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技術 処理物の固形化処理方法と固形化物

出願人 株式会社明電舎
発明者 柏木佳行石垣治久吉岡信行
出願日 1998年8月4日 (21年8ヶ月経過) 出願番号 1998-219519
公開日 2000年2月15日 (20年2ヶ月経過) 公開番号 2000-044970
状態 未査定
技術分野 固体廃棄物の処理 コークス工業 固形燃料及び燃料附随物
主要キーワード 多孔処理 多孔質処理 回転ローラ間 多孔質化処理 アルカリ粉体 蒸発飛散 多孔化処理 固形化処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

都市ゴミ等の処理物固形化して、これを燃料として再利用する場合に問題となるのは、処理物中に含まれる塩素成分に起因して発生する塩素系ガスの処理にある。固形化物を製造する場合の加熱過程で塩素系ガスは発生し、そのまま大気中に放出すると、ダイオキシンの発生の因子となり、環境上問題となる。また、固形化物を燃料として燃焼した場合にも同様な問題がある。

解決手段

処理物と、多孔質化処理したアルカリ粉体とを混合して加熱処理し、これを加圧してペレットを形成する。加熱過程で塩素系ガスを析出すると、混合したアルカリ粉体と反応して無害塩化物を生成し、固形化物の製造過程およびペレットを燃料として燃焼しても無害化が実現できる。

概要

背景

都市ゴミ等の処理物は年々その量が増加し、その処理が問題となっている。都市ゴミは一般的に、一般家庭とかオフィス等から処理物として排出され可燃性のものが主となっている。最近ではこの可燃性の被処理物(以下、処理物と略称)を単に焼却処理するのではなく、資源として有効に利用することが考えられ、一旦処理物を固形化(RDFと称されている)し、これを燃料として再利用することも行われている。

しかし、処理物の中には、近年多種多様化学物質、例えば、塩化ビニル樹脂を多く含んだプラスチック類や、オフィスで使用される紙の塩素漂白剤のように、多量の塩素成分を含んだ物質混入しているため、単に固形化しただけでは、燃料として使用し燃焼される際、有害な塩素系ガスが発生し、そのまま大気に放出すると大気汚染をきたし、環境上好ましくない結果をもたらす。従って、高効率でクリーンエネルギー資源としての再利用には問題があり、これに対処した技術の開発が重要な課題となっている。

概要

都市ゴミ等の処理物を固形化して、これを燃料として再利用する場合に問題となるのは、処理物中に含まれる塩素成分に起因して発生する塩素系ガスの処理にある。固形化物を製造する場合の加熱過程で塩素系ガスは発生し、そのまま大気中に放出すると、ダイオキシンの発生の因子となり、環境上問題となる。また、固形化物を燃料として燃焼した場合にも同様な問題がある。

処理物と、多孔質化処理したアルカリ粉体とを混合して加熱処理し、これを加圧してペレットを形成する。加熱過程で塩素系ガスを析出すると、混合したアルカリ粉体と反応して無害塩化物を生成し、固形化物の製造過程およびペレットを燃料として燃焼しても無害化が実現できる。

目的

本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、その目的は燃焼させても塩素系ガス(塩化水素塩素ガス)を発生させない処理物の固形化処理方法と、その固形化物を提供するにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

加熱により分離飛散する気化成分を含有し、且つ有害成分と反応して無害塩類を生成するアルカリ物質体であって、該アルカリ物質体が含有する気化成分を加熱により分離除去して多孔質化表面積を増加した粉体からなる脱塩素剤と、廃棄物等の処理物とを混合して加熱処理し、生成された生成物加圧成形してペレット状に固形化するようにしたことを特徴とする処理物の固形化処理方法。

請求項2

加熱処理は、異なる複数域の加熱温度で行い、前段より後段温度域を高くし、前段の温度域は、塩素系ガス析出が始まる温度以下とし、且つ所定時間保持することを特徴とする請求項1記載の処理物の固形化処理方法。

