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技術 炉壁の構造

出願人 山口喜美夫
発明者 山口喜美夫
出願日 1998年11月9日 (22年3ヶ月経過) 出願番号 1998-317674
公開日 2000年2月25日 (20年11ヶ月経過) 公開番号 2000-055568
状態 特許登録済
技術分野 炉の外套、ライニング、壁、天井(炉一般1)
主要キーワード 積層組 膨張収縮率 締結体 耐火粘土 耐火セメント 耐火部材 耐火金属 膨張変形
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図面 (12)

課題

炉壁の厚さを増すことなく優れた断熱保温性を有し、且つ、優れた強度および耐久性を維持す。

解決手段

耐火材料によって平板状に形成された基部3の一方の板面に複数の柱状の突起部4を一体に有した第一の炉壁体1に対し、前記突起部4の先端部4bに対面する如く耐火材料によって平板状に形成された第二の炉壁体2を積層し、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との間に突起部4を介した空間5をなす。これにより、該空間5を以て熱の伝導を低減させ、且つ、板状部分温度変化による膨張収縮が生じても突起部4の歪みによって、この膨張収縮を受け流す。ゆえに、厚さの薄い炉壁であっても、優れた断熱・保温性を有し、優れた強度をおよび耐久性を維持することができる。

概要

背景

炉壁は、炉の外壁をなすものであり、その目的の一つは、炉内に熱を閉じ込め高温とすることにある。このように適宜断熱保温が行われることで、熱エネルギー損失を防ぎ、少ない熱エネルギーでの焼成焼付焼却、溶解、加熱などを短時間で行うことを目的としている。

従来、この種の炉壁の構造は、その厚さを大きくすることにより断熱・保温効果を得ようとするものであった。

概要

炉壁の厚さを増すことなく優れた断熱・保温性を有し、且つ、優れた強度および耐久性を維持す。

耐火材料によって平板状に形成された基部3の一方の板面に複数の柱状の突起部4を一体に有した第一の炉壁体1に対し、前記突起部4の先端部4bに対面する如く耐火材料によって平板状に形成された第二の炉壁体2を積層し、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との間に突起部4を介した空間5をなす。これにより、該空間5を以て熱の伝導を低減させ、且つ、板状部分温度変化による膨張収縮が生じても突起部4の歪みによって、この膨張収縮を受け流す。ゆえに、厚さの薄い炉壁であっても、優れた断熱・保温性を有し、優れた強度をおよび耐久性を維持することができる。

目的

そこで本発明は、上記課題を解消するために、炉壁の厚さを増すことなく優れた断熱・保温性を有し、且つ、優れた強度および耐久性を維持することができる炉壁の構造を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

耐火材料によって板状に形成され、その一方の板面に複数の突起部を一体に有した第一の炉壁体と、耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体と、を備え、前記第一の炉壁体における前記突起部の先端部に対面する如く前記第二の炉壁体を積層し、前記第一の炉壁体と前記第二の炉壁体との間に前記突起部を介した空間をなすことを特徴とする炉壁の構造。

請求項2

耐火材料によって板状に形成され、その双方の板面に複数の突起部を一体に有した第三の炉壁体と、耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体と、を備え、前記第二の炉壁体における前記突起部の先端部に対面する如く前記第二の炉壁体をそれぞれ積層し、前記第二の炉壁体と前記第三の炉壁体との間に前記突起部を介した空間をなすことを特徴とする炉壁の構造。

請求項3

前記第一の炉壁体、第二の炉壁体及び第三の炉壁体の種々の積層組み合わせにより、前記各炉壁体の間に前記突起部を介した空間を多層に有する如く形成することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の炉壁の構造。

請求項4

前記各突起部は、前記第一あるいは第三の炉壁体の板面より突出する基端部の総面積が、前記板面の全体面積の約20〜70%を占めるとともに、その高さが、前記第一あるいは第三の炉壁体の厚さの略1.5倍以下となる如く形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の炉壁の構造。

請求項5

前記突起部は、柱状に形成され、その先端部が基端部よりも細径、あるいはる如く、その周面が傾斜あるいは湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の炉壁の構造。

