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技術 水素化処理用触媒およびこれを使用する炭化水素油の水素化処理方法

出願人 東燃ゼネラル石油株式会社
発明者 林郁孝加茂晃戸島宏
出願日 1999年5月24日 (20年9ヶ月経過) 出願番号 1999-143515
公開日 2000年2月15日 (20年0ヶ月経過) 公開番号 2000-042408
状態 特許登録済
技術分野 触媒 触媒 炭化水素油の製造、分解及び精製 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード ホウ素アルコキシド 多孔質組成物 水溶性珪素化合物 実測スペクトル 合成スペクトル 耐熱性無機 構造体層 ニッケル液
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

脱硫活性と高脱窒素活性を併せ有し、かつこれらの活性維持能に優れた水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒を使用した炭化水素油水素化処理方法を提供すること。

解決手段

シリカアルミナ系触媒担体に少なくとも1種の水素化活性金属成分担持してなる水素化処理用触媒において、(1)シリカ含有量は、担体全重量を基準として5〜40重量%であり、(2)核磁気共鳴分析(29Si−NMR)で得られたスペクトルは、(i) −80ppmにおけるピーク面積が、全ピークの合計面積に対して10%以上、かつ(ii)−80ppm、−86ppmおよび−92ppmにおけるピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して20%以上であることを特徴とする水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒の存在下で、炭化水素油を水素と接触させて、高度に脱硫および脱窒素することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。

概要

背景

従来より、石油製品の製造工程では、炭化水素油水素化処理するために、アルミナシリカ−アルミナ、マグネシアジルコニアなどの耐火性無機酸化物担体とし、周期律表第6族金属、周期律表第8族金属などを酸化物または硫化物として担持させた水素化処理用触媒が種々開発されてきた。これらの水素化処理用触媒は、石油原油常圧蒸留または減圧蒸留留出油および残渣油水素化脱硫水素化脱窒素水素化分解および水素化脱芳香族潤滑油留分水素化精製ワックス留分水添異性化などに用いられてきた。一方、近年、環境保全の観点から、脱硫活性のさらなる向上とともに、大気汚染原因物質である窒素酸化物発生源と目される燃料油中窒素化合物を除去するための脱窒素活性のさらなる向上が求められてきた。また、窒素化合物を含有する炭化水素油は、石油精製工程において、接触分解または接触改質に供すると、分解触媒または改質触媒活性を著しく低下させ、製品収率低下を招くという点からも、脱窒素活性の向上が求められてきた。

このような水素化処理用触媒として、たとえば特開昭61−287446号公報には、アルミナ水和物コロイド状シリカとの混合水溶液に、塩基性化合物を添加して、混合水溶液を増粘ゲル化させた後、ゲルを乾燥して焼成することによって得られた耐熱性を有する触媒担体組成物が記載されており、また特開昭61−242639号公報には、焼結したセラミック物質構造体層と、この構造体層と一体にした多孔性酸化物の高表面担体層を有するモノリシック触媒担体が記載されている。これは、該多孔性酸化物の担体層が50〜93重量%のアルミナと7〜50重量%のシリカを主成分とするものである。さらに、特開平2−74516号公報には、シリカとアルミナとからなり、シリカの含有量が特定の範囲にあって高分散されており、核磁気共鳴測定において特定の値を有することにより、高温高湿下に長時間保持しても大きな触媒活性を保持することができる耐熱性無機多孔質組成物およびそれからなる触媒担体が記載されている。

しかし、これらの技術においても、水素化処理活性が不十分であるという問題があった。そのため、脱硫活性と共に脱窒素活性がより優れた水素化処理用触媒の開発が切望されてきた。

概要

高脱硫活性と高脱窒素活性を併せ有し、かつこれらの活性維持能に優れた水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒を使用した炭化水素油の水素化処理方法を提供すること。

シリカ−アルミナ系触媒担体に少なくとも1種の水素化活性金属成分を担持してなる水素化処理用触媒において、(1)シリカ含有量は、担体全重量を基準として5〜40重量%であり、(2)核磁気共鳴分析(29Si−NMR)で得られたスペクトルは、(i) −80ppmにおけるピーク面積が、全ピークの合計面積に対して10%以上、かつ(ii)−80ppm、−86ppmおよび−92ppmにおけるピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して20%以上であることを特徴とする水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒の存在下で、炭化水素油を水素と接触させて、高度に脱硫および脱窒素することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。

目的

本発明の目的は、前記した従来の技術の問題点を改善し、高脱硫活性と高脱窒素活性を併せ有し、かつこれらの活性維持能に優れた水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒を使用した炭化水素油の水素化処理方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

シリカアルミナ系触媒担体に少なくとも1種の水素化活性金属成分担持してなる水素化処理用触媒において、(1)シリカ含有量は、担体全重量を基準として2〜40重量%であり、(2)核磁気共鳴分析(29Si−NMR)で得られたスペクトルは、(i)−80ppmにおけるピーク面積が、全ピークの合計面積に対して10%以上、かつ(ii)−80ppm、−86ppmおよび−92ppmにおけるピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して20%以上であることを特徴とする水素化処理用触媒。

請求項2

請求項1記載の水素化処理用触媒の存在下で、炭化水素油水素と接触させて、高度に脱硫および脱窒素することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法

技術分野

0001

本発明は、水素化処理用触媒および該水素化処理用触媒を使用した炭化水素油水素化処理方法に関する。さらに詳しくは、シリカが高度に分散された高シリカ含有シリカ−アルミナ系触媒担体水素化活性金属成分担持させて構成される水素化処理用触媒および該水素化処理用触媒を使用して炭化水素油を水素化脱硫水素化脱窒素水素化分解水素化脱芳香族水素化精製などをするための炭化水素油の水素化処理方法に関する。