請求項3

前段の温度域の温度は、150℃〜300℃であることを特徴とする請求項2記載の処理物の固形化処理方法。

請求項4

前段より高い後段の温度域は、析出した塩素系ガスが、添加した脱塩素剤と反応する温度域で、且つ所定時間保持することを特徴とする請求項2記載の処理物の固形化処理方法。

請求項5

後段の温度域は、300℃〜600℃であることを特徴とする請求項2又は4記載の処理物の固形化処理方法。

請求項6

加熱処理は、低酸素雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の処理物の固形化処理方法。

請求項7

加熱処理は、乾留であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の処理物の固形化処理方法。

請求項8

アルカリ物質体は、気化成分を含有し、且つ有害成分と反応して無害な塩類を生成するアルカリ金属化合物に含まれる物質の中から、少なくとも1種類を選択、又は2種以上を混合したものであることを特徴とする請求項1記載の処理物の固形化処理方法。

請求項9

アルカリ金属化合物は、炭素水素ナトリウムセキ炭酸ナトリウム炭酸水素カリウムから選択した単体複数種の混合であることを特徴とする請求項1又は8に記載の処理物の固形化処理方法。

請求項10

表面積の増加は、多孔質化、凹部形成によることを特徴とする請求項1記載の処理物の固形化処理方法。

請求項11

脱塩素剤の添加量は、処理される処理物と当量又は5〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の処理物の固形化処理方法。

請求項12

脱塩素剤の添加量は、発生する塩素成分量に対して0.5〜1.5モルであることを特徴とする請求項1記載の処理物の固形化処理方法。

請求項13

加圧成形する圧力は、100〜1000kg/cm2としたことを特徴とする請求項1記載の処理物の固形化処理方法。

請求項14

加熱により分離飛散する気化成分を含有し、且つ有害成分と反応して無害な塩類を生成するアルカリ物質体であって、該アルカリ物質体が含有する気化成分を加熱により分離除去して多孔質化し表面積を増加した粉体からなる脱塩素剤と、廃棄物等の処理物とを混合して加熱処理し、生成された生成物を加圧成形してペレット状に固形化したことを特徴とする処理物の固形化物

技術分野

0001

本発明は廃棄物等の処理物を加熱して固形化処理する方法、およびこの方法により形成された固形化物に関し、特に、処理物に多孔質化処理したアルカリ物質混入して固形化処理する方法および固形化物に関する。

背景技術

0002

都市ゴミ等の処理物は年々その量が増加し、その処理が問題となっている。都市ゴミは一般的に、一般家庭とかオフィス等から処理物として排出され可燃性のものが主となっている。最近ではこの可燃性の被処理物(以下、処理物と略称)を単に焼却処理するのではなく、資源として有効に利用することが考えられ、一旦処理物を固形化(RDFと称されている)し、これを燃料として再利用することも行われている。

0003

しかし、処理物の中には、近年多種多様化学物質、例えば、塩化ビニル樹脂を多く含んだプラスチック類や、オフィスで使用される紙の塩素漂白剤のように、多量の塩素成分を含んだ物質が混入しているため、単に固形化しただけでは、燃料として使用し燃焼される際、有害な塩素系ガスが発生し、そのまま大気に放出すると大気汚染をきたし、環境上好ましくない結果をもたらす。従って、高効率でクリーンエネルギー資源としての再利用には問題があり、これに対処した技術の開発が重要な課題となっている。

発明が解決しようとする課題

0004

処理物を加熱処理する際に問題となるのは、処理物中に含まれる塩素成分の処理であり、焼却過程ガス化した塩素系ガス(塩化水素塩素ガス)は、フィルタ等で吸着処理して大気中に塩素系ガスが排出されないようにしている。