請求項6

前記突起部は、前記第一あるいは第三の炉壁体の板面より隆起する如く山状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の炉壁の構造。

請求項7

前記突起部は、第一あるいは第三の炉壁体の厚さを貫通しない筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の炉壁の構造。

請求項8

前記突起部は、前記板状部分と別体に形成され、第一の炉壁体あるいは第三の炉壁体の板面に対して耐火性接着剤を以て取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の炉壁の構造。

技術分野

0001

本発明は、内部に火などを蓄えることにより内部の物品焼成焼付焼却、溶解、加熱などをする炉にかかり、該炉の外壁をなす炉壁の構造に関するものである。

背景技術

0002

炉壁は、炉の外壁をなすものであり、その目的の一つは、炉内に熱を閉じ込め高温とすることにある。このように適宜断熱保温が行われることで、熱エネルギー損失を防ぎ、少ない熱エネルギーでの焼成、焼付、焼却、溶解、加熱などを短時間で行うことを目的としている。

0003

従来、この種の炉壁の構造は、その厚さを大きくすることにより断熱・保温効果を得ようとするものであった。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した従来の炉壁の構造では、断熱・保温性を高めようとする場合には、自ずと厚さが増すことになる。この場合、熱を受ける炉壁の内面と、外面とには著しい温度差が生じることとなり、炉壁の内面は高温となって膨張し、外面は膨張がない状態となる。また、炉内の温度が低下したときに炉壁に収縮が生じるが、この収縮は炉壁の内面では大きく、外面は小さいこととなる。このため、炉壁の内面と外面との間で膨張収縮が異なり、且つ、上述の如く炉壁の厚さが増せばこの差異が大きくなるため、炉壁が劣化して亀裂が生じてしまうという問題点があった。

0005

また、炉壁の厚さを増すことは、炉の大きさが大型化してしまうために、限られた敷地部分に対して炉を設置することができなかった。

0006

このような問題から、薄い厚さで断熱・保温性を有する材質を用いて炉壁を構成することが考えられるが、この種の材質は高価であるために、コストが嵩み、実現性が低い。

0007

そこで本発明は、上記課題を解消するために、炉壁の厚さを増すことなく優れた断熱・保温性を有し、且つ、優れた強度および耐久性を維持することができる炉壁の構造を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため本発明による炉壁の構造は、耐火材料によって板状に形成され、その一方の板面に複数の突起部を一体に有した第一の炉壁体と、耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体と、を備え、前記第一の炉壁体における前記突起部の先端部に対面する如く前記第二の炉壁体を積層し、前記第一の炉壁体と前記第二の炉壁体との間に前記突起部を介した空間をなすことを特徴としている。

0009

また、本発明による炉壁の構造は、耐火材料によって板状に形成され、その双方の板面に複数の突起部を一体に有した第三の炉壁体と、耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体と、を備え、前記第二の炉壁体における前記突起部の先端部に対面する如く前記第二の炉壁体をそれぞれ積層し、前記第二の炉壁体と前記第三の炉壁体との間に前記突起部を介した空間をなすことを特徴としている。

0010

そして、前記第一の炉壁体、第二の炉壁体及び第三の炉壁体の種々の積層組み合わせにより、前記各炉壁体の間に前記突起部を介した空間を多層に有する如く形成することを特徴としている。

0011

さらに、前記各突起部は、前記第一あるいは第三の炉壁体の板面より突出する基端部の総面積が、前記板面の全体面積の約20〜70%を占めるとともに、その高さが、前記第一あるいは第三の炉壁体の厚さの略1.5倍以下となる如く形成されていることが好ましい。

0012

また、前記突起部は、柱状に形成され、その先端部が基端部よりも細径、あるいはる如く、その周面が傾斜あるいは湾曲をなして形成されていてもよい。

0013

また、前記突起部は、前記第一あるいは第三の炉壁体の板面より隆起する如く山状に形成されていてもよい。

0014

また、前記突起部は、第一あるいは第三の炉壁体の厚さを貫通しない筒状に形成されていることが好ましい。

0015

また、前記突起部は、前記板状部分と別体に形成され、第一の炉壁体あるいは第三の炉壁体の板面に対して耐火性接着剤を以て取り付けられていることを特徴としている。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。本発明による炉壁の構造は、炉の外壁をなすものであり、炉内に熱を閉じ込めて高温とすることで、適宜断熱・保温を行って、熱エネルギーの損失を防ぎ、少ない熱エネルギーでの焼成、焼付、焼却、溶解、加熱などをなす。図1は本発明による炉壁の構造を示す分解斜視図、図2は同炉壁の構造の断面図である。

