図面 (/)

技術 蓋 材

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 鈴田昌由谷口正幸梅山浩古沢伸夫関口守
出願日 1998年9月1日 (22年3ヶ月経過) 出願番号 1998-247009
公開日 2000年3月21日 (20年9ヶ月経過) 公開番号 2000-079935
状態 拒絶査定
技術分野 包装体 紙製の円筒・円錐容器
主要キーワード フランジコーナ 商品展開 被着剤 減容積化 ブランク形状 部分相 界面接着強度 プラスチックトレー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年3月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

紙カップ紙トレーの如きフランジ部に段差を有する容器密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層主体とした多層構成を有する蓋材において、フランジ部に生じた段差を埋めることが可能で、かつ密封性を維持しながら、ある程度の耐熱性易開封性を有する蓋材を提供する。

解決手段

フランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材の最内シーラント層をなす熱可塑性樹脂層のMIが、JIS.K7210に準ずる190℃、21.168Nにおいて20〜80であることを特徴とする蓋材。

概要

背景

食品包装分野において、インスタントラーメンゼリーヨーグルトなどカップもしくはトレーに内容物を充填した包装形態が増加してきた。これらのカップもしくはトレーは一般的にポリスチレン発泡ポリスチレンポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂射出成形真空圧成形などの製法を利用して製造されているが、近年、省資源化ごみ減容積化リサイクル性などを考慮して、紙にポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂を積層させた紙カップなどが開発されており、内容物としてインスタントラーメンに限らず、飲料なども充填されるようになってきた。

紙カップの製造から内容物を充填後、蓋材密封シールする過程は図1で説明される。まずポリオレフィン系樹脂を押出ラミネート手法などにより積層させた原紙をカップのブランク形状裁断し(図1−A)、ブランク糊代部aをヒートシールなどの手法を用いてカップ形状を形成させた後、底蓋bを取り付ける(図1−B)。蓋材dを接着させるためのフランジ部cを形成させ(図1−C)、内容物を充填後を蓋材dを接着させる(図1−D)。

一般に、射出成形や真空圧縮成形でカップやトレーを成形する場合には、フランジ部cは段差もなく平坦な状態である(図2−A)。しかしながら、紙カップの場合は、上述したようにブランクの糊代部aをヒートシール後にフランジ部cを作成するため、フランジ部cはヒートシール後の段差eが生じることになる(図2−B)。同様なことが紙製トレーにもいえ、紙製トレーのブランクを罫線に沿って折り曲げ、成形する際に、トレーのフランジコーナー部にも同様な段差を生じることになる。

この段差eが存在すると、蓋材dを接着させた際に、その部分のシール不良が発生し(図3)、密封性が低下する。一般にインスタントラーメンのような乾物を充填する場合には大きな問題にはならないが、飲料などを充填した場合、内容物が漏れてしまうなど問題点が発生する。また、食品の衛生性を考慮すると、できるだけ蓋材の密封性が良好な方が好ましい。

これらの問題点を解決させるため、蓋材dと容器との接着にはホットメルト樹脂を使用し、ヒートシール部の段差eを埋めようとする試みがある。しかしながら、ホットメルト樹脂を用いた接着は、段差eを埋めることは可能であるが、耐熱性を持たないため、熱湯を注いだり、電子レンジ対応の容器には適さない。また、高温多湿下において接着強度が低下する恐れがある。

また、容器の密着性を維持するため、蓋材と容器との接着強度を強くすると、蓋材の開封が困難になり、開封時に内容物をこぼしたりする恐れがある。以上の内容から、フランジ上の段差eを埋めることが可能な密着性の優れる蓋材、さらに好ましくはある程度の耐熱性を有しながらも、易開封性を有する蓋材の開発が望まれていた。

概要

紙カップや紙トレーの如きフランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層主体とした多層構成を有する蓋材において、フランジ部に生じた段差を埋めることが可能で、かつ密封性を維持しながら、ある程度の耐熱性、易開封性を有する蓋材を提供する。

フランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材の最内シーラント層をなす熱可塑性樹脂層のMIが、JIS.K7210に準ずる190℃、21.168Nにおいて20〜80であることを特徴とする蓋材。