0005

一方、加熱過程でガス化しなかった塩素成分は処理灰と結合してしまい、高濃度の塩素成分を含有した処理灰となる。

0006

このように処理灰に塩素成分が含有していると、処理灰を燃料資源として再利用することは困難であり、もっぱら地中埋設することで処理されている。

0007

そのため、処理灰を再利用する場合には、事前に処理物を分別して塩素系ガスの発生の少ない処理物のみ選別して焼却処理し、その処理灰(残渣)を燃料として又はブロック等に固形化して再利用することが行われている。

0008

しかし、処理物の分別を行うことは効率が悪く、しかも、資源回収率も低いことから、塩素成分を効果的に除去する技術の確立が望まれている。

0009

また、処理物(ゴミ)を固形化する際、Ca化合物消石灰等を添加してRDFの貯蔵性、安定性を図ることも行われているが、(特開平10−1686)、有害な塩素系ガスを除去する技術思想はなく、従って、燃料として使用する場合は、前記と同様に、有害な塩素系ガスを発生し、その対策が必要となっている。

0010

即ち固形化物を製造する場合には、加熱して成形するが、この際に処理物から塩素系ガスが発生し、また、固形化物を燃焼した場合にも同様に塩素系ガスが発生し問題となるが、その対策がとられていない。

0011

本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、その目的は燃焼させても塩素系ガス(塩化水素、塩素ガス)を発生させない処理物の固形化処理方法と、その固形化物を提供するにある。

課題を解決するための手段

0012

本願の発明者らは、数々の実験調査の結果、処理物に含まれる塩素成分と、炭酸系のアルカリ物質を脱塩素剤として処理物に適量混入し、所定の温度で加熱処理すると、所定の温度で塩素成分が分解して有害な塩素系ガスを発生し、この有害な塩素系ガスと脱塩素剤とが反応して無害塩化物を生成し、ガスおよび残渣中には有害な塩素系ガス成分が残存しないことを見い出した。

0013

また、加熱処理時に脱塩素剤を添加して処理することで、脱塩素効果をねらった処理をしていることに着目し、燃料として使用される固形化物(ペレット)を製作する際に、脱塩素剤を混入して製作することに着目した。

0014

これらのことから、本発明は、アルカリ物質を混入することで、固形化物製造時の加熱時に発生した塩素系ガスと反応させて、無害な塩類を生成することで、製造時に塩素系ガスが発生しないようにする、および上記の処理で、固形化物の含有する塩素成分は非常に減少するが、この残存塩素成分も固形化物を燃料として燃焼したとき、添加しているアルカリ物質の存在により、発生する塩素系ガスと接触反応して無害な塩類を生成するようにすること、つまり、固形化物の製造時と、燃焼時の両方の無害化を図ることができるようにしたものである。

0015

発明者らは、まず、脱塩素効果のある物質の探索をし、且つ同物質をペレットに混入して焼却した場合の効果を調査した。

0016

これらの実験調査に基づいて脱塩素剤を混入して処理物を固形化して、これを燃料として焼却したとき、有害な塩素系ガスを発生させない固形化燃料を得ることができることが判明し、本願の出願人はすでに提案した(特願平9−45391,特願平9−69390,特願平9−160912)。

0017

本発明は、この先提案の実用化を検討中に、より反応が効果的に行える脱塩素剤を見出したので、これを使用した処理物の固形化処理方法と固形化物を提供するものである。

0018

本発明において、処理物を固形化する処理方法は、処理物と、塩素系ガスと反応する炭酸系アルカリ物質の脱塩素剤とを混合して加熱処理し、生成された生成物加圧成形してペレット状に固形化するものであるが、ここで使用する脱塩素剤は、加熱により分離飛散する気化成分を含有し、且つ有害な成分と反応して無害な塩類を生成するアルカリ物質体であって、前記気化成分を分離除去して多孔質化することで表面積を増加した多孔質アルカリ粉体を使用することに特徴を有する。

0019

このときの熱処理時の温度は、塩素系ガスの析出が始まる温度(200℃〜300℃)以下で前処理し、ついで300℃〜500℃で塩素系ガスを析出させるとともに脱塩素剤と反応させて無害な塩化物を生成する。

