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技術 ガス絶縁断路器

出願人 ティーエム・ティーアンドディー株式会社東芝変電機器テクノロジー株式会社
発明者 椎木元晴新海健新藤尊彦猪原俊明生田栄
出願日 1998年8月14日 (22年3ヶ月経過) 出願番号 1998-229665
公開日 2000年3月3日 (20年8ヶ月経過) 公開番号 2000-067705
状態 未査定
技術分野 ガス絶縁開閉装置 開閉器の消弧装置 消弧付高圧スイッチの駆動機構及び操作回路
主要キーワード 系統切換え 各透過窓 金属タンク 波サージ 連続波発振 切換え装置 ガス断路器 開閉所
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図面 (18)

課題

極間にレーザ光によるプラズマ導電路を形成することによって、断路器サージの発生を阻止または抑制することにある。

解決手段

絶縁ガス充填された金属タンク1内に、中空状の固定側導体3の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極2とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体5の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極4とを収納してなるガス絶縁断路器において、金属タンク1の外部に配設されたレーザ発振器11と、このレーザ発振器11から発射されたレーザ光10を透過窓11を通して金属タンク1内に導入し、さらに孔14を通して固定側導体3内に導入されたレーザ光を反射鏡13及び収束レンズ12により極間に集光させる。

概要

背景

ガス絶縁開閉装置(以下単にGISと呼ぶ)には、系統切換え保守点検などを行うときに使用されるガス絶縁断路器が設置されている。ところで、このガス絶縁断路器を開閉すると、断路器サージと称される急峻波サージが発生する。

図15は、従来のガス絶縁断路器の構造図であり、開極あるいは閉極途中の状態を示す。図15において、1は円筒状の金属タンク、2はこの金属タンク1内の中心軸線上に設けられた固定電極で、この固定電極2は中空状の固定側導体3の先端に機械的及び電気的に接続されている。また、4は固定電極2と同軸上に接離可能に対向させて設けられた可動電極で、この可動電極4は中空状の可動側導体5の先端に機械的および電気的に接続される。

また、6、7はそれぞれ固定電極2、可動電極4の外周部に電界緩和のために設けられた固定側シールド可動側シールドである。さらに、8は金属タンク内部に充填された絶縁ガス8である。

図16は開極動作時の固定電極2および可動電極4の電圧変化の一例を示すものである。断路器の開極動作充電電流遮断)において、可動電極4が固定電極2から離れると、電極間アークが生じるが、このアークは電流が小さいため、すぐに消滅する。この後、電源側に位置する電極電圧電源電圧(1pu) と等しく変化し、負荷側に位置する電極には直流電圧残留する。

このため、電極間には差電圧ΔVが生じる。この差電圧に電極間の絶縁耐力が耐えられなくなると、絶縁破壊が生じる。この絶縁破壊により、両電極はアークにより電気的に接続され、両電極の電圧は等しくなる。しかしながら、やはり電流が小さいために、すぐにアークは消滅し、再び電極間に差電圧が生じる。そして、電極間の絶縁耐力がその差電圧に耐えられなくなると、再び絶縁破壊が生じる。

この絶縁破壊は、電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu)の電圧に耐え得るまでに回復する間、繰返される。さて、上述のような開極動作において、電極間に絶縁破壊が生じた際に、断路器サージが発生する。断路器サージは、絶縁破壊発生時の電源電圧値を基準として、振幅ΔVで高周波振動する。したがって、断路器サージの対地電圧Vは、電源電圧をVS 、負荷側電極に残留していた電圧をVL とすると、
V=VS +ΔV
=VS +(VS −VL )
=2VS −VL
となる。上式からわかるように、最大の断路器サージが発生するのは、電源電圧のピークで絶縁破壊( VL =1pu または−1pu)した後、逆極性のピークで絶縁破壊が生じた場合( VS =−1pu または1pu)であり、そのときの大きさは3pu となる。

図17は、閉極動作時の固定電極2および可動電極4における電圧変化の一例を示すものである。閉極動作においても、開極動作の場合と同様に、電極間の絶縁耐力が電極間の差電圧に耐えられなくなると絶縁破壊が生じ、断路器サージが発生する。閉極動作においては、最初、負荷側の電圧は0であり、可動電極と固定電極間の絶縁耐力が、電源電圧(1pu) 以下に低下すると、絶縁破壊し得る状況となる。そして、閉極動作において、断路器サージが最大になるのは、最初の絶縁破壊が電源電圧のピークで生じた場合であり、その時の大きさは2pu となる。

