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技術 環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物

出願人 昭島化学工業株式会社
発明者 佐藤有小野理亘
出願日 1998年7月22日 (22年5ヶ月経過) 出願番号 1998-206421
公開日 2000年2月8日 (20年10ヶ月経過) 公開番号 2000-038487
状態 特許登録済
技術分野 被包材 高分子成形体の製造 高分子組成物
主要キーワード プレート板 原シート ギャー 性能項目 自己粘着 無機金属塩化合物 環境ホルモン物質 加熱溶融物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2000年2月8日)のものです。
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課題

この発明は、食品包装フィルム塩化ビニル系樹脂組成物から、環境ホルモン物質発生源であるトリノニルフェニルホスファイトの使用を中止した際に、著しく悪化する熱成形加工時の熱安定性と得られたフィルムの透明性を改善しようとするものである。

解決課題

塩化ビニル系樹脂に、(a)オレイン酸カルシウム塩リシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸の亜鉛塩を加え、これにさらにエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油を加えて加熱して得た加熱溶解物と、(b)トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸に、リン酸又は亜リン酸を加えて加熱して得た加熱溶解物を添加してなる食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物である。

概要

背景

塩化ビニル系樹脂組成物からなる食品包装用フィルムは、透明性、ガスバリヤ性食品保存性及び自己粘着などの包装適正、また包装材としての化学的物理的特性が優れているため青果精肉鮮魚などの食品包装フィルムとして極めて有用なものである。

このフィルムは、塩化ビニル系樹脂に、通常、無毒性カルシウム亜鉛系安定剤、可塑剤、例えば炭素数6〜10の脂肪族アルコールアジピン酸とのエステル、さらに比較的多量のエポキシ化油防曇剤例えばノニオン系又はアニオン系界面活性剤滑剤、例えば多価アルコール二塩基酸高級脂肪酸混合エステル或いは高級脂肪酸系ワックスなどを添加した配合組成物からなるものである。

しかしながら、このような塩化ビニル系樹脂組成物は、これを押出加工してフィルムに成形するとき、配合成分が押出加工時内部発熱により分解して変色を起こしたり、得られたフィルムの透明度が低いため商品価値が低下するという問題があった。

このため、従来からこうした問題点を解決するために、通常トリノニルフェニルホスファイト酸化防止剤などの助剤を添加してきた。これらの化学物質は、致死量(LD−50)などから判定される急性毒性面では極めて低いとされたことから、食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物の添加剤として、硬質から軟質まで幅広く使われてきた。特に、トリスノニルフェニルホスファイトは、食品包装フィルム成形時に必要不可欠な添加剤となっていた。

ところが最近になって、環境汚染物質問題がクローズアップされる中、上記卜リスノニルフェニルホスファイトの分解物であるノニルフェノールが、人体ホルモン疑似物質エストロゲン様物質)であるいわゆる環境ホルモン物質に該当するに及んで、食品容器包装関連業界は、自主的に該トリスノニルフェニルホスファイトの使用を廃止すべく代替品の検討が急務となった。このような状況に鑑みて本発明者等は鋭意検討し本発明を完成させたものである。

概要

この発明は、食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物から、環境ホルモン物質の発生源であるトリスノニルフェニルホスファイトの使用を中止した際に、著しく悪化する熱成形加工時の熱安定性と得られたフィルムの透明性を改善しようとするものである。

塩化ビニル系樹脂に、(a)オレイン酸カルシウム塩リシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸の亜鉛塩を加え、これにさらにエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油を加えて加熱して得た加熱溶解物と、(b)トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸に、リン酸又は亜リン酸を加えて加熱して得た加熱溶解物を添加してなる食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)オレイン酸カルシウム塩リシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸の亜鉛塩を加え、これにさらにエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油を加えて加熱して得た加熱溶解物0.05〜2重量部と、(b)トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸に、リン酸又は亜リン酸を加えて加熱して得た加熱溶解物0.001〜1重量部を添加してなる環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム塩化ビニル系樹脂組成物