0020

そして、生成物を造粒機により圧縮成形して固形化物(ペレット)を形成する。または、生成物にさらに脱塩剤を添加混合してペレットを形成する。

0021

上記の加熱処理は、低酸素雰囲気中で行い、2段以上の温度域乾留処理する。

0022

処理物と混合する脱塩素剤としてのアルカリ物質体は、含有する気化成分(O,H,CO,CO2など)が分離飛散するときH2O,CO2として分離し、処理剤貫通孔,凹部(穴)を形成して多孔質化することによって表面積を増加するアルカリ粉体である。

0023

また、アルカリ物質体は、気化成分を含有し、且つ有害成分と反応して無害な塩類を生成するアルカリ金属化合物に含まれる物質の中から少なくとも1種類を選択、又は2種以上を混合したものから成る。

0024

そして、このアルカリ金属化合物は、炭酸水素ナトリウムセスキ炭酸ナトリウム炭酸水素カリウムから選択した単体複数種の混合物による。

0025

なお、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は、別称として、酸性炭酸ナトリウム重炭酸ナトリウム重炭酸ソーダと称され、更には俗称として、重曹とも称されている。

0026

セスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)は、別称として、二炭酸水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリウムセスキカーボネートと称され、天然にはトロナ天然ソーダ)として産出する。

0027

上記のアルカリ物質の化合物で、アルカリ物質以外の気化成分を加熱蒸発して多孔質化し、その表面が増大すること、およびこのアルカリ物質と有害な塩化水素と反応して無害な塩類に置換生成されて有害成分が無害化されることは下記の反応式により明らかとなっている。

0028

炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の場合加熱による多孔質化処理すると、
NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2
となりH2O,CO2は分離飛散して多孔質化したNa2CO3となる。これが有害成分の塩化水素と反応すると、
Na2CO3+2HCl→2NaCl+H2O+CO2
となりH2O,CO2が分離し、無害な塩類(2NaCl)となる。

0029

同様に炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウムは、次のようになる。

0030

炭酸水素カリウム(KHCO3)の場合加熱による多孔化処理すると、
KHCO3→KCO3+H2O+CO2
塩化水素との反応は、
KCO3+2HCl→2KCl+H2O+CO2
セスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)の場合加熱による多孔化処理すると、
2(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)→3Na2CO3+5H2O+CO2
塩化水素との反応は、
Na2CO3+2HCl→2NaCl+H2O+CO2
この多孔質化処理した脱塩素剤が、表面積が増加して、処理物から分解析出した塩素系ガスとの接触面積が増大し、反応して新たな塩類を生成する効果が増加することは明らかである。

0031

アルカリ物質体の表面積の増加は、気化成分が分離飛散して多孔質化(貫通孔)、凹部の形成(穴)により形成されるものである。

0032

処理物と添加混合する脱塩素剤の添加量は、処理される処理物と当量又は5〜30重量%が好適とする。

0033

若しくは発生する塩素成分量に対して0.5〜1.5モルであることが好ましい。

0034

また、加圧成形時の加圧力は、100〜1.000kg/cm2が好ましい。

0035

最終的に成形された固形化物は、加熱により分離飛散する気化成分を含有し、且つ有害成分と反応して無害な塩類を生成するアルカリ物質体であって、該アルカリ物質体が含有する気化成分を加熱により分離除去して多孔質化し表面積を増加した粉体からなる脱塩素剤と、廃棄物等の処理物とを混合して加熱処理し、生成された生成物を加圧成形してペレット状に固形化することで得られる。

発明を実施するための最良の形態

0036

以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。

0037

図1は本発明の実施の形態の概念図で、1は処理物供給部、2は混合機、3は脱塩素剤供給部を示す。4は加熱手段で、混合機2内の処理物を加熱する。この加熱手段4は、ガス加熱電気加熱又は燃焼加熱マイ波加熱誘導加熱等のいずれの加熱手段でもよいが、図示の例は誘導加熱を使用した場合を示し、誘導加熱コイル交流電力を供給して誘導加熱する。