上述のごとく、断路器サージは電源電圧を上回る大きさとなる。したがって、断路器サージは、断路器およびそれと接続されるGIS全体の絶縁脅かす要因の一つとなっている。

さて、このような断路器サージを抑制するために、例えば特願平5−149613号に示されるように、絶縁破壊した時の電流経路に設けられた抵抗体を通すように構成し、この抵抗体により断路器サージを抑制するようにした断路器が提案されている。

概要

極間にレーザ光によるプラズマ導電路を形成することによって、断路器サージの発生を阻止または抑制することにある。

絶縁ガスが充填された金属タンク1内に、中空状の固定側導体3の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極2とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体5の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極4とを収納してなるガス絶縁断路器において、金属タンク1の外部に配設されたレーザ発振器11と、このレーザ発振器11から発射されたレーザ光10を透過窓11を通して金属タンク1内に導入し、さらに孔14を通して固定側導体3内に導入されたレーザ光を反射鏡13及び収束レンズ12により極間に集光させる。

目的

本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたもので、その目的は抵抗体とは異なる手段により、断路器サージの発生を抑制または阻止することができるガス絶縁断路器を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

絶縁ガス充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、このレーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導入して極間に集光させる手段とを設けたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項2

請求項1記載のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は開極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、開極開始時刻t01と、固定電極と可動電極が離れる時刻t02との間(t01≦ts ≦t02)とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間絶縁耐力電源電圧の2倍(2pu) となる時刻t03と、開極動作終了時刻t04との間(t03t ≦te ≦t04)とし、両極間の絶縁耐力が2pu以上になるまで、両極間をプラズマつなぐことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項3

請求項1記載のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は開極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、固定電極と可動電極が離れる時刻t02(ts =t02)とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻t03(te =t03)とし、両極間の絶縁耐力が2pu以上になるまで、両極間をプラズマでつなぐことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項4

請求項1記載のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は閉極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と、固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) と等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 (ts =tv=0 (tc1≦tv=0 ≦tc2))とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3と、閉極動作終了時刻tc4との間(tc3≦te ≦tc4)とし、両極間の絶縁耐力が1puに低下する以前において、電源電圧が0の時に両極間をプラズマでつなぐことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項5

請求項1記載のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は閉極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と、固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) と等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 のうち最も遅い時刻tv=0last (ts =tv=0last )とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3(te =tc3)とし、両極間の絶縁耐力が1puに低下する以前において、電源電圧が0の時に両極間をプラズマでつなぐことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項6

絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記固定電極側に対応する金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を金属タンク内に導く透過窓と、前記固定側導体に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を固定側導体内に導入する孔と、前記固定側導体内に設けられ前記孔を通過したレーザ光を固定電極の方向へ反射する反射鏡と、前記固定側導体内に設けられ前記反射鏡により反射されたレーザ光を極間に集光する収束レンズと、前記固定電極の中心軸上に設けられ前記収束レンズを通過したレーザ光を極間に導く孔とを備えたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項7

絶縁ガスが充填された金属タンク内に、T字形或いはL字形の中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記固定電極の同一軸線上で且つ固定側導体に対応する前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属容器に設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を金属タンク内に導く透過窓と、前記固定側導体に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を固定側導体内に導入する孔と、前記固定側導体内に設けられ前記孔を通過したレーザ光を極間に集光する収束レンズと、前記固定電極の中心軸上に設けられ前記収束レンズを通過したレーザ光を極間に導く孔とを備えたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項8

絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記可動電極側に対応する金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導く透過窓と、前記可動側導体に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を可動側導体内に導入する孔と、前記可動電極に設けられ前記孔を通過したレーザ光を可動電極内に通すスリットと、前記可動電極内に設けられ前記スリットを通過したレーザ光を極間の方向へ反射する反射鏡と、前記可動電極内に設けられ、且つ前記反射鏡により反射されたレーザ光を極間に集光する収束レンズと、前記可動電極の中心軸線上に設けられ前記収束レンズを通過したレーザ光を極間に導く孔とを備えたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項9

絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、極間の位置に対応する前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導く透過窓と、前記金属タンク内の前記透過窓近傍に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を線状に極間に集光する収束レンズとを備えたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項10

絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、極間の位置に対応する前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導く透過窓と、この透過窓に対向する前記金属タンクの内面に形成され前記透過窓を通過したレーザ光を反射かつ極間に集光する金属面とを備えたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項11

請求項9または請求項10記載のガス絶縁断路器において、1台のレーザ発振器を用いる代わりに、複数のレーザ発振器を金属タンクの円周方向に設けたことを特徴とするガス絶縁断路器。

請求項12

絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記金属タンクの外部にレーザ光が極間にて交差するようにある角度傾斜させてそれぞれ配設された複数のレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を金属タンク内に導く複数の透過窓とを備えたことを特徴とするガス絶縁断路器。