請求項2

塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)オレイン酸のカルシウム塩とリシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸の亜鉛塩を加え、これにさらにエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油を加えて加熱して得た加熱溶解物0.05〜2重量部と、(b)トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸に、リン酸又は亜リン酸を加えて加熱して得た加熱溶解物0.001〜1重量部と、(c)1−フェニル−1,3−オクタデカジオン、1−フェニル−1,3−エイコサンジオン、3−アセチル−6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2,4−ジオン、2−メルカプトベンゾチアゾールn−オクチルサリチルホスファイト及び合成ハイドロタルサイトの群より選ばれる一種又は二種以上の合計の0.001〜1重量部とを添加してなる環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物。

請求項3

合成ハイドロタルサイトが、次の式Mg1-x ・AlX (OH)2 ・(CO3 )x/2 ・mH2 O (1)(式中、xは0.1<x≦0.33の数を、mは0.1〜0.3の数をそれぞれ示す。)で表される請求項2に記載の環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物。

技術分野

0001

この発明は、環境ホルモン物質を添加しなくとも、熱安定性及び透明性が優れた食品包装フィルム塩化ビニル系樹脂組成物に関するものである。

背景技術

0002

塩化ビニル系樹脂組成物からなる食品包装用フィルムは、透明性、ガスバリヤ性食品保存性及び自己粘着などの包装適正、また包装材としての化学的物理的特性が優れているため青果精肉鮮魚などの食品包装フィルムとして極めて有用なものである。

0003

このフィルムは、塩化ビニル系樹脂に、通常、無毒性カルシウム亜鉛系安定剤、可塑剤、例えば炭素数6〜10の脂肪族アルコールアジピン酸とのエステル、さらに比較的多量のエポキシ化油防曇剤例えばノニオン系又はアニオン系界面活性剤滑剤、例えば多価アルコール二塩基酸高級脂肪酸混合エステル或いは高級脂肪酸系ワックスなどを添加した配合組成物からなるものである。

0004

しかしながら、このような塩化ビニル系樹脂組成物は、これを押出加工してフィルムに成形するとき、配合成分が押出加工時内部発熱により分解して変色を起こしたり、得られたフィルムの透明度が低いため商品価値が低下するという問題があった。

0005

このため、従来からこうした問題点を解決するために、通常トリノニルフェニルホスファイト酸化防止剤などの助剤を添加してきた。これらの化学物質は、致死量(LD−50)などから判定される急性毒性面では極めて低いとされたことから、食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物の添加剤として、硬質から軟質まで幅広く使われてきた。特に、トリスノニルフェニルホスファイトは、食品包装フィルム成形時に必要不可欠な添加剤となっていた。

0006

ところが最近になって、環境汚染物質問題がクローズアップされる中、上記卜リスノニルフェニルホスファイトの分解物であるノニルフェノールが、人体ホルモン疑似物質エストロゲン様物質)であるいわゆる環境ホルモン物質に該当するに及んで、食品容器包装関連業界は、自主的に該トリスノニルフェニルホスファイトの使用を廃止すべく代替品の検討が急務となった。このような状況に鑑みて本発明者等は鋭意検討し本発明を完成させたものである。

発明が解決しようとする課題

0007

この発明は、食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物から、環境ホルモン物質の発生源であるトリスノニルフェニルホスファイトの無添加の際に、著しく悪化する熱成形加工時の熱安定性と得られたフィルムの透明性を改善しようとするものである。

課題を解決するための手段

0008

この発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)オレイン酸カルシウム塩リシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸の亜鉛塩を加え、これにさらにエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油を加えて加熱して得た加熱溶解物0.05〜2重量部と、(b)トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸に、リン酸又は亜リン酸を加えて加熱して得た加熱溶解物0.001〜1重量部を添加してなる環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物(請求項1)、塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)オレイン酸のカルシウム塩とリシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸の亜鉛塩を加え、これにさらにエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油を加えて加熱して得た加熱溶解物0.05〜2重量部と、(b)トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸に、リン酸又は亜リン酸を加えて加熱して得た加熱溶解物0.001〜1重量部と、(c)1−フェニル−1,3−オクタデカジオン、1−フェニル−1,3−エイコサンジオン、3−アセチル−6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2,4−ジオン、2−メルカプトベンゾチアゾールn−オクチルサリチルホスファイト及び合成ハイドロタルサイトの群より選ばれる一種又は二種以上の合計の0.001〜1重量部とを添加してなる環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物(請求項2)及び合成ハイドロタルサイトが、次の式
Mg1-x ・AlX (OH)2 ・(CO3 )x/2 ・mH2 O (1)
(式中、xは0.1<x≦0.33の数を、mは0.1〜0.3の数をそれぞれ示す。)で表される請求項2に記載の環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物(請求項3)である。