背景技術

0002

従来より、石油製品の製造工程では、炭化水素油の水素化処理するために、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシアジルコニアなどの耐火性無機酸化物を担体とし、周期律表第6族金属、周期律表第8族金属などを酸化物または硫化物として担持させた水素化処理用触媒が種々開発されてきた。これらの水素化処理用触媒は、石油原油常圧蒸留または減圧蒸留留出油および残渣油の水素化脱硫、水素化脱窒素、水素化分解および水素化脱芳香族、潤滑油留分の水素化精製、ワックス留分水添異性化などに用いられてきた。一方、近年、環境保全の観点から、脱硫活性のさらなる向上とともに、大気汚染原因物質である窒素酸化物発生源と目される燃料油中窒素化合物を除去するための脱窒素活性のさらなる向上が求められてきた。また、窒素化合物を含有する炭化水素油は、石油精製工程において、接触分解または接触改質に供すると、分解触媒または改質触媒活性を著しく低下させ、製品収率低下を招くという点からも、脱窒素活性の向上が求められてきた。

0003

このような水素化処理用触媒として、たとえば特開昭61−287446号公報には、アルミナ水和物コロイド状シリカとの混合水溶液に、塩基性化合物を添加して、混合水溶液を増粘ゲル化させた後、ゲルを乾燥して焼成することによって得られた耐熱性を有する触媒担体組成物が記載されており、また特開昭61−242639号公報には、焼結したセラミック物質構造体層と、この構造体層と一体にした多孔性酸化物の高表面担体層を有するモノリシック触媒担体が記載されている。これは、該多孔性酸化物の担体層が50〜93重量%のアルミナと7〜50重量%のシリカを主成分とするものである。さらに、特開平2−74516号公報には、シリカとアルミナとからなり、シリカの含有量が特定の範囲にあって高分散されており、核磁気共鳴測定において特定の値を有することにより、高温高湿下に長時間保持しても大きな触媒活性を保持することができる耐熱性無機多孔質組成物およびそれからなる触媒担体が記載されている。

0004

しかし、これらの技術においても、水素化処理活性が不十分であるという問題があった。そのため、脱硫活性と共に脱窒素活性がより優れた水素化処理用触媒の開発が切望されてきた。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、前記した従来の技術の問題点を改善し、高脱硫活性と高脱窒素活性を併せ有し、かつこれらの活性維持能に優れた水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒を使用した炭化水素油の水素化処理方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、水素化処理用触媒の高脱硫活性および高脱窒素活性と、その担体の物性との関係を鋭意研究を重ねた結果、アルミナ表面上にシリカ層を形成させた構造のシリカ−アルミナを担体とすることによって、水素化処理用触媒の固体酸性質を制御しやすいこと、およびその場合に珪素アルミニウムの結合を多くし、かつ均一の酸性質を有する多数の固体酸点をアルミナ上に均一に発現させることが容易であること、結果としてシリカを高含有量で含有させかつシリカを高度に分散させたシリカ−アルミナを担体とする水素化処理用触媒によって、炭化水素油中硫黄化合物と窒素化合物を共に高度に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

すなわち、本発明により、シリカ−アルミナ系触媒担体に少なくとも1種の水素化活性金属成分を担持してなる水素化処理用触媒において、(1)シリカ含有量は、担体全重量を基準として2〜40重量%であり、(2)核磁気共鳴分析(29Si−NMR)で得られたスペクトルは、(i)−80ppmにおけるピーク面積が、全ピークの合計面積に対して10%以上、かつ(ii)−80ppm、−86ppmおよび−92ppmにおけるピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して20%以上であることを特徴とする水素化処理用触媒、および上記した水素化処理用触媒の存在下で、炭化水素油を水素と接触させて、高度に脱硫および脱窒素することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法を提供するものである。

0008

本発明は、上記のような水素化処理用触媒および炭化水素油の水素化処理方法に係るものであるが、その好ましい実施の態様として、次のものを包含する。
(1)前記構成要件具備することを特徴とする水素化処理用触媒または水素化処理方法。
(2)前記シリカ含有量は、担体全重量を基準として5〜30重量%であることを特徴とする上記(1)に記載の水素化処理用触媒または水素化処理方法。
(3)前記スペクトルは、−80ppmにおけるピークの面積が、全ピークの合計面積に対して12%以上、かつ−80ppm、−86ppmおよび−92ppmにおけるピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して25%以上であることを特徴とする上記(1)または上記(2)のいずれかに記載の水素化処理用触媒または水素化処理方法。
(4)前記水素化処理用触媒は、さらにアルカリ土類金属および/またはボリアを、水素化処理用触媒の全重量を基準として0.1〜10重量%含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水素化処理用触媒または水素化処理方法。
(5)前記水素化処理用触媒は、細孔直径0〜300Å(窒素吸着法)の範囲の細孔において、0.35〜0.65ml/gの細孔容積と30〜100Åの平均細孔直径を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水素化処理用触媒または水素化処理方法。
(6)前記水素化処理用触媒は、200m2/g以上の比表面積を有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の水素化処理用触媒または水素化処理方法。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下に、本発明を詳細に説明する。
(水素化処理用触媒)本発明の水素化処理用触媒は、アルミナ表面上にシリカ層を形成させた構造のシリカ−アルミナ系触媒担体に少なくとも1種の水素化活性金属成分を担持してなる水素化処理用触媒であって、シリカを高含有量で含有させかつ珪素とアルミニウムの結合を多くして、均一の酸性質を有する多数の固体酸点をアルミナ上に均一に分布させたものである。前記水素化活性金属成分としては、周期律表第6族元素および周期律表第8族元素からなる群より選択される少なくとも1種の活性成分、好ましくは周期律表第6族元素から選択される少なくとも1種の活性成分と周期律表第8族元素から選択される少なくとも1種の活性成分とが用いられる。