技術分野

0001

本発明は、電力機器に使用されるガス絶縁断路器に関する。

背景技術

0002

ガス絶縁開閉装置(以下単にGISと呼ぶ)には、系統切換え保守点検などを行うときに使用されるガス絶縁断路器が設置されている。ところで、このガス絶縁断路器を開閉すると、断路器サージと称される急峻波サージが発生する。

0003

図15は、従来のガス絶縁断路器の構造図であり、開極あるいは閉極途中の状態を示す。図15において、1は円筒状の金属タンク、2はこの金属タンク1内の中心軸線上に設けられた固定電極で、この固定電極2は中空状の固定側導体3の先端に機械的及び電気的に接続されている。また、4は固定電極2と同軸上に接離可能に対向させて設けられた可動電極で、この可動電極4は中空状の可動側導体5の先端に機械的および電気的に接続される。

0004

また、6、7はそれぞれ固定電極2、可動電極4の外周部に電界緩和のために設けられた固定側シールド可動側シールドである。さらに、8は金属タンク内部に充填された絶縁ガス8である。

0005

図16開極動作時の固定電極2および可動電極4の電圧変化の一例を示すものである。断路器の開極動作充電電流遮断)において、可動電極4が固定電極2から離れると、電極間アークが生じるが、このアークは電流が小さいため、すぐに消滅する。この後、電源側に位置する電極電圧電源電圧(1pu) と等しく変化し、負荷側に位置する電極には直流電圧残留する。

0006

このため、電極間には差電圧ΔVが生じる。この差電圧に電極間の絶縁耐力が耐えられなくなると、絶縁破壊が生じる。この絶縁破壊により、両電極はアークにより電気的に接続され、両電極の電圧は等しくなる。しかしながら、やはり電流が小さいために、すぐにアークは消滅し、再び電極間に差電圧が生じる。そして、電極間の絶縁耐力がその差電圧に耐えられなくなると、再び絶縁破壊が生じる。

0007

この絶縁破壊は、電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu)の電圧に耐え得るまでに回復する間、繰返される。さて、上述のような開極動作において、電極間に絶縁破壊が生じた際に、断路器サージが発生する。断路器サージは、絶縁破壊発生時の電源電圧値を基準として、振幅ΔVで高周波振動する。したがって、断路器サージの対地電圧Vは、電源電圧をVS 、負荷側電極に残留していた電圧をVL とすると、
V=VS +ΔV
=VS +(VS −VL )
=2VS −VL
となる。上式からわかるように、最大の断路器サージが発生するのは、電源電圧のピークで絶縁破壊( VL =1pu または−1pu)した後、逆極性のピークで絶縁破壊が生じた場合( VS =−1pu または1pu)であり、そのときの大きさは3pu となる。

0008

図17は、閉極動作時の固定電極2および可動電極4における電圧変化の一例を示すものである。閉極動作においても、開極動作の場合と同様に、電極間の絶縁耐力が電極間の差電圧に耐えられなくなると絶縁破壊が生じ、断路器サージが発生する。閉極動作においては、最初、負荷側の電圧は0であり、可動電極と固定電極間の絶縁耐力が、電源電圧(1pu) 以下に低下すると、絶縁破壊し得る状況となる。そして、閉極動作において、断路器サージが最大になるのは、最初の絶縁破壊が電源電圧のピークで生じた場合であり、その時の大きさは2pu となる。

0009

上述のごとく、断路器サージは電源電圧を上回る大きさとなる。したがって、断路器サージは、断路器およびそれと接続されるGIS全体の絶縁脅かす要因の一つとなっている。

0010

さて、このような断路器サージを抑制するために、例えば特願平5−149613号に示されるように、絶縁破壊した時の電流経路に設けられた抵抗体を通すように構成し、この抵抗体により断路器サージを抑制するようにした断路器が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、上述のような抵抗体を用いたガス絶縁断路器においては、抵抗体を組込むために断路器が大形化するという問題があり、また抵抗体は断路器サージを抑制できても断路器サージの発生そのものを阻止するものではない等の問題もあった。

0012

本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたもので、その目的は抵抗体とは異なる手段により、断路器サージの発生を抑制または阻止することができるガス絶縁断路器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明は以上の目的を達成するため、次のような手段によりガス絶縁断路器を構成するものである。請求項1に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、このレーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導入して極間に集光させる手段とを設ける。

0014

請求項1に対応する発明にあっては、レーザ発振器から発射されたレーザ光を極間に収束させることにより、極間にプラズマを発生させることが可能となり、このプラズマの導電性により固定電極と可動電極とを電気的に接続して同電位とすることができる。したがって、極間に生じる断路器サージを消滅または抑制することができる。