0038

5は造粒機で外部に加熱手段6を有し、内部には加圧ローラ等から成るプレス手段を備えている。7は造粒機5で成形された固形物(ペレット)を示す。

0039

ペレットを製造する手順は、まず、処理物を処理物供給部1に投入し、脱塩素剤供給部3に多孔質化したアルカリ物質からなる脱塩素剤を収容して、これらを所定の割合で混合機2に供給する。

0040

混合機2では、処理物と脱塩素剤とを混合しながら、加熱処理手段4で、まず、300℃以下、好ましくは150℃〜250℃の温度で外気遮断した状態で10分間程度加熱処理する。

0041

次いで、前工程より高温の300℃〜600℃(好ましくは400℃〜500℃)で熱処理して処理物から塩素系ガスを析出させ、且つ添加混合した脱塩素剤と反応させて無害な塩化物を生成させる。

0042

次に、混合機2の開閉扉2bを開き、混合物を造粒機5に供給し、この造粒機5で加熱しながらプレス手段で混合物を圧縮成形し、ペレットを作る。

0043

なお、混合物2と造粒機5の間に、加熱手段を有するスクリューフィーダ8を設けて処理物と脱塩素剤との混合を一層促進させるようにしてもよい。

0044

このスクリューフィーダ8の加熱も外気から遮断した乾留状態で行う。

0045

加熱は、混合機2,スクリューフィーダ10又は造粒機5のいずれか一方又は組み合わせで行ってもよい。

0046

なお、処理物はあらかじめ破砕したものを処理物供給部1に投入してもよいし、また、混合機2に破砕機能を付加してもよい。

0047

上記の工程において処理物内にプラスチック類が混入していると、プラスチック類は軟化した状態で処理物と混合され、そして成形されるので、処理物間の接着剤バインダ)としての役目を果し、製造されたパレットは安定した固体形状を維持する。

0048

プレス手段としては、例えば、混合物を送り出す送り回転ローラと圧縮成形する絞り回転ローラ(加熱ローラとしてもよい)とを備え、送り回転ローラ間の間隔を調整して加圧力を100〜1000kg/cm2に調整する。この加圧力が小さいと固形化が困難となり、また大きすぎると設備が大掛かりとなる。

0049

このように圧縮成形することにより、例えば、径約1cm、長さ約3cm程度のペレットを作る。成形されたペレットの体積比は次のように減量化された。

0050

0051

本発明に使用される脱塩素剤には、多孔質化して表面積の増加したアルカリ物質の粉体を用いる。

0052

加熱により発生する有害な塩素ガスが脱塩素剤と接触反応すると無害な塩化物(NaCl等)を生成し、無害化されること、および脱塩素剤は、多孔質化することにより表面積が増加し、有害な塩素系ガスとの接触反応が促進され、少量で脱塩素効果が得られることは、次の実験で明らかとなった。

0053

まず、アルカリ物質体の多孔質化について説明する。図2はアルカリ物質体を多孔質化処理するための実験に供した実験装置で、電子レンジを使用した場合である。

0054

実験は、アルカリ物質体で、平均粒径が150μm以下の粉体を使用し、これをセラミック容器11に充填し、電子レンジ10内に入れ、加熱温度を変えて気化成分の蒸発分離量を重量の変化で測定し、更に電子顕微鏡で粉体の表面を観察した。

0055

実験に供したアルカリ物質体は、気化成分が含有し、該気化成分が分離飛散する際にCO2又はH2Oとなる物質の中から炭酸水素ナトリウム(試料1と称す)、セスキ炭酸ナトリウム(試料2と称す)を選び、また気化成分を含まない炭酸ナトリウム(試料3と称す)を用いた。

