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技術 合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法および合成樹脂製部材の接合装置

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 伊藤良輔原田浩次小口貴士
出願日 1999年2月25日 (21年10ヶ月経過) 出願番号 1999-048554
公開日 2000年2月22日 (20年10ヶ月経過) 公開番号 2000-052430
状態 未査定
技術分野 プラスチック等のライニング、接合
主要キーワード 各相対移動 外管部分 両接合面間 小ステージ 基準移動量 破断繰り返し数 治具移 固体摩擦
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重要な関連分野

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図面 (13)

課題

摩擦接合により得られた接合部材を、非破壊状態で正確かつ容易に、その接合が成されているか否かを判定する接合良否判定方法およびこの接合良否を判定するための手段を備えた合成樹脂製部材接合装置を提供する。

解決手段

合成樹脂製の2つの被接合部材を、その接合面同士を突き合わせ、この突き合わせた接合面同士を摩擦させて両接合面を摩擦熱によって溶融状態にする溶融工程と、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する接合工程とを含む製造方法によって接合した接合部材を製造するにあたり、圧接圧両被接合部材相対移動量、両被接合部材の相対移動速度、および、接合工程の圧接時間からなる群より選ばれた少なくとも何れかの値を測定し、この測定値が予め決定された基準値の範囲内に入っているか否かを調べ、接合状態の良否を判定する。

概要

背景

従来、被接合部材としての管と管との接合等、合成樹脂製の2つの被接合部材を接合する方法として摩擦接合が知られている。摩擦接合は、接合しようとする被接合部材の一方を回転または振動させるとともに、この接合面と他方の被接合部材の接合面とを突き合わせて接合面間摩擦熱を発生させ接合面を溶融させ、その後、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接し、この圧接状態を保ちながら溶融した樹脂冷却固化して両被接合部材を接合するものである。

しかし、摩擦接合によって得られた接合部材は、その接合性能破壊検査によってしか確認できないため、完全な品質保証ができないという問題があった。そこで、例えば、特公昭63−50115号公報および特公昭63−50116号公報に非破壊状態で摩擦接合によって得られた接合部材の接合良否を判定する方法が提案されている。

前者の公報に記載の方法は、摩擦運動が停止しはじめてから停止し終わるまでの時間と接合強度との関係を、後者の公報に記載の方法は、摩擦運動停止時の最大停止加速度と接合強度との関係をそれぞれ決定し、この関係から必要とする接合強度に対応した基準値を予め定めておき、摩擦接合に際して、摩擦運動を停止するに要する時間、もしくは停止時の加速度を測定し、その値と上記基準値との大小関係により、接合の良否を判定するというものである。

概要

摩擦接合により得られた接合部材を、非破壊状態で正確かつ容易に、その接合が成されているか否かを判定する接合良否判定方法およびこの接合良否を判定するための手段を備えた合成樹脂製部材接合装置を提供する。

合成樹脂製の2つの被接合部材を、その接合面同士を突き合わせ、この突き合わせた接合面同士を摩擦させて両接合面を摩擦熱によって溶融状態にする溶融工程と、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する接合工程とを含む製造方法によって接合した接合部材を製造するにあたり、圧接圧、両被接合部材の相対移動量、両被接合部材の相対移動速度、および、接合工程の圧接時間からなる群より選ばれた少なくとも何れかの値を測定し、この測定値が予め決定された基準値の範囲内に入っているか否かを調べ、接合状態の良否を判定する。

目的

かかる観点から、接合工程時に両接合面にかかる圧接圧、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動量、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動速度、および、接合工程の圧接時間という比較的計測容易な物理量を基準として接合の良否が判定可能であることを見いだして本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、摩擦接合により得られた接合部材を、非破壊状態で正確かつ容易に、その接合が成されているか否かを判定する接合良否判定方法およびこの接合良否を判定するための手段を備えた合成樹脂製部材の接合装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

合成樹脂製の2つの被接合部材を、その接合面同士を突き合わせ、この突き合わせた接合面同士を摩擦させて両接合面を摩擦熱によって溶融状態にする溶融工程と、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する接合工程とを含む製造方法によって接合した接合部材を製造するにあたり、接合工程時に両接合面にかかる圧接圧、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材相対移動量、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動速度、および、接合工程の圧接時間からなる群より選ばれた少なくとも何れかの値を測定し、この測定値が予め決定された基準値の範囲内に入っているか否かを調べ、接合状態良否を判定する摩擦接合における接合良否判定方法

請求項2

溶融工程において、少なくとも一方の被接合部材を接合面に直交する軸を中心に回転させて接合面同士を摩擦させることを特徴とする請求項1に記載の摩擦接合における接合良否判定方法。

請求項3

被接合部材として管を用い、この管を形成する合成樹脂の種類に応じて予め設定された周速度に一致した回転速度で少なくとも一方の管を回転させることを特徴とする請求項2に記載の摩擦接合における接合良否判定方法。

請求項4

溶融工程が、被接合部材の接合面同士を突き合わせて、接合面が磨耗現象を起こす圧力より小さく、すべりを起こす圧力より大きい圧力を加えつつ接合面を摩擦して、この接合面を昇温・溶融させる昇温溶融工程と、この昇温溶融工程により接合面が溶融した後、昇温溶融工程における面圧から剪断発熱が保持できるとともに急激な接合面の温度上昇が起こらない程度の圧力まで圧力を低下させた状態で接合面同士の摩擦を継続し、溶融層を拡大する溶融層拡大工程とを備えており、接合工程が、前記昇温溶融工程もしくは前記溶融層拡大工程で溶融層内に発生したボイドまたは摩擦によって低分子化された樹脂分を接合面から外側に押し出し可能な圧力まで圧力を上げて接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する第一接合工程と、接合面同士間の押圧力を第一接合工程の面圧より漸減させる第二接合工程とを備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の摩擦接合における接合良否判定方法。

請求項5

少なくとも一方の被接合部材を接合面に直交する軸を中心に回転させて被接合部材の接合面同士を摩擦するとともに、第一接合工程における両被接合部材の回転軸方向相対移動量により、接合の良否を判定することを特徴とする請求項4に記載の摩擦接合における接合良否判定方法。

請求項6

接合工程時に両接合面にかかる圧接圧および相対移動量を一定に保った状態で接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動速度、または、接合工程の圧接時間を変化させて、各相対移動速度または圧接時間での接合部材の接合の良否を判定し、その判定結果から両被接合部材の相対移動速度または圧接時間の基準値を求め、実接合時に、接合工程時の圧接圧および相対移動量を一定に保った状態で接合工程を行い、実相対移動速度または実圧接時間を測定して接合状態の良否を判定する請求項1〜請求項4の何れかに記載の接合良否判定方法。

請求項7

接合工程時に圧接時間および相対移動量を一定に保った状態で両接合面にかかる圧接圧を変化させて、各圧接圧での接合部材の接合の良否を判定し、その判定結果から両被接合部材の圧接圧の基準値を求め、実接合時に接合工程時の圧接時間および相対移動量を一定に保った状態で接合工程を行い、実圧接圧を測定して接合状態の良否を判定する請求項1〜請求項4の何れかに記載の接合良否判定方法。