0009

以下にこの発明をさらに説明する。請求項1及び2の発明に用いられる(a)成分で用いるオレイン酸、リシノール酸は動植物油脂から誘導された油状高級脂肪酸である。本願発明は、これらの中のオレイン酸のカルシュム塩を含み、外に必要に応じてリシノール酸及び/又は安息香酸のカルシウム塩の混合物に、オレイン酸及び/又はリシノール酸とカルシウム又は亜鉛とを反応させたいわゆる金属石鹸を加えたものを用いる。この金属石鹸は、酸性塩又は中性塩であってもよく、さらに塩基性塩もしくは過塩基性カーボネート錯塩であってもよい。これらの金属石鹸は、無毒でしかも塩化ビニル系樹脂に添加して熱成形加工したとき、プレートアウト目ヤニが少なく成形性に優れた特徴を有するものである。

0010

この発明では、これらの金属石鹸とエポキシ化大豆油又はエポキシ化アマニ油との加熱溶解物を(a)成分として用いる。この(a)成分は、加熱して得た加熱溶解物であることが必要で、単なる混合物では後記実施例が示すように所定の効果が得られない。ここでの加熱温度は、通常50〜120℃の温度範囲が好ましい。加熱溶解によって、これら金属塩エポキシ化合物との錯化合物が生成され熱安定性を向上させるものと考えられる。

0011

この加熱溶解物は、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.05〜2重量部、特に0.1〜1重量部添加するのが好ましい。添加量が0.05重量部未満では熱安定性の効果が十分でなく、2重量部を超えるとプレートアウトや目ヤニが発生し、また成形フィルムの透明性も悪化させる。

0012

請求項1及び請求項2の発明に用いられる、(b)成分はトリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸と、リン酸又は亜リン酸との加熱溶解物である。トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸は、元来金属塩との反応性に乏しいが、これをリン酸又は亜リン酸とともに加熱溶解することにより反応性に富んだ化合物に変化し、この化合物を添加して熱成形加工した際に、塩化ビニル系樹脂組成物中に混在する亜鉛塩と反応して錯化合物が生成され、これが透明性と熱安定性の向上に効果的な働きをする。

0013

(b)成分は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部、特に0.01〜0.5重量部添加するのが好ましい。この加熱溶融物は、添加量が0.001重量部未満では透明性、熱安定性及び着色防止性が十分でなく、1重量部を超えると目ヤニが発生し、色も悪化する。

0014

請求項2の発明に用いられる、(c)成分の各化合物は、全て無毒であって、熱安定性のさらなる向上のために添加されるものである。これらは、1−フェニル−1,3−オクタデカンジオン、1−フェニル−1,3−エイコサンジオン、3−アセチル−6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2,4−ジオン、2−メルカプトベンゾチアゾール、n−オクチルサリチルホスファイト及び合成ハイドロタルサイトの群より選ばれる一種又は二種以上である。

0015

(c)成分は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、これらの群より選ばれる一種又は二種以上の合計で0.001〜1重量部、特に0.01〜0.5重量部添加するのが好ましい。添加量が0.001重量部未満では着色防止性又は熱安定性が十分でなく、1重量部を超えるとプレートアウトや透明性が悪化する。

0016

請求項3は、合成ハイドロタルサイトを式(1)で表される合成ハイドロタルサイトとするものであるが、その具体例としては、Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3 )0.165 ・0.1H2 O[以下、「合成ハイドロタルサイト(1)」という。]、Mg0.67Al0.33(OH)2 (CO3 )0.165 ・0.3H2 O[以下、「合成ハイドロタルサイト(2)」という。]などを挙げることができ、その性状としては脱結晶水開始温度は約230℃、比表面積20m2 /g、粒度分布は1μm以下が92%のものである。

0017

この発明は、前記の安定剤成分を含む外に、熱安定性をより改善しさらに透明性を阻害しない範囲において、カルシウムカルボン酸塩、亜鉛カルボン酸塩が使用できる。この金属石鹸を構成するカルボン酸としては、2−エチルヘキシル酸、イソデカン酸ネオデカン酸、動植物油脂から誘導される高級脂肪酸、ロジン酸ナフテン酸エポキシ化ステアリン酸などである。

