンカーボネートを低温・短時間で効率よく加水分解して、アルキレングリコールを製造する方法の提供。

アルキレンカーボネートを加水分解することによりアルキレングリコールを連続的に製造するに際して、反応工程を複数に分割し、第2段以降の各反応工程の反応圧力を、その前段の反応工程の圧力以下とし、かつ該第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力をその前段の圧力よりも低くして反応を行うアルキレングリコールの製造方法。

目的

本発明の目的は、アルキレンカーボネートの加水分解によりアルキレングリコールを低温・短時間で効率よく製造する方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アルキレンカーボネート加水分解することによりアルキレングリコールを連続的に製造するに際して、反応工程を複数に分割し、第2段以降の各反応工程の反応圧力を、その前段の反応工程の圧力以下とし、かつ該第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力をその前段の圧力よりも低くして反応を行うことを特徴とするアルキレングリコールの製造方法。

請求項2

第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力を、その前段の反応工程の圧力の20〜90%とする請求項1に記載のアルキレングリコールの製造方法。

請求項3

反応圧力が0.1〜5MPaである請求項1又は2に記載のアルキレングリコールの製造方法。

請求項4

反応温度が50〜200℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルキレングリコールの製造方法。

請求項5

アルキレンカーボネートが、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートである請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルキレングリコールの製造方法。

技術分野

0001

本発明はアルキレンカーボネートからアルキレングリコールを製造する方法に関するものであり、特に低温・短時間で効率よくアルキレングリコールを製造する方法に関するものである。アルキレングリコール、特にエチレングリコール合成繊維樹脂原料不凍液などに用いられ、工業的に重要な化合物である。

背景技術

0002

アルキレングリコールの製造方法として、アルキレンカーボネートを加水分解する方法はよく知られている。この反応は触媒の存在下で行われるのが一般的であり、その反応速度を高めるため、例えばアルカリ金属炭酸塩(米国特許4117250号公報)、モリブデン化合物特公昭55−154927号公報)、タングステン化合物(特公昭55−154928号公報)等の触媒が提案されている。これらの触媒を用いることにより反応は加速されるが、その程度は十分ではなく、工業的に満足できるような反応速度を達成するために高温で反応を行うと、生成物品質が悪化してしまうという問題があった。

0003

一方、品質確保を目的として低温で反応を実施すると反応速度が低下してしまい、所期生産量を得るためには過大な反応器容量が必要となったり、製品中に未反応のアルキレンカーボネートが残存したりした。ところが、工業的に最も重要なエチレングリコールの製造の際に、エチレンカーボネートが残存すると、エチレングリコールと共沸混合物を形成して、分離・精製が困難になるという問題がある。更に、反応速度向上のため加水分解用の水を多量に仕込むと、反応時の加熱や精製系での水分離の際に、多量の熱エネルギーを必要とするという問題が起きてしまう。即ち、アルキレンカーボネートの加水分解反応を、低温・短時間で効率よく行って、アルキレングリコールを製造する方法は未だ見出されていなかった。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、アルキレンカーボネートの加水分解によりアルキレングリコールを低温・短時間で効率よく製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、上記課題を解決するため、アルキレンカーボネートの加水分解反応方法を鋭意検討した結果、反応工程を複数に分割し、かつその操作圧を反応工程の進行に従って低下させることにより、反応速度を高い水準に保つことができることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、アルキレンカーボネートを加水分解することによりアルキレングリコールを連続的に製造するに際して、反応工程を複数に分割し、第2段以降の各反応工程の反応圧力を、その前段の反応工程の圧力以下とし、かつ該第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力をその前段の圧力よりも低くして反応を行うことを特徴とするアルキレングリコールの製造方法、に存する。

0006

また、本発明の要旨は、第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力を、その前段の反応工程の圧力の20〜90%とする上記の製造方法、反応圧力が0.1〜5MPaである上記の製造方法、反応温度が50〜200℃である上記の製造方法、及びアルキレンカーボネートが、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートである上記の製造方法にも存している。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、本発明について詳細に説明する。アルキレンカーボネートと水との反応は、下式(1)で表される。

0008

0009

本発明においては、反応工程を複数に分割し、第2段以降の反応工程の反応圧力をその前段の反応圧力以下とし、かつ該第2段以降の反応工程の少なくとも一つの反応工程の反応圧力をその前段の圧力よりも低くして反応を実施する。特に、第2段以降の反応圧力をその前段の反応圧力よりも低くするに当たっては、その圧力を前段の圧力の20〜90%とするのが好ましい。ある反応工程の圧力を、その前段の圧力の20%未満となるほど急激に低くすると反応液沸騰が起きやすく、一方90%を超える場合は圧力を低くする効果が小さくなり、反応速度が低下する可能性がある。

0010

本発明においては、分割された各反応工程における反応圧力は、その工程における反応液の蒸気圧以上とするのが好ましい。反応圧力がこの蒸気圧以下では、反応液が沸騰して、液相中の水の濃度が減少するため加水分解反応の速度が低下し、また加熱するための熱量が気化熱として消費されエネルギー的にも不利になる。なお、反応液の蒸気圧とは、二酸化炭素を除いた反応液の組成と、該反応工程の温度とから算出される飽和蒸気圧のことを言う。