目的

本発明の課題は上記の従来の問題点に鑑みなされたものであって、紙カップや紙トレーの如きフランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層を主体とした多層構成を有する蓋材において、フランジ部に生じた段差を埋めることが可能で、かつ密封性を維持しながら、ある程度の耐熱性、易開封性を有する蓋材を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
8件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

フランジ部に段差を有する容器密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材の最内シーラント層をなす熱可塑性樹脂層のMIが、JIS.K7210に準ずる190℃、21.168Nにおいて20〜80であることを特徴とする蓋材。

請求項2

請求項1記載の蓋材において、多層構成をなす熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、2種以上の熱可塑性樹脂ブレンド層からなることを特徴とする蓋材。

請求項3

請求項1又は2記載の蓋材において、シーラント層が、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂エチレンーαオレフィン共重合体、これらオレフィン系樹脂酸変性物エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーα、β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物イオン架橋物共重合ポリエステル単体あるいはこれらを主成分とするブレンド層であることを特徴とする蓋材。

請求項4

請求項1、2又は3記載の蓋材において、該蓋材とこの蓋材と接着する容器との剥離強度が1〜15N/15mmであることを特徴とする蓋材。

請求項5

請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離がブレンド層の凝集剥離であることを特徴とする蓋材。

請求項6

請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離が、蓋材と容器の界面剥離であることを特徴とする蓋材。

請求項7

請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離が、蓋材を構成する多層構成の熱可塑性樹脂層の層間であることを特徴とする蓋材。

請求項8

請求項1乃至7のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材の被着体である容器が、紙を主体とする紙カップ紙トレーであることを特徴とする蓋材。

請求項9

請求項1乃至8のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材と接着する紙カップ、紙トレーの被着層がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする蓋材。

技術分野

0001

本発明は、紙カップ紙トレーなどの容器蓋材に関するものである。さらに詳しくは、紙カップや紙トレーなど容器のフランジ部に段差を有する構造の容器において、熱可塑性樹脂層主体とした多層構成を有する蓋材であって、密封性を維持しながら、易開封性を有する蓋材に関するものである。

背景技術

0002

食品包装分野において、インスタントラーメンゼリーヨーグルトなどカップもしくはトレーに内容物を充填した包装形態が増加してきた。これらのカップもしくはトレーは一般的にポリスチレン発泡ポリスチレンポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂射出成形真空圧成形などの製法を利用して製造されているが、近年、省資源化ごみ減容積化リサイクル性などを考慮して、紙にポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂を積層させた紙カップなどが開発されており、内容物としてインスタントラーメンに限らず、飲料なども充填されるようになってきた。

0003

紙カップの製造から内容物を充填後、蓋材を密封シールする過程図1で説明される。まずポリオレフィン系樹脂を押出ラミネート手法などにより積層させた原紙をカップのブランク形状裁断し(図1−A)、ブランク糊代部aをヒートシールなどの手法を用いてカップ形状を形成させた後、底蓋bを取り付ける(図1−B)。蓋材dを接着させるためのフランジ部cを形成させ(図1−C)、内容物を充填後を蓋材dを接着させる(図1−D)。

0004

一般に、射出成形や真空圧縮成形でカップやトレーを成形する場合には、フランジ部cは段差もなく平坦な状態である(図2−A)。しかしながら、紙カップの場合は、上述したようにブランクの糊代部aをヒートシール後にフランジ部cを作成するため、フランジ部cはヒートシール後の段差eが生じることになる(図2−B)。同様なことが紙製トレーにもいえ、紙製トレーのブランクを罫線に沿って折り曲げ、成形する際に、トレーのフランジコーナー部にも同様な段差を生じることになる。

0005

この段差eが存在すると、蓋材dを接着させた際に、その部分のシール不良が発生し(図3)、密封性が低下する。一般にインスタントラーメンのような乾物を充填する場合には大きな問題にはならないが、飲料などを充填した場合、内容物が漏れてしまうなど問題点が発生する。また、食品の衛生性を考慮すると、できるだけ蓋材の密封性が良好な方が好ましい。

0006

これらの問題点を解決させるため、蓋材dと容器との接着にはホットメルト樹脂を使用し、ヒートシール部の段差eを埋めようとする試みがある。しかしながら、ホットメルト樹脂を用いた接着は、段差eを埋めることは可能であるが、耐熱性を持たないため、熱湯を注いだり、電子レンジ対応の容器には適さない。また、高温多湿下において接着強度が低下する恐れがある。