0010

本発明の水素化処理用触媒の担体中のシリカ含有量は、担体全重量を基準として2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。シリカ含有量が、2重量%未満であると、良好な固体酸性質が得られない。また、40重量%を超えると反応条件によっては炭化水素油の分解が促進され、水素化処理油軽質化するという問題を生ずる。

0011

また、本発明の水素化処理用触媒は、シリカ−アルミナ系触媒担体を後述する方法で製造することによって、優れたシリカの分散性を賦与したものである。シリカの分散性は、核磁気共鳴分析(29Si−NMR)で得られたスペクトルにより表され、−80ppmにおけるピークの面積が、全ピークの合計面積に対して10%以上、好ましくは12%以上であり、かつ−80ppm、−86ppmおよび−92ppmのピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して20%以上、好ましくは25%以上とするものである。−80ppm、−86ppm及び−92ppmのピークの合計面積の割合が20%未満の場合は、シリカがアルミナに分散されておらず、良好な固体酸性質及び固体酸点の分布がえられない。また、−80ppm、−86ppm及び−92ppmのピークの合計面積の割合が20%以上であっても、−80ppmのピークの面積が10%未満の場合は、シリカが高度に分散しているとはいえず、望まれる固体酸性質および固体酸点の分布は得られない。したがって、本発明の水素化処理用触媒は、優れた脱硫活性および脱窒素活性を有することができず、また耐熱性にも難点が生じる。

0012

通常、シリカ−アルミナ系触媒担体においては、珪素(Si)とアルミニウム(Al)の結合状態は、次の(i)〜(iv)式で表すことができる。

0013

また、このようなシリカ−アルミナ系触媒担体は、29Si−核磁気共鳴分析をすると、29Si核磁気共鳴吸収を表すシグナルの位置は、Si原子酸素原子を介して結合するAl原子個数によって異なり、結合するAl原子の個数が多くなるにつれて高周波数側にほぼ等間隔でシフトする。すなわち、3-(トリメチルシリル)プロパンスルフォン酸ナトリウム(1.46ppm)を基準物質として、シリカ−アルミナ系触媒担体を核磁気共鳴分析(29Si−NMR分析)に供すると、1個のSi原子に4個のAl原子が結合した上記(i)式により表される構造は−80ppmにピーク位置があり、同じく3個のAl原子が結合した上記(ii)式により表される構造は−86ppmに、同じく2個のAl原子が結合した上記(iii)式により表される構造は−92ppmに、同じく1個のAl原子が結合した上記(iv)式により表される構造は−98ppmにピーク位置がある。また、Al原子で置換されていない上記(v)式で表される構造は−104ppm〜−110ppmにピーク位置がある。したがって、シリカ−アルミナ系触媒担体におけるシリカの分散性は、Si原子とAl原子の結合の程度によって表すことができる。すなわち、Si原子に結合するAl原子の数が多いほど、つまり核磁気共鳴分析で得られるスペクトルが高周波数側にあるほど、シリカ高分散であると定義できる。

0014

すなわち、本発明の水素化処理用触媒は、シリカの分散性をSi原子に結合するAl原子の個数の多少によって表したものであって、29Si−核磁気共鳴分析で得られた全ピークの面積(合成スペクトルの面積、すなわち6個のピークの合計面積である。)に対する−80ppmにおけるピークの面積の割合を10%以上、好ましくは12%以上、かつ−80ppm、−86ppmおよび−92ppmのピークの合計面積の割合を20%以上、好ましくは25%以上とするものである。担体については、29Si−核磁気共鳴分析で得られた全ピークの面積に対する−80ppmにおけるピークの面積の割合が10%以上、かつ−80ppm、−86ppmおよび−92ppmのピークの合計面積の割合が51%以上のものが好ましい。

0015

図1は、本発明のシリカ−アルミナ系触媒担体に水素化活性金属成分を担持させた水素化処理用触媒を、29Si−核磁気共鳴分析して得られたスペクトルの例を示す図であり、横軸は基準物質のシグナルからのシフトを示す数値を表し、縦軸はその相対吸収強度を表す。図1において、曲線1は、実測スペクトルであり、曲線2は、実測スペクトルから、ガウス関数曲線を用いた最小二乗適合計算により波形分離して得た6個のピーク(ピーク3〜8)の合成スペクトルである。ピーク3〜6は、それぞれ上記(i)〜(iv)式で表される構造に対応するものであり、ピーク7および8は上記(v)式で表される構造に対応するものである。したがって、たとえばシリカ−アルミナを担体とする水素化処理用触媒の全構造に対する、上記(i)〜(iv)式で表される構造の割合は、合成スペクトルの面積(曲線2と基準線に囲まれた領域)に対する、ピーク3〜6の合計面積の割合として算出することができる。

0016

また、図2は、水素化処理用触媒を構成するシリカ−アルミナ系触媒担体を、29Si−核磁気共鳴分析して得られたスペクトルの例を示す図であり、曲線1は、実測スペクトルであり、曲線2は、上記の水素化処理用触媒のスペクトルと同様に、実測スペクトルから波形分離して得た6個のピーク(ピーク3〜8)の合成ピークである。ピーク3〜6は、それぞれ上記(i)〜(iv)式で表される構造に対応し、ピーク7および8は上記(v)式で表される構造に対応する。たとえば、シリカ−アルミナ系触媒担体の全構造に対する上記(i)〜(iv)式で表される構造の割合は、合成スペクトルの面積(曲線2と基準線に囲まれた領域)に対する、ピーク3〜6の合計面積の割合として算出することができる。