0056

この試料1および2については、表2に示すように150℃から50℃間隔で350℃まで、各温度を一定に保ち、2.5分後、5.0分後、7.5分後、10分後、15分後、20分後からは10分間隔で60分後まで各温度における重量を測定した。

0057

0058

実施1〜実施5は、試料1について初期重量が2.00gを使用した場合、実施6,実施7は、試料の量を増やし初期重量を10gおよび20gとした場合を示す。

0059

また、実施8〜実施12は、試料2について、初期重量が2.00gを使用した場合である。

0060

また、比較1および比較2は、試料3について試料の使用量を2.00gとし、300℃と350℃において加熱し、各2.5分から30分後まで表2に記載の時間経過時に重量を測定したものである。

0061

表2にこの測定結果を示す。

0062

この表2から次のことが明らかとなった。

0063

(1)試料1では気化成分が分離蒸発して重量は初期値に対して37%程度減少していること。

0064

(2)試料2でも重量は初期値に対して30%程度減少していること。

0065

(3)試料3は、重量は初期値とほとんど変らないこと。

0066

また、試料1および2の表面を電子顕微鏡で観察したところ、図3に示すように表面に多数の凹部が形成され多孔質化されていることが確認された。なお、試料3では凹部の形成は見られなかった。

0067

図4は気化成分を含有する処理剤が加熱により多孔質化する過程の加熱反応模式図で、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の粉体の例を示す。この図で白丸はNa、網丸はCO2、斜線丸はH2Oを示している。

0068

100℃以上で、10分以上加熱すると、CO2,H2Oが蒸発飛散し多孔質のNa2CO3となり、CO2,H2Oが蒸発して穴a又は貫通孔bが形成され、粉体の表面がNaのリッチな表面となり、表面積が増加する。

0069

図5は上記の多孔化したNa2CO3に塩素系ガス(HCl,Cl)が接触反応する場合の接触反応模式図で、縦線丸はHCl,Clを示し、200℃〜300℃に加熱・保持し、多孔質化したNa2CO3に被処理物から分解析出した塩素系ガス(HCl,Cl)成分が接触反応して新たにNaClが生成される。

0070

即ち、有害な塩素系ガス(HCl)が無害なNaCl(塩化ナトリウム)に置換生成される。

0071

有害な塩素系ガス(塩化水素)が無害な塩化物に置換生成される理由は下記の反応による。

0072

炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)
加熱による多孔化処理
NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2
塩化水素との反応
Na2CO3+2HCl→2NaCl+H2O+CO2
炭酸水素カリウム(KHCO3)
加熱による多孔化処理
KHCO3→KCO3+H2O+CO2
塩化水素との反応は、
KCO3+2HCl→2KCl+H2O+CO2
セスキ炭酸ナトリウム(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)
加熱による多孔化処理
2(Na2CO3・NaHCO3・2H2O)→3Na2CO3+5H2O+CO2
塩化水素との反応
Na2CO3+2HCl→2NaCl+H2O+CO2
即ち、有害な塩化水素は無害な塩類(2NaCl,2KCl、)に置換される。

0073

次に、本発明にかかわる多孔質処理剤と、多孔質化しない処理剤の試料を使用し、有害成分の中のHClとの反応効果を比較検証した。

0074

実験は、排気管付きで、開閉扉を有する密閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を入れ、電気炉にて加熱し、250℃から650℃まで50℃間隔で各温度にて5分間保持し、昇温時、5分間保持後に、排気管を開けて塩化水素ガス(HCl)濃度(ppm)を測定した。

0075

ガス濃度の測定は、JIS−K0804に規定されている検知管によって測定した。

0076

測定は、まず塩素成分を多量に含んでいるポリ塩化ビニリデンのみ4gを用いて予備実験を行った。その結果を表3の比較B−1に示す。

0077

0078

次に、従来より脱塩素剤として知られている消石灰および炭酸カルシウム粉末を各20g添加して実験した。その結果を比較B−2,比較B−3に示す。

0079

次に、被処理物としてポリ塩化ビニリデン4gを用い、処理剤として炭酸水素ナトリウムを多孔質化処理した処理剤(以下、済み剤と称す)と、多孔質化処理しない処理剤(以下、未処理剤と称す)とを12.5gと7.5gを使用して比較実験を行った。

