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※この項目の情報は公開日時点(2000年2月15日)のものです。
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課題
解決手段
生分解性プラスチックフィルム又は生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを、該クラフト紙を表地にして製袋して成る農業用生分解性重袋、あるいは、生分解性プラスチックフィルムの両面又は生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋して成る農業用生分解性重袋である。
概要
背景
合成ポリマー、いわゆるプラスチックは鉄鋼に次ぐ基幹素材であり、二十世紀半ばから飛躍的拡大をみせ、現在ではあらゆる分野において、不可欠な素材となっている。しかしながら、その反面、プラスチックの多くは廃棄された後自然分解しないため、様々な問題、例えば環境汚染や埋め立て地の地盤軟弱化を招いたり、焼却に際しては高温を発生し、焼却炉を損傷したり、有害なガスを出すなどの問題を引き起こしている。したがって、近年、地球環境保護の観点から、微生物の働きにより、生態系のサイクルに還元できる生分解性プラスチックが注目されるようになってきた。ところで、農業用重袋としては、例えば米、麦、トウモロコシなどの粒状の穀物を入れる穀物袋や、肥料袋などが知られている。前者の穀物袋は通気性が必要であるため、従来から、クラフト紙の三層袋が使用されている。しかしながら、このクラフト紙の三層袋は、生分解性を有し、環境汚染をもたらさないものの、落下によって破袋が生じるおそれがあるし、また水濡れによっても強度が低下して、落下せずとも破袋が生じる場合がある上、紙で通気性がよいとはいえ、三層にもなると通気性も低下し、穀物袋としては必ずしも十分に満足しうるものではない。近年、このような欠点を改良した穀物袋として、クラフト紙の片面にポリオレフィン系フラットヤーンクロスを貼り合わせ、該クラフト紙を表地にして形成した穀物袋や、ポリオレフィン系スプリットヤーンクロス製の穀物袋が開発され、実用化されている。しかしながら、これらの穀物袋はポリオレフィンを用いているため、生分解性の点で問題があり、地球環境保護の観点から、好ましいものではない。一方、肥料袋は、通気性を必要としないため、従来、破袋強度の高いポリオレフィン系フィルムからなる肥料袋が使用されている。しかしながら、このものは、袋の表面が滑りやすく、荷崩れの危険性があり、かつ印刷性もクラフト紙に比べて劣る上、生分解性の点でも問題がある。また、最近では、ポリオレフィン系フィルムの片面にクラフト紙をラミネートし、該クラフト紙を表地にして形成した肥料袋や、ポリオレフィン系フィルムの両面にクラフト紙をラミネートしたものからなる肥料袋が開発されている。しかしながら、これらの肥料袋は、荷崩れの危険性や印刷性については解決できるものの、ポリオレフィン系フィルムを用いているため、やはり生分解性の問題が残る。
概要
荷崩れの危険性が少なく、かつ良好な印刷性と十分な破袋強度を有し、しかも生分解性を有する農業用重袋を提供する。。
生分解性プラスチックフィルム又は生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを、該クラフト紙を表地にして製袋して成る農業用生分解性重袋、あるいは、生分解性プラスチックフィルムの両面又は生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋して成る農業用生分解性重袋である。
目的
本発明は、このような事情のもとで、荷崩れの危険性が少なく、かつ良好な印刷性と十分な破袋強度を有し、しかも生分解性を有することから、環境汚染をもたらさない穀物袋や肥料袋などの農業用重袋を提供することを目的としてなされたものである。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 2件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
生分解性プラスチックフィルムの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋して成る農業用生分解性重袋。
請求項3
生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを、該クラフト紙を表地にして製袋して成る農業用生分解性重袋。