請求項8

接合する2つの合成樹脂製の被接合部材を、一方の被接合部材の接合面と他方の被接合部材の接合面方向に相対移動可能、かつ、相対移動によって両接合面を所定の圧力で密着可能に支持する被接合部材の支持手段と、この支持手段に支持され、かつ、接合面同士が密着した状態で少なくともいずれか一方の被接合部材に振動または回転を与え、接合面間に摩擦熱を発生させる摩擦力付与手段と、接合時の両接合面間にかかる圧力を測定する圧力測定手段と、両被接合部材の相対移動量を測定する相対移動量測定手段または相対移動速度を測定する相対移動速度測定手段とを備える合成樹脂製部材接合装置

請求項9

摩擦力付与手段が、少なくともいずれか一方の被接合部材を、その接合面の中心軸を中心に回転させるようになっている請求項8に記載の合成樹脂製部材の接合装置。

技術分野

0001

本発明は、合成樹脂製部材摩擦接合における接合良否を判定する接合良否判定方法およびこの接合良否を判定するための手段を備えた合成樹脂製部材の接合装置に関する。

背景技術

0002

従来、被接合部材としての管と管との接合等、合成樹脂製の2つの被接合部材を接合する方法として摩擦接合が知られている。摩擦接合は、接合しようとする被接合部材の一方を回転または振動させるとともに、この接合面と他方の被接合部材の接合面とを突き合わせて接合面間摩擦熱を発生させ接合面を溶融させ、その後、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接し、この圧接状態を保ちながら溶融した樹脂冷却固化して両被接合部材を接合するものである。

0003

しかし、摩擦接合によって得られた接合部材は、その接合性能破壊検査によってしか確認できないため、完全な品質保証ができないという問題があった。そこで、例えば、特公昭63−50115号公報および特公昭63−50116号公報に非破壊状態で摩擦接合によって得られた接合部材の接合良否を判定する方法が提案されている。

0004

前者の公報に記載の方法は、摩擦運動が停止しはじめてから停止し終わるまでの時間と接合強度との関係を、後者の公報に記載の方法は、摩擦運動停止時の最大停止加速度と接合強度との関係をそれぞれ決定し、この関係から必要とする接合強度に対応した基準値を予め定めておき、摩擦接合に際して、摩擦運動を停止するに要する時間、もしくは停止時の加速度を測定し、その値と上記基準値との大小関係により、接合の良否を判定するというものである。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、摩擦運動の停止に要する時間や加速度は、現実的には装置の回転部の慣性モーメント制動能力に依存するものであるので、上記公報に記載の方法では接合の良否を高い精度で判定することが困難である。また、本発明者等の研究によれば、従来の摩擦接合方法には、先ず大きな接触圧力で接合面同士を接触させて摩擦を生じさせるようにして、短時間で接合面を溶融状態までした後、この溶融した樹脂が飛び散らない程度に接触圧力を小さくして更に溶融を続けるようにしている。こうすることにより、溶融した樹脂が周方向に飛び散らない小さな接触圧力で最初から接触させた場合に比べ、溶融するまでの時間の短縮化を図ることができる。

0006

しかしながら、上記の様な大きな接触圧力で接触させた場合、接合面の凹凸状態によっては摩擦溶融の際に溶融樹脂中にボイドを含んだ状態になることが多く、又、摩擦により部材を構成する樹脂に剪断力が働き、剪断による分子切断が発生する場合が多いと考えられる。そして、このようなボイドや低分子化した樹脂分が接合部分に巻き込まれ、充分な接合強度が得られなくなる場合があるという問題点を抱えているのである。

0007

従って、溶融部の接合強度を部材同等に確保するには、摩擦運動中に生じる強度低下要因である低分子化した樹脂分とボイドとを除外するべく、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する接合工程の際に、溶融部の一部を一定量だけ接合面外に流し出す必要があり、また、被接合部材同士が接合するのに必要なだけの溶融層を残す必要がある。

0008

かかる観点から、接合工程時に両接合面にかかる圧接圧、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動量、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動速度、および、接合工程の圧接時間という比較的計測容易な物理量を基準として接合の良否が判定可能であることを見いだして本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、摩擦接合により得られた接合部材を、非破壊状態で正確かつ容易に、その接合が成されているか否かを判定する接合良否判定方法およびこの接合良否を判定するための手段を備えた合成樹脂製部材の接合装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明の請求項1における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、合成樹脂製の2つの被接合部材を、その接合面同士を突き合わせ、この突き合わせた接合面同士を摩擦させて両接合面を摩擦熱によって溶融状態にする溶融工程と、一方の被接合部材を他方の被接合部材方向に相対移動させて、溶融状態になった接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する接合工程とを含む製造方法によって接合した接合部材を製造するにあたり、接合工程時に両接合面にかかる圧接圧、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動量、接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動速度、および、接合工程の圧接時間からなる群より選ばれた少なくとも何れかの値を測定し、この測定値が予め決定された基準値の範囲内に入っているか否かを調べ、接合状態の良否を判定することを特徴とする。

0010

上記構成において、被接合部材となる合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリブテンポリ塩化ビニル架橋ポリエチレン架橋ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。また、被接合部材とは、摩擦接合を行うことが可能な限り特に限定されないが、例えば、管、管継手棒状体等が挙げられる。

0011

さらに、接合面同士を摩擦させるとは、特に限定されないが、たとえば、一方または両方の被接合部材を回転または振動させ、接合面同士が相互に摩擦される状態におくことをいう。加えて、圧接圧とは、接合工程開始時直後の圧接圧、接合工程開始時から終了時までの平均の圧接圧、接合工程における所定の単位時間での圧接圧の最大値最小値など特に限定されないが、接合工程終了時直前の単位時間当たりの圧接圧を測定するのが最も接合面の溶融状態を表し易い、すなわち、接合の良否を判定し易いため好ましい。

0012

また、上記相対移動速度は、接合工程開始時直後の移動速度、接合工程開始時から終了時までの平均の移動速度、接合工程における所定の単位時間での移動速度の最大値や最小値など特に限定されないが、所定の単位時間での移動速度の最大値を相対移動速度とするのが最も接合面の溶融状態を表し易い、すなわち、接合の良否を判定し易いため好ましい。

0013

また、本発明の請求項2における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、請求項1の構成に加えて、溶融工程において、少なくとも一方の被接合部材を接合面に直交する軸を中心に回転させて接合面同士を摩擦させることを特徴とする。また、本発明の請求項3における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、請求項2の構成に加えて、被接合部材として管を用い、この管を形成する合成樹脂の種類に応じて予め設定された周速度に一致した回転速度で少なくとも一方の管を回転させることを特徴とする。

0014

上記構成において、予め設定する周速度は、合成樹脂製部材の種類によって異なり、特に限定されないが、具体的には、合成樹脂管高密度ポリエチレン管の場合は、周速度を2.6〜7.9m/秒の範囲に設定するのが摩擦発熱効率や高速度域での物性への悪影響防止の点から好ましい。周速度が2.6m/秒未満では発熱不足となり7.9m/秒を越えると分子切断や過昇温による強度低下を来す傾向があるからである。