0017

29Si−核磁気共鳴分析は、たとえば次の条件で行うことができる。
(1)核磁気共鳴装置:BRUKER社製 DSX−400
(2)測定核:29Si
(3)測定モード:ハイパワーデカップリングマジックアングルスピニング
(4)励起パルスフリップ角:30〜45度
(5)待ち時間:40秒以上
(6)試料回転数:7KHz
(7)ウィンドウ処理指数関数係数50Hz)
(8)試料の前処理:なし
(9)基準物質:3-(トリメチルシリル)プロパンスルフォン酸ナトリウム[(CH3)3SiC3H6SO3Na]のピーク位置を1.46ppmとする。
(10)ピーク面積:実測スペクトルから、波形分離して得たピークの面積
(11)波形分離:実測スペクトルから、ガウス関数曲線を用いた最小二乗適合計算により6個のピークを波形分離した。各ピークのピーク位置および半値幅を下表に示した。−80.0ppmおよび−110.0ppmにおけるピークの半値幅は、6個のピークから求めた合成スペクトルが実測スペクトルに最も良く一致する場合の最適値である。
ピーク位置(ppm) ピークの半値幅(ppm)
−80.00 (計算して得られた最適値)
−86.00 9.00
−92.00 8.00
−98.00 9.00
−104.00 9.00
−110.00 (計算して得られた最適値)

0018

また、本発明の水素化処理用触媒は、シリカ−アルミナ系触媒担体においては酸素原子を介してSi原子とAl原子が結合することにより、固体酸点が発現されることから、このようなSi原子とAl原子の結合の程度(すなわちシリカの分散性)がシリカ−アルミナ系触媒担体の固体酸性質に影響し、その固体酸性質が水素化処理用触媒において水素化活性金属成分の高分散担持に寄与して高活性点が発現すると推察するものである。

0019

また、本発明の水素化処理用触媒で使用するシリカ−アルミナ担体は、シリカとアルミナ以外に、第三成分としてアルカリ土類金属酸化物、ボリア、チタニア、ジルコニア、ハフニアトリアなどを含むことができる。このような第三成分を含むことにより、酸量の増加、酸制御が容易となり、より高活性な担体を得ることができる。通常、第三成分の含有量は、水素化処理用触媒の全重量を基準として0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%である。

0020

さらに、本発明の水素化処理用触媒は、窒素吸着法で測定した細孔直径0〜300Åの範囲の細孔において、0.35〜0.65ml/gの細孔容積と30〜100Åの平均細孔直径を有する。また、200m2/g以上の比表面積を有する。比表面積が200m2/g未満であると、水素化活性金属成分をシリカ−アルミナ系触媒担体上に高度に分散して担持できず、高い脱硫活性および脱窒素触媒活性を得ることができない。

0021

本発明の水素化処理用触媒で使用するシリカ−アルミナ系触媒担体は、通常、次の方法を採用して製造することができる。すなわち、(1)シリカ水和物ゲルおよびアルミナ水和物ゲルを各々予め製造しておき両者を混合する方法、(2)水溶性アルミニウム化合物および水溶性珪素化合物均一混合溶液塩基性物質または酸性物質を添加し、両者を共沈させる方法、(3)シリカ水和物ゲルを水溶性アルミニウム化合物の溶液に浸漬した後に、塩基性物質または酸性物質を適当量添加してアルミナ水和物ゲルをシリカ水和物ゲル上に沈着させる方法、(4)アルミナ水和物ゲルを水溶性珪素化合物の溶液に浸漬した後に、塩基性物質または酸性物質を適当量添加してシリカ水和物ゲルをアルミナ水和物ゲル上に沈着させる方法などによって製造することができる。また、シリカとアルミナに第三成分を含有させる場合は、たとえばその第三成分の水和物ゲルをシリカ水和物ゲルまたはアルミナ水和物ゲルに、所望量を予め添加しておくか、またはシリカ−アルミナに第三成分の水溶性化合物を所望量含浸させてもよい。

0022

シリカの原料物質としては、珪素化合物、たとえばアルカリ金属珪酸塩(Na2O:SiO2=1:2〜1:4が好ましい。)、テトラアルコキシシラン四塩化珪素オルソ珪酸エステルなどを用いることができる。また、アルミナの原料物質としては、アルミニウム化合物、たとえばアルミニウムの硫酸塩、塩化物硝酸塩アルカリ金属アルミン酸塩およびアルミニウムアルコキシドその他の無機塩または有機塩を使用することができる。

0023

第三成分の原料物質としては、アルカリ土類金属酸化物については水溶性化合物、たとえば硝酸塩、ハロゲン化物ハロゲン酸塩、硫酸塩、炭酸塩などを用いることができ、ボリアについてはホウ酸四ホウ酸などのほか、ホウ素アルコキシド、たとえばホウトリメトキシド、ホウ素トリエトキシドなどを用いることができる。また、チタニアについても、水溶性化合物、たとえば硫化物、塩化物、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシドなどのチタンアルコキシドを用いることができる。