0018

この発明は、以下のような安定化助剤及びその他の添加剤を適宜添加することができる。これらは、酸化防止剤、エポキシ化合物、界面活性剤、滑剤、アルコール及びこのエステル類ロジン及びロジン誘導体含窒素化合物無機金属塩化合物抗菌剤などである。当然ながらこの発明には、ここに挙げた化学物質の中で環境ホルモン物質に該当するものは含有しない。

0019

上記の安定化助剤及びその他の添加剤は、熱安定性、加工性、又は透明性をより一層改善すると共に、防曇性帯電防止性抗菌性などを付与する目的で適宜使用することができる。

0020

この発明における塩化ビニル系樹脂としては、乳化重合懸濁重合塊状重合溶液重合などその重合方法には特に限定されず、例えばポリ塩化ビニル塩素化ポリ塩化ビニル塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタアクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−スチレン無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン酢酸ビニル三元共重合体などの塩化ビニル系樹脂、およびそれら相互のブレンド品あるいは他の塩素を含まない合成樹脂、例えばアクリロニトリル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルメタアクリレート共重合体ポリエステルなどとのブレンド品、ブロック共重合体グラフト共重合体などをあげることができる。

0021

この発明の環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物は、その用途に応じて可塑剤、例えばアジピン酸ジイソノニル、アジピン酸などの脂肪族二塩基酸ポリオールとからなるポリエステル、そしてエポキシ化合物などの添加量の増減により、軟質から半硬質までの広範囲にわたる成形品を得ることができる。また、必要に応じて防バイ剤、架橋剤その他の添加剤を適宜併用することができる。

0022

以下に、実施例および比較例を示し、この発明をさらに具体的に説明するが、この発明の範囲が次にあげたこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(合成例1〜4、比較例1〜4)ここに挙げる合成例は、この発明の(a)及び(b)成分を合成するものであり、また比較例は、この(a)及び(b)成分と同じ化合物の組合わせたものを加熱することなく単に混合した事例である。
合成例1〔(a)成分〕オレイン酸カルシウム14g、イソデカン酸カルシウム14g、安息香酸カルシウム7g、リシノール酸亜鉛8g、2−エチルヘキシル酸亜鉛7g及びエポキシ化大豆油50gを量し、80℃で30分間攪拌後、濾過して黄色の油状液体を得た。
比較例1
合成例1と同じ成分構成及び成分比で加熱せずに30分間攪拌後、濾過して淡黄色の油状液体を得た。
合成例2〔(a)成分〕オレイン酸カルシウム14g、イソデカン酸カルシウム14g、安息香酸カルシウム7g、リシノール酸亜鉛8g、2−エチルヘキシル酸亜鉛7g及びエポキシ化アマニ油50gを秤量し、80℃で30分間攪拌後、濾過して黄色の油状液体を得た。
比較例2
合成例2と同じ成分構成及び成分比で加熱せずに30分間攪拌後、濾過して淡黄色の油状液体を得た。
合成例3〔(b)成分〕トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸80g及びリン酸20gを秤量し、130℃で5分間攪拌後、濾過して淡黄色の油状液体を得た。
比較例3
合成例3と同じ成分構成及び成分比で加熱せずに5分間攪拌後、濾過して微黄色の油状液体を得た。
合成例4〔(b)成分〕トリデシルポリオキシエチレン(4〜10)リン酸80g及び亜リン酸20gを秤量し、130℃で5分間攪拌後、濾過して淡黄色の油状液体を得た。
比較例4
合成例4と同じ成分構成及び成分比で加熱せずに5分間攪拌後、瀘過して微黄色の油状液体を得た。
(実施例1〜4、比較例1〜5)この発明で用いる(a)及び(b)成分を組み合わせ添加してなる環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物を得た。このものの熱安定性、透明性などの挙動を調べた。この配合及び試験方法は以下の通りである。
配合
ポリ塩化ビニル(重合度1300) 100 重量部
アジピン酸ジイソノニル40 〃
エポキシ化大豆油 10 〃
イソステアリン酸0.3 〃
ポリグリセリンレー卜 1.0 〃
ソルビタンモノラウレー卜 2.0 〃
(a)〜(b)成分 表1に記載 〃
試験
上記の配合組成物を、190℃に加熱した混練ロ−ルで5分間混練して厚さ0.5mmの均一なシートを作成し、このシートから一部を採取した。これを原シートとした。ロール面上のシートは、更に15分間継続して混練した。このローリング試験で熱経時によるシートの着色、プレートアウト(押出成形加工時の目ヤニに相当する。)、滑性などを調べた。この結果を表1に示した。