0015

請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は開極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、開極開始時刻t01と、固定電極と可動電極が離れる時刻t02との間(t01≦ts ≦t02)とし、レーザ光の発射停止時刻teを、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻t03と、開極動作終了時刻t04との間(t03t ≦te ≦t04)とし、両極間の絶縁耐力が2pu以上になるまで、両極間をプラズマでつなぐようにしたものである。

0016

請求項3に対応する発明は、請求項1に対応する発明のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は開極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、固定電極と可動電極が離れる時刻t02(ts=t02)とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻t03(te t03)とし、両極間の絶縁耐力が2pu以上になるまで、両極間をプラズマでつなぐものである。

0017

請求項2及び請求項3に対応する発明にあっては、開極動作時にレーザ光の発射時間を上述のように制御すれば、絶縁破壊が生じることがなく、断路器サージの発生を阻止することができる。さらに、請求項3に対応する発明にあってはレーザ光の発射時間及びプラズマ導電路の長さを最小とすることができるので注入するレーザ光のエネルギを最小とすることができる。

0018

請求項4に対応する発明は、請求項1に対応する発明のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は閉極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と、固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) と等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 (ts =tv=0 (tc1≦tv=0 ≦tc2))とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3と、閉極動作終了時刻tc4との間(tc3≦te ≦tc4)とし、両極間の絶縁耐力が1puに低下する以前において、電源電圧が0の時に両極間をプラズマでつなぐものである。

0019

請求項5に対応する発明は、請求項1に対応する発明のガス絶縁断路器において、前記レーザ発振器は閉極動作時にレーザ光を連続波又はパルス発振させ、且つレーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と、固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) と等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 のうち最も遅い時刻tv=0last (ts =tv=0last )とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3(te =tc3)とし、両極間の絶縁耐力が1puに低下する以前において、電源電圧が0の時に両極間をプラズマでつなぐものである。

0020

請求項4及び請求項5に対応する発明にあっては、閉極動作時にレーザ光の発射時間を上述のように制御すれば、絶縁破壊が生じることがなく、断路器サージの発生を阻止することができる。さらに、請求項5に対応する発明にあってはレーザ光の発射時間及びプラズマ導電路の長さを最小とすることができるので注入するレーザ光のエネルギを最小とすることができる。

0021

請求項6に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記固定電極側に対応する金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を金属タンク内に導く透過窓と、前記固定側導体に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を固定側導体内に導入する孔と、前記固定側導体内に設けられ前記孔を通過したレーザ光を固定電極の方向へ反射する反射鏡と、前記固定側導体内に設けられ前記反射鏡により反射されたレーザ光を極間に集光する収束レンズと、前記固定電極の中心軸上に設けられ前記収束レンズを通過したレーザ光を極間に導く孔とを備える。

0022

請求項6に対応する発明にあっては、レーザ発振器から発射されたレーザ光を透過窓を通して金属タンク内に導入し、これを固定側導体内に孔を通して導くと共に反射鏡により極間方向に反射し、さらに収束レンズにより極間に収束させて極間にプラズマを発生させることにより、このプラズマの導電性により固定電極と可動電極とを電気的に接続して同電位とすることができる。したがって、極間に生じる断路器サージを消滅または抑制することができる。

0023

請求項7に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、T字形或いはL字形の中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記固定電極の同一軸線上で且つ固定側導体に対応する前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属容器に設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を金属タンク内に導く透過窓と、前記固定側導体に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を固定側導体内に導入する孔と、前記固定側導体内に設けられ前記孔を通過したレーザ光を極間に集光する収束レンズと、前記固定電極の中心軸上に設けられ前記収束レンズを通過したレーザ光を極間に導く孔とを備える。

0024

請求項7に対応する発明にあっては、金属ケースの外部より投入されたレーザ光を反射鏡を用いずに収束レンズによって集光させるだけで極間にプラズマを発生させることができる。

0025

請求項8に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記可動電極側に対応する金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導く透過窓と、前記可動側導体に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を可動側導体内に導入する孔と、前記可動電極に設けられ前記孔を通過したレーザ光を可動電極内に通すスリットと、前記可動電極内に設けられ前記スリットを通過したレーザ光を極間の方向へ反射する反射鏡と、前記可動電極内に設けられ、且つ前記反射鏡により反射されたレーザ光を極間に集光する収束レンズと、前記可動電極の中心軸線上に設けられ前記収束レンズを通過したレーザ光を極間に導く孔とを備える。

0026

請求項8に対応する発明にあっては、金属ケースの外部より投入されたレーザ光を収束レンズによって集光させるだけで極間にプラズマを発生させることができる。この場合、可動電極の移動に伴ってレーザ光の集光点が移動する。