0024

本発明の水素化処理用触媒で使用する前記のシリカ−アルミナ系触媒担体の製造においては、シリカ水和物ゲルをアルミナ水和物ゲル上に沈着させる速度とアルミナとシリカの量比を制御して、アルミナとシリカの反応性を制御することが肝要である。沈着させる速度を制御することによって、シリカとアルミニウムの結合状態は、主として前記した(i)〜(iii)式で表されるものとなり、シリカを高度に分散させることができる。珪素化合物水溶液の制御された添加速度としては、他の反応条件により変動するがアルミニウム化合物水溶液0.1〜約4モル、珪素化合物水溶液約0.1〜約10モルの条件下では、1分間に10ml以下の添加条件に設定することが好ましい。制御されない条件下では、シリカとアルミナの結合が形成されず、前記(v)式に対応するシリカの重合体が形成され、良好なシリカ−アルミナ系触媒担体が得られない。また、アルミナとシリカの量比を制御することによって、シリカを高含有量で含有させることができる。

0025

さらに具体的には、以下のようにして製造することができる。先ず、原料アルミニウム化合物の水溶液に、酸性またはアルカリ性水溶液を徐々に添加し、約5分〜約30分かけて混合液のpHを7〜11、好ましくは8〜10に調整し、70℃程度の温度下で0.2〜1.5時間熟成してアルミナ水和物ゲルを生成させる。必要に応じて硝酸などの鉱酸溶液を加え、pHを約7〜11の範囲に制御しながら、焼成後のシリカ−アルミナ系触媒担体中のシリカ含有量が、SiO2として2〜40重量%含有するように、珪素化合物水溶液を制御された添加速度で添加し、約50〜約80℃の温度で0.2時間以上保持して、核としてのアルミナ水和物ゲルにシリカ水和物ゲルを沈着させてシリカ層を形成させることにより、シリカ−アルミナ系触媒担体を調製する。アルミニウム化合物の水溶液は、たとえばアルミン酸ソーダの水溶液の場合は、濃度を約0.1〜4.0モルの範囲とするとよい。また、珪素化合物の水溶液は、たとえばアルカリ金属珪酸塩(Na2O:SiO2=1:2〜1:4の範囲が好ましい)水溶液の場合は、濃度を約0.1〜10モルの範囲とするとよい。

0026

次いで、シリカ−アルミナ系触媒担体を含む沈殿濾別し、炭酸アンモニウム溶液および水で洗浄して沈殿中の不純物イオンを除去し、ケーキ状のシリカ−アルミナ系触媒担体を調製した後、成型機により所望の形状に成形する。最後に、この成型物に乾燥および焼成などの処理を施す。乾燥は、酸素の存在下または非存在下において、常温〜約200℃に加熱することにより、また、焼成は、酸素の存在下において、約200〜約800℃、好ましくは約600〜約750℃の範囲に加熱することにより行う。

0027

本発明の水素化処理用触媒は、上記のようにして製造したシリカ−アルミナ系触媒担体上に、少なくとも1種の水素化活性金属成分、具体的には周期律表第6族元素および周期律表第8族元素から選ばれる少なくとも1種以上の水素化活性金属成分を担持してなる水素化処理用触媒である。これら元素は、酸化物および/または硫化物として担持させることが好適であり、硫化物は後述のように触媒予備硫化により調製することができる。

0028

周期律表第6族元素としては、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などを挙げることができる。好ましくはモリブデンまたはタングステンである。また、周期律表第8族元素としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)または白金(Pt)などを挙げることができる。好ましくはコバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウムまたは白金である。これらの元素は、単独にまたは混合して使用することができる。

0029

本発明の水素化処理用触媒は、上記した水素化活性金属成分をシリカ−アルミナ系触媒担体に担持させてなるものであるが、周期律表第6族元素と周期律表第8族元素の組合せ、たとえばモリブデン−コバルト、モリブデン−ニッケル、タングステン−ニッケル、モリブデン−コバルト−ニッケル、タングステン−コバルト−ニッケルまたはモリブデン−タングステン−コバルト−ニッケルなどの組合せが好ましい。特にモリブデン−コバルト、モリブデン−ニッケル、モリブデン−コバルト−ニッケルが好ましい。さらに、これらの元素の他に、本発明の水素化処理用触媒を性能を損なわない範囲で、周期律表第7族元素、たとえばマンガン周期律表第4族元素、たとえばゲルマニウム、錫、鉛、チタンジルコニウムなど、周期律表第3族元素、たとえばボロンスカンジウムイットリウムなど、および周期律表第2族元素、たとえばマグネシウムカルシウム亜鉛などを添加して使用することもできる。

0030

周期律表第6族元素の担持量は、酸化物として10〜40重量%である。好ましくは12〜30重量%である。担持量が10重量%未満の場合は、活性点が少なくなることから、高い脱硫活性および脱窒素活性が得られず、また水素化脱芳香族、水素化精製などの水素化処理が十分にできない。40重量%を超える場合には、水素化活性金属成分をシリカ−アルミナ系触媒担体上に高分散して保てなくなると同時に、周期律表第8族元素に対する助触媒効果が発揮されないことから活性点の減少をもたらし、やはり高い脱硫活性および脱窒素活性がえられず、また水素化脱芳香族、水素化精製などの水素化処理が十分にできないという難点が生じる。

0031

周期律表第8族元素の担持量は、酸化物として0.05〜15重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。担持量が、0.05重量%未満の場合は、十分な脱硫活性および脱窒素活性が得られず、また水素化脱芳香族、水素化精製などの水素化処理ができない。15重量%を超える場合には、シリカ−アルミナ系触媒担体と結合しない遊離の金属成分が増加し、周期律表第6族元素と不活性の複合酸化物を生成する。その結果、周期律表第6族金属の分散性を低下させ、触媒活性を低下させるという問題があり、やはり高い脱硫活性および脱窒素活性が得られず、また水素化脱芳香族、水素化精製などの水素化処理には支障が生ずる。