0015

また、本発明の請求項4における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の構成に加えて、溶融工程が、被接合部材の接合面同士を突き合わせて、接合面が磨耗現象を起こす圧力より小さく、すべりを起こす圧力より大きい圧力を加えつつ接合面を摩擦して、この接合面を昇温・溶融させる昇温溶融工程と、この昇温溶融工程により接合面が溶融した後、昇温溶融工程における面圧から剪断発熱が保持できるとともに急激な接合面の温度上昇が起こらない程度の圧力まで圧力を低下させた状態で接合面同士の摩擦を継続し、溶融層を拡大する溶融層拡大工程とを備えており、接合工程が、前記昇温溶融工程もしくは前記溶融層拡大工程で溶融層内に発生したボイドまたは摩擦によって低分子化された樹脂分を接合面から外側に押し出し可能な圧力まで圧力を上げて接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する第一接合工程と、接合面同士間の押圧力を第一接合工程の面圧より漸減させる第二接合工程とを備えていることを特徴とする。

0016

上記構成において、接合面を摩擦させるとは、被接合部材の少なくとも一方を振動させたり、回転させたりした状態で、この被接合部材の接合面を所定の圧力下で突き合わせることをいう。また、第一接合工程において圧接する際、被接合部材の相対移動量を一定に保つようにすると、被接合部材の両接合面にかかる圧接圧や、両被接合部材の相対移動速度、第一接合工程の時間などの測定が容易となるため好ましい。

0017

さらに、第一接合工程終了後、接合部で樹脂が溶融状態のまま、すなわち、固化に到っていない場合、溶融樹脂のその後の冷却に伴いヒケが発生して接合部の強度を低下させる恐れがあるので、溶融樹脂が固化するまで、保圧の意味で低圧ながら圧力を付与していることが好ましい。

0018

また、本発明の請求項5における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、請求項4の構成に加えて、少なくとも一方の被接合部材を接合面に直交する軸を中心に回転させて被接合部材の接合面同士を摩擦するとともに、第一接合工程における両被接合部材の回転軸方向相対移動量により、接合の良否を判定することを特徴とする。

0019

また、本発明の請求項6における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の構成に加えて、接合工程時に両接合面にかかる圧接圧および相対移動量を一定に保った状態で接合工程開始時から接合工程終了に到るまでの両被接合部材の相対移動速度、または、接合工程の圧接時間を変化させて、各相対移動速度または圧接時間での接合部材の接合の良否を判定し、その判定結果から両被接合部材の相対移動速度または圧接時間の基準値を求め、実接合時に、接合工程時の圧接圧および相対移動量を一定に保った状態で接合工程を行い、実相対移動速度または実圧接時間を測定して接合状態の良否を判定することを特徴とする。

0020

また、本発明の請求項7における合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の構成に加えて、接合工程時に圧接時間および相対移動量を一定に保った状態で両接合面にかかる圧接圧を変化させて、各圧接圧での接合部材の接合の良否を判定し、その判定結果から両被接合部材の圧接圧の基準値を求め、実接合時に接合工程時の圧接時間および相対移動量を一定に保った状態で接合工程を行い、実圧接圧を測定して接合状態の良否を判定することを特徴とする。

0021

また、本発明の請求項8における合成樹脂製部材の接合装置は、接合する2つの合成樹脂製の被接合部材を、一方の被接合部材の接合面と他方の被接合部材の接合面方向に相対移動可能、かつ、相対移動によって両接合面を所定の圧力で密着可能に支持する被接合部材の支持手段と、この支持手段に支持され、かつ、接合面同士が密着した状態で少なくともいずれか一方の被接合部材に振動または回転を与え、接合面間に摩擦熱を発生させる摩擦力付与手段と、接合時の両接合面間にかかる圧力を測定する圧力測定手段と、両被接合部材の相対移動量を測定する相対移動量測定手段または相対移動速度を測定する相対移動速度測定手段とを備えていることを特徴とする。

0022

また、本発明の請求項9における合成樹脂製部材の接合装置は、請求項8の構成に加えて、摩擦力付与手段が、少なくともいずれか一方の被接合部材を、その接合面の中心軸を中心に回転させるようになっていることを特徴とする。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下に、本発明をその実施の形態を表す図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかる接合装置の一実施形態を示した側面図である。

0024

図1に示したように、この接合装置(以下、「装置」とのみ記す。)1は、摩擦力付与手段2と、支持手段3と、ビード形状矯正手段4と、相対移動量測定手段または相対移動速度測定手段としてのレーザー変位計5と、圧力測定手段としてのロードセル6と、コンピューター7とを備えており、合成樹脂製部材の被接合部材としての高密度ポリエチレン管(以下、「PE管」とのみ記す。)A1とPE管A2とを摩擦接合させるとともに、この接合良否を判定するようになっている。

0025

すなわち、摩擦力付与手段2は、モーター21と、タイミングベルト22とを備えており、後述する回転チャック30を回転させて、この回転チャック30に把持されたPE管A1を回転させることで摩擦力を付与するようになっている。支持手段3は、PE管A1を固定した状態で支持する固定支持部3Aと、PE管A2をその中心軸方向に移動可能に支持する可動支持部3Bとを備えている。

0026

固定支持部3Aは、回転チャック30と、この回転チャック30を回転自在に支持する支柱部20とを備えている。回転チャック30は、装置1の所定の場所に支柱部20によって支持されているため、把持したPE管A1を、その中心軸方向に移動させることはできないが、タイミングベルト22を介して伝達されたモーター21の駆動力によって回転し、PE管A1をその接合面の中心軸を中心として、任意の回転速度で回転させるようになっている。

0027

可動支持部3Bは、クランプ31と、スライドテーブル32と、レール33と、スライドテーブル移動用エアシリンダー(以下、「第一エアシリンダー」と記す。)34と、電/空レギュレーター35とを備えている。クランプ31は、PE管A2の接合面と回転チャック30に把持されたPE管A1の接合面とが対面し合うように、PE管A2を固定できるようになっており、スライドテーブル32に取り付けられている。

0028

スライドテーブル32は、上述したようにクランプ31が取り付けられているとともに、クランプ31のPE管A2を固定する側の反対側に後述する治具移動用エアシリンダー(以下、「第二エアシリンダー」と記す。)41が取り付けられるエアシリンダー取り付け部321が設けられている。また、スライドテーブル32は、エアシリンダー取り付け部321で第一エアシリンダー34のシリンダー先端と繋がっており、この第一エアシリンダー34のシリンダーロッドが進退することによってレール33上を進退するようにレール33上に載置されている。

0029

第一エアシリンダー34は、図示していないがコンプレッサーから送られてきたエアーを電/空レギュレーター35により制御して押圧力を調整することができるようになっており、電/空レギュレーター35は、コンピューター7によってエアー量を制御することができるようになっている。

0030

すなわち、可動支持部3Bは、第一エアシリンダー34が電/空レギュレーター35に制御され送られてくるエアーにより、伸び縮みすることによって、クランプ31が固定支持部3A方向に進退するようになっている。ビード形状矯正手段4は、第二エアシリンダー41と、PE管A1とPE管A2との接合時に発生するビードを管の内側から整えるための内面治具42と、外側から整えるための外面治具43とを備えている。