0011

本発明における反応圧力としては、0.1〜5MPa、好ましくは0.2〜3MPaとするのがよい。反応圧力が0.1MPa未満では前述のように反応液の沸騰が起きやすくなり、一方反応圧力を5MPaを超えて高いものとすると、耐圧等の関係で設備費用が増大し、経済的でない。本発明方法を適用する反応温度は50〜200℃の範囲とすることが望ましい。反応温度が50℃未満では、反応速度が遅く実用的ではない。一方、200℃を超えた高い温度で反応を行った場合は、製品であるアルキレングリコールの品質が劣る場合が多い。反応速度と製品品質バランスがより良好な反応温度は、80〜180℃の範囲である。

0012

本反応は吸熱反応であるため、上記の反応温度を維持して反応を進めるためには系を加熱する必要がある。通常用いられる加熱方法としては、高圧蒸気電熱ヒーター等の熱源によりジャケットコイル等を介して間接的に加熱する方法や反応圧力以上の蒸気圧を持つ水蒸気スチーム)を反応系中に吹き込むことにより直接加熱する方法等が例示できる。本発明方法において、反応工程の数は、2〜8段とすることが望ましい。工程の数が8段を超えると、設備建設費がかさみ、また反応プロセスの制御が複雑になるという問題が生じる。なお、反応工程を複数に分割する方法としては、工程数に見合った数の反応器を設けるのが一般的であるが、例えば1基の反応器を隔壁等により複数の部分に分割して用いてもよい。

0013

本発明に用いる反応原料中の水とアルキレンカーボネートとのモル比は1〜5の範囲とするのが好ましい。より好ましいモル比は1.3〜5である。このモル比が1未満ではアルキレンカーボネートの加水分解の進行に伴って反応液中の水分濃度も低下するため、反応の完結に長時間を要したり、不純物生成量が多くなったりする。一方、モル比が5を超えて高い場合は、反応系の加熱や過剰の水の除去にエネルギーを多く要し、経済的でない。本発明方法において用いることのできる反応器としては、槽型反応器多段塔型反応器反応蒸留塔などが挙げられる。いずれの形式においても、加水分解により発生した二酸化炭素(炭酸ガス)を反応系から効率的に分離することが必要である。

0014

アルキレンカーボネートの加水分解反応は無触媒でも進行するが、触媒の存在下で実施するのがより好ましい。本発明方法で使用するのに好適な触媒の例として、水酸化ナトリウム水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の重炭酸塩炭酸ナトリウム炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、水酸化テトラブチルアンモニウムヨウ化トリブチルメチルアンモニウムなどのアンモニウム塩水酸化テトラブチルホスホニウム、ヨウ化トリブチルメチルホスホニウムなどのホスホニウム塩などが挙げられる。

0015

なお、アルキレングリコールを製造する方法として、炭酸ガスの存在下、アルキレンオキサイドと水とを反応させる方法も知られている。この反応も中間体としてアルキレンカーボネートを経由しているので、アルキレングリコールを取得するための反応完結段階で本発明を適用することにより、アルキレンカーボネートの加水分解を効率的に行うことができる。なお、本発明方法が対象とするアルキレンカーボネートとしては、アルキレン基炭素原子数が2〜30のものが好ましく、中でも工業的に重要なエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートが好適であり、特に水と共沸する性質をもつエチレンカーボネートに適用するとその効果は大きい。またアルキレン基上に、置換基として炭素原子数1〜12程度のアルキル基を1つ又は2つ以上有していてもよい。

0016

以下、実施例を用いて、本発明の実施の態様を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例により限定されるものではない。
<実施例>2基の槽型反応器を直列に連結した反応装置(第1段の反応器容量20L、第2段の反応器容量20L)に、エチレンカーボネート、水、炭酸カリウムの混合物(モル比=1.0:4.0:0.005)を5.6kg/hrの流量で連続的に供給した。反応温度は2段とも150℃とし、この温度を維持するように電熱ヒーターにより加熱を行った。反応圧力は第1段を0.65MPaとし、第2段は0.30MPaとした。ガスクロマトグラフィーによって各反応段出口反応液組成を測定し、エチレンカーボネートの一貫転化率及び各反応段での転化率を算出した。結果は表にまとめて示す。

0017

<比較例1>第2段反応器の圧力を第1段反応器と同じ0.65MPaとしたこと以外は、上記の実施例と同様にしてエチレンカーボネートの加水分解反応を行った。各反応段出口のエチレンカーボネート転化率を前記実施例と同様にして測定した。結果を表に示す。

0018

<比較例2>第1段及び第2段の反応器の圧力を0.30MPaとしたこと以外は、比較例1と同様にしてエチレンカーボネートの加水分解反応を行い、エチレンカーボネートの転化率を同様に測定した。結果を表に示す。なお、この条件では第1段において反応液が沸騰したため、ここでの反応率は実施例及び比較例1よりも低くなっている。

0019

ID=000003HE=070 WI=108 LX=0510 LY=1000
転化率約100%:ガスクロマトグラフィーによる検出限界(10ppm)
以下

0020

<結果の評価>同じ反応器、同じ滞留時間仕込速度が同じ)において、実施例ではエチレンカーボネートの最終的な転化率は約100%と、比較例1の99.1%、比較例2の99.2%よりも優れている。特に本発明方法を適用した第2段での転化率は実施例で約100%であるのに対し、適用しなかった比較例では、比較例1で86.3%、比較例2では91.1%と顕著な差がある。

発明の効果

0021

本発明方法を用いることにより、アルキレンカーボネートの加水分解を速やかに行うことができるので、より小容量の反応器、より短い滞留時間で効率的にアルキレングリコールの製造が可能である。

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