0032

本発明の水素化処理用触媒で使用するシリカ−アルミナ系触媒担体上への水素化活性金属成分の担持方法は、特に限定するものではなく、公知の方法によって担持することができる。たとえば、次のようにして担持することができる。水素化活性金属成分の硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、ギ酸塩アンモニウム塩リン酸塩、酸化物などの化合物を、溶媒に溶解して含浸用溶液を調製し、この含浸用溶液に、クエン酸酒石酸リンゴ酸酢酸シュウ酸などの有機酸を加え、さらにアンモニア水を用いてpH=9程度に調製する。pH=9程度に調整された含浸用溶液を攪拌しながらシリカ−アルミナ系触媒担体に滴下して含浸させる。

0033

溶媒としては、特に限定されず、種々のものを使用することができる。たとえば、水、アンモニア水、アルコール類エーテル類ケトン類芳香族類などを挙げることができる。好ましくは、水、アンモニア水、アセトンメタノールn−プロパノール、i−プロパノールn−ブタノール、i−ブタノールヘキサノールベンゼントルエンキシレンジエチルエーテルテトラヒドロフランジオキサンなどであり、特に好ましくは水である。

0034

含浸用溶液における溶媒と水素化活性金属成分の配合割合、およびシリカ−アルミナ系触媒担体への含浸用溶液の含浸量は、特に限定するものではないが、次におこなう含浸操作および乾燥焼成操作の容易性を考慮して、焼成後の触媒に対する水素化活性金属成分の担持量が、所望の値となるようにして選定することができる。

0035

水素化活性金属成分の担持方法は、上記したとおりであるが、さらに詳細に説明すると、シリカ−アルミナ系触媒担体を水素化活性金属成分の可溶性塩の溶液に浸漬し、該水素化活性金属成分をシリカ−アルミナ系触媒担体中に導入する含浸法、またはシリカ−アルミナ系触媒担体を製造する際に、水素化活性金属成分を同時に沈殿させる共沈法などを採用することができ、その他いかなる方法を使用しても差し支えないが、操作上容易であり、触媒物性の安定化維持に好都合な含浸法によることが好ましい。

0036

含浸操作としては、シリカ−アルミナ系触媒担体を常温または常温以上で含浸溶液に浸漬して、所望とする水素化活性金属成分が十分シリカ−アルミナ系触媒担体中に含浸する条件下で保持する。含浸溶液の量および温度は、所望量の水素化活性金属成分が担持されるように適宜設定することができる。また、水素化活性金属成分の所望担持量により、含浸溶液に浸漬するシリカ−アルミナ系触媒担体の量を決定することができる。さらに、所望に応じ、前記のような周期律表第7族および周期律表第4族などの金属を担時することもできる。

0037

2種以上の水素化活性金属成分のシリカ−アルミナ系触媒担体への含浸は、(1)2種以上の水素化活性金属成分を予め混合し、その混合溶液から同時に含浸(一液含浸法)、(2)2種以上の水素化活性金属成分の溶液を別々に調製し、逐次含浸していく(二液含浸法)のいずれの方法も任意に採用することができるが、本発明の水素化処理用触媒は、前記したシリカ−アルミナ系触媒担体上に、先ず、周期律表第8族元素を担持させ(第一ステップ)、次いで、周期律表第6族元素を担持させる(第二ステップ)ことによって製造することが好ましい。

0038

最後に、水素化活性金属成分を含浸させたシリカ−アルミナ系触媒担体を、打状成型押出成型転動造粒などによって成型した後、風乾熱風乾燥加熱乾燥凍結乾燥などの方法で乾燥し、さらに焼成して水素化処理用触媒とする。焼成は、温度400〜700℃で、1〜5時間行う。焼成温度が、高すぎると、担持した水素化活性金属成分の酸化物の結晶析出し、表面積、細孔容積が低下して触媒としての活性低下を引き起こし、焼成温度が低すぎると、担持した水素化活性金属成分に含まれるアンモニア酢酸イオンなどが脱離せず、触媒表面上の活性点が十分に露出しないために、やはり活性低下を引き起こす。焼成は除々に行うことが望ましい。

0039

本発明の水素化処理用触媒は、所望に応じて、他の水素化処理用触媒と混合して使用することができる。他の水素化処理用触媒としては、公知のものを使用することができる。

0040

(炭化水素油の水素化処理方法)次に、本発明の水素化処理用触媒を用いる炭化水素油の水素化処理法について説明する。水素化処理に供される炭化水素油は、特に限定されるものではなく、たとえば石油原油の常圧蒸留留出油、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留留出油、分解軽油留分またはこれらの混合油などいずれも用いることができる。特に、脱硫および脱窒素を同時に行うことが困難な減圧軽油分解軽油および直留軽油などは、好適に供することができる。

0041

減圧軽油は、常圧蒸留残渣油をさらに減圧蒸留して得られ、約370〜610℃の範囲の沸点を有する留出油であり、硫黄分、窒素分および金属分を相当量(たとえば硫黄分2.0重量%、窒素分800重量ppm)含有する。硫黄分としては、たとえば4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンなどの硫黄化合物が含有され、窒素分としてはピサジン類、アミン類アミド類などの塩基性窒素化合物や、ピロール類などの弱塩基性窒素化合物が含有され、金属分としてはニッケル、バナジウム、鉄などが含有される。本発明の水素化処理方法によれば、このような減圧軽油の脱硫および脱窒素を最も効率よく行うことができる。