0017

この実施の形態の炉壁の構造は、図1および図2に示すように、第一の炉壁体1と、第二の炉壁体2とで構成されている。

0018

第一の炉壁体1は、耐火材料によって平板状に形成された基部3の一方の板面に複数の柱状の突起部4が一体形成されている。この第一の炉壁体1をなす耐火材料としては、火に触れても極表面だけしか変質せず、不燃性の材料であって、例えば、耐火金属タングステンタンタルモリブデンなど)、耐火セメントアルミナセメントなど)、耐火粘土ケイ酸アルミナおよび水などを主成分とするもの)、セラミックス繊維アルミナ繊維など)がある。また、第一の炉壁体1を成形するには、上記の耐火材料を彫込型に入れて圧力を加える押型式と、上記の耐火材料を枠型に入れて不要部分をバキュームする吸入式とがある。

0019

また、各突起部4は、図1に示す円柱、あるいは角柱などの柱状に形成され、その基端部4aの総面積が、基部3の板面の全体面積の約20〜70%(好ましくは30%)を占めている。また、各突起部4は、その高さが、基部3の厚さの略1.5倍以下となるように形成されている。

0020

第二の炉壁体2は、第一の炉壁体1における基部3と同様に、耐火材料によって平板状に形成されている。

0021

そして、図2に示すように、第一の炉壁体1における突起部4の先端部4bに、第二の炉壁体2の板面を対面するように積層し、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との間に突起部4の高さ分を介した空間5をなす。この空間5は、各突起部4の間隔を以て連通されている。また、積層された第一の炉壁体1と第二の炉壁体2とは、耐火性の接着剤で接着されているか、あるいは耐火性の締結体ボルトなど)で固定される。

0022

このような炉壁により炉を構成する場合、第一の炉壁体1を炉の内側とし、第二の炉壁体2を炉の外側とする。即ち、図2に矢印で示す如く、第一の炉壁体1の基部3側から熱が加えられる。

0023

第一の炉壁体1の基部3側に熱が加わると、この熱は基部3を介して温度が多少低下されて空間5側に伝導される。空間5に伝達された熱は、空気を介していることにより温度の伝導が著しく低下する。ゆえに、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との積層により、優れた断熱・保温性を得ることとなる。

0024

さらに、空間5は、各突起部4の間隔を以て連通されているため、基部3に加わる熱に部分的な温度差があっても、連通する空間5でこの熱を均一化するので、炉内温度を均等にするとともに、外方に伝導する熱の温度をも均等にすることができる。

0025

また、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との間に連通する空間5を有していることから、この空間5内の空気を排気流の圧力で引く抜くエゼクト作用を起こすことができ、炉内の温度を安定して上昇させることが可能である。

0026

一方、第一の炉壁体1の基部3側に熱が加わると、基部3が熱膨張を起こすこととなる。この際、突起部4が基部3の膨張を受けて歪むために、基部3の膨張変形があっても、第二の炉壁体2側には何ら影響がない。また、第一の炉壁体1の基部3が収縮した場合においても、突起部4の歪みにより、基部3の収縮が第二の炉壁体2側に影響しない。ゆえに、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との積層により、優れた強度を得ることとなる。

0027

なお、上述した第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との積層を、図3に示す如く多層に構成してもよい。この場合、温度の伝導を、各突起部4がなす多層の空間5を以て相乗して低減することが可能となる。さらに、多層構造によれば、第一の炉壁体1におこる膨張収縮を、各突起部4を以て相乗して受け流すことが可能となる。

0028

また、第一の炉壁体1の基部3の厚さは、突起部4がなす空間5によって優れた断熱・保温性が得られるので、厚く形成する必要がない。むしろ、基部3の厚みは、熱が加わる面と、突起部4をなす面とで、膨張収縮に差異がないように薄い方が好ましい。ゆえに、積層構造としても全体の厚さは、厚くなることがない。