0080

その結果を済み剤によるものを表3の実施例1および実施例2に、未処理剤によるものを比較A−2および比較A−3に示す。

0081

比較A−1は、未処理剤の使用量を20gに増加した場合の結果を示している。

0082

次に、標準的な都市ゴミを模擬した次のような模擬ゴミを作成し、この模擬ゴミを破砕し、破砕した模擬ゴミ20gとポリ塩化ビニリデン1gを混合して被処理物を作り、済み剤を3.15gを添加した場合と、未処理剤を5g添加した場合との比較実験を行った。その結果を表2の実施例3および比較A−4に示す。

0083

模擬ゴミの構成は、次の通り、
20重量%…プラスチック(PE、PP、PS、PVDC)
50重量%…紙(ティッシュ新聞包装紙、箱、飲料パック
20重量%…布(ウエスなど)
10重量%…厨芥
表3は、表3の左欄の各温度においてHCl濃度(ppm)を測定した結果を示す。表3において塩化水素ガス濃度は実験10回における測定値で、各実施例は最高値、各比較例は最低値を示す。また、“ND”は“検出されずを表わし、10回の実験でいずれも検出されなかったことを示している。

0084

この表3の実験結果から、次のように考察される。

0085

まず、塩素成分を多量に含有する塩化ビニリデンを被処理物とした場合、脱塩素剤を添加しない比較B−1では、熱処理による各温度にわたって塩化水素ガスが多量に発生している。

0086

この被処理物に従来の脱塩素剤である消石灰を添加した比較B−2と、炭酸カルシウムを添加した比較B−3では、比較B−1と比べて塩化水素ガスの発生がかなり抑制されているものの、まだ十分であるとは言えない。

0087

これに対し、処理剤として炭酸水素ナトリウムを添加したものは全体として非常に良好な結果が得られている。そして、この炭酸水素ナトリウムを、多孔質化処理した済み剤と未処理剤とを比較すると、未処理剤を12.5g添加した場合は比較A−2に示すように300℃、5分保持後〜350℃、5分保持後において極微量の塩化水素が検出されているが、済み剤の場合は実施例1のように全温度範囲にわたり全く検出されない。

0088

処理剤の添加量を7.5gに減らして比較すると、実施例2および比較A−3に示すように300℃、5分保持後〜350℃、5分保持後間において塩化水素ガスの発生は見られるが、実施例2は極く微量(2ppm〜15ppm)であるのに対し、比較A−4は若干多く(5ppm〜90ppm)検出されている。

0089

しかし、比較A−1のように、添加量を20gに増加すれば良好な結果が得られる。

0090

次に、被処理物として、ポリ塩化ビニリデン1gと模擬ゴミ20gを混合したものを使用した場合は、比較A−4においては、未処理剤5gを使用して400℃〜500℃で若干の塩化水素が検出されているが、実施例3では済み剤が3.15gと少ないにもかかわらず、全温度範囲で全く検出されなかった。

0091

以上の実験調査により、次のことが判明した。

0092

(1)多孔質化処理した処理剤は、実施例2のように処理剤の添加量が少ないときは若干の塩化水素の発生が見られるが、その他は良好に反応して塩化水素が発生していないこと、(2)多孔質化処理しない未処理剤では、比較A−2〜A−4で300℃〜400℃の範囲の中で微量の塩化水素の発生が見られるが、しかし、比較A−1のように添加量を多くすれば良好な結果が得られること、(3)以上のことから、多孔質化した処理剤は、多孔質化しなかった処理剤と比較して、少量の添加量で良好な効果が得られること、(4)比較B−1〜B−3では、塩化水素が多量に発生していること。