0007

また、容器の密着性を維持するため、蓋材と容器との接着強度を強くすると、蓋材の開封が困難になり、開封時に内容物をこぼしたりする恐れがある。以上の内容から、フランジ上の段差eを埋めることが可能な密着性の優れる蓋材、さらに好ましくはある程度の耐熱性を有しながらも、易開封性を有する蓋材の開発が望まれていた。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の課題は上記の従来の問題点に鑑みなされたものであって、紙カップや紙トレーの如きフランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層を主体とした多層構成を有する蓋材において、フランジ部に生じた段差を埋めることが可能で、かつ密封性を維持しながら、ある程度の耐熱性、易開封性を有する蓋材を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は上記課題を克服するために考え出されたものであり、請求項1記載の発明は、フランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層を主体とする多層構成を有する蓋材において、該蓋材の最内シーラント層をなす熱可塑性樹脂層のMIが、JIS.K7210に準ずる190℃、21.168Nにおいて20〜80であることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の蓋材において、多層構成をなす熱可塑性樹脂層の少なくとも1層は、2種以上の熱可塑性樹脂のブレンド層からなることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の蓋材において、シーラント層が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンーαオレフィン共重合体、これらオレフィン系樹脂酸変性物エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーα、β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物イオン架橋物共重合ポリエステル単体あるいはこれらを主成分とするブレンド層であることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の蓋材において、該蓋材とこの蓋材と接着する容器との剥離強度が1〜15N/15mmであることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離がブレンド層の凝集剥離であることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項6記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離が、蓋材と容器の界面剥離であることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項7記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の蓋材において、該蓋材と容器との剥離が、蓋材を構成する多層構成の熱可塑性樹脂層の層間であることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材の被着体である容器が、紙を主体とする紙カップ、紙トレーであることを特徴とする蓋材、としたものである。請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいづれかに記載の蓋材において、該蓋材と接着する紙カップ、紙トレーの被着層がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする蓋材、としたものである。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下本発明を詳細に説明する。

0011

本発明の蓋材は、紙カップ、紙トレーなどのフランジ部に段差を有する容器を密封シールする蓋材であって、熱可塑性樹脂層を主体とした多層構造を有しており、その蓋材の最内シーラント層を構成する熱可塑性樹脂層のJIS.K7210に準ずる190℃、21.168NにおけるMIが20〜80である熱可塑性樹脂からなる構造を有している。この場合の蓋材の構成を例としてあげると、
例1:熱可塑性樹脂(最外層)/熱可塑性樹脂(中間層)/熱可塑性樹脂(シーラント層)
例2:紙/熱可塑性樹脂/金属箔/熱可塑性樹脂/熱可塑性樹脂層(シーラント層)
例3:熱可塑性樹脂(最外層)/紙/熱可塑性樹脂(シーラント層)
など様々である。この場合、層構成は何層でも構わず、必要に応じてバリア性樹脂層接着性樹脂層などを積層させても構わない。また、紙の材質も特に限定されるものではない。また、バリア性を付与させるために無機化合物蒸着などの手法により積層させたフィルム使用可能である。

0012

シーラント層として使用する熱可塑性樹脂層は、容器の材質に応じて様々な樹脂を使用することが可能である。例を挙げると、低密度ポリエチレン樹脂中密度ポリエチレン樹脂高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体、エチレンーαオレフィン共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸エステル共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合体アイオノマー樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステルなど様々である。これらの樹脂は酸成分などをグラフト共重合などの手法で共重合化していても良く、また、これらの樹脂は必要に応じて単体で使用しても、ブレンドで使用しても良い。さらに、低分子量の石油樹脂、例えば脂肪族系石油樹脂芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂脂環族系石油樹脂樹脂や、ロジン重合ロジン水素添加ロジンロジングリセリンエステル、およびその水添物または重合物、ロジンペンタリストールおよびその水添物または重合物のようなロジン類粘着付与剤として上記樹脂に適量を配合しても構わない。