0027

請求項9に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、極間の位置に対応する前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導く透過窓と、前記金属タンク内の前記透過窓近傍に設けられ前記透過窓を通過したレーザ光を線状に極間に集光する収束レンズとを備える。

0028

請求項9に対応する発明にあっては、レーザ光を線状に集光するため、所用のプラズマの長さを確保し易くすることができる。また、透過窓と集光レンズ一体化すれば部品点数を削減することができる。

0029

請求項10に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、極間の位置に対応する前記金属タンクの外部に配設されたレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を前記金属タンク内に導く透過窓と、この透過窓に対向する前記金属タンクの内面に形成され前記透過窓を通過したレーザ光を反射かつ極間に集光する金属面とを備える。

0030

請求項10に対応する発明にあっては、レーザ光を線状に集光するため、所用のプラズマの長さを確保し易くなり、また金属タンク内に形成された金属面を反射面としているので、構造の簡略化を図ることができる。

0031

請求項11に対応する発明は、請求項9または請求項10に対応する発明のガス絶縁断路器において、1台のレーザ発振器を用いる代わりに、複数のレーザ発振器を金属タンクの円周方向に設ける。

0032

請求項11に対応する発明にあっては、個々のレーザ発振器を小形化することができる。請求項12に対応する発明は、絶縁ガスが充填された金属タンク内に、中空状の固定側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた固定電極とこの固定電極に接離可能に対向させて設けられ中空状の可動側導体の先端部に電気的に接続して取付けられた可動電極とを収納してなるガス絶縁断路器において、前記金属タンクの外部にレーザ光が極間にて交差するようにある角度傾斜させてそれぞれ配設された複数のレーザ発振器と、前記金属タンクに設けられ前記レーザ発振器から発射されたレーザ光を金属タンク内に導く複数の透過窓とを備える。

0033

請求項12に対応する発明にあっては、請求項1に対応する発明と同様の作用効果が得られることに加えて、請求項6に対応する発明に比べて収束レンズ、反射鏡を不要にすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0034

以下本発明によるガス絶縁断路器の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明によるガス絶縁断路器の第1の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0035

第1の実施の形態では、図1に示すように固定電極側に対応する金属タンク1の外部にレーザ発振器9を配設し、このレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク1内に導くための貫通孔を設けると共に、この孔に透過窓11を形成し、また固定側導体3に透過窓11を通過したレーザ光を固定側導体3内に導入する孔14を設け、さらに固定側導体3の孔14より導入されたレーザ光を極間の方向へ反射する反射鏡13と、この反射鏡13により反射されたレーザ光を極間に集光させる収束レンズ12とを固定側導体3内にそれぞれ設け、且つ固定電極2の中心軸上に収束レンズ12を通過したレーザ光を極間に通す孔15を設けるようにしたものである。

0036

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、断路器の外部から投入されたレーザ光を収束レンズ12によって集光し、これにより極間にプラズマを発生することができる。そして、このプラズマの導電性により、固定電極2と可動電極4とを電気的に接続することができる。

0037

次にレーザ発振器9より連続波発振によるレーザ光を用いて、開極動作時におけるレーザ光の発射時間を制御する場合の作用を図2に示す電圧波形により説明する。

0038

いま、レーザ光の発射開始時刻ts を、開極開始時刻to1と、固定電極と可動電極が離れる時刻to2との間とし、すなわちto1≦ts ≦to2とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻to3と、開極動作終了時間to4との間とした、すなわちto3≦te ≦to4とした場合、固定電極と可動電極が離れた後も、レーザ光を停止するまでの間、両電極は、レーザ光によって形成されたプラズマ導電路により電気的に接続された状態となる。

0039

したがって、この間、両電極の電圧は等しく保たれる。レーザ光を停止した後は、プラズマ導電路が消滅するため、両電極は電気的に切断され、両電極間には差電圧が生じる。しかしながら、両電極間の絶縁耐力は電源電圧の2倍(2pu) 以上に回復しているため、絶縁破壊を生じることはない。

0040

また、連続波を発振させたレーザ光を用いて開極動作時にレーザ光の発射時間を上述のように制御することにより、絶縁破壊が生じることなく、すなわち断路器サージの発生を阻止することができる。

0041

さらに、上述のレーザ光の発射時間の制御において、レーザ光の発射開始時刻te を固定電極と可動電極が離れる時刻to2とし、すなわちts =to2とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻to3とした、すなわちte =to3とすれば、レーザ光の発射時間およびプラズマ導電路の長さを最小とすることができる。すなわち、注入するレーザ光のエネルギーを最小とすることができる。