請求項4
生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋して成る農業用生分解性重袋。
技術分野
0001
本発明は、新規な農業用生分解性重袋、さらに詳しくは、米、麦、トウモロコシなど粒状の穀物用や、肥料用などとして用いられ、かつ、自然界で容易に生分解し、環境汚染をもたらさない農業用重袋に関するものである。
背景技術
0002
合成ポリマー、いわゆるプラスチックは鉄鋼に次ぐ基幹素材であり、二十世紀半ばから飛躍的拡大をみせ、現在ではあらゆる分野において、不可欠な素材となっている。しかしながら、その反面、プラスチックの多くは廃棄された後自然分解しないため、様々な問題、例えば環境汚染や埋め立て地の地盤軟弱化を招いたり、焼却に際しては高温を発生し、焼却炉を損傷したり、有害なガスを出すなどの問題を引き起こしている。したがって、近年、地球環境保護の観点から、微生物の働きにより、生態系のサイクルに還元できる生分解性プラスチックが注目されるようになってきた。ところで、農業用重袋としては、例えば米、麦、トウモロコシなどの粒状の穀物を入れる穀物袋や、肥料袋などが知られている。前者の穀物袋は通気性が必要であるため、従来から、クラフト紙の三層袋が使用されている。しかしながら、このクラフト紙の三層袋は、生分解性を有し、環境汚染をもたらさないものの、落下によって破袋が生じるおそれがあるし、また水濡れによっても強度が低下して、落下せずとも破袋が生じる場合がある上、紙で通気性がよいとはいえ、三層にもなると通気性も低下し、穀物袋としては必ずしも十分に満足しうるものではない。近年、このような欠点を改良した穀物袋として、クラフト紙の片面にポリオレフィン系フラットヤーンクロスを貼り合わせ、該クラフト紙を表地にして形成した穀物袋や、ポリオレフィン系スプリットヤーンクロス製の穀物袋が開発され、実用化されている。しかしながら、これらの穀物袋はポリオレフィンを用いているため、生分解性の点で問題があり、地球環境保護の観点から、好ましいものではない。一方、肥料袋は、通気性を必要としないため、従来、破袋強度の高いポリオレフィン系フィルムからなる肥料袋が使用されている。しかしながら、このものは、袋の表面が滑りやすく、荷崩れの危険性があり、かつ印刷性もクラフト紙に比べて劣る上、生分解性の点でも問題がある。また、最近では、ポリオレフィン系フィルムの片面にクラフト紙をラミネートし、該クラフト紙を表地にして形成した肥料袋や、ポリオレフィン系フィルムの両面にクラフト紙をラミネートしたものからなる肥料袋が開発されている。しかしながら、これらの肥料袋は、荷崩れの危険性や印刷性については解決できるものの、ポリオレフィン系フィルムを用いているため、やはり生分解性の問題が残る。
発明が解決しようとする課題
0003
本発明は、このような事情のもとで、荷崩れの危険性が少なく、かつ良好な印刷性と十分な破袋強度を有し、しかも生分解性を有することから、環境汚染をもたらさない穀物袋や肥料袋などの農業用重袋を提供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段
0004
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する農業用重袋を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、生分解性プラスチックフィルムの片面にクラフト紙を貼り合わせたものを、該クラフト紙を表地にして製袋した袋、あるいは生分解性プラスチックフィルムの両面にクラフト紙を貼り合わせたものからなる袋が、前記目的に適合し、肥料袋として有用であること、また、生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの片面にクラフト紙を貼り合わせたものを、該クラフト紙を表地にして製袋した袋、あるいは生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの両面にクラフト紙を貼り合わせたものからなる袋が、前記目的に適合し、かつ通気性を有することから、穀物袋又は肥料袋として有用であることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)生分解性プラスチックフィルムの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを、該クラフト紙を表地にして製袋して成る農業用生分解性重袋(