0031

第二エアシリンダー41は、そのシリンダーロッドの先端に内面治具42が取り付けられており、PE管A1とPE管A2との接合部の内側に内面治具42が臨むように内面治具42を移動させるようになっている。外面治具43はリングを半分に分割したものをボルト締めることにより、PE管A1とPE管A2の外側に直接取り付けられている。

0032

レーザー変位計5は、スライドテーブル32の移動量や移動速度を測定するとともに、この結果をコンピューター7へ伝えるようになっている。ロードセル6は、エアシリンダー取り付け部321と、第一エアシリンダー34のシリンダーロッド先端との間に設けられており、PE管A1とPE管A2との接合時の両接合面間にかかる圧力を測定するとともに、この結果をコンピューター7へ伝えるようになっている。

0033

装置1は上述したように、回転により摩擦を発生させるので、エネルギーのロスが少なく短時間でPE管A1とPE管A2との接合面を溶融させることができ、また、複雑な動きをするわけではないため装置の構造を簡単にすることができ、装置自体コストおよび管同士を接合するときにかかるコストを安価に抑えることができる。

0034

なお、本発明にかかる接合装置は、上記実施の形態に限られない。上記実施の形態では、相対移動量測定手段や相対移動速度測定手段としてレーザー変位計5が用いられていたが、これに代えて、接触式変位計超音波式変位計などを用いても良い。また、上記実施の形態では、圧力測定手段としてロードセル6が用いられていたが、これに代えてひずみゲージなどを用いても良い。

0035

さらに、上記実施の形態では、回転チャック30が支持手段3の固定支持部3Aとして用いられていたが、回転チャックをこの回転チャックが把持する管の軸方向に移動自在となっている可動支持部に設けるようにしても構わない。また、回転チャックを回転させる代わりに、PE管などの被接合部材を振動させる振動手段が支持手段に設けられるようにしても構わない。

0036

以下に装置1を用いて行う、本発明の合成樹脂製部材の摩擦接合およびこの接合の良否判定について説明する。図2(a)は、本発明の摩擦接合の一実施の形態におけるPE管A1の回転速度と時間との関係を表すグラフであり、図2(b)は、PE管A1とPE管A2との接合面にかかる圧力と時間との関係を表すグラフである。

0037

なお、以下の説明において昇温溶融工程とは、PE管A1を一定速度で回転させた状態でその接合面にPE管A2の接合面を、接合面が磨耗現象を起こす圧力より小さく、すべりを起こす圧力すなわち空回りを起こす圧力より大きい圧力で突き合わせて摩擦熱を発生させ、接合面を昇温・溶融させる工程をいう。また、溶融層拡大工程とは、昇温溶融工程における面圧から剪断発熱が保持できるとともに急激な接合面の温度上昇が起こらない程度の圧力まで圧力を低下させた状態で接合面同士の摩擦を継続して溶融層を拡大する工程をいう。

0038

また、接合工程とは、PE管A1の回転停止後、昇温溶融工程もしくは溶融層拡大工程で溶融層内に発生したボイドまたは摩擦によって低分子化された樹脂分を接合部から外側に押し出し可能な圧力まで圧力を上げてPE管A1とPE管A2との両接合面間を圧接し、所定時間もしくはPE管A2が所定の移動量を移動するまでその圧力を保持する工程をいう。

0039

図2(b)における昇温溶融工程開始時t1は、上記装置1の応答速度に依存して決定される。そして、昇温溶融工程では、第一エアシリンダー34が、エアシリンダー取り付け部321を介してスライドテーブル32とともにPE管A2を固定させたクランプ31を回転チャック30方向へ移動させ、図2(b)に示すように接合面が磨耗現象を起こす圧力よりも小さく、空回りを起こす圧力より大きい圧力P1で、PE管A1、PE管A2の両管の接合面(以下、「接合面」とのみ記す。)を突き合わせて、回転による摩擦によって接合面を樹脂の融点(但し非晶性樹脂の場合は溶融温度を指すものとし、以下同様の意味で用いる)まで、その圧力を保持する。

0040

接合面が樹脂の融点まで昇温されると、直ちに第一エアシリンダー34の押圧力を減圧して溶融層拡大工程を開始する。なお、溶融層拡大工程開始時t2は、昇温溶融工程が接合面を融点まで昇温させることを目的として行うようになっているため、昇温溶融工程で設定した圧力P1と、回転速度の組み合わせによって変わる。

0041

したがって、溶融層拡大工程開始時t2の適正値、すなわち、昇温溶融工程の所要時間(t2−t1)は、実験により予め求める必要があるが、PE管A1やPE管A2などのように被接合部材が管である場合、管の材質により回転速度と圧力には適当な範囲が存在する。因に、図3に回転速度と圧力に対する樹脂状態概念的に表すが、速度と圧力との適正値は、図3における斜線で示した範囲となる。

0042

すなわち、溶融領域において、速度が大きいと分子切断が多量に生じ、接合しても接合部分の強度低下が避けられなくなり、非溶融領域において、接合面にかかる圧力が小さすぎると回転速度を大きくしても空回りの状態で発熱量が小さくなり、接合面にかかる圧力が大きすぎると溶融ではなく、むしろ接合面の磨耗現象が生じ、発熱の効率を落とす原因となる。

0043

よって、昇温溶融工程では、分子切断の量を出来る限り抑え、効率よく樹脂の融点まで上昇させる条件を選ぶことが必要である。一方、溶融層拡大工程では、上述のように、昇温溶融工程終了後、昇温溶融工程と同じ回転速度でPE管A1を回転させながら、直ちに第一エアシリンダー34の押圧力を下げ図2(b)に示すように、接合面にかかる圧力を剪断発熱が生じる圧力P2まで低下させて、その状態を所定時間保持し、昇温溶融工程で融点まで上昇させることで生じた溶融樹脂を回転に伴い周方向で均一に分布させるとともに、接合部分における両管軸方向の溶融領域を拡大し、溶融領域幅を所定の厚さとする。

0044

すなわち、摩擦接合においては接合面の凹凸状態などにより回転中に溶融樹脂中に空気を含んだ状態や剪断による樹脂の分子切断により発生した低分子化樹脂分が混入した状態になることが多い。そこで、後述する接合工程で接合部外への流し出しにより前述した状態となった溶融樹脂の排除を行うわけであるが、図4に示すように、所定厚さの接合可能領域が必要なため、この接合工程での溶融樹脂の接合面外への流し出し領域以上に当然溶融領域が必要となる。

0045

接合工程は、溶融層内に発生したボイドまたは摩擦によって低分子化された樹脂分を接合面から外側に押し出し可能な圧力まで圧力を上げて接合面同士を所定の面圧を保持しながら圧接する第一接合工程と、接合面同士間の押圧力を第一接合工程の面圧より漸減させる第二接合工程とを備えている。

0046

第一接合工程は、溶融層拡大工程終了後、図2(a)に示すように、回転チャック30を停止してPE管A1の回転を止めるとともに、図2(b)に示すように、第一エアシリンダー34の空気圧高圧切り替えて接合面にかかる圧力を上げて開始する。なお、温度低下中に回転継続する状態となって、分子切断等が生じるのを防止するため、回転停止に要する時間は一秒以内にすることが望ましい。また、第一接合工程開始時t3の適正値、すなわち、溶融層拡大工程の所要時間(t3−t2)は、必要とする溶融領域の厚さ、圧力によって決定される。