0042

また、分解軽油としては、残渣油をコーカーおよびビスブレーカーなどで熱分解して得られる約200℃以上の沸点を有する軽油留分接触分解装置から得られるライトサイクルガスオイル(LCGO)およびヘビーサイクルガスオイルHCGO)などを挙げることができる。

0043

水素化処理の反応条件は、特に限定されるものではないが、炭化水素油の種類、目標とする脱硫率および脱窒素率などにより選択することができる。すなわち、反応温度;200〜500℃、好ましくは280〜420℃、反応圧力;1〜200kg/cm2 、水素含有ガスレイト;100〜270L/L、および液空間速度;0.05〜5.0V/H/V、好ましくは0.5〜4.0V/H/Vを採用することができる。たとえば、反応温度370℃、反応圧力60kg/cm2 、水素含有ガスレイト214L/L(1200SCF/B)、および液空間速度1.0V/H/Vである。水素含有ガスとしては、水素濃度が60〜100%の範囲のものを用いることができる。本発明の水素化処理用触媒は、活性劣化が比較的早く過酷度の高い反応条件下、特に低反応圧においても、高い脱硫率および脱窒素率を達成することができる。

0044

炭化水素油の水素化処理を行うにあたり、水素化処理用触媒は、固定床流動床沸騰床または移動床のいずれの形式でも使用することができるが、装置面または操作上から、通常、固定床を採用することが好ましい。また、二基以上の複数基の反応塔を結合して水素化処理を行い、高度の脱硫率と脱窒素率を達成することができる。特に、炭化水素油が重質油である場合には、多段反応を使用するのが好ましい。

0045

さらに、本発明の水素化処理方法においては、炭化水素油の水素化処理に先立ち、水素化処理用触媒を予備硫化することが好ましい。予備硫化は、焼成した水素化処理用触媒を反応塔内充填した後、含硫留出油を反応塔に供給し、温度;150〜400℃、圧力(全圧);20〜100kg/cm2、液空間速度;0.3〜2.0V/H/Vおよび水素含有ガスレイト;50〜1500L/Lの反応条件下で接触させ、活性成分の硫化処理を行い、その後、含硫留出油を炭化水素油に切り替え、炭化水素油の脱硫および脱窒素に対応した運転条件に設定し、水素化処理の運転を開始する。硫化処理の方法としては、上記の如き方法の他に、硫化水素その他の硫黄化合物を触媒と直接接触させるか、または適当な炭化水素油に添加してこれを触媒と接触させる方法を採用することもできる。

0046

本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。

0047

以下の実施例1〜4および比較例1〜3において用いた各触媒の物性(比表面積、細孔容積、29Si-核磁気共鳴分析)の測定方法および触媒活性評価方法は、次の通りである。
(1)比表面積:窒素吸着法(BET法)により測定した。
(2)細孔容積:窒素吸着法(BJH法)によって測定した。
窒素吸着法については、P.H.エメット他著キャタリシス」第1巻、第123頁(ラインホールドパブリッシングカンパニー発行)(1959年)[P.H.Emmett,et.al.“Catalysis”,Vol.1,p123(1959)(Reinhold Publishing Co.)]、および触媒工学講座、第4巻、第69頁〜第78頁(地人書発行)(昭和39年)に記載されている。また、窒素吸着法については、多分子層吸着に基づく補正の方法が種々提案されているが、本発明における細孔容積に関するデータは吸着等温線吸着側を使用しBJH法により計算した。BJH法については、E.P.バレット、L.G.ジョイナーおよびP.P.ハレンダ著「アメリカ化学協会誌」第73巻、第373頁(1951年)[E.P.Barrett,L.G.Joyner andP.P.Halenda,“J.of Amer.Chem.Soc.”,73,373(1951)]に記載されている。
(3)29Si−核磁気共鳴分析:前記した方法で測定した。

0048

(4)触媒活性評価方法
(i)試験油
試験油は、中東原油から得られた減圧軽油を用いた。試験油の性状を表1に示す。

0049

0050

(ii)触媒活性評価
触媒活性評価は、固定床式流通式反応装置を用いて行った。先ず、触媒を反応管に充填し、試験油に二硫化炭素(CS2)を3容量%含有させて調製した予備硫化油を、40時間通油して触媒の予備硫化を行った。次いで、試験油を約24時間流通させて、反応平衡状態生成油採取した。そして、試験油中の硫黄分および窒素分と、生成油中の硫黄分および窒素分の各測定結果から、触媒の脱硫活性および脱窒素活性を求めた。反応条件、および生成油の硫黄分および窒素分を表1に示す。

0051

(実施例1)純水3リットルを約70℃に加熱し、これにアルミン酸ナトリウム220gを溶解させて、pH約12のアルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。次いで、硝酸溶液を添加して25分間かけて所定のpH(8.8〜9.2)に調整した。その後、温度70℃で0.5時間熟成して、アルミナ水和物の沈殿(ゲル)を含む水溶液を調製した。得られた水溶液のpHが約9を維持するように、必要に応じて硝酸溶液を加えて調節しながら、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス49g、純水200g)を21分間かけて加えた。その後、温度約70℃で0.5時間熟成して、アルミナ水和物の表面にシリカ水和物が沈着した沈殿粒子を含むスラリー液を調製した。このスラリー液をろ過し、次いでろ液ナトリウム濃度が5ppm以下になるまで炭酸アンモニウム水溶液で洗浄して、ケーキ状のシリカ−アルミナ担体を調製した。このケーキ状のシリカ−アルミナ担体を、約80℃の混練機中で成型可能な含水量になるまで乾燥しながら混練し、押し出し成型機により、1.5mmφの円柱ペレットを成型した。成型されたペレットは、120℃で16時間乾燥し、さらに700℃で3時間焼成し担体を調製した。担体を29Si−核磁気共鳴分析したところ、表2に示す結果を得た。