農業用生分解性重袋[1])、(2)生分解性プラスチックフィルムの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋して成る農業用生分解性重袋(農業用生分解性重袋[2])、(3)生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを、該クラフト紙を表地にして製袋して成る農業用生分解性重袋(農業用生分解性重袋[3])、及び(4)生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋して成る農業用生分解性重袋(農業用生分解性重袋[4])、を提供するものである。また、本発明の好ましい態様は、(5)肥料袋用である上記第(1)、(2)項記載の農業用生分解性重袋、及び(6)穀物袋用又は肥料袋用である上記第(3)、(4)項記載の農業用生分解性重袋、である。
発明を実施するための最良の形態
0005
本発明の農業用生分解性重袋において用いられるクラフト紙としては特に制限はなく、従来農業用重袋に慣用されているもの、例えばJISで定められているクラフト紙1種(JIS P3461、坪量75〜84g/m2)やクラフト伸長紙(JIS P4312、坪量73〜83g/m2)などを使用することができる。このクラフト紙は、木材から得られたクラフトパルプを原料とし、抄紙して成るものであり、表面が粗く、したがって、これを表地とする本発明の重袋は荷崩れの危険性が少なく、かつ印刷性も良好である。またこのクラフト紙は木材を原料とするため生分解性にも優れている。一方、本発明の農業用生分解性重袋に用いられる生分解性プラスチックフィルム及び生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの材料である生分解性プラスチックとしては、フィルム化や延伸処理が可能であり、かつ良好な機械特性を有するものであればよく、特に制限されず、様々なものを用いることができる。このような生分解性プラスチックとしては、一般に天然高分子系、発酵生産系及び化学合成系に大別することができる。上記天然高分子系としては、例えばデンプンとポリビニルアルコールとの組み合わせ(ノバモント社製「マタービー」、ノボインターナショナル社製「ノボン」など)、キトサンとセルロースとの組み合わせ、デンプンとポリカプロラクトンとの組み合わせなどが挙げられる。また、発酵生産系としては、例えばポリ3−ヒドロキシブチレートなどの微生物産性ポリエステル(ゼネカ社製「バイオポール」など)が挙げられる。さらに、化学合成系としては、例えばポリカプロラクトン系脂肪族ポリエステル[UCC/日本ユニカー社製「トーン」、JSP社製「バイオミクロン」(ポリカプロラクトンと変性ポリオレフィンとの組み合わせ)、ダイセル化学工業社製「セルグリーン」など]、脂肪族ポリエステル(昭和高分子社製「ビオノーレ」、日本触媒化学社製「ルナール」など)、ポリ乳酸(島津製作所社製「ラクティ」、三井東圧化学社製「レイシア」)などが挙げられる。本発明においては、これらの生分解性プラスチックの中から、製膜性、延伸性、機械特性及び価格などを考慮し、適宜選択して用いればよい。本発明の農業用生分解性重袋[1]及び[2]においては、生分解性プラスチックフィルムが用いられるが、その製膜方法については特に制限はなく、従来熱可塑性樹脂の製膜に慣用されている種々の方法、例えばTダイ法、インフレーション法、カレンダー法、キャスティング法などの中から、使用する生分解性プラスチックの種類に応じて適宜選択すればよい。この生分解性プラスチックフィルムの厚さは、通常10〜100μmの範囲である。一方、本発明の農業用生分解性重袋[3]及び[4]においては、生分解性プラスチックフラットヤーンクロスが用いられる。このクロスは、幅3〜10mm程度の生分解性プラスチックから成るフラットヤーンを用いて得られた織物であって、従来知られているポリオレフィン系フラットヤーンクロスと同様な方法で製造することができる。生分解性プラスチックから成るフラットヤーンは、例えば前記のようにして得られた生分解性プラスチックフィルムを縦方向に幅3〜10mm程度に細断し、一軸延伸処理することにより得られる。この場合、フィルムを一軸延伸処理したのち、縦方向に幅3〜10mm程度に細断してもよいが、細断したのち、延伸処理した方が均一なフラットヤーンが得られやすいので有利である。このフラットヤーンの厚さは、通常5〜50μmの範囲である。