0029

ここで、図4(a),(b)で示す本発明の炉壁の構造と従来との比較対照図のように、同一の耐火部材を用いて、従来の一枚板の構造の炉壁101(図4(a))の厚さと、本発明の炉壁の構造(図4(b))の厚さを同一に構成したとする。このような場合、従来の炉壁101において一方の面(図中左側)から熱が加わった際、他方の面(図中右側)に向かって図示の付線hの如く熱の伝導が生じる。これに対し、本発明の炉壁の構造では、図示の付線Hの如く基部3での熱の伝導は従来と同様であるが、空間5にかかる熱の伝導は著しく低下する。そして、点線hで示す従来の熱の伝導と比較すると他方の面での伝導熱に差異Pが生じることとなる。

0030

このように、本発明の炉壁の構造では、従来と同じ厚さであっても、熱の伝導を著しく低下することが可能であり、且つ使用する耐火材料をも空間5の分低減させることが可能となる。また、従来と同様の熱の伝導の炉壁を本発明の構成で得る場合、従来よりも厚さを薄くできることは勿論である。

0031

ところで、上述した第一の炉壁体1における突起部4は、柱状としているが、図5乃至図8に示す構成とすることにより、上述した効果を助勢することが可能となる。図5(a),(b)に示すように、突起部4の形状を、基端部4aに対し、先端部4bが細径となる如く、その周面を傾斜して形成する。あるいは、図6(a),(b)に示すように、突起部4の形状を先端部4bが尖る如く、その周面を傾斜して形成する。または、図7(a),(b)に示すように、突起部4の形状を基端部4aに対し、先端部4bが細径あるいは尖る如く、その周面を湾曲して形成する。

0032

このように突起部4の形状を変えることにより、第二の炉壁体2の板面に接触する突起部4の先端部4bが基端部4aよりも面積が小さくなるため、突起部4を介して第一の炉壁体1から第二の炉壁体2への熱の伝導を低減させるため、さらに断熱・保温性を向上させることが可能となる。

0033

さらに、突起部4の周面が傾斜あるいは湾曲して形成されたことにより、第一の炉壁体1の基部3が膨張収縮した際の歪みに対する突起部4の強度を増すことが可能となる。

0034

そして、突起部4の先端部4bを尖る如く形成した場合においては、図2あるいは図3のように炉壁を構成する際、突起部4の先端部4b側を熱を受ける側に向けるとよい。これによれば、熱が伝導される側への突起部4の接触面積が少ないことにより、熱の伝導を著しく低下させ、さらに断熱・保温効果を向上することができる。

0035

また、図8(a),(b)に示すように、突起部4を先端部4b側に開口する中空とし、第一の炉壁体1の基部3を貫通することがない筒状に形成する。これにより、突起部4内に上述の空間5とは別の内部空間4cをなすこととなるので、該内部空間4cを以て熱の伝導をさらに低下させることが可能となる。また、筒状の形状により、第一の炉壁体1の基部3が膨張収縮した際の歪みに対する突起部4の強度を増すことが可能となる。

0036

そして、上記突起部4の筒状の構成は、図5乃至図7に示す突起部4の形状に加えて構成することも可能である。

0037

なお、突起部4は、図示しないが、第一の炉壁体1の板面より隆起する如く山状に形成されていてもよい。これによれば、突起部4の成形を容易とすることが可能となる。また、山状の突起部4においても、筒状の構成をなしてもよい。

0038

ここで、上述した第一の炉壁体1の変形例を図9に示し説明する。図9に示す第三の炉壁体10は、第一の炉壁体1と同様に、耐火材料によって平板状に形成された基部3を備えている。そして、基部3の双方の板面に複数の柱状の突起部4を一体形成している。