0042

次にレーザ発振器9より連続波発振によるレーザ光を用いて、閉極動作時におけるレーザ光の発射時間を制御する場合の作用を図3に示す電圧波形により説明する。

0043

いま、レーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) 等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 とし、すなわちts =tv=0 ( tc1≦tv=0 ≦tc2) とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3と閉極動作終了時間tc4との間とした、すなわちtc3≦te ≦tc4とした場合、固定電極と可動電極は差電圧が0の状態でレーザ光によるプラズマ導電路で電気的に接続され、この後は両電極は等しい電圧に保たれる。

0044

したがって、連続波を発振させたレーザ光を用いて、閉極動作時にレーザ光の発射時間を上述のように制御することにより、断路器サージの発生を阻止することができる。

0045

また、上述のレーザ光の発射時間の制御において、レーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) と等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 のうち最も遅い時刻tv=0last とし、すなわちts =tv=0last とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3とした、すなわちte =tc3とすれば、レーザ光の発射時間およびプラズマ導電路の長さを最小とすることができる。すなわち、注入するレーザ光のエネルギーを最小とすることができる。

0046

次にレーザ発振器9よりパルス発振によるレーザ光を用いて、開極動作時におけるレーザ光の発射期間を制御する場合の作用を図4に示す電圧波形により説明する。

0047

いま、レーザ光の発射開始時刻ts を、開極開始時刻t01と、固定電極と可動電極が離れる時刻t02との間とし、すなわちt01≦ts ≦t02とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻t03と開極動作終了時間t04との間とし、すなわちt03≦te ≦t04とし、時刻ts と時刻te の間、レーザ光を繰返し発射した場合、固定電極と可動電極が離れた後、レーザ光を停止するまでの間、両電極はプラズマ導電路により繰返し電気的に接続される。

0048

この場合、両電極間がプラズマ導電路により接続される際、サージが発生するが、このサージの振幅はレーザ光の繰返し周波数を十分大きくすることによって十分に小さく抑えることができる。レーザ光を停止した後は、両電極間には差電圧が生じるが、両電極間の絶縁耐力は電源電圧の2倍(2pu) 以上に回復しているため、絶縁破壊を生じることはない。

0049

したがって、パルス発振させたレーザ光を用いて開極動作においてレーザ光の発射期間を上述のように制御することにより、断路器サージの大きさを抑制でき、すなわち有害となるような断路器サージの発生を阻止することができる。

0050

また、上述のレーザ光の発射期間の制御において、レーザ光の発射開始時刻ts を、固定電極と可動電極が離れる時刻t02とし、すなわちts =t02とし、レーザ光の発射停止時刻te を、両電極間の絶縁耐力が電源電圧の2倍(2pu) となる時刻t03とすれば、すなわちte =t03とすれば、レーザ光の発射期間およびプラズマ導電路の長さを最小とすることができる。すなわち、注入するレーザ光のエネルギーを最小とすることができる。

0051

次にレーザ発振器9よりパルス発振によるレーザ光を用いて、閉極動作時におけるレーザ光の発射期間を制御する場合の作用を図5に示す電圧波形により説明する。

0052

いま、レーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と、固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu) と等しくなる時刻tc2との間において電源電圧が0となる時刻tv=0 とし、すなわちts tv=0 (tc1≦tv=0 ≦tc2) とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3と、閉極動作終了時刻tc4との間とし、すなわちtc3≦te ≦tc4とし、時刻ts と時刻te の間、レーザ光を繰返し発射した場合、固定電極と可動電極は最初差電圧が0の状態でプラズマ導電路により接続された後、両電極が接触するまでの間、プラズマ導電路により繰返し接続される。

0053

初回を除き、両電極間がプラズマ導電路により接続される際、サージが発生するが、このサージの振幅はレーザ光の繰返し周波数を十分大きくすることによって十分に小さく抑えることができる。

0054

したがって、レーザ光としてパルスを用いて、閉極動作時にレーザ光の発射期間を上述のように制御することにより、断路器サージの大きさを抑制でき、すなわち有害となるような断路器サージの発生を阻止することができる。

0055

また、上述のレーザ光の発射時間の制御において、レーザ光の発射開始時刻ts を、閉極開始時刻tc1と、固定電極と可動電極間の絶縁耐力が電源電圧(1pu)と等しくなる時刻tc2との間に電源電圧が0となる時刻tv=0 のうち、最も遅い時刻tv=0last とし、すなわちts =tv=0last とし、レーザ光の発射停止時刻te を、固定電極と可動電極が接する時刻tc3とすれば、すなわちte =tc3とすれば、レーザ光の発射時間およびプラズマ導電路の長さを最小とすることができる。すなわち、注入するレーザ光のエネルギーを最小とすることができる。