0047

この溶融層拡大工程での圧力は、昇温溶融工程と同レベルであると、溶融した樹脂が接合部分からはみ出し、ビードを形成したり、周囲に飛散してしまい、溶融層が厚くならない。したがって、溶融層拡大工程での圧力は、溶融樹脂のはみ出しを比較的小さく抑え、なおかつ発熱量が小さくなり過ぎないような圧力レベル、つまり、溶融樹脂の剪断発熱により接合面の軸方向に溶融層を拡大する圧力レベルを選ぶ必要がある。また、高温になると熱劣化してしまう恐れがある樹脂については溶融させる温度の上限についても注意する必要がある。

0048

図5に示すように溶融領域は主に回転速度と時間により決定する。回転速度には樹脂の分解という上限と発熱不足という下限とが存在するので、時間での制御が実際には有効である。第一接合工程は、先に述べたように回転チャック30の回転停止後、溶融層拡大工程の圧力よりも高圧状態となるように第一エアシリンダー34を作動させて、ボイドや低分子化した樹脂分を接合面外へ流し出すとともに、熱収縮によるヒケで残留応力が残らないように保圧する。

0049

なお、第一接合工程で、圧接圧および圧接時間を一定に保つ場合における樹脂分の流し出し量は、図6に示すように、圧力・時間の組み合わせにより決まるが、流し出し量が少ない場合には時間による制御、流し出し量が多い場合には圧力による制御が好ましい。すなわち、図4により必要な流しだし量を決定し、図6により圧力・時間を決定する。

0050

そして、一定の高圧状態で一定時間保持して、第一接合工程終了時t4まで達すると、第一エアシリンダー34の押圧力を漸減しながら、溶融樹脂を冷却固化し、接合管を得る。この場合、第二接合工程を経ずに、等速度で徐々に0圧まで減圧しても良く、高圧から段階的に徐々に低圧にするようにしても構わない。

0051

本発明の摩擦接合方法は、以上のように、従来と同様に溶融層拡大工程を実施したのち、第一接合工程で昇温溶融工程及び/又は溶融層拡大工程で溶融領域内に発生したボイド及び/又は摩擦によって低分子化された樹脂分を接合部分から外側に押し出し可能な圧力まで圧力を上げて接合面同士を圧接するようにしたので、接合部に接合強度を弱めるボイドや低分子化された樹脂分等がなく、十分な接合強度を有する接合管を得ることができるのである。

0052

そして、上述の流し出し量を、分子量低下及びボイドが観察されないことを条件として、分子量分布超音波顕微鏡観察結果に基づいて決定し、一方、図4における接合可能領域層強度測定や界面の温度履歴からの分子拡散解析により決定することにより、必要とする両被接合部材の相対移動量は、両被接合部材の移動量の和として求められる。

0053

ここで溶融部に同じ温度分布を有している場合に、ある圧力をある時間付与すれば、両被接合部材の相対移動量は力の釣り合いにより一定になるはずである。実験により必要量の流し出しを行う圧力・時間を決定しておけば、この圧力・時間を付与した際に、例えばPE管A2の移動量が設定した移動量と異なる場合は、第一接合工程以前の樹脂溶融、昇温、溶融層拡大工程にて理想的な昇温・溶融層拡大が行われておらず、移動量が大きい場合には過昇温になっており樹脂の分解が発生している恐れがあり、また、PE管A2の移動量が小さい場合には溶融が十分ではない可能性があり、どちらも強度が低下している恐れがある。

0054

そこで、第一接合工程のPE管の相対移動量を測定していくとともに、得られた接合部材のクリープ性能をJIS K6774「ガスポリエチレン管付属書1に基づき評価を行い、負荷応力を与えた時の破断時間を求めるとともに、この破断時間が母材同等以上あるものを良品とする。そして、上記PE管の相対移動量と、得られた接合部材のクリープ性能との関係を求めていき、図9に示したような相関図(この場合は口径100A、図10図12においても同じ)を作成して、良品の接合部材が得られるPE管の相対移動量の基準値を予め求めておく。

0055

このようにすると、第一接合工程のPE管の相対移動量を測定し、その値が上記基準値を満たしているか否かを監視することにより、これまでの樹脂溶融及び昇温の昇温溶融工程や溶融層拡大の溶融層拡大工程が正しく行われていたかどうかを判定することができ、接合が良好に行われているかを判定することができるのである。

0056

なお、樹脂溶融からの接合工程全般でのPE管の相対移動量に基づいて、良品の接合部材が得られる基準値を求めても勿論構わないが、この場合には、PE管もしくは継手の端面を突き合わせた際の管端面仕上げの程度により生じる隙間がある程度以上あると、誤差が生じ易く、その点に留意する必要があるので、判定方法としては第一接合工程のPE管の相対移動量を測定して判定を行うのが好ましい。

0057

また、摩擦接合を行うとき、第一接合工程経過後に、第一エアシリンダー34の押圧力を漸減しながら、溶融樹脂を冷却固化する第二接合工程を行うと、接合部にヒケが発生するのを防ぐことができる。すなわち、第一接合工程で溶融樹脂が十分に固化していない場合、一気に圧力を0圧まで下げると、溶融樹脂の冷却に伴いヒケが発生して接合部の強度を低下させる要因となるが、上記方法では、上述したようにヒケの発生がないため、ヒケの発生による接合強度の低下がなくなる。

0058

さらに、被接合部材がPE管A1、PE管A2などのように管である場合、予め合成樹脂の種類に応じた周速度を設定しておけば、口径が変化したとき、この周速度に一致した回転速度で一方の管を回転させて本発明の摩擦接合における接合判定方法を実施することができ、例えば、管の肉厚比を考慮して両被接合部材の相対移動量の範囲を容易に設定することができる。すなわち、このようにすれば、接合する管の材質や口径毎に回転速度の検討を行う必要がなく、一つの口径について検討を行えば、口径が変わっても対応でき、樹脂の基準移動量の設定等が容易となる。

0059

同様に、第一接合工程において両接合面にかかる圧接圧および両被接合部材の相対移動量を一定に保ったときは、図10または図11に示したように、PE管A1とPE管A2との相対移動速度またはPE管A1とPE管A2とを圧接する圧接時間と、得られた接合部材のクリープ性能との関係を表す相関図を予め作成し、良品の接合部材が得られるための、相対移動速度または圧接時間の基準値を予め求めておくと、相対移動速度または圧接時間を測定するだけで、接合の良否を判定することができる。

0060

また、第一接合工程において両接合面にかかる圧接時間および両被接合部材の相対移動量を一定に保ったときは、図12に示したように、両接合面にかかる圧接圧と、得られた接合部材のクリープ性能との関係を表す相関図を予め作成し、良品の接合部材が得られるための、圧接圧の基準値を予め求めておくと、圧接圧を測定するだけで接合の良否を判定することができる。

0061

なお、本発明の合成樹脂製部材の摩擦接合における接合方法は、上記の実施の形態に限定されない。上記の実施の形態では、昇温溶融工程から溶融層拡大工程が終了するまで、回転速度が一定に保たれているが、昇温溶融工程と溶融層拡大工程との間で二段階に切り替えるようにしても構わない。すなわち、上記実施の形態における昇温溶融工程を更に二種以上の小ステージ(第一ステージ、第二ステージ、・・・)に細分化するのである。