0093

また、この実験結果から、塩素成分を含有する被処理物を処理する場合には、有害なHClと反応して無害な塩化物を生成するアルカリ物質を添加して処理することで、HClの無害化処理できることが確認できた。

0094

しかも、多孔質化した処理剤を添加する場合には、多孔質化処理しない場合に比較して少量で良いことが判明した。

0095

なお、650℃以上においても同様な脱塩素効果はあるが、設備の形態,時間,処理量などに基づいて決定すればよい。

0096

このように、気化成分を含有するアルカリ物質を加熱処理すると、含有する気化成分(O,H,CO,CO2など)がCO2又はH2Oとして分離飛散してアルカリ物質の表面積が増加し、これを有害成分の処理剤として添加すると、HClとの反応が促進され、少量で脱塩素効果が得られる。

0097

なお、表3に示す試料により複数種類のペレットを複数個作り、排気管付きの密閉容器に同一種類のものを数個入れ、電気炉で加熱し、発生ガスを抽出して、そのガス濃度(塩化水素ガス)ppmを測定した結果、表3と同様の結果が得られた。

0098

以上のことから、塩素成分を含有する処理物を固形化処理する場合に多孔化処理したアルカリ粉体を混入して固形化処理することで、その固形化物を燃焼させても、塩素系ガス(塩化水素、塩素ガス)が排気ガス中に混入することが防止できることが明らかとなった。燃焼後の処理灰には無害な塩類(塩化ナトリウム)が生成されるが、水などの溶液により溶解処理することで処理することが可能となった。

0099

即ち、この無害な塩化物の処理は、まず、処理灰を水槽に入れて所定時間(30分間)撹拌して塩化ナトリウムを水に溶解する。次に、これを脱水分離し、処理灰から塩化ナトリウムを除去し、これを乾燥・固化する。分離した排水の方は、必要に応じて有害物質除去処理し、別途排水処理手段により処理する。

0100

固形化した処理灰の残留塩素成分をイオンクロマトグラフイで測定した結果、従来1.000ppmあったものが、5ppm以下でほとんで皆無に等しかった。

0101

処理物に混入する多孔質化したアルカリ粉体としては、アルカリ金属化合物のうち、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのような加熱により、気化(H2O,CO2として)分離する成分を含有し、加熱することで多孔質に改善するものが好適である。

0102

また、脱塩素剤を混合しても、プラスチック類が有ればこれがパインタの役目をして効果的に結合することもわかった。

発明の効果

0103

以上のように本発明は、被処理物に多孔質化処理したアルカリ粉体を混合して、加熱処理し、これを加圧して固形化物(ペレット)を形成するようにしたので、加熱処理時に被処理物から塩素系ガスが分解析出するが、添加している多孔質化アルカリ粉体と接触反応して無害な塩類に置換生成される。よって、
(1)固形化物を燃焼したときに塩素系ガス(塩化水素、塩素ガス)の発生がない固形化物が得られる。

0104

(2)固形化物を燃料として燃焼させても、多孔質化処理したアルカリ粉体の存在により、ガス中の塩素系ガスと反応して無害な塩類を生成することで、排気ガス中の有害な塩素系物質は効果的に除去でき、排ガスはそのまま大気中に放出してもダイオキシンの発生は防止される。

0105

(3)以上の理由により、取り扱いの便利な固形化燃料として有効に再利用できる。

0106

等の効果を奏する。

図面の簡単な説明

0107

図1本発明の実施の形態の説明図。
図2本発明の実験に供した実験装置。
図3本発明の多孔処理剤の顕微鏡写真図
図4加熱反応模式図。
図5接触反応模式図。

--

0108

1…処理物供給部
2…混合機
3…脱塩素剤供給部
4,6…加熱手段
5…造粒機
7…ペレット
8…スクリューフィーダ
10…電子レンジ
11…セラミック容器

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