0056

図6は本発明によるガス絶縁断路器の第2の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0057

本実施の形態は、図6に示すように固定電極側に対応する金属タンク1の外部に複数(本例では2台)のレーザ発振器9をそれぞれ配設し、これらのレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク内に導くための複数(本例では2個)の貫通孔をそれぞれ設けると共に、それぞれの孔に透過窓11を形成し、また固定側導体3にこれら各透過窓11を通過したレーザ光を固定側導体3内に導入する複数の孔14を設け、さらに固定側導体3内に各孔14を通過したレーザ光を極間の方向へ反射する複数の反射鏡13を設け、且つ固定電極2の中心軸上にそれぞれの反射鏡13により反射されたレーザ光を極間に通す孔15を設けるようにしたものである。

0058

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、断路器の外部から投入された複数のレーザ光を極間に集め、これにより極間にプラズマを発生することができる。また、第1の実施の形態と比べ、個々のレーザ発振器を小型化することができるとともに、収束レンズが不要になる。

0059

図7は本発明によるガス絶縁断路器の第3の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0060

本実施の形態は、図7に示すようにT字形あるいはL字形の中空状の固定側導体3が同形状の金属タンク1内に設けられる場合、固定電極2の中心軸線上で固定側導体3のT字形あるいはL字形の折曲部に対応する金属タンク1の外部にレーザ発振器9を配設し、このレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク1内に導くための貫通孔を設けると共に、この孔に透過窓11を形成し、また固定側導体3に透過窓11を通過したレーザ光を固定側導体3内に導入する孔14を設け、さらに固定側導体3内に孔14より導入されたレーザ光を極間に集光する収束レンズ12を設け、且つ固定電極2の中心軸上に収束レンズ12を通過したレーザ光を極間に通す孔15を設けるようにしたものである。

0061

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、第1の実施の形態と同様に、断路器の外部から投入されたレーザ光を収束レンズ12によって集光し、これにより極間にプラズマを発生することができる。さらに、第1の実施の形態に比べ、反射鏡が不要らなる。

0062

図8は本発明によるガス絶縁断路器の第4の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0063

本実施の形態は、図8に示すように可動電極側に対応する金属タンク1の外部にレーザ発振器9を配設し、このレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク1内に導くための貫通孔を設けると共に、この孔に透過窓11を形成し、また可動側導体4に透過窓11を通過したレーザ光を可動側導体4内に導入する孔16を設け、さらに可動電極4に可動側導体の孔16を通過したレーザ光を通すスリット17を設けると共に、この可動電極のスリットを通過したレーザ光を極間の方向へ反射する反射鏡13と、この反射鏡13により反射されたレーザ光を極間に集光する収束レンズ12とを設け、且つ可動電極4の中心軸上に収束レンズ12を通過したレーザ光を極間に通す孔18を設けるようにしたものである。

0064

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、第1の実施の形態と同様に、断路器の外部から投入されたレーザ光を収束レンズ12によって集光し、これにより極間にプラズマを発生させることができる。この場合、第1の実施の形態と異なるのは、可動電極の移動に伴って、レーザ光の集光点が移動する点である。

0065

図9は本発明によるガス絶縁断路器の第5の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0066

本実施の形態は、固定電極側からレーザ光を投入する第1の実施の形態と、可動電極側からレーザ光を投入する第4の実施の形態とを組合せるようにしたものである。

0067

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、レーザ光の集光点が2点となり、所要のプラズマの長さを確保し易くなる。図10は本発明によるガス絶縁断路器の第6の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0068

本実施の形態は、図10(a),(b)に示すように極間の位置に対応する金属タンク1の外部にレーザ発振器9を設け、このレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク内に導くための貫通孔を設けると共に、この孔に透過窓11を形成し、この透過窓11を通過したレーザ光を線状に極間に集光させる収束レンズ12を窓部に近接させて設けるようにしたものである。

0069

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、レーザ光を線状に集光するため、所要のプラズマの長さが確保し易くなる。また、透過窓11と収束レンズ12を一体化すれば、部品点数を削減することができる。

0070

図11は本発明によるガス絶縁断路器の第7の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0071

本実施の形態は、第6の実施の形態のガス絶縁断路器において、1台のレーザ発振器を用いる代わりに、複数台のレーザ発振器9を金属タンク1の長手方向に並設するようにしたものである。

0072

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、第6の実施の形態に比べ、個々のレーザ発振器を小型化することができる。図12は本発明によるガス絶縁断路器の第8の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0073

本実施の形態は、図12(a),(b)に示すように極間の位置に対応する金属タンク1の外部にレーザ発振器9を設け、このレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク内に導くための貫通孔を設けると共に、この孔に透過窓11を形成し、この透過窓11を通過したレーザ光を反射かつ極間に集光させる反射鏡の役目を担う金属面19を透過窓11と対向する金属タンク1の内面に形成するようにしたものである。