0023

この着色の判定は以下の数値で表示した。5は無着色、4は微黄色、3は黄色、2は黄褐色、1は赤褐色である。次にプレートアウトの判定は以下の数値で表示した。5は全く汚れない、4は僅かに汚れる、3は少し汚れる、2は汚れる、1は酷く汚れるである。そして滑性の判定は以下の数値で表示した。5は非常に良い、4は良い、3は少し悪い、2は悪い、1は非常に悪いである。尚、これらの数値が4以上であれば工業上の実施において何等の支障はない。
試験2
前記の原シートを使ってプレス成形機にて190℃で5分間プレス(150kg/cm2 )して厚さ3mmのプレート板を作製した。このプレート板により透明性を調べ、この結果を表1に示した。この透明性の判定は以下の数値で表示した。5は非常に良い、4は艮い、3は少し悪い、2は悪い、1は非常に悪いである。尚、この数値が4以上であれば工業上の実施において何等の支障はない。
試験 3
更に、原シートから短冊状の試験片を作製し、これを195℃に加熱したギャーオーブン老化試験機にかけ、熱劣化による着色及び黒色分解までの時間を調べ、この結果を表1に示した。この着色の判定は、以下の数値で表示した。5は無着色、4は微黄色、3は黄色、2は黄褐色、1は赤褐色である。なお、この数値が30分経過時に4以上であれば工業上の実施において何等の支障はない。また、黒色分解までの時間については分単位で表示した。なお、この数値が80分以上であれば工業上の実施において何等の支障はない。

0024

0025

表1から明かなように、比較例1に対して、TNPP(分解すると、環境ホルモン物質を生じる)を添加しない比較例2〜5は、上記の性能項目のいずれにおいても劣る結果となっているが、この発明によると着色、プレートアウト(押出成形加工時の目ヤニに相当する。)、滑性、透明性、黒色分解時間の全ての点で同等ないし優れた結果を示している。
(実施例5〜8、比較例6〜9)この発明で用いる(a)〜(c)成分を組み合わせ添加し、環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物を得た。ここでは、可塑剤の配合量が少ない半硬質フィルム用とした。これについて熱安定性、透明性などの挙動を調べた。試験方法、試験条件は、上記の試験1〜3と同様にした。この結果を表2に示した。
配合
ポリ塩化ビニル(重合度1100) 100 重量部
アジピン酸ジイソノニル20 〃
エポキシ化アマニ油10 〃
ケスターEW−600B(注−1) 0.5 〃
ポリオキシエチレンアルキル(C12−C20)エーテル0.5 〃
ポリグリセリンモノラウレー卜 1.5 〃
(a)〜(b)成分 表2に記載 〃
(c)成分−1(注−2) 表2に記載 〃
(c)成分−2(注−3) 表2に記載 〃
(c)成分−3(注−4) 表2に記載 〃
注−1ペンタエリスリトールのアジピン酸、オレイン酸の混合エステル(理研
ビタミン社製の滑剤の商品名)
注−2 1−フェニル−1,3−オクタデカンジオン
注−3 1−フェニル−1,3−エイコサンジオン
注−4 「合成ハイドロタルサイト(1)」(協和化学工業社製の合成ハイドロ
タルサイト、商品名アルカマイザーII)

0026

0027

表2から明かなように、この発明によると着色、プレートアウト(押出成形加工時の目ヤニに相当する。)、滑性、透明性、黒色分解時間の全ての点で優れた結果を示している。これらに対し、比較例は、上記の性能項目のいずれにおいても、この発明より劣る結果となっている。

発明の効果

0028

この発明の環境ホルモン物質を含有しない食品包装フィルム用塩化ビニル系樹脂組成物は、実施例に示されるように、プレートアウトの発生や滑性を損ねることなしに、環境ホルモン物質の発生源であるトリスノニルフェニルホスファイトを無添加にしたことに起因する熱安定性と透明性の悪化を防止できて、加工性と商品価値を著しく高めることができる。

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