0013

上記シーラント層のメルトインデックス(MI)は、JIS.K7210に準ずる190℃、21.168Nにおいて20〜80とする。MIが20以下であると、ヒートシール時にシーラント層を溶融させる際、樹脂の流動性が低いので、紙カップフランジ部に生じる段差をシーラント層で埋めることが困難である。また、MIが80を超えると流動性が非常に高いため、紙カップフランジ部の段差を埋めるには問題ないが、加工性が著しく低下し、製膜品の膜厚の安定性がない。このような意味でMIでは20〜80とする。

0014

上述したシーラント層のMIは熱可塑性樹脂の本来の分子量によって決定されるMIだけでなく、比較的高分子量(MIが10以下)の樹脂でも、シーラントベース樹脂と相溶する低分子量成分を配合することで、ブレンドの系全体の分子量を低くし、MIを上げることも可能である。この時添加する低分子量成分としては、ベースポリエチレン系樹脂であれば、上述した低分子量石油樹脂など選択可能であり、それ以外にも、ベース樹脂にあわせて種々に選択することが可能である。

0015

また、本蓋材の開封機構は様々な形態を取ることが可能である。一般に易開封性シーラントの場合、その剥離面によって、界面剥離タイプ(蓋材と容器の界面での剥離)、凝集剥離タイプ(シーラント層での凝集破壊)、層間剥離タイプ(蓋材中のシーラント層と中間層との剥離)がある。本発明の蓋材の場合は、耐熱性が要求されない分野では、粘着を利用した界面剥離タイプを、耐熱性が要求される場合には熱可塑性樹脂の融着を利用した凝集破壊タイプあるいは層間剥離タイプを選ぶことが可能である。

0016

シーラント層としての機能と易開封性との関係を両立させるには、2種以上の熱可塑性樹脂をブレンドした層を介在させる方法が挙げられる。界面剥離の場合なら上述した粘着付与剤をシーラント層のベース樹脂にブレンドする方法が挙げられ、凝集剥離の場合にはシーラント層あるいは中間層となるベース樹脂に、これらの樹脂とは完全非相溶あるいは部分相溶する樹脂を適量配合することが挙げられる。また、層間剥離の場合にはシーラント層または中間層との界面接着強度コントロールする様にどちらか単膜あるいは双方に樹脂をブレンドする方法が挙げられる。また、シーラント層あるいは中間層のどちらか一方あるいは双方に酸変性物などのグラフト共重合体ブロック共重合体ランダム共重合体を使用し、シーラント層と中間層との層間剥離強度をコントロールし、層間剥離性附与させることも可能であり、その際には酸成分以外の成分、あるいは酸成分とその他の成分を双方含む共重体でも構わない。

0017

易開封性を附与させるためベース樹脂にブレンドする熱可塑性樹脂としては、上述した低分子量石油樹脂系粘着付与剤や、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンーαオレフィン共重合体、ポリブテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂ポリアミド樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体やエチレンーメタクリル酸共重合体のような酸共重合物やそのエステル化物、エチレンービニルアセテート共重合体あるいはその鹸化物ポリスチレン樹脂ポリメチルメタクリレート樹脂など、ベースとなる樹脂や目的とする開封機構に応じて様々に選択が可能であり、特に上述した樹脂以外にも、酸変性物など様々な樹脂の使用が可能である。

0018

これらのブレンド層の層厚は、目的とする開封機構によっても様々であり、必要に応じて膜厚を設定することが可能である。しかしながら、開封機構が凝集剥離タイプの場合は、ベース樹脂、ブレンド樹脂の種類にもよるが、開封時に糸引きが発生する恐れがある。糸引きを解消する方法としては、まず第一にブレンド層の層厚を薄くする方法が挙げられる。好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下に膜厚を設定することで糸引きを解消することが可能である。また、層厚を薄くするだけでなく、このブレンド層に相溶化剤として第3成分を配合し、ブレンド層のドメインを小さくすることでも糸引きを解消させることが可能であるため、必要に応じて、相溶化剤を添加しても構わない。

0019

易開封性を考えると、蓋材の開封強度は1〜15N/15mmである方が好ましい。1N/15mmよりも弱いと接着強度に劣り、15N/15mm以上であると易開封性に劣る。開封強度としては上述した範囲に設定した方が好ましいが、被着剤が紙カップのように紙を主体とした構成の場合には、開封強度が強すぎると紙剥けする恐れがあるため、その時の開封強度の設定としては1〜5N/15mm程度が好ましい。