0074

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、第6の実施の形態と同様にレーザ光を線状に集光するため、所要のプラズマの長さが確保し易くなる。また、金属面19を反射鏡として利用しているため、構造を簡略化することができる。

0075

図13は本発明によるガス絶縁断路器の第9の実施の形態を示す断面図であり、図10に示したガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0076

本実施の形態は、第6の実施の形態のガス絶縁断路器において、1台のレーザ発振器を用いる代わりに、複数台のレーザ発振器9を金属タンク1の円周方向に等間隔を存して設けるようにしたものである。

0077

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、第6の実施例に比べ、個々のレーザ発振器を小型化することができる。なお、図13では図10に示す実施の形態の構成を対象としたが、図11及び図12に示す実施の形態の構成を対象としても同様に実施できるものである。

0078

図14は本発明によるガス絶縁断路器の第10の実施の形態を示す断面図であり、図15に示した従来のガス絶縁断路器と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。

0079

本実施の形態は、図14に示すように可動電極側に対応する金属タンク1の外部の複数か所(本例では2か所)にレーザ発振器9をそれぞれ配設し、これらのレーザ発振器9から発射されたレーザ光10を金属タンク1内に導き、且つ極間で交差するようにある角度で傾斜させた貫通孔を設けると共に、それぞれの貫通孔に透過窓11を形成するようにしたものである。

0080

このような構成のガス絶縁断路器とすれば、第1乃至第7の実施の形態に比べて、収束レンズや反射鏡が不要になる。以上述べた各実施の形態において、さらに次のような構成を採用するようにしてもよい。

0081

第11の実施の形態は、前述した第2の実施の形態、第5の実施の形態、第7の実施の形態、第9及び第10の実施の形態のガス絶縁断路器において、複数のレーザ発振器を用いる代わりに、1台のレーザ発振器のレーザ光を分光して用いるものである。

0082

このような構成とすれば、第2の実施の形態、第5の実施の形態、第7の実施の形態、第9及び第10の実施の形態に比べ、レーザの発射、停止のタイミングずれの問題がなくなり、信頼性の向上を図ることができる。

0083

第12の実施の形態では、前述した第1乃至第10の実施の形態のガス絶縁断路器において、レーザ発振器をガス絶縁断路器の近傍に置かずに、離れた位置に配設し、レーザ発振器とガス絶縁断路器に設けられた透過窓とを結ぶレーザ光の通路を設けるものである。

0084

このような構成とすれば、レーザ発振器をガス絶縁断路器の近傍に置かないため、GISの機器配置の自由度を損ねることがない。第13の実施の形態では、前述した第12の実施例のガス絶縁断路器において、レーザ光の通路を複数のガス絶縁断路器と1台のレーザ発振器との間に設け、かつレーザ光の通路の切換え装置を設けるものである。

0085

このような構成とすれば、1台のレーザ発振器で複数のガス絶縁断路器をまかなうことができ、すなわち変電所あるいは開閉所内のガス絶縁断路器の台数に比べ、レーザ発振器の台数を削減でき、経済的に有利なものとになる。

発明の効果

0086

以上述べたように本発明によれば、極間にレーザ光によるプラズマ導電路を形成することによって、断路器サージの発生を阻止または抑制することができるガス絶縁断路器を提供できる。

図面の簡単な説明

0087

図1本発明の第1の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図2同実施の形態において、連続波発振のレーザ光を用いた開極動作時の電圧波形を示す図。
図3同実施の形態において、連続波発振のレーザ光を用いた閉極動作時の電圧波形を示す図。
図4同実施の形態において、パルス発振のレーザ光を用いた開極動作時の電圧波形を示す図。
図5同実施の形態において、パルス発振のレーザ光を用いた閉極動作時の電圧波形を示す図。
図6本発明の第2の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図7本発明の第3の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図8本発明の第4の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図9本発明の第5の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図10本発明の第6の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図11本発明の第7の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図12本発明の第8の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図13本発明の第9の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図14本発明の第10の実施の形態を示すガス絶縁断路器の断面図。
図15従来のガス断路器を示す断面図。
図16従来ガス断路器の開極動作時の電圧波形を示す図。
図17従来ガス断路器の閉極動作時の電圧波形を示す図。

--

0088

1……金属タンク
2……固定電極
3……固定側導体
4……可動電極
5……可動側導体
6……固定側シールド
7……動側シールド
8……絶縁ガス
9……レーザ発振器
10……レーザ光
11……透過窓
12……収束レンズ
13……反射鏡
14……固定側導体の孔
15……固定電極の孔
16……可動側導体の孔
17……可動電極のスリット
18……可動電極の孔
19……反射鏡の役目を担う金属面

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