本発明の農業用生分解性重袋[1]は、前記生分解性プラスチックフィルムの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを用い、該クラフト紙を表地にして製袋したものである。この積層シートの製造方法としては特に制限はなく、従来ポリオレフィン系フィルムの片面にクラフト紙を貼り合わせる場合に慣用されている方法を用いることができる。例えば、ホットメルトラミネート法やウェットラミネート法などにより、生分解性プラスチックフィルムの片面にクラフト紙を貼り合わせることにより、所望の積層シートが得られる。前者のホットメルトラミネート法は、例えば加熱溶融した低分子量のエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体あるいはワックスなどの接着剤を生分解性プラスチックフィルムの片面にコーティングし、直ちにクラフト紙を貼り合わせて冷却する方法である。コーティング方式としては、例えばグラビアコーティング、リバースロールコーティング、ドクターブレード法などが用いられる。なお、逆にクラフト紙の片面に加熱溶融した接着剤をコーティングし、これに生分解性プラスチックフィルムを貼り合わせてもよい。一方、ウェットラミネート法は、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチラール、酢酸ビニルとアクリル酸エステルとの共重合体などのエマルジョン、合成ゴムのラテックスなどの接着剤を、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、エアーナイフコーティングなどの方法を用いて、生分解性プラスチックフィルムの片面にコーティングしたのち、これに湿った状態でクラフト紙を貼り合わせ、乾燥させる方法である。なお、逆に、クラフト紙の片面に接着剤をコーティングし、これに湿った状態で生分解性プラスチックフィルムを貼り合わせ、乾燥させてもよい。
0006
このようにして得られた生分解性プラスチックフィルムの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを、従来公知の方法により、該クラフト紙を表地にして製袋することによって、本発明の農業用生分解性重袋[1]が得られる。この際、生分解性プラスチックフィルムに直接内容物が接触しないように、所望により該フィルムにクラフト紙を単に重ね合わせて(接着なし)製袋してもよい。本発明の農業用生分解性重袋[2]は、前記生分解性プラスチックフィルムの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋したものである。この積層シートの製造方法としては特に制限はなく、従来ポリオレフィン系フィルムの両面にクラフト紙を貼り合わせる場合に慣用されている方法を用いることができる。例えば、生分解性プラスチックフィルムを介して2枚のクラフト紙を重ね合わせ、熱ローラを用いて両方のクラフト紙の上から圧着することにより、フィルムの表面が一部溶融し、所望の積層シートが得られる。また、前記農業用生分解性重袋[1]の場合と同様に、ホットメルトラミネート法やウェットラミネート法を用いて、生分解性プラスチックフィルムの両面に、クラフト紙を接着剤を介して貼り合わせてもよい。このようにして得られた生分解性プラスチックフィルムの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを用い、従来公知の方法で製袋することにより、本発明の農業用生分解性重袋[2]が得られる。一方、本発明の農業用生分解性重袋[3]は、前記生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの片面にクラフト紙を貼り合わせた積層シートを用い、該クラフト紙を表地にして製袋したものである。この積層シートは、例えば前記農業用生分解性重袋[1]における積層シートの場合と同様の方法により、製造することができる。そして、この積層シートを、従来公知の方法により、該クラフト紙を表地にして製袋することによって、本発明の農業用生分解性重袋[3]が得られる。この際、生分解性プラスチックフラットヤーンクロスに直接内容物が接触しないように、所望により該クロスにクラフト紙を単に重ね合わせて(接着なし)製袋してもよい。本発明の農業用生分解性重袋[4]は、前記生分解性プラスチックフラットヤーンクロスの両面にそれぞれクラフト紙を貼り合わせた積層シートを製袋したものである。この積層シートは、例えば前記農業用生分解性重袋[2]における積層シートの場合と同様の方法により、製造することができる。