0062

たとえば、昇温溶融工程を更に二種の小ステージ(第一ステージ、第二ステージ)に細分化した場合、昇温溶融工程において被接合部材の摩擦発熱により接合面を昇温・溶融することに対応して、昇温溶融工程の第一ステージのとき、制御因子である線速度と面圧により個体摩擦による摩擦熱を発生させ、早期に樹脂を溶融し急激に融点付近まで昇温させる点は共通する。但し、ここでは初期の剪断による分子切断や、磨耗粉に付着したエアがボイドとなり接合面に阻害要因が発生し易い。

0063

そこで、昇温溶融工程の第二ステージのときは、接合面間にかかる面圧を低下させる。理由は、(1)いったん樹脂が溶融すると固体摩擦から剪断摩擦に移行するが、固体摩擦と同等の面圧では溶融樹脂が全て接合面から流れ出てしまうからであり、又、(2)第一ステージの面圧のままでは急激に温度が上昇し、過昇温により樹脂分解の恐れがあるため、発熱量を低下させ急激な温度上昇を防ぐ必要があるためである。上述の溶融層拡大工程では、昇温溶融工程の第二ステージで得た界面温度を維持しつつ、伝熱により被接合部材の軸方向への溶融層の拡大を行っているのである。

0064

本発明において、圧接圧と圧接時間とを一定に保った状態における被接合部材同士の相対移動量、圧接圧と相対移動量とを一定に保った状態における被接合部材同士の相対移動速度または被接合部材同士を圧接する圧接時間、圧接時間と相対移動量とを一定に保った状態における被接合部材同士を圧接する圧接圧という比較的計測容易な物理量から基準値を求め、この基準値を基に接合の良否を判定することにより、簡便で精度の高い接合判定が行えるのは、主に以下の知見による。

0065

被接合部材間の接合面は、第一接合工程以前の工程により溶融部の温度分布が決定されており、流し出し時に両接合面間に所定の圧接圧を付与すると理想的な温度分布の溶融層に対しては、第一接合工程におけるある一定の相対移動量が計測される。たとえば、被接合部材が管であるとき、この管同士の相対移動量の値を樹脂の種類や管の口径ごとに実験により予め定めておけば、この予め定めた値と実際に測定した管同士の相対移動量とを比較することで、接合における昇温と流し出しが理想的に換言すれば適正に行われたか否かの判定が可能となる。

0066

実際に測定した管同士の相対移動量が、予め定めた値より大きい場合には、過昇温となっており樹脂分解により強度が低下している恐れがある。また、実際に測定した管同士の移動量が予め定めた値より小さい場合には発熱不足になっており、絡み合いが不十分になっている恐れがあるのである。

0067

一方、溶融工程および接合工程全般の管同士の相対移動量を監視して接合良否の判定を行うことも可能であるが、接合前の端面の隙間より昇温溶融工程、特に第一ステージでの相対移動量が変化するので、この場合は端面の隙間を予め計測する必要がある。同様のことは、圧接圧と相対移動量とを一定に保った状態における被接合部材同士の相対移動速度または被接合部材同士を圧接する圧接時間、圧接時間と相対移動量とを一定に保った状態における被接合部材同士を圧接する圧接圧においても言える。

0068

以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)被接合部材として高密度ポリエチレン管(積水化学社製エスロンハイパー−PE、呼び径100A(外径114 ±0.35mm、肉厚10.4+1.3mm)、長さ400mm、融点128℃、密度0.952g/cm3 )であるPE管A1およびPE管A2を用いた。

0069

PE管A1は、図1に示すような装置1の回転チャック30に把持させ、PE管A2は、クランプ31に固定した。また、PE管A1とPE管A2との接合面に臨む位置にビード形状矯正手段4を設置した。ビード形状矯正手段4における内面治具42は、両PE管A1およびA2の内管部分に設置し、外面治具43は、両PE管A1およびA2の外管部分に設置した。

0070

〔昇温溶融工程〕PE管A1およびPE管A2の接合面を突き合わせた後、回転チャック30を周速5.424m/秒にセットして回転を開始した。そして、2秒後に第一エアシリンダー34の圧力を上げてスライドテーブル32を移動させ、クランプ31に固定されているPE管A2を回転チャック30に把持された状態で回転しているPE管A1に押し付けた。この時、押し付けにかかる圧力(圧接圧)としては、ロードセル6にかかる荷重をPE管A1またはPE管A2の断面積で除した値が0.25MPaの面圧となるようにした。

0071

そして、図7に示す如く5秒後に第一エアシリンダー34の圧力を下げて接合面にかかる圧力を0.088MPaに下げた。なお、図7には、PE管A1の周速度、PE管A1とPE管A2との接合面にかかる面圧の他に、接合界面での温度、溶融層厚さ、クランプ31によりPE管A2がPE管A1方向に移動させられる移動量を時間の変化量として併せて示した。

0072

〔溶融層拡大工程〕昇温溶融工程終了から三秒後第一エアシリンダー34の圧力を下げて接合面にかかる圧力を0.039MPaにまで下げた後、回転開始から通算21秒後までその状態を保った。このとき、PE管A1およびPE管A2の接合面は、完全に溶融状態となった。

0073

〔第一接合工程〕回転開始から21秒後に回転チャック30を停止するとともに、クランプ31を稼働させる第一エアシリンダー34の圧力を再び上げてPE管A1とPE管A2との接合部分の面圧を0.49MPaの状態で約2秒間保持した。

0074

第一接合工程において、クランプ31の移動量、すなわち、溶融状態となったPE管A1およびPE管A2の接合面に0.49MPaの面圧の力を加えた時のPE管A2の移動量をレーザー変位計5を用いて測定した。その後、回転開始から23秒後に面圧を0.098MPaまで落として67秒間保持して両者を接合した接合管を得た。

0075

第一接合工程におけるPE管A2の移動量と、接合管のクリープ強度との相関関係を求めるために、PE管A2の移動量ごとに得られた接合管のクリープ強度を求め、図9に示したような相関図を求めた。なお、得られた接合管のクリープ性能は、JIS K6774「ガス用ポリエチレン管」付属書1に基づき評価を行い、負荷応力7MPaにて破断時間を求めるとともに、この破断時間が母材同等の350時間以上あるものを良品の接合管とした。

0076

すなわち、呼び径100AのPE管の場合、第一接合工程でのPE管A2の移動量は、1.0mm〜1.7mmの場合に良品であり、強度的に安全範囲をとる場合は1.0〜1.6mmとのデーターを得た。そこで、PE管A2の移動量が1.0〜1.6mmの範囲を基準値とした。

0077

上記基準値が正しいかどうかを確認するために、以下の確認を行った。
〔確認1〕実施例1と同様の操作で接合管を得た。ただし、PE管A1およびPE管A2の接合面を突き合わせたところ、最大で0.6mmの隙間があった。上記接合管を摩擦接合したとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動量を測定したら、PE管A2の移動量は1.4mmであったので、得られた接合管は、良品であると判定したところ、クリープ性能は、負荷応力7MPaで破断時間は、良品基準値である350時間以上あり、判定は適正であった。