0039

そして、第三の炉壁体10を、上述した第二の炉壁体2で挟むようにして、積層構成することにより、第三の炉壁体10の両面側に空間5が形成される。

0040

このように構成された第三の炉壁体10を採用した場合でも、その空間5と突起部4により、優れた断熱・保温性を有するとともに、優れた強度を得ることが可能である。

0041

なお、第三の炉壁体10のおける突起部4の形状は、図5乃至図8で示して説明した構成を用いることが可能である。

0042

また、上述の第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10を種々積層組み合わせしてもよい。

0043

また、上述した実施の形態では、第一の炉壁体1及び第三の炉壁体10を平板状の基部3に縦横数列(図示では五列)の突起部4を備えた構成とし、第二の炉壁体2を、第一の炉壁体1及び第三の炉壁体10の基部3の大きさに対応した平板状の構成としている。つまり、第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10はパネル状に形成されて、このパネル状を複数接続することにより炉壁が構成される。また、第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10はパネル状に限らず、図10に示すように、第一の炉壁体1及び第三の炉壁体10を基部3に突起部4を数個(例えば二個など)備えたブロック状に形成し、第二の炉壁体2を第一の炉壁体1及び第三の炉壁体10に対応したブロック状に形成して、このブロック状を複数接続して炉壁を構成してもよい。このように、パネル状あるいはブロック状の構成によれば、上述した効果を備えた炉壁によって、様々な大きさおよび形状の炉を容易に得ることが可能となる。なお、第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10をブロック状に構成した場合、図10に示す如く、第一の炉壁体1(第三の炉壁体10)の継ぎ目に対し、第二の炉壁体2をずらして組み合わせることにより、炉壁の強度を増すことができる。

0044

また、上述した実施の形態において、第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10を用いて多層の炉壁を構成できることから、異なる耐火材料の炉壁体を組み合わせて構成することが可能となる。この場合、耐火材料の性質膨張収縮率耐火性能など)に応じて、炉壁の内外での順序を規定する必要はないが、使用目的に応じて、例えば、炉の最も内側に膨張収縮率の小さい高価な耐火材料の炉壁体を用い、外側に安価な耐火材料の炉壁体を採用すれば、優れた性能で、且つ安価な炉壁を得ることができる。

0045

また、上述した実施の形態では、第一の炉壁体1の基部3、第二の炉壁体2および第三の炉壁体10の基部3を平板状として図示して説明しているが、これらは平板状に限らず、湾曲あるいは折曲した板状をなしていてもよい。このように、湾曲あるいは折曲した構成があれば、平板状の構成を含めた様々な組み合わせによって、如何なる形状の炉を得ることが可能となる。

0046

また、上述した実施の形態では、第一の炉壁体1あるいは第三の炉壁体10にある突起部4を基部3に対して一体に形成していると説明しているが、突起部4と基部3とを別体で形成し、基部3に対して突起部4を耐火性の接着剤で取り付けてもよい。このように、別体で形成された突起部4を基部3に対して耐火性の接着剤で取り付した場合、基部3に熱が加えられて基部3が熱膨張を起こした際、耐火性の接着剤を間において突起部4が微動し、基部3におこる膨張変形を受け流すことができる。また、基部3が収縮した時も、同様に収縮変形を受け流すことができるため、さらに優れた強度を得る。

0047

また、上述した実施の形態における突起部4に関し、図示あるいは説明した形状は、基部3の板面から突出する突起をなしているが、図11に示すように、基部3の板面に沿って断続的に突出する突条をなしていてもよく、この構成であっても上述と同様の効果が得られる。この突条の構成は、上述のように基部3と一体あるいは別体どちらの構成であってもよい。また、この突条の断面形状は図5乃至図7で示した形状と同様、あるいは山状の形状でもよく、さらには、図8のように筒状の構成をなしてもよい。

0048

さらに、上述した全ての実施の形態において、空間5内に突起部4で挟持されるように薄葉状の輻射熱反射部材(不図示)を設けてもよい、この輻射熱反射部材は、熱伝導率が低く、且つ耐火性の金属材(例えばアルミニウム合金など)からなる。この輻射熱反射部材を設ければ、熱の伝導をさらに低下させることが可能となり、さらに、炉内が白熱化した場合の輻射熱反射し、益々の断熱効果を得ることとなる。なお、輻射熱反射部材は、空間5内の熱を受ける側に配するように構成することが断熱・保温効果を得る上で好ましい。