そして、この積層シートを用い、従来公知の方法で製袋することにより、本発明の農業用生分解性重袋[4]が得られる。本発明の農業用生分解性重袋の大きさについては特に制限はないが、穀物や肥料が10〜50kg程度収容される大きさが、有利である。また、本発明の農業用生分解性重袋[1]及び[2]は、生分解性プラスチックフィルムが用いられているので、通気性が悪く、したがって肥料用として好適である。一方、本発明の農業用生分解性重袋[3]及び[4]は、生分解性プラスチックフラットヤーンクロスが用いられているので、通気性がよく、穀物用又は肥料用として好適である。さらに、本発明の農業用生分解性重袋は、表地がクラフト紙であるため、滑りにくくて荷崩れの危険性が少なく、かつ印刷性がよい。また、クラフト紙に生分解性プラスチックフィルムや生分解性プラスチックフラットヤーンクロスがラミネートされているため、充分な破袋強度を有し、特にフラットヤーンクロスをラミネートしたものは、破袋強度が高い。また、本発明の農業用生分解性重袋は、生分解性に優れており、環境汚染をもたらすことがない。
0007
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
昭和高分子社製、商品名「ビオノーレ」の生分解性プラスチック(脂肪族ポリエステル系)から得られた厚さ80μmのフィルムの片面に接着剤を塗布したのち、その上に厚さ100μmのクラフト紙を重ね、乾燥させて厚さ200μmの積層シートを作成した。このものの機械特性を第1表に示す。また、この積層シートを用い、クラフト紙を表地にして袋を作成し、土壌中に6カ月間埋没させたところ、ほとんど原形が失われており、生分解性が良好であった。
実施例2
実施例1において、生分解性プラスチックフィルムの代わりに、昭和高分子社製、商品名「ビオノーレ」の生分解性プラスチックから得られた巾5mm、厚さ50μmの縦用フラットヤーン及び巾5mm、厚さ50μmの横用フラットヤーンを用いて成るフラットヤーンクロスを使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作成した。このものの機械特性を第1表に示す。また、この積層シートを用い、実施例1と同様にして袋を作成し、生分解性を調べたところ、良好な生分解性を有していた。
実施例3
昭和高分子社製、商品名「ビオノーレ」の生分解性プラスチックから得られた厚さ60μmのフィルムを介して、厚さ80μmのクラフト紙2枚を重ね合わせ、熱ローラ間に通して両方のクラフト紙の上から熱圧着することにより、厚さ220μmの積層シートを作成した。このものの機械特性を第1表に示す。また、この積層シートを用いて袋を作成し、実施例1と同様にして生分解性を調べたところ、良好な生分解性を有していた。
実施例4
実施例3において、生分解性プラスチックフィルムの代わりに、昭和高分子社製、商品名「ビオノーレ」の生分解性プラスチックから得られた巾5mm、厚さ50μmの縦用フラットヤーン及び巾5mm、厚さ50μmの横用フラットヤーンを用いて成るフラットヤーンクロスを使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを作成した。このものの機械特性を第1表に示す。また、この積層シートを用いて袋を作成し、実施例1と同様にして生分解性を調べたところ、良好な生分解性を有していた。
比較例1
現在、肥料袋の材料として用いられている厚さ147μmのポリエチレンフィルムについて、その機械特性を求めた。結果を第1表に示す。また、このポリエチレンフィルムから成る肥料袋を土壌中に6カ月間埋没させたところ、原形が完全に保持されており、生分解性を有していなかった。
0008
0009
[注]
1)積層シートの層構成;K:クラフト紙、B:接着剤、F:フィルム、C:フラットヤーンクロス、PE:ポリエチレン
2)引張強度:JIS K−6782(二軸延伸ポリプロピレンフィルムの試験方法)に準じて測定した。なお、MDは機械方向を示し、TDは横方向を示す。
3)直角型引裂強度:JIS K−6732(農業用ポリ塩化ビニルフィルムの試験方法)に準じて測定した。
発明の効果
0010
本発明の農業用生分解性重袋は、表地がクラフト紙であるので、荷崩れの危険性が少なく、かつ良好な印刷性を有する上、十分な破袋強度を有し、しかも生分解性を有することから、環境汚染をもたらすことがない。本発明の農業用生分解性重袋は、穀物袋や肥料袋として好適に用いられる。
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