0078

〔確認2〕実施例1と同様の操作で接合管を得た。ただし、PE管A1およびPE管A2の接合面を突き合わせたところ、最大で0.6mmの隙間があった。上記接合管を摩擦接合したとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動量を測定したら、PE管A2の移動量は0.8mmであったので、得られた接合管は、不良品であると判定した。この接合品の接合界面を超音波顕微鏡によって観察したところ界面にボイドが存在しており、クリープ性能は負荷応力7MPaにて破断時間は240時間であり、判定は適正であった。

0079

〔確認3〕実施例1と同様の操作で接合管を得た。ただし、PE管A1およびPE管A2の接合面を突き合わせたところ、最大で0.6mmの隙間があった。上記接合管を摩擦接合したとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動量を測定したら、PE管A2の移動量は1.8mmであったので、得られた接合管は、不良品であると判定した。この接合品については界面温度が350℃近くまで上昇しており、接合中も白煙が生じ熱劣化していた。強度についてもクリープ性能は負荷応力7MPaにて破断時間は30時間であり、判定は適正であった。

0080

〔確認4〕実施例1と同様の操作で接合管を得た。ただし、PE管A1およびPE管A2の接合面を突き合わせたところ、最大で1.1mmの隙間があった。上記接合管を摩擦接合したとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動量を測定したら、PE管A2の移動量は0.8mm(接合工程全般での管の移動量は5.2mm)であったので、得られた接合管は、不良品であると判定した。この接合品についてのクリープ性能は負荷応力7MPaにて破断時間は180時間であり、判定は適正であった。

0081

〔確認5〕実施例1と同様の操作で接合管を得た。ただし、PE管A1およびPE管A2の接合面を突き合わせたところ、最大で0.8mmの隙間があった。上記接合管を摩擦接合したとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動量を測定したら、PE管A2の移動量は2.0mm(接合工程全般での管の移動量は5.2mm)であったので、得られた接合管は、不良品であると判定した。この接合品についてのクリープ性能は負荷応力7MPaにて破断時間は110時間であり、判定は適正であった。

0082

〔確認6〕使用する高密度ポリエチレン管の呼び径を100Aから150Aに変えた以外は、実施例1と同様の条件下で摩擦接合して良否を判定した。実施例1と同様に、第一接合工程における高密度ポリエチレン管の移動量と、得られた接合管のクリープ性能との関係を求めたところ、高密度ポリエチレン管の移動量は、1.40mm〜2.30mmの場合に良品であり、強度的により安全範囲を採る場合は1.40mm〜2.20mmとのデーターを得た。

0083

本実施例における第一接合工程での高密度ポリエチレン管の移動量は、2.00mmであったので良品であると判定したところ、クリープ性能(JIS K6774「ガス用ポリエチレン管」付属書1)は、負荷応力7MPaにて破断時間は母材同様の350時間であり、判定は適正であった。

0084

以上のことより、溶融状態となったPE管A1およびPE管A2の接合面に所定の面圧の力を加えた時のPE管A2の移動量をレーザー変位計5を用いて測定するだけの容易な操作で、得られた接合管の接合良否を確実に判定することができた。なお、図8には、確認6に用いた高密度ポリエチレン管の周速度、接合する高密度ポリエチレン管の接合部分にかかる面圧の他に接合界面での温度、溶融層厚さ、高密度ポリエチレン管の移動量を時間の変化量として併せて示した。

0085

(実施例2)実施例1と同様の装置、接合部材にて回転摩擦接合を行った。接合の溶融層拡大工程までは実施例1と全く同様の条件であったため、接合面は完全に溶融状態となった。

0086

第一接合工程においては、モーターを内蔵したブレーキにより停止させることにより、回転チャック30を停止させるとともに、スライドテーブル32の変位量が1.0mmになるまで第一エアシリンダー34を作動させ、面圧を0.49MPaとした状態を保持した。このとき、クランプ31の移動速度を0.1秒ごとに計測したところ、その最大値は4.3mm/秒で、第一接合工程初期のものであった。

0087

その後、面圧を0.098MPaまで落として67秒間保持して両者を接合した接合管を得た。このとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動速度(最大値)と、接合管のクリープ強度との相関関係を求めるために、PE管A2の移動速度ごとに得られた接合管のクリープ強度を求め、図10に示したような相関図を求めた。

0088

なお、得られた接合管のクリープ性能は、JIS K6774「ガス用ポリエチレン管」付属書2に基づき評価を行い、実公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り返し数を求めるとともに、この破断繰り返し数が母材同等の80000回以上あるものを良品の接合管とした。このとき、呼び径100AのPE管の場合、第一接合工程でのPE管A2の移動速度は、1.5mm/秒〜7.0mm/秒の場合に良品であるとのデーターを得た。そこで、PE管A2の移動速度が1.5〜7.0mm/秒の範囲を基準値とした。

0089

上記基準値が正しいかどうかを確認するために、以下の確認を行った。
〔確認1〕実施例2と同様の操作で接合管を得た。ただし、接合前のPE管A1とPE管A2との突き合わせ面同士の隙間は最大で0.6mmであった。このとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動速度を測定したら、PE管A2の移動速度は4.3mm/秒であったので良品であると判断したところ、クリープ性能は、実公称応力50kgf/cm2 で破断繰り返し数は、良品基準値である80000回以上あり、判定は適正であった。

0090

〔確認2〕実施例2と同様の操作で接合管を得た。ただし、接合前のPE管A1とPE管A2との突き合わせ面同士の隙間は最大で2.0mmであった。このとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動速度を測定したら、PE管A2の移動速度は1.2mm/秒であったので不良品であると判断したところ、クリープ性能は、実公称応力50kgf/cm2 で破断繰り返し数は、30000回であり、判定は適正であった。

0091

以上のことより、溶融状態となったPE管A1およびPE管A2の接合面に所定の面圧の力を加えた時のPE管A2の移動速度をレーザー変位計5を用いて測定するだけの容易な操作で、得られた接合管の接合良否を確実に判定することができた。

0092

(実施例3)実施例1と同様の装置、接合部材にて回転摩擦接合を行った。接合の溶融層拡大工程までは実施例1と全く同様の条件であったため、接合面は完全に溶融状態となった。

0093

第一接合工程においては、モーターを内蔵したブレーキにより停止させることにより、回転チャック30を停止させるとともに、スライドテーブル32の変位量が1.0mmになるまで第一エアシリンダー34を作動させ、面圧を0.49MPaとした状態を保持した。このとき、クランプ31の移動時間、すなわち、溶融状態となったPE管A1およびPE管A2の接合面に0.49MPaの面圧の力でPE管A2を押し付けて、この接合部分を1.0mm変位させるのに要する時間をレーザー変位計5およびコンピューター7を用いて測定した。

0094

スライドテーブル32の変位量が1.0mmとなったら、面圧を0.098MPaに落とし、それから67秒間保持して、両者を接合した接合管を得た。このとき、第一接合工程におけるPE管A2の移動時間と、接合管のクリープ強度との相関関係を求めるために、PE管A2の移動時間ごとに得られた接合管のクリープ強度を求め、図11に示したような相関図を求めた。