発明の効果

0049

以上説明したように本発明による炉壁の構造は、耐火材料によって板状に形成され、その一方の板面に複数の柱状の突起部を一体に有した第一の炉壁体に対し、前記突起部の先端部に対面する如く耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体を積層し、第一の炉壁体と第二の炉壁体との間に突起部を介した空間をなすことにより、該空間を以て熱の伝導を低減させ、且つ、板状部分に膨張収縮が生じても突起部の歪みによって、この膨張収縮を受け流す。ゆえに、厚さの薄い炉壁であっても、優れた断熱・保温性を有し、優れた強度をおよび耐久性を維持することができる。

0050

また、空間は、複数の柱状の突起部によりなり、各突起部の間隔を介して連通しているので、炉壁の一部が高温となっても、連通する空間によって熱を均一化させるので、炉内温度を均等にするとともに、伝導する熱をも均等にすることができる。

0051

また、連通する空間により、この空間内の空気を排気流の圧力で引く抜くエゼクト作用を起こし、炉内の温度を安定して上昇させることができる。

0052

また、板状部分は、膨張収縮することが許されるので、膨張収縮が起こりやすい安価な耐火材料を使用することができるとともに、炉壁の内部に空間を設けることで、炉壁の外見上の厚みに対する耐熱材料の使用量を減らすことができるため、炉壁のコストを低減することができる。

0053

また、耐火材料によって板状に形成され、その双方の板面に複数の柱状の突起部を一体に有した第三の炉壁体を用い、この第二の炉壁体における突起部の先端部に対面する如く第二の炉壁体をそれぞれ積層し、第二の炉壁体と第三の炉壁体との間に突起部を介した空間をなす構成であっても同様の効果を得ることができる。

0054

また、前記第一の炉壁体、第二の炉壁体及び第三の炉壁体の種々の積層組み合わせを行えば、各炉壁体の間に突起部を介した空間を多層に有する如く形成することができる。この場合、異なる性質(膨張収縮率・耐火性能など)の耐火材料を各層に採用し、目的に応じた炉壁をなすことができる。

0055

また、前記各突起部は、その基端部の総面積が、板面の全体面積の約20〜50%を占めるとともに、その高さが、板状部分の厚さの略1.5倍以下となる如く形成されていることが好ましく、この構成とすることにより上記効果を適宜得ることが可能である。

0056

また、前記突起部は、先端部が基端部よりも細径、あるいは尖る如く、その周面が傾斜あるいは湾曲をなして形成されていることが好ましく、この構成により、突起部の強度を向上し、炉壁の強度を増すことができる。

0057

さらに、前記突起部を、第一あるいは第三の炉壁体の厚さを貫通しない筒状に形成すれば、さらなる強度の向上を図ることができる。

0058

また、前記突起部を、第一あるいは第三の炉壁体の板状部分と別体に形成し、第一あるいは第三の炉壁体の板面に対して耐火性の接着剤を以て取り付けることにより、板状部分が膨張変形あるいは収縮変形を起こしても耐火性の接着剤を間において突起部が微動し、板状部分の変形を受け流すことができ、さらに優れた強度を得ることができる。

図面の簡単な説明

0059

図1本発明による炉壁の構造を示す分解斜視図。
図2同炉壁の構造の断面図。
図3同炉壁を多層構造にした状態の断面図。
図4(a)(b)本発明の炉壁の構造と従来との比較対照図。
図5(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図および断面図。
図6(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図および断面図。
図7(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図および断面図。
図8(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図および断面図。
図9本発明による炉壁の構造の変形例を示す断面図。
図10本発明による炉壁の構造の使用形態の一例を示す斜視図。
図11突起部の他の構造を示す斜視図。

--

0060

1…第一の炉壁体、2…第二の炉壁体、3…基部、4…突起部、4a…基端部、4b…先端部、4c…内部空間、5…空間、10…第三の炉壁体。

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  • 大同特殊鋼株式会社の「 台車式加熱炉およびそのシール構造」が 公開されました。( 2020/12/10)

    【課題】台車式加熱炉における台車の側面と、台車の上部を覆う炉壁の内面との間のシール性が高いシール構造の提供。【解決手段】レール上を往復する台車を奥壁へ接近させ、前記台車の上部を覆った炉壁の内部を加熱し... 詳細

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