0052

ついで、このシリカ−アルミナ担体に、CoO量として4重量%,NiO量として1重量%になるように、別に調製した硝酸コバルトの水溶液(コバルト液)および硝酸ニッケルの水溶液(ニッケル液)を含浸させ、120℃で乾燥した後、450℃で焼成して、コバルトおよびニッケルを担時させたシリカ−アルミナ担体を調製した。次に、MoO3量として16重量%となるように、別に調製したパラモリブデン酸アンモニウムの水溶液(モリブデン液)を、先に調製したシリカ−アルミナ担体(コバルトおよびニッケルを担時させたもの)に含浸させ、120℃で乾燥した後、500℃で焼成して触媒Aを調製した。触媒A中のシリカ含有量は12.2重量%であった。

0053

次いで、触媒Aの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒Aの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表2に示す。

0054

0055

(比較例1)珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス49g、純水200g)を21分間かけて加える操作に替えて、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス49g、純水200g)を5分以内に加えたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒aを調製した。触媒a中のシリカ含有量は12.5重量%であった。次いで、触媒aの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒aの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表3に示す。

0056

0057

(実施例2)硝酸溶液を添加して25分間かけて所定のpH(8.8〜9.2)に調整する操作に替えて、硝酸溶液を添加して24分間かけて所定のpH(8.8〜9.2)に調整したこと、および珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス49g、純水200g)を21分間かけて加える操作に替えて、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス69g、純水200g)を20分間かけて加えたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Bを調製した。触媒B中のシリカ含有量は16.4重量%であった。次いで、触媒Bの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒Bの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表2に示す。

0058

(実施例3)珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス69g、純水200g)を20分間かけて加える操作に替えて、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス69g、純水200g)を33分間かけて加えたこと以外は、実施例2と同様にして、触媒Cを調製した。触媒C中のシリカ含有量は16.5重量%であった。次いで、触媒Cの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒Cの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表2に示す。

0059

(比較例2)珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス69g、純水200g)を20分間かけて加える操作に替えて、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス69g、純水200g)を10分以内に添加したこと以外は、実施例2と同様にして、触媒bを得た。触媒b中のシリカ含有量は16.8重量%であった。次いで、触媒bの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒bの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表3に示す。

0060

(実施例4)硝酸溶液を添加して25分間かけて所定のpH(8.8〜9.2)に調整する操作に替えて、硝酸溶液を添加して20分間かけて所定のpH(8.8〜9.2)に調整したこと、および珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス49g、純水200g)を21分間かけて加える操作に替えて、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス31g、純水200g)を20分間かけて加えたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒Dを調製した。触媒D中のシリカ含有量は8.3重量%であった。次いで、触媒Dの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒Dの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表2に示す。

0061

(比較例3)珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス31g、純水200g)を20分間かけて加える操作に替えて、珪酸ナトリウム水溶液(3号水ガラス31g、純水200g)を1分以内に加えたこと以外は、実施例4と同様にして、触媒cを得た。触媒c中のシリカ含有量は8.2重量%であった。次いで、触媒cの触媒活性評価を行い、その脱硫活性および脱窒素活性を求めた。触媒cの物性(化学組成、比表面積、細孔容積、29Si−核磁気共鳴分析)および触媒活性評価の結果を表3に示す。

0062

表1および表3から、明らかなように、触媒A、B、CおよびDを用いた実施例1〜4は、触媒a、bおよびcを用いた比較例1〜3に較べて、優れた脱硫活性および脱窒素活性を示した。

発明の効果

0063

以上、詳細かつ具体的に説明したように、本発明によれば、シリカ−アルミナ系触媒担体に少なくとも1種の水素化活性金属成分を担持してなる水素化処理用触媒において、(1)シリカ含有量は、担体全重量を基準として5〜40重量%であり、(2)核磁気共鳴分析(29Si−NMR)で得られたスペクトルは、(i) −80ppmにおけるピークの面積が、全ピークの合計面積に対して10%以上、かつ(ii)−80ppm、−86ppmおよび−92ppmにおけるピークの合計面積が、全ピークの合計面積に対して20%以上であることを特徴とする水素化処理用触媒、および該水素化処理用触媒の存在下で、炭化水素油を水素と接触させて、高度に脱硫および脱窒素することを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法を提供することができた。このような水素化処理用触媒により、直留軽油、減圧軽油、分解軽油、ライトサイクルガスオイル、ヘビーサイクルガスオイルなどの炭化水素油を、高い脱硫率と同時に高い脱窒素率で水素化処理することができ、さらに水素化分解、水素化脱芳香族、水素化精製などの処理を高度に行うことが可能である。

図面の簡単な説明

0064

図1本発明の水素化処理用触媒を、29Si−核磁気共鳴分析して得られたスペクトルの例を示す図である。
図2本発明の水素化処理用触媒を構成する担体を、29Si−核磁気共鳴分析して得られたスペクトルの例を示す図である。

--

0065

1実測スペクトル。
2 6個のピーク(ピーク3〜8)の合成スペクトル。
3波形分離して得た−80ppmにおけるピーク。
4 波形分離して得た−86ppmにおけるピーク。
5 波形分離して得た−92ppmにおけるピーク。
6 波形分離して得た−98ppmにおけるピーク。
7 波形分離して得た−104ppmにおけるピーク。
8 波形分離して得た−110ppmにおけるピーク。

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