0095

なお、得られた接合管のクリープ性能は、JIS K6774「ガス用ポリエチレン管」付属書2に基づき評価を行い、実公称応力50kgf/cm2 にて破断繰り返し数を求めるとともに、この破断繰り返し数が母材同等の80000回以上あるものを良品の接合管とした。このとき、呼び径100AのPE管の場合、第一接合工程でのPE管A2の移動時間は、0.2秒〜7.0秒の場合に良品であるとのデーターを得た。そこで、PE管A2の移動時間が0.2〜7.0秒の範囲を基準値とした。

0096

上記基準値が正しいかどうかを確認するために、以下の確認を行った。
〔確認1〕実施例3と同様の装置、方法で突き合わせ回転摩擦接合を行った。ただし、接合部材の突き合わせ面同士の隙間は最大で0.4mmであった。この様にして得られた接合管の第一接合工程におけるPE管A2の移動時間は1.0秒であったので良品であると判断したところ、クリープ性能は、実公称応力50kgf/cm2 で破断繰り返し数は、良品基準値である80000回以上あり、判定は適正であった。

0097

〔確認2〕実施例321と同様の装置、方法で突き合わせ回転摩擦接合を行った。ただし、接合部材の突き合わせ面同士の隙間は最大で2.0mmであった。この様にして得られた接合管の第一接合工程におけるPE管A2の移動時間は15.0秒であったので不良品であると判断したところ、クリープ性能は、実公称応力50kgf/cm2 で破断繰り返し数は30000回であり、判定は適正であった。

0098

以上のことより、溶融状態となったPE管A1およびPE管A2の接合面に所定の面圧の力を加えた時のPE管A2の移動時間を測定するだけの容易な操作で、得られた接合管の接合良否を確実に判定することができた。

0099

(実施例4)実施例1と同様の装置、接合部材にて回転摩擦接合を行った。接合の溶融層拡大工程までは実施例1と全く同様の条件であったため、接合面は完全に溶融状態となった。

0100

第一接合工程においては、モーターを内蔵したブレーキにより停止させることにより、回転チャック30を停止させるとともに、2秒間でスライドテーブル32の変位量が1.0mmとなるように一定速度で第一エアシリンダー34を作動させた。このとき、接続部分にかかる面圧、すなわちロードセル6が表示する圧力の値を計測した。さらにその後、面圧を0.098MPaとし、それから67秒間保持して、両者を接合した接合管を得た。

0101

第一接合工程におけるロードセル6が表示した荷重と、接合管のクリープ強度との相関関係を求めるために、ロードセル6が表示した荷重ごとに得られた接合管のクリープ強度を求め、図12に示したような相関図を求めた。なお、得られた接合管のクリープ性能をJIS K6774「ガス用ポリエチレン管」付属書1に基づき評価を行い、負荷応力7MPaにて破断時間を求めるとともに、この破断時間が母材同等の350時間以上あるものを良品の接合管とした。

0102

このとき、呼び径100AのPE管の場合、ロードセル6が表示した荷重が、980N〜2000Nの範囲内にある接合管は良品であるとのデーターを得た。そこで、ロードセル6が表示した荷重が980N〜2000Nの範囲を基準値とした。

0103

〔確認1〕実施例1と同様の装置、方法で突き合わせ回転摩擦接合を行った。ただし、接合部材の突き合わせ面同士の隙間は最大で0.6mmであった。この様にして得られた接合管の接合の第一接合工程におけるロードセル荷重の値は、1754Nであったので良品であると判断したところ、クリープ性能は、負荷応力7MPaで破断時間は、良品基準値である350時間以上あり、判定は適正であった。

0104

〔確認2〕実施例1と同様の装置、方法で突き合わせ回転摩擦接合を行った。ただし、接合部材の突き合わせ面同士の隙間は最大で2.3mmであった。この様にして得られた接合管の接合の第一接合工程におけるロードセル荷重の値は、2450Nであったので不良品であると判断したところ、クリープ性能は、負荷応力7MPaで破断時間は、180時間であり、判定は適正であった。

0105

以上の確認より、溶融状態となったPE管A1およびPE管A2の接合面に所定の時間、所定のPE管A2の移動量を加えた時のロードセル6の表示する荷重を測定するだけの容易な操作で、得られた接合管の接合良否を確実に判定することができた。

0106

(比較例1)実施例1にて良品が得られた際の回転停止に要する時間を測定したところ0.8秒であった。実施例1と同様の周速度と圧力にて接合を行い、0.8秒で停止した接合品のクリープ強度を測定したところ、負荷応力7MPaにて破断時間が95時間と母材強度以下の接合品があった。又、逆に回転停止に要する時間が1.5秒であった接合品のクリープ強度を測定したところ、負荷応力7MPaにて母材同等の強度を有する接合品があり、回転停止に要する時間から適正に良否を判断することはできなかった。

0107

(比較例2)実施例1にて良品が得られた際の回転停止の最大加速度を測定したところ7.68m/秒2 であった。実施例1と同様の周速度と圧力にて接合を行い、最大停止加速度が7.68m/秒2 であった接合品のクリープ強度を測定したところ、負荷応力7MPaにて破断時間が125時間と母材強度以下の接合品があった。又、逆に最大停止加速度が6.88m/秒2 であった接合品のクリープ強度を測定したところ、負荷応力7MPaにて母材同等の強度を有する接合品があり、回転停止の最大加速度から適正に良否を判断することはできなかった。

発明の効果

0108

以上のことより、本発明に示した合成樹脂製部材の摩擦接合における接合良否判定方法は、摩擦接合により製造された製品破壊することなく確実に接合部分の強度が十分であるか否かの良否を容易に判定することができる。したがって、検査に時間を要さず作業効率を向上させることができる。

0109

また、本発明に示した合成樹脂製部材の接合装置は、装置自体を複雑化することなく、被接合部材同士を摩擦接合するとともに、摩擦接合により製造された製品を破壊することなく確実に接合部分の強度が十分であるか否かの良否を容易に判定することができる。

図面の簡単な説明

0110

図1本発明の方法を実施するための装置を示す側面図である。
図2本発明を適用し得る合成樹脂製部材の摩擦接合方法を説明するためのグラフである。
図3摩擦接合時の回転速度と圧力と樹脂の状態との関連を説明する概念図である。
図4溶融層拡大工程終了時の接合面近傍の樹脂の状態の模式図である。
図5溶融領域の厚さ毎の回転速度と時間との関係を表すグラフである。
図6流し出し量毎の圧力と時間との関係を表すグラフである。
図7実施例1における接合条件(周速度・面圧)と温度・溶融層厚さ・移動量を表すグラフである。
図8実施例7における接合条件(周速度・面圧)と温度・溶融層厚さ・移動量を表すグラフである。
図9両被接合部材の相対移動量とクリープ強度との相関図である。
図10両被接合部材の相対移動速度とクリープ強度との相関図である。
図11接合工程の圧接時間とクリープ強度との相関図である。
図12両接合面にかかる圧接圧とクリープ強度との相関図である。

--

0111

1接合装置
2摩擦力付与手段
3支持手段
5レーザー変位計(相対移動量測定手段、相対移動速度測定手段)
6ロードセル(圧力測定手段)
A1高密度ポリエチレン管(被接合部材)
A2 高密度ポリエチレン管(被接合部材)

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