0020

本発明の蓋材の作成方法は、様々な方法を取ることができるが、基本的にはあらかじめドライラミネート、押出ラミネートなどの手法で積層させた積層体基材として、MIが20〜80の熱可塑性樹脂を押出ラミネートする方法がとられる。その際、MIが極端に高い樹脂の場合や、膜厚を10μm以下に設定する場合には、単層押出すことが困難であるため、共押出などの手法を用いて積層させることで得られる。

0021

また、シーラント材の加工性、熱安定性などを考慮して、必要に応じて酸化防止剤、安定剤、滑剤アンチブロッキング剤帯電防止剤、防剤、粘着調整剤、充填剤着色剤などの添加剤を加えることも可能である。

0022

以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限られるものではない。

0023

<実施例1>ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム(25μm)上に低密度ポリエチレンを厚さ20μmで押出ラミネートにより積層させたものを基材として使用した。蓋材最内シーラント層として、JIS.K7210に準ずる190℃、21.168NにおけるMIが70の低密度ポリエチレン樹脂を用い、さらに易開封性を付与させるためポリブテン樹脂を30wt%添加させた。また、このシーラント層は流動性が高いため、MIが5の低密度ポリエチレン樹脂との共押出により、押出温度280℃で基材上に積層した(MI=5低密度ポリエチレン樹脂層30μm、シーラント層10μm)。その後、この積層体を上述した基材とヒートシールし、130〜180℃のヒートシール強度を測定した。その時のシール圧は0.15MPaでシール時間は1秒である。このヒートシール物を幅15mmの短冊状にサンプリングし、90度剥離試験を行った。その時の接着強度および開封機構を表1に示す。蓋材としての構成は、基材として紙(坪量80g/cm2)にアルミ箔を積層させたものを基材と使用した。シーラント層の構成は上述したブレンド品を用い、アルミ箔と接着性を有するエチレンーアクリル酸共重合体との共押出により蓋材を作成した。被着体となる容器は、紙に低密度ポリエチレン樹脂をラミネートした原反から作成した紙カップを実際使用した。この容器と蓋材とのヒートシールにはカップシーラーを使用し、シール温度130℃、シール圧力0.15MPa、シール時間1秒でシールした。この時の層厚は、上述した場合と同様であり、この際にはエチレンーアクリル酸共重合体の層厚を30μmとした。段差eにおける密着性はリークチャック液で確認した。シール強度については、紙カップの被着体となる低密度ポリエチレンを用意し、上述した押出ラミネート手法でポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムに積層させ、被着体の変わりとした。この時、この被着体と蓋材とのヒートシールはヒートシーラーにて行い、上述したカップシーラーの条件と同じ条件でヒートシールを行った。これらの結果をまとめて表1に示す。

0024

<実施例2>シーラント層となる熱可塑性樹脂のMIを50にした以外は実施例1と同じである。

0025

<実施例3>シーラント層となる熱可塑性樹脂のMIを35にした以外は実施例1と同じである。

0026

<実施例4>シーラント層となる熱可塑性樹脂のMIを20にした以外は実施例1と同じである。

0027

<実施例5>シーラント層となる熱可塑性樹脂を190℃におけるMIが30のポリプロピレン樹脂を使用した。このシーラント層に易開封性を付与させるためのブレンド層をポリスチレン樹脂を使用し、その添加量を30wt%にした。この時、このシーラントは押出しグレードのPP(190℃でMIが15)と共に共押出により製膜した。この積層体をシール強度測定およびカップへの蓋材として使用した。被着剤としては、シール強度測定用には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂にCPPフィルムをドライラミネートにより積層させたフィルムを使用し、容器としては、紙とポリプロピレン樹脂シートを真空圧縮成形により作成した紙トレーを使用した。それ以外は実施例1と同じである。

0028

<実施例6>シーラント層となる熱可塑性樹脂として、MIが45の低密度ポリエチレン樹脂を使用した。また、この上層にMIが5の低密度ポリエチレン中にポリメチルメタクリレート樹脂を30wt%をブレンドした樹脂層を設けた(易開封層とシーラント層が別の層となる)。これらの層厚はシーラント層20μm、易開封層(ブレンド層)20μmである。それ以外は実施例1と同じである。

0029

<実施例7>シーラント層となる熱可塑性樹脂として、MIが30の低密度ポリエチレン樹脂を用い、そのシーラント層に易開封性を付与するため、ポリプロピレン樹脂を30wt%添加し、さらに改質剤として密度が0.902g/cm3のエチレンーαオレフィン共重合体をブレンド樹脂(低密度ポリエチレン樹脂+ポリプロピレン樹脂)100重量部に対し10重量部添加した。それ以外は実施例1と同様である。

0030

<実施例8>シーラント層となる熱可塑性樹脂としてMIが60の低密度ポリエチレン樹脂を用いた。その上層に、MIが5の低密度ポリエチレン中にポリプロピレン樹脂を30wt%添加し、さらに改質剤として密度が0.902g/cm3のエチレンーαオレフィン共重合体を実施例7と同様に配合した層を設けた。これらの2層を、MIが5の低密度ポリエチレン樹脂と共に3層共押出により押出した。その時の層厚は、シーラント層20μm、易開封層(ブレンド層)10μm、MI=5低密度ポリエチレン層30μmで押出した。それ以外は実施例1と同じである。

0031

<実施例9>シーラント層となる熱可塑性樹脂としてMIが28のエチレンー酢酸ビニル共重合体を用い、そのシーラント層に易開封性を附与させるため、ポリブテン樹脂を30wt%添加した。この蓋材の被着剤としては、射出成形により作成した結晶化ポリエチレンテレフタレート樹脂(C−PET)を用い、さらに、容器として紙と結晶化ポリエチレンテレフタレート樹脂を積層させた紙トレーを使用した以外は実施例1と同じである。

0032

発明の効果

0033

本発明は以上の如き構成であるから、下記に示す如き優れた実用上の効果を有する。紙カップ用の蓋材として、その最内シーラント層となる熱可塑性樹脂のJIS.K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMIを20〜80にすることで、紙カップや紙トレーのフランジ部におけるヒートシール部に生じた段差を埋めることが可能になり、密封性に優れる蓋材を作成することが可能である。さらに、蓋材に設けた易開封層をブレンド層にすることで、凝集剥離型の易開封機構を付与することが可能であり、その強度も1〜15N/15mmの範囲に収まり、易開封性を有することも明らかである。

0034

また、シーラント層を選定することで耐熱用途の容器への展開も可能であり、また、開封機構も凝集剥離だけでなく界面や層間剥離などのタイプにも適応が可能である。今後、紙カップや紙トレーなどの包装材料が多く市場に出る傾向があり、その内容物もあらゆる物が充填されるようになる。また、もちろんのことながら、一般的なカップやトレーなど商品展開も今後増加していく時代を迎えるにあたり、本発明の蓋材は密着性を有しながらも易開封性などの機能を付与できるという点ですばらしい蓋材であるといえる。紙カップや紙トレーなどフランジ部に段差を有する構造の容器において、密封性を維持しながら、易開封性を有する蓋材とすることができる。

図面の簡単な説明

0035

図1A、B、C、Dはそれぞれ紙カップ製造と蓋材のシールまでの過程を示す説明図。
図2フランジ部の説明図であり、Aはプラスチックトレーなど段差のないフランジ部、Bはる段差を有するフランジ部の説明図。
図3紙カップと蓋材の密着性を示す説明図。

--

0036

a‥‥糊代部
b‥‥底蓋
c‥‥フランジ部
d‥‥蓋材
e‥‥段差

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 済寧奇康包装有限公司の「 茶葉パッケージ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は茶葉パッケージを開示した。【解決手段】茶葉ボックスを含み、前記茶葉ボックスの右端面には機能ブロックが固定的に設置され、前記機能ブロックの中には機能溝が設置され、前記機能溝の中には開口機... 詳細

  • 厦門月庁版箱包有限公司の「 温度制御保温箱」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は温度制御保温箱を開示した。【解決手段】箱本体を含み、前記箱本体の中には真空装置が設けられ、前記真空装置の右側と上側には熱循環装置が設けられ、前記真空装置の下側には吸気装置が設けられ、前... 詳細

  • 日本ピュアフード株式会社の「 精肉の保存方法、及び精肉パック」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】適切なタイミングで赤色又は鮮赤色を呈するように精肉を保存することが可能な精肉の保存方法を提供することである。【解決手段】本発明にかかる精肉の保存方法は、生赤肉の精肉と、所定の量の空気と、を精肉... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